「東京24区(TVアニメ動画)」

総合得点
60.5
感想・評価
129
棚に入れた
363
ランキング
5700
★★★☆☆ 2.9 (129)
物語
2.7
作画
3.0
声優
3.1
音楽
3.0
キャラ
2.8

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ネタバレ

螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.2
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

最強のネズミをテーマに構築された高度ななろう系アニメ

ところどころペルソナを劣化させたかのようなスタイリッシュ()な演出がダサいです。

うーん、話も未来に起こる惨劇を防ぐというよくある感じだったので斬新さとかは感じませんでした。とりあえず様子見ですかね。

2話
RGBと深く関わった亡きアスミの掘り下げ回だけど、肝心な本筋が進んでいない印象。タメ回と割り切ればそれなりだけど、その本筋がグルメフェスにおけるチンピラ共の不正云々というスケールの小ささ。世界観にまるで関わっていない題材を序盤にやるとは大胆ですね。しかも1話のようなアクションシーンは皆無でした。

3話
グルメフェスに竜巻襲来アンドカバ先生死亡回。
この話が一番つまらないです。チンピラのつまらない不正を取り上げただけのAパートの単純な薄さに始まり、キャベツのシーンで関係ないアスミを持ち出した不必要なギスギス、脈絡の無いRGBのガバガバ連携など、見苦しいシーンがかなり多かったです。極めつけは謎のファンタジー設定が飛び出すし、どの層に向けたアニメなのかも謎ですね。

4話
無法地帯のシャンティタウンが舞台のエピソード。人を狂わせる薬物である『D』によるシャンティタウンの犯罪率上昇を受け、コウキやランが各々のやり方で調査する中、シュウタは夜に一人、シャンティタウンに向かうコズエを連れ戻そうとしますが……

今回はそれぞれの要素へのアプローチ自体は良かったと思います。ランのストリートアートの描写からカバ先生の遺志は受け継がれているようですし、失意の底から一念発起しようとするシュウタの描写も多少盛り上がりに寄与したかな、という具合。
でも登場人物の感情の遷移が訳わからないことが多かったです。前々から情緒不安定なRGBもそうですが、今回は特にコズエが多重人格か?というくらいに前半、後半でシュウタへの対応が違うのでそこが観ていて首を傾げる要素でした。彼女がカバ先生を助けられなかったシュウタに八つ当たりしていて関係がかなり拗れていたので和解には何か明確なきっかけが欲しいところでしたが、そこで気を許す描写が欠如している辺り、やはり詰めが甘いんですよね。
前々から思っていますが、勢いで流せないSFでこういう風にロジカルな描写ができていないのは致命的かと。

5話
音声データだと判明したDの前身を作ったのはクナイで、それを半グレが悪用し、電子ドラッグとしてシャンティタウンに広まったというのが薬物事件の真相だった。犯罪の片棒を担いでしまい、罪の重さに打ちひしがれたクナイは悪人たちを皆殺しにするため、奴らが乗った船を爆破してケジメをつけようとするが……

クナイとランの関係の描写に力を割き過ぎて肝心の話運びが雑になっていました。そもそもクナイを無力化するのに律儀に殺すという選択を取る必要が皆無。脇を固める細かいルールが目に見えてガバガバなので、肝であり主人公たちの行動における前提となるはずのトロッコ問題の組み立て方がとんでもなく稚拙というのが分かります。
財閥の御曹司ではあるものの、たかがインターン生が射殺許可って……コウキを指示役にする必要性は全く無いです。世界観的に法律破ったら即射殺って殺伐な雰囲気ではないし、犯罪者だからって事情も知ろうともせずに即殺すのはいくらなんでも人道に反しています。そのせいでバックにいた犯罪者どもは健在ですし。そこはランにも犯罪者は誰だよ、と遠回しに非難されていましたが。
クナイは犬死にだし、クスリと悪人たちは蔓延ったままだしで、見ようによっては3話以上に最低最悪な回と言えます。

6話
親友のクナイが外警に射殺され、怒るランをコウキが宥めようとする。なおも抵抗をやめず鎮圧されるランだったが、彼を助けたのはDoRedのメンバーだった。テロ未遂の後、外警によるシャンティタウンの取り締まりが強化され、その横暴さに不満を持つ人間も現れる中、街中に亡くなったクナイによる中継が流れるのだった。

ワクワクはそこそこしましたよ。ですが今までの杜撰さや重大な情報を提示するタイミングの異様な早さから、やりたい設定やエピソードを垂れ流しているようにしか見えないのが……あとは登場人物に魅力が無いのがデカ過ぎる。4話以降主人公たちがまるで活躍できてないで、敵であるカルネアデスに振り回されてるだけなのが最高にダメですね。ベストを尽くしてなお勝てないなら両方の株が上がる良展開になるはずなのに、RGB側がトンチキな行動しかしないからカルネアデスが凄いんじゃなくて、主人公たちアホだろ、としか思えない。1話から割とそうですが、5話のテロ未遂の話なんてそれが顕著です。
コウキは自分で物事を考えているかと思いきや、結局そう見せかけた無能で単なる親の操り人形。
今回の話なんかクナイを殺さないで済む未来は無いとか断言してましたが、竜巻のことが尾を引いて弱腰になっていたとはいえ、1話でアスミから与えられた選択肢に無い第三の手を打ち、それを見事に成功させたので可能性はどうあれそんなことは無いです。
天才キャラ特有の頭が固いとか言っても、犯人だからといって短絡的に殺して終わらせようだとか、普通に考えて正義を大義名分として振り翳すだけのサイコパスです。挙句安易に殺したせいで動機分かりませんって……マジモンのアホですかね。テロ未遂は犯人射殺の必然性を感じなかったので1話の新幹線よりは簡単に見えました(説得が無理でもクナイは比較的安全に鎮圧できるはず。的確に壁越しに撃って射殺できたことから同じ要領で肩などを狙って撃って制圧することもできたのではないか。それが無理なら周辺の要素で説得力を出すなどの、これ絶対無理だという根拠が欲しい。SFなんだから)。
コウキは設定的に天才キャラのくせになんだか頭が悪過ぎるんですよね。クナイをなんとか生捕りにして動機を聞けばコウキが嫌悪する犯罪者どもを一斉検挙できるし、力及ばず、あるいはなんらかの要因で誤って殺してしまう展開にした方が曇らせ展開としては結構美味しかったはず。それを短絡的にあっさりとクナイを殺したからできなくなりました。この一連の流れはもはやギャグでしかないです。
それに正義に固執する展開にするならもっとコウキがもっと正義に執着するような描写を盛り込むべき。ここがとにかく中途半端。天才設定かつ正義正義言う奴が根っこを見逃すのは流石にダサいし無能感を一気に加速させ、現に設定と展開の間に乖離を招いています。クナイを殺すにしろ、船のあいつらを捕まえさせた方がまだ彼の設定描写に説得力が出ました。
シュウタは主人公なのにそもそも脚本に活躍させてもらえない、いわば空気みたいなキャラ。そのせいで失敗以外の積み重ねがほとんど無いからコウキやランへの説得に重みがまるで無くてただただ情けない。
まともに見えるのはランくらいですね。ランはダーティなキャラクターとしては比較的納得しやすい言動や行動をしていました。

これはやはりサクガンに続くダメなオリジナルアニメなのだろうか。

追記
麻酔銃は即効性じゃないらしいです。無知を晒してすみませんでした。

7話
にゃんさんが言っている通り、話が普通に薄いです。放送を一回落としたのもあり、作画も不安定になっています。7話にもなってRGBが仲良さそうな描写は回想以外皆無だし、むしろどんどん亀裂が拡がっている有様。シュウタの問題に対する結論も回想に出て来たアスミのセリフであっさり解決。そもそもクライマックス感あるのに今更パン作りに尺を割くってのも謎です。そういうのは序盤に盛り込むべきでは……。
シュウタがトラウマを乗り越えるというシリアスな場面において出たシュウタの父親も、作風に合わない北斗のパロみたいなギャグをする場違いなキャラだし、トラウマ塗れでシリアス要員のはずな梢もなんかいきなり元気になっているしで、ギャグとシリアスの塩梅ももはやできていないです。
また、話の核になるシュウタに共感できるだけの魅力が全く無いのが致命的。6話までで彼が活躍する展開をもっと作れたなら話は違っていたのですが、それができていないのでどうしようもなくなっている感が溢れています。

8話
カルネアデスの正体が黒葛川だと判明し、その目的は区長からカナエシステムにはバグがあること、そしてシステムの中にはアスミの残留思念が入り込んでいるのを隠すことでした。
この話も酷かったです。まず黒葛川がカルネアデスを演じてまで隠したがるバグについてこの話では何も分からない。つまり黒葛川の正体が分かったとしてもその詳しい目的が見えないので彼女に共感しようがないです。おそらくバグがあの変な竜巻とかを起こし、それを人為的に起こしたように見せかけるための悪役を仕立て上げたとかそういうオチでしょうけど。
結局RGBの三人は特に腹を割って話し合うというわけでもなし、トロッコ問題もなあなあで流されて軽微な被害で終わりました。カルネアデスの正体とアスミの残留思念の一件以外は何も判明せず、ゼロスの意味深なセリフや黒葛川の言っていたバグなどの謎が増えるばかりでした。
パン屋といい、ここまで話が進まないとろくな感想が出ないです。

9話
シュウタたちがほとんど絡まない過去回が一番マシってどういうこと?しかしマシと言っても他と並べた基準としては全然ダメだけど。事故の原因である対向車やカナエを殺した犯人に一切触れずに強引に自分たちだけの問題に挿げ替えるってどんだけ自分たちの作ろうとするシステムを神格化してるんでしょうか。
あとはカナエが治安の悪いシャンティタウンで護衛も付けずに明らかにヤバそうな人間を人気の無い所まで追っていくのも脳内お花畑だなぁとしか。ああいう危険なところで志を持って活動していくならまず自分の身を守る手段を確立することは大前提だと思います。

10話
シュウタ覚悟決めたはずなのになんでまたウジウジしてんの。公式自らが7話完全に要らないって証明しちゃったじゃないですかやだー。あとランがクナイを追い詰めたクズ野郎と組むのも萎えました。葛藤もほぼ無いとかあり得ないでしょ。普通なら殺したくなるくらい憎いでしょ。そもそもなんであいつがクナイを追い詰めた犯人だって分かってんの。仲介役のゼロスから聞いた?
ラン側もなんか暴徒化して全く共感ができなくなった上、そこにアクティブ引きこもりの梢がシュウタの手を振り払ってそんな連中に加入する始末。しかもシュウタはまたウジウジし始めます。
最後はシュウタが黒葛川からアスミの居場所について聞かされて終わり。

なんで10話になってここまで話が動かないの。

11話
ネズミTUEEEってなろうでもおそらく無い斬新な発想ですね(皮肉)。まさかのネズミが廃校の火災の原因とは思いもしませんでした。ギャグアニメとしてならもう最高ですよ。SFとしては最低ですが。
だとすると現場からネズミが断片的でも出て来そうなのに、なんで作中だと放火事件って報道されてるんでしょう。別に作中の技術ならそれくらい調べられそうなのに。断定できなくとも、最低でも推測はできるでしょ。
それにネズミに登場人物が踊らされるってトムとジェリーにでも影響されましたか?あちらは世界が誇るコミカルアニメの名作ですが、シリアス路線なのに猿真似されても萎えるだけです。
Bパートの殴り合いもRGBが後半ほとんど絡んでないから空々しい展開に。しかも長ったらしくてテンポ悪いです。

あと1話しかありませんが、どう収集をつけるのでしょう。

12話
話を畳んだだけサクガンよりはマシとは思いますが……。なんだかんだハッピーエンドで終わりました。
しかしながらSFとしてはそれぞれの要素がまるで活かされていないのでド底辺も良いところです。犬とか竜巻とかクナイ射殺とかガワのインパクトだけ重視してスッカスカになった感じでつまらない話がめちゃくちゃ多かったです。特にグルメフェスのくだらない思惑の話とかパン作りの話は丸々要らないレベル。
キャラクターも扱いが雑。梢とかゼロス、筑紫さんとか思わせぶりで出てきた割には何も無かったという。特に筑紫さんがただの良い人で終わったのは笑いました。シュウタもシュウタで主人公の割に活躍が1話とラストだけっていうしょうもないキャラクターに。まどマギと違ってシナリオ作りが致命的に下手だから主人公の魅力を失くしているだけに終わっています。
トロッコ問題もほぼ全ての話で活かされたとは言い難く、これも一過性のインパクトしか考えていない証左の一つだと思っています。正直要らない要素です。
世界観も要らない話を取り上げるせいで本題が進まないからふわふわしていて掘り下げが足りない上、変に政治要素を入れているから無駄に小難しい。しかも明かされたところで他作のオマージュに過ぎないから大したことない。全編における絶妙なつまらなさはたぶんこのマイナスのコンビネーションが足し算で成立しちゃってるからじゃないでしょうか。

総評してSF作品の中では微妙、視聴中のストレスも溜まりやすい作りだしわざわざ時間を作ってまで観る意味は薄いと思います。

投稿 : 2022/04/08
閲覧 : 669
サンキュー:

9

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