「ARIA The NATURAL[アリアザナチュラル](TVアニメ動画)」

総合得点
80.6
感想・評価
940
棚に入れた
4971
ランキング
439
★★★★★ 4.2 (940)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.3

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

その 不思議なひとときを…

【概要】

アニメーション制作:ハルフィルムメーカー

2006年4月2日 - 9月24日に放映された、全26話のTVアニメ。
原作は、天野こずえによる漫画作品の、
『AQUA』(月刊ステンシル))と『ARIA』(月刊コミックブレイド)

監督は、佐藤順一。

【あらすじ】

未来の世界のお話。テラフォーミングされた火星は極冠部の氷が溶けて膨大な水となって、
海に覆われた陸地が殆ど存在しない水の惑星に変貌していて、「アクア」と呼ばれていました。

入植して人類の居住環境を整えたりする数多の先人たちのお陰で、
いくつかの街がアクアに出来て発展していました。

かつて地球に存在して21世紀前半に異常気象の大洪水で水没してしまった、
水の都ヴェネチアの建築物の数々を宇宙船で「アクア」に運んで、
惑星アクアの島のひとつに新たに作られた観光都市がネオ・ヴェネツィア。

都市内では自動車も機関車も禁止で、交通手段は船とロープウェイに限定されています。
また、人類が住むには環境面での様々な問題があるために、
地球上と同じレベルでの居住環境を作るために、
未来の技術で人の手によって重力と気候を制御されてもいます。

テラフォーミングから150年後の2300年代の初頭、
この時代の地球(マンホーム)は、自動機械制御で人類の生活が便利になった代償で、
徹底した合理化で各国の文化や風習が無駄や非合理的なものとして失われつつあります。

主人公の夢見がちな少女の水無灯里は、
故郷の地球(マンホーム)では味わえなくなった素敵を見つけたくて、
異星であるアクアで、一度途切れてしまっているヴェネチアの伝統や文化を回復して受け継ごうとする、
憧れのネオ・ヴェネチアに来て、ゴンドラを漕ぐ観光水先案内人のウンディーネの見習いとして就職。
そこは、業界ナンバーワン人気で有名なプリマ・ウンディーネのアリシア・フローレンスと、
火星猫のアリア社長の他にはいない小規模方針の会社で、
灯里は、優しくて素敵なアリシア先輩の弟子となります。

灯里は、人工的に四季が作られているネオ・ヴェネツィアで、街の人達に交わりながら、
素敵を発見する毎日を楽しみ、観光会社の老舗の「姫屋」の跡取り娘の藍華・S・グランチェスタ、
そして操舵の天才少女でありながらも、人付き合いが苦手のアリス・キャロルとで、
三人は親友となります。

そんな彼女たちの先輩である、先述のアリシアさんや晃・E・フェラーリやアテナ・グローリィに、
見守られながら一人前のウンディーネを目指す三人娘の日常の物語。

今回の2期も灯里は様々な素敵を発見しながら、不思議な体験を数多く味わうことになります。

【感想】

ARIAは良い。ARIAは尊い。

私が最も大好きなアニメの一つがARIAであるのですが、
何故、このアニメに心が惹かれるのかというと、主人公の水無灯里のポジティブさにあるのかと?
なんでもない日常に今まで気づかなかった知らないことに出会う度に驚きと喜びを隠さずに、
目に映る人間や物の全てに感謝をし、決して悪しざまには言わない。
幸せとは何だろうと考えてしまいます。
愚痴だらけの人間は嫌われて友達がいなくなって孤立してしまうのと真逆の生き方。

理屈が多い頭でっかちではダメで、きちんと色んな場所に足を運んでいろんなものに触れて、
いろんな人と出会って他人の気持ちを受け取ることで発見をして成長していく。
「普通」であることの素晴らしさを、たくさん教えてくれるのが、このアニメですね。

現実では思い通りの自分になれずに人間関係も思ってたのと違ってたりギクシャクするのですが、
この作品でも実は妬みの感情があったり何かを見下したり陰口を叩く人間も普通に存在していて、
決して心がきれいな人間だけしかいない世界でもないのですが、
それを知りながらも、変わらないいつもの自分であろうとするのが灯里。

外面は、ぼへっとした能天気な天然ひとたらしさんにしか見えない灯里ですが、
実は人並みに他人の心の痛みに共感出来たり、寂しさなど色んな感情をきちんと見せたりする。
人生を楽しむ達人として、限りなく人間を好きでいようとする灯里のキャラが羨ましくもあります。

この作品には、ちょっと現実で心が疲れている人間の背中を押してくれる、
ネガティブなときにこそ、身につまされる名言が多いですね。
声優の茅野愛衣さんが前職時代に忙しくて疲れ切ってたときにARIAを観て癒やされて、
自身も声のお仕事を目指すようになった有名なエピソードがあるように、
このアニメは、観る人の心に栄養を与えてくれます。

基本的には、ゆるい空気であることが多い作品ですが、
シリアスな部分でもきちんと魅せてくれる、人の優しさとか温かい気持ちとか希望とかを、
どんどん強くしてくれる。本当に大切な作品であるとは思います。

藍華やアリスらにも感情の振れ幅があるエピソードがあったり、
すごく可愛いカットがあったりで、本当にこのアニメ好き。
終盤でアイちゃんが灯里に会いに来たときとかね、
人が人と思い合う気持ちが自分にも伝わってきて、
全然悲しくないシーンなのに、嬉しさで泣いちゃいました。

ファンタジー色の多い2クールの今回は、
実はファンタジー回は個人的には日常回と比較してそれほど…でもなかったですが、
トータルで見ると感情豊かな日常アニメとして今回もほぼ満足に近くて楽しめました。
この先、OVA、3期、カーテンコールへと物語は続きます。

ARIAのファンが何十年経っても心の片隅に残してくれる、
ここまで印象深いアニメ作品は滅多にないのではないかと?
原作者の天野こずえ先生の作品を愛してくれてアニメ化してくれた佐藤順一監督並びに、
スタッフの方々に深い畏敬の念と感謝をせずにはいられない。

「素敵」を何十回言っても足りない名作アニメではありますね。
あと、1期より作画が良くなってましたね。画面比率4:3から16:9に変更して、
更に進化をする3期はもっと素敵なのですけどね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/12/28
閲覧 : 105
サンキュー:

24

ARIA The NATURALのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ARIA The NATURALのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

蒼い星が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ