ERRUE さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:----
本当にタイトルの通り
いや、此処の評価を見る前から薄々感づいてました。なろう臭がプンプン漂っている作品はタイトルに内容が全て書かれているので、この作品も同じでした。いや、本当に主人公はタイトルの通り『嘘つきのペテン師』でした。
{netabare}
これもなろう系と発想が同じで物語を『起承転結』から『起結結結』の話にする事で、物語の過程と背景をバッサリ切り、主人公が一方的に相手をタコ殴りにして『ざまぁ』する系のやつです。
今回も『七つ星は嘘』からのハッタリから始まり、能力も実力も無い主人公が勝つ手段は『イカサマ』だけ。
まるで、カイジやアカギに登場する悪役が主人公みたいな設定。
アカギの話で語られるギャンブル・勝負についてこんな話があります。
”賭けているものが無い時に必要なものは「センスと集中力」”
”賭けているものがある時は、それ以上のモノ『己を信じる心』が試される”
これら両方が今作の主人公には欠けている。特に主人公には『大した目的も失うものも無い』のが致命的。もうこの辺りは「鷲頭巌」と同じ。相手が命を掛けているのに、自分が失うものは金(はした金)と同じ構図。
他のレビューだと、主人公に罰が当たらないとムカつく等の意見が多いけれど、自分的には『物語・キャラの設定が根本から破綻している』事の方が問題。アカギやカイジを見れば分かると思いますが、彼には
『緊張感がまるでない』
不自然さがあります。後ろめたさを感じない等『悪事を働く人間の心理描写が雑過ぎる』に尽きます。
ギャンブル系の漫画を描くときに必要なものは『競技者の心理描写』が読者の目を惹かれる訳ですが、なろう系みたいな「結論ありきの展開」では八百長です。マジで合わないんですよ。結果論ありきの物語は過程が疎かになる傾向が強く場当たりで問題解決を図るので、危機一髪系の勝負事を描くには相性が最悪。
過程が適当に描かれる悪影響として『感情描写が雑になる』のも致命的。チートを使った上に、自身の身の安全すら気にしない能天気な主人公では興醒め。
主人公の悪事に加担した奴がゲロした瞬間に学校生活が終わるレベルの危機状態も気にしない。自分の悪事がバレないかソワソワする様子すらない。
↑
これってアカギやカイジに出てくる『モブの悪役』そのもの過ぎて詰まらない。本当に種や仕掛けが丸分かりの手品みたいです。
◎最後に
2話まで見ましたが、もう切っても良いんじゃ無いかなぁ…と思い始めています。賭ケグルイみたいな作品を期待してましたが、見事に裏切られました。
ハラハラする緊張感も味わえず、結果ありきのシナリオと主人公の設定にしては無理過ぎる展開と、余りにもお粗末な感情描写に嫌気が差しました。
続きを面白くしようにも、この作品のキャラ設定では、主人公に理知的な戦略は無理でしょう。
”地図すら読めない奴が腹の探り合いのゲームで勝てると思いますか?”
”女子だろうが相手を一切警戒しない男が駆け引きで勝利出来る頭があると思えますか?”
1話目からこんなボロボロ描写をされてしまっては、方向転換して頭脳戦の話まで持って行くことは望み薄。
{/netabare}