ふりーだむ さんの感想・評価

3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

１２人の日記所有者による壮絶な戦いを描いた、雪輝と由乃の物語。

人との関わりを避け、自分の周囲で起こったことを携帯電話の日記に書き留めている中学生天野雪輝。彼の想像の産物「時空王デウス・エクス・マキナ」との空想の会話を密かな愉しみにしていた彼の日記に突如「未来の出来事」が書き記されていく。空想の存在の「デウス」が現実世界に干渉し、「未来日記」を使った「とあるゲーム」を開催する。その参加者となってしまった雪輝は、クラスメイトの我妻由乃の協力を得て、見ず知らずの１０人、合計１２人による「時を統べる者」の座をかけたサバイバルゲームに参加させられてしまう。１２人の日記所有者に描かれていく「未来」とそれを使った駆け引きで、それぞれが望む「未来」を手にするため残酷で壮絶な心理戦が繰り広げられていく。

自らを「傍観者」とする少年・雪輝が日記所有者やゲームに干渉する者と関わり合い、「当事者」となり、「勝つ」ためではなく、「生きるため」にゲームに身を投じ、成長していく様が描かれています。１２人の日記所有者もそれぞれ個性が有り、緊迫した内容、それぞれの思いが交錯し徐々に作品の世界観に引き込まれました。
雪輝を想い続け、時には可愛らしく、時には残酷な面を見せ、容赦なく「障害」を排除していく由乃。過去の雪輝との会話で自身の不幸な境遇から救われ雪輝を一途に、過剰に想い続けるヤンデレヒロイン。でもその「想い」は本当の「愛」だったんでしょうね。その行為が純粋すぎて周りが見えなくなる。雪輝を想い続けるがために自らが作った「２周目世界」を繰り返し続ける由乃が印象的で衝撃的でした。

他の日記所有者の様々な特殊日記や、それを持つものの心理、願い、欲望が激しく交錯し、「勝つ」ための力となり、世界を、未来をどんどん違う姿に変えていく。各々の心理戦、駆け引きを緊張感を加えて、かつ由乃と雪輝の関係を深く、テンポよく描き、「変わりゆく未来」と「雪輝の変化」、「由乃の変わらぬ想い」をうまく織り交ぜていたと思います。

浮かんでは消える「DEAD　END」の文字。運命に逆らい、あがき、裏切り、戦い続け、友人を得るも、両親を失ってしまう雪輝。由乃を信頼しきれず、時には信じ、時には疑い、時には裏切り、時には拘束されてしまうが、由乃の日記に書かれている「HAPPY　END」を目指し戦い続ける雪輝。由乃の過去と、ゲームの真実を知り最終的には由乃を救うために「神」となり、気が遠くなるような年月を悲嘆にくれて過ごしていた雪輝に届いた最後のメッセージ。彼は救われたのでしょうか。

基本的に馬鹿なんで、深く考えると理解できそうにないので、理解できる範囲で理解し、最後まで視聴しました。結構難しい作品だと思います。でも先に書いたとおり、いい緊張感とテンポの良いストーリーで見やすかったと思います。２周目世界、３週目世界という平行世界という設定にしたので、いろいろサイドストーリーもあるようですね。機会があったら見てみたいと思います。

視聴後１ヶ月後に書いたレビューですので、うろ覚えな部分もありますので、内容の相違などご容赦くださいm(_ _)m