7でもない さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ガナビーオーケー、上出来だ。
あっ………そうか。やっとわかった。こういう風に書けばいいんだ。2年越しでようやく感想が纏まった。
なろうのお約束を逆手に取ったギャグ作品。聖哉やリスタルテのぶっとんだキャラ、周りの変な神さまとのやり取りは面白くひきつけられるし、話が進むにつれて聖哉の外道さ、異常さの原因が分かり見てる人は共感するようになり、やがて彼が成長し自分の殻をぶちやぶって超えていく姿をみるのは気持ち良い。
自分だけかもしれないが、「カノジョも彼女」の直也もそうだけど聖哉の非常識で偏っている漫画的なストイシズムは笑える反面、でもどこか少し憧れを感じてしまう。逆にスポーツ漫画やバトル漫画とかの何があっても折れない挫けない努力の天才、精神的巨人達はあまりにも自分とは離れすぎていてまるで異種族、異星人、ヴァーレルセかのよう。「モブサイコ100」もだけど、あんがいギャグ作品というクッションを1枚置いた方が思い入れしやすいのかもしれない。
たぶん連載されていたのがカクヨムで、小説家になろうじゃなかったのが良かったのだろう。小説家になろうだったら、聖哉やリスタルテみたいなめちゃくちゃで時にやりすぎだろ、あんた本当にヒーローか?って突っ込みたくなるようなキャラではなく、聖人のような非常に無難なキャラになっていたと思う。光が強すぎた結果闇が消え、世界が停滞し消滅の危機にあるって言ったのはどこのどの作品だったっけ。
と褒めれる所は沢山あるものの、同時にどこか足りない部分を感じる。具体的に何なのか分かりづらいけど1つ挙げるとしたら例えば随伴者の二人はキャラが弱い所。彼らは壊れたキャラの中の一般人だからだろうか。後は後半シリアス度が強くなると少し辛い事かな。
もしこの作品を愛しているファンの言葉をそのまま受け取って、期待を高く上げすぎると逆にダメな作品じゃないかと思う。なろう(異世界)にもこういうのがあるんだ、程度に見たらけっこう楽しめるはず。
最後に聖哉を演じるCV梅原裕一郎が「アクダマドライブ」で演じる運び屋で発する、個人的に心から好きなセリフを引用して終わりたい。
「上出来だ」
初見2020/04