ダレイオス さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

主人公の心の成長や心理描写は良かった。

中学１年生の時に意識し合ってはいた男女の関係だったが転校により
特に踏み込んだ関係にはならず疎遠になってしまったが高校時代の偶然の再開により
再び意識し合う関係になる設定ですね。
とりあえずこのアニメ、キャラの設定は上手いかな
双葉のガサツになってしまった設定とか妙にリアルなんですよね。
自分がモテるなんて考えるのは自意識過剰かもしれませんが
モテると周りの嫉妬が酷くてわざと異性に嫌われるようなことしたりは自分はわかる気がします。
人間男も女も嫉妬深い生き物なんですよね。
私も自分が勤める会社で入社して日が浅いころ女の子との会話がいい感じに見えただけで
下心なんて皆無なのにおっさん上司に白い目で見られたりで酷い目にあったりの悪い思い出があるので
その気持ちわかります。そのせいで会社の女の子とはほぼ会話せず
女の子には気の利いた話はしてあげれませんでした。
仕事でどうしても会話しないといけない時でも話しずらかったので嫉妬は怖いですよ。
なのでこれは心当たりがある人は多いと思います。

それ以外にも序盤は妙にリアルですね。双葉の最初の女友達は友人と呼ぶには程遠い存在で
ボッチになりたくないからいっしょにいるだけという
人間は寂しいのが怖いという誰もが持つ弱い心の見せ方は良かったし
女友達の嫉妬深さや双葉との浅い関係も生々しくてリアリティーはありましたね。
その女友達と縁が切れるまでは少女漫画の世界というよりはリアルよりの感じの序盤は結構好きでした。

ただその後の新しく友人関係を築いた悠里はやっぱりというか
よくある少女漫画の女の子の親友で友情を重視している感じが出ていて
中盤以降は女親友との友情関係を保ちながら自分の好きな洸とも恋人関係を築きたいと
考える展開になりましたね。
はっきり言って少女漫画クサイやや胡散臭い関係でした。（原作が少女漫画なので当たり前ですが）
友情を重視するストーリーは良いのだけど修羅場確実な展開でのんきに
根本的な問題を解消しないで進めたのは少女漫画ぽいかな
でもそのおかげで友情の描写はかなりいい感じに仕上がってました。
悠里は特に普通なら双葉の突然の裏切りに激怒してもおかしくはないだろうが
優しく気にしない態度とったり天使過ぎる対応には
見ている視聴者もこんないい子が友達だったらいいな～と感じることが出来ると思います。
悠里は他にも大人な対応をして視聴者に好感を与えるシーンが多くて中々いい感じです。
双葉が勘違いして双葉に疑念を感じた時は自分はなんて浅はかな考えの持ち主と
考え直したりこういう、自分の愚かさに気付いて成長するストーリーはかなり好きです。

洸も普段は意地悪だけどいい雰囲気になると
やたら双葉に積極的な態度をとったりするのだけどけして恋人関係には発展せず
思わせぶりやキス寸前の寸止めで終わっている点も意外にいいかなと思えましたね。
あのお預け感覚は若い女性には受けるかもしれません。
彼がどうしてそういう性格になったのかも掘り下げがかなりしているので結局納得もいくんですよね。
感情に頼らない心理描写も上手くてその点は逆に少女漫画原作と考えれば良かった。
ただその分少女漫画原作が苦手な人は感情的で熱い男の子を期待している人にとっては彼の気持ちは想像に頼る所が多くが
よくわからない存在に感じる所は多いと感じます。

最初は生々しいリアルさから少女漫画ぽい、いい感じにシフトして
いい感じに終わっていると思います。
ストーリー的には１部完な感じでまだこれからな所が多いので物語は3.5て所ですかね。

作画は原作が少女漫画らしいキラキラした透明感がある作画は綺麗でした。
双葉の作画も美人過ぎず普通な女の子の様に描けていたのも良かったです。

音楽については恋愛ものなのでいい雰囲気や物語が動きそうな時にいい感じの曲
が流れてきて盛り上がる感じになっていたので曲については良かったと思う。
恋愛ドラマ系は良曲が多いですね。

声優さんは中堅どころの声優さんが多いので演技は上手いと感じました。
双葉役の内田さんは落ち込んだり元気になったりする演技は上手くて
物語に入っていきやすかった。
洸役の梶さんは洸のやる気のなさ自堕落さの演技が上手くて
キャラの本心も見抜きにくい感じも上手くて良かったです。