「神様になった日(TVアニメ動画)」

総合得点
74.5
感想・評価
750
棚に入れた
2204
ランキング
882
★★★★☆ 3.4 (750)
物語
2.9
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.7
キャラ
3.2

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ネタバレ

ズッキーニ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.0 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

Key作品というブランド力ありき

自分はKey作品が大好きである。
Key×京アニの代表作である「Air」「Kanon」「CLANNAD」は勿論、視聴済みだし、中でもCLANNADは個人的には最高傑作だと思うほどに好きである。
その後のKey×P.A.WORKSの「Angel Beats!」と「Charlotte」も見てきた。
そして今回は三部作と言われるシリーズの最終作で、原点回帰などと言われていただけあって、とても期待していた。
(これが良くなかったのかもしれないが。)
しかし、蓋を開けてみると良作画と有名声優を使っているだけの駄作である。もし、Key作品じゃなかったら確実に切っていたであろうクオリティである。
これは、よくある思い出補正と言われるものなのだろうか?自分はそうではないと思う。では具体的にどこが良くなかったかを言っていこうと思う。
近年のKey作品の流れは、日常→非日常を1クールに収めるのが定型になっているが、本作は、そのコメディーとシリアスの混ぜ方が下手だなと思った。
1話完結のコメディー→鈴木少年関係のシリアス展開を少し進めると言った形でコメディーとシリアスがぶつ切りにされているのが良くないと思う。
例えば、Charlotteであれば、能力者探しをしていた前半パートでは様々なコメディー展開がコミカルに含まれていたが、その背景には、能力者が研究に利用されてしまうかもしれないという深刻な事情があった。またヒロインの友利には、研究に利用されてしまった兄がいて、その兄の病の詳細も細かく描かれていた。そして、そのような人を増やさないためにも友利は能力者を探しているのだという明確な目的とバックボーンが存在していた。このようにCharlotteではコメディーとシリアスがうまい具合に混ざっていたと思う。そう思うと、今作の脚本はあまりよくなかったと思う。

また第9話での{netabare}主人公の唐突な告白。それに応えるひな。正直、寒い展開だなと思ってしまった。自分の中で恋愛的に好きなのがイザナミさんで、友達として好きなのがひなだと解釈していたのに、いきなりあんなこと言われても「え?イザナミさんは?」ってなる。
あと、ひなも露骨に自分も好きだったという気持ちを言葉にせずとも、表情とか見せ方で間接的に表現できたのではないかと思ってしまった。ひなからしたら自分が連れて行かれるのはどうしようもないことと理解していて、主人公に別れを告げるシーンなのだから、仲間たちが自分を助けにきてしまうような無謀なことをさせないために、むしろ嫌いだと言い、主人公をふりほどくような展開でもいいのではないかとも思う。そこのところの見せ方にも感情移入できなかった。 {/netabare}

(追記)
{netabare}11・12話とkey作品安定のシリアス展開に入り、ひなについての真相とひなの術後の姿が描かれました。
ここで言いたいことが4つある。
まず一つ目はひなの世話をしていた母の描き方である。ひなの母の正体はひなの世話をしていた介護士であった。生まれつき障害を持っていたひながきっかけとなり、介護士として働くことを決意した過去も描かれていた。そういった背景を描いがいておきながら、あたかも母親を悪者のように描くやり方に少しばかり嫌な感じがした。主人公のやり方も明らかにおかしいのだから勧善懲悪的に物事を表現するのは違和感を感じるところであった。
次に二つ目は主人公のひなへの接し方である。どこをどう考えればあのような強引な接し方ができるのか。勝手にエスカレートして大きな声を出すところなどを見ると全く感情移入ができなかった。
三つ目は脚本の雑さである。今まで名前すら言わずに歩くことすらできていなかったひながラストシーンで急に主人公の名前を呼び、歩み寄っていく姿には感動のシーンとは言え、さすがに違和感を感じた。できすぎといったところだろう。病の残酷さが少々薄れている気さえする。
最後にアニメだけの話ではなく、この作品のファンに向けて言いたいことがある。それは、作品に対しての賛否についてである。最初に、多くの人がネット上でこの作品への批判を書き込んだ。これについてはその人の意見も尊重すべきだし、自分も同意するところである。しかし麻枝さんがTwitterのアカウント削除した途端に批判している人への批判がネット上で多く見られた。自分はその人に聞きたい。それが本当に麻枝さんのためになるのかと。自分はただ盲目に賛辞だけ送っていれば良いとは思わない。良い所には良いと言うし、良くない所には良くないと言うべきである。彼に同情するかのような生暖かい言葉をかけるのは、むしろプロフェッショナルとしての彼への侮辱にも値するのではないかとすら自分は思う。自分はClannadなどの名作を手掛けてきた麻枝さんを心の底から尊敬しているからこそ、今回の作品に関してはこのような意見をはっきり言おうと思う。 {/netabare}

(総括)
今回の作品については、このような評価となってしまったが、これまでの様々な作品で感動をもらったのは紛れもない事実なので、今後の作品にも期待をして待ちたいと思う。

投稿 : 2021/01/11
閲覧 : 323
サンキュー:

5

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