「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊-ゴーストインザシェル(アニメ映画)」

総合得点
86.4
感想・評価
1094
棚に入れた
6492
ランキング
197
★★★★★ 4.2 (1094)
物語
4.2
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

はじめての「こうかくきどうたい」

制作はProduction I.Gで原作は漫画です。
ジャンルはSF警察です。
押井守監督作品になります。


記念すべき「攻殻機動隊」シリーズ一作目。
身体の機械化までもがなされた近未来。
他人の脳をゴーストハックして自在に操る凄腕ハッカー「人形遣い」を公安9課が追っていく。
全身を電脳化している草薙素子少佐は彼を追うとともに自分という存在について考えを巡らす。


私が最後まではじめて視聴した「攻殻機動隊」シリーズ。
硬派アニメが好きな方が宗教じみて?絶賛しているので結構引いていた(そういう方は他の系統の作品をボロカスに叩いていることが私の経験上多いものでw)のですが、興味がわいちゃったのでとりあえず視聴しちゃいました。
本シリーズが好きな方から見ると「何言ってんだこいつ」となるかもしれませんがスルーしてやってください。


「SAC」「GIS」は登場人物こそ一緒ですがパラレルワールドになっています。
私は以前ちょろっと「SAC」を見ていたので問題なく「GIS」を見れました。

正直、初めて本作に触れる方に対する配慮はかけらも感じませんw
警察の公安組織が舞台、「人形」「ゴースト」やらの哲学チックな単語、抽象的な会話、飛び交う専門用語、いまいちよくわからん科学技術、一連の事件をつなぐ伏線の張り方。
話が見えると「ああ、そういうことね」となりますが、一回で理解するのは多分無理なので何回か見る必要があるでしょう。
「分かる奴だけ分かればいいんだよ」という精神を感じます。
ここらへんに私は宗教じみたものを感じてしまうw

作画に関して銃撃戦、肉弾戦ともに素晴らしい迫力。
最近の作品と比べても迫力と言う点に関しては全く負けていないと思います。
水の表現も随所に出てきますが、まあ凄い。
映像としての素晴らしさがあるので難解な話にも食いついていこうという気になります。


やっぱりストーリー自体はまとまっています。
とにかくすべての物事がラストの事態に繋がっているのが良いですね。
序盤の{netabare}外交官暗殺・共和国に対するODA援助・ゴーストハック。{/netabare}
中盤の{netabare}人形遣い拉致。{/netabare}
終盤の{netabare}人形遣い殺害・草薙素子殺人未遂。{/netabare}


これら全ての事態をまとめるとおそらくこんな感じ。
間違っていたらごめんなさい。
以下詳しいネタバレ。
そこまで自信ないので違っていたらこっそり教えてください。
{netabare}要は「外交のこじれ」ってことですよね?
外務省が他国との情報戦に勝つために「人形遣い」という凄まじいAIっぽいのを生み出したのだけど、暴走しちゃって大変なことになったので公安6課に事態の収束を委任したと。
外務省自体もこの事態を知られたなんちゃら共和国に対してODA援助で勘弁してくださいとしたと。
でも面子があるのでなんちゃら共和国の主要人物の身柄を拘束するために外交官暗殺を行ったと。
それに公安9課が踊らされたと。

人形遣いを拉致ったのは公安6課ですよね。
これは外務省からの依頼を遂行していると。
人形遣いが公安9課に身柄を拘束されたのは少佐に会うため。
最後に二人とも暗殺しようとするのは情報隠ぺいのためと。
最後に外務省長官と公安6課は責任を取ったと。{/netabare}


おそらく本作のテーマは「機械化社会における自我の喪失」。
考え方としては若干「ゼーガペイン」っぽいっちゃぽい。

本作のキーワードである「ゴースト」。
まあ「魂」みたいなものですね。
少佐は自分が何者であるのか、ロボットなのか人間なのか思い悩みます。
そして自我とは何か、どこから自我が発生するのかということに考えが及びます。

そして「人形遣い」の存在。
{netabare}彼のスタンスは記憶があるのだからそこに自我が存在するし、人間であることの証明になっているというもの。
しかし生殖作用がないことにネックを感じており、増殖してもただの複数コピーになってしまう。
そこで「ゴースト」について葛藤する、機械に近い人間である少佐に興味を持った。(動機がイマイチ弱い気がするが)

少佐にとって記憶と言うものはゴーストハック事件も相まって曖昧に映っているでしょう。
記憶は本当に私の物なの?
じゃあ自我があるとしてそれはどこにあるの?
機械化された私の体の中にあるの?
こうなるわけです。

で新たな可能性に賭けて融合しちゃうわけです。
果たしてどうなったかは続編を見ろと言うことですかね。{/netabare}


総括して、いろいろと考えを巡らせることができて面白い作品だと思いました。
ですが私は基本的に分かりやすい作品が好きなので、好みではないかもしれない。
でも絶賛したがる人がいる理由は分かった気がしますw

投稿 : 2014/05/05
閲覧 : 425
サンキュー:

40

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