「鬼滅の刃(TVアニメ動画)」

総合得点
94.4
感想・評価
1652
棚に入れた
6872
ランキング
5
★★★★☆ 3.9 (1652)
物語
3.7
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.8

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薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

世界へ!

空前の大ヒットです。

"鬼" が、日本を飛び出して世界に広がろうとしているようです。



"鬼"。

いろんな意味で使われている言葉です。

例えば、精魂を傾ける職人、鬼検事、資金の回収業務などですね。

これは、役割上の「修辞」として使われますね。



悪い意味で使われる言葉はどうでしょうか。

鬼のような形相とか。

冷酷非道な行為とか。

これらは、人の見かけや振る舞いの「様相を表わす比喩」ですね。



では・・・もののけ、は?

超自然な存在、霊魂、アニマ、精霊でしょうか。

これらは、デビルでしょうか?

それとも、サタンでしょうか?

いえいえ、ゾンビの類いなのでしょうか?



どれも正しくありません。

あの "なまはげ" だって、生者に罪を犯さないように釘をさす "使者" という大切な役割を担っているのですから。

"鬼" は、地域の歴史を担い、未来を創造する「土着文化のスペシャリスト」なのですから。



竈門炭治郎と禰󠄀豆子が表現する「人間と "鬼" の関係性」

炭治郎、冨岡義勇が表現しようとする「人間と "鬼" との未来性」

鬼滅隊と鬼舞辻無惨が表現する「社会的存在価値の対立構造性」



それらは、どちらか一方から見ただけの、善悪だとか、正邪とか、強弱とかの単相で割り切れるものではなさそうに感じます。

"鬼" には鬼の、鬼を選ぶ「言い分と理由と背景」がきっとあります。

そこに視点を向けるとき「鬼滅の刃」に新しい解釈が生まれるのではないでしょうか?



人の心に深く根を下ろしている "鬼" という文化性。

神前で奉納される「地域の歴史的文化性の象徴」でもある "鬼"。

「"鬼" の文化性の復権」ともいえそうな現象を巻き起こさせている本作品。

国内はもとより、ひいては国外に広く発信されることが、私にはとても嬉しいのです。

投稿 : 2020/10/24
閲覧 : 463
サンキュー:

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