「風の谷のナウシカ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
1959
棚に入れた
12592
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (1959)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

ちょま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ナウシカの生き様に胸が痛い!

言わずとしれた宮崎駿監督の初期劇場作品。ちょうど映画館で見れるイベントが開催中で、大画面で楽しんでこれた!ありがとうジブリ!

世界が滅亡し、わずかに生き残った人類が広がり続ける毒の森・腐海に怯えながら細々と暮らす時代。風の谷に住む心優しき姫ナウシカが図らずとも他国と関わることになり、過酷な運命に飲み込まれていくお話。

不気味な森、巨大な蟲、レトロでファンタジーな飛行船などなど、オタク感丸出しな宮崎ワールドがこれでもかと展開していて絵面だけでもすごい迫力!
これだけ独特のセンスを発揮しながら視聴者を置いてけぼりにしないのは、やっぱり主人公ナウシカの魅力とそのドラマだろう。

争いを嫌い、通常なら脅威でしかない蟲や森とも共存していこうと道を模索するナウシカ。弱き者には手を差し伸べ、急に襲ってきた他国軍の理不尽には果敢に立ち向かい、そしてその暴力にも「怯えないで」と慈悲を見せる…そりゃ姫様と崇めたくなるわ。当時の女性キャラ人気投票でも1位だったらしいけどわかる。超わかる。

そしてこれだけ完璧な存在だからこそ、過酷な運命に飲み込まれていくそのドラマが本当に辛い!
まずその血筋ゆえ王の死んだ谷の未来をその肩に背負う。そして他国軍に押し寄せられるが犠牲を出させないため苦渋の決断として要求を呑み、その身は人質として投げ出す。さらには別の国が戦争を起こすと知ってそれを止めようとし、銃弾が肩をえぐろうと足を毒の湖で焼かれようと立ち上がり、迫り来る蟲の大群の前に立つ…完璧ゆえに全部を守ろうとする…

もうホント、やめたげてよぉ!昔は「王蟲スゲー!」「ナウシカ頑張れー!」って感じだったけど、こんないたいけな少女にここまで辛いイベントぶつけて何⁉いくら完璧ったって年端もいかない女の子だぞぉ!もう見てられないよぉ!
でも面白い!悔しい!ビクンビクン!

過酷な状況でも必死にもがく姿にどうしても惹き付けられてしまうのだ。そしてそれに感化されていく周りの反応も見て「どうかハッピーエンドに向かってくれ」と祈ってしまう。そしてラスト。根本的な問題こそ解決はしてないが、一つの終わりを迎え、エンディングで笑顔のナウシカが見れてやっと心が救われた感じである。ああ、よかった…少し休んでくれな…そんな気分…

まあでも原作もこの後とことん鬱イベントの連続だけどな!ホント鬼畜だよ駿さん!

今のアニメに見る「超グリグリ動くカメラアングル」や「スーパーアクション」はないけれど、要所要所で見せる蟲や飛行戦艦の迫力・演出は決して見劣りするものじゃないし、ストーリーもグダグダ長ったらしい会話や説明もなくテンポがいい。センスだけじゃない、アニメ作品としての地力も抜群だと思う(ジブリ全般に言えるけど)。
こんな名作を映画館で見れた幸運に感謝感謝である。

投稿 : 2020/07/15
閲覧 : 243
サンキュー:

8

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