「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)」

総合得点
84.1
感想・評価
429
棚に入れた
1963
ランキング
293
★★★★★ 4.2 (429)
物語
4.0
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.2
キャラ
4.1

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saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

庵野秀明の頭の中にあった想像と経験の集大成…

うーん、TVシリーズはまだわかるけど…ぶっちゃけこの劇場版最後の作品は意味がわからないというか、なかなか理解が難しい。いろいろと意見というか、受け止め方はどうとでも取れる。

人の死が多いことや、過度に理想郷的な言葉が出るのは、まあ時代というか、そうした作品に影響されてきた1955~1970年生まれあたりの爆発的な成長と混沌が日本中にあった世代ならではのものかなと思う。監督庵野秀明より前の世代はもっと死を直接的に描くことが多かったと思うし。平和な時代が続くほど死を描く手法が間接的、抽象的になっていくのかな。

強いて言えば、監督庵野秀明の頭の中にあった現時点のアイデアを全部表現してみました、という作品かと。

エヴァの決着はきっと昔構想していたときとは違うのかもしれないけれど、やりたいことをとにかく詰め込みたい、それが許される環境だから、やってみたような…そんな風に受け取れる。

多くの人が言うように、これは卒業作品だと思うし、それは監督庵野秀明にとってはある意味、大阪芸術大学からやってきたことへの卒業制作なのかなぁ…とも思う。

で、この作品の次からは新たなステージへと行くわけで、自分自身を乗り越えるハードルなんだろう。

そういう意味において、多分、ファンや観客は置いてきぼりなんだけど、それで良いんじゃないかな。監督庵野秀明がやりたいことを詰め込んだ作品なわけで、他人の評価はどうでもいいというか、関係ない。

作画も、なんか試したい作画手法を片っ端から試した感じがするし、別にそれが正解とか、そういう感覚ではないのだろうな。あらゆる過去自分が影響を受けた作品のあらゆるオマージュが詰め込まれているのも、美大生が模写をしているというか、自分への、次への血肉のために全部試しましたって印象。

その意味において、すごく一本芯が通っている。自分がやりたいことですとか、自分自身への自己否定とか、あらゆる感情と矛盾が入り混じっている、監督庵野秀明の全部が入っているという芯。

ただ、ちょくちょく嫁視点というか嫁思考がセリフやらにも入り込んでいる気はするけど…。

良い作品だった。でも、どこがどうとは説明できない作品。

まあ、良い作品にはそうしたものはあると思うので、アリかな…。


■追記

最近、漫画「アオイホノオ」の24巻を買って、そのついでに1巻から読み直した。
そうしたら1巻の巻末は島本和彦と庵野秀明の対談インタビューだったんだな。忘れていた。
その対談を読み返して、「若いときに影響を受けた作品は追い越せない…」
というくだりを読み返したとき、
そうした若いときに影響受けた作品を超えたい、
そのための助走的な部分も、今回の作品はあったかも、と感じた。

だからこそあらゆる手段を試しているし…。
だからこそ、シン仮面ライダーのOPはとことんこだわってオリジナル忠実。

まだまだ監督庵野秀明はやりたいことだらけなんだろうな…。
この1巻初版の2008年のときも、そしていまも、とことん貪欲なんだなと。

投稿 : 2021/12/24
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サンキュー:

7

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