「かげきしょうじょ!!(TVアニメ動画)」

総合得点
85.1
感想・評価
493
棚に入れた
1442
ランキング
248
★★★★★ 4.1 (493)
物語
4.2
作画
3.9
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

お芝居の話に納得できます。

【概要】

アニメーション制作:PINE JAM
2021年7月4日 - 9月26日に放映された全13話のTVアニメ。

原作は、斉木久美子による、ジャンプ改→MELODYに掲載誌を変えて連載されている漫画作品。
監督は、米田和弘。

【あらすじ】

『渡辺さらさ、オスカル様になります!』

「紅華歌劇団」とは、大正時代に神戸の大手企業グループの取締役によって発足された歌劇団。
未婚の女性だけで男役も女役もやる耽美で華やかな舞台は数多の女性ファンの心をつかみ、
数年後、歌劇団の明日のスターの養成所として作られた「紅華歌劇音楽学校」は25倍の倍率の狭き門。
夢見る乙女たちは厳しいふるいにかけられる。

これは、ちょうど第100期生となる輝かしい舞台を目指す少女たちの研鑽と青春の物語。

身長178センチの見た目ふわふわした少女の、渡辺さらさ。
元・国民的アイドルグループのメンバーで他人と距離をおいている、奈良田 愛。

特にこの二人を軸としたお話である。

【感想】

宝塚歌劇団をモデルにした原作少女漫画。

「ジャンプ改」(集英社)の休刊に伴う原作漫画の「MELODY」(白泉社)移籍は、
両社が一ツ橋グループ(小学館も含む)を構成する企業であること。
週刊少年ジャンプ第6代編集長の鳥嶋和彦(マシリト)が先代の白泉社社長ということで、
つながりが理解できると思います。

さて、アニメの話。現実でのAKBモデルのアイドルグループの元メンバーであるとか、
目が星になってる如何にも能天気系の高身長女って記号であって個性じゃないですね。

特に、さらさのいつもニコニコ元気印の天真爛漫ガールって幼い子供じゃあるまいし、
何も考えてないか人目を意識して外面を作ってるとしか思えなくて、
最初は「コイツ何者だ?」と思わせて、さらさの笑顔や態度に何か意味があるのだろうか?
と内面を掘り下げていくやり方だと良いな!でないと薄っぺらい話に思えてしまう予感がしました。

で、実際に観てみたところ、

少女たちの置かれた状況・悩み・苦しみから脱却して、夢を成就するために何をなすべきか?
多数の予科生の少女の一人一人に成長のための試練があり、
スポットライトを当てるやり方はドラマチックで王道。

10代は人格形成の多感な時期であり、人から言われたことの受け取り方が極端であったり、
ナイーブさから自分を見失ったり、賢いとは言い難い解決法をとろうとして、
人を傷つけて後悔したりと、かえって事態を悪くしてしまう。
その感情のうねり・正しくなさに共感できたら多分名作に思えてきますね。

悪いことをしたら謝り、真摯に心配してくれる声に耳を傾ける、
人としての誠実さ・正しさが、この作品の物語の重要なところかと思います。

さらさの突出したスター性と演技力には出生の秘密が関係あったり、
愛の男性恐怖症の原因が闇が深すぎたりで、やってることは極端ではありますが、
キャラクターの心情表現を見せる演出や作画が比較的丁寧に作られていることで、
抵抗なく受け入れられました。

作中で度々触れられている演劇論は実はアニメでも共通していることであり、
視聴者を意識したコンテを作って作画の芝居をしっかりとやる。

その点でこの作品は充分に楽しめるレベルであり、観ている間良い時間を過ごさせていただきました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/10/08
閲覧 : 298
サンキュー:

64

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