STONE さんの感想・評価

4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

新たな主人公で

　原作は未プレイ。
　2期ものということで、1期は1クールゆえか良くも悪くもハイテンポな印象だったの対して、
2クールの本作はじっくりといった印象で、より深いドラマ性を得た反面、冗長に感じられる面も
あった。
　あと人間世界の舞台がほぼ王都アナティに絞られたためか、冒険ものとしてはややこじんまりと
した印象。

　キャラに関しては本作より登場のニーナ・ドランゴ、シャリオス17世、ムガロなどそれぞれ
印象深かったが、1期からのキャラ登場はやはり嬉しいもの。
　この1期のキャラだが、初回から多くのキャラが顔を見せるも主人公だったファバロ・レオーネは
名前すら上がらず。しかし、話が進むに連れてニーナの師匠がファバロであると判明し、やがて
中盤に本人登場という期待感を持たせる上手い流れ。登場したのが牢獄の中というのもいかにも
彼らしい。
　このファバロだが、多くの主要キャラの多くが良くも悪くも生真面目というか、堅苦しい
タイプなので、彼の飄々とした感じが作品自体を明るくしてくれる。回りを明るくするという点では
ニーナも同じくするところで、この師匠にしてこの弟子といった感じ。
　本作は世界観や時系列的には1期の続編という位置付けのものだが、ニーナとシャリオスを主軸と
したストーリー的なものは1期とは別モノといった印象。それでもファバロのアーミラや
バハムートに対して思うところなどを引っ張ってくるなど、1期であったことを上手く本作の話に
繋げており、1期キャラに関しては単にファンサービス的に出しただけではない感じがある。
　印象深いキャラの多い作品ではあるが、多数のキャラが登場したために全てがうまく機能
していなかった感もあり。
　ムガロなどは神と人間との間に立つキーパーソンのような印象でいながら、結局は母である
ジャンヌ・ダルクの人間に対する怒りの起爆剤として終わってしまったのはちょっと勿体ない感が。

　ニーナの恋愛が重要なファクターであったり、ジャンヌの母性が強調されたり、リタの
カイザル・リドファルドへの思いがクローズアップされたりと、1期がファバロとカイザルの複雑な
友情を主軸とした男の物語という印象が強かったのに対して、本作は女の物語といった印象。
この辺は脚本の大石 静氏が女性であるためかな？。それにしてもドラマ・映画畑の大物脚本家で
ある大石 静氏を引っ張ってきたのは結構驚いた。
　ラストはニーナもシャリオスも生き残ったものの、失ったものもあるというほろ苦いもので、
個人的には割と好きな締め。

　作画に関しては1期同様によく動いており、ストーリー上の重要モチーフでもあるダンスシーンが
印象的だったが、そう言えば1期もダンスシーンが印象的だった。

2020/03/01