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「シムーン(TVアニメ動画)」

総合得点
62.2
感想・評価
114
棚に入れた
589
ランキング
4899
★★★★☆ 3.6 (114)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.7
キャラ
3.7

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シムーンの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

レトスぺマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この作品は自分自身の心の目を優しくさせながら見ましょう

長文なので本文はネタバレで隠します。

{netabare}
西村純二氏の監督作品と聞いて皆さんは何を思い出すだろうか?
これを考えたときに本作と同じスタジオディーン作品であれば、「逮捕しちゃうぞ(TV版)」「今日からマ王!」。
そして2016年放送の「ばくおん!」といったところだろうか。
だから、私が思う西村純二氏は「コメディーを主体とした物語の演出がとても上手な監督」というイメージがまず始めにある。

しかし、そのコメディー作品に挟まれるようにして「true tears」「グラスリップ」といったいわゆるP.A.WORKSでの作品は、上記に挙げたものとはかなり毛色の違う作品となっている。
そこに共通するのは「思春期特有の恋愛観や心の揺らぎ」を描いていることであり、登場人物周りのバックグラウンドのわかりにくさ、そしてある種のミスリードがある。
こちらは結果的には賛否両論に至ったが、それでも私としてはこのような作品も作れてしまうのだな、という驚きがあったわけだ。

では、その2作品の潮流の源とはなにか、と考えたときに「シムーン」の存在がかなり大きいだろうと勘の鋭い人であればすぐに想像することができただろう。
そして、作品から放たれる世界観、キャラクターの心理描写の格式の高さにおいては、その2作品と比較することは一概に難しいものの、頭一つ分以上抜きんでていた印象がある。

なのでこのレビューでは、本作品の「格式の高さ」についてなぜそう思えたのか理由を整理してみたい。

まず一つに「世界観の異常なまでの狭さ」が挙げられる。
一口に世界観といえども、なにを基準とするかによって解釈が異なってくるが、本作品においては、バックグラウンドにおける「緻密な設定」「楽しさ」が非常に少ない。
それは、その作中における仕組みの詳細や、謎の解明、癒し、ギャグの要素である。
これらがあることで、作品自体の奥行が増すこともあれば、エンターテイメントとしての昇華も期待できるわけだ。
特に女の子がいっぱいでてくるアニメ(=萌え的作品)においては、コメディだろうがシリアスだろうがこれらの要素がとても重要な役割を持つ。

萌え的作品の良さとは「キャラクターと会話がしやすい」ことなのだと思う。
例えば、上記の要素をベースに当該のキャラクターに「普段何をしているの?」「趣味は何?」「今抱えている悩みは何ですか?」と聞いたときにすぐに返答が返ってくる、あるいは返答が来やすい印象があるということだ。

ところが、「シムーン」のキャラクターにこういった質問を投げかけても、相手が言葉に詰まってしまう、あるいは返答が全く返ってこないことがザラにあり、期待している視聴者を困惑させてしまう。

それは、舞台装置が「戦争」となっていることや性別を選択しなければならないという閉塞感や義務感そのものであり、もし、この世界に自分が入ったとするならば、息が詰まるような生活の苦しさがあることが想像できる。

だから、本作品をどのようにすれば楽しめるのか、となったときにその「息が詰まる」ような環境に身を寄せるキャラクターの気持ちになって視聴することで、初めてこの作品の入り口に立てるわけだ。
だから、難解な専門用語を理解することで世界観の広がりを感じる、というのが実は外れ。

そんなミスリードをさせるところにキャラクターの持つ複雑な乙女心や心理描写が重なる気もしなくないが、
「頭で考える」のではなくしっかりと「心の目で優しく視聴しなければならない」ところにミニマルな世界観からの格式の高さが伺えるのだ。

もう一つは「自分の中の何かが呼び覚まされる感覚に陥った」ことだ。
これについては、本作品がモラトリアムや性という普遍的なテーマを元に制作されているからではある。
もちろん、作中において(儀礼的な)キスや女性同士で媾ったことを示す描写があるのは事実だが、物語の本質として「大人になることによって得るもの失うもの」があるのではないかと思える。

それらを単純に考えたときに「自身の可能性」「選択の自由」「型にはまらない」といったワードが頭を過るが、そこに対してある種の制限を持ってくることで、大人になることへの不安を映し出し、さらには作中で起こる戦争によって、悲劇そのものがより際立つわけだ。

特に「性別の選択」においてはこれらを包括する象徴的なテーマであるとも思えるし、無理矢理な設定の中にも「誰もが経験しうることがしっかりと投影されている」部分が本作品の素晴らしいところだろう。

物語の結末を言ってしまえば、登場人物の大半が性別を選択したが、主役カップルであるアーエルとネヴィリルは性別を選択せず、永遠の少女のまま国を後にし、旅立つというものである。
ただ、これも「大人にならなかった」というよりは「大人にならないこと」の延長線上。
つまり、どこにも属さずに、自分達から始まる新しい世界を切り開いたとも言えそうで、これも一つのアイデンティティの確立(=大人になったことと同義)のようにも思える。
これらを見たときに、私が感じたのは【自分自身が成人する前に「何を思っていたのか?」「何を考えていたのか?」】というものであり、これが「何かが呼び覚まされる感覚」になったのだとも思う。
また、本作品の世界観を知ることは、自分自身を知ることにも繋がるような気がしてならず、改めて作品の持つテーマの奥深さを知ることになったわけだ。

本作品は見かけの上では、ストーリーが難解であり、視聴者にもある種の負荷がかかるものとなっている。
そこで投げ出してしまうことは勿体ないのだが、確かに作りの部分については不親切であるし、視聴中断となってしまうのも致し方がないと思える。

そして、先述のように監督が多く手掛けてきた作品や萌え的なキャラクター像からは想像できない物語が展開されるが、こういった裏切りと真面目さが両立する世界を良いと思えるかどうかは視聴者によって異なってくるのだと思う。

ただ、その裏切りと真面目さをかいくぐった先で自分なりに得られたものは、
広い草原の中で太鳳やかに花を摘む子供の姿そのものであり、これがよく言われる「美しさ」の一つなのかな、と思うと視聴したことがとても良いものであったと感じるのだ。

できれば、アニメよりも小説といった文字の世界でじっくり味わってみたい一作である。
{/netabare}

投稿 : 2023/06/24
閲覧 : 163
サンキュー:

2

ネタバレ

みつぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

全26話

音楽だけは高得点をあげるけど

その他はストーリーの繋がりだけはちょっと良くて

結構戦争物の部分が多くて

敵は出てくるが敵のストーリーは全くなし

単調に攻撃隊が出てくるだけ

乗り物少女?二人じゃないと動かない先頭マシーンに乗って攻撃

いつの間にか敵も同じような機体を出してきて

劣勢になり条件付き和平交渉

性別を選んでない少女?たちが繰り広げるラブ?ストーリー

はっきり言って盛り上がりはないラストもいまいち

物語の裏側をわざと消して想像にお任せみたいな

あなたの想像力で楽しんでくださいみたいな構成

想像力の鈍い私には?ある意味想像力ありすぎて裏を読んでしまう?

低評価の作品なんだけどストーリーの繋がり構成がうまいのか

最後まで見てしまった

個人評価66点ちょっと不満

音楽だけは凄く良いね

投稿 : 2019/02/13
閲覧 : 468
サンキュー:

0

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

3話まで視聴

オリジナルの固有名詞が多く、難解そうな印象。

ヒトは女として生まれ、17歳になると自分で男になるか女になるかを選べる。というか選ばなくてはいけない。兵士っぽいものになれば、それを選ぶのを猶予される。
その男女の選択により、ジェンダーロールだけではなく体つきや声も変わっていくようだ。
興味深い世界だ。

いま性別違和を持っている人間にとってはいい制度かもしれないと思う反面、すべてのヒトが選択しなければいけないというのは新たな悩みを生み出しそうだ。生まれてから性別を選択するまでの姿が限りなく女に近いというのも影響があるだろう。
自分が男であるか女であるかはっきりと自覚でき、選択できるヒトは少なそうだ。17歳という年齢で決めるのは難しそう。

投稿 : 2017/05/22
閲覧 : 307
ネタバレ

ハドリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

「少女」たちが「大人」になる物語

全体の印象:高潔な少女たちが戦争に巻き込まれ、道具として戦いを強いられていく。劣悪になっていく状況下でも気丈に振る舞う少女たちが胸をうった。百合描写多数。


ストーリー:「大人からの逃避」という一つのテーマのもとに最初から最後まで描ききっていて、凄く良かった。ただ、普通のロボットもののようなアニメを期待して見ると肩透かしをくらう。

作画:3Dが浮いていて、技術の未発達さを感じた。だが、背景がうまく世界観を表現していてそこは良かった。

音楽:凄く良かった。少女たちの高潔なイメージをそのまま表現していた。アニメを見終わった後でもずっと耳に残っている。

キャラ:総じてアクの強いキャラクターがそろっている気がした。主人公のアーエルのひたむきさは好き。

投稿 : 2015/08/19
閲覧 : 468
サンキュー:

2

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

戦闘機ファンタジー+少女達のモラトリアム。美しい世界観の良作

全ての人類が女性として生まれてくる異世界を舞台にしたSFファンタジー。
タイトルである「シムーン」と呼ばれる神聖な遺物とされる戦闘機に乗って、成人前の少女達が苦悩しながら戦っていく。
戦争物の側面もあるも、物語の本流はモラトリアムに揺れる少女達の葛藤や人間ドラマの群像劇にあり。
設定上、百合アニメなのですが、百合度は意外にそこまで強く無い感じも。
少女漫画的というか、宝塚っぽい雰囲気かも?
…序盤はかなり戸惑うかもですが、中盤以降まで耐える事が出来たならば、グイグイ引き込まれる名作です!

※ちなみにgyao!の無料放送で初視聴しました。


{netabare}『物語』
人類は全て女性として生まれ、17歳になると「泉」という聖地に赴いて女性か男性か性別を選択し成人する。
ヒロイン達の国家「シムラークルム宮国」は宗教国家で、信仰対象にもなっている神聖なる戦闘機「シムーン」を操縦出来るのは性別選択前の少女の巫女「シムーンシビュラ」だけ。
本来シムーンは神に祈りを捧げる神聖な乗り物だが、敵国の侵略に対抗すべく、仕方が無く巫女(シムーンシビュラ)のヒロイン達が戦火に巻き込まれる…。

と言う感じの極めて独特な幻想的世界観で繰り広げられる、SFファンタジー戦記。
ポイントは「人類は生まれてくる時は全員女性」という特異な世界観。
なので男性キャラ(成人の際に男性に性転換した)も全員が女性声優が演じており、宝塚めいた雰囲気がある。
シムーンは複座(2人1組)でパートナー同士の信頼関係や感情の機微が性能に直結している為、少女達のドロドロとした愛憎劇の渦中で、感情がすれ違ってピンチになったりする辺りが面白い。
全般に少女漫画的というか、ドロドロした少女同士の感情のぶつかり合いが本作の見所かも。
ある程度カップリングはあるのだが、物語が進む毎に色々な組み合わせがあり、その度に少女達の関係性が進展したり揺さぶられたり、目が離せない。
…かなり鬱々と悩んだり感情ぶつけ合うので、少女漫画的な機微に不慣れだと戸惑う面も。
まあ、たまにはこういうドラマも良いと思ったです。

シムーンは超テクノロジーの遺物で敵国の戦闘機より圧倒的に強く、「リマージョン」と呼ばれる空に描く紋章(ブルーインパルスの航空ショーみたいな感じ)で、広範囲を殲滅したりする魔法めいた必殺技が発動したり。
戦争物としてもかなり骨太で、敵国の侵攻理由が「公害で滅びかけていて、宮国のシムーンというオーバーテクノロジー奪取しないと滅ぶ」という切実な動機あり。
※「テラフォーマーズ」原作の中国班の裏切り動機と似ている。
アニメでは当分先かもですが。
ケタ違いの強さを誇るシムーンも、敵国の圧倒的物量に次第に押されていく等、中々リアルな戦争物でもあった。
宮国の上層部が無能というか、宗教勢力と軍部が互いに的外れな対立してて現場が苦労したり、政治要素も結構面白い。

戦争物としても面白いのだが、物語の主軸はあくまでもシムーンシビュラの少女達の濃厚なドラマにあり。
組み合わせも豊富にシャッフルされるので、その度にキャラクターの違う側面が垣間見えたりと、飽きないです。
※別作品だが「テイルズ・オブ・ジ・アビス」で、主要キャラクター同士が様々な組み合わせでの会話イベントで重層的にキャラクタードラマ展開していたのと重なる。
本作の方が先達ですけど。

無能(というか無理解)な本国の大人たちの思惑に翻弄されながらも戦い、互いに絆を深めていく少女達。
戦争物なので、途中で戦死者が出てしまう…。
しかし彼女の死が、敵国の巫女の心を動かし、終盤でメインヒロイン組の大きな助けになっていく流れが良かった。
少し泣けたです。

終盤に向けて「翠玉のリマージョン」という究極の儀式が鍵になっていく。
違う世界に旅立つ…。
不思議な展開で色々と考察出来そうだが、あまり良く分からない。
ラストはハッピーエンド寄りのトゥルーエンド、視聴後、不思議な満足感がありました。

総じて
少女漫画的で宝塚っぽい?少女達の(ドロドロ気味な)群像劇。
戦争物としても中々のクオリティー。
幻想的で美しい世界観。
等々、かなり面白かったです。
…特異な世界観と雰囲気に慣れるまでが大変ですが、中盤辺りから各キャラクターの心情が分かって来ると、そこからが面白いです!


『作画』
少し少女漫画っぽい感じ?な、2006年当時の良作画か。
幻想的な世界観描写、シムーンの摩訶不思議なメカデザイン等々が目を引く。
戦闘機物としてはヌルヌル動くタイプではないも、バトルも中々。

『声優』
オッサン含め全員が女性声優なので最初はかなり戸惑うw
メインヒロインのアーエル役の新野美知さんは、現在の感覚だと評価低そう。
しかし結果的にアーエルの良くも悪くも奔放(空気読めない)感じが出ていた。
小清水亜美さん、水樹奈々さん、能登麻美子さん、名塚佳織さん、桑島法子さん等々、当時の人気声優多数。
リモネは正に「能登かわいいよ能登」でした♪
全般に宝塚っぽい感じ?で、通常のアニメ基準だとやや戸惑う演技スタイルも多かった。

『音楽』
OP「美しければそれでいい」ED「祈りの詩」
共に中々美しく印象的な良曲。
BGMもタンゴ調の曲で、幻想的な雰囲気が良く出ていた。

『キャラ』
個性的な少女達に、それぞれ個別にしっかりとスポットが当たっている。
キャラ描写が重層的で、ヒロイン格が複数居る感じ。
アーエルはちょっと空気読めないウザい感じが難だが、そこが彼女の良さなので…。
ネヴィリルは序盤はウジウジと悩むのでフラストーション溜まるが、それも本作のモラトリアムな作風なので!
天才幼女リモネちゃんが可愛い。能登かわいいよ能登。
年長で苦労人なパライエッタとドミヌーラの心労、お姉さんは大変だなぁ…。
モリナスとワポーリフのラブコメの波動に終始萌えた♪
お嬢様なロードレアモンと、コンプレックスからツンツンだったマミーナのカップリングも良い。
パートナー組むのを拒否するマミーナ「あなたの髪型(三つ網)が嫌いだったのよ!」
ロードレアモン(大事な三つ網を自ら切る)下りは大いに萌えた!
意外や女子力の高いマミーナ可愛い…だけに、犠牲は悲しかった。
クールなオレっ娘ユンはまさかの終盤のヒロイン格だった。

何気にメッシス艦長など、大人にも魅力のあるキャラの層が厚いのも良い。
序盤はキャラ名覚えるの大変なのが難だが、各キャラにスポット当たっていく中盤以降、一人一人に愛着が出てきました。{/netabare}

投稿 : 2014/12/12
閲覧 : 375
サンキュー:

23

ネタバレ

animeneko さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

雰囲気満載の百合ミリタリーロマンSF

もう八年前の作品だが一挙視聴。
百合もので少女のキスシーンがたくさん出てくるので百合耐性、キス耐性がないと視聴できないが、そこを乗り越えれば楽しめる、SFファンタジー百合ミリタリー物語。物語要素が、
SF+戦争+異世界ファンタジー+メカ+百合+キス+ジェンダー
ぐらいかな。百合物とはいいながら、女性同士の醜い愛憎を描く場面が少ないので男性でも女性でも楽しめそう。

舞台設定は、すべての人類が女性として生まれ、成長して男性として生きるか女性として生きるかを選択することになっている惑星での戦争。兵士はすべて性選択をする前の少女たちだ。性別を選択できるSF設定て、萩尾望都の「11人いる!」であったけどSF世界ではよくあるのかな?なんと斬新な百合設定だろう!

乗り込む飛行機メカを動かす動力がどうやら少女達のキスによって生まれる愛の力のようだ。少女たちは乗り込む前にキスをして愛を高め合ってから乗り込む!愛の力がないと飛行機が動かないのだ!なんという設定かw

もう、設定だけでも優雅、耽美、愛の少女たちというスゴイ世界なのに、描かれるドラマがまた、優雅だったな。

物語は、キスシーンは確かに沢山出てくるが、しかしそれ以上のエロシーンや性行為などは出てこないし、エログロや暴力シーンに逃げるということがなかった。描かれるドラマはシムーンという乗り物に乗り込む少女たちの愛や葛藤という純粋な主張なのだ。スタッフのこのアニメでの「描きたいもの」にはブレがないのがストーリーを見ていくとよく分かる。テーマは「永遠の少女」とてもいうべきで、戦争ドラマは付け足しに近いか。

この物語では宗教もまた大きな要素を占めている。このアニメに出てくる宗教は中世キリスト教ぐらいの支配力で民集にすなおに信じられており、シムーンに乗り込むパイロット達はみなに崇められる神聖な巫女なのだ。特に宗教批判的な部分はなく、この惑星ではまだ宗教腐敗的なものはないようだ。
この惑星では性別選択の儀式の際には泉と呼ばれる場所に行って、一番偉い巫女様に性別を決めてもらうことになっている。

このアニメの飛行メカ、シムーンのデザインは、普通に考えたらこれ飛びそうもないよなというような、巨大なオーム貝みたいのが回っている物である。このトンデモなさそうなメカを超古代テクノロジーと称して飛ばしてしまうことが、このアニメのファンタジー性を高めている。技術的には無線通信すらない19世紀より前の世界だが、このシムーンだけは使える不思議な世界である。シムーン飛行艇の作画はCGで描かれているが当時のCGとしては、とてもスムーズに美しく動いているように描かれていた。

これだけの舞台設定をよく考えたなーと思われるだろうがSF小説などではこれぐらいはあったりする設定だったりするんである。

本来は宗教行事に使われるはずの飛行艇シムーンに乗り込む、本来なら巫女だったはずの少女たちが織りなす、愛と葛藤の物語がこのアニメということか。

シムーンの兵器としての必殺技は、リ・マージョンと呼ばれる空に描く幾何学模様から発する衝撃波で、この衝撃波で多数の敵を殲滅する。このリ・マージョンも本来なら宗教行事のためなのだがこの戦争のために兵器として使用されている。

人物作画は各キャラがエロくカワイク描かれており、作画的にも耽美優雅路線を守っている。

ストーリー的には、全26話もあるので普通なら、途中でお話がダレても良さそうなのに、このアニメでは途中であきることがなかった。無駄なエピソードや無駄なキャラを作らず、全26話でも足りないぐらいの世界観を持っているため、無駄なお話部分がなく、サクサクとお話が進んだせいで、退屈とは無縁なストーリ展開になっていた。
安っぽい宗教批判みたいなエピソードもなく、民集と戦争との関わり部分とかパイロット達の生活部分や民集生活についてもしっかり描かれていたので、設定から脚本作成までしっかりとした仕事をしていたのがわかる。

使用されていた音楽は、タンゴを基調としたクラシック系だろうか。作品の優雅な雰囲気にしっかりとマッチしていた。

これぐらいの世界観、しっかりとした設定とテーマと描きたい目標を持って、独自のアニメを作ったことはすばらしい。

投稿 : 2014/12/03
閲覧 : 375
サンキュー:

11

ネタバレ

あんこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ドロドロ

何話か忘れたが、リモネと主人公の女の子が乗り物(シムーン?)に敵(人間)が乗ってて、その人が乗ったまま死んで、その乗り物にのらないと2人は帰れなくて、その人がハンドル握ったまま死後硬直したのをとるところがすっごい覚えてる、なんかすごいリアルだった、そこはもう見たくないな。
それ以外は女子がキスして終わった!

投稿 : 2013/06/10
閲覧 : 281
サンキュー:

1

ネタバレ

kain さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

◎「未来と指きりするのを止めたのは 痛みから遠く逃れようとしても」

シムーンでリ・マージョンですが、
これも面白かったですねえ。

百合作品は この辺から増えてきたのかな?
でも そんな感じは有りませんでしたが。

やっぱり アーエル&ネヴィリルかな。

女性から雌雄が分かれる設定と、他国との世界観も大きな作品でした。

もう一度見たいです。


投稿 : 2011/08/16
閲覧 : 359
サンキュー:

5

ネタバレ

アニオタ王になる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

変に凝った演出で逆に損しているような(ネタバレあり)

第1話、いきなり敵?らしき飛行部隊が襲撃します。操縦者はどう見ても成人男性です。なのに声が少年っぽい。(ん?)次に迎え撃つ航空部隊が出撃します。何故か少女ばかりです。(おっ!)そしていよいよ出撃という場面でいきなり同乗者同士でキスをします。(エー!百合?)さらに止めがその組織の幹部らしきおっさん達が小難しい話をします。なのに声がオバサン。(まさかのミスキャスト?)ここで大抵の人は「やっちまった><」となるでしょう。・・・ところがドッコイ、実はこれ全てこの物語の設定によるものだったのです。(あとはwikiなり見てください)結局、あと何話か継続して見たなら第1話が何故そうなのかが理解できるのでしょうが、短期で少々早とちりな私は第1話で視聴を打ち切ってしまったのでありました。もしかしたらもう一度見直すかもしれませんが今の所はこの評価です。
(1話で断念)

投稿 : 2011/07/14
閲覧 : 407
サンキュー:

2

きすぎ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/18
閲覧 : 5

もも さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/03/25
閲覧 : 26

りんごくるみ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/10/05
閲覧 : 43

さび猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/03/22
閲覧 : 59

ASKA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観たい

投稿 : 2019/08/31
閲覧 : 73

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/05/21
閲覧 : 78

蛍火 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2019/03/04
閲覧 : 78

kUKuG75640 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/01/01
閲覧 : 53

コジコジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2018/10/29
閲覧 : 49

にいちん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2018/07/08
閲覧 : 40

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/05/31
閲覧 : 39

ひみこ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/04/03
閲覧 : 46

zephyr さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.5 作画 : 1.0 声優 : 2.5 音楽 : 2.0 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

投稿 : 2018/01/24
閲覧 : 162

toturitu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2017/08/22
閲覧 : 48

かとけん412 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/12/29
閲覧 : 63

VhLQl28222 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/11/16
閲覧 : 63

LOLO さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/11/06
閲覧 : 54

ゆづきち さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/11/06
閲覧 : 61

夏浦公園 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/10/25
閲覧 : 67

てんTYO- さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/07/27
閲覧 : 121

Pot8Os さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/06/15
閲覧 : 67
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シムーンのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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シムーンのストーリー・あらすじ

宮国だけが持つ孤高のエンジン“ヘリカル・モートリス”を近隣大国の侵攻から守るため、選ばれし少女たちが戦う。(TVアニメ動画『シムーン』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2006年春アニメ
制作会社
スタジオディーン
公式サイト
www.simoun.tv/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3_%28%E3%82%A2%E3%83...
主題歌
≪OP≫石川智晶『美しければそれでいい』≪ED≫savage genius『祈りの詩』

声優・キャラクター

新野美知、高橋理恵子、小清水亜美、細越みちこ、豊口めぐみ、能登麻美子、高橋美佳子、相澤みちる、水樹奈々、ゆかな、森永理科、名塚佳織、桑島法子、木内レイコ、水沢史絵、玉川砂記子、喜多村英梨

スタッフ

原作:小山田風狂子/篠吉祥/美原轟、漫画連載:『季刊コミック百合姫』(一迅社)、 監督:西村純二、キャラクターデザイン・総作画監督:西田亜沙子、メカデザイン:JinSeobSong、美術監督:小林七郎、コンセプトデザイン:長濱博史、3DCG制作:CreativeField、音響監督:辻谷耕史、音楽制作:ビクターエンタテインメント、音楽プロデュース:野崎圭一、音楽:佐橋俊彦

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