HG anime さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態：観終わった
100万回生きた男。
●物語：1話1話が完結していてそれぞれ完成度が高く、観ていて飽きない。しかしながら物語の主軸はしっかりと定まっており、全体としてのシナリオ展開に一定の連続性がある上、やはり完成度が高い。
●声優：私はあまり声優に詳しくはないが、素人でも知っているような豪華な声優陣。
●キャラ：それぞれ個性がたっており、性格や個々の過去が魅力的で感情移入できる。渋くて素敵。
●作画：かなり綺麗。遠近感の出し方（つまるところ「色使い」）がそこらの作品とは段違いにうまいし、丁寧で繊細に描かれている。戦闘シーンなどの流動感も制作側の情熱が伝わってくる出来。作画を観るだけで製作費が相当かかっていると分かる。
●音楽：OP,ED,BGMよし。効果音もいい。タイトルどおりのジャズをはじめ、ロックやテクノといった曲を取り入れている。SFらしくないが妙に作風に合う。
◎総評：私はもうすぐ煙草を喫える歳になるが、喫う気はない。が、この作品を観てると渋くてかっこいいな～とつくづく思った。冗談はさておき、この作品は宇宙系SFなわけだが、2071年の物語となっている。私の大好きなアニメ「プラネテス」とほぼ完全に被る時代設定である。太陽系全体がテラフォーミングされている点でも似ている。個人的にはこの設定だけで垂涎ものだ。そして期待を裏切らない出来にうっとり。深夜にワインでも飲みながら観るような作品。その点では「ヨルムンガンド」と雰囲気が似ているように感じる。
物語の評価は最終話を観る前は☆4,5くらいだったが、最終話での展開が最高ランクを与えた要因になった。主人公スパイクは最終話で過去に生きるかと今を生きるかを選択することになるのだが、その選択と2人の女、ならびに100万回生きた猫の話が絡み合って最高の完成度を作りだしていると思う。サンライズは巨大ロボットアニメだけでなく、こういう作品も作れるぞ、と誇っていい。そんな作品。
