「風の谷のナウシカ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
1960
棚に入れた
12594
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (1960)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

生きることは夢を見ながら

不思議な世界。

腐海の最深部。

まるで処女のよう。

ううん、子宮、かな。



だれも見たことがない。

だれも立ち入ってはならない。

だれ一人として信じてくれようとはしない。

禁足地という結界。




怖くて行けないよ。

恐ろしくて入れないよ。

悍ましくて見てられないよ。

秘された清浄の地。



~~~ ~~~~ ~~~



ナウシカ。

あなたは、なんて軽やかな足取りで腐海の生きものと戯れられるんだろう。

まるで、旧知の友との親交をあたためているよう。



大地の表層は、王蟲の群れによってあまねく均され、腐海の深層は、聖水をますます清らかにしている・・・。



くすんだかさぶたの下には、桃色の柔肌が育ちはじめているんだわ。

何もかもが、変わりゆくさなかにあるんだわ。

ナウシカは気づいていたの?

水が命を育む意味を。  



~~~ ~~~~ ~~~



メーヴェよ。

どうか、メーヴェよ。


私の手となり、その娘を支えてやっておくれ。
私の足となり、その娘を導いてやっておくれ。

私の目となり耳となり、
その娘に見せてやっておくれ。
聞かせてやっておくれ。



見えないものが、よく見えるように。
見定められるように。

聴こえないものが、よく聴こえるように。
聴きとめられるように。

語れないことが、よく語れるように。
心に刻まれるように。



暗闇に心が迷うことがあれば、シリウスが先駆けとなって、道しるべの役を担うだろう。

黎明に誠を捧げるならば、太陽のごとく魁として、古き預言者の言葉の証を見せよう。



ナウシカは、蒼穹を翔けぬけ、みごとに使命を果たした。

風の谷の者よ、畑からメーヴェを見あげよ。

彼女を慕う子らは、青い空に親しみ、風を愛している。



~~~ ~~~~ ~~~



わたしは、ナウシカの瞳にながく魅入られている。



猛る王蟲にも心をひらき、巨神兵の咆哮にも涙を湛えた瞳。

腐海の蟲たちの、傷痕の怒りと呪わしさに色を失った瞳。

終焉と再生の、昇魂に澄みきった真砂を抱きよせた瞳。



この先、わたしの瞳はなにを見るのだろうか。

つい、ナウシカの瞳に答えを求めてしまうのは

こまった癖なんだけど、ね。

投稿 : 2019/12/19
閲覧 : 429
サンキュー:

17

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