「灰羽連盟(TVアニメ動画)」

総合得点
78.0
感想・評価
1419
棚に入れた
7263
ランキング
413
★★★★☆ 3.8 (1419)
物語
4.0
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.7
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灰羽連盟の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

救済の物語

 アニメに限らず、何らかの作品に触れる際、自分の場合はジャンルやコンセプトなどを把握して、
それに沿っているのか?、あるいは外れているのか?といった観点から考えることが多いが、本作は
そういった位置付けが難しく、それでいて言葉にしづらい魅力に溢れているという不思議な作品
でした。

 ジャンル的にはファンタジーの範疇に入るのだろうけど、内容は既存のファンタジー作品にはない
ユニークなもの。ただユニークと言いながらも具体的にどこがとは挙げにくい作品ではある。
 個性的なファンタジーと言うと独特の世界観や設定を持つものが多いが、本作の灰羽などは天使を
モチーフとしたものでそれほど斬新なものというわけでもない。
 設定・世界観はお馴染みなものだが、鬱やダークといったテイストを強めた切り口だったり、逆に
コメディギャグに寄せたりすることで独自性を発揮する作品もあるが、本作はそういった作品でもない。
 灰羽としてグリの街で暮らすことになったラッカの日々の生活を描いた一種の日常系作品という
側面は、中盤のクウの巣立ち以後のシリアス展開で急激に弱まる。
 グリの街及び灰羽自体に秘密が多いことから真相究明のサスペンス要素で持っていき、その真相は
ファンタジー的装いに対してSF的本質があるものだったり(特に街から出られないという設定が
そう感じさせた)、あるいはかなりショッキングなものがあるかも?、と思ったこともあったが、
結局は特に明らかになることなく終わってしまった。
 ただ作り手側が認識している裏設定のようなものはありそうだし、灰羽達の心の救済を主題に
置いているような作品なので、作中で細々と設定・世界観を描かなくてもいいかなと思った。

 自分が観た範囲で強く感じたのは宗教的要素で、灰羽は死んだ子供で、グリの街は天国へ
行くなり、転生するなりといった次へ進むために、罪を清めるキリスト教における煉獄的な場所
なのかな?といった印象。それでいてグリの街は普通の人も生活しているというのが
面白かったりするが。
 そういう点では他作品だと「ANGEL!BEATS!」が近しい作品なのかな。本作の方が古いけど。
 そして、作中における灰羽は死者のようだが、これは現実世界における精神的悩める者の暗喩の
ようにも思えた。
 そういった心の救済という点では、ラッカとレキのダブル主人公といった印象だが、救済の方法を
神に求めるのではなく、他者との関わり合いに求めるという点が面白い。

 多分に観念的な話であるし、基本的に暗めで静的なテイストなど、人によっては退屈な印象を
持ちそうな感じがあるが、個人的には心の痛みに主眼を置いた部分は考察なども含めて見応えが
あるものだったし、そのテイストに合わせた作画の色彩や音楽も実に素晴らしかった。
 願わくばラッカや視聴者がレキの街や他の灰羽に愛着を覚えるような、日常テイストの回が前半に
もっと欲しかったかな。

2020/05/24

投稿 : 2020/05/24
閲覧 : 13
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5

ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作に出会えた。。1話観て惹かれた不思議な世界の物語。

同人誌原作。読みは「はいばねれんめい」
2002年制作。2020年視聴。
サクラ大戦OVAの制作会社RADIXの作品一覧を見ていたところ、huluのお気に入りに入れていたこの作品があったので試しに観てみました。
世界観やヒロインに興味が持てなければ向かないかも知れませんが。。

出だしがAIRを彷彿とさせ、ヒロインが気に入った事もありますが、edがうたわれるもの1期のような雰囲気で、opとか背景とか含め、妙に惹かれて自然に先のエピソードが観たくなりました。

絵画のような世界がとてもいい。
控えめなのに心が動く演出。
それを表現する声優さん。
そして何よりも音楽。
これらが相乗効果でとても胸に響く。
古さは感じるけど全てにおいて称賛以外の感情は湧きませんでした。

{netabare}
ヒロインcvは広橋涼さん。。あらためて調べてみると。。
あ、CLANNADの双子の姉!杏!
WORKING!!の山田!
女性的な声が魅力的だし幅広いですね。

ストーリーは不思議が多く視聴が止まりませんでした。
羽で飛べるの?
頭の輪っかは取れるの?
成長するの?
街を囲む壁は?
大きなまま産まれてくるってことは生まれ変わり?
とか。

第6話のクウ、コップの水が満たされて巣立ちに至るエピソードはスピリチュアリズムのテイストを感じます。というか、この物語全体がそうなのかも。

たしか、人は転生し魂を浄化するためのチャレンジを繰り返す、という「哲学」で、宗教とは異なるものだったかと。
だとすると、壁の向こうは「現世」ということになりそうですね。

後半は鬱展開だったので、まさかと思ってハラハラ観ていましたが、レキが救われてホント良かった。。
{/netabare}

久々に感動する作品に出会えました。
原作者はじめ製作陣の熱意が感じられます。
RADIXという会社が今存在しないのは残念な気がします。

あまり期待し過ぎずニュートラルな気持ちで観ていただきたいです。

ヒット率は高くないけどたまにこういうジャストミートがあるのでやめられませんw

投稿 : 2020/05/22
閲覧 : 249
サンキュー:

25

AIR さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心温まる名作(467)

物語  289/300点
正直あの少し不思議で、穏やかな世界観だけでも★4は下らないレベルで面白い。本作のような優しい雰囲気をこれほど上手く描いた作品は殆ど無いと思う。灰羽のあの世界観、有機的な優しさ、穏やかさは心の芯まで染み入る温かさに満ちている。本当に名作なので、心から見て欲しいと願う。

キャラ 41/50点
穏やかな作風に合った穏やかな登場人物たちが出てくる。そのため個性の強い人物は居ないが、各々が抱える内面についても掘り下げられるので、キャラが立っていない訳ではない。

作画  50/50点
世界観にマッチしていて最高だった。感激ものだ。

声優  37/50点
感情を露わにして叫んだりするシーンが少ないので、キャラを演じるのは難しかったと思う。そんな中でも、各人物の違いが良く演じられていて、流石だなと思った。

音楽  50/50点
本編内でのBGMは雰囲気に合わせて少なめになっているので47,8点でも良かったが、EDが素晴らしすぎた。全話OP,EDを飛ばそうとさえ思わなかった。


総評  467/500点
超高得点となった。2項目で満点を取ったアニメなんてこれくらいのものだ。かなり面白いのに巷のランキングでは中々見かけない。灰羽はもっと人気になって良いと思う。心に染み入るような温かさを持った、素晴らしい作品だ。

投稿 : 2020/05/18
閲覧 : 59
サンキュー:

9

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

救いの物語

あらすじは公式サイトを見てください。
世界観は電気が通ってたり廃墟が多かったり、現代的な生活と古風な生活観あふれる農園風景。
きっとこの世界は、自分たちが住んでいた2000年代の風景のまま、廃れていった世界なんだろうなと感じました。
登場人物達は、みな優しく、時に強く、とても生き生きとしていました。

個別に序盤の話を書きたい気もあるのですが、とりあえず大きな部分だけ書いていこうかなと思います。

【ラッカの成長】 {netabare}
最初の大きな転機点としてクーが巣立ちラッカが落ち込む時期です。ラッカは自分の意思とは無関係に罪憑きになり、強烈な自己嫌悪と居場所のなさを抱えて自分と向き合うことになってしまいます。

ラッカは井戸の中で見つけたカラスの死骸を「大切な人だったことはわかる」と言います。これは1話冒頭でラッカが抱きかかえたカラスと同じだと思われます。「記憶の欠片」を運んだカラスの死骸が「私は一人じゃない」ということをラッカに思い出させ、罪つきの状態から解放されます。
ラッカにとって罪は、「ここに来る前に私は誰かを傷つけてしまった、だから謝らないといけない」とのことです。

しかし、罪がゆるされたかはラッカ自身ではわかりません。では何を持って罪つきから開放されたのでしょうか?

罪つきが生まれる理由 
・記憶が完全に思い出せないこと
・「思い出せない夢」とは「罪の意識」であり、その罪を他者からの救済を必要としている状態で生まれる。

罪つき状態が消える理由
・ラッカの場合、他者との繋がりを感じることで過去と向き合い、自分の恐怖と戦う勇気を持つことが出来た。

上記のような、生まれる前の灰羽のトラウマを具象化したのが罪憑きの羽であり、トラウマを克服することでラッカは他人を疑いなく信じることができるようになり、罪つきじゃなくなったのかなと思いました。

罪つきは他者との繋がり(友情・愛情)に確信を持てない灰羽に現れるのじゃないかなと推測では思っています。そして、他者の愛を何らかの形で感じ、他者との繋がりに確信を持てたとき、罪つきではなくなるのかな見受けられました。
{/netabare}
【灰羽の人生】{netabare}
灰羽の巣立ちは年齢関係なくやってきます。
クーいわく、コップにしずくが落ちてきて、コップが満タンに満たされたら巣立つそうです。そしてラッカに「ラッカもそのしずくをくれたんだ、ありがとう」という言葉から、巣立ちは本人にとっても喜ばしいことで、他人に感謝をするようなことなのだと思います。

灰羽の巣立ちは他人からの愛を受け、満たされた状態になって、一人立ちする準備が出来たら、外の世界へ旅立つ。他者との繋がりに確信を持っているからこそ、旅立てるのかなと。

灰羽が生まれるのは、レキがみずから命を断った夢だったことからも、何らかの理由で、命を幸せに終われなかった人が、その命を満たしてから、次の生まれ変わりをするための世界なのかなと思いました。
{/netabare}
【レキの人生】 {netabare}

レキのトラウマは、裏切りによる他者との断絶。それは、灰羽として生まれる前の誰かによる裏切り、友人と思っていた人間との敵対、自分を残していってしまう友人との別れ。それを全て含めて「夢でも、この町でも誰かが救いをくれたことなんてなかったじゃないか」という言葉なんだろうなと。

少女のレキは「私は助けてって言うこともできないの?」「でも、レキは他人に救いを求めなかったじゃない」
核心を突かれてレキが恐怖で悲痛な顔をします。怖かった、裏切られ、他人と自分の繋がりが偽りなんじゃないかということが。もし心から助けを求めても誰も助けてくれなかったら、それを感じるのが怖い。だから他者と自分の間に壁を作ってしまって、偽りの自分で過ごしていた。

レキは良い灰羽であることで、救いがある事を祈っていた。だれかに救いを求めるのが怖くて、誰かに壁を越えてきてほしいと願い続けた。

たとえ自分のためであっても、レキは周りに愛を与え、ラッカに愛を与えました。ラッカがレキの愛は偽りかどうかは関係なく、自分がレキの愛を受けていたと強く思い、友人だと確信し行動できるほどのものをレキが与えてくれたのです。信じてくれる友人の強い思いを感じたからこそ、ラッカを信じて、信じたいという心、もう一度人を信じたいと願う心がレキに生まれたから、最後に救いを求められたのだと思いました。

レキの苦しみやレキの恐怖も、私にとっては痛いほどわかりました。最後にレキが救いを求めてくれたことで、信じる事の出来ない人たちの苦しみを救う物語だと感じましたね。

{/netabare}

以上です。拙いレビューですが、最後まで見ていただきありがとうございました。

ほぼ全話のネタバレを含むメモ(※注意 未整理です。追記のために残しておきます)
{netabare}
灰羽達及び共同で暮らす人間達はは壁の外には出てはいけない。
灰羽達は人間達に保護という名目で住み分けがされており、仕事を一緒にしてもお互いに干渉しすぎない。
カラスは自由に壁の外に行ける。灰羽達はカラスについて思うことが多々ある。
ラッカは空から落ちていく時、カラスに話しかけ、自分をいたわるカラスを抱き締める。カラスはラッカにとってどんな存在なのか。
なぜ灰羽は生まれるのか、なぜ灰羽達は隔離された社会にいるのか。
世界の始まりの本の話。神様は寛大で灰羽達が居眠りしてる間に世界に生まれてしまっても良しとした。というのがラッカの考えた話。ネムが考えたのは神様の頭の中の隅に灰羽を置いたところかな。

クーが消える、人間でいう死を感じ取り、お別れの言葉を残していく。ラッカもコップに落ちる滴をくれた。そして一杯になった。クーにとっては幸福な出来事だった。

壁はなぜある?レムは壁は私たちを良くないことの全てから守ってくれるといった。
カラスは壁の方へ向かい、森のなかから光が指した。(自由な場所へとびたった?)
壁の力が西の森は強い。
灰羽の巣立ちの日が来ると壁を越える、壁を越える灰羽には導きがある。
巣立ちの理由はわからない。
巣立ちすると光輪が取れる。旅立ちは灰羽ではなくなる?祭壇の上からとびたった?
ラッカの羽が黒ずむ。ラッカはクーの旅立ちを祝えない。もっと一緒にいたかった。
クーが人々の心に残らない事を悲しく思うラッカ。
レキが居なくならなかったことで良かったといったヒョーカの言葉に傷付くラッカ。
ハサミで黒い羽を切ってしまうラッカ。
灰羽を守るために壁と街がある。
祝福を受けられない黒い羽を持つ灰羽を罪つきといい、レキは生まれたときからそうだった。
夢を思い出せない灰羽は罪つきであるといわれている。
なぜ罪つきが生まれるかはわからない。
なぜ悲しい事が起こったり、境遇が悪い灰羽が生まれるのか?灰羽ってなんだろうと思うラッカ。
レキの薬で黒い羽を白く染めて、とりあえずは事を収める。
いつか消える自分になんの意味がある?そのといに、意味はきっとある。見つけたらきっと…というレキ。
夢を思い出そうとすると恐くなるラッカ。クラモリを失っておかしくなったレキはずっとラッカと一緒にいるという。
優しい服屋店主。
黒い羽を持つ自分が嫌いになってくラッカ。
逃げるようにクーがいた場所(風車)に行き自分がいなくなればいいと思うラッカ。
カラスに呼ばれるように西の森にいく。
鐘がなったのは皆が心配しているからだろう。
西の森の井戸に導かれたラッカ。
井戸の底にはカラスの死骸、落ちるラッカ。空から落ちていくラッカを助けようとする一匹のカラス。
夢から覚めて井戸のそこにいるラッカ。カラスの死骸に見覚えがあるラッカ。
心配するオールドホームの人達。
カラスの死骸の墓を作る。名前もわからないけどそのカラスは大切な人だとはわかる。一人じゃないと伝えてくれたとラッカはその死骸のカラスに思う。それがわかったラッカは幸せそうに眠る。雪のふる外で。
ラッカは助けられた時、カラスの墓を見る。
壁から子供の笑い声が聞こえる。
トーガがそれは幻聴だという。
鳥は忘れたものを運んでくるといった。ラッカを助けたカラスの死骸だとわかる。誰かを傷つけてしまったことを思い出したことを明かす。だれかカラスの姿になって呼び戻そうとしていたと思ったラッカ。
罪憑きの意味が何時は罪人なるか?のループにつかれることをいう。という和紙。

壁にさわったことに血相を変えるレキ達。壁の力で体が軽くなってしまうラッカ。
ラッカの黒い羽が消えて、罪憑きではなくなり、自分が必要じゃなくなることを悟るレキ。
わしと話して、自分の感情を悟られるレキ。巣立ちのひが近いかも知れないと言われる。
罰として寺院に行くラッカ。光輪の元を集める仕事をするラッカ。
どうやら冒頭のラッカの言葉からレキはマユの中での夢を探し続けているらしい。 ラッカは仕事中にまた子供の笑い声を聞く。
レキの苦しみをなくしてあげたいとトーガにいうラッカ。覚悟はあるかといわれる。

そして巣立てなかった灰羽は光輪と羽を失って連盟の者になる事を知るラッカ。
レキの光輪が消えそうなのを知るラッカ。
レキが誰にも頼らないことを気づいてしまうラッカ。
レキがいなくなることを苦しいのとレキを救わないといけないと葛藤するラッカ。
レキを救うため策をこうじるラッカ達。
自分の終わりを感じ取り始めるレキ。どうやら巣立てないものは皆の記憶から消えるらしい。
祭りの日、お世話になったひと達に木の実の鈴をわたしていく。
花火を打ち上げレキに見せたラッカ達。黄色の意味は?白はありがとう、そしてさようなら。
祭りの最後にこの1年壁がうけた街の人たちの思いを空に返すといい、壁一面が光だす。

{/netabare}

投稿 : 2020/05/17
閲覧 : 281
サンキュー:

48

ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ほんの些細なことに思える大切なこと

アニメーション制作:RADIX、
監督:ところともかず、助監督:大森貴弘、
シリーズ構成・脚本:安倍吉俊、
キャラクターデザイン:高田晃、音楽:大谷幸、
原案:安倍吉俊(~オールドホームの灰羽達~)、

少女が落下する。
雲を抜けて、猛スピードで。
不思議なことに静寂が彼女を包んでいる。
ふわふわして、暖かくて、
胸がちりちりするような感覚。
怖くはないが、心臓が冷たい。
一羽の鴉がやって来て、叫び声を上げる。

落下時のピアノによる旋律。
『Ailes Grises』というフランス語名の曲が、
物語の大切な部分を表現しているように感じる。
静かで穏やかで、根源的なもの。
こみ上げてくるこの気持ちは、一体何だろう。

2002年にフジテレビ深夜枠で放映され、
一部の人々から熱烈な支持を受けた作品。
後のアニメにも大きな影響を与え、
特に『Angel Beats!』は、
原作の麻枝准も認めているように
根幹の部分でインスパイアされた内容になっている。

『灰羽連盟』の世界観は、村上春樹の
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の
「世界の終わり」の設定と似通っている。
ただ、直接の関連性は各話タイトルも含め、
形だけと言っていい。
{netabare}むしろ、物語に大きな影響を及ぼしているのはキリスト教だ。
カトリック教会の教義には、死者が天国に行く前に
煉獄で罪を浄化するという考え方がある。
舞台であるグリの街は、同じ位置づけだろう。{/netabare}
「過ぎ越しの祭り」や罪についての思考など、
この作品は、宗教的なモチーフに彩られている。
OPを観たときに、アンドレイ・タルコフスキー監督の
映画『サクリファイス』の冒頭で流れる、
J.S.バッハ《マタイ受難曲》第2部・アリア
「神よ憐れみたまえ」という曲が頭に浮かんだのも
そういう理由からだと思う。

グリの街では不定期に灰羽が生まれる。
人間に似ているが、背中に灰色の羽があり、
光輪を頭上に掲げている。まるで天使のように。
ただし、空を飛ぶことはできない。
彼女たちはサナトリウムのような
古い校舎・オールドホームで、
幼い子供たちとともに暮らしている。
街は高い壁に囲まれ、外に出ることは許されない。
唯一、壁を超えられるのは、
トーガと呼ばれる交易人と鳥だけだった。

主人公のラッカは、オールドホームの一室で生まれた。
羽化して光輪を掲げた彼女は、同じ場所に住む
灰羽たちとともに慎ましくも楽しい日々を過ごす。
街に出かけたり、同居している灰羽たちの
仕事を見学させてもらったりして、
次第に暮らしにも馴染んでいく。
しかし、そんな時間が永遠に続くわけではなかった。

ラッカとレキが罹患した「罪憑き」という病。
彼女たちが抱える問題は誰にでも起こり得る。
だから、もがく彼女たちの行動に
心を揺さぶられるのだろう。
何が彼女たちの助けになるのか。
この作品では、その答えを宗教的な「祈り」ではなく、
「他者」との関わりに求めている。
いかにも日本的だ。
外の世界と交流できる「鳥」という
「他者」の存在がラッカを助ける。
こういう感覚は、外国人には理解できないかもしれない。

当人にとっては重大なことが、
他人にとっては些細な問題に映る場合もある。
例えば罪悪感や自己否定。
人は皆、自分だけの感覚がある。
だからと言って、自らを閉じてしまうことは、
何の解決にもならない。
私たちは「他者」との関わりのなかでしか
生きていけないのだ。

飛べない灰羽、抜け出せない罪の輪。
自分自身の力だけで全てを完結させることは難しい。
下手をすると、同じ場所を延々と巡ることになる。
私たちが生きていくのに必要なもの。
それは大切な「他者」を見つけることかもしれない。
(2020年5月16日初投稿)

投稿 : 2020/05/16
閲覧 : 226
サンキュー:

43

VECCI さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

消えたいと願った全ての人へ

刺さる人にはブッ刺さる作品。
マイベストランキングに悠々と入賞し、
今まで見逃していた事を恥じては悔やみ、
誰かに勧めたい衝動を抑えられない程。

画面は暗くキャラデザも地味。
アツい友情も恋愛も無し。
退屈に思う人もいるだろう。
途中で切る人もいるかもしれない。
そのぐらい穏やかで優しい時間が続く。
人を選ぶというのは間違いない。



空から落ちる夢を見た少女は、
見知らぬ部屋で目を覚ます。
そこは「灰羽」達が暮らす部屋。
少女に声をかける灰羽の名はレキ。
自分の名前が思い出せない少女は、
夢からラッカと名付けられる。
右も左もわからない中でレキ達はとても優しく、
人間と共存する街で平穏な日々が過ぎてゆく。
そんなある日、仲間の一人が消息を断つ。
激しく動揺し困惑するラッカに対して、
レキ達の反応は以外にも冷静なものだった。



メタファーの嵐。
特にカラスがやたらと意味有りげに出てくる。
時にはエピソードまるごとだったり。
アレはコレを表しててコレはアレに対応してとか
疑いだすとキリがないレベル。

対比もやたらとある。
壁の中と外。
飛べない灰羽と飛べるカラス。
生きてるカラスと死んだカラス。
灰色の翼と黒い翼。
灰羽と人間。
灰羽達の住居。
大人と子供。
名付けのルール。
意味があるのか無いのか完全にこちらの器量。

舞台の世界設定もほぼ説明無し。
レキ達と同じ目線で世界を見る。
「それは誰にもわからない」
「よく知らないけどそういうことになっている」
ラッカの質問にもこのありさまである。

作者の言いたい名言を唐突にベラベラと話し出す
昨今のラノベアニメに比べて不親切極まりない。
灰羽の灰色の意味は白黒ハッキリさせない、
ということかもしれない。

そんなことより私が一番好きなところ。
会話がものすごく優しいのだ。
お互いに気遣い思いやる言葉は美しく、
主要人物の優しさがこれでもかと表現される。
人への優しい接し方のモデルケースと言えるほど。
みんながなぜこれほどまで優しくなれるのかは
個人的には納得のいく設定もある。
もちろん劇中での言及はないので
不自然と思うのも自由だが、
単純に聞いていて気持ちがいいし、
上品になった気分にさえなれる。 
音楽もかなり素晴らしい。

もしあなたやあなたの大事なひとが
このレビュータイトルのようなとき
思い出して欲しい、そんな作品です。

投稿 : 2020/05/07
閲覧 : 59
サンキュー:

11

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

天使ではないが羽根と光輪をつけた者たちの物語

彼女達は灰羽(はいばね)といいます。
見た目は私たちが知っている天使の容姿です。
でも天使ではありません。
そして羽根は純白ではなく美しい灰色。

物語も色で言えば白ではなく黒でもない灰色。
羽根と同様美しい灰色の物語です。

内気になった心を少し前に進めてくれる話に仕上がっています。
私の中で印象に残る作品となりました。

投稿 : 2020/05/02
閲覧 : 200
サンキュー:

33

ネタバレ

ライロキ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見逃していたいい作品

はっきり言って教えてもらうまで全然知らない作品でした。
まだまだ昔の作品にもいい作品はあるものです。
ストーリーも映像もすごくよかった。
前半は穏やかな生活が描かれていて、ファンタジー
な世界の物語って感じで、司書へのプレゼントの話は好きだなー。
一人が巣立ってからの後半はシリアスな展開で、考えさせられることが
多々ありました。
話師の罪の謎かけの話は解釈が難しい。一人で考えると抜けられない
ループに陥っていまうけど誰かに助けてもらえば抜け出せるっていう
事なのでしょうか。
謎な部分が多かったけど、それは観た人それぞれが考えて、
色んな解釈があっていいと思いますし、それもこの物語の
面白さなんだと思います。

灰羽たちは繭から出てくるから妖精?光の輪があって羽があるから天使?
それともやり残したことがあって成仏できない魂?
巣立つって成仏すること?それとも生まれ変われるってこと?
それとも天使になるってこと?
罪つきって自ら命を絶ったから?
罪つきのままだと巣立つことができずにそのまま忘れられてしまうって、
話師たちがそうなった人たちの事?
壁の向こうは生まれ変わった世界?
等々

このアニメをメッセで教えて頂いた にゃん^^ さんに感謝です。

投稿 : 2020/04/12
閲覧 : 70
サンキュー:

18

けやき さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

このアニメを表現するのは難しいです

個人的に凄く心に残った作品なのですが人によって考察が違ってくるので一言では言い表せないアニメです。
気になったら見てみて下さい。

投稿 : 2020/04/04
閲覧 : 53
サンキュー:

9

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ここは天国じゃないんだ! かと言って地獄でもない。

詳細は公式でも。

冒頭、まるで「天気の子」のように上空から、真っ逆
さまに落ちていく少女。その後、繭によって生まれる
天使?のラッカとなる。

頭に輪っかをつけ、背中には灰色の羽が生えます。
灰羽と呼ばれ、オールドホームで集まって暮らして
います。幸せそうに。
世話役のレキほか、先輩灰羽たちは甲斐甲斐しく
ラッカの面倒をみます。
しかし、あるとき仲間のクウが巣立ちの日を迎えた
ことから、ラッカは…

というお話です。

いやあ、暗いのなんの。
陰鬱という言葉がふさわしい、暗い暗い鬱なお話。
特にクウが巣立ってからは、より一層暗い。
そして、常に側にいたレキが巣立つ最終話付近は、
暗いどころか、おどろおどろしいまでの鬱さ。

若い天使たちが楽しそうに暮らしているはずなのに、
漂う陰鬱さ。劇伴もまた、バイオリンベースの、
暗い暗い楽曲ばかり。
画面も、まるで「げんしけん」みたいな、トーンが
どん暗い地味で真っ暗な感じ。

ま、新型コロナで鬱な世の中にピッタリな、地の底
まで落ち込んでいきたい人には向いている、とにかく
暗くてジメジメした作品です。

ストーリーは、んー…
結局、灰羽ってなんなのよ。
巣立ってどうなるのよ。
罪憑きってなんなのよ。
そもそも、ここはどこよ?
そんな疑問に、何ひとつ明確な答えを示さず、
綺麗にまとめた感じでいますが、頭ん中は???
しかありませんでした。

こういうのを雰囲気アニメっていうんでしょうね。

投稿 : 2020/04/03
閲覧 : 45
サンキュー:

7

ネタバレ

夏候仁 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

よくわからなかった

たいてい1話の中頃には何をしたいのか、どこを目指すのか明確にするのが多いのですが、この作品はよくわかりませんでした。
そして同じ展開がどこまでも続いて、作中で世間から毛嫌いされてるような描写も見られて断念してしまった。
アニメを見て理解した人からネタバレを聞けばもう少し作品の中には入り込めたのかなと思った。

投稿 : 2020/02/26
閲覧 : 66
サンキュー:

2

aikawa さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

後半からの

展開が好きです。

投稿 : 2020/01/09
閲覧 : 127
サンキュー:

4

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

世界観アニメですねこれ

かなり世界観とか設定での作品
電脳コイルとか特化された設定が好きな人におすすめ出来る

投稿 : 2019/12/25
閲覧 : 73
サンキュー:

3

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

謎や疑問の多い作品ではありますが,「灰羽」は「灰羽」。

原作『オールドホームの灰羽たち』に

「美しくも 邪悪でもない ただの 
羽天使じゃない ただの灰羽」とあります。

謎や疑問の多い作品ではありますが,
少なくとも,「灰羽」は「灰羽」。

すでに人間ではなく,天使でもない,
ましてや,悪魔とかの類でもないですね。

羽があっても飛べるわけでもありません。

このアニメの設定は,私たちが暮らしている世界とは
全く別の場所,「壁に囲まれているグリの街」で,
人間と共生する「灰羽」が,
いるというもので,ほかのアニメと同様,
ファンタジーの世界に感情移入すればよいこと
なのです。

「アニメ」という媒体は,ありがたいもので,
こうした空想世界へ,連れて行ってくれます。

ほかのアニメの主人公たちが,
現実離れしているように,「天使にあえて似た」
キャラを考えたのだとすればよいのです。

ただし,コンセプトとして重要なのは,やむを得ず
若くして命を落とした人たちが,繭の中から,
生まれ変わるということと,やがては,消えて
光とともに昇天するということでしょう。

そのための準備をするところかな。

ラッカが罪憑きになったのは,クゥが「巣立って」,
いつまでも,くよくよしてたからかな。

(「旅立って」ではないところにカラスのように
壁を越えるという意味を含ませているのかな。)

「クウがいなくなってもオールドホームの
メンバーは平然としています。
自分も結局この世界では不要なのではないか
という不安がよぎったのだと思います。

黒い羽根を落とそうとするラッカ。
「私なんか、いなくなっちゃえばいいんだ。」
と自己否定をして,この物語の鍵となる
カラスと探しに来たレキに精神的に救われます。

井戸の中での夢で生前での「自分を大切に思ってくれた人」
の記憶から罪から逃れられたのだと思います。

レキの場合も同様ですが,
「人から裏切られ続けてきた」悲しみから逃れるために,
皆に優しくしてきたと語り,前世の記憶が
断片的に伏線として語られ,最終話まで,彼女自身が
自分に対して,罪を作り,苦しめます。

ありきたりですが,
脚本を書いたスタッフの方々は,「死と転生」と
「自分に優しくしてくれる人」という存在を
考えてもらうために,ストーリーについては
あえて「解釈の余地」を残しつつも,

テーマ性については,わかりやすいアニメ作品を
作ったのかもしれません。

作画が淡い色彩のせいで,どこか懐かしさを味わえる,
そんな面では,素晴らしい作品でした。

投稿 : 2019/11/22
閲覧 : 80
サンキュー:

11

ネタバレ

たわし(ガガ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「村上春樹」と天使たち

ライトノベルの文脈はよく、「村上春樹」の登場から変わったとされ、特にこの頃2000年代前後の作品の「空気感」が非常に「春樹」的であると評される。

つまりは、「近代」的な社会のつながりと構築主義から、「現代」的なポストモダンと実存主義に変わることを指す。

例を挙げると「男性優位社会」的な熱血の否定による「日常」の肯定。更には、個人的な人間関係が世界や社会の問題と連結される「セカイ系」の始まりだとか。。枚挙に厭わないが、

特に本作においてのファンタジーなのか現実世界の暗喩なのか曖昧な世界感、退廃的で日常のみを享受するしかない空気感。やたらと羽の生えた少女の内面を深堀するあたりが「春樹」的であり、「ミスターチルドレン」や「スピッツ」的な音楽感とも似ている。(どちらも村上春樹チルドレン)

表層は退廃した人間社会と絶望感に打ちひしがれながら、実はそれでも「世界」を享受し、肯定する姿勢は、90年代以降の不景気で立ち行かない日本社会いらしい文脈とも言える、正に日本的な感覚そのものである。

投稿 : 2019/11/17
閲覧 : 129
サンキュー:

9

ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

原罪と救済

これは、ここ暫く感じたことの無かった、静かで、しかも心の底から呼び起される感動を与えてくれた作品である。
灰羽はその姿こそ天使のそれではあるが、極めて人間的である。
その意味では、灰羽という姿に仮託して語られる寓話であるとも言えなくもない。
とは言え、描かれている彼らの生活、そこで使われている道具、住居、取り巻く街の描写は自然だ。培われてきた伝統、風習が加味され、彼等が重ねてきた営みが感じられる。
差し込む光は弱く、抑えられた色調で描かれた日々の営みが淡々と描かれてゆく。
この為、何時の間にか、そして違和感なく灰羽達に寄り添うことが出来るのである。

灰羽たちは何故ここに生まれたのか?
そして何処へ行くのか?
繭の中で見た夢、与えられた名前。
灰羽が背を突き破り、その痛みに苦しむ姿に涙が出た。
話師との対話を通じて、罪を知る事と助力者の存在に気付く“ラッカ”、そしてもう一人の主人公である“レキ”の苦悩を主題にした物語は極めて人間的であり普遍的なものだ。
夢を思い出せないこと、それは自分の罪に向き合えず、手を差し伸べてくれる者に気付くことができない姿だ。
森の中、井戸の底で助力者の骸に出会い、夢を取り戻す“落下”は、真の名前“絡果”を得る。今まで身に付けてきたサンダルを脱ぎ、街の古着屋で貰った靴を履く姿は、他者との繋がりに気付くという意味で象徴的だ。
それに比べ“礫”のそれはより深刻に思える。あたかも煉獄で苦しむが如くである。
自分の境遇を呪い、怒り、他人を妬む。それでも彼女は踏み石として善行を積む事で救いを得ようとするのであるが、そこに告げらた夢の形は残酷なものであった。
その絶望の中、“過ぎ越しの祭り”を経て融和の心を取り戻し、“絡果”を仲立ちに、“轢”という罪付きから救われるのだ。

これは、美しいOPとEDに身を任せ、毎回ゆっくりと思索を楽しみながら、大切に観るべき作品であろう。

投稿 : 2019/11/10
閲覧 : 110
サンキュー:

11

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

不思議な世界の贖罪の物語

以前から気になってた灰羽連盟をやっと見ることができました。謎だらけで不思議な世界の物語で、色々と考えさせられた作品でした。
作中で印象に残った会話があります。「今日という日が永遠に続けばいいのに」「今が今しかないからこの瞬間がこんなに大事なんだ」(第11話より)
各話の簡単なレビューは以下のとおり。
1-6話
{netabare}1話。空から落ちているところで目が覚めた女の子。
天使たちの住む街?タバコを吸ってたり掲示板があったりして人間の世界と似てる。
空から落ちた女の子は繭から生まれて。落ちる夢を見たからラッカという名を付けられて。
背中から羽根が生えてきたけど、グロい。これって死後の世界?天使たちは灰羽と呼ばれてるらしい。
仲間たちの名前はレキ、クウ、カナ、ヒカリ、ネム。小さな子供たちもいる。謎だらけの世界。
2話。普通に羽がない人たちも住んでいる街。ここ死後の世界じゃないの?わけがわからない。
街は壁で覆われて、誰も外に行くことはできないみたい。やはりここは死後の世界なの?
でも、灰羽と羽根がない人たちの違いって何だろう?もしかして死に方?もしそうなら・・
3話。寺院に行くラッカとヒカリ。灰羽手帳をもらうラッカ。
ヒカリが働いているパン屋に行くラッカとクウ。
4話。鳥は壁を超えていける唯一の動物。鳥は想いを届ける?
灰羽はなぜ働くのか?特に意味はないのかもしれないけど、謎だらけの世界で意味を探してしまう。
5話。え、妊娠してる人?死後の世界なのに?今がとても幸せだと思うラッカ。
世界のはじまりを想い描くラッカとネム。
6話。もうすぐ冬がくる。自分の部屋を探すラッカ。クウの様子がおかしいけど・・
みんなからもらった雫がいっぱいになったと言うクウ。
嵐になり、一羽のカラスが知らせて。そして一筋の光が天に昇って・・クウが巣立っていく。{/netabare}
7-13話
{netabare}7話。冬がきて。クウがいなくなって悲しみ、羽根が黒ずんでるのに気づくラッカ。
レキは話をする。良い灰羽と悪い灰羽の話。悪い灰羽は罪憑きと言われることも。
レキは自分が罪憑きだという。罪を犯した呪われた灰羽だと。
8話。自分がなぜ灰羽になったか、自分の生きる意味を考えるラッカ。
私なんていなくなっちゃえばいいと考えて。
鳥に呼ばれた気がして、西の森に入っていくと、そこには井戸があって。
井戸の底には鳥の骨があって、昔知ってた気がして、土に埋めてあげるラッカ。
9話。雪が降る中、ラッカを探すレキたち。
井戸からトーガに助けられ、話師に井戸の底で見た夢を話す。
それは、たぶん、ラッカの灰羽になる前の記憶。ひとりぼっちだと思っていたラッカ。
ラッカは元の世界に帰って心配してくれた人に謝りたいと言う。
でもそれは叶わない。自分は罪人かを問うけどわからない。
なぜかラッカの罪憑きは消えていた。
10話。レキの昔の記憶。罪憑きのレキを介抱するクラモリ。おかげで今のレキがいる。
話師はレキがまもなくいなくなることを伝える。
ラッカは話師から寺院の掃除の仕事をするように言われる。
11話。廃工場の灰羽を訪ねるラッカ。レキの昔の話を聞くけど、他人を傷つけるはずがないと思うラッカ。
ラッカはレキの力になりたいと話師に話す。
12話。壁の向こうに行きたいというレキのために壁を登って死にそうになったヒョウコ。
ラッカは自分の真の名を話師に言われる。殻に閉じこもっていた自分が他人とのつながりを得たという意味。
レキが罪の輪から抜け出すためには、1人ではなく、誰かが隣にいればと考えるラッカ。
そして年が暮れて、廃工場から大きな花火が上がる。
13話。石ころになりたかったというレキ。ラッカはレキの真の名を書いた札を渡す。
そして気づく。裏切られ続けて自ら死を選んだことを。轢死によって。
罪憑きが消えたラッカをずっと妬んでいたというレキ。
でも。レキの日記を読んで、レキを救いたいと改めて思うラッカ。そしてラッカに助けを求めた時、レキの
罪憑きは消えた。そして旅立つレキ。
その後。ラッカは新しい繭を発見する。そしてこの世界の物語は続いていく・・{/netabare}

蛇足的感想。
{netabare}たぶん灰羽とは、事故で若くして亡くなった子供たちが死後に生まれ変わる姿。
その中で、自ら命を絶つ者もいる。その者は罪憑きと言われ、生前の罪を背負う。
たぶんラッカは自分が孤独だと思い込み、飛び降り自殺をし、レキは周りの人に裏切られ、他人を信じられなくなり、電車に身を投げて自殺したのでは。この灰羽の世界でラッカは自分を心配してくれる人の気持ちが鳥となって届くことで、自分の罪を悔い、自分は孤独ではなく心配してくれた人たちに謝りたいと思った時に罪憑きは消えた。レキはラッカの鳥のような存在は残念ながらいなかったが、他人に心を閉ざしていたレキが他人に助けを求め、ラッカがそれに応えてくれたことで心を開き、罪憑きは消えたのではないか。{/netabare}

投稿 : 2019/09/24
閲覧 : 157
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心の奥底に触れる深過ぎる作品

当サイト内でお薦めを頂き鑑賞

ある少女が夢の中で落下して行くシーンから始まり、目覚めると見知らぬ不思議な世界。同胞達から受ける優しさ、閉鎖された世界の中で、自分達が異質な存在である事に気付く。元の記憶も無いまま、静かにそして緩やかに時間が流れて行く。ある出来事と並行にこの世界が姿をあらわにして行く、それはあくまでも観る側の想像の範疇なのだが……

まず客感的な見解ですが
直接的では無く、概ねが間接的な描写で描かれていて、考察が必要不可欠な作品です。直接的で無い分、各々の捉え方は自由であるが故に、評価も千差万別の感が有ります。一言で言えば深過ぎる作品だと思います。

此処からは私個人の見解ですが
作中で大きく描かれていると思われる
個人が抱く己の存在意義
これに関しては、人はなるべくして踏み入れてはいけない領域だと認識してます。そこにあるものは言わば無限地獄で有り、考え抜いて達する結論の一つは……です。
この事を、意識した事がある人は少なく無いでしょうが、逆に意識した事が無い人も少なく無いと思います。人生経験で個人、知人を通して、何かしら気する方には強烈な衝撃を与える、後にも先にも無い唯一無二のアニメ作品だと思います。
私にとっても様々な思い、記憶を呼び醒す作品でした。深過ぎますが観て満足し、救いを求めれる優しい話だと私は感じ取りました。

投稿 : 2019/09/24
閲覧 : 124
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ジャスティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

私は何故この世界に生まれてきたの?

2002年とかなり古い作品でしたが、
世界観の統一が良く出来ている作品でした

2002年の世界観とは思えないぐらい、
完成されていたので、
シナリオ面にもかなり良い影響を与えた感じでした。

シナリオ面については、
日常回と巣立ちするフウの回からの展開から一気に
シリアス感が出てきたときはかなり興奮しました。

何か進撃っぽい感じですよね。
巨人とアクションがなくなった感じと似ていますよね。

最終回のシナリオでは、
レキのマユの世界を旅することになる落下ですが、
ここは凄くぞくぞくしましたね。

投稿 : 2019/09/10
閲覧 : 114
サンキュー:

15

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にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰羽じゃとべないの。。

まわりを壁にかこまれた町があって
ラッカはほかの灰羽とおんなじに
まゆから生まれてきたんだ

生まれてから羽がはえてきて
あたまに光るわっかをつけられて
まるで天使みたいなの

みんな生まれてきたときに
見た夢をおぼえてて
それで名まえが決まるみたい

ラッカは空から落ちてくる夢をおぼえてて
それで名まえがラッカってなったの

灰羽って人間の生まれかわりなのかなぁ。。
生まれたときから大きな子どもで
お話ししたりふつうの人みたいに何でもできるんだ
でも
生まれる前のことって何にもおぼえてないの

町にも灰羽の人たちにも
いろんなヒミツとかふしぎな決まりとかあるけど
ラッカのまわりにはレキとか
ほかにもやさしい先ぱいたちがたくさんいて

分からないこととかフシギなことってたくさんあって
ちょっとしたいやなこととかもあったりしたけど
ふつうにみんなと楽しくくらしてたんだ

あることがおきるまで。。


はじめこのお話しって
のんびりしたお話しなのかなって思ってたけど
本当はもっとこわいお話しなのかも。。

にゃんはおばかだけど
ラッカみたいに考えちゃうことが多くって
どうして?なんで?どうしたらいいの?って
つぎのおはなしが気になってすぐに見おわっちゃった

このおはなしって
人間のことみたいかなってにゃんは思った

気がついたらここにいて
いろんな不公平とかあって
死んだらどうなっちゃうの?とか
いろんな分からないこととかいっぱいあって

いやなこととかもいっぱいあっても
かんたんに消えちゃったりできないし
いやでも死んじゃったりするし。。
それなのにみんな
ふつうに楽しくくらしてる

それができなくって
なやんだりしたのがラッカで
それってにゃんみたいだなって思って
とっても共感しちゃった

{netabare}
クウがいなくなって
ラッカがおかしくなりはじめて
くるしみだしたのが悲しくってこわかった。。

鳥ってやっぱりだれかの生まれかわりで
でも壁をこえて行ける羽をもってるから
きっと罪がない人が死んだら鳥になって
自由になれるのかな

井戸の中にあった鳥の骨って
ラッカがとびおりて死のうってした時
止めようってして自分もいっしょに死んじゃった
お友だちのことだったのかも?

そのお友だちには罪はなかったから鳥になって
井戸からラッカをよんでラッカをゆるしてくれたから
ラッカの罪はかるくなって羽も灰色になった。。
 
でもおわりのほうになって
本当に苦しくってなやんだりしてたのって
レキだったって分かって
ラッカと同じくらい悲しかった。。

人間だったレキが死んだところって。。
ほかのアニメみたいにはっきり見せてくれなくって

想像したらなみだが止まらなくって
きっと生きててくるしくって。。
死んだらまたそこでくるしむのって
もっと悲しくっていたいよね。。

あの時ラッカは
レキがほんとはいい人じゃなかったって分かっても
レキをゆるしてあげようってすればよかったんじゃない?

だって灰羽に罪のない人っていないって思うから
ゆるす人もゆるされる人も
そんなに違わないんだって思うよ

とちゅうでワシの人が言ってたのって
自分に罪があるって分かって
それを消そうとして人にやさしくしてたら
罪がなくなるってゆうことだって思う

それがほんとは自分のためにやったことでも
やってるうちに
本当にやさしい人に
本当にいい人になれて
灰羽の町から出て行ける。。

それって人間もおんなじなのかも
にゃんもいろんないやなところいっぱいあるけど
人にやさしくしてたらいい人になれるのかな。。
灰羽の町の壁をこえられるのかな。。

だったらいいけど
だったらそうなりたいなぁ。。
{/netabare}

見終わって。。

楽しいおはなしじゃない。。

いろんなこと考えちゃう
ちょっとフシギなお話しが好きだったら
見てみたらいいかも☆

投稿 : 2019/08/25
閲覧 : 1108
サンキュー:

199

ネタバレ

グルメキング さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰羽=人間

用語や設定など深く考える必要はない
灰羽は人間と変わらないからだ
本物の天使は後付けの光輪なんか要らない
働かないといけない、ルールを守らないといけない、そして平等にある日お迎えが来る

このアニメのテーマは「罪」だと思う
じゃ助けを求めないことは罪か?自殺することは罪なのか?おそらく逃避することが罪でしょう
罪憑きは2人なのでこの2人のストーリーになる
「ラッカ」独りぼっちに恐るが、実は生前でも灰羽になっても独りぼっちではない。思い込み、自ら周りを拒絶して勝手に病む。それを意識してやっと罪から解放される
ちなみに名前は落下だが、水死を投影する場面が多い、まあ落下なら助けは来るはずがないね
「レキ」ラッカと逆のパターン、人間不信で1人で生きようとする。助けを求めることは自分のルールを破ること、最後の最後自己否定で罪から解放される

投稿 : 2019/08/02
閲覧 : 111
サンキュー:

8

なむふぉん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

見てほしい、けど見てほしくない。

同人誌の原作もありますが、
メッセージ性の高いストーリー内容です。

見て、何かを感じてくれたらいいけれど。
おおっぴろげに広めたくない。
そんな、大切にしたい作品です。

投稿 : 2019/07/22
閲覧 : 124
サンキュー:

4

参参線維 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あなたには大切な人がいて、その気持ちは届いていますか?

この作品を視聴しようとしている方へお聞きします。

あなたがこの世からいなくなったとき、誰も哀しむ人はいないと思いますか?

あなたはいなくなったら哀しむ人がいることに気づいていますか?

あなたはだれかから大切な人と思われていることに気づいていますか?

あなたの大切に思う人に、その気持ちはしっかり伝わっていますか?

あなたを大切に思ってくれる人がそばにいることに気づいていますか?

あなたの大切な人が、自分なんて無価値だと思っていませんか?

あなたは居場所なんてないと思いますか?

あなたの居場所を用意してくれている人がそばにいませんか?

あなたが大切にしている人に、居場所があることをしっかり伝えていますか?

あなたは誰にも認められてもらえない、無価値な人間だと思っていませんか?

あなたがどう思っていようと、見守ってくれる人がそばにいませんか?

あなたの大切なひとが自分を見失っていませんか?

あなたの大切な人に、支えたいという気持ちは届いていますか?

あなたは「ずっとここにいていいんだよ」と、いってくれる人がいませんか?

あなたの「ずっとここにいていいんだよ」と思う人に、その気持ちは伝わっていますか?

あなたは誰にも愛されていないと思っていませんか?

あなたを大切に愛してくれる人は本当にいませんか?

あなたの大切な人に、あなたの愛情はしっかり届いてますか?

あなたは孤独だと感じていませんか?

あなたを案じてくれる人は本当にいませんか?

あなたの大切な人が本当は孤立していませんか?

あなたが苦しいとき心の底から「助けて」と言ったことはありますか?

あなたは「助けて」と言っても、誰も応えてくれないことを恐れていませんか?

あなたを助けてくれる人は誰もいないと、本当にいいきれますか?

あなたの大切な人が助けを求めているのに、それを隠し耐え忍んでいませんか?

あなたは無意識にこころの壁を作っていませんか?

あなたの大切なひとが心を閉ざしていませんか?

あなたを思う人がずっと呼びかけているのに、あなたは気づいていないだけではありませんか?

あなたは誰にも救われないと思っていませんか?

あなたを救ってくれる人が、そばにいることに気づいていますか?

あなたの大切な人は救ったつもりでも、その気持ちは本当に届いていますか?


これらどれかひとつでも気になるものを感じたのなら、この作品をみる価値があなたの中にはあります。

投稿 : 2019/06/07
閲覧 : 111
サンキュー:

6

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

観終わりました。とても考えさせられた。

観終わりました。2000年頃だった気がします。
壁に囲まれたグリの街のオールドホームと呼ばれる家で暮らしている灰羽と呼ばれる者たちを描いた作品です。雰囲気がたっぷりで考察しながら楽しむと良いかもしれません。ゆっくり淡々と物語が進んでいくので退屈に感じる人もいるかも知れませんが、最後まで見ると感動があります。

投稿 : 2019/05/11
閲覧 : 166
サンキュー:

25

ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

他のどんなアニメとも似ていない真に隠れた名作中の名作

<2019/5/3 追記>
GW10連休ということで観れてない長編見ようと思ったのに結局「灰羽連盟」観てしまいました。

こういうの観ちゃうと会社行きたくなくなるなー。
GW明けるのが怖いです(´・_・`)


<2017年9月上旬に初投稿>
<2017/10/29修正しました>
<2018/8/4さらに大幅に加筆修正しました>

初めての投稿なので、過去に観た中で特別好きだった作品について書いてみます。

初めて見かけたのは2002年本放送時。
当時はアニメを観る習慣がなく、酔って深夜に帰宅したある日、たまたまテレビをつけたら第1話冒頭の「落下」シーンでした。

セピア調の落ち着いた色彩と柔らかく澄んだ音楽、自然な演出とわからないことだらけの世界観に魅了され。
自分の居る場所が何なのかすらわからないラッカの不安に感情移入していき。
気がついたら1話が終了。

「最近のアニメは凄い!」
「映画でもなかなかこんなのない!」
と衝撃を受けたことを覚えています。

楽しみな気持ちで翌週の同じ時間を迎え、チャンネルをフジに合わせたのですが・・・なぜかやっておらず(※)
「あれは変な夢だったんだろうか?酔ってたし」とか思ってそのまま忘れてしまいました。

そしてしばらくしたある日、TSUTAYAでおすすめ棚に置かれた灰羽連盟を発見!
びっくりしましたね。

夢じゃなかった!という喜び(?)とともにまとめ借りし、はまってしまい、更にはDVD全て買い揃えて現在に至る。

(※)後に知ったのですがめちゃくちゃな放送スケジュールの変更などがあったのだそうです。なので本放送で全部観ることができた人は極めて少ないのだとか

と前置きはここまで。
ここからは中身のお話。

舞台はどこにあるとも知れない、四周を高い壁に囲まれ決して外に出ることのできない「グリの街」。

背中に灰色の羽と頭上に天使(※)のような光輪を持つ「灰羽」と呼ばれる人たちのグリの街での暮らしを描いた物語です。

{netabare} (※)羽や光輪を持つその姿形はどう見ても天使ですが、作中「天使」という言葉は一度も出てきません。このグリの街のある世界では天使という概念が存在しないのかもしれません。{/netabare}

物語前半では灰羽たちの日常が綴られますが、中盤からは主人公のラッカ、そしてレキの迷いと葛藤に焦点が移っていきます。

本作はその世界観も独特で魅力的なのですが、加えて主人公二人のこの「迷いと葛藤」が普通のアニメではなかなか見られない性質のものでした。

一見なんの変哲も無いプロットなのですが「彼女たちが一体何に対して悩んでいるのか」の部分。
これ共感できない人も多いようで。
年齢が若い方だったり、元々の性格や幸運から例えば「自分の居場所についての不安感」のような曖昧なことで悩んだりした経験の全くない方にはピンとこないんじゃないでしょうか。
本作の評価が「深い名作」と「不思議な日常雰囲気アニメ」と極端に真っ二つの理由はここに由来している気がしてます。



本作の好きなところ。

セピア調の、カラーコンテで丁寧に描かれたような絵柄が印象的です。
とにかく暖かい。

音楽も柔らかく、暖かく、時には鋭く、刺さるように冷たく。

キャラクターの表情も好きですね。
生きた表情って言うんでしょうか。
声優さんの演技も相まって、その時々の感情が生々しく伝わってきます。
特に、最終回のレキの長ゼリフは凄かった。迫力に圧倒されてしまいました。

設定は、観た人に考えさせるタイプ。
いろんな方がいろんな考察してますが、簡単な用語説明と自分なりの解釈を以下にまとめました。
(重いネタバレはタグで二重に囲ってます)

▪️灰羽とは?
{netabare} グリの街で繭から数歳〜十数歳の姿形で生まれてくる人間。
繭から生まれてくる前にどこか別の世界で暮らしていたというぼんやりしたイメージを持っているが、具体的な記憶は失っている。
(ちなみにグリの街には灰羽以外に羽も光輪も持たない普通の人間も暮らしてます。つか寧ろ多数派){/netabare}

□灰羽について私の勝手な解釈
{netabare} ・別の世界で亡くなった人が灰羽としてグリの街で繭から生まれてくる。
・その別の世界での死因を「自殺」「不慮の事故」と限定する意見もあるようですが、私はよくわかんないです。
自殺限定ではないんだろな、とかは思いますけど。
ただ若くして亡くなってしまった人ではあるかも。
・灰羽はなぜグリの街にうまれてくるか?
→わからないです。{/netabare}

□グリの街について私の勝手な解釈
{netabare} どんな役割持ってる?とか、どんな世界にあるのか?とか・・・わからんです。
ただそこに在るとしか。
まぁそれでいいじゃないですか。{/netabare}

▪️巣立ちとは?
{netabare} 作中で灰羽はグリの街からある日突然いなくなります。
これが「巣立ち」と呼ばれています。
それがいつかは誰もわからず、巣立ちの数日前に本人だけが「知って」しまいます。{/netabare}

□巣立ちについて私の勝手な解釈
{netabare} これはいろんな考え方ありますね。成仏とか現世への転生とか。
作中では「どこに行くかは誰も知らない。もう二度と会えない卒業」みたいな感じでした。
なので私も深く考えず、単に「どこか別の世界に行ってしまうこと」と捉えてます。
ま、それでいっかと。{/netabare}

▪️罪憑きとは?
{netabare} 作中、主人公のラッカは「罪憑き」という病に罹ってしまいます。
それは背中の灰色の羽が少しずつ黒ずんで行く。
そして何より心の病。{/netabare}
本作で一番重要なワードです。

□罪憑きについて私の勝手な解釈
{netabare} {netabare} 自分の居場所や存在意義を見失い、
自分一人で勝手に悩んでしまい、
自らは誰に助けを求めることもできず、
まるで自家中毒を起こしたかのように自分の心が腐っていってしまう。{/netabare} {/netabare}
これが「罪憑き」なのだと思ってます。

作中、罪の輪の謎かけなるものが出てきます。
「罪を知るものに罪はない。では汝に問う。汝は罪人なりや?」というもの。

{netabare} {netabare} 罪憑きから解放されるためには、腐っていく自分の心を自ら認めて、人に心を開いていくこと。
それに「自分で気がつく」ことができるかどうか。 {/netabare} {/netabare}

そういうことなんじゃないかな。


長々と書き連ねてきましたが、
この作品は、観る人の人生経験の量や種類でその評価が大きく変わる類の作品だと思います。
(この作品を唯の雰囲気アニメと思える人は幸せな人生を歩んできたのだな、と羨ましい気持ちになります)

私の中ではBest3に入る名作中の名作です。

投稿 : 2019/05/03
閲覧 : 715
サンキュー:

70

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

牧師の説教を聞いているかのような

牧師の説教を聞いているかのような宗教色が強い内容と感じた。

Angel Beats!は灰羽連盟の影響を受けて制作されたといわれているので、見比べてみるのもいいだろう。

塀に囲まれた街には光輪に羽根を持った灰羽の人と、もたぬ人が暮らしている。
さてこの街とはなんぞや?
罪憑きとはなんぞや?

感じ方は人それぞれでしょう。

投稿 : 2019/02/20
閲覧 : 241
サンキュー:

11

ネタバレ

lll1 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

音楽の使用が少ない。

 一番よかったところは音楽の使用が少なかった事。
 最近のテレビアニメやテレビドラマは必要以上に音楽を流す。音が少ないのを不安がるかのように。全く効果的に音楽を使用していない作品が多い。

 音楽が少ない分セリフに集中することも出来た。ただ、音楽を少なくするのであれば、もっと、風や水の音、虫の声といった自然音を前に出しても良かったと思う。マーティン・スコセッシの『沈黙』のように。

 セリフに注目出来たとはいっても、少し脚本に気になるところはある。説明的なセリフや、脚本的なセリフ、不自然に思える独り言などなど。わりともっと削ってもよかったと思う。
 "心の声"の使用も控えて欲しかった。


 設定についての説明が少なかったのは良かった。視聴者に考える余地が生まれる。
 多くのアニメは第1話に説明をする。演出や音楽、脚本、ストーリーといった要素で視聴者を掴めばいいものを、"分からないだろう"、"説明が必要だろう"と、安い手法に走っている。そんな、どこにも新奇性や色がないものには惹かれない。


 6話までを視聴した段階では、とても好印象だった。
 演出も好みで、1日に2話のペースで順調に観れていた。それだけに、低予算なのが悔しかった。登場人物の個性が出ていたシーンもあっさり描いており、非常に勿体ないと思った。
 カナが時計屋の親方に抱きつくシーンなど。ジブリのようにもっと丁寧で豊かに描いたものがみたかった。
 絵コンテが良かったシーンもあった。そんなシーンがあるたびに、作画の雑さが悔しかった。
 ラッカの顔もころころ変わる。ヒカリやレキに比べて、特徴がそんなない。村田雄介も言ってたけど、特徴がないと描きにくい。

 制作会社の「ラディクス」を聞いたことがなかった。2006年には無くなったらしい。正確には吸収されたのかな?

 あまり余裕もなく、当時の放送スケジュールはめちゃくちゃで大変だったんだと思う。低予算かつ短期間制作はいつまで続くんだろう。2019年になっても変わりやしない。
NETFLIXに期待するのみ。テレビ放送がメインの制作ではペイするのが難しすぎる。

{netabare}
 クウがいなくなった後の第7話からは少し観るのがしんどくなった。1日2話ペースが落ち、1日1話になった。
 急に内容が重たくなったこともあるけど、クウがいなくなった後のことに集中すればよかった。罪憑きを同時に描いたことにより、ごちゃごちゃしてしまい、ラッカがどちらについて思い悩んでいるいるのかが、分かりにくいと感じた。
 
 罪憑きがクウに対して思い悩むことに、併用してあらわれるというのをやりたかったのは分かる。というか重要。だけれども、先までの演出やストーリーから急に展開してしまい、ついていくのがしんどくなった。
 分けられなかったかなと思った。レキの話しもやりたいだろうから、話数が足りなくなるけど。
 もっと言えば、廃工場の灰羽たちの話しもみてみたい。
{/netabare}

 第9話の音の演出が、今までと違った。そんな音楽の使い方はしていなかったようなと。低予算で余裕がなかったのか、エンドロールを毎回ちゃんと観ていればわかるけど、絵コンテと演出が各話ごとでかなり違う。

 監督のところともかずが担当したのは僅か第1話のみ。
 まぁ、これは海外でも結構そうなんだけど。第1話を腕のある監督が撮り、他の演出家や監督が、その第1話によせた演出で撮っていく。製作を務めることはよくあるけど、監督をずっとはやれない。

 だけど、最近これも変わりつつある。キャリー・フクナガは『トゥルー・ディテクティブ』のシーズン1を全て監督したし。デヴィッド・フィンチャーは『マインドハンター』を10話中4話も監督した。

 『灰羽連盟』はいってしまえば、ところともかずが監督したのは13分の1に過ぎない。ところともかずの演出が本当に良いかはわからない。他のエピソードを演出した方のが良かったかもしれない。根拠は特にないけど、ところともかずが全話演出できていれば、もう少しこの作品を好きになれたかもしれない。


 声優はキャラクターに合ってて、凄く良かったと思う。広橋涼の演技は正直、まだまだだけど。当時は広橋涼が推されていたんだなとつくづく思う。『灰羽連盟』、『カレイドスター』、『ARIA』、『宇宙のステルヴィア』、『ソニックX』など。あの声の持ち主が急に出てきたら、そら推すわなとは思うけど。

 個人的にはカナ役の宮島依里が凄く良かった。純粋に上手い。子役からやってるようで経験と実績が違うんだと思う。
 悠木碧も子役のころからやってるから、現在の20代声優の中じゃ群を抜いて上手い。


 設定についての考察、テーマや内容、安倍吉俊の描こうとしたものなどについては文面で書くのは面倒なので、書きません。



最終評価は 6 / 10

投稿 : 2019/02/04
閲覧 : 227
サンキュー:

7

TaroTanaka さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

全てが視聴者に委ねられてしまった

街の雰囲気・生活・外周壁・カラス等々。
面白くなり得そうな要素は多かった。
が、最後まで見ても、何も明かされなかった。
12話まで期待感で見続けた。
13話ですべてが明らかになるのかと思ったが、
肩透かしだった。
考察の余地を少し残した作品は数多あるが、
本作はすべてを考察に委ねてしまった。


カフカの小説等が好きな人ならば
深読みは楽しいかもしれない。
(が、本作はエンタメ性において
カフカの『変身』よりも劣るものと個人的には思うが)

投稿 : 2018/12/01
閲覧 : 264
サンキュー:

12

NO99 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

雰囲気はよいです

内容は意味不明
抑揚もありません
私には退屈でした

投稿 : 2018/11/24
閲覧 : 170
サンキュー:

2

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

まごうことなき現実

壁の外には出られなくて、そんな狭い世界で社会性を身につける場所。自分の目には、まるで学校みたいな世界のように映った。
連盟という言葉を辞書で調べたら、『共同の目的のために同一の行動を取ることを誓うこと』。灰羽にとっての最終的な目的や目標って何だろう?たぶん巣立つことだ。安直かもしれないが、自立と置き換えて考えていいと思う。

でも、一人でなんでも出来るようになることが、自立ってわけじゃない。まるで天使のような姿になっても魔法が使えるわけじゃないし、掟を守らなくちゃいけないし、食べていくために仕事をしなくちゃいけないという疑いようのない現実がそこにはあった。孵化そして羽化を遂げる場面はまさに転生を想起させる。そうやって灰羽として生まれかわって、他者と関わっていくことで新しい私という存在がつくられていく。そういう物語だったと思う。

キャラクターはレキが特に良かった。表向きは頼れる姉御肌って感じだけど、何でも独りで背負いこんでしまう。多くは語られなかったが、誰かに嫌われたくないって意識が強い子だったのかも。
本当に人を信じるとは、どういうことなのか?視聴者自身も試されている作品だと感じた。

ぼーっと見てたら退屈で、何度か寝落ちしかけたけど、最後まで見てよかった。普遍的なテーマ性と、それをしっかりと支える演出が光る佳作だと思う。
ただし、作風は確実に人を選ぶ模様。アニメに非日常的な刺激を求める人には向かないと思われる。

投稿 : 2018/10/15
閲覧 : 168
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灰羽連盟のストーリー・あらすじ

高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは、天使のような輪を頭の上に掲げ、背中に飛べない灰色の羽を持つ「灰羽」と呼ばれる少女達。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女はラッカと名づけられ、灰羽を名乗る少女たちから同じような輪を授けられるとともに背中に羽を得る。円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる…。(TVアニメ動画『灰羽連盟』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2002年秋アニメ
制作会社
RADIX
公式サイト
www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/haibane/
主題歌
≪ED≫Heart of Air!『Blue Flow』

声優・キャラクター

広橋涼、野田順子、宮島依里、矢島晶子、折笠富美子、村井かずさ、久川綾、鈴木千尋、水野愛日、比嘉久美子、半場友恵、青山穣、大木民夫

スタッフ

原案:安倍吉俊(~オールドホームの灰羽達~)、 監督:ところともかず、助監督:大森貴弘、シリーズ構成・脚本:安倍吉俊、キャラクターデザイン:高田晃、設定補佐:大森貴弘、美術監督:片平真司、色彩設計:遠藤菜緒美、コンポジットディレクター:長牛豊、音楽:大谷幸、録音演出:本山哲、音響制作:オムニバスプロモーション

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