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「海がきこえる(OVA)」

総合得点
68.6
感想・評価
272
棚に入れた
1270
ランキング
1979
★★★★☆ 3.6 (272)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.6

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海がきこえるの感想・評価はどうでしたか?

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心に突き刺さる高校時代の回顧録

私はジブリの中で、このアニメが1番好きなのかもしれません。
主人公の拓とヒロインの里伽子のほろ苦い高校生の頃の思い出を回想した物語です。

誰もが若い頃は、純粋であるがゆえに、まっしぐらに突き進み、ときには感情が抑えきれなくなります。
大人になった人が過去を顧みると、馬鹿なことをしたと思うことが結構あるはずです。
でも、最も楽しかった時期に違いありません。
だから、大人の方は高校時代の頃と比較しながら視聴されると、親しみが湧くと思います。

但し、このアニメは、1回の視聴で全てを理解するのが難しいかもしれません。
なぜならば、拓と里伽子の高校時代の回顧録と同時に、現在の出来事も進行するので、ややこしいのです。
しかも、高校時代の回顧録の中で更に中学時代の出来事も拓が回想するため、複雑さが増します。

だから、このアニメを理解するには2回見ることをお勧めします。
そうすれば2回目に、里伽子の心の弱さと、拓の心の強さを感じるとることができるでしょう。
そして、心に突き刺さるような感動を味わえます。

里伽子は、学業優秀でスポーツ万能、美人ですが、人と接することが極端に下手な女の子
だから周りからは我儘とみなされ、敬遠されます。

その里伽子が、ひょんなことから拓と行動を共にします。
そのときの拓はかっこよかった。まさに「土佐の男」といった感じでした。
しかもそのとき、里伽子は初めて自分の心の弱さを拓に見せます。
里伽子は、寂しくて悲しくて涙を見せることもある普通の女の子だったのです。

あなたも拓と里伽子の激しい心の揺らぎを感じ取ってください。

ところで、
友達に悪いことをしたと反省し「明日謝ろう」と思っている人の多くは、
いざ明日になったら、なかなか謝る機会が無いことに気づきます。
後悔しないためにも、謝ろうと決めたら、今すぐ追いかけて謝ったほうが良いですよ。

投稿 : 2024/03/23
閲覧 : 457
サンキュー:

34

ネタバレ

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

高知を舞台にした恋愛青春もの

拓と里伽子の意識の外で、恋愛が行われているところが良い。二人とも、高校時代の最後までお互いの気持ちに無自覚なんですね。

この映画のように、好意というものは、青春の真っ只中や諍いの中では、無意識の中に閉じ込められていて、自分では気づきもしないものなのかもしれない。しかし、一旦井の外にでたり、違う角度から眺めたりすると、抑えられていた感情が意識となって心の中に立ち現れてくる。失って初めて分かるという感覚や、視点を変えることで分かる感覚ですね。それを、ハワイや東京などというように場所を行き来することで表現しているのだと思います。

井の中の蛙という言葉があるが、大人になるということは、井の外に一歩踏み出すということであり、そしてその出てった先の周りには、それより大きな井が存在している。小さな世界からの脱出を、子供の頃から延々と繰り返すことで、人は大人になっていくということを、この映画は雄弁に物語っている。当たり前のことだけど、これに気づけたのは、けっこう大きな収穫でした。

ジブリの中では、キャラクターの動きが少ないから、キャラクターの生命力が感じられないはずなんだけど、不思議とひとつの世界が成立しているのは、土佐弁という強力な武器を携えることと、写実的なアニメーション、キャラの心情を丁寧に描出しているからこそだと思う。作品にとって生命力というのは欠かせないものなんじゃないかな。

投稿 : 2024/03/16
閲覧 : 36
サンキュー:

10

ネタバレ

カール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

パヤオ激おこぷんぷん丸

原作未読。

舞台は1990年代の日本。
高知の進学校っぽい高校に、
東京からクールビューティーなJKが転校してくるところから、
物語はスタート。

主要キャラは同級生の三人。
男子二人に女子一人。

親友が好意を寄せている女子を
気がつけば好きになっていた主人公。
という、よくあるお話。

終始物語は淡々と進んでいきます。
良く言えばスマート。
悪く言えば味気ない。

例えば、
不意にホテルで男女二人で泊まることになっても、
昨今のアニメなら、
過剰なまでの演出で動揺を視聴者に見せますが、

この作品では、
その機微をおくびにも出さない。
かつてのトレンディドラマのような、
洗練されたおしゃれな演出。

これがどうやらパヤオの逆鱗に触れそうで。
しかし、制作側からすれば、
「原作通り」としか答えようがありません。

まぁパヤオなら、
原作改変するぐらいのパワープレイは、
基本かもしれませんが、

要するに、
パヤオはかなりこの作品を意識していたらしく、
それだけ興味を引いていたようです。
つまらなけば怒りませんからね。


ありがとうございました。

投稿 : 2023/04/13
閲覧 : 95
サンキュー:

3

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

宮崎駿より「性」的な作画

宮崎駿が描く女性は、最終作に近い「風立ちぬ」まで「性」的なエロスを避けて描いている。

それはとても良いことであり、例えば観る側からするとそういう性的なシーンが嫌いな人(特に女性)も多いからだ。

しかし、この「海がきこえる」では、ジブリの中でも初期の作品で、宮崎駿が不在な作品であるために、非常に若々しく性的なメタファーに満ち溢れた青春劇になっている。

はっきり言って、青春期なのでセックスの初体験の雰囲気あるいは興味が感じられる非常に爽やかで、かつエロチックなシーン(直接なシーンはないにしろ)が
あり、特にヒロインの里伽子の魅力が描かれている恋愛劇になっている。

原作者は氷室冴子さんという女性だということで、成熟した女性の視点で描かれていることが、エロチックでも爽やかで肯定的なこととして描かれている所以になっているかもしれない。

投稿 : 2022/04/03
閲覧 : 362
サンキュー:

8

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

明日になればなんとかなるさが青春。そんな明日は来ないことが分かるのが大人。

この作品は、子供の頃に観たことがありますが内容は全然覚えていませんでした。
たぶん、登場人物よりも年齢が低かったせいか全然響かなかったのだと思います。

今回観返して当時思いもしなかった感情が詰まっている作品だと分かりました。
つまり、青春です。

青春を題材にした作品は、観る年齢によって感じ方が違います。
幼ければ、子供の頃の自分のようにまだよく分からないで終わってしまいます。
青春まっただ中であれば、そんなの普通のことだよって感じるでしょう。
しかし、青春って時期がとても貴重なものだったと気づいてしまった今、
なんとも切なくなります。

青春の恋っていろいろな形がありますよね。
とにかくその人しか見えない一直線の恋。
好きなんだけど、一歩踏み出す勇気がなくて、結局終わってしまう恋。
当時は、自分の気持ちにも、相手の気持ちにも気づかない友達止まりの恋。
振り返って初めて恋だったと気づく、友達でも恋人でもない微妙な関係性です。
そんな二人の間に起きた出来事は、特別な何かって感じで記憶に残ります。
この話もそんな感じです。

この話は、大学生になった主人公が当時のことを回想しながら進んでいきます。
主人公が高校2年の夏、可愛い女の子が転校してきます。
しかし、その子は、クラスのまわりの子と馴染めません。
主人公とも特に接点はありませんでした。
そんな中、修学旅行先で主人公は、その子からある相談を持ち掛けられました。
これをきっかけに二人の話が恋愛ではない方向に急展開していきます。

主人公は回想の中で、その子と一緒に他愛もない会話や景色を観ることを
「したかったんだ・・・」と気づいていきます。
と、同時に、当時のその子との多くはない会話が頭に浮かんでは消えていきます。
主人公は、それが青春だったと気づき始めます。
そして、ちょっとずつ大人になっていく、そんな時期のお話です。

主人公は、当時、友達とも喧嘩をしてしまいます。
でも親友なので、きっと明日にはいつも通りに戻ると思っていました。
でも、実際は、そんな明日は来ませんでした。

きっと青春って、実現したいことの多くは、
早ければ明日にも、遅くてもそのうち実現するものと思っていたことでしょう。

明日になればなんとかなるさ。そう深く考えないのが青春です。
でも実際は、そんな明日は来ないことが分かるのが大人です。

そう思うと、青春って時期は、良くも悪くも
その一瞬一瞬を一生懸命生きていた幸せな時期だったんだとつくづく思います。
大人になると、変に先々のことばかり考えてしまいます。
今を楽しめていない自分に気付きなんともやるせない気持ちにもなったりします。

よく「青春を謳歌せよ」と聞きます。
しかし、青春まっただ中の子には、正直、それは響かないと思います。
だって青春って終わって初めて、それが青春だったと気づくのですから。

この作品も大人になってしまったからこそわかる、そんな気がするのです。

投稿 : 2021/09/19
閲覧 : 312
サンキュー:

11

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

高畑勲さん寄りの作品

ジブリ作品を大きく分けると、宮崎駿作品か高畑勲作品に分けられると思います。

この作品は、後者に当たると感じました。

まさに人の青春そのものです。
現実離れした、ファンタジーなどは皆無で、
そこにあるのは一つの現実の出来事。

そう考えると、高畑勲さんもそういう作品を作っているので、似ているなと思いました。

何年経っても、変わらない感情というのは、結局のところ人間の根本は変わらないと言うことでもあると感じさせてくれた作品でした。

投稿 : 2021/08/31
閲覧 : 204
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

胸キュンせつな系の傑作

今みると高校生のライフスタイルも大きく変貌していて、ああ昔はこうだったな的な見方にならざるをえないので、少なくとも40歳は超えてないと多分感動できないんではないかと思います。

武藤里佳子のひねくれぶりもなかなかですが、それに振り回される男どもの生きざまたるや同感せざるを得ない。

やっぱり男ってこおゆう女によわいんですよね。男ってダメですなー。

・・・とゆうような切り口ではこのハナシはないけれど、そのひねくれ女に振り回された男同志の破綻と友情とか。ああなんかわかる。

ボクの想像ですけども、里佳子と拓はぜったいうまくいかないぜw
まあ、そこがせつないなと。

思うわけですよ。

投稿 : 2020/09/15
閲覧 : 431
サンキュー:

10

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普遍的な高校生の青春を静かに描いた作品

この作品は当時のアニメ業界において
ジブリを中心とした新進気鋭な若手
(といっても30代中心だが、業界的には若い)達が
集められて作成された作品だ。

ゆえに、これまでのジブリ作品と少々変わって
やや年齢層が高く、高校生~社会人の間を
扱った原作を題材にしている。

という、前置きはいいとして

まず注目してほしいのは音楽と作画だ。
単刀直入に言うと「オシャレ」なのだ。

シティポップ的なイラスト、
抒情的なBGMが
16歳~24歳という
最も感性が瑞々しい年代の物語を、
清々しく描いている。

ではストーリー。

正直、ヒロインはツンデレの走りである。
「なんだこいつぁ」と、
主人公は少々ムカつきつつも
なぜか
都会から来た美人で、
クラスになじめず、
どこか寂しそうな彼女を放っておけないでいる。

同じように感じていた親友は恋に落ち、
あまりにも優しすぎて、優しすぎるゆえに、
悩むことになる。

他人に踏み込むこと、
親友との関係性、
突然現れた都会からの寂しげな美少女、
物語は少しずつ紡がれていく。

親友と違い
ちゃんと感情をぶつけてくる主人公に、
ヒロインは困惑しながらも、
裏側にある優しさと思いやりに気付き、
徐々に惹かれていく事になる。

だが高校時代は結ばれるまではいかず、
別々の道を進むことになる。

数年後の同窓会で彼女を思い出した
その数日後…

最後のシーン。

中央線の吉祥寺駅のホームで
お互いを見つけた時、
ヒロインが綺麗なお辞儀を見せる事で
大人への成長と変化を描き切る。

そして淡い高校時代からの
二人の物語が再開することを
「その人ねお風呂で寝る人なのよ」
という彼女のセリフによって
予感させることで幕を閉じる。

なんて、なんて、なんて、
オシャレなのか。
これはオサレ師匠のKBTIT先生もにっこりである。

投稿 : 2020/09/08
閲覧 : 264
ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

等身大の女子高校生/個人的には好きな作品です。

宮崎駿や高畑勲が全く関わらない初めての作品。

というのも,作風は,現実味を帯びすぎていて
宮崎駿監督の理想とする「女性像」とかけ離れすぎていて
反感を買ったためという。

望月智充監督ら若手のジブリ作品ですが,1993年
に日テレで,午後4時台に放送されたきりで,
長い間,幻の作品といわれていました。
(劇場作品ではありません。)

理由は,ジブリ内で認められていない作品だったことと
未成年の喫煙,ヒロインの飲酒シーンがあることも
あったという。

もちろんVHSとかで見ることはできましたが・・・

2011年の再放送で,「この作品には,
未成年の飲酒・喫煙シーンがありますが,
原作の作品性、原作者の意図を尊重し
オリジナルのまま放送いたします。」
とのテロップが入れられたそうです。

杜崎拓 - 飛田展男
武藤里伽子 - 坂本洋子

の組み合わせはよかったと思います。

里伽子の,したい放題,言いたい放題,わがままぶりは
家庭環境のせいだととらえることもできますが
高校2年生ということで,もうちょっとおとなしく
なれないものかなという印象を持ちました。

現実の女子高生の姿としては,
「耳をすませば」の雫(中3)が,
恵まれた「優等生」だとすると

里伽子は,「問題児」的にも見えたりしますが,
これも普通の女の子の姿なんだろうなあ
と思ったりもします。

この作品はを長い間封印している(た)のは,
もったいないなあ,という印象です。

生々しい青春ものですから,ビンタの一発や二発
あってもよいと思いました。

これからというところで終わっています。
続編があって,これも幻のドラマみたいですが
原作を追ってみるのが,いいのかもしれません。

エンディング曲「海になれたら」歌 坂本洋子
が,けっこう好きでたまに,DVDを見返して
みたいなあという気分になっります。

投稿 : 2020/06/18
閲覧 : 278
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

恋愛ものというより青春もの。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
1993年5月5日に放送されたTVアニメ。
原作は、小説家・氷室冴子によって『月刊アニメージュ』で連載されていた小説。
監督は望月智充。

【あらすじ】

高知から東京の大学に進学した青年・杜崎拓は、
吉祥寺駅のホームで見覚えのあるような一人の若い女性を見かけるが、
列車の往来の中で見失ってしまう。
大学の夏休みに入った拓は、帰郷して高校の同窓会へと出発する折、
一枚の写真を部屋で落としてしまう。写真の女性の名は武藤里伽子。
駅のホームで見かけた女性には里伽子の面影があった。
高知空港に向かう飛行機の席で、拓は中学と高校の頃のことを。
高2の夏に東京から転校してきた里伽子との出会い。親友の松野の彼女への恋心。
そして、彼女を巡って引き起こされた出来事を思い出していた。

【感想】

当時のジブリの若手スタッフが手掛けて、宮崎駿&高畑勲がノータッチな作品。

ジャンルとしては一応は恋愛モノということらしいのだが、
観ていてときめかないし、面白くもない。

なんせ、ヒロインの武藤里伽子が作中では凄い美人設定なのであるが、
今どきのアニメに慣れきってしまえば特に美人でも可愛くもない。
顔の造形云々よりも表情が悪い。それにも理由があるのではあるが。
絵柄は人好き好きなのでどうでもいいのだが、
勉強ができるとかスポーツが堪能であるということは作中のモブ男からはプラス査定でもあっても、
視聴している自分から見ればどうでも良いことであり、問題は里伽子が性格○スであること。
ワガママ、身勝手、男…というか拓を財布代わりにしてお金を借りてなかなか返さなかったり、
良いように便利屋扱いしているトンデモナイ女だ!ワガママで気分屋、自分のことしか考えてない。
作中でも女子から嫌われているしね!

拓は拓で訳知り顔で、どことなく小賢しい未成年って感じ。

拓と里伽子が揉めてる様子が微笑ましくもなく、そこから恋愛関係になるの?など興味が全くわかず。
女のワガママを男は許すもの…男はなんだかんだ言って美人に弱い!みたいな?
で、感動した!という人の気持ちが解らなかった。

でも、この作品を観続けて里伽子が置かれている状況が説明されると作者の意図が解っていく。
もともとはこんな酷い女では無かったが、裕福なリア充だったはずの自らに起きた状況変化に脳が追いつかずに、
理想と現実のギャップに心が折れてしまわないためにも、
虚勢を張らざるを得なかった里伽子の心の中を察して優しく見守る。
子供がおとなになっていく途中の段階で原因があって荒れていた里伽子の葛藤やあがきが描かれた作品なのだ。
里伽子の強がりにシンパシーを感じたり、その未熟さを愛でることが可能なら名作として扱うことが出来、
どんな理由があっても、人に迷惑かけるワガママな人間はダメだよ!と思えばそれまでであり、
里伽子が好きであるか嫌いであるかで評価が二分する作品なのである。

まあ…里伽子が美少女設定でなければ拓が早い段階で『ふざけるな!このブ○!!』
と里伽子を殴打して話が終わりでドラマが生まれない気がするが、美人は得ということか?
個人的には思春期の人間のイタイ部分が巧みに描写された挑戦的な作品であるように見えた。

ちなみにこのアニメを気に食わなかった宮崎駿監督が、
対抗心で『耳をすませば』に取り掛かったのは有名な話である。
カリオストロ公国の公女クラリスを理想像として少女に清純さと品位を求める宮崎監督には、
里伽子の心が発する生々しくも毒々しい熱量が受け入れられなかったのかもしれない。
親目線の理想から外れているからとも考えることも可能ではあるが。

ぶっちゃけた話、男より女のほうが作品の内容や機微を理解しやすいのではないか?と思った。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2019/09/11
閲覧 : 336
サンキュー:

32

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

寄せては消える波のよう

風情ある高知市を舞台に、大人に成りきれない高校生の
リアルな青春時代を描くスタジオジブリ制作の異色作品。

高知の高校を卒業し、東京の私立大学に進んだ杜崎拓。
ある日、吉祥寺駅のホームで見かけた武藤里伽子に似た女性に驚き、
故郷への帰省を切っ掛けに、懐かしい彼女との高校時代を思い出す。

ある季節、家庭の事情で突然東京から転校してきた武藤里伽子。
成績優秀でスポーツ万能。しかし生活環境の違うこの街を毛嫌いし、
あまり協調性を持とうとしない彼女はクラスの反感を買っている。
そして杜崎拓も、そんな彼女に好意は描けなかった。

いつしか彼女は、時折見せる拓の優しさに次第に想いを寄せていく。
しかし、友人を気遣う拓は彼女の想いに近づこうとはしない。
里伽子にふられた松野は、そんな拓を見て思わず殴ってしまう。
それぞれが素直になれず、想いを残したまま卒業した高校生活。

時は流れる。寄せては消える波のように。

そして時が過ぎ、今はただ貴方に逢いたい。

時の流れ。それは淋しくも、過去を見つめ成長させる大切なもの。
駅で見せた深いお辞儀に、大人へと育つ里伽子を写し出す。

投稿 : 2019/08/10
閲覧 : 223

シワーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ノスタルジー

1970年台前半に生まれ、1990年前後に思春期を過ごした世代の諸兄にはオススメできる。

逆に言うと、そのほかの世代にはあまり響かないかもしれない。

作中に出てくる、走っている車のフォルム、公衆電話、カセットテープのテレビコマーシャル、FM雑誌、JAS(当時あった航空会社)のロゴ、ANAの飛行機の内装、などがオジサンにはとても懐かしいんです。

1990年前後は、FM雑誌(FMレコパル、FM STATIONなど)が結構読まれていて、付録にカセットテープ用のインデックスカードがついていた。カセットテープの周波数帯域のグラフが製品別に記載してあった。離婚も今よりずっとめずらしかった、とくに田舎では。海外に修学旅行にいく高校もこの時分に増えたと記憶しています。

ヒロインであるリカコは成績や容姿がいいものの、傍若無人のうえ毒を吐く、一般的に好きになれない人物ではある。

しかし、高校生ぐらいの男子ですからバカなんですよ。こういう子を好きになちゃうんです。この異性を見る目のなさも、あとで振りかえると郷愁をさそうんです。主人公のモリサキが、高校生時代の自分に重なりました。

高知弁もいい味をだしてた。といっても私は高知弁まったく知らないのですが。

モリサキとリカコ、付き合ったとしても結局別れちゃうだろうなと思うのですが、そのハッピーエンドにはならなさそうな感じが現実感があって良い。

懐かしい思いで気持ちが高ぶったからでしょう、高めに評価しちゃいました。

投稿 : 2019/07/04
閲覧 : 245
サンキュー:

6

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

海はきこえなかったみたい。。

高知県の高校生のたく君が
とちゅうで東京から転校してきた
自己中女子にふりまわされた思い出のお話し

たく君と親友のゆたか君って
ちゃんと自分の意見とか言えて
思いやりがあってとってもいい人だった

でもりか子さんってにゃんが見て
ふつうの女子よりもっと
性格わるいなぁって思った(好きな人ゴメンね)
{netabare}
パパとママが離婚しちゃったり
行きたくないいなかの高校に転校させられて
かわいそうなとこもあった
にゃんも転校したことあるからよく分かるけど。。

でも方言をばかにしたりウソついてお金かりたり
友だちにそのこと話したらすごいおこるし
いやがってるお友だちを
むりやり東京につれてこうってするし

同情してついてきてくれたたく君が
行くところなくって
おふろで寝ててもゴメンねも言わないで
追い出しちゃうし
{/netabare}
あ~ぁ。。
ほんとにさいごまで
自分のことしか考えてなかったみたい。。
たく君がかわいそうだったなぁ。。

ほかのアニメのツンデレ女子って
涼宮ハルヒだってわがままだったけど
思いやりってあったよね
ほかの人とちょっとちがってたかもだけど

でも
りか子さんがいいところって
頭がよくってかわいいだけ。。

もしかしてにゃんが気がつかなかっただけで
ほかにもあったのかなぁ。。
でもお話しの中では出てこなかったみたいだし。。

きっと男子ってかわいい女子だと
性格とかもよく見えたりするのかも。。
ちょっとうらやましいけど^^
りか子さんみたくはなりたくないなぁ
{netabare}
だからクラス会で
りか子さんにふり回されてたこはまさんが
ある男子から好きでした~って言われてて
ちょっとほっとしちゃった^^
{/netabare}
男子でも
ちゃんと見てくれる人もいるんだなぁって。。

東京で会ったりか子さんが
ちょっと大人になってたらいいなって思った^^

あとタイトルが
「海が。。」ってゆうから
海のお話しなのかなぁって思ってたら
あんまり海って出てこなかったみたい

投稿 : 2019/06/27
閲覧 : 1132
サンキュー:

125

きつねりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一人語り青春アニメの名作

何度も見ている、そしてこれからも何度も見たい作品のひとつ。ジブリの中では最初は「ふーん」くらいだったけど大学生、社会人といった年代になってバシバシ刺さる作品になりました。

自分の周りが全てだと思ってた世界が意外と狭かった、人生を揺るがすような悩みも見方を変えてみたらなんてことはなかった、時間が経つと苦い思い出もいい思い出になったといった大人あるあるが続々とぶち込まれ、今では到底出来ない無茶を平気でやっていた昔を自然と思い起こさせるような絶妙なラインのエピソードの数々が描かれます。

主人公・拓の自分語りも適度かつ印象的に挟まれ、最後のシーンのセリフは名言だと思います。そこからのエンディングも最高。

そして終盤・港の夕暮れのシーンが最高にエモいと付け加えておきます。あそこで「海になれたら」のBGM流すのは反則・・・

後はバリバリの土佐弁の存在感が後を引きます。クセになる。

投稿 : 2019/05/24
閲覧 : 666
サンキュー:

17

ザカマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

はっきり好みの分かれそうな作品

自分はかなり好きで、4回見た。

音楽とエンディングのイラスト、そしてやはり
里伽子 に惹かれる
自分も 吉祥寺駅のホームで会えるかなwww

投稿 : 2018/10/25
閲覧 : 330
サンキュー:

9

ネタバレ

不良中年 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

良かった。結構好きだ

 ゲオの特集コーナーで見かけて気になったんで借りてみようかと思ったら貸し出し中だった。無いと逆に見たさが募り、他の店を探し回ってことごとく貸し出し中で5店目でやっと借りることが出来た。

 土佐から東京の大学に進学した主人公の回想録で物語は始まるが、言ってみれば他愛のない話なのかもしれないが、青春を感じるいい話だと思う。

なにより良かったのはハッピーエンドである事

僕みたいな年寄りには切ないラストは少々つらい。
せめてお話の世界くらいハッピーでいて欲しい。
だからこの作品はとても好きだ。

このあとの二人をいろいろ妄想して楽しむか

投稿 : 2018/09/30
閲覧 : 273
サンキュー:

5

ネタバレ

ボーア さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 2.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

全く海がきこえないぜよ

ホーローww


海辺で話しとるだけちや~
海、関係ないぜよ

どのキャラも好きになれんちや~

投稿 : 2018/02/08
閲覧 : 282
サンキュー:

6

kku さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 1.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

望月智充監督

「月がきれい」(以下「月」)を見たとき感じた世界観というのがどうも既視感があり気になっていました。
記憶の細い糸をたぐり寄せて思い出したのが氷室冴子著「海がきこえる」です。確か小学生の時友達の女の子に薦められて図書館で一気に読んだ記憶があります。
そしてアニメ版の情報を知り取り寄せ視聴する事に。
小説で感じた(もう一度読み返しました)世界観ぴったりで、「月」ともいくつかの共通点があり「月」に繋がる作品だと確信しました
さらに調べると、望月智充監督は制作会社亜細亜堂に所属、「月」の岸誠二監督も元々、亜細亜堂所属。どういう訳か結びついてここで鳥肌全開というわけです。

 ストーリーは視聴なさった方の書いてる通り賛否あると思いますが、女性が強気で一人よがりでプライドが高く甘えん坊で不器用。こういうキャラは今のアニメだとなかなか受け入れられないかもしれないけどまさにこういうややこしい女子は「あの頃」確かにいたはずです。
また古い作品なので時代背景もあるかなと私は思います
当時女性の社会進出が活発になり、強い女性への憧憬も多分に含まれていたと思うし、そういう女性に振り回される男性心理の裏の願望もあったと思います。原作者は女性ですがその辺社会の空気を読み取っていたのかもしれませんね。そういう背景を押さえて観ると最初は好感が持てないヒロインもとても可愛らしく見えてきます。

 次に印象的だったのが、フレームワークです。
ずっと固定カメラでまるで実写ドラマのように描いています
固定の為背景をじっくり見ることができますし、画面に落ち着きが生まれます。それはまるで彼ら主人公たちの平凡な日常そのものかもしれません。
しかし、最後感動シーンで仕掛けが!
つまりこの為に固定だったという訳です
まるで溜まったダムの水を開放するように主人公たちのこれから広がる世界を示唆、演出しています。この作品は書籍版では続編がありますが、スムーズに続編世界へ続く導入ともなっており原作ファンにも配慮していたのかもしれません

「月がきれい」同様、『等身大』の人間を描いた世界は一見つまらない世界に見えますし、アニメでする必要が?って意見もあるのも否定はしません。でも人の記憶って案外いい加減でアニメで使用される誇張表現、印象表現が作り手の皆さんの人の記憶に基づく訳ですしそれなりに説得力があるはずです。それどころか、記憶をさらに美しく更新する作用もあるのでは?とこういうアニメを観ると感じます

投稿 : 2017/09/22
閲覧 : 249
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14

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

へたくそな土佐弁

なんというか、イントネーションが違う。
アクセントをしっかり勉強してもう一度収録した方がいいだろう。

それから、最後のラストは「ない」。「やっぱり君は俺のことが好きなのか」というのは、一方的な思い込みからの変態ではないのか。

そりゃあ宮崎が怒るよな?

投稿 : 2017/08/22
閲覧 : 230

せくしい軍曹 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

兎にも角にも

とにかくこの作品は雰囲気でみるアニメです。(原作も読了)
情景、音楽、絵柄と考えずにジワーと感じてみるものかと。
ジブリの若手集団が作ったので展開に荒削りな部分もあるのだろうけど
情景は美しいしそれに加えて音楽がとても合っています。
ナウシカ以降のジブリ作品(ナウシカは正解にはジブリでないが)は
基本的に評価してないのだけれどもこれは別。

結論はリカコは性格悪いなと思いました。

投稿 : 2017/08/01
閲覧 : 205
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4

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

なぜ70分なんだ…。

アニメ映画を観ていると「これで120分は長すぎるな~」と思うことが時々ある。
でもこの映画はその逆。内容に対して、放映時間が短すぎる。というか、短い。
この内容をなぜ120分使えなかったのか、勿体ないと感じずにはいられない。

中盤までの内容は文句のつけようが無い。完璧だ。
僕はあまり集中力が持たない方で、例えば映画を観ていても120分の作品をDVDで鑑賞するとしたら、大体60分ずつで二回に分けて視聴したりする。
集中力が持たないというのもあるし、キャラクターの心理や世界観、ストーリーの把握なんかをじっくり考えたいからなんだけど、本作の場合、視聴中に時間の経過をほとんど意識することがなかった。
つまりそれだけ、視聴に心地よさがあったんだ。

なんだろうな~。あんまりこういう体験が無いからハッキリとは言えないんだけど、キャラクターの語りとか物語の内容そのものが、すごく身近に感じられるんだけど、かといってリアルすぎるということもなくて、本当に自然なんだよなー。
観るという行為をほとんど意識せず、スッと作品に入っていけたというか…とにかく、全部観終わってからやっと感想が出てくる感じ。
文学作品をアニメにしました、という系統の良きお手本といった作りだ。


ただ、オチはちょっとアッサリし過ぎたかなー。高校卒業から同窓会までの間が短すぎて、肩透かし。
画面の外でキャラクターの心情がいつの間にか変わっていったにしても、その間隔が短すぎて無理矢理詰め込んだ感じが出ちゃってる。せめてあと20分、放映時間が欲しかった。

東京で社崎を待っているっていうのはすごく素敵なんだけど、社崎が東京に来るという根拠はなかった訳だし、その為の布石が仕込まれていれば、同窓会の場面での「お風呂で寝ちゃう人」って台詞の衝撃はもっと激しくなったんじゃないかな。
普通に考えれば、ビンタをした一件以来たぶん里伽子はずっとモヤモヤしていたと思う。時間が経つにつれて自分がビンタをするまで激怒した本当の理由に気づくだろう。でもそこで謝りに行くなり自分からコンタクトをとらない辺りが里伽子らしいよな。罪な女だよ全く…。


尺が長すぎるジブリ作品なんて沢山あるだろうに、なぜこの作品に限って70分しかないのか…悔やまれます。


※僕の勘違いで、本作はテレビ放送された作品だったんだね。映画かと思ってた…。
TV放送だとすると…CM抜き100分が理想かな~。それか、せめてあと10分ほど欲しかったところか。

投稿 : 2017/05/14
閲覧 : 238
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13

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリの恋愛の話

出てくる土地の両方とも地縁があったので,面白く観れました。
ストーリーも終わり方も私は好きです。

飲酒かなんかが問題になったようなことを目にしたことがありますが,ストーリーとは関係ないですよね。

観て,幸せな気持ちになる作品でした。

投稿 : 2017/05/12
閲覧 : 311
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8

DB さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

すごく懐かしい感じ。
高知と東京を舞台に、田舎と都会の高校生を対比させながら当時の思春期というものをうまく表現していたと思う。
まあ昔も今も※はついているとは思うけどww
原作はその後もあるらしいけど、短い作品としてはうまいまとめ方だったかな。

投稿 : 2016/09/04
閲覧 : 211
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2

てんてん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

いいね

面白かった

投稿 : 2016/07/10
閲覧 : 248
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1

ネタバレ

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

いまいち

ちょっとなぁー
青春物語といっても
あんなヒロインだと、作品自体が駄作に思える。
ストーリーの流れも悪い。

投稿 : 2016/04/02
閲覧 : 289
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7

ネタバレ

Enchante さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

中学生の頃に観た時は物凄くときめいた

アニメチックではなく、非常にリアルな描写と作画(伝説の近藤勝也が担当)が優れていて、物語そのまで魅了されていました。原作も後から購入して、こういうライトノベルもあるかと悦に浸っていたとまで覚えています。そして成人してから観返すと、かなり背伸びして自分に酔いしれたいだけだったのかな?と考え直してしまった作品。

なぜこんな事態に陥ってしまったかと言うと、原作者の故・氷室冴子さんには失礼ですが、それほど心の機微を描いたリアルさはないし、アニメにしても格別の余韻が残らない、と気づいたから。大人になって、あの感動をもう一度!となって見直すと、こういう落差に驚くことが多いです。無論、ライトノベルを馬鹿にするつもはないし、原画も美しいのだけど、タイトルの『海がきこえる』という魔法のネーミングセンスからの酔いが覚めたからも知れません。

とにかくヒロイン・武藤里伽子がとても魅力的でした。高知の田舎街を人から風景まであくまで峻拒する姿勢が自分と通じるものがありましたし、周囲の男子がソワソワしている点でトラブルを起こすなど彼女の中に自分を都合よく投影していたのだと思います。

一時的な東京への脱出劇も、私としてはひどく同情していました。しかし、振り返って距離をとってみると、単なる一人相撲の「やさぐれ」にすぎないと感じました。主人公の杜崎拓に密かに想いを寄せている様子がちっともない里伽子が愛らしいのは間違いありませんが、ツンデレを通り越して、今ではちょっと引いてしまいます。

それでも「海がきこえる」に呼応した、せせらぎのようなBGMは心地よく、これにまた騙されたくなりもします。ラストのホーム越しでの交錯に「海」がきこえて来そうな気がしなくもありません。

主題歌の「海になれたら」も里伽子の声を演じていた坂本洋子が透明感あふれるように歌い上げています。アテレコも歌もどちらも上手くないというより下手なのですが、このぎこちなさが当時はとても自然にマッチしていました。

投稿 : 2016/03/02
閲覧 : 271
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6

ネタバレ

フローズン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こういう作品はやっぱ落ち着く

・原作未読
・ジブリ作品で、この作品だけ本腰を入れて見たことがなかった
・2011年に放送した際によっしゃ見ようと思っていたがなんやかんやで見れずじまい 
・頭の片隅にひっかかっていてやっと見た

・すっごい面白かったです
・十代、思春期特有の無鉄砲な行動、冷静さを保ちたいけどにじみ出る子供っぽさ かなりあるある
・リアルで主人公にかなり共感できるところが多くあり、心地よかった
・自分の高校時代に比べたら、時代のずれもあってか作中のキャラの方が大人びているような気もするけど
根底の青春特有の愚かさと、純粋さを含んだ誠実でありたい気持ちと権力への反抗など
・それらが懐かしくもあり痛々しい気持ちになれて非常に満足でした
・何より作品の雰囲気自体が落ち着いているから、こっちも安らぎながら見れた
・テンポもよく1時間ちょいがあっという間でかなり高品質なOVA作品

・作画も最高峰で、どこかで見た景色がありありと描かれていて見とれる
・リカコとビンタし合うシーン、ラストでのリカコとの再会、ハッとさせる場面はしっかり印象的
・未成年が思いっきり飲酒していてちょっと笑った。今のご時世だとうるさい連中がいるけどこの頃は大らかだったんよな~

・若干気になった点は1つ
・高校時代からたった1,2年であのころは視野が狭かったと十分に省みれる程は成長しないよなって。振り返ったとしても客観的にはまだまだ甘さはあるでしょ。大学生時分での振り返りってことで

・特典映像も必聴です
・定期的に見返したい作品の一つになりました

投稿 : 2016/01/21
閲覧 : 285
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13

うたプリが覇権 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

はじめに
有名なアニメ版オリジナルの科白「それはね、お風呂で寝る人なんだよ」について
これに関して小説版の巻末で宮台が言及していて、「小説版の武藤里伽子なら絶対言わないセリフ。かつ好意のようなものが感じとれてしまうので僕は原作の里伽子ほうが好きです」
この感想に僕は激しく同意する
武藤里伽子は拓に好意を持っていない
それがこの物語のペーソスであり、全編にわたってノスタルジーを感じさせている大事な要素だと私は感じている

僕が一番好きなシーンで、
里伽子と一緒に東京のお父さんに会いに行くところがある
「パパと一緒に帰りたい。一緒に暮らしたい」と話す里伽子
世田谷区成城学園前。娘が借りていたお金を返し、ホテルを借りてくれる典型的富裕層なお父さん
いざ合ってみると再婚予定の相手と暮らしていて、
居場所のない里伽子が拓のホテルに泣きながら飛び込んでくる。そしてベッドの上で二人でお酒を飲む
こんなお膳立て、ないよね
でも結局は何も起こらない。拓はお風呂で寝る
"何も起こらない"
これはそういう物語なんだ。ここが好きだ

背景について
http://nipponia.blog44.fc2.com/blog-entry-218.html
確かに、今でこそ当たり前になったけれど、背景を写真から書き起こすのはこの時代はジブリくらいしかやっていなかったかも
昔の作品でも魂のこもってかかれたものは古びれない
教室で松野と夕日を眺める場面、新宿ハイアットホテル、高知城のライトアップなどは今でも心の写真立てに飾ってある

よく対比される『耳をすませば』について
押井守が言ったとされる文章にも書いてあったけど「現実的な世界観で非現実的な人間模様を描く耳すまは悪だ」
僕も同意権である
かえって『海がきこえる』はとてつもなくリアリスティックな人間描写だと僕は考える
松野豊との関係の終わりになるあのエピソードのあと、高校卒業まで話さなかったなんてのは、思春期の学校生活ではよくありがちで、「そういうもんだよね」って分かる。経験的に言って

さっきこのサイトで感想をちょっと見ていて、「ヒロインがツンデレ」とかいう記号的な理由で『涼宮ハルヒ』と対比されていて驚いたんだけれど、それは違うと思う
主人公のモノローグが多いという一点ではないか?
ちなみに拓がいつから里伽子が好きか?ってのはまだ読解できていなくて
最後、同窓会のときに「やっぱり好きなんだ」と言葉にしていたけれど
でもその前は?いつから?
「大学は東京にしようと僕が決めたのはこの時だったかもしれない。里伽子がなんとか気を持ち直そうとしているのが感じられて、ほっとしていたからだろうか」
これもよくわからない。前後つながってなくない?

いずれにせよこれから何回も見ることになる人生アニメだ
その人生の節々で読解していければいいなと思っている

投稿 : 2015/04/20
閲覧 : 398
サンキュー:

7

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

☆ジブリのテレビ特番

淡々とした高知での青春物語でした。

高知弁が印象的な作品でした。地味ですけど
ジブリらしい雰囲気で悪くなかったです。


監督/望月智充



1993.5.5日本テレビ放送

投稿 : 2015/03/05
閲覧 : 320
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6

三崎鳴 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こういうストーリー、現代文とかでよく使われるパターンですよね

日本テレビ開局40周年記念番組として1993年5月5日にテレビアニメとして日本テレビで放送されたスタジオジブリ作品。原作は氷室冴子作小説『海がきこえる』。72分という短い尺の短編映画的な作品で内容は王道青春恋愛もの。ジブリ作品の中でも異色の部類で、宮崎監督も高畑監督も全く関わっていない初めての試みとなった。平坦な物語の運びの中にも懐かしい青春があり、純粋な愛があり、ノスタルジーがある。大事な何かを思い出させてくれる隠れた名作。東京人であるヒロインの身勝手な振る舞いと一歩引いて他人を見据える主人公のうまく噛み合わない組み合わせがもどかしく、それが心地よくもある。

投稿 : 2014/11/30
閲覧 : 313
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海がきこえるのストーリー・あらすじ

高知の進学校から東京の大学に入学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。その後、はじめての夏休みに同窓会のために故郷・高知へと帰省する道中、拓はその高校時代を思い起こす。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子の存在を振り返っていく。(OVA『海がきこえる』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
OVA
放送時期
1993年5月5日
制作会社
スタジオジブリ

声優・キャラクター

坂本洋子、飛田展男、関俊彦

スタッフ

原作:氷室冴子、 監督:望月智充、作画監督:近藤勝也、製作:尾形英夫、企画:鈴木敏夫/奥田誠治、脚本:中村香、音楽:永田茂

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