「禍つヴァールハイト -ZUERST-(TVアニメ動画)」

総合得点
65.2
感想・評価
115
棚に入れた
338
ランキング
3352
★★★★☆ 3.3 (115)
物語
3.3
作画
3.1
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.2

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

少しは1クールでまとめる工夫をしてください。

詳細は公式でも。

スマホゲームメーカーのKLabと制作の横浜アニメーションラボというタッグは、前期「ラピスリライツ」と同じですね。ラピスリライツはKLabとKADOKAWAの共同メディアミックスでしたが、こちらはKLabが独自で企画・制作した自社オリジナルのソシャゲということになります。

ソシャゲ原作のアニメというと、どうしてもゲームへの誘導という位置づけで登場キャラをわんさか出して、なにがやりたいのかわからないという作品が多いですね。1クールで30人以上もキャラを出す作品も少なくないです。

その点、この「禍つヴァールハイト」は公式サイトのキャラ紹介では19人。まあ、少なくはないけれど見せ方によっては問題なさそうです。

ストーリーは、帝国から議会へと政権が譲渡される過渡期にあるヴァールハイト帝国で、運送屋として働く臆病な青年・イヌマエルと、新米の帝国兵士で世間知らずなレオカディオという、ふたりの青年の視点で描かれるバトルアクションといった内容になりそうです。

で……、
=====第1話視聴後、所感です。
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「袖触れ合うも他生の縁」という感じで、ちょっとしたきっかけで顔見知りになったイヌマエル(CV:阿部敦さん)とレオカディオ(CV:小野友樹さん)。運送屋であるイヌマエルは、伝票にない荷物を積み込んでしまい、それが密輸武器だということで帝国軍に見つかり、投獄されてしまいます。

そんな独房を襲撃し、積み荷とともにイヌマエルを脱獄させたのは密輸組織「ヘッドキーパー」の面々。わけのわからないうちに巻き込まれ、イヌマエルはヘッドキーパーとともに逃走することに。

そんなヘッドキーパー捕獲のために追手として送り込まれたのが、ヘルマン(CV:津田健次郎さん)率いるヴァールハイト帝国軍第零捌小隊。その小隊には、配属されたばかりのレオカディオもいました。

渓谷で逃げ切れないと悟ったヘッドキーパーは、武力衝突を覚悟し、迎え撃つことにします。追いついた小隊と対峙するヘッドキーパー。はたして、ふたりの運命やいかに?
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というお話です。

秋アニメとして開始時期が1週遅れたのが、今作は裏目に出そうな印象です。どうにも今期は注目作が多く、放送開始ラッシュの流れに乗れないと埋もれてしまうのかなと。まして、サムネイルとか事前PVが地味で、監督は「十二大戦」「失われた未来を求めて」という、ちょっとイマイチな作品を手掛けた細田直人氏(「働く魔王さま!」「未来日記」は悪くないですが)、脚本は百瀬祐一郎氏と、“あの”「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(いもいも)」の脚本・シリーズ構成の方なので、事前の期待度はそれほど大きくないといったところ。

こうした下馬評なのに、放送開始時期が遅れて悪目立ちもしない感じで、ちょっと空気アニメになりそうな気配がプンプンします。ただ、初回は悪くありませんでした。目を引くほどの作画ではないけど、それなりに世界観に合った雰囲気はあるし、登場キャラは多いけど話が整理されていて導入としては入り込みやすい造りだと思いました。

一見、サムネで女性向けかなと思いそうですが、女子の主要キャラに花守ゆみりさん、藤井ゆきよさんを配し、男性声優陣も上記の3名のほか、鈴木凌太(す)さん(「かぐや様」の石上役)とか、杉田智和さんとか、なかなか豪華です。

ま、少なくとも初回だけ観て切るという作品ではない印象。うん、悪くなかったですよ、これ。しばらく様子見します。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
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帝国軍の追撃から逃れ、支援者のいる街へと逃走するヘッドキーパーの面々。とある森で車が故障してしまい、近くの村に部品の調達に行きます。そこで村人たちは、行方不明になった幼い姉妹と、捜索に向かった村の連中が戻ってこないことを案じているシーンに出くわします。

聞くと、森では正体不明の魔物が跋扈しており、10年前にも同じようなことがあったと。孫娘が帰ってこないことに心を痛めている老人は、捜索を手伝ってくれたら部品を分けてやると提案します。こうしてヘッドキーパーは、魔物の棲む森に幼女2人を捜索に行くのですが、はたして無事に見つけ出して帰ってくることができるのでしょうか?
{/netabare}
というお話です。

あれっ?
これ、ひょっとして面白いんじゃ?

明らかにサイドストーリーではあるんですが、なんというか演出が巧みなのか、面白かったですよ今回も。

全体的に遊びが少なくて、ずっとシリアス展開が続いている感じなんですが、そういう作風なので別に気になりません。真面目に作っているなという印象です。まあ、まだキャラに愛着が持てるまではいってないのですが。特に主人公と見られる2人が、帝国軍兵士のほうは青臭いし、ヘッドキーパーのほうはナヨナヨ系だし。

でもまあ、こういう敵味方という2つの視点からストーリーが展開していくのは観ていて緊張感もあるし、楽しめると思いますよ。ちょっと追いかけてみようかなって思わせてくれた勝負回の3話でした。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
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まあ、すったもんだありまして、イヌマエルは妹のシセルが人質に取られて殺されかけますが、そんなヘルマンを背後から刺し殺したのがレオでしたよと。

でまあ、怪物にされたエルフリーデが、死ぬ間際に人間の心を取り戻し、ペンダントをイヌマエルに託します。王都のなんちゃら博士に渡せと。

そんなこんなで帝国軍のレオとコンラッドは、ヘッドキーパーと行動を共にすることに。
{/netabare}
というお話です。

まさにダークホース中のダークホース。かなり面白くなってきました。

ひとえにシリーズ構成、脚本の担当を監督の細田直人氏が直接取るようになってから、面白さがグンとアップした印象です。

序盤の3話くらいを、あの「いもいも」「インフィニット・デンドログラム」の百瀬氏が担当していたわけですが、どうなんだろう。細田監督が、さすがに任せられんってなったのかもしれないですね。

というわけで、最大の懸念材料が改善したら、あとは「はたらく魔王さま」「未来日記」監督に期待しましょう。ただ、この人、あの悪名高き「みなみけ〜おかわり〜」でやらかしてるんですけどねw
{/netabare}
=====第11話視聴後、追記です。
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いろいろとっ散らかって、今いったい何をしているのか、よく分からなくなってきました。とりあえず主人公のレオとイヌマエルが、別々にどこかの施設に潜入している感じ。

なんていうか、主人公ふたりの圧倒的モブキャラ感がね……。

面白くないわけじゃないんですが、このふたりが見た目だけじゃなく、ゆるく主役級って感じなので、チーム全体でそれぞれ何かやってるというのが分かりにくくなっている理由なんです。

そして作画も微妙ですねえ。終盤に来て低カロリーになってきました。もう少し頑張れ、横浜アニメーションラボ。
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=====最終話視聴後、感想です。
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なんだかセカンドインパクトみたいなのが起こり、いろんなモブが死に、各方面のメインキャラは、それぞれがそれぞれ、俺たちの戦いはこれからだENDっぽくなり……。

なんでイヌマエルは生きてんだよ、とか、花守ゆみりさんCVのキャラはどうなったんだよとか、ホントいろいろ投げっぱなし。2期も期待できそうもないし、少しは1クールで話をまとめる工夫をしたらどうですかね。

中盤までは面白い感じだったのに、風呂敷を広げすぎてまとめきれなかったような印象です。ま、原作があるだけに、いろいろと設定の辻褄を合わせるのに苦心した感じはあります。

ストーリーとしては光るものがあったんですが、やっぱりこの世界観で魔法を絡めるのは少し不自然かな。それと、キャラデザがなんとも微妙で。メインキャラも軒並みモブっぽさ全開で。

結局のところ、作品自体の評価としては中の下といったところに落ち着いた感じでした。まあ、万が一2期があるなら続きを観たいかもですね。
{/netabare}

投稿 : 2020/12/30
閲覧 : 774
サンキュー:

7

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