をれ、 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作未読、視聴前収集情報皆無で視ました。
公式サイト;
https://joseetora.jp/
いわゆるアマプラ無料特典で視聴しました。
原作者の田辺聖子氏の本作以外の小説/エッセーは読んだ記憶がありません。ワタシは文学とは無縁の世界でずっと過ごしてきました。なので、フランソワーズ・サガンの小説もやはり読んだことは無いです。なので、原作のテーマやスピリットと劇場アニメ版のそれらの比較はできません。以下の文章は、ワタシというある個人の思込みと偏見をヘタクソな文章で綴ったものです。
満足度とか感動したとか、公式サイトトップ左に凄い率が書いてありました。宜なるかなという気がしますが、いくつか同意できないケド目くじら立てる程でもないかなぁは、無いでは無いです。
まず、ヒロインは偶々足が悪かっただけで、ほぼ引き籠っていて、年齢の割にはそのせいで経験が乏しく社会性がなく、かなり幼く自分の存在を肯定するためだけに人を見下した物言いをする、という設定の合理性を追求した結果なだけでソコを追求しても仕方ない気がします。そして、この物語の人魚姫のアナロジーが埋められていることに、足が不自由な人がどう思うかと考え始めると、ワタシの思慮を超越する次元になるので、言及は御容赦下さい。
次にお話の流れについてですが、途中主人公の挫折とその克服を挟んで音楽に例えればソナタ形式の如く最初と最後のお話が相似で、車椅子から主人公の胸に飛び込む出合い/再会になっています。それは、お話エンディングの作り方には相応しいのかもしれませんが、特に最後の方の再会の方は、ムリヤリ感を感じます。
社会性がなく世界は自分を中心に回っているべきと考えるヒロインの勝手な行動だったとしても、または、いわゆる女心的な世間的な発想で思い人に探してもらい見つけ出して欲しい願望の表現だったとしても、あるいは、迎えに来て欲しいとヒロインに告げた、つまり、主人公のヒロインへの好意の表現を受け取り、相思相愛状態なのに自分の存在が思い人の迷惑になると考える自己否定からくる主人公の気持/感情を無視した、不器用さの表現だとしても、ワタシ的には物語としては凄く不自然ではないケド、ヤッパリ腑に落ちないですw。その理由は一言でいえるのですが、メイワク以外の何物でもないと感じるからです。本作はワタシ的にリアル系というよりは、人魚姫物語のアナロジーをバックボーンに持つファンタジーに感じます。
つまり私は本作を、挫折を努力と発想の転換で乗り越え、他者とのコミュニケーションは言語下に本質があると説く、チョットワタシ的にメンドクサイけど少なからず感動する童話的物語だと解釈しました。
他の人に推すかというと若いカップルには強く推したいですw。そして、できればスナオというのはどういうことか2人で考えて欲しいです。