「精霊の守り人(TVアニメ動画)」

総合得点
80.7
感想・評価
1229
棚に入れた
6413
ランキング
435
★★★★★ 4.1 (1229)
物語
4.2
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.1

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N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

豊穣な世界に触れる。

【この作品の豊さはどうやって生み出されたのか。】

空想歴史ファンタジーといえるような作品で、多くの部分が(たぶん)史実ではなく、見たことあるようなないような生物や道具、術、様式が驚くほどの自然さで作品世界に存在しています。

物語なので当然起承転結はあるのだけど、何よりも描かれている世界の豊さこそを見るために全26話を一気に見終えてしまったと言っても過言ではありません。
そういう意味では、風の谷のナウシカやもののけ姫が割と近いんではないかと思います。
正直、TVアニメで「なんて作品を作っちゃったんだ?!」というのが偽らざる気持ちです。

基本、わたしは物語性や設定や構成の魅力に強く反応する属性で、概ねそれらの良さと最終的な評価が比例していると自己分析しているんですが、本作品、その尺度だけではちょっと計りきれません。
物語性や設定や構成だけでは言い表せないような豊穣な世界観が全ての画面で表現されています。語られている部分だけではなく画面に映っていない「その先」や、語られていない人々や、道具の形状や、その形状になっただろう理由や、摩耗や、山の稜線や、空や、田畑や、獣道や、水車や、石板や…
もうありとあらゆるものが世界を豊かに構成しているのです。

豊かな世界はディテールに宿る。

ほんとその通りです。

驚異的な背景ほかディテールのクオリティです。
それも、膨大な量のディテール1つ1つに確固とした裏付けがなされているだろうことが見ただけで十二分に伝わってくるほどです。

そうやって設定を正しく突き詰めると、たとえファンタジーであっても世界自体に命みたいなものが宿るんだな。と。
この精霊の守り人というアニメは、そう実感できる稀有な作品です。


【物語り】

核となる大事件がありつつ、大部分は生活の機微を丁寧に描いている作品です。
大事件という枷がそれぞれに影を落とし、中盤、ゆったりとした中で感情が揺れ動いたり成長したり。という展開を見守る視聴が続きます。
基本的には全体が優しさや誠実さで構成されていて、途中、裏切りや悪意を想定しながら視ているオレはケガれてるのか?とさえ思うに至りましたw

はい、ケガレてますが何か?

まあ、そういう人にとっては浄化作用がある作品と言えるでしょう。

で、展開といたしましては2転3転!ハラハラドキドキ!!をちらつかせつつ安心して視れる部分の多い物語だったと思います。
緩急で盛り上げるんじゃなく、「緩」に忍び寄る「急」の足音・・みたいな物語の構成ではないかと。それが大事件の結末に対する不安を煽る形でしょうか。
ですが、中盤は主に「人が生きていく」という「なんてことないけどかけがえのない時間」を豊穣な世界の中でじっくり描いていた。

中盤は展開としては刺激が足りなくもないですが、一気に視終えてしまえるほど良かったです。
というか、この中盤部分の日常こそがみんなが守ろうとしている民の暮らしであり、守るべき豊さといえるのでしょう。

それぞれのキャラがまたまっすぐで誠実で、甲乙はつけられないのだけど、特にチャグムのええ子っぷりが作品にかなりの好影響を与えていたと思います。
そういえば当初、シュガにテンプレ小悪党の資質をみていましたが…まさか貴君まで。。

アクションも凄いです。

背景はこれより高次元でアベレージ出してる作品はちょっと思い浮かびません。
最高にして驚愕です。
(因みに‥ちょうど今実写版やってるようですが‥面白さとは別に、この豊穣な背景はなかなか表現できないんじゃないかと。。全篇、全シーズンオールロケでもしないとこのクオリティはなかなか‥)

という訳でこの作品、一気に視てしまいたくなる非常に良い作品でした。そしてまた視返しそうです。ぜひ多くの人に視てほしい作品です。

以上です。

投稿 : 2016/04/12
閲覧 : 332
サンキュー:

23

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