「涼宮ハルヒの憂鬱 第2期(TVアニメ動画)」

総合得点
86.7
感想・評価
3782
棚に入れた
19120
ランキング
182
★★★★☆ 3.9 (3782)
物語
3.6
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.1

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tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なんか麻薬のようなアニメでした

ちょうど、リアルタイム放映のころは、社会人的に超多忙で有名な題名以外なにも知らず、スーパー高評価ゆえ、観ておかねばと視聴。

正直な感想は「麻薬のようなアニメ」でした。

<加点ポイント>
①進行役・盛り上げ役の「キョン」の存在感と長台詞芝居
第一話冒頭の「キョン」の長台詞、秀逸でした。これから始まる、規格外の物語を説明しつつ、観衆の興味を引かねばならない。この難しい役回りを見事に果たしました。これが無かったら、観続けなかった。その後の物語でも彼の独り言は、物語に笑いと深みをもたらしました。長台詞は普通は忌避されるが、この物語において彼の長台詞は重要なチャームポイントです。

②原作の順番を変えてでもストーリーを組みなおし、プロットを張り、回収する物語に仕上げた脚本、シリーズ構成の力
タイムパラドックス物が大好きな自分ですが、後から知りました、原作を再構成していると。だとすれば、非常に高い能力を発揮したストーリー構成でした。しかも、物語全体を通じたプロットの回収である、映画「消失」へのつなぎもきっちり仕上げました。

③押井守の「うる星やつら」のオマージュ
ストーリーそのものはハチャメチャであるのに、ある種の深みというか示唆というか、ストーリーが進むとともに、過去回の事象が解釈しなおされる。押井守も、この独自解釈と再解釈、新たな話の展開が生まれるという展開を多用します。そして、私もこの重層的な物語構成が大好きです。

<マイナスポイント>
①エンドレスエイト
実は知りませんでした。「青春ブタ野郎」で、やはりエンドレスエイトのオマージュがありますが、そっちを先に見てしまいました。それで本家のエンドレスエイト。押井「ビューティフルドリーマー」のリピートする「学園祭前夜のドタバタ」も好きでしたので、普通に入りました。しかし参りました。これほど繰り返されるとは。思わず、ネットで何回繰り返すか調べました(笑)。見終わった後の感想としては「繰り返される回数が分かっているので、これは、これで「伝説」だな」としたり顔ができるのですが、もしリアルタイムで見ていたら、こんな余裕はないです。

②ハルヒの性格破綻が、救われる物語がない
ハルヒは性格破綻で良いとは思います。しかし、破綻したままほっておかれます。もしかしたら原作では回収しているのかもしれません。「消失」でそれを彷彿とさせるシーンがありました。ご法度かもしれないけどここまで原作を再構成したなら、エンドレスエイトを2話削って、入れて欲しかった。

③京アニに癖なのか、無駄に音楽シーンが入る。
このシーンの評価が高いのは承知です。私もシーンそのものの評価は高いです。しかし、これも、そのシーンを出す暇があるなら、他に語るべき物語があるんでは?と思ったりします。「境界の彼方」にもあるんですが、傑作ゆえに、ストレートに物語の完成度に集中してほしかった。

全体としては、最初の「キョン」の長台詞で入り込んだ後は、「なんだこれ?」と自問しつつ、絶妙なタイミングで物語が展開し、最後は麻薬のようになり、「エンドレスエイト」で集中が途切れ、再び引き込まれ、、、映画「消失」へとつながる。まんまと製作側の用意したジェットコースターに乗ってしまいましたという「麻薬的怪作」でした。

投稿 : 2020/05/07
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サンキュー:

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