「秒速5センチメートル(アニメ映画)」

総合得点
87.1
感想・評価
3678
棚に入れた
16768
ランキング
93
★★★★☆ 3.9 (3678)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.1
キャラ
3.6
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ネタバレ

izumo

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

行き場のない思い。

恋愛観の違いで

男は1人ずつ違うファイルに個別で保存
女はまとめて同じファイルに上書き保存

なんてよく言いますが・・・



まさにこんな男女の
価値観の違いを感じる作品でした。



わたしもきっと上書きタイプなんだと思います。

しかし"女はすぐに忘れる"というのは
少し違うような気がするんですよね・・・。



むしろ女は過去を
鮮明に覚えているものです。

嬉しいことも
悲しいことも
楽しいことも
苦しいことも

出来事だけではなく、その時の感情までもが
鮮明に記憶されています。



この作品で置きかえるとしたら

2人で過ごした楽しい記憶
やっっと会えた嬉しい記憶

と同時に

お別れのあとの悲しい記憶
一緒になれない苦しい記憶

もまた・・・

明里のなかに鮮明に残っています。



第一章のあとも二人の間に
何かあったんじゃないのかな。



第三章の電車での明里の切ない表情をみて
そこが本当の男女の違いなのではないのか・・・
と、わたしは感じました。



いい思い出とともに
辛い思い出も蘇る。

嬉しい感情とともに
悲しい感情も蘇る。

むしろ負の感情の方が強烈で。



悲しみ
苦しみ
怒りなど

負の感情ってなかなか忘れられないし
重たい鉛のように心に残り続けます。



貴樹くん目線だと
明里との思い出は
綺麗な部分だけ切り取られ
大事にされているのですが



明里にとっては多分

いい思い出だけを思い返したり
いい思い出だけには浸れない
辛い部分もたくさん残っていて・・・
だから前に進もうとするのです。

苦しみから抜け出すように。



明里もいっぱい、頑張ったんだと思います。

(※全て想像にすぎません)

投稿 : 2019/03/22
閲覧 : 424
サンキュー:

46

ネタバレ

D.K

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見終わった後モヤっとする人に読んでほしい俺的解説

なぜ多くの人がモヤっとすると受け取るのか?

答えは簡単で一幕、二幕と違って三幕は主人公自身が自らの心情を言葉であまり語らず感情移入しにくいからだ。
その為、鑑賞者は映像から主人公の心情を読み取らなければならない。
また言葉で心情を語る一幕二幕とのギャップで映像が読み取りにくくなっているためであると考えられる。

ではなぜそのような演出ななっているか?

なぜならば一幕二幕では「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」について主人公自身が理論先行で思考し肯定しようとするためだと思う。ゆえに葛藤は演技として喋らない頭の中の言葉で自分自身が語られる。
しかし三幕では主人公の成長によって社会に放り込まれ「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」について思考し肯定する暇もなくなる。主人公は気づけば「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」が不可能だったことに気づきはじめ思考しなくなっていく。主人公は主観的な自分から客観的な自分へと少しずつ変化していき自分語りは減っていくため言葉で自身を語らない。

それでも過去の恋人の影を追い求める。
そして怒涛の結末エンディングを迎える。

春という季節のモチーフや
鮮やかで明るい色
肩の力が抜け
踏切が上がるシーンで微笑し
靴がアップで写され
地に足の着いた大人として振り向いて過去と決別し
前を向いて歩いていく

主人公は、自分の心の中にあり「代替え不可能で絶対的な恋愛体験」を今となっては実現することが不可能だと肯定し大人になって前に進んでいく
これはある種の喪失感を伴い過去の束縛からの解放を意味する
だからこそ淋しくもさわやかに感じるなる

だから私は、五センチメートルを繊細な主人公が長いあいまいな失恋を経験し幼少期の終わりを迎える話だと思っている。
決して憂鬱なアニメではなく。憂鬱を乗り越えて一歩前へ大人になるアニメ映画なのである。
だからこそ一部の鑑賞者には強烈なノスタルジーに苛まれるのである。

投稿 : 2019/03/02
閲覧 : 59
サンキュー:

3

ネタバレ

ip

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

秀逸なラスト。これぞ新海ワールド

 3話目に関してはじめはよく思わない人も多いであろう本作のラストシーン。幸せでは終わらない救いようのない最後。私も、当時中学生で観た時は、数週間胸のモヤモヤが晴れなかったのを覚えている。
 しかし、時として、昔のことはいい思い出として心の片隅に置くこともまた必要なことで有り、貴樹はそれが不完全な形で残っていたからこそ、他の女性ともうまくいかず、いつまでも明里の存在(言葉)が頭に残っていた。
 最後のシーンは貴樹が今までの事を思い出として変え、新たに歩き始めようとするシーンであり、決して、今後も報われない悲惨な男を暗示したシーンではない。ハッピーエンドとは行かないけど、それでも彼女との再会が前に歩き出すきっかけになったのだとしたら、それはバッドエンドとは言わないのではないか。良くも悪くもとれるラストは本当に新海監督の作品の持ち味(新海ワールド)だと私は思う。
 
 それにしてもこういった「ありそうでない話。思春期特有の恋や夢への苦悩」が作中に入っていて、ラストも良くも悪くもとれる。胸にシコリの残る作品が持ち味だと思っていたのに何故「君の名は。」では完全なるハッピーエンドを作ったのかは未だに疑問であり、不満。(あと作中の歌が4曲は冷めた)精々記憶が無いくらいか……。
 「天気の子」どうなるかなぁ。
 

投稿 : 2019/02/27
閲覧 : 44
サンキュー:

2

ネタバレ

でこぽん

★★★★☆ 4.0
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なぜこんな終わり方をする・・・

この映画は三話構成の映画です。

貴方がまだこの映画を見ておられないのであれば、
そしてあなたが、映画で感動や愛情や喜びを得ることを期待されているのであれば、
三話目は見ないことを強くお勧めします。
そうすれば、見終わった後、夢を膨らませ、幸せな気分に浸ることができます。

絵はこの上なく美しく、音楽も大変すばらしい。
第二話までであれば、自信をもって多くの人に推薦できます。

第一話では、主人公の男の子や相手役の女の子の心に大いに共感しました。
二人とも純粋で、一生懸命で、相手のことを思いやっており、
とてもすがすがしく感じました。

第二話は、男の子に片思いをしている女の子の話です。
男の子は第一話に出てきた子です。
片思いの女の子がとてもけなげで、ちょっぴり切ないです。
男の子には好きな人がいるので、決して振り向いてはくれません。
男の子は、第一話に出てきた女の子のことをすごく大切にしています。
第二話を見終わった後、これから先の展開が楽しみになってきました。


映画とは、観客に感動や喜び、楽しさ、夢を与えてくれるものだと私は思っています。
疲れたときや落ち込んだ時に映画を見ると、元気を与えてもらえます。
(他の理由で映画を見られる方、ごめんなさい)

自分勝手な主張で申し訳ありませんが、
監督さんには、元気を失くしたり生きる気力を失くすような映画を創っていただかないよう、お願いします。
{netabare}
2019/2/24追記
実は、第三話は、私自身も思い当たることがあるのでつらいです。

都会でコンピューター関係の仕事をするということは(他の仕事も大差ないと思いますが…)
仕事以外の時間は寝ているか食べているかが殆どです。
寝ているときも、夢の中でプログラム解析をついついしてしまいます。
そして障害の箇所に気づくと、汗びっしょりで急に目覚めます。

だから私的なことを考える余裕があまりありません。
ついつい身内に冷たくなります。
そして、少しずつ疎遠になる。

そんな現実があるにせよ、
私は空元気でも見せかけでもいいので、笑っていたい。
そうすることで相手の人が安心してくれるのなら、それが良いと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2019/02/24
閲覧 : 621
サンキュー:

53

ネタバレ

クワル

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

切なさだけが残る

切ない。

けどそれだけ。
もう一度観ることはないだろうな。

「コスモナウト」以外は観るのが苦痛に近かった。
テーマ性のないノンフィクション映画を観せられている感じ。

最後の主人公とヒロインの境遇の差はどこから来たのだろう?それを表現して何を言いたかったのだろう?
そして、新海作品ファンの人は、この作品のどの部分を高く評価しているんだろう……。

自分の理解が及びませんでした。

投稿 : 2019/02/19
閲覧 : 50
サンキュー:

2

ネタバレ

takeboo

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

モヤっとする

途中まではこれはヒットかー? と思って見てたけど、最後に結ばれなかったのは自分的にマイナス。これはこれで切なさを演出するには成功しているけれど、スカッとハッピーエンド好きの自分には残念な作品になってしまっている。
三部構成なのはいいと思う。でも中学生があんな冒険するとは、補導されるレベルでしょ。中学生の親の目線からはありえないよね。
以上を考えると「月がきれい」を超えることは出来なかった。最後に結ばれていたら分からなかったけど..。
82点

投稿 : 2019/01/13
閲覧 : 46
サンキュー:

3

ギャザード

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

女心はようわからん

女子は恋愛に前向き

男子は恋愛に後ろ向き

現実的なアニメだった

投稿 : 2018/12/30
閲覧 : 37
サンキュー:

2

阿紫カービィ

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言葉に出てこそ言わねども 内心にそこばくの咎あり

私、この作品、何度も何度も観てて。
なんとなく、『この作品が好きです』ってずっと言えなかったのだけど…
やっと、言える時がきました。

私はこの作品が、大好きです。



『桜花抄』

明里ちゃんに逢いに行く電車内での貴樹君の気持ち…
不安、焦燥、虚無感そして「悪意を持った時間」に
13歳の心でよく耐えたね…と
ただそれだけを思う。

貴樹君を待つ明里ちゃんと
明里ちゃんに逢いに行く貴樹君の心の矢印は『→←』心の距離も、『→←』

出逢えた2人は、雪の降る中、枝だけの桜の木を見るのですが、
ここで2人の心の矢印が少し変わったのでしょうか。

舞い散る桜の花びらは雪の様に見えたのに
舞い降りる雪は…花びらの様には見えなかった…

今まで世界には2人だけだった、けれど、
2人だけではどうにもできない「不確実な何か」の存在を
知ってしまった瞬間なのではないのかな、と思いました。



『コスモナウト』

これはですね…
一緒に観た友達が
「コスモナウツ!」と、何度も叫んだせい?で、中々本気で観れなかったお話でした。

遠野君に想いを寄せる、澄田さん。
澄田さんは、「お友達」の位置?にいて…
遠野君を待ち伏せしたり、突然遠野君の前で泣き出したり…めんどくさいなぁ、と、ずっと思っていました。ごめんね…
どうも、密やかな「片想い」の気持ち?よく解らないのです。ごめんなさい。

でも
遠野君の目線で観ると、素晴らしいです…
「記憶の中の想いのやり場」をどうすることもできず、
流れる時間にただ身を任せる事しかできない。

それがどれだけ、辛い事か…高校生の心には重すぎます。

遠野君と澄田さんの心の矢印は『← ←』

澄田さんには遠野君に「好きです」よりも「大丈夫だよ」と
言って欲しかったな、と思いました。


そして
『秒速5センチメートル』

社会人になった遠野貴樹さん。
セクシーが爆発しています(笑)

(いつの間にか、彼の事が好きになってしまっている自分に苦笑い)

「日々弾力を失っていく心が…ひたすら辛かった」

必死に「届かない何か」に手を伸ばす事は、
孤独そのものでしょう…辛いよ!


ふと思い出す過去の想い出。

出来事は
常に心に刻まれていく。大切な想いこそ忘れる事などできないです。

彼はきっと…自身の心と向き合い、答えをみつけようと行動に出た、
やっと歩きだす事ができたのでしょう。

彼の心の矢印が『→←』になった。


最後の彼の笑顔、本当に綺麗だった。
笑顔の彼は幸せそうだった。



誰にでも、
逢いたい人がいる。待ってる人がいる。
誰にでも、新しい出会いがあって、笑顔になる時がくる。


あいたい人がいる。待ってくれてる人がいる。

だから、生きていける。



最後に、凄く気になった事を、ひとつ。

明里ちゃん、鞄を地べたに置くんだね(笑)

私は
絶対鞄は地べたに置きませんよー!





思いが強すぎて。乱文申し訳ない。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。



おわり

投稿 : 2018/10/20
閲覧 : 486
サンキュー:

63

ネタバレ

fuushin

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

身を切るほど、心を焦がすほどに堪えました。

新海誠氏の恋模様三連作。

初見は、とっても心を痛めました。

本作は、「ほしのこえ」や「雲の向こう」とは違い、設定が日常寄りということもあって、感情移入がしやすかったためか、結果的に前2作で感じた以上の強いインパクトを受けました。

心を砕かれてしまった、というべきでしょうか。


●観終わっての感想
{netabare}

< 小学校 >
{netabare}

ふたりで過ごす 図書館の
めくるページの 音かすか
余いんかさねて やわらかに
カーテンの外 あたるひに
桜のえだは 色おどる
春さきまちが うれしいの。

かなえられない 約束の
たが(違)えに謝罪 交わすけど
クヤシイヨって いっていい?
ヤリキレナイと ないていい?
納得なんて 分からない。

つもる想いは どこゆくの?
つまる思いも 消えてくの?
記憶の海の 水底(みなそこ)に
卒業(わかれ)めのあと 沈め置く




・・・あら、あらあらまあ?いつの間に妙なリズムの節回し
こんなはずではなかったわ。恥ずかしいったら、ありゃしない。
でも嘘じゃない。本当よ。
・・・心根深く堪えたの。

{/netabare}


< 中学校 >
{netabare}

文通。そう。文通!!


鎮魂の日々  綾も褪せ
駆ける校庭  弄ぶ
翳る無辺を  灯す文
行間の聲   耳たてる
春さやかなる 路線図を メモ取る視線
途切れたる 君知らぬ季節(とき) つなげたい
君にまっすぐ 向かいたい。


 

あなたを静かに思いやる気持ちに気づいた私です。
引きあい、魅かれ、惹かれあい、求める光のあたたかさ
二人の心中(なか)に産まれたよ。
抗(あらが)うことなど、どうしてもできなかったの。
これは、恋?




サクラ花びら待ちわびて、その色淡く、記憶(とど)めおく。
芽吹いた若葉の身の内に、深く突き刺す棘ふたつ。
少女と少年の縁(えにし)、問う。
チクリと疼く、瘡(きず)の痕(あと)。
それは、さわれず、ふれられず
誓った小さな約束を、大きく損ねた不条理が残した禁忌のはずだった。
自責の念の重さから、冒した禁忌でもあった。



・・・あらら?まただわ、なんなのよ。
どうかしてるわ、このレビュー。

{/netabare}



< 貴樹 >
{netabare}

真白に埋もれた両毛線
ゴトリゴトリとかき分けて
進まぬ車輪のもどかしさ

荒(すさ)ぶ北風、混じる雪
前照灯を遮って
デジタルの文字、意味失せる

闇世(くらやみ)の中、ぽつねんと
身を固くして独り坐(ざ)し
迫る悪意にくだかれる

虚しさつのる 往き先は
居ても淋しき その駅舎
居らぬ駅舎は、なお哀し

{/netabare}



< 明里 >
{netabare}

なのに・・・。
いつしか、もう一度、ただ逢いたくて、あの人の悲しみ慰め、あの人の苦しみいたわり合いたいと、願う確かな想いなの。

あなたの瞳に、もう私、嘘はつけない。
渡したい手紙があるの。
進みゆく時計の針に、追いつかぬ列車の窓に捜してる。
発車のベルに、俯(うつむ)くの。

それでも待つわ。
それほどにあなたの聲を聴きたいの。
平気。そんなの。
震えてもあなたのその手に触れたいの。

やさしいあなたの瞳(め)を見つめ、私の手紙(ねがい)を伝えたい・・・。

{/netabare}



< 岩舟 >
{netabare}

駅舎より 白雪(しらゆき)踏み分け やまに入る

夜半見仰ぐ 桜には
  蕾 一片 (つぼみ ひとかけ)だになくて 
花弁舞い散る 身代わりは
  雪、深々(しんしん)と 白く降る

春待つ君の 望むもの
  柔き人肌 温かき
桜のくちびる 求めつつ
  ひと夜を過ごす 夢世界

語らうことばの 尊さに
  いずれも恋の 意味知らず
絆を紡ぐ 術(すべ)もなく
  怖気つくまま 立ちすくむ

今より時を 止どめかし
  遠い未来を 凍らせて
真白き鉄路を 一人還(ゆ)く
  佇(たたず)む岩舟駅 独り

{/netabare}




< 花苗 >
{netabare}

私、驚いちゃったんだ。
こんな出会いがあるのかな。合格だって嘘みたい。

私、分からなかったんだ。
こんな時や、あんな時。だって顔から火が出るよ。
いつも半分隠れてもあなたは全部知ってたの?

私の育ったふるさとをあなたは好きになれたかな。
青い空気を吸うことも、雨に打たれて帰るのも、何でもないと思ってた。
ううん、何でもなくないよ。いつでも、どこにいるときも。
私のハートの真ん中をあなたの放つ矢が飛んで射られるようでドキドキを
いつも思うの。感じるの。
そんな想いがしあわせで、夜具にやさしく包まるの。
月がしずかに見守るの。


私、ようやく気づけたよ。
あなたの軌跡は高すぎて、面影にさえ届かない。
あなたは、どこに旅立つの?
あなたの瞳は、だれ瞰(み)るの?

どんなに背伸びしてみても、波間の先には昇れない。
海と空とは一つなの。
空だけ見つめることなんて、海から離れることなんて、できないことだと分かったの。

あなたはメールと翔け上がり、私は泪(なみだ)の海に嗚咽(な)く。

{/netabare}



< 私 >
{netabare}

そうそうなにより劇伴が
凄まじくて心ノ臓
撃ち抜かんとせん圧力よ

耳の中にぞ残響を
体の内には震撼を
心の琴線、ギリギリと
涙腺深く抉(えぐ)りだし
痛む心も極まれり。

私のかつての悲しみと、苦々しさがさめざめと、
ありやかなまま浮かびきて、ついと逃避したくなる。

荒ぶる気持ち、ようやくに
抑えに押さえ、組み伏せて
1時間(いっとき)余りの映像の
旅を何とか・・・・・観終わせる。



えい、もう、こうなりゃ、うたを詠み
レビューを終わってやろうじゃん!

お耳汚しでごめんなさい。
笑ってやってくださいな。

{/netabare}




<桜花抄>

{netabare}

戀の作法の 至らぬに
千々に絡まる 乱れ髪

碧き髪にぞ 触れおりて
重ねたキスの 温かさ

桜の花の 舞い散るを
いつの日駆けた 通学路

少年の眼の 堅固さを
少女の笑顔の 優しさを

ただ見つめおる 桜花抄

{/netabare}




<コスモナウト>

{netabare}

朧に陰る 宵の口
傍(そば)の面影こそ 誰ぞ

未知の宇宙(そら)ゆく ロケットの
コスモナウトの 何か視ん

波のまにまを 乗り切るも
疾(か)ける風音 涛飛沫(なみしぶき)
懸(か)けられぬ声 祈るのみ

種子島の空 ただ蒼(あお)く
種子島の海 ただ碧(あお)し
乙女の朱(あか)は 青に散る

{/netabare}




<秒速5センチメートル>

{netabare}

梳(と)くに梳けない もつれ髪
結(ゆ)うに結えない 隔たりを
千(せん)のメールは 哭(な)きにけり

己が背向けて 振り返り
道の見えぬを 知り置きて

めぐる大人の 邂逅を
踏切 桜 散らすなり

秒速の戀 儚しき
指切り拳万(げんまん)5センチの

触れえぬ小指(をよび) その丈も
心の襞(ひだ)の 合わせざる

掬わぬ瞬間(とき)に たゆとうて
順(まつろ)うて往く 旅立ちか 
 
{/netabare}



ちびっとだけ、解説っぽく。
{netabare}

梳くは、説く、解く、得に、掛けました。
結うは、言う、勇、憂に、掛けました。

をよびは、小指(こゆび)の古い読み方で、をゆび、とも読みます。

ここでは、"(小指ほどのささやかな長さの距離であっても)触れえぬを(触れることは叶わないいのだけれど、それでもあなたに)、呼び(かけてみたいと思うの。でも、そんなことを思うことすら心が辛くなってどうしようもなくなるの)" という想いを言い含めてみました。
二人の心のうつろいが、小指のほどにも触れられず、絡めることもできないで、乗りこえられないやるせなさ。そういうさまを込めました。

また、"その丈(たけ)" は、竹(たけ)と、猛(たけ)、二つのことばを掛けました。
どんなにしても近づけない丈を心の距離として、また、若竹のごとくしなやかに、節を乗り越え、真っ直ぐに、伸びていくさまの必要な意味を含めて込めました。
男も女も、秒速で、丈を詰めて迫るなら、猛々しくある強い意思、そんなさまさえ必要な意味を滲ませ書きました。

" 合わせざる " から" 掬わぬ "も、ちびっと意味を掛けました。

心の襞は、垂れ衣(ぎぬ)のように面(おもて)にまとわって、見つめ合わせぬその瞳、逢わぬ恋路に陰を挿す、合わせられない恋しさは、縁(えにし)の寄らぬ "もどかしさ" 、愛(いと)の撚れない "よわさ" です。

" 合わせざること ≒ 逢うことの叶わぬ " 聲の か細さを、阿波と淡路を断ち切って轟轟と鳴る渦潮の消えては浮かぶ渦の沫(あわ)。時の満ち欠け恋もよう彩る絵図も合わなくて、泡立つふたりのみちすじが鳴り生り成りて行きつくは淡き艶(いろ)だに逢瀬の間。
襞に隠れた恋心、掬わでなぜに救えるか。ジュブナイルの君、儚しや。

こんなそんなで合わせざる心の襞の間(あい)さにも、ちびっと意味を込めました。

そしてまた、素敵な人をぼんやりと見逃すものなら、目の前のチャンスも掬いあげられず、時の流れの浮き沈み、浮き身のまにまに現世(うつしよ)を、ただ茫洋と彷徨って、標(しるべ)も寄る辺もないままに、一人旅にて歩む道、そんな男女の生きざまをちびっと詠んでみたのです。
おそまつさまでした。
というか、超恥ずかしいじゃんね!

一首。
これ観る人の心情によっては、如何ようばかりとも評価されうる作品か。

{/netabare}
{/netabare} 



●作画についての考察。(ちびっとだけ真面目に書いてみた。)
{netabare}


低徊趣味

{netabare}
本作には、夏目漱石の作風がちらちらと顔をのぞかせます。
新海氏が文学部で学ばれたことを思えば、当然のことなのかもしれませんね。
そこで、漱石を取り上げつつ、作画について考察してみます。

『夏目漱石。1867年2月9日(慶応3年1月5日) - 1916年(大正5年)12月9日)は、日本の小説家、評論家、英文学者。本名、夏目 金之助(なつめ きんのすけ)』

近代日本文学における漱石は、『世俗を忘れ、人生をゆったりと眺めようとする低徊趣味(*1)的要素が強く、当時の主流であった自然主義とは対立する余裕派』と評価されています。

英国(イギリス)に渡航した際には、日本の国情や文化、国民性や精神性などの違いを目の当たりにして、神経を病んで部屋に閉じこもりました。帰国後も、神経衰弱や胃病、糖尿病などの疾病に苦しんだりしています。そして49歳で吐血して亡くなっています。

代表作には、「坊ちゃん」「吾輩は猫である」「こころ」などがあります。
本作で、高樹が明里に渡した本は「こころ」でした。この作品、『人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現』したものでもあります。

(*1)低徊趣味(ていかいしゅみ)

漱石の造語です。

「是は便宜の為め余の製造した言語であるから他人には解り様がなかろうが、先ず一と口に云うと一事に即し一物に倒して、独特もしくは連想の興味を起して、左から眺ながめたり右から眺めたりして容易に去り難いと云う風な趣味を指す」。(高浜虚子著『鶏頭』序、より引用。)

簡単に意訳すると、「細部にこだわり、印象深く、忘れがたいものとして描写するということ」の意味合いのようです。

「ほしのこえ」、「雲のむこう、約束の場所」、「言の葉の庭」、「君の名は。」などの作画に込められた " 描写の美しさ " の要素を分解・還元していくと、" 綺麗、緻密、繊細、細密、精細、微細、空気感、静寂、躍動感、風光明媚、神秘性・・・" などなど、さまざまな語句を挙げられます。

新海氏の、こうした作画表現の豊かさや、麗しさへの並々ならぬ拘りと力の入れようを見るとき、それは漱石の低徊趣味を彷彿とさせます。

氏の映像クリエイターとしての矜持は、私には、漱石のいう " 低徊趣味 " という思想・哲学がありやかに反映されているように感じます。
また、後述する漱石の「文学論」にも、その思想性が著されているように感じます。
{/netabare}

★★


{netabare}
漱石の人気作に「我輩は猫である」があります。

もうひとつ、「我輩はお先真っ暗の猫である」という作品があります。

これは「吾輩は猫」のパロディもので、漱石自身の作品(絵)です。ネットにもアップされていますのでご覧になってみてはいかがでしょうか。なかなか面白い絵です。

漱石は " 猫 " によって出世したようなものですが、新海氏の初期作品の『彼女と彼女の猫』は、そうした漱石へのオマージュなのかもしれません。

『彼女と~』には、新海氏がお持ちになっていらっしゃる " 猫の目線から見た、21世紀の新しいアレンジメントとユーモアと、人間との関わりへの溢れる優しさ" とを感じるのです。

また、「吾輩は猫である。" 名前はまだない "。」の一節は、「君の " 名 " は。」にも通じているようで、クスリと笑えます。
{/netabare}

★★★
漱石の「文学論」

{netabare}
F=f。
漱石の「文学論」(1907年)によると、"F" は「認識的要素」、"f" は「情緒的要素」と呼んでいます。

"F=認識的要素" は・・・

例えば「こころ」では、襖で仕切られたり、廊下で切り離されたりという表現があります。(君の名は。でも多用されていましたね。)

桜花抄では、「桜」、「雪」、「風」、「列車」。
コスモナウトでは、「雲」、「学校の駐輪場」、「紙飛行機」、「ロケット」。
秒速5センチメートルでは、「携帯電話」、「メール」、「踏切」。

これらの事象が、認識すべきキーワードとして多用されていました。
つまり、"F=認識的要素" ですね。

"f=情緒的要素" は・・・

例えば「こころ」では、「疎外感、無常観、不信感など」。

桜花抄では、「待望感、疲弊感、焦燥感、不条理感など」。
コスモナウトでは、「漂泊感、虚無感、喪失感、不遇感など」。
秒速5センチメートルでは、「倦怠感、無力感、切迫感、隔たり感など」
でしょうか。

このような心情や情緒的な感情の側面を、"f=情緒的要素" というのでしょうね。

事象と心情。物体と情緒。こうした二つの要素の関係性が、漱石の言うところの "F=f" の相関関係というものでしょうか。
(解説は、はっきり言って自信なし。ひたすらに<(_ _)>)

漱石が「文学論」を著述してから、今年で111年。

多くの日本人は、無意識に「文学論」的な観点で、文芸作品に親しんでいます。
プロの物書きも、業界人も、玄人はだしも、ビギナーも、みんな漱石のいうところの "F=f" の相関関係を、しっかり消化・吸収しているみたいですね。
今では、目が肥え過ぎちゃって、次の展開を予想して、当たったと言っては一喜し、外れたと言っては一憂するのも、世相が平和、心が安寧だからでしょうね。

尊いのは、最初に漱石がこれを説き、執筆していることですね。

ちなみに今でも「文学論」は本屋さんで購入できますし、新鋭の研究者もいらっしゃるので一読されてもよろしいのではないでしょうか。今までにない新しい視点や解釈が得られるかもしれません。

私も漱石の「文学論」(岩波文庫版)を図書館で借りて読んでみましたが、難読でした。なんだかとっても難しい。

さて、新海氏の描く " 超絶的な作画風景の描写 " は、観ている方の心象風景に、いかにも自然に重なり、溶け込んで、ゆるやかに共鳴させながら、やがて大きな残響・残照となって心に刻まれていきます。

具体的に申し上げれば、言の葉の庭の「雨だれ」、君に名は。の「東京の街風景」、本作の「桜」などは、その単体だけでは、"モチーフの一つ" に過ぎません。

でも、その作画を限界にまで磨き上げ、究極的に精緻にし、かつ多面的に、多角的に描き出すことによって、"F=f" を成立させた。

その結果として、生みだされた心地よさが、作品に、甘くふくよかな余韻を与え、たおやかな風韻とともに、感銘さえも生みだします。

これが、"F=f" の応用、ということでありましょう。

本作をご覧になって、心が何かを感じ、いくらかでもざわめく感覚をお持ちになったのであれば、作品に込められたメッセージに気づかれ、豊かな情感(喜怒哀楽)を獲得することができたといえるのではないでしょうか。

漱石の文学論を彷彿とさせるような、極めて文芸的で、溢れる情緒性を前面に打ち出したアニメーション作品、新海ワールドの開花。そう感じました。
{/netabare}
{/netabare}



●EDについて
{netabare}

音楽のことはよくわかりませんが、哀愁と悔恨、とどかない願いの切なさを強く訴えかけてくる感じですね。
終幕を見事に括る、とてもいい詩と曲だと感じました。

心底、堪えました。心底、堪りません。
{/netabare}

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品が、皆に愛されますように。

投稿 : 2018/10/15
閲覧 : 171
サンキュー:

24

knightgiri

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「本当に好きだった人を思い出す(大人向け)」

新海誠氏の代表作の1つ。ずっと見なきゃ見なきゃと思いつつも「もし期待外れだったら?」、「見てもなにも感じなかったら?」との不安からずっと見ずにいたのですが、やっぱり見てよかったぁ〜。

私事ですが、本当に好きだった片思いの人の事を思い出しました。今でも憶えてます、その人と音信取らなくなってから長い時間が経った日、「どうしてるかなぁ・・・・・」と思った仕事帰りの帰路、電車でばったり会ったんです。

なんかその時の気持ちをこの作品は強くまた思い出させてくれました。あれからそんなに好きでも無い人とどれだけ付き合ったか、結婚してしまったか・・・・・・・

純愛を思い出させてくれる、そして切なくさせてくれる、そんな素晴らしい作品です。「君の名は」よりも・・・・・・・・


挿入歌の「山崎まさよし one more time, one more chance 」ぴったりです。久々に聞いてグッときました。

投稿 : 2018/10/14
閲覧 : 82
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10

GJ

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

消化不良な良作

最近出たコミックを見て、ストーリーが良さそうと思い今更ながら初めて視聴。

作画の臨場感、作品の雰囲気は流石の新海監督作品。ほぼ満点
ただ最後はこれで終わり⁉︎となる感じで個人的には消化不良感が残った…

投稿 : 2018/09/27
閲覧 : 34
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1

ネタバレ

ひき

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

小説の方がまだ良かった…

映画と本とどっちを先にするか迷いましたが、
〝君の名は。″と同じく映画から見ました。
映画がイマイチだったので本読んで正解だったかな、と。
本の方が貴樹の気持ちがよく伝わったので、
映画が後だとガッカリ感が増幅していたかも…。
〝君の名は。″も小説は映画の内容、特に〝気持ち″の部分を
補完した感じでしたが、こちらは映画も小説もすごく良かった。

で、これは…貴樹を中心とした3部構成の物語。
初めての恋を上回る充実感を得られない貴樹の不完全燃焼的なその後の物語、
という感じか…。
初恋を成就させるストーリーにして欲しかったかな…。
個人的には健気な花苗が好きで、島で幸せな その後であってほしい、と思う。
〝君の名は。″と正反対なお話し、という感じでした。

投稿 : 2018/09/09
閲覧 : 60
サンキュー:

8

ネタバレ

にゃん^^

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

恋がちって落ちてく速さのことかな。。秒速5センチメートル

小学中学のときの同級生のあかりちゃんを思って
忘れられないまま大人になったたかきくんのお話し。。

絵がとってもきれいで光ってた☆

おはなしは1話目がにゃんはいちばん好きだったなぁ
{netabare}たかきくんがあかりちゃんに会いに行こうってきめて
すぐに会いたいけどなかなか会えないの。。

それでにゃんも
ほんとに会えるの?って
だめかも。。って思いながら見てた

いろんなこと思い出したり
でも会いたい!ってゆう気もち

それでやっと会えて
2人の気持ちが通じてたって分かったとき。。

キス♡

着くまでがとってもながーく感じちゃって
ほんとにドキドキして待ってて
やっと会えたとき
にゃんはうれしくって泣いちゃった。。

それで桜がきれいでそれで。。(ぐすん)

でもね
もう会えなくなっちゃうのかなぁって
帰るときに。。(はぁ。。)


2話目もよかった

たかきくんのことが好きで
でもたかきくんは。。ってゆうお話で
かなえちゃんの思いがつたわってきた

サーフィン。。だめ⇒サーフィン。。うまくのれる。。
ってゆうのが
きっとたかきくんのことだったんだなって。。

いいお話しだった。。


でも3話目
にゃんにはよく分からなくって
さいごダメダメでおわっちゃって。。
(あっ。。うたはよかったよ)

きっと大人の人が見ると
ああ。。
こんなこともあったなぁ。。とか
なつかしいなぁ。。とかって思うのかな?

でも
にゃんが見おわって思ったのは

男子が失恋しちゃって
だんだんダメ男子になってくのを
桜みたいにきれいにさいてたたかきくんが
(たかきくんって高校のときはかっこよかったよね)
そのあとちって落ちてくのとくらべたのかなぁ。。って

そのときってすぐにダメ男子にならないで
10年以上かかってダメダメになってくのが
秒速5センチメートルみたいにゆっくりと~って
そうゆう意味なのかなぁって。。

桜の花びらが地面に落ちるのって悲しいし
失恋してからかっこよかったたかきくんが
ダメ男子になってくのも悲しい。。


もう1つにゃんが思ったのって
桜って春だから青春のことなのかなって
青春がおわる早さが秒速5センチなのかも
{/netabare}
そんなお話しだったのかなぁ。。

にゃんは2話までだけのほうがよかったって思ったケド
大人になったらかわるのかも。。

みんなのレビュー読んでたら
そうかもって思った☆

投稿 : 2018/09/09
閲覧 : 1238
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287

ネタバレ

ぺー

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

第一章が好き

2018.2.12記


君の名は。で新海監督を知り過去作品にも興味を持った口です。
自分で言うのもなんですが、ひとつの作品がきっかけで過去作を辿る観客がいるというのはもともとのファンにとってもうれしいことなんじゃないでしょうか。作品を共有できる仲間が増えるというかなんというか。
「にわかが!」と捨て置かず共有母体が増えることを良しとしてくれると嬉しいです。

新海監督の紡ぐラブストーリーは、雰囲気が共通してます。
すれ違い・モノローグの多用・美しい作画・その他諸々一貫してる印象を持っており、そこに潔さみたいなものを感じます。けっこう好き。
他に「言の葉の庭」も観ましたが、もどかしい感じ、内に内にこもる感じは好きな人にはたまらないですね。固定ファンが多いのもうなずけます。

作品レビューに戻りますと、個人的には第一章が好きですし初見の方は堪能してほしいポイントです。
{netabare}降雪で電車が遅れことは、日常でもよくある一コマなのですが、たどり着けそうでたどりつけない焦燥感と時間が経過するにしたがってのあきらめに似た感情が生じてくるあたり、雪と鉄道の描写がきわめて耽美的で観る者を惹きつけます。{/netabare}
以降第二章から終章まで、第一章でのインパクト(衝撃的なシーンがあるというわけではない)をいい意味で引きずりながら作品全体のトーンを崩すことなくエンディングを迎えた印象ですね。

短めの作品の割には、鑑賞後の余韻がそこそこある良作だと思いますので、観て損はないと思います。



-----
2018.09.08追記
《配点を修正》

投稿 : 2018/09/08
閲覧 : 111
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33

ネタバレ

かにぱん

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「切ない」じゃ済まされないリアリティ

自分が新海誠作品にハマるきっかけになった作品です。

新海誠と言えば背景の美しさ。これはもう言わずもがななのであえてここでは言及しません。
私が言いたいのは、この作品の醍醐味はやはりリアリティだということです。
「は?どこがリアルやねん」という方もいらっしゃるでしょう、それもそのはず、中学生が田んぼ脇の蔵で寝泊まり?親何してんの?とか、現実的に考えたら謎めく部分が多々ありますからねw

ここで言うリアリティは、登場人物の心理的な動きについてのものです。なぜ貴樹は明里を追い続けて、それに囚われた半生を送ってしまったのか。それに対し明里は結婚もして、貴樹のことは既に思い出と化している…というこの残酷な展開は、よくよく考えてみればそりゃそうだ、という感じで。小・中学生の恋を大人になっても引き立っているわけがない。貴樹自身も、自分が追いかけていたのは明里ではないことに気がつき、ラストシーンでは笑みを浮かべて明里から去る。消えた明里を、いつのまにか消えていた自分の恋心を追うことはもうしないんです。
では、貴樹はずっと何をしていたのか。というと、これは私の考えでしかないですが、あれだけ好きだった明里への思いを実感できなくなり、「自分は明里が好き」という自分の心を信じられなくなるのを恐れた結果、明里を追うフリをしていた、そんなところかなぁと思います。
この作品が大好きな人も、大嫌いな人もいると思いますが、その差は「自分を騙して行動する」貴樹への共感度の高さによるのかなぁと思ったりします。

きみの悪い後味の良さ?みたいなものを残してくれる作品だと思います。

投稿 : 2018/09/01
閲覧 : 31
サンキュー:

7

ネタバレ

ヒカリ

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

変化する恋愛感

ねえ、知ってる?桜の花びらが落ちるスピード。

こんなセリフから始まる物語。もうこの台詞聞いただけで、超ドキドキしました。
{netabare}2人が再会した日、貴樹くんが落としてしまった手紙はあかりへのラブレターで、
あかりが握りしめていた封筒は貴樹くんへのラブレター。
2人ともお互いに渡すことなく別れてしまったのですが、
貴樹くんは〝渡せなくて”、あかりは〝渡さなかった”。
ここで2人の気持ちに違いがあったのかも。
あかりは貴樹くんとはもう会えないってわかっていて、
高校生になって彼氏ができて、大人になったら普通に結婚して。
でも貴樹は、あの日「あかりを守れるくらい強くなりたい」と誓って
ずっとあかりから気持ちが離れられないでいる。

あかりの中では貴樹くんは思い出になっていくのに対して、
貴樹くんは、あかりがそばにいないから、心ここにあらずだった。
時間が経つにつれて、いろんなことが変化していくっていうのが、なんだかとても切なかったです。
{/netabare}

時の流れと心の距離がすごくもどかしくて、切ないお話でした。

☺︎追記☺︎
この映画を初めて観た時よりも、ちょっぴり大人になったので、もう一度みちゃいました
初めて見たとき、このレビューを書いたときはまだ中学生だったので
レビュー見返すと、一丁前に距離がもどかしいとかなんとかいっててびっくりしました(笑)
この時、振られたこともないし、普通に付き合って普通に別れて、、っていう経験しかなかったので、実はこの話の切なさが、客観的に理解できても、心をバーーンって打たれて、自分の別れを思い出して泣いちゃう、、みたいなことはなくって、本質的に理解してなかったです(笑)
多分今書いてることも、数年後に読むとまた、このとき何も知らんかったのによくこんなことかけたわ!!って思いそうですけど、、笑

✏︎✏︎✏︎
{netabare}よく女の子の恋愛は「上書き」っていわれるの本当にその通りだと思います。
恋が終わってから、もう好きじゃないって思ってても、なんとなくまだ考えたりするし、好きな人っていうワードがでてもまだその人のこと考えたり、、
でも新しい好きな人ができたらもうそっちのことで夢中!!!
ほんとにそうだと思います(笑)
好きな人じゃなくっても、誰かに告白されたりしたら、、
あかりちゃんにもバッチリ当てはまる^ ^

一方、男の子の恋愛は
新しい好きな人
ができたから、好きだった人のことを忘れる!とかじゃなくて、好きじゃなくなった!!!ってなったらほんとにきっぱり好きじゃない!ってなるように感じます

あかりちゃんは、すごく好きだったけど、恋人ができてその気持ちも"忘れた"わけじゃなく、"前の気持ち"となって、大好きだった人と言えるように。
貴樹くんは、あかりのことを守ると誓った自分を裏切れず、裏切ることは悪いことだと思い、ずっとあかりのことを想う自分だいたいと思う。
ここまで一途な人っているんですかね〜〜すごい、、

花苗ちゃん。彼女が唯一、共感を持てるキャラクターでした。
好きな人に好きな人がいる。辛くてずっと苦しくて、告白しようとした矢先にも、相手が自分のことをみていない、と再確認しただけで、
結果言えずに終わってしまう、、
ほんとに切ない、、初めて観た頃はわからなかったけど、花苗ちゃんの恋が1番切なくて、身近に感じられます( ; ; )
あかりちゃんは前へ進めているし、貴樹くんはもうむしろ恋とは違う感情な気がする。
ちょっぴり大人になったな〜って思います(笑)

中学生のとき、母が、花苗ちゃんが貴樹くんがメールを打っている姿を見て、私宛にかいてるならいいのに…と思っているシーンで、
「そんなん近くにおれるんやからいいやん!絶対栃木と鹿児島まで離されるよりマシやん!メールをくらい我慢できるやろ〜」
って言ってて、
確かに!と思ってたんですけど、今は全く思わなくて、好きな人が自分のことを好きじゃないっていうことが1番辛いことだって今は思います{/netabare}


つまり再視聴してみた結果は
花苗ちゃん!!切ない( ; ; )共感( ; ; )( ; ; )
これからも頑張れ〜〜〜〜!!!!(;o;)
ということになりました。ちょっとは成長したんかなぁ(笑)

投稿 : 2018/08/02
閲覧 : 302
サンキュー:

50

ネタバレ

にゃわん

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すれ違い恋愛

ちょいと期待外れですわ
貴樹君とあかりの恋愛物語だと思ったのに
ちゃうんかい!

小学生の頃の2人のほうが、距離がすごく近かった
お互い何度も転校してくる転校族で
一緒に帰ったりしていたのに
突然、あかりが親の転勤で遠距離になる。

あかりが中学生になって落ち着いた頃
あかりから貴樹に手紙を送り
2人の文通が始まる。
ある雪の日、会う約束をしていたが
電車が止まったりで遅い時間になってしまう
流石に帰宅しているかと思ったが
あかりは貴樹を待っていた。
そこで久しぶりの再会をはたし他愛のない話をし
貴樹は見送られながら朝帰りをする
前の日に、渡そうとした手紙は風で飛ばされ
渡すことができなかった。
あかりも手紙を直接会って渡すことはできなかった

これが最後、2人で会って会話をした日
そこからはいくつか会いそうになっても
どちらからも声をかけずにすれ違い

働くようになってからは、普通に会社員を
勤めていた貴樹はある日を境に仕事を辞めた。
※仕事を辞める前、彼女はいたが別れた

あかりには、既に婚約を決めた男性がいた。
そこからは、2人会う事もなくメインテーマがかかり
終わってしまうがお互い胸の中で
想い合うだけ。

見ていてモヤモヤする恋愛アニメだった
途中の雲の書き込みやバイクの作画はキレイで
見惚れてしまうほど。

投稿 : 2018/06/17
閲覧 : 33
サンキュー:

4

kabaj31

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

タイトルなし

同人エロゲのような内容の無さ。
背景だけ美しい。

投稿 : 2018/06/17
閲覧 : 80
サンキュー:

4

ネタバレ

れのん。

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

失われた初恋の物語

  2007年公開 アニメーション映画(63分)
 監督・脚本・原作・絵コンテ・美術監督・音響監督  新海誠
  作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世
  制作   コミックス・ウェーブ
  主題歌 one more time, one more chance(山崎まさよし)
 音楽 天門

 本作は、一人の少年の人生を軸にした3本の連作短編から成っている。
 
◆最初の視聴(もう何年も前のことです)

 自分は、最初に視聴したとき、第一話には深く共感できたし、第二話も短編としてまとまりがあると思った。しかし、第三話は、 "one more time,one more chance" と美しい映像の印象が強烈だったけれど、ストーリーがしっくりこなかった。
 作品全体としては、第二話以降、主人公貴樹のキャラに無理があるように感じられ、あまり感情移入できなかった。作品全体のまとまりを欠いているように感じられた。

 ただ、この作品には心の琴線に触れるところがあって、もやもやした感じが引っかかり、気になって仕方がなくなった。そこで、何回か視聴した後で、小説版「秒速~」を読んだり監督インタビューを聴いて自分なりに作品の理解を深めようとした。
 

◆本作発表時に新海誠監督が書いた作品の紹介テキストには、以下のように書かれている。

 「我々の日常には波瀾に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛えています。
 現実のそういう側面をフィルムの中に切り取り、観終わった後に、見慣れた風景がいつもより輝いて見えるような、そんな日常によりそった作品を目指しています。」

◆ ロマンチックラブ …… 恋愛観について

 新海監督は「秒速」について、インタビューなどで多くのことを語っている。その中で自分が注目したのが、監督が「自分は、ロマンチックラブは素晴らしいと思うけれど、自分は作品の中でむしろ、ロマンチックラブの否定を描こうとしている、と述べていることだ。
 ここでいうロマンチックラブとは、(運命の赤い糸で結ばれた)男女が出会い、幾多の困難を乗り越えて結ばれる、という恋愛観である。

 第1話で描かれているような、あれほどの初恋、あれほどのファーストキス、あれほどの体験をしたなら、例えロマンチックラブ的に実を結ばなくとも、それぞれ二人の一生涯を心の奥底で照らしうる光になる。「ロマンチックラブ」のストーリーであれば、十数年ぶりの再開で、紆余曲折を経て、あの踏切で出会い、そしてふたりの関係が新たに再び出発する、という物語が予想されるわけではあるが、本作ではそうはならなかった。

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 第一話で、最初のアカゲラが鳴き声を鋭くあげて、夜空高く飛び上がっていくシーン。明里の、貴樹が会いに来ると書いた手紙への返事に載せて。 …… 距離、空間、広がり、二人の思いがそれを越えて、二人の物語を俯瞰する。空を飛ぶアカゲラは、遠い距離を超えて互いを思う二人のこころの象徴であろう。このあとも、アカゲラは、貴樹と明里の、時間と空間を象徴している。

 小学生時代の二人の回想は、貴樹の列車での岩舟への旅の途中で、貴樹の回想として描かれる
 小学時代の二人(4年から6年の三年間がいっしょ)が、内向的、読書好きで、世界を共有していたこと、その一つのシンボルとして、図書館での貸し出しカードに同じ本三つに二人の名前が並んでいるシーンがある、これはちょっと、ジブリの「耳をすませば」の月島雫と天沢聖司を思い起こさせる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 1度目の距離は、二人が文通を維持することができ、貴樹が自分自身の転校という事態に、意を決して行動することをとおして、あの感動的な13歳の二人の雪の一夜に結びつく。

 さらに遅れる列車の中での回想。小六、卒業の日。
 この列車の遅れがなければ、二人は一晩語り明かすこともなかったし、キスもなかったかも知れない。「遅れ」がふたりの心を急速に近づけたのは、間違いない。

 「その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか、わかった気がした」
 ここで二回目、星空を飛ぶアカゲラ。
「ぼくたちはこの先も、「ずっといっしょにいる」ことはできないと、はっきりとわかった。僕たちの前には、いまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていた」 この、「いまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間」をアカゲラが飛ぶ描写は象徴していると思う。
「僕をとらえたその不安、あとには、明里の柔らかな唇だけが残っていた」。初めてのキスだけが当てはまるような描写が続いている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 第二話冒頭。 また、宇宙、星空を背景に高く飛ぶ鳥には、時間と空間を感じさせる。
 二人が夜の丘あるくシルエット。女性の髪は、肩より少し長い。貴樹は、高校生とおもわれる。
 たっている貴樹は、座っている少女の方を見る、少女は、しかし、貴樹の方を観ず、前をじっと見ている、貴樹は、視線を前に戻す、宇宙的な日の出 …… 貴樹の青春の前に向かうエネルギーの象徴のようでもある。

    宇宙的な日の出 → 朝の弓道場

 あきらかに、二話冒頭のイリュージョン(おそらく貴樹の夢)の中の、髪の長い少女は、明里、あるいは明里にインスパイアされた、貴樹の内面の女性像なのだろう。同じ少女が、2話後半では、「出すあてのないメール」に「いつもの少女、顔は見えない」と、貴樹自身によって書かれている。実際に会うことがなくなって久しいから、内面の女性像と現実の栃木にいる明里とは、差が出来てきていると思われる。
 貴樹はかなえといてもどこか、心ここにあらず。季節は、虫の声から秋である。

 やはり、これは、夢と思うのがわかりやすい 。 「雲のむこう~」では、夢が大きな役割を持っている話しだし、新海さんが夢に大きな関心を持っている。
 二話冒頭をそう解釈することで、すぐ続く、かなえと貴樹との絡みが理解しやすくなる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 第三話の後半でよく見れば明示されている、28歳の明里の幸福は、ねっこに、貴樹との出会いあってこそである。



 2話後半では、貴樹が、家で科学雑誌を見るシーンに続いて、再び貴樹の夢かイリュージョンが描かれる。ここで、海辺に並んでたつ、貴樹とショートカットのかなえではない、やや髪の長い少女 …… これも、何年も会っていないため、内面化された明里のイリュージョンか?
 「僕たちはそうやってどこまで行くのだろう」 …… 宇宙のイリュージョンをバックに立つ貴樹。 …… ここで、髪に手をやる少女の姿、美しい輝く海、浜辺に並んで立つ二人。

 こうして、貴樹の心の真奥の思いによりそうかたちで、内面化された明里の像が生きているように思われる。
 ただこうなってくると、現実の明里とは、数年来の文通でうまくいかないようになっているので、 私の解釈では、もはやそれが、明里なのか、だれなのかわからなくなっているのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 高二までなんとか細々と文通が続いていたのに、あと一年、とどかなかった。
 貴樹が種子島の高校を卒業して東京の大学に出てきたとき、明里は栃木の実家にかわらずいるのだから、4月に二人が会うというのは自然なことだっただろう。そういう物語も、もちろん、成立する。
 ただ、新海さんは、そうでない物語を描きたかった。そして、それはまた、リアルな人生では、そううまく、ロマンチックラブは成就するものでないという見方につながるのであろう。

 新海さんが喪失を描くのは、喪失体験の方が、獲得体験より、根源的、普遍的だからではないか。
 だれも生きている限り、なんらかの大事なものの喪失を体験する。
 そして、リアルにおいても、多くの場合において、喪失こそ、癒されねばらならず、乗り越えられていかねばならないなにものかである。

 言の葉のゆきのにしても、秒速の貴樹にしても、現実にいたら、けっこう大変そうな人。生きにくそうな人。「世界は生き続けるに値する、美しさをたたえている」、この言葉には、生きにくさ、ということを前提としている。 貴樹もそうした行きにくさを性格的に抱えた、ひとりであった。
 思うに、新海さん自身もそういう生きにくさも抱えていて、それゆえ、「でも、世界は、生き続けるに値する美しさを湛えている」というメッセージを込めた作品で、みるひとをはげましたかったのだろう。
 そういう監督&作品のあり方に、共感できるかしにくいかが、「秒速」までの新海作品への好みの分かれるところなのかもしれない。



 たぶん、さいごの踏切シーンで、貴樹が一歩をかすかな笑みとともに踏み出すところは、もう少し貴樹の心境の前向きな方向への変化のようなものをはっきり描けばわかりやすいかもだけど、はっきり描くとにせものになってしまう、ああしか描けないのではないかとも思う。

投稿 : 2018/05/21
閲覧 : 214
サンキュー:

28

s__masa__

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

良かったけど...。...寂しいね。

「月がきれい」を視聴し、非常に心に響いたので、皆さんのコメント内で見られた同じ系統の作品である本作を見てみました。

鑑賞後の率直な感想
「なんだこの寂しい感じ....。それと、長いMusicVideoを見たような感覚」

物語も丁寧で、作画も良く、作品としては非常に上手くできていると思いますが、エンターテイメント性という意味では、中の上程度でしょうか。
エンターテイメント性といっても、必ずハッピーエンドにならないといけないと言いたい訳ではないし、楽しい雰囲気や派手な演出を求めているわけではありません。しかし、何というのか、挿入歌は物語(主)に対しての挿入歌(副)であるべきで、本作はこの名曲が(主)で、それに感化され触発されてできた物語(副)のような気がしてなりません。(邪推だと思いますが...)

曲を聞かせたいメインの3部目の為に、1・2部があるような気がしてならない。
これは助走がものすごく長いMusicVideoやん!感が非常に強いです。
まぁ、名曲に向かっての物語ですので、約束された感動なんですが。
ちょっと卑怯な演出だと思います。個人的に。
これが私的表現でのこの映像作品での「エンターテイメント性のフツーさ」に繋がっています。
メインは曲やん!音楽やん!と。山崎まさよしの曲:物語=6:4で山崎まさよし勝ってるやん!と突っ込んでしまいそうな感じです。
(歌手やアレンジを変えたら良かったのかなー???)

「月がきれい」の監督の地味なDJ的構成能力の高さを感じた後だけに、本作では新海監督の構成能力の「平均点さ」を見させてもらった感じです。
新海監督はこの後に「君の名は」で大ヒットするが、才能ある監督でもすべての作品のクオリティーを上げるのは本当に困難な仕事なのだなーと、実感させていただきました。まぁ、宮崎駿が異常なんですよ。

この作品のあだ名は「【作って】山崎まさよしPV【みました】」です。

投稿 : 2018/05/18
閲覧 : 72
サンキュー:

7

ネタバレ

おでん

★★★★☆ 3.2
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

評価の高さは一体…

結論を先に言うと厳しい言葉になりますが何がしたかったのかわからなかった
ただ3人とも誰も結ばれす(一人は別)心がモヤモヤしただけだった これを作った監督は何を伝えたかったのかと思うレベルだった
ただedはとてもいい曲だったのでそこは評価したい
結論・私には良さがわからん…

投稿 : 2018/05/16
閲覧 : 57
サンキュー:

5

バニラコーク

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なんだか胸の奥でざわついた風を感じる

実を言うと言の葉の庭を最初にみて、新海誠そんなにスゲー?
って愚かな先入観を持ってしまい、
この作品もなんとなく観ていませんでした。
本当に俺の馬鹿!殴ってやりたい。
解ったつもりで判断して、観てもないのに決めつけてって
すんげー自己嫌悪。ほんとごめんなさい。
この作品、コメント書くのがひじょーに悩む。
なんだろう、どう表現しても伝わらない気がする。
文章で伝えるには繊細すぎて
浮かんだ言葉が滑稽に思えて、それがもどかしくて。

秒速5センチメートル。桜の花びらの舞い落ちる速度。
遅いのか、速いのか。

13歳。永遠にも感じる時の流れで過ごしていた気がする。
いつまでも子供のままでいるのではないかと、
いや、子供のままでいたいと願っていたのかも。
自覚はなかったけれど。

18歳。駆け足でやってくる大人の世界に怯えながら
駆け足で過ぎ去る日々を後悔しながら生きていた気がする。
目の前に立ちはだかる壁に逃げたしたかった。


現在。もはや光の速さで時は流れ、過ぎ行く日々を
懐かしむでも後悔するでもなく淡々と生きる。
諦めるスキルは上達。

こんな自分が作品にコメントして良いものだろうか。

ただ、この作品を観てなんだかざわざわするんです。
おおよそ自分の生きてきた人生にはなかったシチュエーション
なのに。なのに。伝わるんです。

よく作画をコメントされる新海誠さんですが
この作品について自分は『音』が印象的でした。
特に風の音と『静寂』。
時に強く吹き、時に優しい凪。
痛い程の静寂と包み込まれるような静寂。
ぜひヘッドホンで観て頂きたい。
そして感じて欲しい。
そんな作品です。

またひとつ素敵な作品に感謝です。

投稿 : 2018/04/24
閲覧 : 99
サンキュー:

10

ネタバレ

ひろぶぅ

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

不完全さ故に惹かれる

【総括】
初めて観た時の感想は「何だこれ。全然スッキリしねえ・・・」
でも何故かしばらくしても頭から離れない、というか気になる
もやもやしたままは嫌だし作画の映像美も手伝いまた観てみたくなり2回程観てみる
少しだけ理解出来はじめる。けどまだ何か足りない・・・

もし新海氏がこういう展開になる事を視聴者に望んで初めからあえてこういう作り方、表現方法をしたのなら自分はまさに新海ワールドにハマってしまってる訳で(笑)
凄い人が出てきたと思うしその後の「君の名は」の大ヒットもうなずけました

【ストーリー】
「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3部からなる短編アニメで共通してるのは主人公の遠野貴樹、ヒロインはそれぞれ別に設定されている。けど本当の意味ではヒロインも無関係ではない。
そして恐らく鍵を握っているのは{netabare}「コスモナウト」のヒロイン澄田花苗のような気がする」{/netabare}
ここまではアニメを何度か観て導き出せたんだけど、全話全てを繋げるにはまだ何か足りない
アニメのレビューなので本来はここまでで良いと思うのですが、もし自分と同じように「もう少し足りないピースが何なのかヒントが欲しい」みたいな気持ちになった方がいるなら漫画版を読む事を薦めます
こちらには登場人物の事やアニメ版で描ききれなかった事(意図的に隠された事?)がかなり細かく描かれていて、こちらを読めばほとんどの方は足りないピースが何なのか自分なりの答えは出ると思います

【映像】
これは多分ほとんどの方が知ってるとおりの素晴らしい出來だと思います
もう10年以上前の作品だという事を考えると観ていてただただ美しく感心しきりでした

【その他】
音楽や声優については人好きずきがあると思うので評価はしません
個人的には好きな方ですね

投稿 : 2018/04/08
閲覧 : 61
サンキュー:

4

ちあき

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い

良い。だけど切ない。けど良い。でも私ならこんな風にはしない、したくない。ってモヤモヤするけど良い作品です。

投稿 : 2018/03/27
閲覧 : 72
サンキュー:

5

NFrca74396

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いいたい

音楽と作画を存分に楽しむためのアニメ
キャラやストーリーを重視してみるものではないと

投稿 : 2018/03/05
閲覧 : 48
サンキュー:

2

ネタバレ

蒼い星

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

センチメンタリズム。

アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
2007年7月3月3日に公開された劇場版作品。
監督は新海誠。

【概要/あらすじ】

1990年代前半の東京を舞台とした、小学生の男女の貴樹と明里の物語。
お互いに強く惹かれ合い両想いですが告白するに至ってない“ふたり”は、
どちらとも親の転勤で転校が多く、やがて離れ離れになってしまいます。

幼い恋を心に刻んだ“ふたり”
時が流れて大人になっていく、それぞれの歩んだ人生を描いた三話構成のアニメ作品です。

【感想】

私が初めて観る新海誠作品。
ジャンルは恋愛ですが、描き方が変わっていますね。

片方はキレイな想い出として処理して今の人生と新しい恋を幸せに生き、
片方は想い出を美化しすぎて幸せの芽を自ら摘んでいるという。

作中で二人の明暗を分けている感じですが、
男女の恋愛の価値観の差というのでしょうか?

主人公の男視点としては、自業自得ながらもバッドエンドっぽいのですが、
不器用の一言で片付けて良いのでしょうか?
小学校時代の恋を引きずったがために、
新たな恋がどれも上手く実らずに人生も迷走を始めています。

主人公は二十代半ばであり人生はこれからかも知れませんので、
作品終了後の人生で持ち直しを期待というところでしょうか?

そんなに明里が好きで、別の女性と付き合っても忘れられないほど想いが根深いというのなら、
映画の中の描写だけでは、互いにフェードアウトして一切連絡をしなくなったのが理解できないかも?

“送らない手紙” “届かない気持ち”

このアニメは何を伝えたかったのでしょうか?
映画で観た限りでは貴樹がナルシズムと自己憐憫で、
幸せを得るチャンスを自分から片っ端から潰して墓穴を掘る物語ですよね?

失恋を経験した男性が主人公に共感を得て感動をする作品なのでしょうか?

カップルで観て互いに意見交換をしたり、こうならなかった自分たちに安堵したりして、
イチャイチャするアニメなのでしょうか?

視聴者の境遇や経験によって評価や感想が著しく変化するアニメかな?という気がしました。

・背景がとても綺麗。
・女がバカじゃない。(その代わり主人公がウジウジしすぎてアカン)
・一話目の貴樹と明里のラストシーンで終わっていれば良い作品でした。
この作品にも見るべき長所は多々あるのでしょうが、

私の価値観がこの作品にフィットしなかったのか、
貴樹に人間的魅力を一切感じられなくて感動しませんでしたし、
なんとなく、物語もトレンディドラマの系譜そのまんまな気がしましたし、
あと、山崎まさよしの歌もしつこく思えて特に私の心に染みませんでした。

この作品では男性には男性の、女性には女性の人生があることが示されており、
女性キャラが主人公のハーレム要員でしかないという何処ぞの安直な世界よりは良かったですが!


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/02/18
閲覧 : 610
サンキュー:

78

Amarok

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

これは素晴らしいですね。

君の名は。をこの間ようやく視聴して、それが結構よかったので、

こちらも見ましたけど。

後から見たとは言え、こちらが
この監督の本質、本領なんだ。
というのは、分かります。
違ったらお恥ずかしいですが。

君の名は。を視聴した時、
ポエマーな部分とか、エンディングとか、
個人的に完全に受け入れられない部分もあったけど、

なるほど、短編の煮え切らないエンディングを得意なのだろうか、
と少し合点がいきました。

ただ、表題作がインパクトありすぎて、
他は覚えていない。

投稿 : 2018/02/13
閲覧 : 43
サンキュー:

4

ネタバレ

がし

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見てから二日くらい鬱になります

こちらの作品は、ハッピーエンドを好む方にとっては非常におすすめできません。
観たあとは、しばらくモヤモヤが続きます。

作品によって、環境の影響を一切受けずに恋愛が成就するケースもありますが、こちらの作品はよりリアルに恋愛事情が表現されています。

置かれた環境、心境により人は必ず良い方にも悪い方にも変わっていきます。そこの部分を、フィクションでありながらノンフィクションのような再現をされている所も、新海さんのひとつの魅力かなと思います。君の名は とは正反対の作品と言っても良いかと思います。

投稿 : 2018/02/12
閲覧 : 50
サンキュー:

2

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観たい

心的距離

初恋、あ〜、初恋。


多々良 大悟
2018/01/17 23:46
アニメ映画『秒速5センチメートル』

見終わって完全に、感情の行き場を失った。。

初恋の人。。いるはずもないのに、あの路地を遠回りしてみたり、その子が住む街の方へ行ってみたり、、あの日の思い出を思い出し、いろいろと心にずしりとくるものがありました。



分断の象徴として印象的に扱われる踏切、そこを走る鉄道は唯一彼らをつなぐ架け橋だった。

それも種子島にいったことで断たれ、初恋は、急速に、終息へと、向かう。



何もない遠い宇宙にロケットを打ち上げるような、そんな登場人物たちの心の距離感を種子島という地から感じ、また胸が苦しくなりました。



繋がりたいのに繋がらない。



技術が進歩して人と繋がりやすくなっているはずなのに、どこか心には寂寥感が漂う。

新海作品共通の、「距離とつながり」が色濃く出ていた作品だったように思います。

劇中の「あなたのことが今でも好きです。 でも、私たちはきっと1000回もメールをやりとりして、たぶん心は1センチくらいしか近づけませんでした」というセリフにも胸にずしりと突き刺さるものがありました。



『「君の名は。」は主人公が「もがく・あがく」作品だ。』
と新海さんがおっしゃっていましたが、足掻かない主人公を淡々と、「リアル」に描いたのが、「秒速5センチメートル」。



余談ですが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「君繋ぎファイブエム」というアルバムの歌詞世界観に非常にマッチしていて、通底する「つながりや寂しさ」といったものは00年代のこの時期を捉えるキーワードなのかもしれません。

「見知っている光景、電車にスーッと感情移入し、気付いたら心に、何か得体の知れない感情が残っていた」
そんな映画でした。

投稿 : 2018/01/30
閲覧 : 92
サンキュー:

15

ネタバレ

ワドルディ隊員

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

私には合わなかった

この作品は、「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」
の3部作で構成されている。

ちなみに、この作品も酷評気味に書いてあるため
新海作品が好きな方は見ないことを推奨する。

あらすじに関しては、他の方がレビューを書いているので
それを参照したほうがいいだろう。ここに書かなくても
知っている人は多いだろうし。

作画に関しては言わずもがな。もはや定型文と化している。
特に駅の構内に関しては、トップクラスの出来。
その部分だけは、実写作品を見ているかの様な錯覚に陥った。
光の演出も素晴らしい。背景のクオリティだけなら
彼の右に出る人物はごく僅かであろう。

ここからは個人的に気になった点を挙げる。(ネタバレ含む)

音楽に関しては、君の名はよりも高評価。
くどくない。終盤でエンディング曲が入る演出は
お見事。ただ、MVを見ているのではないかと一瞬疑った。
曲が悪いわけではない。私が、そういう風に感じたからなのだ。

カメラワークが良くない印象を受けた。
それ故に、新海作品の特徴の一つでもある自分語り
と上手くマッチしていない。
そのため、私は望遠鏡で赤の他人の恋愛事情を
念入りに覗き込んでいるような妄想にとらわれてしまった。
この演出が終盤まで続くため、眠気にも襲われる始末。
新海監督自身の恋愛に対する思いを
アニメという形で表現されているというのは理解できたが。

紙飛行機の下りはさすがに笑ってしまった。
いくらなんでも飛びすぎでないか。高等なギャグを
ねじ込まれるとは思わなかった。ファンの方には申し訳ないが
腹筋崩壊しそうになった。

後、この作品に関しては監督自身がロケットや鳥
を好きな傾向にある。
困ったら作画で回避する人なんだなという印象
を持たれても仕方なかろう。
私としては、鳥がとてもかわいかったなといった感想
しかわいてこない。

作画は非常に良いが、何を言いたいのかが
ストレートに伝わってこなかったのが私の感想だ。

実のところを言うと、君の名はよりも苦手だ。
私の心に響いてこないのだ。
そのため、大号泣することもできずただただもどかしい
気持ちばかりが募っていった印象。
新海ファンは見て損はしないと思う。

投稿 : 2018/01/19
閲覧 : 174
サンキュー:

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