「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)」

総合得点
84.1
感想・評価
429
棚に入れた
1963
ランキング
293
★★★★★ 4.2 (429)
物語
4.0
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

日常に帰らせて……

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(シン・エヴァンゲリオンげきじょうばん / EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME)は、2021年3月8日に公開された日本のアニメーション映画。略称は「シン・エヴァ」「シンエヴァ」(wikipedia)

「お前らオタクどもいつまでエヴァエヴァ言ってるんだよ、現実を見て、恋人でも作れ」
みたいな話だぞということをそこらじゅうで聞いていて、まあそういう内容なんだろうなあと思っていたら某Primeに見放題として登場したのでせっかくだから見たわけなのですが……

いやむしろ事情は逆というかどちらかというと現実逃避して終わったように見えたのは多分今(2022年2月22日現在)がコロナ禍真っ最中だからでしょうか。でしょうねえ。

冒頭から戦時中さながらの生活を見せつけられ、終盤に至っても空襲に怯えるかのような描写。ミサトさんは子供を残してカミカゼアタック。一方で適格者たちだけはあたかも「異世界転生」を果たしたかのように古き良きコロナ禍以前のような生活に戻り、シンジ君に至っては立派に大人になった姿で「(新しい)ムネの大きいイイオンナ」とお手々繋いで「俺たちの冒険はこれからだ!」と言わんばかりに走り去ってくれる始末。

いやほんとこれが現実逃避じゃなくて何だと言うの?今もまだ皆さん巣ごもりステイホームでやりたいこともなかなかやれない時代となっていて、特に学生さんなんかは修学旅行や部活の大会なども多く中止。大学生に至ってはまともにキャンパスに通えないなど非常事態が続いていて、むしろ現実を見れば恋人なんて作ってる場合じゃねーだろという状態と言っても過言ではないのかも。

もっともさすがに世界がコロナ禍に陥るなど超監督庵野御大の慧眼をもってしても見通すことは不可能だったでしょうからそれ自体は致し方ない所ではありますが、Qのときは311だし、ほんっと持ってないな~この人……と思ったけどよく考えたらちゃっちゃと続編つくっときゃこんなことにもならんかったわけで、まあゆっくりゆっくりご自身のペースで作った結果がこのタイミングなわけですから、皮肉と言えば皮肉なわけです。案外これも「ゼーレのシナリオ通り」だったのかもしれませんが。

ケンケンがどうのとかいうのは、個人的にはまああんまり何とも思わなかったというか、幼少期のアスカがもってた人形の中から出てきたことからもまあそう言った役割なんだろうなあと。
では一方何故ケンケン自身がその役割でも良いと思えたかはわかりませんが、案外これも学校でうだつのあがらなかったような奴らは女ができてもS〇X出来ると思うなそれを受け入れろとかいう御大からのありがたいメッセージなのかもしれません。だとしたらひどい話ですね。でもまあ確かに「どしたん?話きこか?^^」から最後までもってイクにも技量ってもんが必要だと思いますし、何よりわざわざ色んな意味でやべー女とかかわりを持つ道を選んだケンケンの自業自得といえるかもしれません。
ケンケンがあえてアスカを選んだ理由は学生時代のコンプレックスの裏返しでしょうか、それともサードインパクトがあったりなんかして女性の絶対数が減ったりとか何とかでソコ行くしかなくなったからでしょうか。
アスカからすればシンジもいなくなり四面楚歌となったところで現れた旧知の「彼くん」の存在はきっと渡りに船だったことでしょう。最後の最後でようやくシンジと両想いであったことが判明したにもかかわらず速攻で「ケンスケによろしくw」と一方的に別れを告げられ、挙句何も言い返す暇もなく新しい女が「姫、お達者でw」と強引にパージしくさりやがるわけですから案外この物語の黒幕はマリさんなのかもしれません。
まあ、アスカちゃんも復活後のシンジくんにもうちょっと優しく接してさえいればまた未来は変わっていたのかもしれませんが。マリさん、さぞやほくそ笑んでいたことでしょう。

一方でゲンドウさんはと言うと、結構なレベルのコミュ障だったにもかかわらず大学時代はイイオンナと思う存分乳繰り合えたようでうらやましい限りです。それだけ良い思いをしたんだったらもっとみんなに優しくしてもバチは当たらなかったと思います。というかそうしなかったのでバチが当たったのかもしれません。ざまあ。もっとも巻き込まれた全人類からすればたまったものではなかったでしょうが。

ユイさんの方はというとまあ……結果的にゲンドウさんは特務機関NERV最高司令官にまで上り詰めるような人なので男を見る目自体はあったというべきなのでしょうか。話見てる限りどうにもユイさんの方から「どしたん?話きこか?^^」を実行したみたいですし、案外抜け目ない方だったのかもしれません。当時のゲンドウさんを落とすのなどそれこそ赤子の手をひねるより簡単だったことでしょう。
そういえばそんなゲンドウさんに先に目を付けていたのは当時のマリさんだったみたいですね。その時の怨念のようなものが今につながったのだとしたら、やっぱり全ての黒幕はマリさん……

さてエヴァンゲリオンと言えば考察、考察と言えばエヴァンゲリオンと言えるほど巷ではエヴァの考察で溢れかえっておりますが個人的にはスルーしております。本来考察好きではあるのですが、この作品に関しては何故かする気になれません。それは単に昔は考察なんかやってなかったからなのか、御大自身がエヴァは衒学的と言ったらしいからか、もう自分自身でもわかりませんが。

ただこれが「目指せ脱オタ」作品であるかのように解釈されたのは、最後の戦闘シーン等がスタジオのようだったからだと推測します。ようするにこれはフィクションに過ぎないのだぞという強調をされたように捉えられたのでしょうが、それなら現実は「マイナス宇宙」なん?ということにもなり何とも言えません。まあ好意的に解釈して「運命は変えられる」というメタファーだと考える事にしましょう。

前述しましたが元々この作品はコロナ禍を想定して作られたものでないこと自体は確かだと思います。とはいうものの時期が時期でもあるので、これも精一杯好意的に解釈して「もうすぐ日常が戻ってくるよ!」という希望を込めた作品だと思うことにしましょう。もっともそうであったとしても、私のもとに「ムネの大きいイイオンナ」が迎えに来てくれることなどありはしないのでしょうけれど(;;)

誰かゴルゴダオブジェクトで世界を書き換えて~(;;)

投稿 : 2022/02/22
閲覧 : 215
サンキュー:

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