「GOSICK[ゴシック](TVアニメ動画)」

総合得点
87.0
感想・評価
2841
棚に入れた
14776
ランキング
171
★★★★☆ 3.9 (2841)
物語
3.9
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

探偵、ミステリーものとして見ない方が良さそうですね。

1924年ごろの、とあるヨーロッパにある架空の国での話
日本人留学生の男の子、一が、そこでヴィクトリカという金髪の少女と出会った所から始まる。
ジャンルは探偵、ミステリーものみたいです。
探偵にあたるのがヴィクトリカで一弥は助手でこのコンビでストーリーは進みます。

探偵もので主人公側が警察ではないので、お約束として警察はあんまり賢くはないですね。
1924年のごろのヨーロッパの警察の実力は自分は知りませんが
少なくても賢くはないと思う。犯人を取り逃がしたりするし
意図的に賢くないようにもしているようにも見える。
そして事件の内容を聞いていると少なくても普通の警察に手におえないものではないと思われるけど
警察はヴィクトリカに相談すると探偵ものとしてはテンプレかな
ただ、相談している刑事はヴィクトリカの兄なので兄ということでギリギリ納得かな

舞台は1924年のごろのヨーロッパなので
それを意識した事件の背景があったり当時の雰囲気を感じることが出来ました。
舞台が現代でないならではの楽しみ方はありますね。
事件の真相そのものはリアリティはないので無理があるとは思うけど
最初の事件から徐々に色々なことがわかってくるので
わかってくることにより段々物語に厚みが出るし長編物語と考えれば中々面白いものでした。
2クールあるので1事件1事件の尺はしっかりしているので
事件の前の出来事もしっかり描写することが出来て
事件が起こった後、推理の整理もしやすかった。
ただ、トリックに関しては一般的には簡単すぎるかなとは思いますので、わかりやすさを重視する人向けです。
なのでトリック自体は「ええっ」犯人こんな手を考えたのか!!とかの驚きがないのがポイントかな
驚きのトリックを期待している人向けではありません。
個人的には本だとトリックは難しい方がいいけど、テレビだと推理する暇なんて殆どないし
ただ聞くだけで推理すると考えれば、このアニメ推理ものとしてのレベルは高くないけど
これくらいのレベルの方がわかりやすかった。でも一般的には無理かなと思う。

ヴィクトリカの推理の披露もあっさりしていました。
悩んだり、色々状況証拠を頭で整理したり苦悩して考えることはなくて
簡単に結論を出していたので苦労して犯人を捜す感じはなかったな
犯人についてはあんまり印象に残らなかったかな
どうも無抵抗に近いくらい降参するのが早いのであっさりしていましたね。
あんまり犯人との駆け引きがある作りではなかったな
探偵、ミステリーものとしては事件が起きて推理する段階はいいのだけど
その後はあっさりとしているので歯ごたえはないかな
なのでこのアニメは事件から徐々に色々な
真相がわかってくるのを楽しむものだと思いました。
そこからストーリーが大きく動くので、その壮大なストーリーが見ものかな
推理ものなのであまりネタバレしない方がいいと思うので
ストーリーの詳しい所までは書きませんが
最後まで見ると、見て損をしたとかはなかったですね。
特にその壮大なストーリーが綺麗な流れになっているのが良かったし
ストーリー構成も行き当たりばったりではなく
きっちりと計算されていたものなのでストーリー性は中々だったと思う。

ヒロインのキャラクター性は良かったかな
ヒロインのヴィクトリカは可愛らしい小柄な女の子ですが
最初は見た目重視で、キャラの中身についてはあんまり作り込んでいないと思って見てましたが
意外や意外キャラ設定はしっかりしていたと思いますね。
生い立ちから、何故軟禁されているのか、親族との関係とか
色々な要素がストーリーに絡んでくるので適当に考えられたものではなく意味があるものでした。
性格についても、何でこうなったのかと生い立ちから考えると
わかる部分もあるので、ただ単にキツイ性格になってなかったのは良かった。
一弥との関係は最初はあんまり仲が良くなかったけど
ストーリーが進むにつれ段々仲が良くなっていっているな・・・と
変化していく感じが自然になっているのが良くて、一弥のことを
考えている時の心理描写もかなり、繊細な女の子だなと思える所があり
最初性格がキツイ子だけなのかと思ってたけど、細かい部分の人間性も作り込んでいたのではないかと思う。
それに加えてお菓子をもらって喜んだり、お菓子を食べたいなと考えている
ヴィクトリカの仕草とかも可愛くて、素直にこの子いいなって思えましたね。
キャラクター性は良く出来ていた。

一弥はあんまりストーリーの中心にはならなかったかな
ヴィクトリカを陰なら支えるタイプだったかな
間違ったことがあったら、ちゃんとしかったり
ヴィクトリカのことを結構考えて行動していたのは好印象だった。
喧嘩はするけど、あとでヴィクトリカにフォローする
優しさもあるのでそういう所も好きでした。
一弥のことを好きな女の子が他にいたけど
その子との関係は当て馬にすれならなかった恋愛描写だったのは良かったと思う。
彼女が好きな人は不満だと思うけど
最後まで見るとヴィクトリカと一弥の物語とわかるので
逆に変にフラグが立たない構成だったのは好意的にみたい。

劇中曲も結構良質な曲がいい感じで流れていたので
雰囲気がいいことが多くて演出面でも中々のクオリティーがありました。

作画については舞台はヨーロッパの近代で比較的中世風な
世界観なのでこういった舞台だと
作画クオリティーの高さが直接作品の評価に響きそうだけど
それを制作者側が察してか全体的に
細かい部分まで綺麗に描きこまれていた印象が強く残りました。
小道具や木や背景の作画の丁寧さは2011年の作品と考えれば
十分すぎる出来はありましたね。
キャラの作画もヴィクトリカは非常に可愛く描かれていたし
それだけでも十分なのにそれ以外のキャラの作画も丁寧で
女の子は可愛く描かれていて、男性キャラもしっかりと描きこまれていて
頑張っていたと思います。
1話から24話までの作画の質も安定していて全体的に
隙のない作画クオリティーだった。

声優さんについてはヴィクトリカ役の方は子供のころ辛いことがあった
キャラなので辛い過去を背負っている感じを出すのが
難しかったと思うけど、その辺りの演じ分けは出来ていたと思います。
普通に喋っている時の可愛らしい感じも良かったと思う。
一弥役の江口さんは序盤チョット
安定しないかなと思いました。気になる感じがあった。
後半になってようやく普通に聞けるようになったかな

まとめると探偵、ミステリーものとしては結末はあっさりしているので
その点が気になるかな
ストーリー自体は全体的にまとまりがあるので
終わってみると満足いくものになってました。
ヴィクトリカと一弥の関係やキャラクター性は良かったので
欠点はあるけど楽しめる要素は多かったと思う。
探偵、ミステリーものとして見ない方が良さそうです。
でも基本的に探偵、ミステリーものの作りなのが痛い所かな
そのせいでストーリーの評価を上げづらいな

投稿 : 2016/12/23
閲覧 : 250
サンキュー:

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