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「平家物語(TVアニメ動画)」

総合得点
77.2
感想・評価
343
棚に入れた
1068
ランキング
629
★★★★☆ 3.9 (343)
物語
3.8
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
3.8

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平家物語の感想・評価はどうでしたか?

ペガサス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

国津と天津。

平家物語のテーマは鎮魂と救済である。
この物語を現代に蘇らせることに意義があるとすれば、京アニ事件もそうだが、3.11やコロナ禍を体験した現代人への鎮魂でもあるからだろう。
また放送中にウクライナ戦争が始まった。
時代は変われど世の理不尽さは変わらず、思いを残して亡くなる人がいるのも変わらない。
その背景には国津神(竜宮)=市杵島姫が控えていて、そこには阿弥陀如来という時代や人種を超えて通底する救済の思想がある。

「西のほうに紫雲がたなびいた。空に。室内には香りが満ちはじめた。譬えようもない美しい香りが。異香が。
そして空に音楽が聞こえた。お迎えは来た。女たちもまた。穢土より、浄土へ。」

五色の線は琵琶の音色となり導かれ、西方の空へと揚羽蝶が飛んでゆく。
魂の昇華を描写した美しくも鮮烈なラストシーンは圧巻である。

投稿 : 2024/04/03
閲覧 : 151
サンキュー:

8

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

歴史フィクション。

実績豊富な有名監督と豪華声優陣による名作古典のアニメ化で注目を集めた作品ですが、
作画の動き自体はアニメーターを大量につぎ込んで頑張っていますけど、引っかかる内容。

第1話での主人公のびわの平家批判の罪で子の代わりに父親を惨殺することで平家の横暴を見せつけた、
軍記物語である「平家物語」にのみ記述される虚構性の強い禿(かむろ)を用いた脚色とは違い、

「驕る平家」の象徴と言える「殿下乗合事件」を指図した史実での首謀者は平重盛でありますが、
それが「平家物語」では平家の棟梁で政治の実権を握る父・清盛の悪行であるとの歴史の歪曲があり、
重盛を持ち上げるために重盛の負の部分まで擦り付けられてしまったのが作中の清盛ですが、
アニメでは、史実での首謀者の重盛が創作上の首謀者役を押し付けられた清盛を詰問することで、
原典の「平家物語」以上に平重盛を聖人君子として更に美化された正義のイケおじとして描き、
それが茶番なのもさることながら、このアニメの実質ヒロインである徳子(重盛の妹)もまた、
権力欲が強い問題人物扱いの父・清盛に批判的である現代的な美女として描いているのに対して、
重盛や徳子と同じ血を引いているはずの平宗盛が極端に見た目も性格もバカにされて扱われていて、
清盛の子供で一人だけ遺伝子異常なのか短足・デブ・出っ歯で深海魚みたいな醜男過ぎ。
不摂生による肥満や人格をあらわす表情だけでも見た目を差別化出来るのにカリカチュアが過剰。
あの醜い姿形の宗盛が痩せて心身を鍛え直したところで重盛に似てくる姿が全く想像できませんね。

人気漫画家の荒川弘さんがアルスラーン戦記で描いたルシタニア王国の、
肥満で無能な兄王・イノケンティウス七世と精悍で有能な王弟・ギスカール。
一見似てないようで顔のパーツの共通点が多くて一応は兄弟だと認識が可能で、
血筋が同じでも生き方がそのまま容姿の違いになっている描き分けが出来ているのとは逆に、
このアニメではシンプル化してるにしてもキャラクターデザインの画力が低すぎです。

他にも源頼朝が「信長の野望・天下創世」の今川氏真みたいでひと目で分かるダメ男だったり、
旭将軍・木曽義仲が田舎者を強調しすぎて久米田康治の漫画に出てきそうなギャグタッチの、
不潔でボサボサ髪でしゃくれアゴで最低限の礼法すら無い貧乏くさいボス猿であり、
御所に乗り込んで何故か御簾を用いることなく後白河法皇に不敬な直談判をしたときも、
知性の欠片も無いガラガラの大声で狩衣を纏わずに身なりが汚いままであったり、
そもそも、信濃源氏の木曽義仲が烏帽子や冠をかぶらないのは無作法な田舎者を通り越していて、
当時の常識を現代に置き換えると、ズボンもパンツも履かずに下半身丸出しで都を練り歩いて、
皇居に押しかけて狼藉三昧の完全に頭がおかしい露出狂と同じレベルの蛮行であり、
その恥ずかしい姿で後白河法皇に直に拝謁する平民以下の意識の低さが、ありえないことであります。
かろうじて、貴人から受命するときの建膝(たてひざ)に見えなくもない描写はありましたが。

高野文子さんの原案の死んだ魚のような目で小物小物したキャラデザが不快レベルで酷いかなあ。
盛盛盛盛で誰が誰だかわかりづらい!との意見があり、少ない線で描き分けて個性を出そうとすると、
キャラ描写が極端に陳腐な記号化をされたり、兄弟といった身内でも容姿に類似性がなくて、
昭和のギャグアニメのように身体的な特徴を歪めて大げさな絵面になりますよね。
あと、サイエンスSARUの特徴的な作画だと、やっぱり平べったい。これが美しいかと言うと微妙。

平家討伐の立役者の源義経をステレオタイプなイケメンヒーローとして扱う一方で、
鎌倉幕府を開く兄・源頼朝が北条政子の言いなりの優柔不断の愚鈍で臆病なダメ人間扱いとか…。
「吾妻鏡」によると頼朝は石橋山合戦(10倍の兵力差で元から勝ち目がなかった)で、
五人張りの強弓を引いて数多くの敵を射抜いた優れた武勇の持ち主ですが、
このアニメでは、なで肩でひょろひょろした意志薄弱な惰弱者として脚色された頼朝。
これじゃ虫や蛙も殺せずにぶるぶる震えてる感じで、お飾りの総大将すら無理ですね。
自分の頭で考えることが一切出来ずに、きつい北条政子の言に自信がない表情で、

『ねえ?政子?どうしたら良ーい?』(八の字眉)
『ひゃ!?ひょえええ?』(ガクガクブルブル)
『あぁ…うん、そうする!そうするから…』(脅えたままの顔)

と頷くのが精一杯の無能な傀儡でしかないです。

この頼朝は、人目のないところで椿の枝を太刀で切り落とし続けての鬱憤晴らしで、
普段は無害そうな凡庸な顔で、おどおどと気が弱くてまともに人と会話できないくせに、
抵抗できない相手には豹変して容赦なく痛めつける人の小ささと残忍さも見せています。

時代にまきこまれた血筋以外に何も無い軽すぎる神輿キャラで、
知恵も勇気も無くて自分の意思で挙兵すら決断できないおつむの軽い人間が
実はストレスに蝕まれていて権力を握ることでつけあがって外道に豹変(覚醒)する兆候。

フィクションにおける従来の頼朝像は、
こんなアニメの如くに一見ひ弱でぼんやりしてて狂った小人物ではなくて、
猜疑心の強さと冷酷な部分は否めないものの、
政治的なビジョンを持って動いていて駆け引きにも優れていて、
公文所の別当の大江広元らとともに権謀術数を巡らせていますよね?

こっちはもう、プレイヤーが嫌いな人間の名前を間抜けな敵キャラにつけて、
最初は強気なセリフを吐かせて、劣勢になった途端に命乞いをさせた挙げ句に、
主人公一行に殺させて悪は滅びた!メデタシメデタシなイベント戦闘が存在する、
「新桃太郎伝説」の怨みの洞窟を思い出す陰気なごっこ遊びですね。

こんなものは、ギャグでも愛嬌でもないですし、
こういう貶める安っぽい脚色って、本当に必要で面白いと思いますか?
誇張まみれの人物描写の粗末さは感性に合う合わないの次元ではありません。

「鎌倉殿の13人」で大泉洋が演じる頼朝がろくでなしだから良いだろ!
とのネットでの声がありましたが片腹痛い。
大泉頼朝は女好きでコメディな脚色がありましたが、弓の腕前を見せるシーンもありますし、
政治家としての怜悧さを持ち、恨みを買うのを覚悟の上で血も涙もない鬼の道を歩みながら、
人が見てないところで弟である義経の首桶に落涙するといった人間味がありましたし、
また、源氏と北条氏の物語でありながら、敵である平宗盛へのフォローもあり、
優柔不断で繊細に過ぎるが温厚で知的な人物として宗盛は描かれていました。

ひきかえ、こちらは平家への感情移入を目的として、その他の扱いが木っ端のように軽いですし、
平家でも宗盛をただ亡くなった兄・重盛の引き立て役としての暗愚なデブとしか描いておらずに、
「平家物語」「鎌倉殿の13人」で扱われている妻子への深い愛情と言った一面すら削ぎ落として、
そもそも妻子に一切触れずに短い尺でも可能な宗盛のフォローを徹底的にやらない単純さ。

これらを見せられますと、源氏側から語られることが多い治承・寿永の乱を、
平家側から切り取った家族と情愛の話として見るにも、
禿(かむろ)や平宗盛などを始め、安直で記号的な表現が多くて、
当時の資料を少し勉強すればわかるレベルでの源氏下げの露骨さから、
平家の面々の感情も鎌倉や木曽らのしょーもない描かれ方も所詮は等しく作り物であり、
歴史文学を気取って教養を盾に利用しながらも、
強烈にバイアスがかかった虚構に過ぎないと醒めてしまいます。

一面的で簡素過ぎるキャラの造形の数々にたとえ想像力で勝手に補完するにしても限界があリ、
“美しい映像”とか“繊細な芝居”などの褒め言葉も甚だしく虚しいですね。

全11話で尺が無いせいで情報の取捨選択をせざるを得なくて、物語の切り取りで合戦の省略が多く、
清盛亡き後には実質的に平家の軍勢を支えてた平知盛や平重衡ら将の有能さがわかりづらかったり、
造り手が興味ないのが丸見えで平家随一の猛者の平教経の出番が最終回の水没シーンの3秒間のみで、
逆に平敦盛が悲劇の若武者として熊谷直実に討ち取られる散り際の描写が、
勇敢に戦って直実に傷を負わせて死んだとのアニオリ改変で贔屓が露骨なのですけど、
基本的には、弱い平家が源義経に一方的に駆逐されてメソメソ泣いてる話になっていますね。

創作は創作で史実に忠実である必要はありませんし、
この時代を扱った小説・漫画・ドラマなどの他の創作物も脚色だらけで独自性が強いですが、
このアニメでは特に、造り手の主観による美化と卑小化が両極端でキャラ付けが微妙ですね。
それをギャグアニメとして用いるならともかく、シリアスな哀歌でやるのは余分な雑味です。

善悪美醜すべてを兼ね備えているのが人間ですが、このアニメでは簡略にネタキャラ化した?
ちっぽけな弱者な頼朝や単細胞な山猿と化した義仲らの源氏の扱いの薄っぺらさと、
敢えて弱くて可哀相な人たちとして脚色して平家への同情を誘う意図が極端にあからさまで、
それで登場人物が魅力的に見えるどころか、丁寧な部分と雑な部分の温度差の激しさもあって、
視聴者への恣意的な思考誘導が露骨すぎて世界観に浸ることが出来ませんでした。

平家が滅ぼされたのは実際のところ、都落ちしたとはいえ依然脅威であって、
西国で再起されては源氏から見て面倒なことになるからです。
戦歴から見るに平家は一方的に源氏に負け続けた力無き弱者ではありません。

このアニメでの簡素で偏向の強い人物造型や演出の表現に感化されての、
繊細な乙女のような心の優しい平家をイジメる源氏への嫌悪だのといった憤りの感情移入は、
武田鉄矢が坂本龍馬を好きすぎて、幕末の多くの人物を悪く描いたり引き立て役にした、
「お~い!竜馬」を真に受けて、土佐藩主の山内容堂や上士らが陰湿で悪逆非道なクズの集まりで、
坂本龍馬を、彼一人の存在が日本史を動かした正義のヒーローだと思いこむのと全く同じですね。

大量の人員で作画と演出は頑張っていて技術的な部分では同時期のアニメでは上位でしょうけど、
印象操作を目的とした作為的なキャラデザとキャラ付けがあまりにもわざとらしく、
それが微妙なせいで源平合戦の物語としてはあまり面白くはない。
シンプルなデザインで演出がわかりやすい!との絶賛の声がネットでの常套句でありますが、

本山一城氏の著作漫画の「竹中半兵衛伝」レベルの単純なキャラ付けと貧相なキャラデザの、
そのわざとらしさが京アニっぽく動かしてる映像の芝居のレベルに追いついていないがために、
長所であるはずの高カロリーな演出だけがアンバランスに突出し過ぎて作品から浮いていますね。

否定一辺倒のようですが、展開に首を傾げつつも一話目時点では凄いとこれでも思っていたのです。
その一話目がピークで、説明台詞だらけの「鹿ケ谷の陰謀」がつまらなさすぎて一気に評価が下がり、
クール後半になると上述のヘリウムガスよりも軽い源氏の描かれ方に興ざめしつつ、
歴史のダイジェスト展開を熱が入らない目で惰性で傍観していました。

大河ドラマでも作品によって方向性が違うように、これもまた歴史を元ネタにした、
数ある小説やドラマや漫画といった創作物の横一線のひとつ止まりであって、
ただ単にそういうやり方もある止まりで、傑出したものでもないですね。
尺の長短に関係なく登場人物の色付けと人間描写の密度は、
賛否両論のある大河ドラマの「鎌倉殿の13人」と比較しても遥かに劣ります。
台詞を削って作画の情報量で補完するやりかたがあり、これまではそうやってきましたが、
今までの作品と違って今回の座組では、積み重ねられたキャラクターの造形ではなくて、
少ない出番で申し訳程度に浅くて薄い説明的な台詞や動きで手一杯のキャラが多いですね。
尺が無いから仕方ないだろ!という擁護がネットではありがちですが、それは忖度の精神。
偏向してキャラを歪めたり粗末に扱ったりをした妥協を正当化するつまらない言い訳ですね。

監督が素晴らしいスタッフと一緒に作り上げた過去の輝かしい実績の数々といった、
その色眼鏡を外して作品単体で内容を評価すると、
今作でも健在なキャラクターに動きで芝居させる技術を台無しにするレベルで、
キャラ萌えを狙ったかのようなマルチーズの擬人化が滑っている平資盛の造形も酷いですし、
平家一門で唯一顔が人外な醜男の宗盛、モミアゲの生え方がおかしいゴリラと化した平知盛など、
誇張だらけで歪な数々のキャラデザなどのせいで色褪せたしょぼくれた物に見えてしまい、
やはり監督が過去に手掛けた精緻な演出と可愛らしさが同居した作品との違いが圧倒的に大きくて、
こんな感想しか出てきませんでした。確認のために再度見比べても印象は変わりませんでした。
言っちゃ悪いですが、過去に手掛けた美少女アニメのコミカルな芝居を流用したところで、
いつまでも子供みたいで、いじめられオーラを発しているひ弱そのものな平家の公達といい、
一度見せた頬を赤らめてのぶりっ子ポーズが気色の悪い後白河法皇といい、
一応出てきたけど太ももで視聴者サービスをして掘り下げの無く、舞が美しくない静御前といい、
監督の過去の、どの作品とも違って登場人物に全く魅力がありませんし、単純につまらなかったです。

未来視を持つ主人公のびわも、仕草は「けいおん!」「たまこまーけっと」の流用ですし、
褒められてる芝居のアニメーションも、過去作品の技術を用いた下位互換ですね。
そのびわも、メタな理由で人のために何もしない、それどころか養われてる分際で労働すらしなく、
シゲモリだのトクコだのスケモリだのと平家の面々を呼び捨てにして、
タメ口でも罰せられることのない無駄飯喰らいの無礼者の居候であり
傍観者の役割を演じるだけの自発性の無い物語の人形的な配役でしかありませんでした。
最終回でやっとひとつだけ人助けをしますけどね。

初監督作品の「けいおん!」から「たまこまーけっと」と「聲の形」を経て、
アニメ表現の到達点と評された「リズと青い鳥」にいたるまで、
この作品の監督が今まで手掛けてきたものには概ね好感を持って高評価をを続けてきた自分としても、
アニメとは、膨大なスタッフの仕事を絨毯を織るようにして作品が完成しているものですので、
演出家としての監督の手腕が健在であろうとも、高野文子さんの衰えたセンスで相殺されていて、
それらチーム全体の仕事の成果物としてイマイチだと思えば相応の評価にせざるを得なく、
誰にでもですが、アニメ監督への行き過ぎた偶像視は良くはないと思うきっかけになりましたね。
数多くの受賞歴を持つ監督の才能やセンスと褒め称えられたものも実際は監督本人の能力だけでなく、
これまではデザインセンスと確固たる技術力を兼ね備えた素晴らしい実力を持っている、
例えば「聲の形」や「リズと青い鳥」で類稀なる手腕を発揮したキャラデザ担当のアニメーターや、
美術スタッフなどの人材と連携して、ひとつひとつの設定をきちんと練り込んで作っていたのと、
他にも監督の毛色の理解に努めて技術をいろいろと学んだと本人に直接言った凝り性の演出家、
(彼は2023年8月に公開の「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」の副監督)
がいたように、皆で少しでも良いものを作ろうと努力を積み重ねていった成果ですね。

所変わって、今作では監督直々の仕事がクレジットされていない回の演出は、
どちらかと言うとサイエンスSARUの特徴が勝っている作風ですし、
作画カロリーが一般的なアニメより高い割に適当な部分が多い新作映像作品を観た上で、
女性アニメ監督を客寄せパンダとして演出されたプロモーションをして、
監督の名前で作品に付加価値をつけて売りたい顔出しや特典商法のやり口を見ていますと、
あっそうですか?な気分で、作品の差を抜きにしても前の職場のほうがマトモだったとも思いますね。
2014年の新宿ピカデリーでの舞台挨拶では、われわれは裏方だと御本人も仰っていました。

アニメの質の向上には多くの人間の協力が不可欠ですが、監督至上主義の制作会社の社長でもある、
プロデューサーの方針なのかアニメのキャラではなくて監督が主役扱いされてる現状には疑問ですし、
今の状況や作品内容を素直に応援しづらいです。諸行無常とは本当にこのことですね。

「リズと青い鳥」などの同じ監督の素晴らしかった過去作品の数々で口直しをしながら、
あの頃は良かったと思うのみです。2024年1月2日に「リズと青い鳥」をEテレでまた鑑賞して、
そして、「響け!ユーフォニアム3」のPVの素晴らしさに心を揺さぶられたのと、
実は前の会社からの脱却が出来てない「Garden of Remembarance」が、
ティザーPVで観た感じでは「たまこまーけっと」で観たようなシーンの焼き直しで、
原画の質の差はさておいてもキャラの表情や色使いなどの映像の表現力のあまりの見劣りに、
結局オリジナル中心で作品の方向性が「たまこまーけっと」と本質的にはさほど変わってないなら、
この人には、石原監督らのいる世界に戻って十全に手腕を発揮してほしいと思いました。
今の環境に溺れているままでは、かつてを知る者から見れば真の復活には程遠い回り道です。
現実にこの女性監督を賛辞するファンからの声は簡単なあらすじと絵の具で描いたような手の絵、
これのみでオープンにされない、やたら意識の高そうな新作映画への発言は少なくて、
美人連呼と、監督と一緒に「リズと青い鳥」を作ったアニメ会社への感謝の声が寄せられています。

「平家物語」に肯定的評価をしている現在の監督ファンの方々の思いですら結局は、
近年の作品への評価や未来への期待よりも過去の栄光への依存が目立っているのが現実。

いろいろと複雑な思いがあるのですが、こちらは見ていて虚しくなる本当に残念なアニメでした。
元々は新しい活動に納得しての応援が目的で見始めたのですが、宗旨替えをして応援継続しようにも、
素晴らしい作品と評して良い程の説得力のある内容が今回は自分には全く感じられ無かったです。
今後の新作を観ることがあれば作品ごとの個別に評価は上下しますが、
観る前から(この方に限らずですが)監督の名前を頼りにして名作扱いするのは遠慮しますね。


溜め込んでいた言いたいこと=このアニメがつまらないと思う理由と偽らざる本音を、
一切呑み込まずにあらかた言い尽くしました。では、これにて!!

投稿 : 2024/03/14
閲覧 : 1484
サンキュー:

70

ネタバレ

Mi-24 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

望まぬ結婚の先で幸せを掴もうとした、平清盛の娘「徳子」の物語

歳を取らない物の怪(もののけ)、琵琶法師の「びわ」が語る物語。

平家の人達の心情表現を中心に話しは進む。政治的な出来事はサッと概要を流す程度なので物語進行の邪魔をせず、スッキリしていて分かりやすく見易い。
内容は情緒的で、陰湿・残虐な表現はなし。
物語はテンポよく進み、絵柄もストーリーに合っていて非常に良い。



『平家にあらずんば人にあらず』

平和な生活(平家の人達の)はどうやって保つのか?



平和な生活を享受できたのは、政治力がある平清盛と平重盛の二人が健在だった期間のみ。
重盛の弟や、重盛の息子達には政治力が無く、状況に流されるだけで場当たり的な対処しかできない。
政治の主導権を奪いにくる、後白河法皇に全く対抗できず。

後白河法皇が差し向けた源義仲(木曾義仲)に大敗し、保有兵力の大半を失った後の平家は悲惨だ。



『平和は軍事力がなければ成り立たない』

いつの時代でも変わらない事実。
不変の真理である。



凄惨な流転の放浪生活を強いられる平家の人達。
政治・外交ができる人材が居らず、窮地を脱する打開策がなにもとれず。

最後はなすすべもなく檀ノ浦で滅亡...



『祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』
『娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす』



この作品で一番印象に残ったのは、徳子の想い。

徳子に対しての、高倉上皇の言葉。
「そなたには感謝している」
この、たった一言を頼りに生きる。

徳子は“強い人”だったが、政治力・外交力がないのが致命的だった。結局、最愛の息子「安徳天皇」を守ること叶わず。

対称的だったのが、源頼朝の妻である北条時政の娘・政子。
この作品の源頼朝は随分と頼りない感じだったが、政子は源氏・源頼朝にとって最適と思われる選択に、夫の頼朝に積極的に働きかけ誘導していく。


そもそも平家の武将達が頼りにならないのが問題なのだが、徳子は政治介入せず
「何があっても絶対に守る」
と誓った最愛の息子を死なせてしまう。

徳子が政治に介入する積極性があったら、結果は変わったのだろうか...

投稿 : 2024/02/10
閲覧 : 46
サンキュー:

5

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

京アニとは全然違う美しき絵巻物。ニコニコで見るとより楽しめた。

 確かパクさんこと高畑さんも映像化を考えていた「平家物語」を京アニの至宝「山田尚子監督」が外部のサイエンスサルに出てて制作というだけで興味深かったが、実に美しく見易いものになっている。


 声優陣が豪華なのは当然として、オリジナルキャラである悠木碧ネキ演じる未来視ができる琵琶に置くことで、悲劇の結末に向かう物語という視聴者の視点を作品内に持ち込むことに成功している。なにより今や声優当代一といっても言い悠木ネキの演技が流石の領域。


 平家は悪役にされがちだが、少なくてもそれは上の一部の男どものせいであって、少なくても女性や子どもたちには罪はなく、彼らは彼らなりの幸せをただ送っていただけだった…。その切なさが物語の推進力にちゃんとなっている。opでみんなが笑い、踊り、楽しんでいるのが余計にその想いを増す。



 そして、本作の一番のポイントだと思うのはビジュアルの美しさである。京アニやユーフォ的な書き込まれた端正な絵柄とは正反対のシンプル過ぎるほどにシンプルな絵柄、それでいながらその少ない線だけで可愛さも複雑な表情も表現できる作画力、そして題材にあった背景力、全てが合わさって他とは全然違う美に到達している。なにより引き算の演出と、線の軽やかさが見事。



 まだ全話見てないので途中レビューですが、少し見ただけで必見の作品として確定の出来栄えですなコレは!。



(追記)


 全話視聴。後半の「平家物語」のメインともいえる平家の都落ちからの滅亡というクライマックスが少々はしょり過ぎな感じと、主役の琵琶がそこから外れてしまったのが少々勿体ないが見事な良作でした。やはり1クールでは厳しかったかな。どうせならnhk枠でやって欲しかった。


 早見さんの演じる透き通るような美しい女性ってタイプは色々見てきたが、本作の徳子は思わぬ凄いハマり役だった。この物語は、男性は欲に囚われて現世の状況によって右往左往し「思い通りの人生」になんとかしようと必死に足掻いているが、女性はそういうった修羅界から外れて切なる祈りと赦しの世界へと解脱する存在として対になっているように思える。


 女性キャラの代表である琵琶は、結末を知っていても何もできない少女だが、自分が共にあった人々のことを語り継ぐということで祈りとなす。もう一人の代表である徳子は母という大いなる赦しの象徴になって、単なる綺麗な女性キャラを超えた大きさに到達している。「思い通り」にならない人生を恨むのではなく、そのことを赦した人だけが得られる道がある。

投稿 : 2024/02/08
閲覧 : 962
サンキュー:

40

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

すべて枯れゆく

山田尚子&高野文子、
制作、声優、条件が揃いすぎている。

平家の人々と琵琶を持つ少女びわ、
時代に翻弄されながらも懸命に生きる人々、
貴族社会から武家社会へ、激動の時代に揺れる。

諸行は無常であること。

羊文学の主題歌が美しく、
平家の栄華を描いたものであれ、
その日常に、その風景に、
無常観という魔法がどこか揺蕩い、
ここに生きた人々が愛おしくなる。

{netabare}亡者が見える重盛に、
亡者は何を語るのでしょう!?{/netabare}

やがてくる没落か、己の死か。

最終話視聴追記。
{netabare}水面に沈む平家の赤旗、叫べども届かず、
長門の潮の流れ、あまりにも美しい夕凪、
生者必滅、渦に身を投じ、ここに散る。{/netabare}

生きることは、語り継ぐことなのでしょう。
正しく喪に服し、亡き者に祈りを捧げる。
人の世にある苦しみを乗り越えるための祈りを。

沙羅の花、儚く美しく。

合掌。

投稿 : 2024/01/12
閲覧 : 643
サンキュー:

64

ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

悪くはないけれども

山田尚子さん監督作品で、かつ物語の素材がしっかりしている以上、外れることはなさそう、とは思っていたものの、キャラデザが好みでなかったこともあり、後回しになっていました。

実際、試聴してみて外れることはなかったのですが、特筆すべき何かがあったか、と言われると難しいですね。この作品の特徴は、「琵琶」という架空のキャラクターをナレーターとしてではなく、登場人物の一人として平家物語のなかに入れ込んだ、というところにあろうと思います。この試みが失敗したとは思わないのですが、とても成功した、という感じもしません。{netabare} 琵琶だけ成長しない {/netabare}という設定もちょっと変ですし。あと、EDはなんかちょっと違うかなーという印象でした。

[2023年12月追記]
完走した作品のみをレビューしているため、とりあえず完走できる質だったということで、これまで、レビュー点数は3.0以上としてきました。しかし、レビュー内容が辛口になっている場合でも3点台をつけているため、他の方の同じ程度の辛口レビューと比べて、点数がかなり高めになっていました。そのため、レビュー点数の下限を2.5点に変更し、この変更に合わせ、このレビューの点数も変更しています。

投稿 : 2023/12/24
閲覧 : 238
サンキュー:

7

CfrzK48306 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白いけど「平家物語」としてはあくまでダイジェスト

本題に入る前に・・・なんだか「あくまでダイジェスト」が私の口癖になってますね・・・

ていうか古典、文学、ゲーム、漫画に限らず「原作付きアニメ」ってのは98%くらいの比率でダイジェストな気がします。
「進撃の巨人」みたいに最後まできちんとやってくれるであろうアニメは希少なんだろうなと思います。
ましてや、こんにちのアニメは1クール主流、2クール以上だと「ダレる」だの「中だるみする」だの文句を言う人が多いです。

で、このアニメ平家物語ですが、文庫本四冊分くらいの長い物語をうまく11話に落とし込んだものだとは思いますが、
それでも平教経の活躍とか義経の八艘飛びなどいろいろ名シーンが割愛されてたのが残念です。
ただ、ネット上の考察によると山田尚子監督が仏教思想とかいろいろ難解な表現に挑戦していたようですね。
そういう意味では山田尚子監督の作品とも言え、単なるダイジェストとも言えないのですが。

声優面も豪華キャストですが特に悠木碧さんが今までの自分の演じてきた役とは全く違う「びわ」というオリジナルキャラの少女の役を熱演してるのが感じ入りました。
きっと、そろそろ30代になる自分を変えようと奮闘したんでしょうね。

投稿 : 2023/09/20
閲覧 : 75
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5

ace さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とてもおすすめです

素晴らしいね
真ん中くらいまで、正直退屈でしたが
そっからクライマックスまでの盛り上がりがすごい!
え?どうなんの?どうなんの?とグイグイ引き込まれ
目が話せない状態になるとは・・・
たった11話ですが素晴らしかった

実在する古典文学である「平家物語」のアニメ化
900年前の作品です
語り部である琵琶法師を主軸とし
平家の繁栄から一族滅亡までを全11話で描く
とても良かった

なんだかんだあっても
平家の者は全員が勇敢で立派な武士であった・・・

OPもとても良かった
youtubeでOP見てみる価値はあるよ!

俺は今まで見たアニメで最も良いOPは
NARUTOのシルエットだと思っている(見てみて!)
いまのとこ2位はGTOのDriver's Highだが
2位に匹敵するか、近いくらい良かった!
OPのみんなの笑顔だけで泣ける・・・

思い出に残る傑作!!

異世界転生や萌えアニメに埋もれ、日本アニメ界は
死にかけていると思っているが

現在でもこんな名作を作れるんだなぁ・・・
捨てたもんじゃねーや!日本アニメ界

おすすめ

投稿 : 2023/08/04
閲覧 : 137
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4

くまさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

平家のこと、忘れない

オリジナルキャラ、びわの視点で描かれた、
平家の栄華と滅亡の物語。

びわは、平家の良心、重盛に保護され一緒に屋敷で暮らすことになる。
平家と深い交流を持ったびわの視点で描かれるため、
平家の最期には史実で知る以上の悲哀が感じられました。

清盛の暴虐を諌めていた重盛の実直さ。
その重盛の3人の息子である、維盛・資盛・清経との日常。
清盛の娘、徳子へのあこがれ。

幸せなときはながれていき、だんだんと垂れ込める暗雲。
重盛の死をきっかけに、どんどんと切迫した事態へ。

戦術面・政略面の描写が控えめなので、
ところどころは調べてみて知識を補うとよいかも。

より平家の置かれた状況がわかり、
源氏に追い詰められていることが感じられ、息苦しくなります。

倶利伽羅峠で大敗を喫し、
大飢饉のあと苦労してかき集めた戦力を失った平家。

都を追われ福原へ逃げるも、一の谷で破れ、陸を追い払われる。
さらに屋島で負け、瀬戸内海の海軍拠点を取られる。

強みであった制海権を失った平家、
これを機に源氏へ寝返るものが続出。

根拠地でもあった九州でも、安息の地がなくなる。
そして、補給を絶たれ孤立無援の平家が、壇ノ浦決戦へ挑む。
生き残った者たちの胸中やいかに。

落日悲歌を味わう作品として秀作だと思います。
多くの人に見てほしい作品です。

投稿 : 2023/07/24
閲覧 : 107
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6

ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「びわの役割」と「歴史モノ」と「声優全員主人公問題」

本作は、日本人なら誰もがその結末を知る軍記物語『平家物語』のアニメ化作品である。物語は、平家の栄華の頂点から始まり、後半はそこから平家が一気に滅亡に向かって転落していく展開に引き込まれる。また、私は、予てより平氏は武家でありながら貴族として伸し上がろうとし、源氏はあくまで武家のまま天下を取ろうとしたところに両氏の明暗を分けた重要な差異があると考えていたところ、本作は、その対比がうまく表現されていると感じた。
以下、本作を視聴する上で気になった点が3つあるので、それについて書いていく。


【「びわの役割」について】
本作に登場するびわは、歴史上の人物ではなく、彼女が歴史の大筋を改変してしまえば、それはもはや『平家物語』ではなくなってしまうから、平家の大筋の歴史に介入することはない。
また、平家物語は、登場人物が多いため、それぞれの登場人物の異なる視点から語ったのでは、視点がコロコロと変わって視聴者が見難くなる。そこで、びわは、彼女からの固定された視点を通じて、平家一門の栄枯盛衰を眺められるよう視聴者の便宜のために設定された、いわゆる「狂言回し」である(例えば、NHK人形劇三国志で紳助竜介が演じたシンシンとロンロン。なお、「狂言」は能狂言の意であり「トリックスター」とは異なる。)。
したがって、彼女は、視聴者のために設定された便宜上の存在にすぎず、本当に存在したかのようなリアリティをある程度付与されてはいるものの、基本的に物語に介入しないのが「お約束」になっていると考えられる。

確かに、観る側は、彼女が作中の人物として描かれ(未来が見えるだけに物語に介入できそうに見える)、かつ本作は悲劇なのであるから、彼女に救いを求めてしまう気持ちはわかる。しかし、彼女は、基本的に傍観者であり、視聴者と同じ存在といえる(彼女の未来が見える設定は結末を知っていても何もできない視聴者の暗喩といえ、見た目が変わらないことも架空の存在であることを匂わせる。{netabare}また、重盛から受け継いだ左目は、負の連鎖を断ち切る「赦し」「鎮魂」の象徴なのだろう。我々が平家物語を通じて平家を忘れないことが鎮魂になる。なお、徳子が渦に巻き込まれる未来視は、彼女の死を暗示するものであるが、史実通り彼女は生き残る。この辺りは、本来何も出来ないはずのびわについて、監督が観る者の感情と折り合いをつけるための工夫だったのかもしれない。{/netabare})。


【「歴史モノ」について】
本作は、栄華を極めた一族(登場人物が多い)が一気に没落するまでの壮大なストーリーを全11話にまとめたのだから、どう考えても尺が足りない。それゆえ、それぞれの登場人物に複雑な背景を書き込んでいくだけの余裕がない以上、人物描写は簡略化せざるを得ない。その辺は、見た目、わかりやすい行動など、アニメである点を上手く活かしてキャラ付けが補完されていると感じた。

確かに、ある程度歴史の知識を持ち合わせた人間からすると、そんな乱暴なキャラ付けがあるかと憤る気持ちもわかる。しかし、冒頭で書いたように、「平氏は武家でありながら貴族として伸し上がろうとし、源氏はあくまで武家のまま天下を取ろうとしたところに両氏の明暗を分けた重要な差異」があり、それに基づいた意図的な色分けを感じた(平氏の貴族化と源氏(木曽義仲と源義経)の武者振りとの対比、源頼朝は両者の中間のどっちつかず(源氏の将軍が3代で終わり、後の北条氏による執権政治の暗示ではないだろうか))。
また、前述のとおり尺が限られており、説明不足の表現はかえって分かりにくくなるから、このように伝えたいテーマを絞って(大筋を改変しない限度で)歴史を再編集することは、情報の発信者としてむしろ好ましいとすらいえる。本作は限られた尺の中で上手くまとめられていると感じた。

このように歴史を再編集した場合、「歴史と創作」は、「原作とアニメ」の関係と同じ問題、つまり可能な限り史実(原作)に基づいた創作でなければならないのかという問題が生じる。これは、視聴者が歴史として学んだことや他の創作物から形成された既存のイメージとの乖離によって起こる。単純にいえば、自分が思っていた『平家物語』と違うことからくる違和感である。

確かに、「歴史モノ」である以上、本筋を変えない範囲(この辺の許容範囲も人によって異なるとは思われる)という制約はある。しかし、史実(通説)と異なると思われる演出には、製作者側に何らかの意図があるものだ。
例えば、『三国志演義』では、史実以上に関羽の武勲が盛られている。それは、演義を羅貫中に書かせた商人の出資者に、商人の神様であった関羽の名声を高めようとする意図があったらしい(youtubeの「ゲームさんぽ」で早稲田の渡邉義浩教授が言っていた。)。
もっとも、そうであるからといって、世界的に愛されてきた創作としての三国志演義の価値が低下するものではない。

「歴史モノ」は、あくまで創作であるから、フィクションの部分に史実と異なる違和感が生じがちである。しかし、それは製作者が一定の意図に基づいて歴史を再編集した結果生じるものであり、そこに製作者の独自性がある。また、その製作者の視点が歴史モノの面白さの一つだろう(同じ演目でも演者によって変わる落語みたいなもの)。

とどのつまり、『平家物語』も古典とはいえ庶民の娯楽でありアニメもエンタメなのだから、その製作者の独自性が、史実に基づいているかより、あくまで作品としての面白さにつながっているかが常に優先されるべきだろう。


【声優について】
本作では「声優全員主人公問題」が発生している。これは、声優をかつて主人公を担ったことがあるような豪華な配役にした際によく起きる現象である。
この問題は、配役がその人物の声に合っているかや演技の善し悪しではなく、「登場人物が多い作品であるにも関わらず」主人公のようなイケボばかりで特徴的な声の人物が少ないため、「声だけで誰かを判別しにくくなる」という問題である。また、男性の登場人物が多いため、びわを女性にしたのだろう。そのため、尺が足りない問題に加えて、「見た目」の差異に頼って人物を特徴づけざるを得なかったと思われる。

本作では、清盛役の玄田哲章さんや後白河法皇役の千葉繁さんは周囲との違いがわかりやすく、重要な役どころだけに配役への配慮を感じる。もっとも、声を聞いただけで声優の名前を判別できる層には共感されない(笑)。しかし、若本規夫さんが自分のように特徴的な声を持つ若手が育っていないことをよく危惧しているように、ポスト玄田、千葉、若本に該当する若手声優がいるのか?と問えば少しは共感してもらえるだろうか。
(追記:本レビュー投稿後、『Re:ゼロから始める異世界生活』のペテルギウス役の松岡禎丞さん、『ゴブリンスレイヤー』の鉱人道士役の中村悠一さん、『ダイの大冒険』のクロコダイン役の前野智昭さんが普段の主人公的イケボと違う特徴的な声を出していたことを思い出す。普段の発声を変えてまで出演を求められるくらいなのだからこういった声に需要はあるはずだ。今後はこういう芸達者な人が生き残っていくのだろうか。)

声優で特筆すべきは、上で書いたように「びわ」が架空の存在のため、ふわふわとした現実味のない役どころで演技によっては一気に現実味を失う危険もあるのだが、悠木碧さんの演技に違和感はなかった。琵琶法師としての歌にも迫力があった。

投稿 : 2023/07/09
閲覧 : 196
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7

hidehide さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:----

どこまでが真実なのか…

記録、手記、口伝、など。

『歴史』とは、どこまでが真実なのでしょうかね。
恐らく、全ての歴史は、どこか、少しは間違いが
あると思います。
だって、誰も、その目で見てない訳ですから。

記録、手記、は、書き手の主観や感情が全くない、
…とは言い切れないでしょうし、
口伝に至っては、伝言ゲーム同様、
数人も経てしまえば、もはや、どれが、何が、原型なのか。

それでも、
簡略化された義務教育の範疇で知る歴史。
更に深く記したその他の書籍などでも、
およそのあらすじがズレていないのは、

だいたい、『こんな感じ』だったのでしょうね。

本作品、
『琵琶(ビワ)』という少女が登場します。
だいたいこんな感じ…の歴史、なので、
もはや、何でもアリでしょう。
重盛がそんな少女を引き取った、などという
記述はないかとは思うので…
本作品の架空の存在でしょうし。

先(未来)を知る事ができるビワ、が登場した事により、
更にフィクション要素がかなり増してしまい、
曖昧とは言え、
語られている歴史が台無しになってしまいそうですが、
そうはなっていない描き方は上手いですね。

ビワ。
未来から来た?どこから来た?
そんな、不思議な存在、に思いました。
(成長しないのも、そんな意味があるのでしょうか)

これは、ビワが見た平家の歴史、顛末。
そして、それを現代に語っている様な。
ビワ = ストーリーテラー なのでしょうかね。

確か、怪~ayakashi という作品の中で、

鶴屋南北が、

『自身が四谷怪談という架空の物語を書いたせいで
今、尚、その呪いが世に残り、後悔している』

…と、
自身の物語を自身が霊となり、語りべとして
今の世に伝える、という様な話しがありましたが、
それに近いモノを感じました。



凄く面白いか、と言われたら、
人を選ぶとしか、言えないのですが、
作り方、視点、として面白かったとは思います。

投稿 : 2023/05/05
閲覧 : 111
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6

ネタバレ

og3jar さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

改めて観なおして、良かった

びわの視点は、未来から見た過去視点だから、過去に干渉できないと言う事だと思うと、観れました。悠木碧凄いね。恐ろしいよ。もともと歴史が詳しくないのと元の平家物語を知らないので、その辺は評価できないです。

盛者必衰とは思わないけどね。

投稿 : 2023/04/04
閲覧 : 91
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5

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

古典名作をアニメに落とし込めている良作

平家物語をホームドラマ路線の大河風にした感じ。
平家の人々の栄枯盛衰を、琵琶法師を少女化?したオリキャラ視点で綴る、叙事詩・群像劇。全11話。
※作品データベース様より転載

【良い点】
義務教育を受けた日本人ならば、全篇読んだ事は無くとも大まかな内容と流れは知っているであろう名作を題材に、
まるで女性脚本家によるホームドラマ路線のNHK大河ドラマめいて親しみやすくかみ砕いて描かれている、大変見やすい。
悠木碧氏が好演する琵琶法師の少女びわ(異能持ち、何故か成長しない、座敷童ぽい?何故か平家の中枢とタメ口な立場)の存在が、
演出と相まって軍記物よりも幻想文学めいた独特な風情ありつつ、不思議少女がタメ口で接する事で
平家の面々も親しみやすく内面を掘り下げられている。
(なんで拾われた下賤の?少女が平家と対等なの?)と最初は気になるが、すぐに慣れてアニメの雰囲気に引き込まれる。
ここは実写の大河ドラマだと難しい、アニメならではの許される点か。
びわという傍観者ポジションの語り部を非常に上手く活かしていた。
びわも視聴者も、結末を知っている傍観者なのは同じであり、故に情緒的に感情移入させられる。

ストーリーはダイジェスト感はあるものの要所を抑えている、全11話と短いが故に密度が濃くテンポも良い。
びわと重盛の憂いで序盤から無常感ありつつ、重盛が没してから坂を転げるように終末に向かう、終始飽きさせず。
序盤からのホームドラマで平家に感情移入させられつつ、終盤からラストの諸行無常感に浸れる構成は見事。
切ない物語ながら、救いと希望も垣間見せる結末も後味が良い。
平資盛は落ち延びているという伝承を採用しており、彼が魅力的に描かれている故にここも後味が良い。

平安時代舞台の古典を現代的アニメに落とし込んだ作画や演出も素晴らしい。
アニメとして見やすいし、心情描写や軍記物としての山場などもダイナミックに伝わってくる。
要所の山場で琵琶と共に悠木碧氏の平家物語朗読も大変良かった。
ラップ調のOPも、通してみると作風に合っているとわかる。

また、名前を本名呼び(後鳥羽上皇様とか)は、エンタメ作品の分かり易さ重視なので良し。

主に平重盛とその子供たちを中心に、ホームドラマ大河として良好な雰囲気。
兄弟たちは気弱だったり傲慢だが根は優しかったり、各々の個性ありつつ魅力的に描かれる。
重盛やその子たちの苦悩や関係性などを丁寧に掘り下げていた。
特に平資盛と平清経兄弟は他作品では地味な脇役が殆どだけど、本作ではしっかり存在感示した。
びわ同様の未来視の異能故に平家の行く末を知りつつも残り少ない命を賭して驕れる父清盛を諫める重盛と、
同じ異能持ちながら傍観者でしかないびわとの交流劇は特に良かった。
メインヒロイン格な徳子が運命に翻弄されながらも美しく生き抜いたドラマも胸を打った。

【悪い点】
軍記物・大河ドラマとして見るとダイジェスト感が否めず。
とはいえ本作のコンセプト上、軍記物の側面は重視しなくてもよさげ。

重盛ファミリー以外のキャラの出番や掘り下げは物足りず。
平家物語というか、視聴者の日本史の知識頼みな面はある。

【総合評価】8~9点
古典的名作を巧みに調理した良作。2021秋上位。
全面的に良い意味で女性脚本らしい持ち味出ていた。山田尚子監督、吉田玲子氏お見事。
評価は「とても良い」

投稿 : 2023/03/25
閲覧 : 113
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12

ビックリヤングコーン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

序盤を乗り越えて!

序盤はあんま得意な感じではなくて、ちょっと微妙な展開が続くと思いきや、中盤から後半は物語が加速していきあっという間に見れた。作画が綺麗でopからの物語が始まる感じも良かった。歴史物はなんか信用できなくて好きじゃないけど、物語として楽しむのはアリだなと思った。

投稿 : 2023/03/23
閲覧 : 89
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5

ネタバレ

Re伊藤みかん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

今まで、泣けなかった私が号泣した作品

映像はトップクラスに美しいです。どこをとっても一枚絵として扱えるほどに美しく、独特な作風はストーリーを強調し、このアニメをより良い作品に仕立て上げています。
加えて、豪華声優陣で固められたこのアニメはキャラクター一人一人が生きているかのように錯覚するほどです。
しかし、映像美、演技がこの作品の本領ではありません。ストーリーこそがこの作品の本領と言ってもいいでしょう。事実かどうかはおいておき、事実を基に作られたこの作品は謎の納得感を与え、キャラクター一人一人と心になりきることができます。
私としては百点満点の作品なのですが、歴史を扱う分、ストーリーは難解に、キャラクターは覚えにくくなり、独特な作風は人を選ぶといった印象です。
万人に受ける作品ではありません。しかし、私のように、感動できると言われている作品で感動できない人にはおすすめ。
やはり、事実にこそ真の感動は宿るのでしょうね。

投稿 : 2023/03/17
閲覧 : 119
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8

はろい さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.5 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

NHKにありそうな寸劇を集めたような雰囲気です。

何もかもが豪華過ぎるので、全員知らない人だと思い観始めましたが、やはり気になってしまいます。

劇中の音楽ですが、好きな音楽と、良くない音楽の差があります。

羊文学はメジャーデビューしてから、本当に悪くなりました。
EDは苦手です。

1話を観た限りだと、切ってしまいそうな勢いですが、これだけの人達なので、もう少し観続けたいと思います。


追記①
何度か挑戦しましたが、大好きな悠木碧さんですらわざとらしく聴こえ、観るのを断念しました。

そもそも面白いアニメは何も考えず観れますし、アニメを観ていて先に人が浮かんでしまう時点で失敗作だと思います。



追記②
時間が経ったので改めて挑戦しましたが、
絵柄、間、主人公の行動、演出など無理なところが多過ぎて断念しました。

何度か挑戦して、苦手なのが分かっているのにまた観たのは、平家物語だからという理由なのですが、そう考えると、せっかくの平家物語がこのように消費されてしまったのがとても残念です。


あまり関係ないですが、これを観るぐらいでしたら、うた恋いをお勧めします。

投稿 : 2023/03/01
閲覧 : 279
サンキュー:

7

lcXEE65136 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

栄華と没落。

権力を持って好き勝手して没落していく。
1000年たっても人間は成長してないってのがよくわかる。

投稿 : 2023/02/27
閲覧 : 66
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3

ゆーしゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

平家物語をはじめて知った

なるほど〜平家物語ってこーゆーお話なのね!

と言うのが率直な感想、
平家めっちゃクズw

すっごい面白いってわけではないので、暇な時に見たらいいかなあ?ってアニメでした。

投稿 : 2023/02/25
閲覧 : 79
サンキュー:

2

ネタバレ

ShouyouACL さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

Nowadays with the inappropriate use of the artwork category, or even its relative, it is difficult to call something a masterpiece, however, if someone asked me what art is today, I would say: Heike Monogatari.



A story about impermanence, Heike Monogatari tells his story during the Genpei War, a civil conflict that divided Japan, the story is told from Biwa's perspective.

After the death of his blind father, Biwa meets Taira no Shigemori, heir to the powerful Taira clan fighting for supremacy in the war. Shigemori also has the power of supernatural vision, with one of his eyes he sees ghosts of the war dead. Because of his abilities, he understands his clan's part in the death of Biwa's father, after Biwa cites a prophecy that predicts the downfall of the Taira clan, he believes she has the same ability.

Shigemori invites Biwa to live with him and his family under the auspices of being a companion to his children, but hopes her power can prevent the Taira clan from falling.

Biwa in turn agrees, but not with the part of using her power, this is because she knows that the Taira were responsible for her father's death.

With this given context, the story will follow the rise and inevitable fall of the Taira.

On the Buddhist theme of impermanence, it is approached with the fall of the powerful Taira clan, responsible for defeating the Minamoto, however, being later defeated by them.

This defeat is conceived because of the arrogance, and carelessness of a clan that once in power, became something terrible.

Impermanence doesn't just fit in the contexts of war, it applies to characters who are not involved in it, as it talks about how relationships cease, governments, countries, companies, all cease, change all the time.

We can perceive impermanence operating in our lives on a daily basis. Contemplating this is extremely useful, as it stops our exaggerated attachment, our exaggerated "grasping".

Everything is ephemeral, nothing is made to get too attached, one day everything will end, just as it did for the Taira.




The animation is eye-catching, each frame lovingly drawn and framed in the same way. The subtle direction to show innocence in the way the characters act, the subversion that the anime causes is impressive. A while ago I wondered if there would still be animations like Sangatsu, Maison, Evangelion, Monogatari, animations that not only fulfill the role of animating and giving life to a story, but go beyond that, creating something new. Nowadays it's easy to watch hyped anime and be impressed as it tries to simulate famous movies, but forget that not only has this been created before, it's been done better. Going back to Heike Monogatari, the animation is spectacular in every way, everything is characterized as a parchment of the time, this perhaps because it is being based on an epic account of the Genpei wars.

The design of the anime, which conveys an idea of ​​a tale, fable, and hits the nail on the head, as Heike Monogatari, again, is based on an old Japanese tale, from the distant year of 52. There is no use of cgi to animate, it is art for art's sake, the only commitment of this work seems to be to perpetuate a history of family, violence and how time is ephemeral. And you can be sure it lasts forever.


The design, as said before, is cohesive with the idea of ​​the original material, however, not only that, it is subversive, whoever thinks it is a story with cute characters for children is wrong. The anime is violent, sad and bitter. The innocent nature of the design only helps to intensify this.

The landscapes in the anime are impressive, I always wondered when I would see something at least like what Shaft does with backdrops again, and here it is, the backdrops are beautiful, watercolor coloring, as if the ink completes the paper.


The anime's music is not limited to typical songs from the Sengoku era and in this case, the Genpei wars, in addition to the koto or in this case, a Biwa. It is worth mentioning that many of the anime's compositions are made in a diegetic way, using wind, string and percussion instruments.

Orchestrated compositions are also used, giving space to a musically immersive, exciting and complex experience.

The sound mixing is exemplary, especially in battle scenes, it's so dry and real that, again, it intensifies the anime's sense of reality.



The voice acting is frighteningly well done, Biwa and Shigemori are so well acted that they frighten. Dramatic scenes that say it, the actress responsible for the voice of Biwa did something similar to what the actor responsible for Rei did in Sangatsu no Lion, hard to see so much soul in a performance as seen here.

Supporting characters are also not far behind, some delivering performances even comparable to the main ones.

投稿 : 2023/01/10
閲覧 : 69
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2

かとー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

平安時代は全くわからないけど‥

平家視点の物語。
基本的には現実に忠実に再現されているアニメ。
(一部だけ歴史事変がありますが。)

声優陣が豪華で安定感が抜群。更に山田監督の作品というだけで見たくなりますよね。(笑)

ずば抜けて良い作品ではないけれど、充分に楽しめました。

投稿 : 2023/01/02
閲覧 : 105
サンキュー:

4

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

平家と女性。花は枯れるが種を残す。諸行無常はまた新たな命につながる。

2回目を視聴しました。というか1話、2話、9話をじっくり見直しました。

 平家という集団の末端ではカブロが恐怖政治を担っていました。その犠牲者としてビワの父は死にました。が、平家の内部には個々の人間がそれぞれの生活をし、そこに喜怒哀楽もあれば家族もいました。

 OPの歌詞です。花は種から咲いて枯れて種を落とす。つまり人間はその時代を生きて子孫を残す。その営みにすぎません。
 白拍子とか女の部分ですね。祇王、仏御前、巴御前、ビワの母、そして静御前を描いていました。まさに平安の花ですよね。子孫を次代につなぐのは女の役割です。徳子も同じです。

 ただ、この中で次代に子供を残せたのはビワの母だけ、ですかね。ビワがどうなったのかはわかりませんが、子孫を残せなかった女たちを描いたところに意味があるのかないのか。静御前と徳子も子供は作りましたけど…

 また、平家の栄華は華ですね。これもまた枯れてしまいましたが、源氏へと時代が移り変わりましたが、確かにそこにはいた、ということでしょう。最終回が決まっていても…というのは、すべてに終わりがあるという意味なのか、あるいはメタ的に今リメイクする意味なんでしょうか。

 平家と女の華を重ねて、確かに次を産み出した。だけどいつかは枯れる。その無常だけでなく、歴史の中の役割を言いたかったのでしょうか。そして、女の役割は子供を作ることもありますが、子をなさなくても時代を作る役割もあるんだということでしょうか。

 ビワの名前、浅葱とは目の色の事だったんでしょうか。父が名前で呼ばない、つまり目の力を認めないということですね。

 ビワと言う存在はやはり平家の過去と未来、つまり重盛と徳子という平家物語の中心だった人物を象徴し、確かにそこに平家があって、平家の中にもいろんな人がいた。善悪だけではない人間の営みがあったと、未来に伝える役割だったんでしょう。
 義経、義仲をクローズアップしたのは、平家を倒した彼らもまた倒されます。

 今この時代に諸行無常…平家物語に触れる機会があったことが良かったと思います。諸行無常の言葉通り永遠はありませんが、人は営み時代がそこにあり、そして、いずれも次の担い手がいます。

 ポピュリズム=個人の権利や損得しか興味が無くなった時代に「次」を考えられたと思います。ちょっと「海賊王女」を見たくなりました。あれも女と時代をテーマにしていたとしか思えないのですがじっくり見ていないので。





1話  重盛か宗盛か…ヒューマンドラマか合戦か。楽しみです。

{netabare}  配信サイトの関係でいまさら1話です。平家物語というアニメーションを作るということ自体がまず素晴らしいです。幅広い選択肢がアニメには必要だと思いますので、数十本のうち1つくらいはこういう取り組みをお願いしたいところです。

 平家物語というのは歴史の分野では苦手なカテゴリなので、祇園精舎の鐘の声、壇之浦の合戦と那須与一、一ノ谷の逆落とし、あとは清盛、重盛、宗盛のつなぎとかしか覚えていません。厳島神社が関係ありましたね。

 むしろ手塚治虫の「火の鳥、乱世編」の印象の方が強いです。本作も傍観者としてあの少女を登場させたところなど「火の鳥、乱世編」との類似性は感じました。ただ、平家物語は重盛が途中退場して宗盛にバトンタッチしますので、傍観者を置かないと感情移入の視点が変わってしまいアニメにならないのでしょう。

 絵柄は芸術性をねらいすぎて作り込みが追い付いていない気もしますが、見ているうちに違和感がないし時代の雰囲気も感じられるので成功していると思います。

 さて、未来が見える設定や椿がボトリと首が落ちるように散ってゆく演出を語るまでもなく、平家物語は安徳天皇の入水となるわけですが、そこに至るまでのドラマですね。重盛中心か宗盛中心か。ヒューマンドラマなら重盛なんでしょうけど、宗盛の没落する様子が中心になるんでしょうか。盛り上がる一ノ谷と壇ノ浦は宗盛ですからね。
 ただ、本作の重盛の設定、扱いから言って合戦は最後の方にサラリとやる感じでも面白いかもしれませんね。

 このプロセスをあの琵琶の少女が語るのでしょうね。ということで800年の時を超えた一大物語です。楽しみです。{/netabare}

2話 うーん、このキャラデザが話を分からなくしている?

{netabare}  白拍子…祇王と仏御前…2話の最後のほうの出家後の話って説明なしに分かるものなんでしょうか?要するに祇王が出家した後に祇王寺と呼ばれる寺に、やはり清盛に捨てられた仏御前が来たという話です。
 祇王の母娘はまあ説明があったのでわかりますが、後から来たのが仏御前ってわかります?眉毛と下睫毛で書き分けてはいるんでしょうけど…どうなんでしょう?

 本作の前半でやった部分は、清盛に寵愛を受けていた祇王が飽きられて仏御前がその地位を奪うわけですが、その仏御前が元気がないので祇王に舞を舞ってくれ、という話です。ここはまあ理解できなくはないですが、そもそも祇王と仏御前が出会った場面で仏御前ってわかりました?

 しかも当時の白拍子というのはまあ遊女ですよね。若干それっぽいニュアンスの説明がありました。この仏御前は清盛の子を妊娠していて…と話が続くのですが、最後、琵琶が見ていた椿が2つポトリと落ちる場面の意味…うーん。これ、読み取れますか?

 それと祇王のやさしさもあまり表現しきれてませんでしたし…つまり、話がセリフで進行している感じです。そもそも清盛って間接的ですけど父親の仇らしいですね。(父は橘時長という人で、保元の乱で戦死だそうです)

 高倉天皇(憲仁)、後白河上皇、清盛、重盛の関係なども説明抜きで理解できるものなんでしょうか。それとも今後説明があるんでしょうかね。まあ、最後のクレジットのキャラをWIKIで調べるか平家物語を読んだほうが早そうですね。ただ、平家物語…長いんですよね。だからアニメに期待したんですけど本末転倒だなあ。

 話がゴチャゴチャして来るんでしょうか。キャラデザがアダになって人物の整理がつかない気がしてきました。徳子は一番わかりやすいし、後の建礼門院ですからね。実際に一番平家の行く末を見届ける女性なので彼女視点でもいい気がしますが…。

 平家物語の概要が理解できるようなエピソード外の回を入れるなり、人物名をテロップで入れるなり、進撃の巨人みたいに情報をCM前後に挟んでもいいし、声優さんの特番でもいいので何かやらないとまずい気がします。私も若干しか記憶にないのでいろいろ調べながら見ています。

 私の読解力の無さに加えて無教養なのでそう思うだけかもしれませんが、脱落組が結構でるんじゃないかなあ…と危惧します。{/netabare}

3話 女性…に注目でしょうか。2話と別モノかと思うくらい凄い回でした。

{netabare} 前回はキャラがごちゃごちゃしていてわかりづらかったですが、今回は人間関係も因果関係も良くわかりました。テンポが異常に早いですが、焦点が絞りたい部分があるのでしょう。

 2話の祇王の話はサイドエピソードですが監督の山田尚子さんも脚本の吉田玲子さんもキャラデザの高野文子さんも女性ですから、女の人生について入れたかったんでしょうね。第3話の徳子の扱いも含めて「女」の人生について表現したかったのかもしれません。インタビューは本作を見終わってから見るつもりなのでどうコメントされているのか知りませんが。

 子供が生まれないほうがいい…というセリフは多分アニメオリジナルだと思いますがあえてそのセリフを入れてきましたね。この先、この女性視点の部分は注目ポイントな気がします。

 それと2話は、清盛のおごりと非人間性が今回の話につながるという事だったのでしょう。今回の展開にうまくつながってきました。

 で、とにかくカット…展開が迫力がありました。光と陰の使い方もうまかったと思います。陰謀の場面、非常に良かったです。それと重盛の瞳の演技も良かったですね。

 第3話。徳子と重盛を中心に人物がよく描けていました。平家のそれぞれの人間のスタンス、平家に対する貴族の立ち位置や考え方が凝縮されていました。23分があっという間でした。 {/netabare}


4話 時間の経過が早いけど、少数の主要人物が理解できると面白い。

{netabare}  あっという間に時間が過ぎてゆきます。思ったより早い山場ですね。平家そのものの落日については主要なテーマではない感じ?いや、テーマではあるけれど、平家の構成員としてそれぞれのキャラのヒューマンドラマになってきました。そのヒューマンドラマを通じて諸行無常を描くのでしょう。

 そのヒューマンドラマですが、1、2話の展開でポカーンでしたが3話くらいから主要な登場人物が整理されて感情移入もできますので、非常に面白くなってきて、この4話…ターニングポイントですね。彼…といえば見た人はわかるでしょうが、彼の思いをどうくみ取るかでしょうね。

 それにしても琵琶って…育ってる?時の流れから浮いた存在ということ…なんでしょうか?いやちょっと大きくなってますかね?

 古典だし原作に忠実みたいですが、この辺りからは独自解釈…というよりドラマを楽しむ感じになるのでしょう。

 とにかく最後まで見ずにはいられない展開です。継続視聴はもちろんです。気が付いたのは、本作アニメとしての「平家物語」のストーリーを1回目に理解したら、2回目以降で人物や言動に注目するとより面白く見られそうな気がします。

 ですので、レビューについては2回目を見終わったら改めて書きたいですね。以降、気が付いたことがあれば書くかもしれませんが、総評は2回見終わった後にします。{/netabare}


6話 ちょっと言いたい事が分からなくなってきました。

{netabare}  次は見終わってからレビューする気でしたが、ちょっとオヤッ?と思ったので。

 重盛がいなくなって視点が定まらないですね。彼は合理的でかつ心の機微がわかる人格者として描かれていました。徳子と合わせて、現代にこれをやることの意義…登場人物の価値感を現代にアップデートして再評価するために平家物語をリメイクしたのかと思っていました。

 ですが5,6話…うーん…落ちぶれる平家の栄枯盛衰を見せられてもそれは従来の平家物語でしかありません。清盛はもう次回予告にある通りですので退場します。徳子がもう少し女…現代の価値観から妻と母を表現するかと思いましたが、一般的な権力闘争の犠牲者的な部分をちょっと表現していただけでしたね。
 となると琵琶ですよね。彼女が何を見るのか…今のところ傍観者…あるいは予言者(預言でなく)でしかありません。重盛の目を得たことで彼女が何を見るか、でしょうね。

 どうなんでしょう?アニメという人気媒体で面白い演出と脚本とちょっと芸術性のある絵柄で平家物語を紹介するだけ?に終わるのでしょうか。それはそれで試みとしては面白いでしょうけど…例えばベルサイユの薔薇みたいなアニメ史的なコンテンツになれるかと言えば厳しいですよね。あれはフィクションですけど、フランス革命のエッセンスを非常にうまくくみ取りながらもエンタメとして最高でした。

 平家物語は時間というフィルターを経て評価された名作ですから誰がリメイクしてもそこそこ面白くなるはずです。無常観、悲劇性はわかっていることです、そこを演出と作画とセリフで勝負するだけ?琵琶は単なる伏線…とも言えない悲劇の予感のためだけにいる?それとも誰のせいでもないとか、禅的な結論を語ってしまう?

 5,6話は話は面白いですが、深みという点でアレッ?という感じでした…と言ってしまうと1~6話で面白かったのは3、4話だけだなあ…正直言えば雰囲気倒れの気がしてきました。{/netabare}



8話 琵琶は何のためにいるのでしょうか?

{netabare}  7話は徳子と清盛がクローズアップされて、おや、ちょっと持ち直した?と思いましたが…8話がなあ…

 8話は特にそうでしたが琵琶が視点にすらなっていません。ここにきて客観の物語を見せられても、重盛と琵琶の関係に感情を置いていたせいなのか、圧縮版でわかりづらい平家物語を見せられているだけになっています。

 特に8話は演出と音楽が過剰でした。平家の静あるいは貴族的な雰囲気にに対する源氏の動、武士的なのかを表現したかったのかもしれませんが、いや凡庸すぎるでしょう。ストーリーを展開させるのに演出に逃げるのは良くなかったですね。

 というか特に義仲のキャラを過剰にしすぎていて演出しすぎで見苦しかったです。義仲を野性的を通り越して粗野で奇抜に見せて、キャラの説明をしたのかもしれませんが、武人としての迫力が全くありませんし。

 戦の場面をほぼカットしているのはヒューマンドラマを見せたいからかもしれませんが、ヒューマンドラマになっていません。平家という一族の落日の儚さ描けていません。

 祇王と仏御前をいまさら名前だけだしてみたり、琵琶の出自を仄めかしたり…この後すべてが繋がって何かがあるのでしょうか?{/netabare}


9話 なるほど祈りをびわに重ねましたか…

{netabare}  祈りって今は曖昧に使っていますが、もともとは平和とか他人の安寧のための願いですね。自分の願望を願う事ではありません。「祈るしかできない」とびわは言いました。祈りって重い言葉だと思うんです。特に源平の戦いは本当に悲惨で人の欲望丸出しですから。

 その祈りを諸行無常と重ねました…天皇の大きな役割が祈ることです。国家鎮護というと仏教用語ですのでちょっとズレるかもしれませんが、天皇が国家の安寧を祈ることを忘れたからビワが変わりに?ということはびわの血筋ってそういうこと?無情に散っていった平家の魂が浮かばれる的な鎮魂みたいな軽い意味ならがっかりですけど。

 祈りを見出したびわをどう扱うかが今後焦点になりそうですね。制作された時期的には昨今の世界情勢を考えて、ということではないと思いますが、今、必要なのは確かに祈りなのかもしれません。

 ところでクレジットの静御前、月、あかり、という3人があの白拍子たちでしょうか。静御前って義経の愛人じゃなかったでしたっけ?そうそう確か…静御前って母子のエピソードありましたね。徳子の描写と合わせると、女性側の諸行無常の表現もをしている感じでしょうか。ただ、今のところあまりうまく機能してない気がします。
 忙しい尺の中で、祇王や静御前なんかを省略しないで登場させた意味やびわの母が登場した意味を咀嚼しないとなんともいえませんけど。

 清経のシーンはエピソード的には良いですけど、ちょっと感情過多になっていないかは?ですね。びわの内面を表すにはいいシーンだとは思いますけど。

 それと敦盛ですね。織田信長の関係で調べたことがありますが、ちょっと違うというか省略した感じでしたね。意味合いがちょっと変わっちゃった気もしますが、私も史実に忠実である必要はないと思います。
 でも、だったらもっともっとオリジナルな山田尚子さんとしての平家物語を見せてもらいたかったなあ。

 ただ、8話でどうなっちゃうのか心配でしたけど、9話は持ち直しましたね。あと2話だそうですね。びわの祈りと徳子それと義経が描かれるんでしょうか。残りに期待しましょう。 {/netabare}


11話 徳子はなぜ生き残ったか…ビワはそういう役割でしたね。

{netabare} 平家物語そのもので感情が一番動く場面ですからね。ここで感動するのは当たり前ですが、10、11話はビワの使い方素晴らしかったと思います。途中2話、5~8話はかなり評価を下げていましたが遡って見れば意味があるかもしれません。

 なるほど…なぜビワが必要だったか。建礼門院、徳子だけがなぜ生き残ったか。その意味がビワの目だったと。平家を見届け祈れ、と。だからでしょうか。最後はビワの目が光を失っているように見えました。ビワは平家を見るために特別な目を持った。重盛からもその子供たちからも愛された…だから、平家を見届けた後は語るだけの存在になりました。髪が白くなるとは老婆になったのか、あるいは人としての存在ではなくなったのか…
 建礼門院もまた最後まで平家のために祈りました。ビワは徳子の別の形だったのかもしれません。そういえば重盛の目ももっていましたね。

 鎮魂…というと私はちょっと浅い気がしていましたが、なるほど…そうくるとちょっと話が違いますね。祈るとはつまり歌の中に平家の人々が語られることでした。平家物語は800年後にも残っています。つまり、ビワと共に過ごした人々はまだビワの歌の中に生きているということでしょう。これで諸行無常の意味に一つの視点の転換をあらわしました。

 考えてみれば平家は椿の花のように儚く散っては行きました。諸行無常の理の中で歴史から消えていったその悪役の平家が今現在なぜうたわれているか…それは悪役の平家も中に入れば様々な人々が懸命に生きていました。気が小さい人も芸術を愛した人もいました。平家ファミリー…という穏やかで幸せな感じの絵が出ていましたね。

 初めにビワの父が殺された意味がここで考えるべき問題になりますね。悪とは何ぞや…と。確かに平家の支配下でひどい死にかたをしましたが、平家もまた人として憎めない人々でした。うーん、言葉にするのは難しいですね。あとでいい考えがまとまったらまた書くかもしれません。

 平家を撃った義経…そして静御前が出てきたのも意味がありそうですね。義経は有名ですが、静御前と義経の子供のエピソードがあります。平家を滅ぼした義経。その先は…

 驕る平家に何かを仮託しているのかどうかもちょっと考えたいところです。

 全体としては徳子周り、重盛とその子供たちの話は全体としてよかったかったですね。もっとああすれば、とかあそこがなあ、という感想はありますが、結果的に11話が描けたので、良かったと思います。

 ちょっと見終えたばかりで支離滅裂ですね。総評はまた2回目を見た後にするかもしれません。古典のリメイクなので評価は低めにしていますが、ビワその他について発見があればあげる可能性があります。 {/netabare}

投稿 : 2022/12/25
閲覧 : 865
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41

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

良かったです

当方学が無い故、原作を読んだこともないし歴史の知識も乏しいです。その為、本作が原作に忠実なのか史実に忠実なのか、全然分かりません。
ですが、本作が滅びゆく者への情感たっぷりに描かれていることは理解できました。絵巻物のような平面的な作図が印象的で、平家の一族がみな魅力的に描かれています。これで敵が強カッコ良ければいいのですが、源頼朝は馬鹿みたいに描かれていてちょっと残念。
出来はいいと思いますが、私には少し分かりにくかったです。一族は名前が似ていて誰が誰だかすぐ分からなくなるし、登場人物が今どこにいるのか説明不足でした。最初の数話ぐらいは、登場人物が出てきたときに名前や簡単な説明が表示されるべきだし、日本地図でそこがどこなのか見せるべきでした。例えば福原福原と言われてもどこだか知らないし。そんなの自分で調べろと制作側が言うのなら、じゃあ観ないよと答えるだけです。最近のアニメは説明しすぎだなどとほざく輩がいますが、妄想の考察で飯食ってるような人の言うことを鵜呑みにしないでください。
あと主題歌があんまり平家物語にあってないような。エンディングはラップ&エレクトロニカ?で全く場違いですし、オープニングは爽やかな曲調と平和な題字のせいで、ひらやに住む貧乏家族の人情物みたいな感じでした。
萌えが何よりも重要視されるアニメ界隈で、そんなものと無縁なきらびやか且つ儚い歴史物に挑戦したスタッフに拍手。でも徳子は萌えキャラだったかも。

投稿 : 2022/11/17
閲覧 : 137
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6

ネタバレ

chikuwa さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

アニメ化に800年かかった作品 古典音痴・歴史音痴でも楽しめるってすごい

【感想(最終回までのネタバレあり)】
{netabare}
・原作は冒頭の「祇園精舎の鐘の声~」くらいしか知らない古典音痴&当時の歴史をほぼ忘れてる歴史音痴の自分でも楽しめた
・ただ、人名と相関(誰の子で誰と兄弟か)が本編を見ただけでは覚えられず、何度も公式HPやWikipediaを見ないと覚えられなかった。また、原作がそうなのかもしれないが、最後の方は見せ場の寄せ集め(ダイジェスト)になっていて、京都→大宰府→筥崎(福岡市)と西へ西へと追い詰められてたはずの平家が次のシーンでは何の説明もなく一ノ谷(神戸市)で戦ってたりと場面転換が激しく、歴史の教科書片手に見ないと状況がつかめなかった
・原作未読のため原作がすごいのかアニメスタッフがすごいのか両方すごいのかは分からないが、数百年も前に作られた話とは思えないくらい今でも楽しめるストーリーで驚いた(もちろん最新のアニメと比べればエンタメ性に劣るが)
・また、原作の雰囲気を壊さないよう徹敵的に研究配慮されたと思われる作画が秀逸。声優も超豪華な顔ぶれによる名演で妥協を一切感じなかった
・自分はエンタメ性の高い作品が好きなので全体的にやや辛めの評価になったが、芸術性の高い作品を好む人が傑作と評価するのも頷ける
・数十年後に見ても視聴に耐えうるであろう数少ない高品質の作品
{/netabare}

【各話評価】
{netabare}
基本は○、良いと○→☆→☆☆と星が増える、悪いと○→△→×となる

1話 平家にあらざれば人にあらず ○
2話 娑婆の栄華は夢のゆめ ○
3話 鹿ケ谷の陰謀 ○
4話 無文の沙汰 ○
5話 橋合戦 ○
6話 都遷り ○
7話 清盛、死す ○
8話 都落ち ○
9話 平家流るる ○
10話 壇ノ浦 ○
11話 諸行無常 ○
_______________________________________________________________________________
☆☆☆☆ 超神回:1年に1回あるかないか  ☆☆☆ 神回:1クールに1回あるかないか
☆☆ 優秀回:何度も見るくらい面白い    ☆ 良回:非常に面白い
○ 並回:普通に面白い  △ イマイチ:一部面白いところもある  ×:つまらない/視聴断念
{/netabare}

【全体評価】
{netabare}
基本は各話評価の平均点、突出して良かった回悪かった回や最終回の良し悪しで多少変動

中の上  各話評価平均点 0(0/11)
_______________________________________________________________________________
☆:1つにつき1点 ○:0点 △:-1点 ×:-2点 視聴断念:-100点
上の上(あにこれ評価 5.0)1.3点以上:数年に1つあるかないか
上の中(あにこれ評価 4.8~4.9)1 ~ 1.3点:1クールに1つあるかないか
上の下(あにこれ評価 4.5~4.7)0.5 ~ 1点:非常に面白い
中の上(あにこれ評価 4.0~4.4)-0.2 ~ 0.5点:普通に面白い
中の中(あにこれ評価 3.5~3.9)-0.4 ~ 0点:普通
中の下(あにこれ評価 3.1~3.4)-0.4 ~ -1点:イマイチ
下(あにこれ評価 3.0)-1点以下:つまらないor視聴断念
{/netabare}

投稿 : 2022/11/05
閲覧 : 115
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3

ネタバレ

U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

C. ネタバレ注意 – 諸行無常

制作:サイエンスSARU

<メモ>
最初から琵琶に見えていたであろう平家や徳子の行く末を知っているので4話以降観るのが辛かったです。
「平家にあらずんば人にあらず」という振る舞いをみてると自業自得な気もしますが
平家の中にも正義はあったわけで、櫻井さんの演技と相まって清盛と後白河法皇の間で苦悩する重盛がかわいそうでした。
重盛の息子たちや、わずか8歳で生涯を終えた安徳天皇も一族の因縁で好きに生きられないのが切なかった。

これが源氏の視点、天皇家の視点、良寛の視点、市井の視点で描かれると見え方が違うのが歴史の面白いところ。


<主要登場人物>
・びわ:悠木碧     未来が見える 父は琵琶法師、母は白拍子

・平重盛:櫻井孝宏   平清盛の子 平家の棟梁 亡者が見える
・平維盛:入野自由   重盛の長男
・平資盛:岡本信彦   重盛の次男
・平清経:花江夏樹   重盛の三男

・平徳子:早見沙織   平清盛の子 高倉天皇( 西山宏太朗)の皇后 安徳天皇の母
・平清盛:玄田哲章
・平敦盛:村瀬歩    清盛の甥

・後白河法皇:千葉繁

・源頼朝:杉田智和   源氏の棟梁
・源義経:梶裕貴


22.4.17

投稿 : 2022/09/10
閲覧 : 134
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13

QWERTY さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

作者不詳の響きあり バッドエンドへまっしぐら

今作でアニメオリジナルの琵琶法師に声を当てている悠木碧さんがインタビューで言っていた通り、平家物語における「ネタバレ」がどの辺に成立するのか難しいところですが、主に口伝で継承された弾き語りエンタメである点は論を待ちません。

史実を正確に再現するというよりは、より面白いエピソードが生き残り、誰かがアドリブで入れたであろう妖怪退治のくだりが増えたりしながら長年受け継がれてきた、継ぎ足し秘伝タレのような「創作ストーリー」と言えます。

武家屋敷を転々とする琵琶法師によって、伴奏と共に語られたこの物語は、現代の大河ドラマをライブで鑑賞するような位置づけの娯楽で、エンタメとして成立するように「観客によって鍛えられた」構成になっています。

原典を眺めると、どことなくライブのセットリストに似ているような気もしますし、時代が求めたお芝居の脚本という分類にも思えます。


そんな平家物語をアニメ化すると聞いて、山田尚子監督と脚本の吉田玲子さんの黄金コンビがどんなアレンジをするのだろうと楽しみでしたが、ワンクールという短い時間にきっちりと「人間模様」を落とし込んでくれました。

仮に自分が平家物語をワンクールでやれと言われたら途方に暮れて実家に帰ると思うのですが、お二人は見事にやり遂げていらっしゃいます。
原作エピソードの取捨選択が絶妙、巧妙で脱帽です。
倍の時間が取れたらダイジェスト感は軽減されたでしょうが、登場人物も絞れず散らかってしまったかも知れません。

軍記物語にあって戦闘描写だけに終わらず、調子に乗ってしまった「ある一族」が、お手本のように転落していく様を愛情たっぷりに描いています。

名前がごちゃごちゃになりがちなこのお話ですが、登場人物の特徴や背景を丁寧に描写してくれるので、セリフに分からない言葉があっても筋を見失うことがありません。

声優さんも超豪華でキャスティングに一切の隙なし。顔が浮かんでくるような主張するお芝居ではなく、キャラクターの肉声として自然と耳に入ってきました。

圧巻は悠木碧さんの語り。
引き締まった迫力のある琵琶の音色に乗せて、本職みたいな平曲を聞いたときには鳥肌が立ちました。もう一つの鳥肌ポイントはED曲でしょうか。

是非ご覧になって、お確かめ下さい。
最終話まで完走すれば、回避不能のバッドエンドに向かう船に同乗し、強烈な喪失感と無力感に襲われること必至です。


時代とともにエンタメの形は変わります。
いままでも、これからも。

今回の味付けもまた平家物語のバリエーションの一つとして、これから観客に揉まれていくのでしょう。

アニメが古い表現方法として廃れてしまう時代が来るのかも知れませんが、現時点では確実におすすめです。

投稿 : 2022/08/29
閲覧 : 154
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9

ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

滅びの美学

琵琶法師の父を平家の武士に殺された少女のびわ。
びわは平重盛と出会い、平氏の息子たちと一緒に過ごす事となる。
栄華を誇る平氏だったが、びわには平氏が滅びる未来が見えていた。

日本の義務教育を受けていたら、話の結末は分かります。
壇ノ浦で平氏が滅亡。
源氏に天下を取られます。
その平氏の隆盛から滅亡を口伝で伝えられていた『平家物語』。
本作品は、びわという架空の人物を使い、平氏側から見た歴史を表現します。

まず、言いたいのは、声優の演技が素晴らしい事。
その配役を選んだ方も凄いですが。
・びわのCV悠木碧
・平重盛のCV櫻井孝宏
・平徳子のCV早見沙織
・平清盛のCV玄田哲章
・後白河法皇のCV千葉繁などなど……
その他の配役もありますが、とりあえず主要人物の選出は盤石。
実力者を集めましたね。
さすがにアイドル声優の入る隙はありませんでした。
本作品は声の演技でも楽しむことができます。

歴史を描く事は難しい。
特に近世以前は史料が少ないので、ある程度の演出は必要になります。
舞台は平安時代末期。
まだ朝廷の力が残っています。
なので、当然、衣冠束帯(狩衣かも)の衣装は当たり前ですね。
畳の使い方などもキチンと歴史考証しています。

平氏一門は滅亡します。
昔から日本人は滅びゆく者たちに美学を感じますね。
有名な判官びいき。
その判官を指すのは”源義経”なので、今回は敵側なのですが。

延暦寺などの僧兵の描き方も良いですね。
昔の僧兵はやりたい放題。
あの織田信長も手を焼いて、焼き討ちするほどです。
仏という神の力を背景に暴力に訴えます。
現在の念仏を唱える僧侶と昔の僧侶は違うのです。

日本史を暗記物と考える学生は多いです。
しかし、本作品のように映像化したら、理解しやすいですね。
動乱の平安末期から鎌倉初期。
時代は天皇から武士へと変わります。
琵琶法師が語る『平家物語』。
それを分かりやすくしたアニメの『平家物語』。
たまには日本史を勉強する事も良いでしょう。

投稿 : 2022/08/13
閲覧 : 175
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33

ネタバレ

毛玉 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

平家にあらざれば人にあらず

(なんだこの高畑勲を意識したような無駄に盛り沢山な要素は)
と気持ち悪く思いながら観た
森見作品の匂いもする
テンポや演出、椿の落ち方とか
ざっくりと淡々に描き
最後は“語ろうぞ”
どうもおかしい
女の“感情”で歴史改変的な
狸に化かされてんじゃないのか
取り敢えず涙腺叩いて泣かせてくるのは毎度お馴染み

観終えて調べると高畑勲が短編作ろうとしてて亡くなった事
制作が森見の夜は短し歩けよ乙女を作ってた所と判明

(高畑氏の短編と言われて、制作を初めても一本の映画に何年も掛けて粘って持って行きそうな恐ろしさを感じたが)

こんな話があるのでは意識して作らざるを得ないだろうなと感じた
高畑氏ではなし得ない、決まったコストでこれを作るということ
期待値が高まり過ぎた物をとにかく終わらせること
だからこその誰もが期待する制作スタッフ(山田氏、吉田氏等)
兎に角、終わらせる事だったろうと

高畑氏を追い続けたからこそアニメ離れが進んだ私でも、高畑氏の描いた世界を拝見したかった、と少なからず思う


頭を過ったワード

たぬき
かぐや
森見
寂光院のしば漬け
天台
澁澤
1番言いたい事は一番最初に
1話タイトル
「平家にあらざれば人にあらず」

投稿 : 2022/08/13
閲覧 : 102
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3

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

平曲(語り本)としての平家物語のPV、みたいな…?

観終わってだいぶん経つけどようやくレビューを書く時間ができ始めたのでいまさらのレビューです。

とりあえず「平家物語」や「太平記」みたいな軍記物語は、それ自体が大衆娯楽としても伝承されている物であって必ずしも史実が書かれているわけではありません。そういう意味では「小説」あるいはテレビの「大河ドラマ」みたいな物だと思った方が良いですよね。

なので、大河ドラマがそうであるように史料に現れない人物(本作だとびわ」)が都合よくいろいろな場面に居合わせることにツッコむのはナンセンスなのかなと思います。

原作の「平家物語」自体が、それぞれの場面が臨場感たっぷりに琵琶法師が語るけど「それ、おまえ全部見たんかい」という物なわけです。史実にないことも載っているかもしれません。史書としての「三国志」と小説としての「三国志演義」みたいなもんですね。
(まあ「三国志」も書いてあること全部ホンマか知らんけど。)

といった辺りを踏まえて「平家物語」の魅力の一つに「琵琶での弾き語り」というものがあって、そこを悠木碧さんが情感たっぷりに上手に謡ってくれるのが本作の大きな魅力だと思います。

逆にストーリーについては原作の手堅さはあっても「めっちゃ面白い」っていう感じでもないだろうということで評点は4にとどまっていますが、映像作品として出来は間違いなく良い方だと思います。
(Blu-rayの特典が平曲11曲のCDっていうのは凄く良くわかってると思う。)

でも、「つまらん」とか「観たくない」って人は間違いなくいるだろうなって感じですよね。

余談: 天皇、上皇が生きている間も謚(おくりな)で呼ばれるのはすごく気持ち悪かったんですけど、人物名のわかりやすさ優先だったんですかね…。

投稿 : 2022/08/01
閲覧 : 328
サンキュー:

35

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

祇園精舎の鐘の声

 全11話。原作は一部既読。といってもあれです。中学・高校の古典の授業で読んだものです。

 びわが平家の平重盛から拾われ、主にびわ視点で語り継がれる物語。前半は仲良くなった重盛の子たちや徳子などとの交流、そして平家が栄えていく様子が映し出されていました。

 しかし、重盛や平清盛の死あたりだったと思います。そこから少しずつ平家が崩れていきます。それがなんと切ない・・・。滅亡の一途をたどる中、身投げする人もいました。びわの周りで生き残ったのは徳子だけっていうね。。このあたりの感覚はわからないですね。「生きてたらそのうち良いことあるよ!」が通じない時代だったんでしょうか…

 ところで源氏の様子も少しありましたね。源義経とか弁慶などは想像通りでしたが、一番ギャップを感じたのは頼朝ですね。そんな頼りないキャラなの?とは思いました。妻の北条政子はしっかりしてたのにね。あれはあれでインパクトはありました。

 演出とか光の使い方とかが京アニっぽい感じがしましたが、監督は吉田玲子さんだったんですね。演出はすごく好きでした。

 ただ1クールしかないので、とばしとばしになっていたところはありました。1.5~2クールくらい、もうちょっと尺は必要だったのかも?

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/07/23
閲覧 : 264
サンキュー:

36

ネタバレ

NO99 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おもしろい!!!!

小説などでは 登場人物が同じような名前ばかりで
混乱しますが
やはり 視覚で覚えると
面白いです

投稿 : 2022/07/21
閲覧 : 98
サンキュー:

6

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平家物語のストーリー・あらすじ

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ―― 日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。(TVアニメ動画『平家物語』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2022年冬アニメ

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