蒼い星 さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

天使から幸せを貰うアニメ。

【概要】

アニメーション制作：動画工房

2019年1月8日 - 3月26日に放映された、全12話(+未放送1話)のTVアニメ。
原作は、漫画家・椋木ななつによって『コミック百合姫』で連載中の漫画作品。

監督は、平牧大輔。

【あらすじ】

大学1年生の星野みやこはコミュ力が壊滅した重度の人見知りであり、
おしゃれもせずジャージ姿で家にいることが多い。

ある日、小学5年生の妹のひなたが連れてきた同じクラスの白咲花に一目惚れをして、
興奮しまくったみやこは花をお菓子で釣ったりコスプレ写真を撮ろうとしたりで、
その行動は不審者そのもの。みやこを危ない人だと警戒しまくる花であったが、
その花は、美味しい手作りお菓子で簡単に釣れるほどチョロかった。

【感想】

『コミック百合姫』は、女性同士の恋愛漫画の専門雑誌であり、
この作品の場合は、女子大生と女子小学生の、年の差百合コメディ。

この作品は、おねロリカップリングと呼ばれるものですが、
ロリコンアニメとしては行き過ぎた愛情の暴走はあっても性欲は感じませんね。

シスコン妹が過剰に姉に懐いて一緒に寝たり一緒にお風呂に入ったりしたり、
みゃー姉の花に対して興奮しまくっている姿などが、
みゃー姉が脂っこい見た目のお兄さんだったら完全に犯罪なのですが、

同性という事でかろうじて、とても仲のいい姉妹の範疇などであったりで、
一応は微笑ましい光景として話が収まっています。

個性豊かな年下の小学生の5人の女の子たちに絡まれまくる、
みゃー姉の嬉しさや共感性羞恥を視聴者である我々が共に味わって楽しむことが出来ていれば、
アニメとしての勝利でしょうか。

美人と言われる容姿で学力や趣味に費やす能力でもコンプレックスを感じる必要がない水準の、
みやこの人見知りが謎であったり、
（挫折や他人への恐怖心や警戒心が内向的にさせることはよくあることです）

みやこには同性代の友達がいなくて（松本は友達といっても良いのかな？）、
歳が離れた子供たちとばかり遊んでいる大学生であるとか、
天使な小学生にバブミを感じて癒やされている大学生であるとか、
よくよく考えてみると、このアニメはかなりヤバいと思うのですが、
これを理解して楽しむというのが多様性というものなのでしょうね。

リアルの高学年女子小学生と比べても、モブも含めて子供たちの誰もが天使過ぎるファンタジー。
現実逃避の楽園アニメと思えないでもないですが、
リアルに疲れた心への栄養剤として、賑やかで楽しい彼女らの日常をそのまま享受すれば、
これはこれでありかな？と思えなくもないですね。

キャラデザは独特ですが、声優ユニット『わたてん☆5』の、
OPとEDの歌とアニメーションが秀逸であるのをはじめ、
アニメーションとしての出来は非常に良いです。
他のアニメ会社でもやっているところはありますが、撮影でフォーカスポイントを移動させて、
視聴者の視線を誘導するであるとか、考えられて映像が作られていますね。

東京のアニメスタジオにありがちなスタッフの他社への移動で、
近年の動画工房も大変でしたが、良質なアニメをこれまで作ってきた実績は信頼しています。
2023年の、同じ平牧監督での【推しの子】が注目作品でありますし、
これからも頑張って良いアニメを作って欲しいと、このアニメを観ながら思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。