「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(TVアニメ動画)」

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ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

上塗りの嘘、下地の真心。

嘘は、人の心を欺き、自分の心を穢してしまう。

あの人の真心も、あの人への真心も、奈落へと突き落としてしまう。

ポッカリとあいた穴に、落ちていく真心。

真心は、何処に行くの?




みんな仲よしの超平和バスターズだったんだよ。

めんまは「のけもん」なんかじゃなかったよ。

どこに隠れても、見つけ出してくれる5人がいつだっていたんだもの。

でも、めんまが「除け者」になっちゃったあの夏。

あの日からずっと、5人は同じ時を過ごしている。




あの日。

作意が、超平和バスターズに持ち込まれたんだ。

その場逃れ。愛想笑い。

冷える空気。ばらけていく絆。




明日になれば、謝れるはずだった。

喉元を過ぎれば、熱さを忘れられるはずだった。

なのに、どうして、苦さが消えないんだろう。

どうしたら、苦しさから、逃れられるんだろう。

真心は、どう表わせば、良かったんだろう。



  ~      ~      ~      



「のけものじゃない」と言ったじんたんの目に、ホッと安堵しているめんまの笑顔が焼きついている。

「のけものじゃない」と言ったじんたんは、彼女を「のけもの」にすることなんてできっこないんだ。

じんたんの真心の中心には、めんまがいるんだもの。

いなくなっためんまの真心が、今だってあるんだもの。




じんたんは「鬱ぎ続けるモノ」

あなるは「流されるモノ」

ぽっぽは「逃げ回るモノ」

ゆきあつは「慙愧を懼れるモノ」

つるこは「浮かばれないモノ」


みんな、「夏のケモノ」に囚われている。

めんまの真心を「除け者」にしてしまった自分のマゴコロに。







彼女を失ったあの日。

それまで目にしていた花の名前を、ぼくたちはまだ知らなかった。



彼女を見送ったあの日。

そのあとになってぼくたちは、ようやく花の名前を知ったんだ。






その花に、ぼくたちの想いを乗せて、きみに、送ろう。

ぼくたちは、ちゃんと見つけたのだから。

ぼくたちは、ようやく取り戻せたのだから。

投稿 : 2022/03/16
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サンキュー:

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