「秒速5センチメートル(アニメ映画)」

総合得点
87.1
感想・評価
3721
棚に入れた
16963
ランキング
113
★★★★☆ 3.9 (3721)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.1
キャラ
3.6
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ネタバレ

ヒロウミ

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

思い出の備忘録は離れ触れるたびに刹那に綺麗で

初恋はいつもいつまでもどんどん美しく、我が身はいつもいつまでも未熟なままで。

【自語りにつき閲覧要注意】
{netabare}
高校時代はPHSから携帯電話への変換期、ミーハーではない我が家に「パソコン」はなかった。当時の携帯電話は今でいうインターネットサイトへのアクセスはできずキャリア各社が独自のサイトを持っておりキャリアをまたいだアクセスはできなかった。毎月様々なサイトがオープンし着メロは電話をかけて携帯電話へ落とし単音から和音に、2~3か月ごとに新機種が出てきてゼロ円で機種変していた。
ド田舎で並みな学力しか必要としない近所の県立学校は中学校時代の大半の友人とともに近隣の町の新しい友人が一気に増えた。入学と同時にバイトも始め様々な人と関りを持ち、持つものも頻繁に変わっていきものすごい速さで世界が開け変化しているように見えた。

そんな中デジタルツーカーが「つるんDEアミーゴ」という有料チャットサイトをオープンさせた。全国の様々な人間にあふれる世界は子供だった私には世界の全ての様にも思えその世界にどっぷりつかった。夜が明けるまでくだらない文字での会話に明け暮れ、サイト内で個人メールができるのでそこで携帯番号を交換し毎日メル友が増え週を追うごとにそのメル友は入れ替わっていた。
当時は○○放題という料金プランはなく、しかもパケットでの料金形態ではなかったため通信料がアクセスするごとに青天井で増えていき毎月5万円程度は当たり前で10万円を超えることも珍しくなかった。午前中はパチンコで小遣い稼ぎ、昼頃から学校へ行き夕方まで爆睡しそのままバイトへ向かい終業したら単車を飛ばし急いで帰宅しまた明け方まで語らう日々だった。

そんな時間も金も無駄遣いを繰り返す生活のなかで一人の同い年の女の子と知り合う。お互いの恋愛相談や進路の相談、他愛ない日常会話を重ねるたびお互いを埋めているような心地で惹かれあい隠しごとのない友達にいつの間にかなっていた。
私は広島から愛知の専門学校へ、彼女は長野から埼玉の専門学校へ進学した。親の全面援助を受け金銭的に裕福だった彼女はダメな男に惹かれる傾向があり埼玉で知り合った男と付き合い始めるが時間の経過とともにヒモへと変化した。私には高校時代から付き合っていた交際相手がいたのだが卒業と同時に就職した大人へ変化していく人間と学生で気ままな私では価値観がズレ始め、月を追うごとに溝は深まっていた。遠距離恋愛の寂しさにも耐えれずつまらない口喧嘩のあと関係は自然と消滅した。1年の夏には彼女は東京へ就職内定が決まり私は地元広島での内定約束をもらっていてお互いの将来は決まっていた。
二人とも何かが足りないのにそれに目をつむり日々苦悩しながら生活していたためそれを補うための心の拠り所としての存在は二人の欲求を一気に加速させた。さらに進学して初めての夏休みに彼女が帰省したため長野と愛知という物理的距離の短縮が全てを補い合いたいという二人の願いが簡単に手の届くものとなった。ここまでの距離となれば後は単純でその夏から二人は彼女が帰省する度に会い、旅先で幾多の思い出を作った。
幼稚で捨てることができなかった。何も解決しない、何も進まない、何も選べなかった私たちの時間は悪戯に心地良く悪意を持ってただひたすら甘く過ぎていった。

卒業と同時に最後に会う約束をした。私は一旦実家に引っ越し家で自由に使える軽自動車で埼玉へ向かった。金銭的に余裕があったわけではなく、下道と車中泊や全国に散った専門学校の友人宅での宿泊を繰り返した。雪が多かった3月で箱根には雪が残っておりスタッドレスタイヤではなかった上にチェーンすら持ち合わせていなかった車のタイヤは急こう配の峠道で頻繁に空転し1km進むのも凄い苦労した。とどめにはスピンし衝突した縁石でパンクもしてしまった。交換したスペアタイヤでしかも未経験の凍結路はとても心許なく彼女との最後の逢瀬への不安と重なり絶望と期待とが複雑に入り交じっていた。
それでも無事箱根を越え二人は夜に横浜で落ち合った。田舎者の私には山下公園や赤レンガ倉庫や煌びやかな街並みはそれはそれは美しいものでやっとの思いでたどり着いたこの地、彼女の傍らのこの位置を失いたくない感情で溢れた。その夜私は言ってしまった、「一緒に来てほしい、大事なことだから時間をかけても構わない。」
二人は夜が明けても語り足りなかった。告白してしまった私は頭の中がいっぱいなのと度重なる寝不足でその後の記憶は曖昧で彼女が好きな川越まで行ったことぐらいしか覚えていない。何か月か過ぎ暑くなり始めたころ「ごめんね、あなたは一人でも真っ当に生活できても彼は私が居ないと人らしい生活ができないの」と言われ甘美で真っ暗で光のない二人の時間と私の本当の初恋は幕を閉じた。

その後の私は大きく沈み何人かの女性とだらしなく過ごしたが決して満たされなかった。3年たち色々落ち着き始め当時付き合っていた女性と結婚もしたが・・・、妻の変化に耐えれず10年で離婚となった。
ほんとろくなもんじゃねぇwww
{/netabare}


お互い惹きあいつつ同じことを想いながら縮まらない距離。薄暗い時間は他に幸せがあるんじゃないだろうか?こうすることで彼女は本当に幸せになるんだろうか?などという箱根越えの不安感と貴樹が岩舟駅へ向かう様子を重ね、出会えた時のこの世のものと思えない幸せに共感してしまう。
眩いほど輝く過去となった思い出の世界に囚われ自我があるようでないような無意味な時間。何もないからこそ目を奪われる美しい景色が空っぽの心に染みわたっていく。その心の牢獄は苦しくも時とともに砂へと風化しキラキラと空へ散っていく。
幾度も幾度も幾度も幾度も「早く会いたい」、「もっとここに居たい」と強く願っていた私の心を鋭利に掻きむしりえぐる山崎まさよしの優しい歌声と共に回想される物語は未だに強烈なフラッシュバックを起こし自分の思い出が回想される。胸が苦しく高ぶり鼓動が早くなり血と目頭が熱くなる。

この作品を見る度にチクチク痛むのに歳を重ねるごとに当時以上の大切な宝物となっている。当時はもっと苦かったはずなのだが悲しいかな記憶の美化(劣化)は歳だな(笑)
苦しくも心地いい過去を思い出させてくれるこの作品は私にとって麻薬のようなものなのだが見終わってふと我に返ると男(自分)の女々しさって客観的にみると本当に痛々しい。

それでもこの歳で人として一周目の経験が済み本当の意味で一段落したからこそそれらの酸いも甘いも辛いも苦いも可愛く見える。よくある有象無象のオッサンの他愛もない思い出話し。歳だな(笑)


【以下過去レビュー】
{netabare}
越えられない距離、離れた時間ほど離れる道筋、取り返せない人生の物語。

ストーリーについては色んな評価がありますが私は好きです。新たな道を進む人、そこに残り続ける人。余計なセリフや脚色が無いからこそ色んな意見があるのだと思います。深い作品だと思います。残された者の最後の選択はどうなったのか、その選択の結果どうなったのか。それは感じた事が見た人の答え。
作画も素晴らしいものでしたね。種子島の永遠に続くような青空、澄んだ海、悲しく消えていく夕暮れ空、手から溢れる無数の輝きを放つ星空。懐かしかったです。

力が無いが故にどうしようもない物理的な距離、青いからこそ馳せ続ける思い、時間がもたらす現実。そこに私の青春の、失恋を癒してくれてた山崎まさよしの名曲が来ちゃえば残り8分は涙が止まるわけないですよね。ちなみに1話のピアノver.でもきちゃいましたけど。

私の答えはどうしようもない不可能なものが青年から青さを思い出に変えて大人となった答えが出ました。{/netabare}

投稿 : 2019/07/18
閲覧 : 110
サンキュー:

14

阿紫カービィ

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言葉に出てこそ言わねども 内心にそこばくの咎あり

私、この作品、何度も何度も 観てて。

なんとなーく『この作品が好きです』って
ずっと言えなかったのだけれど…


私はこの作品が、大好きです。



『桜花抄』


明里ちゃんに逢いに行く時の
電車内での貴樹君の気持ちに 胸が痛む

不安、焦燥、虚無感、そして
「悪意を持った時間」に
13歳の心でよく耐えたね…と
ただ それだけを思う

貴樹君を待つ 明里ちゃんと
明里ちゃんに逢いに行く 貴樹君の
心の矢印は『→←』
心の距離も、『→←』

出逢えた2人は、雪の降る中、枝だけの桜の木を見るのですが

ここで2人の心の矢印が少し変わったのでしょう…

舞い散る桜の花びらは 雪の様に見えたのに
舞い降りる雪は…桜の花びらの様には見えなかった…

今まで世界には2人だけだった、けれど、
2人だけではどうにもできない「不確実な何か」の存在を
知ってしまった瞬間なのではないのかな、と思うのです。



『コスモナウト』

これはですね…
一緒に観た友達が
「コスモナウツ!」と、何度も叫んでいたせい?で、なかなか本気で観れなかったお話でした。

遠野君に想いを寄せる 澄田さん

澄田さんは「お友達」の位置?にいて…

遠野君を待ち伏せしたり、突然遠野君の前で泣き出したり…めんどくさいなぁ、と
ずっと思っていました。ごめんね…

どうも 密やかな「片想い」の気持ち?よく解らないくて…本当に ごめんね

でも
遠野君の目線でみると…違った風にみえる。

「記憶の中の想いのやり場」をどうすることもできず
流れる時間にただ身を任せる事しかできない

それがどれだけ、辛い事か…
高校生の心には重すぎる。


遠野君と澄田さんの
心の矢印は『← ←』で。

遠野君には「好きです」よりも
「大丈夫だよ」が欲しかったのかな、と私は思う。

けど
澄田さんは 言えないよね…
恋しているんだもの

澄田さん いっぱい泣いていました。
好きな人を想って流す涙は 初恋の証




そして
『秒速5センチメートル』

社会人になった遠野貴樹さん。
セクシーが爆発しています(笑)

(いつの間にか、彼の事が好きになってしまっている自分に苦笑い)

「日々弾力を失っていく心が…ひたすら辛かった」

必死に「届かない何か」に手を伸ばす事は
孤独そのものでしょう…辛いよ!


ふと思い出す過去の想い出

出来事は
常に心に刻まれていく。大切な想いこそ忘れる事などできない。

彼は
自身の心と向き合い
答えをみつけたい、と行動に出る。

やっと 歩きだす準備ができたのでしょう

彼の心の矢印が『→←』になった。


最後の彼の笑顔、本当に綺麗だった
笑顔の彼は幸せそうだった



誰にでも
逢いたい人がいる。待ってる人がいる。
誰にでも
新しい出会いがあって、笑顔になる時がきて…


あいたい人がいる。待ってくれてる人がいる。

だから 生きていける。



最後に、凄く気になった事を、ひとつ。

明里ちゃん、鞄を地べたに置くんだね(笑)

私は
絶対鞄は地べたに置きませんよー!





思いが強すぎて。乱文申し訳ない。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。



おわり

投稿 : 2019/07/07
閲覧 : 511
サンキュー:

64

ネタバレ

かいかい

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

踏切なげぇなオイ

小学生の恋愛を引きずってる痛い男の物語たけど、背景の美しさと山崎まさよしが僕らをおセンチな世界に連れて行ってくれる。いつでも探してしまうこと間違いなし。

投稿 : 2019/07/05
閲覧 : 16
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

断ち切る想い

「あのキスの前と後では、世界が変わってしまった」

もしあの日、深夜の岩舟駅で待つ明里がいなければ、そして手紙を失うことが
無ければ、その後も彼女を想い続ける苦しみを持たずに済んだかも知れない。

鹿児島で出逢う花苗。恋人のように寄り添いながらも、彼は遠い場所を見てる
と諦め告白をしなかった。もしあの時彼女が告白をしていたら貴樹は苦しみか
ら逃れられたかも知れない。優しい彼ならきっとそれを受け入れていたはず。

そして現実を見れない貴樹は、その後もその世界に閉じこもる。

理沙と付き合い、現実と向き合おうとする貴樹。しかしそれでもその世界を
抜け出せず苦しむ貴樹は仕事を辞め、理沙に別れを告げられる。
「1,000回もメールしても、心は1センチしか近づけなかった」と。

その後、踏切で出逢う明里と貴樹。電車が通り過ぎたそこには、既に想いを
断ち切っていた明里は当然その場にはいなかった。


彼は明里と過ごした『秒速5センチメートル』の世界から無事に抜け出すこ
とが出来るのでしょうか。

あの後振り返って前を向いた彼は想いを断ち切れるだろうと僕は思いたい。

投稿 : 2019/07/03
閲覧 : 28
ネタバレ

nan-nan

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

意外と現実派!

色々美しいアニメを観てきましたが、新海監督の画は本当に綺麗ですよね✨
ストーリーもハッピーエンドで終わらない辺りがツボです!
ってか、ハッピーエンドで終わっていたらココまでの評価はしませんでした!
自分と重なる部分もあるので余計に感情移入してしまうんです…。
自分が相手を好きでいて、その相手も自分を好きでいてくれるなんて奇跡です✨
そんな甘っちょろい設定でなくて良かったです!

音楽的にも山崎まさよしさんの歌、ハマりまくってましたね(^^♪

本当に個人的にですが良作と呼べるな!と思いました。

投稿 : 2019/06/29
閲覧 : 12
サンキュー:

4

ユメサーンスーンシ

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

初めて途中断念したアニメ

当時結構推されてたというか、話題だったので視聴したのですが
生まれて初めて途中断念を経験した記念すべき作品となってしまいました。。。

主人公に魅力を感じられず、ボソボソしたストーリーがずっと続く感じです。

ほしのこえの監督と同じなんだと後で知り納得。

これは好みの問題なのかなと思うのですが、この作品にしても、ほしのこえや君の名は。にしても、新海さんの世界観は、苦楽があるように見えて実は世界の都合のいい面ばかり切り取られている感じがしてどうしても受け入れることができません。
アニメだし御都合主義で何が悪いと言われればその通りなのですが(・_・;


映像に関しては、当時を考えるととても綺麗に作られていると思います。
色合いも鮮やかで繊細です。
ただやたら綺麗すぎて、話を見せたいのか空を見せたいのかという疑問にはぶち当たりますが。。。


雰囲気を楽しむには良い映画なのかもしれません。

投稿 : 2019/06/28
閲覧 : 58
サンキュー:

3

ネタバレ

バタースカッチ

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

初恋の囚人。

数年前にこの作品を初めて見ました。
その時の印象は最悪でした。
{netabare} 「こんなに遠いのになんで中間地点で会わないの!?彼女も彼女だよ。『遠いから私もそっちに向かうよ。中間地点で会おうよ』とかふつうなら気を利かせるよな…しかし中学生のときの思い出ずっと引きずってるとか主人公もきもすぎ。あと自分に酔いすぎ。なんだか全てがきもい!」{/netabare}
とずっとイライラしてしまい、話も何も頭に入ってきませんでした。
最後まで見てしまったことを心から後悔しました。山崎まさよしまで嫌いになりました。何の罪もないというのに。
そしてめでたく、嫌いな作品ベスト10入り。
自分の中で新海監督は、「秒速のきもい新海くん」という扱いになりました。


数年後。
少し思うことがありまして、この作品を先ほど拝見したのですが…

なんだこれ。
名作じゃん(・∀・;)
数年前とでは見方が驚くほど変わっていました。
{netabare} あるお方に「男は行きたいもんなんだよ」と教えてもらったのが大きかったです。そういうもんなんですね。中間地点にこだわっていた自分がなんと空気の読めない存在なのか情けなくなりました笑
こういうとき素直に「来てくれると嬉しい」と言ってくれて健気にずっと待っていてくれる女の子が良いのでしょうね。勉強になりました。{/netabare}

この作品、恋愛(初恋)の悪い思い出より、良い思い出が鮮明な方にはまる作品なのかもしれませんね。


最近よく思うことがあります。
「人生で一番よかったときで時が止まっている人がいる」ということ。

先日友人に話を聞きました。60代の老紳士と話をしたそうです。

老紳士曰く
「私は昔、本当に好きな人がいました。
初恋でした。彼女のすべてを愛していました。
ですが彼女は私のもとから離れていったのです。
そして今の妻と出会い、子供を設けました。
今は幸せなはずなのですが、どうしても10代のあの日の彼女を思い出してしまうのです。
恥ずかしながら、この年にして彼女のことをどうしても知りたくて探偵を雇おうなどと考えているのです…」

友人は、「それはちょっと…やめたほうがいいと思います」と話を逸らしたそうですが、優しかった老紳士に若干の恐怖を覚えたそうです。うん。少し引きますわな。


今回秒速を見て、この老紳士のことを思い出しました。
彼もまた秒速の主人公と同じく、囚われています。
「初恋の囚人」とでも言いましょうか。


私には、秒速の主人公や先ほどの老紳士のような素敵な初恋の思い出はありません。
今まで素敵な思い出を持つ方々を羨んでいたのですが、過去の栄光もいいことだけではないのかもしれません。
今が幸せであっても、ふとした虚無感を覚えたとき、過去の栄光や素敵な初恋の思い出は自分を牢獄に閉じ込めてしまうのかもしれません。
ましてや今が辛い状態だったらあの輝いていたころに戻りたくなるはず。
もう一つの道。もう一つの幸せ。そして大好きだったあの人。
それにずっと心を囚われる。
思い出というものは、美しくも怖いものなんですね…
{netabare} 秒速の場合は、もう思い出ですらない。半分妄想ですよね。
大好きだった人の幻に呪われているようにも見えました。 {/netabare}


さて話を戻して、今回は展開や結末を知っているだけに、前回見たときと違った視点で鑑賞することができました。
初回時はイライラのあまり目に入ってきませんでしたが、キャラの作画はこれくらいが良い。君の名はよりきれいすぎず地味で素朴な感じなので背景がより映える気がします。
影の主人公と言っていいのが背景、美しすぎる景色。キャラにクローズアップしすぎず景色で見せていく感じですかね。印象に残っているシーンはキャラより圧倒的な景色のほうが多かったです。

あとは、個人的にキャラの心の独り言(モノローグ?)が苦手なのですが、意外と気にならず入り込めました。
特に1話の主人公、2話の女の子の心情はぐっときました。
心の独り言が出てくると「ああまたはじまった…」となりがちなんですが不思議ですね。声がプロの声優さんぽくなかったので自然に入ってきたのでしょうか。


{netabare}そして、最後の主人公の笑顔…興味深いですね。どういう笑いなんだ?って。
まだ囚われてるの?それとも初恋の牢獄から抜け出せたの?
個人的には抜け出せてない、に一票入れたいですね。
でもそうだとしたら結構怖い話ですね。だがそれが良い。
ハッピーエンドを望む人も多いでしょう。でもこの作品はこの余韻を残す終わり方で良かったんじゃないでしょうか。{/netabare}


うん。これ名作です。個人的には君の名はよりずっと良いと思いました。しかも一時間でこの濃さ。すごい。こういうのが監督の真骨頂に思えます。
新海監督ごめんなさい。きもい新海くん、とか思って。
(でもまだ少しきもいとは思ってます。いい意味で笑)
近々天気の子が公開されます。
一般受けする作品もいいですが、新海監督にはまたこういう新海監督らしさもりもりの作品も作ってほしいですね。

投稿 : 2019/06/19
閲覧 : 179
サンキュー:

19

alice777

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

つまんない

おもしろくない。

同じ感想を見まして一言でいってその方のタイトル通り「正直なにがおもしろいのかわからなかった・・・」

投稿 : 2019/06/18
閲覧 : 68
サンキュー:

2

ネタバレ

かんぱり

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

甘酸っぱい想い出

人は変わっていく。。寂しいことかもしれないけど、それは決して悪いことばかりではなくて、前向きに今を生きているんだと思う。
これはその、それぞれの時間を切り取った話。

(桜花抄)
思春期の甘酸っぱい恋の話。

好きだった人との待ち合わせ場所に台風で大雨の中、ずぶ濡れになりながら行った遠い昔のことを思い出しました。

大雪で電車がどんどん遅れて不安と焦る気持ち。すごくわかる。
今だと携帯とかスマホとかで連絡できるけど、そういうのがなかった頃ってこんな感じだったよね。。

ちゃんと待っててくれた明里。そして雪の中でのキス。
なんかこういうの詩的な感じでいいな。

(コスモナウト)
花苗いい子だな。遠野は花苗へのやさしさは残酷だと気づけよ(-_-メ)
花苗のその後もみたかったかな。

(秒速5センチメートル)
踏切ですれ違う二人。新海監督ってこういうシチュエーション好きですね。
遠野は過去に縛られすぎ。こんなぐちぐちしてる男は嫌いだな。
想い出は大切なものだけど、それに縛られたら前に進めないよ。

もっと前向きに今を生きていく話にして締めて欲しかったです。。

最初の思春期の恋はすごく良かったんですが、終盤の話の展開はちょっと残念でした。

投稿 : 2019/06/16
閲覧 : 47
サンキュー:

10

佐藤くん

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

新海誠監督との出会い

今時こんな静かなアニメも珍しい(と言っても公開は10年以上前ですが)美しい作画表現と細かな心情描写に驚かされたのをよく覚えています。
新海誠監督は現在、君の名はで一般的にも評価され、これからの活躍に期待が持てます

投稿 : 2019/05/31
閲覧 : 40
サンキュー:

5

ネタバレ

shino73

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

季節は移ろい、心だけが取り残される

子供時代の淡い思い出。
厳しい冬の寒さ、雪景色、そして再生の桜。
切ない失恋物語だ。
新海誠の恋愛は喪失感を描く時がもっとも美しい。
喪失感が常に存在している。

切ない感情が未だ一人の女性に向けられている。
{netabare}成就することが出来なかった恋心だ。{/netabare}
そして季節は移ろい心だけが取り残される。
それはほんとに哀しい体験なのだろうか。
彼が大切に守ろうとしたものに共感する。

人それぞれに歩むスピードも歩幅も違うのだ。
遅くてもいい、確実に前へ。
これは再生と癒しの物語である。

19年春、桜花抄を見る。
夕方知らない番号から電話があった。
それは小学校の時、一緒に野球をした仲間だ。
地元で飲んでいるから今から来れるか?
突然すぎて参加は出来なかったけど、
あだ名で呼ばれている皆の声を聞いて、
会ってもいない数十年の時が埋まった。
人生とは不思議なものだ。
初恋の人はいてたのかな…。
僕はなぜか桜花抄だけ見返したくなり、
そうした。

投稿 : 2019/04/13
閲覧 : 421
サンキュー:

93

オオハシ

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見終わった後しばらく心に穴が空いた様な状態になった

未だにこの作品を思い出すと胸が痛くなる様な状態に陥る
これは見る人それぞれの体験や経験で全く違う感想になる作品だと感じた

投稿 : 2019/03/31
閲覧 : 56
サンキュー:

5

ネタバレ

D.K

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見終わった後モヤっとする人に読んでほしい俺的解説

なぜ多くの人がモヤっとすると受け取るのか?

答えは簡単で一幕、二幕と違って三幕は主人公自身が自らの心情を言葉であまり語らず感情移入しにくいからだ。
その為、鑑賞者は映像から主人公の心情を読み取らなければならない。
また言葉で心情を語る一幕二幕とのギャップで映像が読み取りにくくなっているためであると考えられる。

ではなぜそのような演出ななっているか?

なぜならば一幕二幕では「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」について主人公自身が理論先行で思考し肯定しようとするためだと思う。ゆえに葛藤は演技として喋らない頭の中の言葉で自分自身が語られる。
しかし三幕では主人公の成長によって社会に放り込まれ「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」について思考し肯定する暇もなくなる。主人公は気づけば「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」が不可能だったことに気づきはじめ思考しなくなっていく。主人公は主観的な自分から客観的な自分へと少しずつ変化していき自分語りは減っていくため言葉で自身を語らない。

それでも過去の恋人の影を追い求める。
そして怒涛の結末エンディングを迎える。

春という季節のモチーフや
鮮やかで明るい色
肩の力が抜け
踏切が上がるシーンで微笑し
靴がアップで写され
地に足の着いた大人として振り向いて過去と決別し
前を向いて歩いていく

主人公は、自分の心の中にあり「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」を今となっては実現することが不可能だと肯定し大人になって前に進んでいく
これはある種の喪失感を伴い過去の束縛からの解放を意味する
だからこそ淋しくもさわやかに感じるなる

だから私は、五センチメートルを繊細な主人公が長いあいまいな失恋を経験し幼少期の終わりを迎える話だと思っている。
決して憂鬱なアニメではなく。憂鬱を乗り越えて一歩前へ大人になるアニメ映画なのである。
だからこそ一部の鑑賞者には強烈なノスタルジーに苛まれるのである。

投稿 : 2019/03/02
閲覧 : 142
サンキュー:

5

ネタバレ

ip

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

秀逸なラスト。これぞ新海ワールド

 3話目に関してはじめはよく思わない人も多いであろう本作のラストシーン。幸せでは終わらない救いようのない最後。私も、当時中学生で観た時は、数週間胸のモヤモヤが晴れなかったのを覚えている。
 しかし、時として、昔のことはいい思い出として心の片隅に置くこともまた必要なことで有り、貴樹はそれが不完全な形で残っていたからこそ、他の女性ともうまくいかず、いつまでも明里の存在(言葉)が頭に残っていた。
 最後のシーンは貴樹が今までの事を思い出として変え、新たに歩き始めようとするシーンであり、決して、今後も報われない悲惨な男を暗示したシーンではない。ハッピーエンドとは行かないけど、それでも彼女との再会が前に歩き出すきっかけになったのだとしたら、それはバッドエンドとは言わないのではないか。良くも悪くもとれるラストは本当に新海監督の作品の持ち味(新海ワールド)だと私は思う。
 
 それにしてもこういった「ありそうでない話。思春期特有の恋や夢への苦悩」が作中に入っていて、ラストも良くも悪くもとれる。胸にシコリの残る作品が持ち味だと思っていたのに何故「君の名は。」では完全なるハッピーエンドを作ったのかは未だに疑問であり、不満。(あと作中の歌が4曲は冷めた)精々記憶が無いくらいか……。
 「天気の子」どうなるかなぁ。
 

投稿 : 2019/02/27
閲覧 : 78
サンキュー:

3

ネタバレ

でこぽん

★★★★☆ 4.0
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なぜこんな終わり方をする・・・

この映画は三話構成の映画です。

貴方がまだこの映画を見ておられないのであれば、
そしてあなたが、映画で感動や愛情や喜びを得ることを期待されているのであれば、
三話目は見ないことを強くお勧めします。
そうすれば、見終わった後、夢を膨らませ、幸せな気分に浸ることができます。

絵はこの上なく美しく、音楽も大変すばらしい。
第二話までであれば、自信をもって多くの人に推薦できます。

第一話では、主人公の男の子や相手役の女の子の心に大いに共感しました。
二人とも純粋で、一生懸命で、相手のことを思いやっており、
とてもすがすがしく感じました。

第二話は、男の子に片思いをしている女の子の話です。
男の子は第一話に出てきた子です。
片思いの女の子がとてもけなげで、ちょっぴり切ないです。
男の子には好きな人がいるので、決して振り向いてはくれません。
男の子は、第一話に出てきた女の子のことをすごく大切にしています。
第二話を見終わった後、これから先の展開が楽しみになってきました。


映画とは、観客に感動や喜び、楽しさ、夢を与えてくれるものだと私は思っています。
疲れたときや落ち込んだ時に映画を見ると、元気を与えてもらえます。
(他の理由で映画を見られる方、ごめんなさい)

自分勝手な主張で申し訳ありませんが、
監督さんには、元気を失くしたり生きる気力を失くすような映画を創っていただかないよう、お願いします。
{netabare}
2019/2/24追記
実は、第三話は、私自身も思い当たることがあるのでつらいです。

都会でコンピューター関係の仕事をするということは(他の仕事も大差ないと思いますが…)
仕事以外の時間は寝ているか食べているかが殆どです。
寝ているときも、夢の中でプログラム解析をついついしてしまいます。
そして障害の箇所に気づくと、汗びっしょりで急に目覚めます。

だから私的なことを考える余裕があまりありません。
ついつい身内に冷たくなります。
そして、少しずつ疎遠になる。

そんな現実があるにせよ、
私は空元気でも見せかけでもいいので、笑っていたい。
そうすることで相手の人が安心してくれるのなら、それが良いと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2019/02/24
閲覧 : 713
サンキュー:

64

ネタバレ

クワル

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

切なさだけが残る

切ない。

けどそれだけ。
もう一度観ることはないだろうな。

「コスモナウト」以外は観るのが苦痛に近かった。
テーマ性のないノンフィクション映画を観せられている感じ。

最後の主人公とヒロインの境遇の差はどこから来たのだろう?それを表現して何を言いたかったのだろう?
そして、新海作品ファンの人は、この作品のどの部分を高く評価しているんだろう……。

自分の理解が及びませんでした。

投稿 : 2019/02/19
閲覧 : 80
サンキュー:

2

ネタバレ

takeboo

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

モヤっとする

途中まではこれはヒットかー? と思って見てたけど、最後に結ばれなかったのは自分的にマイナス。これはこれで切なさを演出するには成功しているけれど、スカッとハッピーエンド好きの自分には残念な作品になってしまっている。
三部構成なのはいいと思う。でも中学生があんな冒険するとは、補導されるレベルでしょ。中学生の親の目線からはありえないよね。
以上を考えると「月がきれい」を超えることは出来なかった。最後に結ばれていたら分からなかったけど..。
82点

投稿 : 2019/01/13
閲覧 : 64
サンキュー:

3

ギャザード

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

女心はようわからん

女子は恋愛に前向き

男子は恋愛に後ろ向き

現実的なアニメだった

投稿 : 2018/12/30
閲覧 : 47
サンキュー:

2

ネタバレ

fuushin

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

身を切るほど、心を焦がすほどに堪えました。

新海誠氏の恋模様三連作。

初見は、とっても心を痛めました。

本作は、「ほしのこえ」や「雲の向こう」とは違い、設定が日常寄りということもあって、感情移入がしやすかったためか、結果的に前2作で感じた以上の強いインパクトを受けました。

心を砕かれてしまった、というべきでしょうか。


●観終わっての感想
{netabare}

< 小学校 >
{netabare}

ふたりで過ごす 図書館の
めくるページの 音かすか
余いんかさねて やわらかに
カーテンの外 あたるひに
桜のえだは 色おどる
春さきまちが うれしいの。

かなえられない 約束の
たが(違)えに謝罪 交わすけど
クヤシイヨって いっていい?
ヤリキレナイと ないていい?
納得なんて 分からない。

つもる想いは どこゆくの?
つまる思いも 消えてくの?
記憶の海の 水底(みなそこ)に
卒業(わかれ)めのあと 沈め置く




・・・あら、あらあらまあ?いつの間に妙なリズムの節回し
こんなはずではなかったわ。恥ずかしいったら、ありゃしない。
でも嘘じゃない。本当よ。
・・・心根深く堪えたの。

{/netabare}


< 中学校 >
{netabare}

文通。そう。文通!!


鎮魂の日々  綾も褪せ
駆ける校庭  弄ぶ
翳る無辺を  灯す文
行間の聲   耳たてる
春さやかなる 路線図を メモ取る視線
途切れたる 君知らぬ季節(とき) つなげたい
君にまっすぐ 向かいたい。


 

あなたを静かに思いやる気持ちに気づいた私です。
引きあい、魅かれ、惹かれあい、求める光のあたたかさ
二人の心中(なか)に産まれたよ。
抗(あらが)うことなど、どうしてもできなかったの。
これは、恋?




サクラ花びら待ちわびて、その色淡く、記憶(とど)めおく。
芽吹いた若葉の身の内に、深く突き刺す棘ふたつ。
少女と少年の縁(えにし)、問う。
チクリと疼く、瘡(きず)の痕(あと)。
それは、さわれず、ふれられず
誓った小さな約束を、大きく損ねた不条理が残した禁忌のはずだった。
自責の念の重さから、冒した禁忌でもあった。



・・・あらら?まただわ、なんなのよ。
どうかしてるわ、このレビュー。

{/netabare}



< 貴樹 >
{netabare}

真白に埋もれた両毛線
ゴトリゴトリとかき分けて
進まぬ車輪のもどかしさ

荒(すさ)ぶ北風、混じる雪
前照灯を遮って
デジタルの文字、意味失せる

闇世(くらやみ)の中、ぽつねんと
身を固くして独り坐(ざ)し
迫る悪意にくだかれる

虚しさつのる 往き先は
居ても淋しき その駅舎
居らぬ駅舎は、なお哀し

{/netabare}



< 明里 >
{netabare}

なのに・・・。
いつしか、もう一度、ただ逢いたくて、あの人の悲しみ慰め、あの人の苦しみいたわり合いたいと、願う確かな想いなの。

あなたの瞳に、もう私、嘘はつけない。
渡したい手紙があるの。
進みゆく時計の針に、追いつかぬ列車の窓に捜してる。
発車のベルに、俯(うつむ)くの。

それでも待つわ。
それほどにあなたの聲を聴きたいの。
平気。そんなの。
震えてもあなたのその手に触れたいの。

やさしいあなたの瞳(め)を見つめ、私の手紙(ねがい)を伝えたい・・・。

{/netabare}



< 岩舟 >
{netabare}

駅舎より 白雪(しらゆき)踏み分け やまに入る

夜半見仰ぐ 桜には
  蕾 一片 (つぼみ ひとかけ)だになくて 
花弁舞い散る 身代わりは
  雪、深々(しんしん)と 白く降る

春待つ君の 望むもの
  柔き人肌 温かき
桜のくちびる 求めつつ
  ひと夜を過ごす 夢世界

語らうことばの 尊さに
  いずれも恋の 意味知らず
絆を紡ぐ 術(すべ)もなく
  怖気つくまま 立ちすくむ

今より時を 止どめかし
  遠い未来を 凍らせて
真白き鉄路を 一人還(ゆ)く
  佇(たたず)む岩舟駅 独り

{/netabare}




< 花苗 >
{netabare}

私、驚いちゃったんだ。
こんな出会いがあるのかな。合格だって嘘みたい。

私、分からなかったんだ。
こんな時や、あんな時。だって顔から火が出るよ。
いつも半分隠れてもあなたは全部知ってたの?

私の育ったふるさとをあなたは好きになれたかな。
青い空気を吸うことも、雨に打たれて帰るのも、何でもないと思ってた。
ううん、何でもなくないよ。いつでも、どこにいるときも。
私のハートの真ん中をあなたの放つ矢が飛んで射られるようでドキドキを
いつも思うの。感じるの。
そんな想いがしあわせで、夜具にやさしく包まるの。
月がしずかに見守るの。


私、ようやく気づけたよ。
あなたの軌跡は高すぎて、面影にさえ届かない。
あなたは、どこに旅立つの?
あなたの瞳は、だれ瞰(み)るの?

どんなに背伸びしてみても、波間の先には昇れない。
海と空とは一つなの。
空だけ見つめることなんて、海から離れることなんて、できないことだと分かったの。

あなたはメールと翔け上がり、私は泪(なみだ)の海に嗚咽(な)く。

{/netabare}



< 私 >
{netabare}

そうそうなにより劇伴が
凄まじくて心ノ臓
撃ち抜かんとせん圧力よ

耳の中にぞ残響を
体の内には震撼を
心の琴線、ギリギリと
涙腺深く抉(えぐ)りだし
痛む心も極まれり。

私のかつての悲しみと、苦々しさがさめざめと、
ありやかなまま浮かびきて、ついと逃避したくなる。

荒ぶる気持ち、ようやくに
抑えに押さえ、組み伏せて
1時間(いっとき)余りの映像の
旅を何とか・・・・・観終わせる。



えい、もう、こうなりゃ、うたを詠み
レビューを終わってやろうじゃん!

お耳汚しでごめんなさい。
笑ってやってくださいな。

{/netabare}




<桜花抄>

{netabare}

戀の作法の 至らぬに
千々に絡まる 乱れ髪

碧き髪にぞ 触れおりて
重ねたキスの 温かさ

桜の花の 舞い散るを
いつの日駆けた 通学路

少年の眼の 堅固さを
少女の笑顔の 優しさを

ただ見つめおる 桜花抄

{/netabare}




<コスモナウト>

{netabare}

朧に陰る 宵の口
傍(そば)の面影こそ 誰ぞ

未知の宇宙(そら)ゆく ロケットの
コスモナウトの 何か視ん

波のまにまを 乗り切るも
疾(か)ける風音 涛飛沫(なみしぶき)
懸(か)けられぬ声 祈るのみ

種子島の空 ただ蒼(あお)く
種子島の海 ただ碧(あお)し
乙女の朱(あか)は 青に散る

{/netabare}




<秒速5センチメートル>

{netabare}

梳(と)くに梳けない もつれ髪
結(ゆ)うに結えない 隔たりを
千(せん)のメールは 哭(な)きにけり

己が背向けて 振り返り
道の見えぬを 知り置きて

めぐる大人の 邂逅を
踏切 桜 散らすなり

秒速の戀 儚しき
指切り拳万(げんまん)5センチの

触れえぬ小指(をよび) その丈も
心の襞(ひだ)の 合わせざる

掬わぬ瞬間(とき)に たゆとうて
順(まつろ)うて往く 旅立ちか 
 
{/netabare}



ちびっとだけ、解説っぽく。
{netabare}

梳くは、説く、解く、得に、掛けました。
結うは、言う、勇、憂に、掛けました。

をよびは、小指(こゆび)の古い読み方で、をゆび、とも読みます。

ここでは、"(小指ほどのささやかな長さの距離であっても)触れえぬを(触れることは叶わないいのだけれど、それでもあなたに)、呼び(かけてみたいと思うの。でも、そんなことを思うことすら心が辛くなってどうしようもなくなるの)" という想いを言い含めてみました。
二人の心のうつろいが、小指のほどにも触れられず、絡めることもできないで、乗りこえられないやるせなさ。そういうさまを込めました。

また、"その丈(たけ)" は、竹(たけ)と、猛(たけ)、二つのことばを掛けました。
どんなにしても近づけない丈を心の距離として、また、若竹のごとくしなやかに、節を乗り越え、真っ直ぐに、伸びていくさまの必要な意味を含めて込めました。
男も女も、秒速で、丈を詰めて迫るなら、猛々しくある強い意思、そんなさまさえ必要な意味を滲ませ書きました。

" 合わせざる " から" 掬わぬ "も、ちびっと意味を掛けました。

心の襞は、垂れ衣(ぎぬ)のように面(おもて)にまとわって、見つめ合わせぬその瞳、逢わぬ恋路に陰を挿す、合わせられない恋しさは、縁(えにし)の寄らぬ "もどかしさ" 、愛(いと)の撚れない "よわさ" です。

" 合わせざること ≒ 逢うことの叶わぬ " 聲の か細さを、阿波と淡路を断ち切って轟轟と鳴る渦潮の消えては浮かぶ渦の沫(あわ)。時の満ち欠け恋もよう彩る絵図も合わなくて、泡立つふたりのみちすじが鳴り生り成りて行きつくは淡き艶(いろ)だに逢瀬の間。
襞に隠れた恋心、掬わでなぜに救えるか。ジュブナイルの君、儚しや。

こんなそんなで合わせざる心の襞の間(あい)さにも、ちびっと意味を込めました。

そしてまた、素敵な人をぼんやりと見逃すものなら、目の前のチャンスも掬いあげられず、時の流れの浮き沈み、浮き身のまにまに現世(うつしよ)を、ただ茫洋と彷徨って、標(しるべ)も寄る辺もないままに、一人旅にて歩む道、そんな男女の生きざまをちびっと詠んでみたのです。
おそまつさまでした。
というか、超恥ずかしいじゃんね!

一首。
これ観る人の心情によっては、如何ようばかりとも評価されうる作品か。

{/netabare}
{/netabare} 



●作画についての考察。(ちびっとだけ真面目に書いてみた。)
{netabare}


低徊趣味

{netabare}
本作には、夏目漱石の作風がちらちらと顔をのぞかせます。
新海氏が文学部で学ばれたことを思えば、当然のことなのかもしれませんね。
そこで、漱石を取り上げつつ、作画について考察してみます。

『夏目漱石。1867年2月9日(慶応3年1月5日) - 1916年(大正5年)12月9日)は、日本の小説家、評論家、英文学者。本名、夏目 金之助(なつめ きんのすけ)』

近代日本文学における漱石は、『世俗を忘れ、人生をゆったりと眺めようとする低徊趣味(*1)的要素が強く、当時の主流であった自然主義とは対立する余裕派』と評価されています。

英国(イギリス)に渡航した際には、日本の国情や文化、国民性や精神性などの違いを目の当たりにして、神経を病んで部屋に閉じこもりました。帰国後も、神経衰弱や胃病、糖尿病などの疾病に苦しんだりしています。そして49歳で吐血して亡くなっています。

代表作には、「坊ちゃん」「吾輩は猫である」「こころ」などがあります。
本作で、高樹が明里に渡した本は「こころ」でした。この作品、『人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現』したものでもあります。

(*1)低徊趣味(ていかいしゅみ)

漱石の造語です。

「是は便宜の為め余の製造した言語であるから他人には解り様がなかろうが、先ず一と口に云うと一事に即し一物に倒して、独特もしくは連想の興味を起して、左から眺ながめたり右から眺めたりして容易に去り難いと云う風な趣味を指す」。(高浜虚子著『鶏頭』序、より引用。)

簡単に意訳すると、「細部にこだわり、印象深く、忘れがたいものとして描写するということ」の意味合いのようです。

「ほしのこえ」、「雲のむこう、約束の場所」、「言の葉の庭」、「君の名は。」などの作画に込められた " 描写の美しさ " の要素を分解・還元していくと、" 綺麗、緻密、繊細、細密、精細、微細、空気感、静寂、躍動感、風光明媚、神秘性・・・" などなど、さまざまな語句を挙げられます。

新海氏の、こうした作画表現の豊かさや、麗しさへの並々ならぬ拘りと力の入れようを見るとき、それは漱石の低徊趣味を彷彿とさせます。

氏の映像クリエイターとしての矜持は、私には、漱石のいう " 低徊趣味 " という思想・哲学がありやかに反映されているように感じます。
また、後述する漱石の「文学論」にも、その思想性が著されているように感じます。
{/netabare}

★★


{netabare}
漱石の人気作に「我輩は猫である」があります。

もうひとつ、「我輩はお先真っ暗の猫である」という作品があります。

これは「吾輩は猫」のパロディもので、漱石自身の作品(絵)です。ネットにもアップされていますのでご覧になってみてはいかがでしょうか。なかなか面白い絵です。

漱石は " 猫 " によって出世したようなものですが、新海氏の初期作品の『彼女と彼女の猫』は、そうした漱石へのオマージュなのかもしれません。

『彼女と~』には、新海氏がお持ちになっていらっしゃる " 猫の目線から見た、21世紀の新しいアレンジメントとユーモアと、人間との関わりへの溢れる優しさ" とを感じるのです。

また、「吾輩は猫である。" 名前はまだない "。」の一節は、「君の " 名 " は。」にも通じているようで、クスリと笑えます。
{/netabare}

★★★
漱石の「文学論」

{netabare}
F=f。
漱石の「文学論」(1907年)によると、"F" は「認識的要素」、"f" は「情緒的要素」と呼んでいます。

"F=認識的要素" は・・・

例えば「こころ」では、襖で仕切られたり、廊下で切り離されたりという表現があります。(君の名は。でも多用されていましたね。)

桜花抄では、「桜」、「雪」、「風」、「列車」。
コスモナウトでは、「雲」、「学校の駐輪場」、「紙飛行機」、「ロケット」。
秒速5センチメートルでは、「携帯電話」、「メール」、「踏切」。

これらの事象が、認識すべきキーワードとして多用されていました。
つまり、"F=認識的要素" ですね。

"f=情緒的要素" は・・・

例えば「こころ」では、「疎外感、無常観、不信感など」。

桜花抄では、「待望感、疲弊感、焦燥感、不条理感など」。
コスモナウトでは、「漂泊感、虚無感、喪失感、不遇感など」。
秒速5センチメートルでは、「倦怠感、無力感、切迫感、隔たり感など」
でしょうか。

このような心情や情緒的な感情の側面を、"f=情緒的要素" というのでしょうね。

事象と心情。物体と情緒。こうした二つの要素の関係性が、漱石の言うところの "F=f" の相関関係というものでしょうか。
(解説は、はっきり言って自信なし。ひたすらに<(_ _)>)

漱石が「文学論」を著述してから、今年で111年。

多くの日本人は、無意識に「文学論」的な観点で、文芸作品に親しんでいます。
プロの物書きも、業界人も、玄人はだしも、ビギナーも、みんな漱石のいうところの "F=f" の相関関係を、しっかり消化・吸収しているみたいですね。
今では、目が肥え過ぎちゃって、次の展開を予想して、当たったと言っては一喜し、外れたと言っては一憂するのも、世相が平和、心が安寧だからでしょうね。

尊いのは、最初に漱石がこれを説き、執筆していることですね。

ちなみに今でも「文学論」は本屋さんで購入できますし、新鋭の研究者もいらっしゃるので一読されてもよろしいのではないでしょうか。今までにない新しい視点や解釈が得られるかもしれません。

私も漱石の「文学論」(岩波文庫版)を図書館で借りて読んでみましたが、難読でした。なんだかとっても難しい。

さて、新海氏の描く " 超絶的な作画風景の描写 " は、観ている方の心象風景に、いかにも自然に重なり、溶け込んで、ゆるやかに共鳴させながら、やがて大きな残響・残照となって心に刻まれていきます。

具体的に申し上げれば、言の葉の庭の「雨だれ」、君に名は。の「東京の街風景」、本作の「桜」などは、その単体だけでは、"モチーフの一つ" に過ぎません。

でも、その作画を限界にまで磨き上げ、究極的に精緻にし、かつ多面的に、多角的に描き出すことによって、"F=f" を成立させた。

その結果として、生みだされた心地よさが、作品に、甘くふくよかな余韻を与え、たおやかな風韻とともに、感銘さえも生みだします。

これが、"F=f" の応用、ということでありましょう。

本作をご覧になって、心が何かを感じ、いくらかでもざわめく感覚をお持ちになったのであれば、作品に込められたメッセージに気づかれ、豊かな情感(喜怒哀楽)を獲得することができたといえるのではないでしょうか。

漱石の文学論を彷彿とさせるような、極めて文芸的で、溢れる情緒性を前面に打ち出したアニメーション作品、新海ワールドの開花。そう感じました。
{/netabare}
{/netabare}



●EDについて
{netabare}

音楽のことはよくわかりませんが、哀愁と悔恨、とどかない願いの切なさを強く訴えかけてくる感じですね。
終幕を見事に括る、とてもいい詩と曲だと感じました。

心底、堪えました。心底、堪りません。
{/netabare}

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品が、皆に愛されますように。

投稿 : 2018/10/15
閲覧 : 188
サンキュー:

27

knightgiri

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「本当に好きだった人を思い出す(大人向け)」

新海誠氏の代表作の1つ。ずっと見なきゃ見なきゃと思いつつも「もし期待外れだったら?」、「見てもなにも感じなかったら?」との不安からずっと見ずにいたのですが、やっぱり見てよかったぁ〜。

私事ですが、本当に好きだった片思いの人の事を思い出しました。今でも憶えてます、その人と音信取らなくなってから長い時間が経った日、「どうしてるかなぁ・・・・・」と思った仕事帰りの帰路、電車でばったり会ったんです。

なんかその時の気持ちをこの作品は強くまた思い出させてくれました。あれからそんなに好きでも無い人とどれだけ付き合ったか、結婚してしまったか・・・・・・・

純愛を思い出させてくれる、そして切なくさせてくれる、そんな素晴らしい作品です。「君の名は」よりも・・・・・・・・


挿入歌の「山崎まさよし one more time, one more chance 」ぴったりです。久々に聞いてグッときました。

投稿 : 2018/10/14
閲覧 : 91
サンキュー:

10

GJ

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

消化不良な良作

最近出たコミックを見て、ストーリーが良さそうと思い今更ながら初めて視聴。

作画の臨場感、作品の雰囲気は流石の新海監督作品。ほぼ満点
ただ最後はこれで終わり⁉︎となる感じで個人的には消化不良感が残った…

投稿 : 2018/09/27
閲覧 : 47
サンキュー:

2

ネタバレ

ひき

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

小説の方がまだ良かった…

映画と本とどっちを先にするか迷いましたが、
〝君の名は。″と同じく映画から見ました。
映画がイマイチだったので本読んで正解だったかな、と。
本の方が貴樹の気持ちがよく伝わったので、
映画が後だとガッカリ感が増幅していたかも…。
〝君の名は。″も小説は映画の内容、特に〝気持ち″の部分を
補完した感じでしたが、こちらは映画も小説もすごく良かった。

で、これは…貴樹を中心とした3部構成の物語。
初めての恋を上回る充実感を得られない貴樹の不完全燃焼的なその後の物語、
という感じか…。
初恋を成就させるストーリーにして欲しかったかな…。
個人的には健気な花苗が好きで、島で幸せな その後であってほしい、と思う。
〝君の名は。″と正反対なお話し、という感じでした。

投稿 : 2018/09/09
閲覧 : 69
サンキュー:

8

ネタバレ

にゃん^^

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

恋がちって落ちてく速さのことかな。。秒速5センチメートル

小学中学のときの同級生のあかりちゃんを思って
忘れられないまま大人になったたかきくんのお話し。。

絵がとってもきれいで光ってた☆

おはなしは1話目がにゃんはいちばん好きだったなぁ
{netabare}たかきくんがあかりちゃんに会いに行こうってきめて
すぐに会いたいけどなかなか会えないの。。

それでにゃんも
ほんとに会えるの?って
だめかも。。って思いながら見てた

いろんなこと思い出したり
でも会いたい!ってゆう気もち

それでやっと会えて
2人の気持ちが通じてたって分かったとき。。

キス♡

着くまでがとってもながーく感じちゃって
ほんとにドキドキして待ってて
やっと会えたとき
にゃんはうれしくって泣いちゃった。。

それで桜がきれいでそれで。。(ぐすん)

でもね
もう会えなくなっちゃうのかなぁって
帰るときに。。(はぁ。。)


2話目もよかった

たかきくんのことが好きで
でもたかきくんは。。ってゆうお話で
かなえちゃんの思いがつたわってきた

サーフィン。。だめ⇒サーフィン。。うまくのれる。。
ってゆうのが
きっとたかきくんのことだったんだなって。。

いいお話しだった。。


でも3話目
にゃんにはよく分からなくって
さいごダメダメでおわっちゃって。。
(あっ。。うたはよかったよ)

きっと大人の人が見ると
ああ。。
こんなこともあったなぁ。。とか
なつかしいなぁ。。とかって思うのかな?

でも
にゃんが見おわって思ったのは

男子が失恋しちゃって
だんだんダメ男子になってくのを
桜みたいにきれいにさいてたたかきくんが
(たかきくんって高校のときはかっこよかったよね)
そのあとちって落ちてくのとくらべたのかなぁ。。って

そのときってすぐにダメ男子にならないで
10年以上かかってダメダメになってくのが
秒速5センチメートルみたいにゆっくりと~って
そうゆう意味なのかなぁって。。

桜の花びらが地面に落ちるのって悲しいし
失恋してからかっこよかったたかきくんが
ダメ男子になってくのも悲しい。。


もう1つにゃんが思ったのって
桜って春だから青春のことなのかなって
青春がおわる早さが秒速5センチなのかも
{/netabare}
そんなお話しだったのかなぁ。。

にゃんは2話までだけのほうがよかったって思ったケド
大人になったらかわるのかも。。

みんなのレビュー読んでたら
そうかもって思った☆

投稿 : 2018/09/09
閲覧 : 1263
サンキュー:

291

ネタバレ

ぺー

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

第一章が好き

2018.2.12記


君の名は。で新海監督を知り過去作品にも興味を持った口です。
自分で言うのもなんですが、ひとつの作品がきっかけで過去作を辿る観客がいるというのはもともとのファンにとってもうれしいことなんじゃないでしょうか。作品を共有できる仲間が増えるというかなんというか。
「にわかが!」と捨て置かず共有母体が増えることを良しとしてくれると嬉しいです。

新海監督の紡ぐラブストーリーは、雰囲気が共通してます。
すれ違い・モノローグの多用・美しい作画・その他諸々一貫してる印象を持っており、そこに潔さみたいなものを感じます。けっこう好き。
他に「言の葉の庭」も観ましたが、もどかしい感じ、内に内にこもる感じは好きな人にはたまらないですね。固定ファンが多いのもうなずけます。

作品レビューに戻りますと、個人的には第一章が好きですし初見の方は堪能してほしいポイントです。
{netabare}降雪で電車が遅れことは、日常でもよくある一コマなのですが、たどり着けそうでたどりつけない焦燥感と時間が経過するにしたがってのあきらめに似た感情が生じてくるあたり、雪と鉄道の描写がきわめて耽美的で観る者を惹きつけます。{/netabare}
以降第二章から終章まで、第一章でのインパクト(衝撃的なシーンがあるというわけではない)をいい意味で引きずりながら作品全体のトーンを崩すことなくエンディングを迎えた印象ですね。

短めの作品の割には、鑑賞後の余韻がそこそこある良作だと思いますので、観て損はないと思います。



-----
2018.09.08追記
《配点を修正》

投稿 : 2018/09/08
閲覧 : 133
サンキュー:

36

ネタバレ

かにぱん

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「切ない」じゃ済まされないリアリティ

自分が新海誠作品にハマるきっかけになった作品です。

新海誠と言えば背景の美しさ。これはもう言わずもがななのであえてここでは言及しません。
私が言いたいのは、この作品の醍醐味はやはりリアリティだということです。
「は?どこがリアルやねん」という方もいらっしゃるでしょう、それもそのはず、中学生が田んぼ脇の蔵で寝泊まり?親何してんの?とか、現実的に考えたら謎めく部分が多々ありますからねw

ここで言うリアリティは、登場人物の心理的な動きについてのものです。なぜ貴樹は明里を追い続けて、それに囚われた半生を送ってしまったのか。それに対し明里は結婚もして、貴樹のことは既に思い出と化している…というこの残酷な展開は、よくよく考えてみればそりゃそうだ、という感じで。小・中学生の恋を大人になっても引き立っているわけがない。貴樹自身も、自分が追いかけていたのは明里ではないことに気がつき、ラストシーンでは笑みを浮かべて明里から去る。消えた明里を、いつのまにか消えていた自分の恋心を追うことはもうしないんです。
では、貴樹はずっと何をしていたのか。というと、これは私の考えでしかないですが、あれだけ好きだった明里への思いを実感できなくなり、「自分は明里が好き」という自分の心を信じられなくなるのを恐れた結果、明里を追うフリをしていた、そんなところかなぁと思います。
この作品が大好きな人も、大嫌いな人もいると思いますが、その差は「自分を騙して行動する」貴樹への共感度の高さによるのかなぁと思ったりします。

きみの悪い後味の良さ?みたいなものを残してくれる作品だと思います。

投稿 : 2018/09/01
閲覧 : 38
サンキュー:

7

ネタバレ

ヒカリ

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

変化する恋愛感

ねえ、知ってる?桜の花びらが落ちるスピード。

こんなセリフから始まる物語。もうこの台詞聞いただけで、超ドキドキしました。
{netabare}2人が再会した日、貴樹くんが落としてしまった手紙はあかりへのラブレターで、
あかりが握りしめていた封筒は貴樹くんへのラブレター。
2人ともお互いに渡すことなく別れてしまったのですが、
貴樹くんは〝渡せなくて”、あかりは〝渡さなかった”。
ここで2人の気持ちに違いがあったのかも。
あかりは貴樹くんとはもう会えないってわかっていて、
高校生になって彼氏ができて、大人になったら普通に結婚して。
でも貴樹は、あの日「あかりを守れるくらい強くなりたい」と誓って
ずっとあかりから気持ちが離れられないでいる。

あかりの中では貴樹くんは思い出になっていくのに対して、
貴樹くんは、あかりがそばにいないから、心ここにあらずだった。
時間が経つにつれて、いろんなことが変化していくっていうのが、なんだかとても切なかったです。
{/netabare}

時の流れと心の距離がすごくもどかしくて、切ないお話でした。

☺︎追記☺︎
この映画を初めて観た時よりも、ちょっぴり大人になったので、もう一度みちゃいました
初めて見たとき、このレビューを書いたときはまだ中学生だったので
レビュー見返すと、一丁前に距離がもどかしいとかなんとかいっててびっくりしました(笑)
この時、振られたこともないし、普通に付き合って普通に別れて、、っていう経験しかなかったので、実はこの話の切なさが、客観的に理解できても、心をバーーンって打たれて、自分の別れを思い出して泣いちゃう、、みたいなことはなくって、本質的に理解してなかったです(笑)
多分今書いてることも、数年後に読むとまた、このとき何も知らんかったのによくこんなことかけたわ!!って思いそうですけど、、笑

✏︎✏︎✏︎
{netabare}よく女の子の恋愛は「上書き」っていわれるの本当にその通りだと思います。
恋が終わってから、もう好きじゃないって思ってても、なんとなくまだ考えたりするし、好きな人っていうワードがでてもまだその人のこと考えたり、、
でも新しい好きな人ができたらもうそっちのことで夢中!!!
ほんとにそうだと思います(笑)
好きな人じゃなくっても、誰かに告白されたりしたら、、
あかりちゃんにもバッチリ当てはまる^ ^

一方、男の子の恋愛は
新しい好きな人
ができたから、好きだった人のことを忘れる!とかじゃなくて、好きじゃなくなった!!!ってなったらほんとにきっぱり好きじゃない!ってなるように感じます

あかりちゃんは、すごく好きだったけど、恋人ができてその気持ちも"忘れた"わけじゃなく、"前の気持ち"となって、大好きだった人と言えるように。
貴樹くんは、あかりのことを守ると誓った自分を裏切れず、裏切ることは悪いことだと思い、ずっとあかりのことを想う自分だいたいと思う。
ここまで一途な人っているんですかね〜〜すごい、、

花苗ちゃん。彼女が唯一、共感を持てるキャラクターでした。
好きな人に好きな人がいる。辛くてずっと苦しくて、告白しようとした矢先にも、相手が自分のことをみていない、と再確認しただけで、
結果言えずに終わってしまう、、
ほんとに切ない、、初めて観た頃はわからなかったけど、花苗ちゃんの恋が1番切なくて、身近に感じられます( ; ; )
あかりちゃんは前へ進めているし、貴樹くんはもうむしろ恋とは違う感情な気がする。
ちょっぴり大人になったな〜って思います(笑)

中学生のとき、母が、花苗ちゃんが貴樹くんがメールを打っている姿を見て、私宛にかいてるならいいのに…と思っているシーンで、
「そんなん近くにおれるんやからいいやん!絶対栃木と鹿児島まで離されるよりマシやん!メールをくらい我慢できるやろ〜」
って言ってて、
確かに!と思ってたんですけど、今は全く思わなくて、好きな人が自分のことを好きじゃないっていうことが1番辛いことだって今は思います{/netabare}


つまり再視聴してみた結果は
花苗ちゃん!!切ない( ; ; )共感( ; ; )( ; ; )
これからも頑張れ〜〜〜〜!!!!(;o;)
ということになりました。ちょっとは成長したんかなぁ(笑)

投稿 : 2018/08/02
閲覧 : 312
サンキュー:

50

ネタバレ

にゃわん

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すれ違い恋愛

ちょいと期待外れですわ
貴樹君とあかりの恋愛物語だと思ったのに
ちゃうんかい!

小学生の頃の2人のほうが、距離がすごく近かった
お互い何度も転校してくる転校族で
一緒に帰ったりしていたのに
突然、あかりが親の転勤で遠距離になる。

あかりが中学生になって落ち着いた頃
あかりから貴樹に手紙を送り
2人の文通が始まる。
ある雪の日、会う約束をしていたが
電車が止まったりで遅い時間になってしまう
流石に帰宅しているかと思ったが
あかりは貴樹を待っていた。
そこで久しぶりの再会をはたし他愛のない話をし
貴樹は見送られながら朝帰りをする
前の日に、渡そうとした手紙は風で飛ばされ
渡すことができなかった。
あかりも手紙を直接会って渡すことはできなかった

これが最後、2人で会って会話をした日
そこからはいくつか会いそうになっても
どちらからも声をかけずにすれ違い

働くようになってからは、普通に会社員を
勤めていた貴樹はある日を境に仕事を辞めた。
※仕事を辞める前、彼女はいたが別れた

あかりには、既に婚約を決めた男性がいた。
そこからは、2人会う事もなくメインテーマがかかり
終わってしまうがお互い胸の中で
想い合うだけ。

見ていてモヤモヤする恋愛アニメだった
途中の雲の書き込みやバイクの作画はキレイで
見惚れてしまうほど。

投稿 : 2018/06/17
閲覧 : 42
サンキュー:

4

kabaj31

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

タイトルなし

同人エロゲのような内容の無さ。
背景だけ美しい。

投稿 : 2018/06/17
閲覧 : 100
サンキュー:

4

ネタバレ

れのん。

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

失われた初恋の物語

  2007年公開 アニメーション映画(63分)
 監督・脚本・原作・絵コンテ・美術監督・音響監督  新海誠
  作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世
  制作   コミックス・ウェーブ
  主題歌 one more time, one more chance(山崎まさよし)
 音楽 天門

 本作は、一人の少年の人生を軸にした3本の連作短編から成っている。
 
◆最初の視聴(もう何年も前のことです)

 自分は、最初に視聴したとき、第一話には深く共感できたし、第二話も短編としてまとまりがあると思った。しかし、第三話は、 "one more time,one more chance" と美しい映像の印象が強烈だったけれど、ストーリーがしっくりこなかった。
 作品全体としては、第二話以降、主人公貴樹のキャラに無理があるように感じられ、あまり感情移入できなかった。作品全体のまとまりを欠いているように感じられた。

 ただ、この作品には心の琴線に触れるところがあって、もやもやした感じが引っかかり、気になって仕方がなくなった。そこで、何回か視聴した後で、小説版「秒速~」を読んだり監督インタビューを聴いて自分なりに作品の理解を深めようとした。
 

◆本作発表時に新海誠監督が書いた作品の紹介テキストには、以下のように書かれている。

 「我々の日常には波瀾に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛えています。
 現実のそういう側面をフィルムの中に切り取り、観終わった後に、見慣れた風景がいつもより輝いて見えるような、そんな日常によりそった作品を目指しています。」

◆ ロマンチックラブ …… 恋愛観について

 新海監督は「秒速」について、インタビューなどで多くのことを語っている。その中で自分が注目したのが、監督が「自分は、ロマンチックラブは素晴らしいと思うけれど、自分は作品の中でむしろ、ロマンチックラブの否定を描こうとしている、と述べていることだ。
 ここでいうロマンチックラブとは、(運命の赤い糸で結ばれた)男女が出会い、幾多の困難を乗り越えて結ばれる、という恋愛観である。

 第1話で描かれているような、あれほどの初恋、あれほどのファーストキス、あれほどの体験をしたなら、例えロマンチックラブ的に実を結ばなくとも、それぞれ二人の一生涯を心の奥底で照らしうる光になる。「ロマンチックラブ」のストーリーであれば、十数年ぶりの再開で、紆余曲折を経て、あの踏切で出会い、そしてふたりの関係が新たに再び出発する、という物語が予想されるわけではあるが、本作ではそうはならなかった。

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 第一話で、最初のアカゲラが鳴き声を鋭くあげて、夜空高く飛び上がっていくシーン。明里の、貴樹が会いに来ると書いた手紙への返事に載せて。 …… 距離、空間、広がり、二人の思いがそれを越えて、二人の物語を俯瞰する。空を飛ぶアカゲラは、遠い距離を超えて互いを思う二人のこころの象徴であろう。このあとも、アカゲラは、貴樹と明里の、時間と空間を象徴している。

 小学生時代の二人の回想は、貴樹の列車での岩舟への旅の途中で、貴樹の回想として描かれる
 小学時代の二人(4年から6年の三年間がいっしょ)が、内向的、読書好きで、世界を共有していたこと、その一つのシンボルとして、図書館での貸し出しカードに同じ本三つに二人の名前が並んでいるシーンがある、これはちょっと、ジブリの「耳をすませば」の月島雫と天沢聖司を思い起こさせる。

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 1度目の距離は、二人が文通を維持することができ、貴樹が自分自身の転校という事態に、意を決して行動することをとおして、あの感動的な13歳の二人の雪の一夜に結びつく。

 さらに遅れる列車の中での回想。小六、卒業の日。
 この列車の遅れがなければ、二人は一晩語り明かすこともなかったし、キスもなかったかも知れない。「遅れ」がふたりの心を急速に近づけたのは、間違いない。

 「その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか、わかった気がした」
 ここで二回目、星空を飛ぶアカゲラ。
「ぼくたちはこの先も、「ずっといっしょにいる」ことはできないと、はっきりとわかった。僕たちの前には、いまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていた」 この、「いまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間」をアカゲラが飛ぶ描写は象徴していると思う。
「僕をとらえたその不安、あとには、明里の柔らかな唇だけが残っていた」。初めてのキスだけが当てはまるような描写が続いている。

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 第二話冒頭。 また、宇宙、星空を背景に高く飛ぶ鳥には、時間と空間を感じさせる。
 二人が夜の丘あるくシルエット。女性の髪は、肩より少し長い。貴樹は、高校生とおもわれる。
 たっている貴樹は、座っている少女の方を見る、少女は、しかし、貴樹の方を観ず、前をじっと見ている、貴樹は、視線を前に戻す、宇宙的な日の出 …… 貴樹の青春の前に向かうエネルギーの象徴のようでもある。

    宇宙的な日の出 → 朝の弓道場

 あきらかに、二話冒頭のイリュージョン(おそらく貴樹の夢)の中の、髪の長い少女は、明里、あるいは明里にインスパイアされた、貴樹の内面の女性像なのだろう。同じ少女が、2話後半では、「出すあてのないメール」に「いつもの少女、顔は見えない」と、貴樹自身によって書かれている。実際に会うことがなくなって久しいから、内面の女性像と現実の栃木にいる明里とは、差が出来てきていると思われる。
 貴樹はかなえといてもどこか、心ここにあらず。季節は、虫の声から秋である。

 やはり、これは、夢と思うのがわかりやすい 。 「雲のむこう~」では、夢が大きな役割を持っている話しだし、新海さんが夢に大きな関心を持っている。
 二話冒頭をそう解釈することで、すぐ続く、かなえと貴樹との絡みが理解しやすくなる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 第三話の後半でよく見れば明示されている、28歳の明里の幸福は、ねっこに、貴樹との出会いあってこそである。



 2話後半では、貴樹が、家で科学雑誌を見るシーンに続いて、再び貴樹の夢かイリュージョンが描かれる。ここで、海辺に並んでたつ、貴樹とショートカットのかなえではない、やや髪の長い少女 …… これも、何年も会っていないため、内面化された明里のイリュージョンか?
 「僕たちはそうやってどこまで行くのだろう」 …… 宇宙のイリュージョンをバックに立つ貴樹。 …… ここで、髪に手をやる少女の姿、美しい輝く海、浜辺に並んで立つ二人。

 こうして、貴樹の心の真奥の思いによりそうかたちで、内面化された明里の像が生きているように思われる。
 ただこうなってくると、現実の明里とは、数年来の文通でうまくいかないようになっているので、 私の解釈では、もはやそれが、明里なのか、だれなのかわからなくなっているのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 高二までなんとか細々と文通が続いていたのに、あと一年、とどかなかった。
 貴樹が種子島の高校を卒業して東京の大学に出てきたとき、明里は栃木の実家にかわらずいるのだから、4月に二人が会うというのは自然なことだっただろう。そういう物語も、もちろん、成立する。
 ただ、新海さんは、そうでない物語を描きたかった。そして、それはまた、リアルな人生では、そううまく、ロマンチックラブは成就するものでないという見方につながるのであろう。

 新海さんが喪失を描くのは、喪失体験の方が、獲得体験より、根源的、普遍的だからではないか。
 だれも生きている限り、なんらかの大事なものの喪失を体験する。
 そして、リアルにおいても、多くの場合において、喪失こそ、癒されねばらならず、乗り越えられていかねばならないなにものかである。

 言の葉のゆきのにしても、秒速の貴樹にしても、現実にいたら、けっこう大変そうな人。生きにくそうな人。「世界は生き続けるに値する、美しさをたたえている」、この言葉には、生きにくさ、ということを前提としている。 貴樹もそうした行きにくさを性格的に抱えた、ひとりであった。
 思うに、新海さん自身もそういう生きにくさも抱えていて、それゆえ、「でも、世界は、生き続けるに値する美しさを湛えている」というメッセージを込めた作品で、みるひとをはげましたかったのだろう。
 そういう監督&作品のあり方に、共感できるかしにくいかが、「秒速」までの新海作品への好みの分かれるところなのかもしれない。



 たぶん、さいごの踏切シーンで、貴樹が一歩をかすかな笑みとともに踏み出すところは、もう少し貴樹の心境の前向きな方向への変化のようなものをはっきり描けばわかりやすいかもだけど、はっきり描くとにせものになってしまう、ああしか描けないのではないかとも思う。

投稿 : 2018/05/21
閲覧 : 236
サンキュー:

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秒速5センチメートルのストーリー・あらすじ

東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。(アニメ映画『秒速5センチメートル』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2007年3月3日
制作会社
コミックス・ウェーブ・フィルム
公式サイト
5cm.yahoo.co.jp/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%92%E9%80%9F5%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A1...
主題歌
≪ED≫山崎まさよし『One more time, One more chance』

声優・キャラクター

水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

スタッフ

原作:新海誠、 監督:新海誠、脚本:新海誠、作画監督:西村貴世、美術:丹治匠/馬島亮子、音楽:天門

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