「ピアノの森(TVアニメ動画)」

総合得点
70.3
感想・評価
254
棚に入れた
1110
ランキング
1551
★★★★☆ 3.5 (254)
物語
3.5
作画
3.2
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.5

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

素材は良いのだが。。。

 原作は一部既読。

 ピアノをメインモチーフとしたボーイ・ミーツ・ボーイ?もの。
 主役の一ノ瀬 海だが、森の端という特殊な環境で生まれ育ったというバックボーンが印象的。
 彼がピアニストを志す理由の一つに森の端から出ることがあるようで、アメリカ映画では
ショービジネスやスポーツにより貧困から抜け出そうとする話が結構あるが、日本ではこういった
マイナスは主人公が進むうえでの障害になったりすることはあっても、進むための
モチベーションになるのは結構珍しいような気がする。
 こういったことがモチベーションになるのは脇役に多い印象で、純粋に取り組む主人公に対して、
金のために取り組む脇役みたいな。

 一方の雨宮 修平はピアニストの息子ということで、海の家庭環境設定はメタ的には
エリート対雑草育ちという対比的要素もありそう。
 もっとも海は雨宮を羨むようなことはなく、雨宮が海との才能の差を痛感するに及んで、むしろ
恵まれているのは海という印象。
 この二人、立ち位置的にはライバル関係のようだが、ライバル視しているのは雨宮だけで、海は
まったく競争意識がなく、よくあるライバル関係ではなさそう。この海の競争意識のなさが、
より雨宮のライバル視を増長させているみたい。
 そんな二人が直接競う場となった第56回全日本ピアノコンクール・中部南地区予選だが、
結果と雨宮の思いがまったく相反するものになっているのが興味深い。
 それにしても速い方が勝ち、多く点を取った方が勝ち、相手を倒した方が勝ちといったような
絶対的な基準がなく、審査員の好みや思惑といった要素が入り込みやすい
競技(芸樹系、料理など)の勝敗は難しいなと改めて思った。

 扱っているモチーフ、ストーリー展開、キャラなどは好みではあるんだけど、いかんせん話が
飛びすぎて、その魅力が発揮されているとは言い難い感じ。
 特にキャラに関しては好みとは言いながら、ストーリーを描くことによって得られる
バックボーンや人間性などが失われてしまったため、総じて薄っぺらい印象。
 作画もあまり褒められたものではないかなあ。特に演奏シーンのヌメヌメした感のあるCGは
妙に違和感があった。

 逆に良かったのがピアノ演奏に音が付いたこと。
 当たり前なことを書いているようだが、同じ曲も演奏者の違いでこうも変わるといった差異が
ちゃんと判るようになっている。
 本作に限らず、他の音楽もの全般に言えることかもしれないが、原作が漫画や小説などの
文字、絵だけの媒体の場合、アニメ化されたことで俄然説得力が増してくる。
 あくまでそれに見合ったレベルの音という前提だけど。

2018/07/23
2020/10/07 追記

投稿 : 2020/10/07
閲覧 : 635
サンキュー:

5

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