「日本沈没2020(Webアニメ)」

総合得点
57.1
感想・評価
134
棚に入れた
395
ランキング
6929
★★★☆☆ 2.6 (134)
物語
2.3
作画
2.5
声優
3.0
音楽
2.9
キャラ
2.4

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ネタバレ

Rera さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ユニバーサルでありボーダレス

原作は読んでいないが、映画2作とドラマはすべて視聴済み。湯浅監督が、原作が書かれて半世紀後の2020年にどのような作品に仕上げたのか非常に興味があった。
感想としては、さすが湯浅監督といったところ。いろいろな意味で見る人を選ぶ作品、評価が割れる作品だと思う。僕は好きだが、いろいろなことを10話の中に詰め込んでいるので、尺の問題、設定が甘いのではと感じられる部分が多く、ご都合主義的な展開も多かった。それでもなかなか見どころは多い。
第1話で家族全員が無事で集まったところからその後の展開に関して嫌な予感がしていた。これは家族がこれからばらばらになっていくのではないかと。第2話でその予感が的中し、そして最後は、その後合流した人を含めて生き残ったのは3人だけであった。登場人物たちはただ死んだのではない。仲間や家族のために率先して働いた人たちばかりだ。それでも死は突然に訪れそして容赦がないというさまを淡々と描いている。人によってはここに違和感を感じている人も多いとは思うが、災害という非日常の中にも日常は存在している。だとすればそこには歌も笑いも苦しみも悲しみも死も同時に存在するはずである。どんな厄災がおきても人間は生き続けねばならないのだ。
人によっては、現在の日本人とはあまりにもかけ離れた描写が多く、日本という国を誤解させるひどい作品だとか「反日アニメ」だという人もいる。災害時にパニックを起こさない日本人は海外からも称賛されることは多いが、日本人がみんなそんなに優秀なわけではない。日本人にもヒステリーを起こす人もいるし、略奪を企てる人がいても何らおかしくはない。
ラップの場面もかなり意見は割れると思うが、あれはかなり象徴的に描かれている。剛は閉鎖的な日本は嫌いだと言った。春生はその結果として日本は美しくてとても好きだと言った。歩は国境など勝手にひかれただけで国や人種などどうでもいいと言った。その前にユーゴ出身のダニエルは僕の国はなくなってしまったと言った。
そういう意味で最終話は興味深かった。小野寺が残していたのは美しい日本の風景であり、再び隆起した日本列島に過去の日本を再現させるために残した映像の数々。国をなくし世界に四散してしまった日本人が再び帰る場所を作るために残したのだ。国家とは国とは何かを深く考えさせられる。
歩と剛の母親はフィリピン人であり、日比混血である。近年の日本国籍のハーフたちスポーツ界における活躍を想起させる。剛はIT先進国であるエストニアに行きたいという。エストニアに関しては災害が多い日本が目指すべき国の在り方を提示している。そして8年後、歩はパラリンピックに出場、そして剛は、eスポーツで世界一となる。剛は彼らしく「エストニア代表でもよかった」とつぶやく。ここには、彼らが歩んでいく未来がきちんと提示されている。
まだまだ書き足りないがそれだけこの作品に関しては語ることが多い語っていないことのほうが多い。見落としもかなりあると思う。それだけ日本沈没2020という作品の中に詰め込まれたものが多いということだろう。
ひとまず筆を置くが、思い出したときにまた書き足したいと思う。

投稿 : 2020/07/18
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サンキュー:

3

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