蒼い星 さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

25年前はセガサターンで遊んでいました。

【概要】

アニメーション制作：Atelier Pontdarc
2022年7月6日 - 2023年3月8日に二度の中断を経て放映された全13話のTVアニメ。

原作は、webサイト『ComicWalker』→『WebComicアパンダ』で連載中の漫画作品。
著者は、殆ど死んでいる。

監督は、河合滋樹。

【あらすじ】

2017年 秋。

17歳の時にトラックにはねられて17年間昏睡状態だった叔父が目覚めた。
病室でおじさんは意味不明な言葉を喋り頭がおかしくなっていた。

おじさんが日本語で喋り始めると、
剣と魔法の異世界「グランバハマル」から17年間ぶりに帰還したという。
昏睡状態のおじさんが原因で一家離散したことを告げた甥のたかふみは、
おじさんに自立支援の書類にサインさせようとするが、
おじさんが精霊魔法を使っているのを見て、おじさんの話を信じることにした。

たかふみは、退院したおじさんの不思議な力を金にかえて食べていこうと心に決めた。
とりあえずユーチューブでおじさんの魔法の動画を公開して広告収入で稼ぐことにした。

おじさんは、イキュラス・エルランと唱えることで、
異世界の記憶を映像として他人に見せることが出来る。
おじさんはSEGAハードのゲームで人生を語る人で、
価値観や倫理観がゲーム脳過ぎていて、たかふみには理解できない残念な人でもあった。

【感想】

異世界コメディな原作漫画は、キャラデザと作画が好みということで買っています。

異世界でチート無双して現代日本に帰還したおじさんの回想という形で、
異世界冒険の物語が進んでいくのですが、
圧倒的な力を持ちながらも異世界基準ではオーク顔と蔑まれて不遇なのを、
結局は力技でどうにかしたり、
対人経験値がミジンコでTVゲームだけが友達な少年時代を過ごしてきた残念なおじさんが、
人生哲学をSEGAゲームでイチイチ語りつつ、他人の好意・気持ちに鈍感過ぎて、
異世界でのマトモな人間関係構築や恋愛的な意味での多くのチャンスを自分でドブに捨ててきて、
美少女たちに惚れられていながらもそのことに一切気付いてない無自覚なのを笑うというヤツ。

90年代のSEGAゲームネタが視聴者の世代によっては意味不明ながらも、
おじさんの信じられないような思考のヤバさを、顔芸とともに楽しめれば面白いとは思います。

甥のたかふみもまた、
おじさんとは似たような人格の欠落がありながらも別のベクトルでの壊れっぷり。
現世でのヒロイン枠の藤宮、その友人の沢江。
異世界でおじさんと関わりの多いツンデレエルフ、メイベル、アリシアら女性キャラの可愛さなど、
といった見どころがありながらも、
ストーリーの進め方・ギャグの組み立て方がいつも同じパターンなので、
ストーリーだけ追っていくと飽きてしまうかも。

アニメ化するには難しい作画かな？と原作を読みながら思ってはいたのですが、
女性キャラを綺麗に可愛く描くところでは力を入れて、抜くところでは作画をラフにする。
映像的な緩急の入れ方が原作通りで、制作陣が原作の魅力を把握していて、
大事にアニメ化された作品であることがわかりますね。
声優の人選が概ねイメージを外すこと無くて、特に悠木碧のメイベルのニート声が良かったですね。

欠点といえば、コロナが原因での二度の中断でしょうかね？

セガサターンネタが多かった作品ですが、おじさんはアクションゲームばかりで、
大ヒットRPG「グランディア」、ダンジョン作成ゲーム「カオスシード」、サウンドノベル「街」、
「シャイニング・フォースⅢ」3部作、姫様が可愛い「プリンセスクラウン」、
当時話題になった「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」
などの自分の嗜好と全く重ならないのでおじさんのSEGA愛が共感できないのが残念でしたね。
どっちかというと、おじさんはメガドライブ寄りの人だから、それは仕方のない事かもしれませんね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。