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「NieA_7-ニア・アンダーセブン(TVアニメ動画)」

総合得点
65.9
感想・評価
142
棚に入れた
774
ランキング
3032
★★★★☆ 3.7 (142)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.8

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NieA_7-ニア・アンダーセブンの感想・評価はどうでしたか?

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

テーマ性・文学性・SF的発想。どれをとっても素晴らしい名作です。

24年4月 追記 第9地区って本作オマージュ?

「デデデデ」のレビューで「第9地区」に似ているというコメントが多かったので、見ていなかった同作を見ました。なるほどUFOは似てましたし、ひょっとしたら似た展開の可能性もありますが、私はむしろ「第9地区」って本作のハードモードの様な気がします。

 本作と「デデデデ」を比べると孤独と言う点で、似ているところもありますが、まあ、比較は後半戦を見てからですね。

「第9地区」がせっかくヨハネスブルグが舞台ということで人種差別について描いているのかな、と思ったら、どうも描き切れていませんでした。その点で本作の方が異文化の価値観と分断を良く描けてると思いました。

 改めて本作は名作だなあ、と思いました。


以下23年5月レビュー

 この名作をレビューしていませんでした。というかこういう作品を名作アニメだというんだ、と改めて思いました。

 非常に独特です。ストーリー性は無い…あるいは無い様に見えますが、裏にあるSF的な視点がありました。また、荒唐無稽な設定ではありますが、分断・貧困・差別・移民化が進んだ人間の暮らしが妙な現実感をもって迫ってくる作品です。

 そして、それらが組み合わさって、妙に郷愁を誘う感情が揺さぶられるアニメでした。

 被差別民である宇宙人の中でも最下層のニアが、優秀だけど貧乏ななヒロインの下宿に居候する話です。近くにスラムがあり、開発が進まない明らかに貧困地区な感じです。
 ヒロインは友達付き合いが下手、本音を話のが下手です。これがまるで2023年現在のハイティーンとか大学生の子たちを見ているようなリアリティを感じてしまいます。
 宇宙人=外国人(特にインド人)は犯罪行為を行いますが、それは道徳観の違いであって生活するための知恵です。そして、コミュニティーを持っており彼らなりの生活をして行きます。時折、ニアも巻き込まれ犯罪行為を無自覚でやってしまうところなど「今じゃん」と思ってしまいます。

 そして、このアニメの特徴ですが、その辺に道徳的な価値づけをしないことです。淡々と生活が描かれます。最後の方にニアがいなくなるという事件が起きます。隣にいる人間の大切さ、と言葉にすれば簡単ですが、ここで宇宙船の話と絡んできます。

 宇宙船は宇宙人にとっての故郷でありアイデンティティです。それがあるからこそ自分が自分でいられた。ニアに戸籍がないことが分かったり、どんな存在でもないことがわかる。
 でも、いつの間にか帰って来てまた、時間が過ぎてゆきます。ただし、元通りではありません。季節が進み夏から秋へ。これは別れに一歩近づいたような雰囲気を醸し出します。そして、宇宙船の作成に成功するニア。オープンエンディングで落ちがないように見えますがこの生活が永遠には続かないことを示唆しています。

 SF的にもニアに何かあるのではないかと薄ーく示唆されている気がしました。そして、それは誰でもある可能性なのかもしれません。受け取り方は人それぞれでいいでしょう。

 この作品を見ると今の日本の間違いは「皆平等、皆権利がある、貧困は悪だ」という思想に毒されているからでは?と考えが広がります。

 特に自分が人より経済的にも友人関係でもルックスでもそういうところが劣っていることを「理不尽」と捉えることが不幸の原因だと考えさせられます。最下層を受け入れると自分のやるべきことが分かる。UFO作りに取り組むニアの成果と予備校通いでニアに依存するヒロインの違いが非常によく描かれています。
 自由という言葉がちょっと安っぽく使われますけどね。最後の方を見るとあえて本質ではない感じを出したのかもしれません。

 とまあ、語り出すとSF的にもテーマ的にも素晴らしく、また、文学性もありました。非常にクオリティの高く現実感あるキャラデザが生み出したリアリティが不安や物悲しさを醸し出していました。最後のホタルと宇宙船の対比なども素晴らしかったです。

 ということで、この10倍くらいレビューできそうな読み取るべき内容が多層的で非常に深い2000年の名作です。受け取り手が自分の立場でいろんなことを考えることができます。ですが、なんとこのアニメがサブスクにないんですよね。私はリアルタイムではなく、中古屋の投げ売りで買った円盤があったので見られましたが…

 この作品が消えるのは余りにも惜しいです。20年以上前に今を予言したような、差別・区別・人種・出自・経済格差など人間には当たり前にあってその中でどう人間は生きてゆくのかという視点が素晴らしいアニメでした。

 以上のようにストーリー・キャラ付けはもちろんですが、OPを始めとした音楽性も豊かです。安易につけた満点ではないと思います。

投稿 : 2024/04/11
閲覧 : 427
サンキュー:

11

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

キャラクターとシナリオが薄味の世界観に没頭する為の作品

とにかく全体的には薄味な傾向にあると思います
なので、この世界観を良いとするか悪いとするかで内容変わってきます

そこまで凄い内容とか良い展開とか
そういうのが無いので、完全に世界観とか設定を楽しむ為の作品ですね
自分的な感想としては凄い微妙だったので暇潰し程度には良いと思いますが

別の作品と比較すると
別作品見た方がいいかなというレベルですかね

投稿 : 2023/01/27
閲覧 : 95
サンキュー:

0

白毛和牛 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

川澄さんと宮村さんが共演してたことは覚えてるが

この作品は川澄さんと宮村さんがメインキャラを演じて共演してたことは覚えてるが、
ちなみに本作は昭和的なレトロな世界観になぜか宇宙人とかが居たりする掴みどころがない世界観だが、
内容は単なる日常コメディ的だけど今から見ると悪くは無いが面白いとも言い切れない微妙な作品で
当時のマイナーアニメ愛好家だけが覚えてるだけの作品かなと。

【評価】

50点・1B級

投稿 : 2023/01/21
閲覧 : 104
サンキュー:

0

浮舟3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

非常に心に残る作品

2000年にWOWOWで放送された本作。

荏の花地区の銭湯「荏の花湯」を舞台に、宇宙人の中で最下層民である「ニア」と貧乏予備校生の「まゆ子」の日常を描いたコメディ作品である。

この作品は評価が難しい作品で、作画や音楽が格別に良いわけでもなく、感動するストーリーがあるわけでもない。

ただ、見ていて何か懐かしい気持ちにさせてくれる、そんな空気感を楽しむ作品。

この作品の良さは見た人にしか伝わらないので、評価を気にせず是非一度見てほしい!

投稿 : 2023/01/14
閲覧 : 126
サンキュー:

1

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宇宙人との貧乏生活。~夏~

2000年に放送されたアニメ。『NieA_7』(ニア アンダーセブン)全13話。原作漫画は全2巻。

常々思うのですが、アニメやオタクコンテンツはそれまで狭い範囲での供給とターゲット層で成り立ついわばアンダーグラウンド。一般的には認められない弾圧される趣味として細々と生きるもので固定のファンのみで形成されていたものだったと思います。マフィアがファミリーを大事にするように、自分たちのテリトリーにいる作品に対して否定的な意見も少なく穏やかだったように感じていました。

ここ最近、と言っても十数年でしょうか。娯楽のひとつとしてアニメーションが認められコンビニ感覚で一般層にも普及していて、大抵の方は[ジブリ、エヴァ、君の名は。]くらいは知っています。現在の親世代がアニメを見て育った世代なのでこれからは更に抵抗が無くなっていくでしょう。

それを考えると調度この「NieA_7-ニア・アンダーセブン」が放送していた時期は過渡期だったのかもしれませんが題材としてパブリックなイメージのアニメとは少し毛色が違う背景であったりBGMにしっかり“間”を持たせる、作中の空気を感じられるタイプの通好みで人を選ぶアニメ。盛んになってきたアニメ業界での避難場所というか密かな楽しみになっていて嬉しかったのです。大人がアニメ観てるの、なんてまだまだ言われてる時期でした。

2000年代中盤には通称「アニメバブル」が起きて深夜アニメも活性化して環境も少しずつ変わっていきました。アニメバブルの説明がし易い“年代別アニメ情報”のページがあります。
https://www.anikore.jp/chronicle/

2006年から数年おきにアニメの本数が爆発的に伸びてる年があります。
大体そのあたりがジャパニメーションが大きく変動するターニング・ポイントとなっていて、日本のアニメが賞をとったり社会現象になったことによって海外への輸出が多くなりました。2006年はその数字が顕著に出た年だったと言えます。本数は2014~2016年も勢いがよく2017年で一度落ち込みましたが今年はこのペースだと中々な数になるでしょう。

作品について触れると作画方法こそ多少古くなりましたがデザインとしてはあまり古くならないしナチュラルめな演技と環境音に雰囲気のいい劇伴とギャグベースの中に哀愁と温かさがあるストーリーが心地いい。宇宙船が飛来し難民として人間社会に住み始める設定は映画の「第9地区」なんて記憶に新しいです。

貧乏浪人の女子と居候の宇宙人が銭湯の2階にあるボロ部屋で喧嘩しながら笑いながらたまに破壊しながら暮らす。独特のギャグと共に送られる日常系に近いストーリーに波を作るため全13話を観終わった頃には緩やかなスロープに安堵感と、急な上り坂と下りが印象に残ります。

難点を言えば作画はあまり安定しないですし、ゆっくりと時間が流れ季節を感じる中で貧乏浪人生と宇宙人が仲良く喧嘩をしている“だけ”のアニメだということでしょうか。

“それだけ”だからこそ
ひっそりと自分だけが楽しめてるんだろうと、そう思えてたんですね。

私達の暮らす日常に近いけど遠い「宇宙人の襲来した世界」は流れる時間も 茹だるような暑さも食べないと腹がへることも友達と一緒に喧嘩することも 笑い合うのも、何も変わることはない。


ただ宇宙人がいる。 そんな日々。

投稿 : 2020/10/04
閲覧 : 697
サンキュー:

21

ネタバレ

ドリア戦記 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

作家の裏庭

一見すると脚本が灰羽連盟の安倍氏とはわからないかもしれない。

なんでこんなアニメ作ったのだろうなあという疑問が私の中で付きまとう。
出来が悪いというのではなく
灰羽連盟に付き物だった傷つきやすさや繊細さをどこかで忌避している作風。
なにかそういう繊細さを作り手が恥じている感すらある。

宇宙人で最下層の出身のニアは差別されるだけでなく戸籍さえない。
世の中からいないことになっている「透明な存在」。
でも「かわいそう」なんて言葉をうっかり使ったら
ぶっ飛ばされそうな野性児の逞しさと図太さがある。
盗みもカタリも物乞いもなんのその。生きる為には何でもする。
陽気で懲りない手に負えない反逆児のいたずらっ子。
インドや東欧のストリートチルドレンよろしく
他人が憐憫することを拒絶するキャラになっている。
なるほど憐憫はある種の優越性の確認でもある訳だから
誇り高く生きているニアに同情するような作りや設定は許されないだろう。


対する相棒の貧乏苦学生のまゆ子も恵まれているとは言えない。
ただまゆ子は金に苦労しながらも大学に行って卒業さえすれば
未来は明るいであろうという展望がある。
この何だかわからないが懸命に努力すれば
未来はそれほど悪くないだろうという展望を個人が持つのが昭和の特徴でもある。
平成に入って放送されたエヴァはその展望すら挫かれている。


まゆ子とニアは同じように貧困だが置かれた環境は違う。
物語は青春の無駄にグダグダ時間を過ごす感と
他人と自分を無為に比較してつまらないことと分かっていながらも
悩んでしまう開き直れない痛々しさを孕みながらも
2人の主人公のドタバタ劇と共に過ぎ去った日を懐かしむ色調で進む。


ストーリーの起伏は本当に何もない。日常を描写しただけの作品なのだが
物語が終盤になり、その日常が過ぎ去って見ると
日常こそがかけがいのないものであったことが実感できる。
青春は二度とない。時間は戻らず無慈悲に進む。
物語は時間の不可逆性を感じさせる作りになっている。


ただ難を言えば、作り手が自分の繊細さを恥じて何とか誤魔化そうと
無理している感がどうしても漂う点。
キャラは弾けているけど、無理して弾けているが伝わってきてついていけなくなる。
ギャグも盛大に滑っており、洒脱なユーモア感覚があると思えない。
しかしそれこそが青春の痛々しさであるというテーマでもある。
やせ我慢と言っていい。
「わかるよ。そういう自分が嫌いだったんだろう」と言いたくなるが
「別にいいんじゃないかな。
少し自己陶酔的なところがないと灰羽連盟のような作品は作れないよ」
と言いたくもなる。


またどうしてもかわいそうな境遇の主人公を描いてしまい
そういう人物しか本気で描けないというのも分かる。
ただ特に社会的な意義を求めようとする意識がある訳でもないだろう。
己のままに描いているようにしか見えない。
どちらかというとクリエーターとして問題は
「かわいそうな自分」という認識に耽溺してしまいがちな点である。


クリエーターが何か作品を生み出そうとする時
あるがまま、自分の個性を作品に叩きつけることがままあるが
どこかで報われないどうしようもない
自分のドロドロとした衝動を発散しようとする「ダメな自分」を客観視する姿勢がないと
万人にはウケにくい作品になる。

「かわいそう」な自分を投影した自己憐憫への耽溺とクリエーターとしてプロ意識を持ち
作品や自分を客観視しようとする葛藤が作品の背後に透けて見え
なんだか痛快な娯楽作品を見たというよりは
見てはいけない人の秘密を見てしまった感があるのはこのせいなのか。
生垣の隙間から裏庭越しに風呂でも覗き見るような気分にさせてくれる。

まあ作家とはそんな生き恥をさらしていく生き物なのだろうけど。

投稿 : 2019/11/14
閲覧 : 603
サンキュー:

1

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宇宙人難民とおもしろおかしく暮らせた古き良き20世紀

赤字続きの郊外銭湯が舞台の中心です。主人公がまじめな予備校生で、300円で二人分の晩御飯を調達しないといけないレベルの生活の日常が中心の話。二次元いっぱいに質素な20世紀日本の郊外が描きこまれています。

自由で前向きにしか生きられない宇宙人難民(ー7等級)が当局や役所では“現実”には存在しないとされているように、こんな清楚な人たちも現実にはあの当時から存在しなかったんじゃないかと思う。思い出の中の架空の、あの時代を抽出したような空気感。

生活に明け暮れ、将来何をしたかったも忘れ、いつか全てが失われてしまうであろう主人公の喪失感。そしてその対極にある難民宇宙人の“自由”。「さようなら」と聞く耳を持つものだけに告げて霧散する、宇宙人の母船。

あの時代の後、全てが変わってしまった後、この3次元いっぱいにあふれている喪失感と自由を確認できる稀有の作品でした。

投稿 : 2019/07/11
閲覧 : 359
サンキュー:

6

ネタバレ

よぞら さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

故郷の消失、目的を探すまゆこ

アンダー7のニアは、社会に存在しないことになっている。なぜなら「プラス5」から「アンダー5」までの宇宙人しか管理登録がなされていないためだ。

ニアは昔、宇宙船(母船)によって運ばれてきて、その母船もまた消滅する。そこに感傷はない。忘れている。忘れていても訴えてくる声をニアは聞く。とぎれとぎれになった声。

ニアには帰るところがない。
ニアと同居しているまゆこにはお金がない。

それをつなぎとめるのは「荏の花湯」という銭湯(場所)だ。
そこにも新たな開発の手が忍び寄っている。

帰るところもお金もない人びとという悲惨なテーマを、時代背景を交えながら、まばゆいくらい明るく描いた贅沢な作品。

投稿 : 2019/06/05
閲覧 : 376
サンキュー:

6

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

苺ましまろの佐藤卓哉監督

苺ましまろの佐藤卓哉監督の初監督作品です。

異星人が地球に移住してきて、地球の生活に溶け込んでいる異星人と人間の日常ギャグアニメ。
キャラデザは灰羽連盟の安倍吉俊氏なので、どことなく幸薄い感じではある。
そんなキャラデザもあって、予備校に通いながらバイトの掛け持ちをしているまゆ子は、いつもお腹を空かしての極貧生活をしてるが、そのバイト代は若手動画マンより多いですから(苦笑)とツッコミをついつい入れたくなってしまうのだ。

まゆ子CV川澄綾子
宇宙人ヲタちあ記CV折笠富美子
好きな2人が出てるだけで満足です。

投稿 : 2019/03/03
閲覧 : 342

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

純粋で素朴な懐かしき青春

 田舎暮らしも昭和風の街並みも、浪人生活も、苦学生的生活も、それから宇宙人にも無縁な生活を送ってきたけれど、この懐かしく、純粋な物語には心惹かれた。ちょうど夏の終わりに見たのでタイミングも良かったのかもしれない。
 前半はわりとギャグテイストなのですが大分前に見たので、後半のしっとりしたイメージしかないです。自分は後半のテイストの方が好きかな。
 テーマは、どんなものもいつかは過ぎ去ってしまう、でしょうかね。諸行無常です。青春時代も、その時代の風景や暮らしもお父さんやお母さん、幼かった日のあの気持ち、どんなものもいつかはなくなってしまう、時にはなくなったことにさえ気づかない。

 残念ながら僕の長い夏休みも今日でおしまいでした。悲しいなぁ。

投稿 : 2018/01/13
閲覧 : 396
サンキュー:

5

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

貧しさに在る癒やし。

アニメーション制作:トライアングルスタッフ
2000年4月26日 - 7月19日に放映された全13話のTVアニメ。
作者はgk(ジェロニモ本郷)と安倍吉俊。原作者によって『月刊エースネクスト』で連載されていました。
監督は佐藤卓哉。

【概要/あらすじ】

UFOが来て時が流れて、
当たり前のように宇宙人が地球で暮らして働いてて、地球人と共存している。
そんな世界の東京都荏ノ嶋区・荏の花地区の物語。
年代は20xx年となっていますが街並みは古めかしく寂れた佇まい。

宇宙人はプラスファイブからアンダーファイブまで行政上は区別されています。
このアニメのタイトルでお気づきでしょうか?
アンダーセブン、それは行政から見捨てられ戸籍上は存在せずに宇宙人同士で差別される最下層の存在。

このアニメのタイトルにある異星人の少女ニアは本作品の主人公でアンダーセブンで、
本来、宇宙人の頭にあるはずのアンテナが無いことから、あちこちで差別されています。
それでも、めげずに野良猫のように図々しく浅ましく生きています。

もう一人の主人公・茅ヶ崎まゆ子
彼女は大学受験に失敗して、赤字続きの古びた銭湯「荏の花湯」で働きながら下宿をしている少女で、
勉強は出来るけど、人付き合いが不器用で後ろ向きな性格。
父が故人で実家が裕福ではないのか、バイトを掛け持ちしながら毎日一生懸命な予備校生です。

ニアは、まゆ子の部屋の押入れに勝手に住み着いてて食事をたかりにくる。
まゆ子は文句言いながらも結局はニアの面倒を見ている。

いつも…ひもじく喧嘩ばかりしている、こんな二人を中心にした下町貧乏コメディです。

【感想】

昔は、単行本もDVDも揃えてたんですが、
今観るとキャラデザは良いのですが作画は忠実じゃないですし、ギャグもそれほど面白くない感じ。
でも何故か心地よい世界。大笑いするんじゃなくてゆるゆると侘しい雰囲気に同調して、
その世界観に浸って楽しむ、そんな感じですかもしれません。

1クールの前半は怪しいニセインド人な宇宙人やら、エセ中国人風宇宙人が出てきて、
ドタバタコメディ風なつくり。
そして後半は、夏の終わりを感じさせるどこか寂しげなシリアス風味のお話になっていました。

まゆ子の人生に対する不安、ニアにいつも振り回されるのが当たり前になっている日常。
物語は淡々と進みます。
結局のところ、このアニメは何だったのか?を考えると回答に困ります。
ただ、ひたすら雰囲気のままに謎とか全く解き明かされないまま終わりましたしね。

今はちょっと躓いてしまって、どことなく停滞を感じる人が、
まゆ子に自分を重ねて見たら心地よいアニメかもしれません。
肩の力を抜いて明るく生きてこうぜ!てメッセージが込められているのかもしれません。
よくわかりませんけどね!

主題歌を担当するSIONという歌手のがらがら声がいい感じに侘び寂びしてました。


これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

【関係ない話】

日本のインドカレー屋はインド人じゃなくてネパール人みたいですね。
私の近所にある店も店員が全員ネパール人なのですが、
ホットケーキみたいに甘くてとろとろに柔らかいナンが美味しゅうございました。

投稿 : 2017/10/28
閲覧 : 561
サンキュー:

52

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

異星人がうろうろしてるご町内の日常 そんなことより銭湯が大事とか

某糞掲示板では非常にお勧めされることが多い作品

アニメとコミックが同時進行なので、監督、原案、出版社、漫画家が共同で作った設定、ストーリーだと思う

監督脚本は苺ましまろやシュタインズ・ゲートの佐藤卓哉
監督としては第一作目となる

地球にどっかの異星人が大量に移民してきた社会を描いた日常SFアニメ
主人公ニア(宮村優子)は異星人でありながらアンテナが無く、マイノリティとしてやや嫌われる存在
茅ヶ崎まゆ子(川澄綾子)の家の押し入れに居候している
メガネオタクっ子(当時は非常に珍しい存在で驚いた)の小松ちあ紀(折笠富美子)や風呂屋を経営する女性樋山言実(落合るみ)などがメインとなって、繰り広げるSFというかお風呂屋ストーリー

まあなんといっても、みやむ~の素の演技が見どころでそれ以外は、笑えなくて唖然となるタイプのギャグアニメ
宇宙人はほとんど地球人と同化しているが、アンテナのない宇宙人は軽く差別しているようだ

なんだかよく分からないアニメのファンにお勧めしよう フッ


だが、結構いける ノリだけで見れる人なら気に入るかも

投稿 : 2017/05/30
閲覧 : 336
サンキュー:

12

らび夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大切な検索ワードを記す

「糞対談」

でも今調べたら昔のが無かった・・

投稿 : 2017/03/23
閲覧 : 320
サンキュー:

0

ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アンダーって言ったな!

各所でカルト的な人気を誇る安倍吉俊さんのキャラ原案、WOWOWで放送してましたね、予告のインド人の豆知識がシュールでした。
「灰羽連盟」も退廃的な日常を描いてるんですが、本作はもっと庶民的で馴染みますね。


<物語>
貧乏浪人生のまゆ子と落ちこぼれ宇宙人のニアが織りなす細やかな日常が描かれています。
"宇宙人が出てくるなんてSFアニメに違いない"と思う方も多いでしょうが、世界観を一応説明します。

・地球には沢山の宇宙人が住んでいて、どうやら海の向こうに見える巨大な宇宙船からやってきたようです。

・普通の宇宙人には"アンテナ"が付いていますが、ニアには付いておらず、宇宙人内ヒエラルキーは下のようです。

SFアニメファンならご講釈を垂れたくなるような世界観でありながら、分からないものを分からないままにしておくことで、独特の安心感を醸し出しています。
アニメなんて考えて見るものではないのです、と言われてるみたいな感覚に陥ります、気楽に見るくらいが丁度良いのだと思います。

<作画>
舞台は東京都荏の花地区、銭湯や商店街などの古い町並みが広がっていて、この郷愁誘う雰囲気も作品の魅力の一つでしょう。
イメージとしては1960年代くらいですかね、温かみのある背景が見ていて心地よいです。
人物作画も申し分なく、ずっと見ていたいと思えるような作品に仕上がってます。

<声優>
「エヴァ」のアスカでお馴染み宮村優子さんがニアを演じています。
天真爛漫なニアにはぴったりでしたね、他の方も勿論良かったです。

<音楽>
OPの「ここまでおいで」は一度聴いたら忘れがたい鮮烈な曲です。
喉を潰して歌ってるかのようなSIONの嗄れ声は、作品と似つかわしいような似つかわしくないような。
EDは「ヴィーナスと小さな神様」で、こちらは奮えるほど名曲ですね。
楽しげでありつつ寂しげでもあり、今でも聞くだけで涙が潤んできてしまいます。

<キャラ>
基本的には呑気な作品なのに、どことなく陰鬱で差別的だなと感じる要素もあります。
ニアは戸籍登録もされてないような宇宙人の最下層的存在、まゆ子もまゆ子で田舎臭い切羽詰まった浪人生。
下宿先の銭湯の経営は傾きかけ、辛いことしかなさそうな境遇の中で描かれる小さな幸せが、心を掴んで離しません。
岐阜県出身、という事ある毎に言及するまゆ子の設定。
どん臭くて思い切りがない田舎者の風刺、かなりネガティブな表現を感じました。
大体岐阜ではかき氷に酢醤油なんて掛けませんね、山形では掛けるようですが。
まぁそういう影のある設定が、見守っていきたくなるような不安定さを生み出していて、制作陣の技巧ともとれるのでしょうか。


{netabare} 最終話にて、形見の腕時計が壊れてしまうのですが、まゆ子は壊れたままの時計を付けて「ちょっとくらい遅れたって、私あんま急がないから」って言うんですよ。
浪人生と宇宙人という限定的で特殊な関係性の中で、これからものんびりと二人は生きていくんだろうなぁと夢想できる。
実にこのアニメの締め括りに相応しいと感動したものです。{/netabare}
裕福じゃなくても華やかじゃなくても苦労が絶えなくても喧嘩ばかりでも、確かな幸せがそこには描かれています。
こういうのでいいんですよ、アニメは。

投稿 : 2016/11/20
閲覧 : 410
サンキュー:

7

DB さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

宇宙人が普通にいるという設定やストーリーについては結構適当で、謎が多いまま終わるので何だったんだという印象はぬぐえないが、階級社会の中でみんながんばって生きているねという、何でもない日常の1シーンにちょっと癒されましたw

投稿 : 2016/08/28
閲覧 : 210
サンキュー:

0

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

_(アンダー)な住民達による華麗なる日々……の裏に隠された逃れられない現実

西暦20××年

時代は近未来の一途を辿っていた

「母船」すなわちマザーシップに乗って地球にやってきた宇宙人達

頭にアンテナが生えている事と耳が尖っている事以外、人間と姿形の変わらない彼らは地球人と肩を寄せ合って生き始めていく

あっという間に地球に順応した宇宙人

うやむやのうちに受け入れてしまった地球人

これはそんな近未来に取り残された昭和の原風景で繰り広げられる物語

社会から冷遇された者達が織りなす、夢一杯の喜劇の話


『NieA_7』
随分久しぶりの投稿となってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は2000年にWOWOWでのみ放送されたアニメ、『NieA_7』について語っていきたいと思います。
私の分かりにくいレビューで恐縮ですが、見て下さる心優しい方はどうかお付き合いください。

さて、この作品を一言で言い表すならば、とても「不思議な」アニメです。
未来で始まる宇宙人と地球人のシュールコメディ…といえば、何とも分かりやすくまとめられているのですが、その思い描いている先入観は第1話を観る前と観た後で180度変貌する事間違いなし!!
事実、私も脳内で考えていた「こういうアニメかもな…」という偏見を見事に覆えされ、良い意味で「これは当たりじゃないか…」と第1話にして思わせてくれた作品でありました。
まずここではっきりと述べたいと思います…
世界観と雰囲気構築、演出だけで言うならば、このアニメは間違いなくトップクラスです。
昨今、雰囲気アニメと呼ばれるものは数多くあります。
この世界が本当にあるような気がする、独特な世界観、魅力的な雰囲気を持っているのが雰囲気アニメと呼ばれる作品の特徴ですが、この作品はその解釈によるならば上位に食い込む部類かもしれません。
そして雰囲気アニメにおけるもう1つの特徴は好き嫌いがはっきり分かれる事。
自分に合えば楽しめ、合わなければ楽しめない、両極端の諸刃の剣的作品だからこそ雰囲気アニメと呼ばれる所以なのですが、その通り、この作品は意外に人を選ぶ作品です。
コメディであり、人情話であり、SFであり、ミステリーであり、日常であり、尚且つ何とも貧相なアニメ
所々に挟まれるギャグもはっきり好みの分かれる仕様となっております。
多くの要素が入り交じっている本作ですが、これを中途半端の産物ととるか、画期的な挑戦作ととるかでこの作品に対する見方が大きく変わる事でしょう。
私は後者の方だったので、何とか適合出来たといった所でしょうか。

話が少し脱線しますが、ご了承ください。
SF作品において、進歩しすぎた未来では過去の生活に逆行する人々が増えるという設定がよく出てきます。
これは進みすぎた未来についていけなくなる事で過去を懐かしんだりする人が増加するからという裏設定があったりするものなのですが、『NieA_7』に出てくる荏の花地区やそこに住む人達もそんな過去を懐かしむための舞台という立ち位置になっています。
しかし、時代の流れというのは時として残酷です。
変わらない物なんてないといわんばかりに、未来へと進む時流は荏の花地区にも当然の如く訪れてきます。
そんな時、そこに住む人々はどういった事を想うのか…
どのように考え、悩み、決断していくのか…
このアニメはそういったノスタルジーから始まる心情の数々にも目を向けた重厚な作品となっております。

勘の良い方は既に察しているかもしれませんが、『NieA_7』に出てくる登場人物達はどこかしらに_(アンダー)な部分を抱えて生きています。
例えば作中では地球人によって宇宙人は階層、位が設置されているのですが、主人公のニアはその中でも最下層の「_7」(アンダーセブン)
位の高い宇宙人はニアなどの位の低い宇宙人を侮蔑して生きています。
また、もう1人の主人公、まゆ子は生来の他者と上手く関われない不器用な性格により予備校での友達は少なく、人間関係に悩んだり葛藤したりする描写もあります。
他にも都心の会社勤めと赤字続きの銭湯「荏ノ花湯」の管理を一身に受け持つ琴美さん、不器用な性分でありながらも懸命に売れてない洋食屋「かるちえ」を経営している狩田父娘、落ちこぼれエリートの中国系宇宙人など、何かを抱えた人が多く出てきます。
そんな彼らも悩んだり悩まなかったり…
格差社会に生きる弱者達が紡ぐ、精一杯の喜劇
それこそ愛すべき、『NieA_7』という作品を象る大きな要素なんだと思います。
視聴者である私達には一体何ができるのか…そう、見守るしかありません。
笑いと愛の溢れた彼らの生活を心行くまで堪能するとしましょうよ!!

さて、これにてレビューを終わりたいと思います。
私は生粋の真面目な性格なので、宇宙人の差別に最近の欧州移民問題を置き換えて考えてみたり、まゆ子の人間関係の不器用さに自分も共感して少しブルーになったりしましたが(笑)
これから視聴する方は気楽に近未来昭和コメディ?を楽しんで下さい!!


PS.
次回予告の枠では作中に登場する面白インドかぶれ宇宙人、チャダのイメージタレントであるダルジットさんによるインド豆知識コーナーが入ります。
なんとこのダルジットさん、TVチャンピオンのカレー選手権インド料理部門で優勝した実力者
そんな凄いお方をこのコーナーの為だけに呼んだスタッフは更に凄いですね…
彼によるギャグの織り交ざった10秒ばかしの日本語インド解説はたまに聞き取りにくい時も(笑)
なお、その映像はシャネ・パンジャブというインド料理レストランで実際に行われており、現在ではカリカという名前に変えて店を構えているようです。

投稿 : 2016/04/02
閲覧 : 396
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4

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

予備校生と宇宙人のSF日常系夏物語

予備校に通う茅ヶ崎 まゆ子と、まゆ子の下宿先にいついている宇宙人の少女ニアのドタバタ日常コメディ。

まゆ子の下宿先は1階が銭湯になっていて、そこでバイトをしながら、予備校に通っている。ニアが下宿の天井を吹っ飛ばしたり、銭湯で働く人達やわけのわからない外国人ぽい宇宙人も入り乱れて中々カオスな日常。
まゆこは不器用な性格からか、予備校での友達も少ないが、オカルトオタクの小松ちあ紀と宇宙人繋がりでなかよくなっていく。

みたいな感じがあらすじです。わからなかった人は公式サイトのあらすじを見てください。

感想

このアニメで好きなのは、夏を感じれたことでしょうか。夏の木漏れ日やせみの声がこのアニメを振り返ると思い出されます。あのじりじりと照りつける日の光や、湿気を含んだ蒸し暑さが見てると自然と感じてきます。

見てた当時はまゆ子のことを浪人生だと思ってました。(予備校生という発想がなかった。)

まゆ子の声優は川澄綾子さんなわけですが、今で言うゲス声や絶叫声が素晴らしく面白いです。


他の予備校生の女子は今風の服を着てキャピキャピしているけど、まゆ子は地味な服を着て、あまり都会のお店にも入らない子です。
銭湯で一緒に働く人たちからもらう暖かい関係と、ケンカしながらも仲の良いニア、都会で出来た数少ない友達のちあ紀、まゆ子は都会になじめないけど、周りには打ち解ける人たちがいる、そんな関係、そんなひと夏の物語が心地いいなあと思えました。

{netabare}
最後は夏の終わりが来て、少し変わったような変わらないような、ずっと一緒にすごした何かと別れたような不思議な感じで、少し切ないような気持ちになりました。
{/netabare}

エンディングテーマ「ヴィーナスと小さな神様」がとてもEDとしていいです。見終わってからこれを聞くと、今日も一日が終わったなあ、そんな気分になります。子供時代を思い出すようなせつなさもあって、このアニメにぴったりです。

このアニメのおかげで、SF日常系、宇宙人と人間が共生するジャンルが今でも大好きです。

拙いレビューですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿 : 2016/03/23
閲覧 : 466
サンキュー:

29

ネタバレ

任意ラヂヲ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ハチャメチャインドSFコメディに隠されたもの

だめだめ宇宙人のニアと、貧乏な浪人生まゆ子の、荏の花湯という銭湯の一室での日常生活。昭和風情の奇妙な共同生活をこれまた奇妙な宇宙人と珍妙なインド人で彩る作品。考察系なのですが、アンダー7やクレーター、母艦と言った謎の言葉はすべて投げっぱなしジャーマン。安部作品らしい不条理感。全体的に冴えないギャグ。おそらくこれらは視聴者のためではなく、退廃的な日常を寂しさを紛らわして生きている主人公達を表現するためのもの。テーマは「格差・劣等感・社会的弱者」
SFテイストじゃりん子ちえインド風味、という表現がものすごくしっくりきます。普通の人々と宇宙人が一個の低所得生活区域を気づいてる世界観。苦境の中でも人々の中にある絆。何重にもオブラートに包んだ社会風刺。
妙に記憶にひっかかるような作品でした。目を引く強みはないですがC級SFハチャメチャギャグものだと、期待しないでみるとよいでしょう。きっと驚いちゃいます、私のように。
いろいろな作品を見ましたが、この作品で描かれる「夏」が一番好きです。

最後に、ノスタルジックな世界観をたのしめれば勝ちかもしれません。肩の力を抜いての視聴をオススメします。

視聴の際は、次回予告を勘違いの塊の知識でお届けするインド人に気をつけて下さいね。

追記 まさかのBDボックス化決定でインド人もびっくり
2015/12/2発売です

投稿 : 2015/08/26
閲覧 : 452
サンキュー:

5

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

雰囲気アニメってこういう事か って作品

 別に評価が高い作品でも無い訳ですが、Lain・テクノライズ・灰羽連盟が気に入ったので一応見ておこうかと。

 まぁ基本はシュールなコメディという事ですが、流石に表現手法に古さは感じますね。今、この作品に笑いを求めて観る人は居ないと思うので・・・
 では、示唆に富んだ味わい深い作品かと言うと・・・・
私は雰囲気は好きですね。同意は求めませんけど(汗)
感動とかそういうモノは無いですけど、とても雰囲気はイイです。
宇宙人たちが地球に来た時の母船がおぼろげに遠方に見える世界。
しかもふざけたカタチな上、アホ毛みたいなアンテナ付いてますけどw
宇宙人たちは地球に溶け込んで生活はしているものの、+5からアンダー5までの階層付けされてたり。
そして下位の宇宙人たちは母船墜落時の影響で出来たクレーター後にバラック住まい。その近くの昭和な感じの荏の花地区という町に住むヒロインのまゆ子、そして街の中心は現代風。
私みたいな昭和世代にはとても郷愁を誘う荏の花地区の雰囲気。とても懐かしい感じです。そして貧しさを示唆してるバラック住まいの下位宇宙人達。
 正直、私ら世代ですらバラック住まいなんてのは身近には残ってませんでしたしね。でもギリギリそういう貧しい家庭ってのが身近には有ったし、この感覚は現代の若い人には判らないかも。

 母船の墜落は戦争、そして街の中心に近づくにつれ現代に近くなっていく構造は戦後の復興ともとれますが・・・2000年代にそんな事匂わす作品なんて作るもんかな?とは疑問ですけどね。
そして舞台となる銭湯荏の花湯に買収話が持ち上がり、ほぼ時を同じくして荏の花地区の景色の一部だった母船が霧散していく。
変わっていく時代と失っていく漠然とした不安感ってものを、不思議な感覚で観る側に伝える見せ方は上手いんじゃないかと。

ただ、そういうノスタルジー売りの作品として見ると、意味不明な実写のインド人の予告とか、顔のデカいインド人風宇宙人チャダとかインド押しの訳ワカメな感じが、いい雰囲気に水を差す難解な作品で御座います(汗)

なんかとても説明が難しい作品ですが、とりあえず私はお勧めはしませんw
でも不思議な魅力は有る作品だと思います。
OPとか挿入歌がシオンって、何気にスゲェ選択だし。

投稿 : 2015/06/29
閲覧 : 383
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大切な人がいる日常。

内容としては、ほのぼの・ドタバタ・下町人情・宇宙人・インド人等々ごっちゃになってる非日常系コメディです。

貧乏苦学生の主人公が、下宿先の寂れた街でヘンテコな宇宙人と同居する日常。

変人だらけだけど、どこか優しい。
騒がしい毎日だけど、なぜか落ち着く。

日常系とか癒し系とかまだそういう区分けがなかった頃のアニメですが、これはすごく癒されます。
藤子先生が提唱したSF(すこしふしぎ)な世界に近いものがあります。
作画もちょっと粗がある部分ありますが、これには綺麗すぎるよりむしろ緩い線がちょうどいいです。


このアニメは「今のままでいいのかー」とか「このままじゃダメだー」って余裕のない人が見るととっても良いんじゃないかと思います。
現実逃避・・・というよりは今一度自分を見つめ直す時間を与えてくれる、ぽっかり空いた穴に気付かせてくれる。むしろ現実に則したテーマが込められています。

主人公のまゆ子に感情移入すると、分かりやすくて入り込めると思います。
没入感のあるアニメを求めている方にオススメ。




一つ注意点が。
DVDで見る場合チャプターメニューがこれまた不思議な仕様になってますので見る際は気を付けた方がいいです。自分も翻弄されました。

投稿 : 2014/09/11
閲覧 : 236

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

サ・ヨ・ナ・ラ  【ねこ's満足度:85pts】

”超”がつくほどの貧乏浪人生・まゆ子と、居候のニート宇宙人・ニアの交流を描いた物語。
昭和の香り漂う東京・荏の花(なのはな)地区を舞台とした、アットホームなドタバタコメディです。

宇宙人がいることが当たり前な世界。そんな宇宙人を地球人は階層分けします。
ニアはその中でも”最下層”にあたる、『_7』(アンダーセブン)という位置づけです。

社会的弱者に対する差別や偏見、「臭い物には蓋を」的な社会の理不尽な仕組み。
まゆ子やニアの目を通しながら、それらの現実問題をシニカルに描いています。
そして、そこから指し示されるひとつのテーマ……それは『自分とは』。
最終話でニアが発したあるセリフ。そこに、この作品のすべてが要約されていた気がします。

ただ、そういったシリアスな部分は、この作品ではあまり前面に出てきません。
各所に散りばめられた伏線”らしきもの”も、最後までハッキリと触れられることはないです。

まゆ子とニアの口喧嘩、チャダをはじめとする宇宙人たちのハチャメチャ劇。
銭湯・荏の花湯のオーナー&従業員、”かるちえ”親子、予備校の友達との交流……。
お話の中心にあるのは、あくまでも主役二人の騒々しくも温かい日常の一コマなのです。

変わらない日々。でも確かに変わっていくものがそこにはあって。
そんな日常系の”ツボ”も、しっかりと抑えています。

派手さは無いし、ギャグも寒い(古い?w)。
考える楽しさはあるけど、答えは用意されてない。
でもなんだかとっても居心地のいい作品です。好きだなぁ、こういうの。

投稿 : 2014/09/02
閲覧 : 530

mikuzo- さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ゆったり日常もの

 世界中に宇宙人がいる時代。予備校通いの主人公とその下宿先に住み着いた宇宙人の日常を描いた作品です。ジャンルはギャグ、日常、ほのぼのあたりでしょうか。

 毎度毎度、宇宙人がおかしなことをしでかし、それに主人公達が振り回される流れで話が進みます。そんなわけで主人公はよく宇宙人に対して怒るのですが、二人は決して仲が悪いわけではなく、むしろ信頼しているからこその行動なんだと思います。そういう所が安心感を与えてくれて、毎回、安心して視聴できました。ただ、基本的にテンポ良くストーリーが進んで行くのですが、たまにどことなく哀愁というか、後ろめたさが感じられるシーンがあり、そういう所も魅力の一つなのかなと思います。

 アニメ的には、作画は古く(2000年放送)、音質も良くありませんでしたが、宇宙人と主人公の声を担当されているのが、宮村優子さん(言わずもがな、エヴァの「アスカ」役)と川澄綾子さん(のだめカンタービレの「のだめ」役)お二人でしたので、楽しんで視聴できました。

 作りが荒いようなシーンも所々ありましたが、僕の様に、あまり細かい所まで気にしないという方は楽しめる作品だと思います。機会があれば、是非一度どうぞ。

投稿 : 2014/05/21
閲覧 : 249
サンキュー:

4

ハックロー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

貧乏暇なし

安倍吉俊原作のギャグ漫画

宇宙人が飛来し地球で人類と共生するようになった世界。
超貧乏アンダー大学生(予備校生)のまゆ子と宇宙人ランクアンダー7のニアとの共同生活は毎日がトラブル続き、
そんなひと夏に出会う人々と町の物語。

まゆ子の極貧生活を楽しむアニメ
オリジナルの話が多く、ファンは楽しめます。
個人的には漫画の方がギャグセンスや絵がいいので
気になった方は見てみるのもいいと思います。

漫画はノスタルジックな一面や終わりがいい終わり方でしたが。
アニメは終始、日常アニメを貫いていました。

ノリや動きが今の世代とズレが大きいので昔のアニメを見るという心構えはあった方がいいと思います。

投稿 : 2013/11/16
閲覧 : 315
サンキュー:

5

ネタバレ

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

埋もれすぎた傑作。考察系アニメについての雑談。

宇宙人が出てきます。UFOも。
だからってハードSF的な何かを期待している人は今すぐ回れ右です。
そんないいものではありません。

ただのビンボーな女子浪人生のお話です。
ひもじさでいえば『びんちょうタン』といい勝負でしょう。それか撲殺のサバトちゃん。
なにせ酢飯にグリンピース乗っけて「イクラ!」と言い張る残念な女子の物語ですから。

かなり地味な上に演出のセンスがふた世代くらい前のものなので、今観るとガチに声出して身震いしちゃう類のアニメ。それに耐えられることが最低条件。

くわえて、物語至上主義でない人。
すっきりと腑に落ちるような、明確に形どられたお話でなくても、内容次第で受け入れることができる人。わかりやすいオチや解決がなくても泣かない人。

そういう方には超絶オススメしたい傑作なのです。

自分の中では、「キワどい作品」という評価で落ち着いています。どのようにキワどいのかは、最後の方で、いわゆる「考察系」というモノに対するスタンスやらの与太話と絡めて軽く触れてます。


●「正常に」歪んだ世界。生きる上でのランクとは
{netabare}
合コンの回はけっこう印象的なのです。
あまりにも当たり前になってしまった、どうしようもない世界のいびつさを再認識させてくれた、という意味で。

もし予備校生どうしの間でランク付けがあるとしたら、これはもう絶対的に「成績の優劣」であるべきであって、綺麗な服を着てるとか、髪型が可愛いとか、携帯持ってるとか、そんなことではけしてないはずなのです。
にもかかわらず、成績優秀な苦学生まゆ子は、自らの経済力の無さを恥じてしまう。垢抜けなさに劣等感を抱いてしまう。真夏に秋冬モノのジャケットとニット帽を着込んで、ニコッと笑顔を作ってみせるシーンはヤバイです…。

こんな理不尽なことがあるでしょうか。あっていいはずがない。

しかし、この理不尽な格差表現を、わりとすんなり理解できてしまえるのが、自分を含めて一般的な現代人の感覚でしょう。予備校で良い成績を取ることなんかより、現に充実した物質生活を送っている姿を勝者の側にとらえてしまう。

そして、同じように理不尽なランク付けで差別を受ける宇宙人ニアがいるわけです。戸籍上存在すらも認められていないアウトカーストな「アンダー7」の宇宙人。しかもなぜそうなったかは作中ではわからない…。なにひとつ納得のいく説明がされない。理不尽の度合からいったら、まゆ子の比ではないでしょう。

彼女たちはしかし、境遇の弱者どうし、互いに傷を舐めあうようなことはけしてせず、それどころか、「いいかげんにしろよ低級宇宙人!」「だまれ貧乏浪人生!」てな騒ぎです。考えてみれば、こんなことを言い合える関係って、すでに尋常ではない仲の良さですが。

終盤、ニアが戸籍対象外の要らない子と知って、憤慨するまゆ子の姿があります。
「うざったいアイツ」のために、心底怒りをあらわにする彼女の姿がなんとも印象的で、あの場面で、「元々いないんだってさ…」と悲しげにつぶやく彼女の声は、けしてニアだけでなく、自身の境遇も含めた上での、やるせなさや理不尽な差別に対する、せいいっぱいの告発のようにも思えました。
{/netabare}

●自由なニア。まゆ子のきっかけ
{netabare}
まゆ子にとって身近な人物が、ニアの「自由」を羨ましがるくだりがあります。
幼馴染みの源蔵、予備校仲間のちあ紀、そして銭湯のオーナーである言実さん、の三人。
ちあ紀に至っては、ニアをして「自由の女神」とまで評します。
信頼できる身近な人間が、アンダー7の要らない子であるニアに、「自由」というたしかな価値を見出していました。このことが、まゆ子にとって、ふっきれるきっかけの一つになったのではないかと。

ニア復帰後は重要シーン目白押しですが、その中でも特に目を引いたのは、アンダー出身であることがバレてスターの座を降ろされた宇宙人が、汚れ芸人に身を落としているくだり。
彼の姿を見て、「かるちえ」のマスターはこう言う。

「いいんじゃない?ふっきれてて」

「落ちぶれた」とか「必死だな」ではなく、「ふっきれた」と表現してくれる、あのさりげないシーンこそ、まゆ子にとって、そしておそらく多くの「境遇の弱者」たちにとっての、優しい道しるべになっていたのではないかなと。

そして季節はめぐり、秋。
ちょっとだけふっきれたまゆ子の姿が、いつもよりほんの少し頼もしく見えました。
{/netabare}

…というのが、なんとなくの感想なのだけれど、これをニアを軸とした話として捉え直すと、また全然違う形になるはず。まずあの、どうにも虚ろさが漂うカラ元気を疑うところから始めないとダメでしょう。誰かニア目線での感想をうpしてほしい。

いずれにしても、終わってみれば「うん、だから?」という話ではある。
背後に広がるテーマにはたいへんヘビーなものの片鱗を感じるけれども、特にそういったものに思いを馳せない限り、表面上のストーリーは実に他愛もないというか。

ぶっちゃけ、「結局何がどうなった?」という身も蓋もない見方をしてしまうと、「何もどうもなってない」んです。少なくとも大筋では。
ひとりの少女がちょっとだけ逞しくなりました、とかその程度のお話。
すごい乱暴な言い方ですけども。

でも不思議と消化不良な着地感はない。
静かに何かが変わっていく様がどこまでも心地よく、希望に満ちた爽やかな余韻が残ります。

『NieA_7』、傑作です。

**

●完全なる余談 『NieA_7』は考察系なのか

解釈の多様性を許容する作品は大好きだけども、解釈の上で作品の「空白」を埋めさせる作業を強要する作品は正直好きではありません。
もっと端的に申し上げますと、作中で描かれていない「意味深な何か」を過度にありがたがる態度や、そう仕向ける物作りの姿勢というのを、蛇蝎のごとく嫌っています。

その延長線上の話として、「考察系」というものをはたしてどういう意味で捉えたらよいのか、なかなか難しいと思っていて、つまり、

・単純に多様な考察を許容する「懐の深い作品」のことなのか
・なんらかの考察で空白を埋めないと「楽しめない作品」なのか

どちらなんだろうと。

ここではあくまで後者の意で考察系という言葉を使っていることをご承知おき願いたいのですが、もしそうだとした場合に、この『NieA_7』という作品は、はたして「考察系」であっただろうか。

多くの解釈や考察を許容する作品であることは間違いないです。
観る者の性格や境遇、性別や年齢、そういったもので、与えるインパクトの芯がちょっとずつ違ってくる懐の深さが魅力の作品だろうと思っています。

しかし、解釈や考察で空白を埋めないと楽しめない作品であったかどうか。

これが、冒頭「キワどい作品」と考えた説明にもなるのですが、答えは「NO」です。
キワどいところで、考察系の体をなしていない、と受け取っています。

たしかに、{netabare}母船、アンダー居住区、銭湯、レトロゲー、蛍、遅れた腕時計、バスの乗車賃{/netabare}など、象徴的な表現が多いのが本作の特徴であり、そこから敷衍して語られるべきテーマというのは、まあ、それなりにあるのだろうと思います。自分なりにこうだろう、という考えももちろんあるし。

ただ、それはマストじゃない。全スルーしても問題ない。

つまり、この作品は、究極的には、まゆ子とニアという二人の主人公による、感情のぶつかり合いを描いた、ただそれだけのお話だろうと。
まゆ子にとって、自分勝手でワガママで、かけがえのない存在であるニア。
べつに物語の空白を埋めるまでもなく、ただそれだけの描写でもって、十分に娯楽として楽しめる水準に達しているのです。

だから考察系ではない、と。

人によってはどうでもいいことかもしれませんが、自分のように、エンターテインメントに対して、ある種の原理主義的な感情を持っている人間にとっては、この、のるかそるかは生命線だったりするのです。*1


*1
そういう意味で、自分基準でいくと、エヴァですら、微妙な線上でこそあれ、考察系とはとらえていません。
意味深なあれこれをこれみよがしに散りばめて、多様な解釈を暴走的に喚起させた上で「なんか奥深そう」という感情を過剰に焚きつけてくるところや、「あとはあなた次第」みたいな態度は、好きか嫌いかで言ったら、大嫌いです。

それでもやはり、自分基準でエヴァは考察系ではないのです。仮にそれらの意味深な要素をぜんぶスルーしても、十分に楽しめるだけのエンターテインメントに仕上がっていると思うので。

正直に申し上げまして、「空白を埋める」てところまで含めた上でのエヴァという物語そのものに対しては、はっきり言って理解不能かつ興味もわかず、強いて言うなら「意外とふつーだな」、というのが、リアルタイムで観てたときから今に至るまでまったく変わらないスタンスだったりします。

たぶん今までの人生で、自分がエヴァについてもっとも深く語ったことといえば、「初号機のカラーデザインって革新的だったよねー」とかその程度、
そういう、物語以外の観点でしか、食いつくトピックもない作品だったりします。

でも、それってすごいことなんですよ。

身近に、2D・3Dのデザイナーさんがいる方は、ぜひエヴァがデザイナーに与えた影響というのを聞いてみるといいですよ。たまにめちゃめちゃ面白い話を聞けたりしますから。30代のデザイナーさんがいいかな。
そういうセンスを持った連中が、様々な制作現場で、今まさにチーフ的なポジションを務めるようになってきてるわけです。なかなか感慨深いものですよ。

だからもう、エヴァが作り上げた映像表現という、たったそれだけの価値で成立しえている娯楽性に対して、私はひれ伏さざるをえないのです。物語なんて二の次で。

断言してもいいですが、もしエヴァが「物語的な空白を埋めること」を、楽しむ上での絶対条件にした作品であったなら、ここまでのムーブメントにはなっていません。

それこそ、パンピーなめんなって話です。

投稿 : 2013/08/03
閲覧 : 1227
サンキュー:

13

coldikaros さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これまた特殊な

ほとんど全く華の無い主人公のところにこれまた華の無い宇宙人が居候をしてコメディを繰り広げるという日常系のお話です。
しかし、この作品にはもう一つ特徴があって、作中の空には宇宙人達の元の居所である母船がぼんやりと見えるのですが、これと居候をしている宇宙人ニアとの関係がこれまたぼんやり描かれており、視聴者にあえて深読みさせるような構成にしてあります。
これが作品に不思議な薄暗さと深みをもたらしており、それが面白いところでもあります。
ただ、本当に残念なのはこの作品の雰囲気を描くために当時の映像技術では追いついていないところでしょう。
今の映像で作ったのなら作品の雰囲気をもっと表現できるのではないだろうかと思います。
本当に斬新なものを今でも感じます。
作品の内容からして別におすすめするような作品ではありませんが、マニアは何か感じられる作品だと思います。
少なくとも個人的にはかなり印象に残る作品でした。

投稿 : 2013/07/23
閲覧 : 342
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

無常観。

アニメより漫画派です。
漫画は社会風刺を織り交ぜながらのドタバタ劇も凝縮されていて面白いし、「まゆこ」の心情描写も分かりやすい。アニメはかなりゆるい内容なので、普通に飽きてしまう可能性が高いし、やや分かりづらい部分があります。ただ要所においてはアニメの方が核心をついている感はあります。

・以下はアニメのレビュー

SFだけどノスタルジックでアットホームで人情味のあるコメディです。
しかしながら、格差社会・被差別部落もしくは在日問題?といった背後にありそうなテーマは実はかなりヘヴィなのです。2000年頃の作品ですが、今現在でも十分通用するというか、むしろ今の時代にこそ合っている作品かもしれませんね。

ニアとまゆこは心の拠り所となるものの喪失に直面し、いかに己が社会において小さく弱い存在であることを思い知らされる時が来ます。それでも目に見えて彼女たちが成長していくわけではありません。ただ、移りゆく時間を受け容れて、少し心の有り様が変わるだけです。その悟りの瞬間は美しいけどあっけないものです。

NieA_7は仏教的な思想に基づいた作品なのでしょうか?だとしたら確かに「灰羽連盟」に匹敵する考察系アニメでありましょう・・・が、無学な私にはよく分かりません(笑)ご教授頂きたいです。日常系アニメにかなり近いものがありますが、その本質は「無常観」を描いたものに見えたので、似て非なるモノなのかなと思います。もし視聴し終えて釈然としなければ、漫画を読むをオススメしておきます。

投稿 : 2013/05/06
閲覧 : 290

papa0080 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

AM11~PM7~

宇宙人がふつうに存在して地球で暮らしてる、そんな中での日常アニメ
まゆ子は学生、引っ越した先には何故か同居人になる宇宙人のニアが居る

まゆ子は貧乏学生、ニアは最下層宇宙人、どちらもあまり良い環境ではない
だけど、だからこそ一般人は共感できる部分があるんではないか

日常系アニメ、と言ってもこの作品はそんな言葉が出来るかなり前のもの
しかも宇宙人が居る設定で日常系と言っていいのか悩むところ

基本的に派手なシーンはなく、頑張ってるまゆ子とだらけたニアを見てるだけ
下宿先が銭湯を営んでいてそれにまつわる話はなかなか現実的ながら
シュールなような頑張ってるような、本当にそれで大丈夫か?な話が楽しい

そんな中で異質なのはニアの知り合いの宇宙人たち、これが結構キャラが立ってて面白い
タイトルはある宇宙人に関係する話です

ゆる~いアニメ、とはいえ毎回不思議と飽きない展開だと感じさせてくれる
日常系と言っても最近のはなんだかんだ非日常な気もするなか
宇宙人が居る設定なのに妙にところどころリアルな日常感を放っている

面白いよ!とか見てみてよ!、という気持ちは全くないんですが
何でか忘れられない作品、棚に置いておきたい作品
アニメを長年見てるとそういった物が皆さんあると思います
自分にとってはたぶんこれがそうなんだと思います

投稿 : 2012/09/02
閲覧 : 383
サンキュー:

5

system-∀99 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

疲れたときに見るといいかも

癒し系というかなんというか、このアニメは疲れたときにぼけーっと見るのがいいのではないかと思います。

前半はギャグアニメ的な展開が多いですがその中にも荏の花湯とその周辺の下町風情、宇宙人の差別、そんなものもちらと描写されているって感じがありました。

後半は少しシリアスな展開がありますが前半でしっくりこなかったニアが少し好きになれましたね。

それと貧乏ながらもニアとともに生きるまゆ子はこのアニメで一番好きになれました。

家族で、ひとりで、ぼけーっと観る。そんなアニメですね。最後のインドの豆知識も好きです。

投稿 : 2012/08/22
閲覧 : 271
サンキュー:

5

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

日本よ、これがアニメだ。

本作、実は安倍吉俊のイラストに魅かれて観始めました
最初はドタバタコメディかと思っていたら意外と考えさせられる作品でした(正確に言うと一時以外終始ドタバタコメディでその裏に色々と隠れているといった感じ?)
所謂考察系のアニメです、格差社会等々の大意や回収されていないようで回収されている伏線、秀逸です
まあ、自分にはこの奥深い物語について魅力的に説明できる能力が無いんで書けません(笑)、誰か書いて!(笑)

作画のレベルがあんまり良くなかったのは苦痛でした(2000年の作品なのでしょうがないですが)
あと、CV川上とも子のカーナの出番…おいおい

このあにこれというサイトに『NieA_7』という秀作のレビュを書く事が出来る人が居ることを期待しています、待ち望みます

投稿 : 2012/08/19
閲覧 : 463

jagaimo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

NieA_7ってなんかかっこいいね

ストーリーなんてない
ただのお笑い日常劇かと思いきや
半分過ぎたあたりからなにやら真面目な感じになって
でもなにやらわかんなくてww

ぶっとんだ効果音とキャラクター
ニアの存在感、インド人とかインド人

なんだそれ!?ってなれば正常です
EDがすごいよくて
あぁなんかいいなーこれってなった後に
リアルにインド人出てくるんだもんなー
ぶっとんだアニメですよまったく

投稿 : 2011/07/27
閲覧 : 435
サンキュー:

4

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NieA_7-ニア・アンダーセブンのストーリー・あらすじ

地方の高校を卒業したまゆ子は、予備校に通うために上京した。下宿先の銭湯の自分の部屋には、既に先客が待っていた。異星人の少女のニアである。まゆ子はこの異星人との共同生活を、不本意ながら開始する。
苦学生のまゆ子は身勝手な同居人の存在に苛立ちつつも、何とか二人の生活を必死で維持しようとする。優しい地球人や、決して悪者ではないが一癖有る破天荒な異星人達に囲まれて、2人の日々はいつも賑やかに騒々しく過ぎて行く。そして、ニアは突如まゆ子の元から消える。(TVアニメ動画『NieA_7-ニア・アンダーセブン』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2000年春アニメ
公式サイト
www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/niea/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/NieA_7

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