「忍の一時(TVアニメ動画)」

総合得点
63.2
感想・評価
103
棚に入れた
284
ランキング
4384
★★★★☆ 3.1 (103)
物語
2.9
作画
3.3
声優
3.3
音楽
3.1
キャラ
3.0

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

悲しみや苦しみ耐えてでも生きる意味

忍者のお話ですね。
こちらは何かチャクラを練ったりしません。
現代風忍者って感じかな?

ただ、少し内容が重いシーンもある気もします。
けど、メッセージ性がしっかり込められてる作品であり好き嫌いは真っ二つに割れるかもしれませんが、その中で最後はしっかり答えをだしてくれる。
それがこの作品の良さかな?と思います。

えっと、結論から言うと主人公の一時の母は……死にます。
第1話で、一時は母子家庭で習い事を沢山させられて、青春は一過性のものと言い友達より習い事を優先させられます。
彼女が出来ても、よく知らない人とは辞めておきなさいと言います。

多分、普通に見たら、子供はここまで母に関与されたらウザイって思うし下手したらグレるレベルwww
けど、お母さんは伊賀の里の当主だったのです。
だから、自分が死んでしまう可能性も考えて居たのかな?って。

お母さんは一時を忍者にする為に沢山の習い事をさせていたって話したけど……
それは当主としての顔がそうさせていていただけで、家では凄く優しい雰囲気のあるお母さんで、きっと自分に何かあった時に1人でもなんでも出来るようにしてあげたかったんだと思いました。

忍者ではない彼女がしてあげられる精一杯の母としての愛情だったのかな?
じゃなきゃ、忍者になるか、襲撃で殺されるか、逃げ出すか、なんて3択を選ばせたりしないよ。

自分は忍者で当主だった旦那が亡くなって選択肢なんてなくて当主になったから、一時には選んで欲しかったんだとおもいます。

そうして、一時は忍術学園に入学に伊賀と甲賀の抗争に巻き込まれて行きます。
そうして聞かされる、甲賀の里の当主が暗殺されその犯人は伊賀側にいる事を。


忍術学園の編入試験で光学迷彩対策をした一時は優しいですね。
忍者は極力目立たずって行動しないといけないみたいで結果は最悪だったけど、周りの人を巻き込みたくないからスプリンクラーを作動させて避難させる。
彼は人として正しい事をしたのだと思いました。

学園の忍メシってなんだろ?
炭火みたいなのww
あんな昼食嫌だけどダイエットにはいいのかな?
3分クッキングで紹介して欲しいですね。

忍装は割といいデザインかな?
忍者としては軽そうで硬そうで全体的に黒ぽくて闇に紛れやすそうだけど、お昼は目立ちそうな装備ですねw

ただ、一時は少し可哀想ww
だって、右も左も解らない状態で忍者の学校に放り込まれて誰も説明してくれないww
リョウコさんは忍装オタだけど彼女が居てくれて助かりましたねw

饅頭のお題だけど、甲賀組が卑怯な手段で饅頭を手に入れていて、一時はその時に怒っていたけど、キレイさんは忍びはバレなきゃOKって話してて、忍者の世界では当たり前なんだろうけど、それに対して怒れる一時には人間らしさを感じました。

一時VSスザクは何か一時の強さを見た気がします。
スザクは伊賀がした殺害の責任の為に一時を殺そうとします。
痛みを知らないといけないと……

確かに憧れた人を殺されたら……復讐したくなる気持ちも解る。
「復讐は何も生まない」なんて私も思う。
多分、殆どの人がそう考えるよね。

でも、それは第三者だから言える事で、もしも自分の家族、友達、恋人、恩人、近しい人が同じ目にあった時に、どれだけの人が「復讐は何も生まない」なんて言葉で割り切れるのだろうか?
本当に復讐しに行かないにしても納得出来るのかな?と考えた時にそれは難しい事だと思いました。

けど、スザクは根本的に間違えてる。
確かに、何事に於いてもですが、部下の勝手な行動で命を奪った時に責任を取るべきは当主であり責任者なのかもしれない。
だからって、その責任は死ぬ事じゃない。
裁かれるべきは当主じゃない犯人です。

例え、一時を殺害したとしてもスザクはそれで納得出来るのだろか?出来ないと思う。
復讐は復讐を生み出し連鎖する。
一時を殺したら誰かが復讐に来る……それじゃ平和なんてこない……憎しみなんて断ち切れない……終わらない。

一時が「我慢するしかないんだよ」って言うけど、これは凄く響きました。
理不尽な話なんだけど、憎しみを断ち切れるのは犯人でも被害者でもなく残された者だけなんですよね。

残された人は悲しいし寂し辛い……その上耐えなきゃいけない……耐えなきゃ、復讐したら悲劇が繰り返される……復讐しても命は蘇らないし、心は晴れない。

だから、我慢しなきゃいけない。
正直、酷な事だと思うけど、断ち切れるのは残された人達なんですよね。
だから、一時のセリフって正論だけど残酷なセリフだと感じました。

でも、「お前を人殺しにしたくない」ってセリフは凄いなぁ〜って。
結局、復讐や正義とか天罰とかさ、どれだけ大層な理由を掲げても誰かの命を奪うのはタダの人殺しなんです。
それらの理由はきっかけであって、結果はただの人殺し……
一時は彼を人殺しにしたくは無かったんだなぁ〜って。

自分の命が狙われる中で相手の気持ちを思いやれる事は凄い事だとおもいます。

伊賀の当主が甲賀当主の殺害事件の件で囚われてしまい一時が伊賀の当主代理として一時が立ち上がります。
見ていると少し頼りない雰囲気もあるけど伊賀の皆が認めてくれたり、堂々と挨拶出来たりと当主としての才覚はやっぱり芽生えつつあるんだろうなぁ〜とおもいます。

しかし、同時に伊賀当主……一時の母の死刑が決まってしまう。
この辺りから甲賀が一気に臭くなるんですよね。

で、伊賀の人達が当主を救うために動こうとします。
コウセツとかは少し乱暴なやり方だったけど彼女も含めて伊賀の人達って本当に当主を慕ってくれていて凄いなぁ〜とおもいます。
本当に素敵な当主だったのでしょうね。

そうして始まる伊賀の当主奪還作戦が始まる。
そこに甲賀が宣戦布告してくる。
伊賀と甲賀の戦争が始まります。

忍者らしい戦いかと思ったら……
兵器からロボットまで出てきて……
なんか本当に現代の戦争で使われそうな兵器も登場します……

でも、リョウコさん凄いですね。
相手の戦術や機会忍者を調べて弱点に気付いて大活躍ですね。
カッコイイですね。

機会忍者は彼女の父が作ったものだから戦争に使われてるのが悔しいらしくて止めたいらしいです。

多分、ショックだったんだと思います。
戦争の為に機会忍者を作った訳じゃなくて、多分誰かの役に立つ為に作った物が人の命を奪うために使われて居るのですから……

昔、本で読んだのですが、飛行機を開発したライト兄弟っているじゃないですか、後に彼らはある光景を見て、飛行機を発明した事を後悔したそうなんです。
自分達の開発した飛行機から爆弾が投下される光景をみた時に……

何でもそうだけど、多分開発される多くの物は誰かの役に立って欲しいから開発されるもので、その開発した物を武器や兵器として使われるのは辛いんだろいなぁ〜って思います。
だから、リョウコさんは機会忍者を止めないといけないと感じたのかな?って。

キレイさんは実は裏切り者なんです。
けど、最後は……一時とリョウコさんのピンチを救い助けにきてくれた。
彼女は裏切って甲賀に情報を流してたけど最後は友達にを選んでくれた。

多分、彼女は伊賀の味方になりたかったんじゃなくて友達の、一時の力になりたかったのかな?と思いました。
ボロボロになりながらも機会忍者を止める大活躍をしてくれました。

トキサダとコウセツが当主を救いだすも……コウセツは操られてしまい当主を刺してしまう……
彼女は当主が大好きで凄く恩を感じていて、自分を実の娘の様に大切にしてくれた当主……
彼女に当主を刺させるなんて残酷ですよね……

一時の目の前でお母が息を引き取っていくのは見ていて辛かったですね……

コウセツの過去は素敵でした。
コウセツは甲賀の血筋があり彼女は無意識に脳内にチップを埋められて本人すら知らない間に裏切り者として里に送り込まれてた被害者でした。

一時の母は甲賀の血筋の事は知ってましたが、チップの存在は知りませんでした。
周りから甲賀の里の人間だからと反対される中でも、彼女はコウセツを引き取る事を決める。
甲賀なんて関係ない、それは彼女がコウセツをコウセツとして見たから引き取ることが出来たのだと思います。
だから、結果はこんな形になったけど、コウセツを引き取った事は後悔してないと思いました。

この作品は、一時、リョウコ、キレイ、スザク、コウセツは全員大切な人を失います。
様々な理由で、それでもそれぞれが出来ることをするって生き方がカッコイイと思いました。

大切な人を失いと悲しい……ふさぎ込むかもしれない……
それでも生きていると立ち向かわないといけない出来事も沢山ある。
失った人が残してくれた物や与えてくれた物、生きてる人が選ぶ、未来や与えられた物や残してくれた物や託された物。

そうした沢山ある物の中で選ぶ数々の選択肢や決意、残された者がやるべき事、やれる事、そうした事がこの作品にはメッセージとして含まれてる気がします。

この5人のそうした決意や選択肢は凄いです。

大切な母を失った一時
大切な恩人を失ったコウセツ
失われた父の正しさを知ったスザク
職人としての父を奪われたリョウコ
命を父が守って繋いでくれたキレイ

彼らが、失い起こした行動と決意が何を引き起こすのか……

ラストは良かったなぁ〜

真実を受け止めてでも生きる事を選んだコウセツキレイの自分の罪を告白する勇気とそれを許せる強さのある一時に、自分が出来る事を精一杯して友達を救いに来るリョウコ、正義とか悪とか復習とかじゃなくて自分の道を行くスザク。
全ての罪を背負い彼らの道の閉ざさないようにしてくれたトキサダ

そして、人生の中にある苦しみや悲しみに絶えて堪えてでも「生きる」意味の答えを出し理解している一時。

後、戦闘は一時はめちゃくちゃ強いね。
学園ではあんなに素人丸出しだったのにw
でも、戦闘シーンは迫力ありましたね。

それに数年越し彼らの選んだ未来は素敵な物でした。
中でも、甲賀は平和になるかな?彼ならやれそう。

一時が1番普通だったかな?
でも、普通が1番共感出来るかなって思いました。

この作品の多くのキャラは忍者として育てられてるからか忍者としての考え方を持ってます。
一時は最近まで普通の人間として育てられていて、少し周りより人間らしい考え方や捉え方が出来ているのが凄く共感出来るシーンがあり面白いです。

あと、OPカッコイイですね。
サビの部分が素敵w

投稿 : 2022/12/20
閲覧 : 94
サンキュー:

5

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