コンクールで成長なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のコンクールで成長な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番のコンクールで成長なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.4 1 コンクールで成長なアニメランキング1位
ピアノの森(第2シリーズ)(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (151)
578人が棚に入れました
森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公の一ノ瀬海(カイ)が、かつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や、偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき、やがてショパン・コンクールで世界に挑む。
2018年春の第1シリーズに続く分割2クール目。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、諏訪部順一、花江夏樹、中村悠一、KENN、悠木碧、伊瀬茉莉也、小西克幸、豊永利行、遊佐浩二、三宅麻理恵、坂本真綾、田中秀幸、島田敏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

評価に値するのは音楽と声優の演技のみ

第1シリーズ含めた全24話中、
第2シリーズは第13話から最終話までとなります。

作品の紹介などは、第1シリーズのレビューに書きましたので
ここでは省略します。

原作の大ファンである自分にとって
「ピアノの森」のテレビアニメ化は最高に嬉しかった。
しかし第1シリーズ数話で本作には既に失望。
まずは作画で、次にシリーズ構成にがっかり。

結果、期待に胸ふくまらせて書き始めた第1シリーズの詳細レビューでしたが、
今期の詳細レビューは、もう書く気がなくなりました。

<最終話まで観て>
本作は音楽>物語。
音楽だけは、ピアノ音源や新規EDなど非常にクオリティー高かった。

物語評価は、原作を読んだことなければ最低でも3.5以上にしていたかも。
しかし、原作を愛する自分には不満多い作品だった。

今期の5話目まで観た時点で、すでにアニメの評価確定。
そして最終話まで観てもその評価覆ることなく終了。

漫画「ピアノの森」は、物語>音楽にする形で
いつかリメイクしてもらいたいものです。
原作をリスペクトする、たっぷり確保した尺と構成で、
他の優れた制作会社と監督&脚本家で。

<TVアニメ版が嫌いな理由>
以下は、原作の若干のネタバレありです。
視聴中で原作未読の方は
アニメ終了までご覧にならないほうがいいでしょう。
{netabare}
作画が論外なのはまだしも、キャラクターが描き切れていないのが致命的。

構成に関して、個人的に描いて欲しかったポイントをほとんど外され
本当に残念です。
尺としても、最低でも3クール以上は必要な作品だったと思っています。

今期に入り、舞台はコンクール会場ばかり。
日本でカイを応援している家族や仲間の描写がほとんどなく単調です。
誉子は今期はモブ化してしまいました。

おかげで自分にとって本作は、
「天才ピアニストのサクセスストーリー」の域から脱せず
つまらない作品となりました。

最終巻まで読み終えて、本作の原作の魅力は、
単純なサクセスストーリーではない所でした。

原作のサクセスストーリー以外の魅力ある話を思いつくままに書くと、

・カイの、阿字野やお世話になった「森の端」住人への恩返しのドラマ。
・阿字野の奇跡の復活のドラマ。
・修平の脱皮と成長のドラマ。
・修平の父親 雨宮洋一郎の、阿字野と息子との関係が生み出すドラマ。
・誉子のドラマ。

つまり、少なくともカイ、阿字野、修平、誉子の4名は
等しくお互いが重要で欠かせぬ関係者であり、
物語の流れの中で主人公ポジションを譲り合いました。

成長後のカイは、苦労人だけあって
17歳でも、ある程度完成された人格者なので、
それ以外の3名の存在が、
物語を盛り上げて醍醐味を与えてくれていたのです。

ですから、上記主要の4名に関してはアニメ化に際して
原作に忠実に、いかなるエピソードも省くべきではないと感じます。

ところがアニメ第1シリーズでは、
コンクールに羽ばたく以前のドラマに1クール以下の尺しか与えられず
エピソードの大幅なカットがありました。
それは、キャラの魅力を視聴者に伝える上であまりに不十分。

カイの母親の怜子やカイの良き理解者である
ジャン・ジャック・セローや佐賀先生の魅力は
アニメでは半分以下となりました。

アニメでは存在すら抹消されたカイの恋人サエのエピソードも、
カイの人格形成において外してはならないでしょう。

原作では、サエのおかげで既に童貞でないカイ。
結婚こそしていませんが、同棲して一途に愛し合い、
お互いを高めあうパートナーとして苦労を分かち合っています。
そんなカイは立派な大人です。
彼から滲み出る包容力は、その背景あればこそ、と思います。

ショパンコンクール篇は、全26巻中、第12巻半ばから始まり
第25巻の最後でようやくコンクール結果発表と、
原作全体の半分以上を占めていてコンクール篇も重要ではあります。
コンクール篇に突入すると、アニメでも登場した
パン ウェイ、レフ・シマノフスキなど
コンテスタントたちの群像劇としての魅力も加味されていきます。

その長いコンクール篇が面白く感じられるかは、
カイの魅力が輝いていることが大前提。
コンクール前のカイの成長記が丁寧に描かれていないと
カイに思い入れも愛着を抱けず。カイへの応援意欲も減退。
コンテスタントたちの群像劇も尺足らず。
原作と比べるとどうしても中途半端に感じる。
結果、コンクールは単なる品評会の域から脱しきれない。

例えば、ワルシャワでの大好きなエピソードのひとつ、
14巻の第119話「ヤヌシはヤン」をアニメ前期ではカットされました。

カイはワルシャワ到着間もない頃、
ジャンの友人の経営する居酒屋を紹介で訪れます。
そこは廃業中。カイは居酒屋のピアノを調律し直し、
店を綺麗に掃除し、営業再開させるきっかけを与えます。
そしてカイはワルシャワ滞在中、その店で修行とアルバイトを兼ね
スケジュールの許す限りピアノ演奏することになります。
結果、カイのピアノで再開後一月足らずでそこは大繁盛。
カイは、数多くのポーランド人の
お客たちにも愛されるようになりました。
また、自暴自棄で酒浸りだった店主を救う話でもあります。
アニメではそういうエピソードを外し、
コンクール場面ばかりに重きを置きました。

重きを置くべきは第一に、以上のような地味な人間ドラマであり、
コンクールという競争の場を彩ることは副次的であるべき、
と言うのが持論です。

それでスタートした今期では、カイの魅力もさらに減じました。
個人的に全く盛り上がれなくて非常に退屈。

しかも一番感動した最終26巻の内容は、
アニメ最終話ではとって付けたように終了で非常にがっかり。
{/netabare}
<作画について>

第1シリーズでは、不自然なCGが目障りでした。

プロデューサーあたりが本作のアニメ制作会社の
元の親会社にSOSを発したのでしょうか???
第2シリーズでは、業界歴の長い監督へ交代。
(株)ガイナックス代表取締役社長の山賀博之氏が監督となり
演出の変更が如実です。

今期のOPのカイのピアノのCG演奏は、恐らく前期1話冒頭で使われた素材を
加工してブラッシュアップしたものでしょう。
周りをぼかしつつキラキラな映像処理を施すことで
巧く画面にCGを溶け込ませていると思います。
個人的にはこのレベルだったらCGウェルカムなのですが...。

しかし今期は新規CG作画を極力避けるように方針変更の様子。
止め画がかなり目立つようになりました。

その分、演出で補おうと努力されていて
16話(第2シリーズ4話目)でのカイのピアノ演奏時、
イメージ背景はなかなかの出来とは思えたものの、
止め画多用で作画上、稚拙な感はアップ。
制作会社の本来の実力が露呈して、
残念度はむしろ上がってしまいましたね。

基本、ピアノを弾くカイは全身不動なのに
頭髪だけ風になびいてるシーンがありましたが、
冷静に見ると結構シュールです。

また演奏中に飛び交う、埃にも見える大量のオーブらしきもの。
これは結局今期全話ずっとピアノ演奏シーンにつきまとう。
見ようによっては心霊動画みたいでちょっと怖い。。。
一流の演奏は多くの浮遊する魂を癒す、ということでしょうか?

キャラデザも原作準拠より
映画版のような真面目な台詞がよく似合うような現代に沿う、
スマートで垢抜けたデザインにすべきだったと思います。
一部のキャラクターの鼻の造形と髪の毛が漫画チックでいただけません。
特に阿字野の髪は、バルタン星人を連想してしまいます。

前期は、声優の演技と音楽の素晴らしさに免じ甘めの評価をしましたが、
今期は、原作とアニメを厳しく比較して決めさせていただきました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

スワンa さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

見えない存在意義

フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール―――――――

ポーランド独立の9年後1927年に第一回を開催。『ピアノの詩人』と
謳われた薄命のフレデリック・ショパン(1849年フランスにて没。享
年39歳)の祖国に対する強い愛国心を称え、より尊く表現し得る者を
発掘する、と言う目的で始まる。

彼の命日である10月17日前後に、首都ワルシャワにて5年周期で開
催(第二次世界大戦中は中断)され、延べ17回行われた中で、日本人
の最高位は1970年内田光子さんの第2位。近年行われた2015年度は
小林愛実さんの特別賞のみという非常に厳しい世界。過去の入賞者は
ほぼ欧州のピアニストが占めているのが現状です。


先ず思うこと―――――――――――――――――――――――――

日本人にとって、この大会の優勝は長年の悲願とも言えるもの。しか
し、今まで優勝は愚か入賞も数人だけという事実を知る者からすれば、
日本人が優勝すると言う作品へのイメージは一切湧いて来ないのです。

例え制作に当たり主催者側の協力を得ていたとしても、彼らはきっと
こう言って笑っていたに違いない。「あり得えない愚かな読多話を日
本人がしている」と。クラシック界に於ける東洋人への偏見や差別は
実績や結果を示さない限り、決して無くならないし認めては貰えない。

もしこの実在する歴史あるコンクールを題材にすると言うのであれば、
より一層現実的に惜しくも優勝を逃し、苦労の末に数年後それぞれが
世界的に飛躍をする、という流れを濃く描いた方がより共感を得てい
た様な気がしてなりません。事実、日本人の多くの挑戦者たちがこの
コンクールを踏み台にして国内または世界で活躍をしているのです。

上記の内田光子さんは現在世界最高峰の一人として「第59回グラミー
賞」にノミネートされ、惜しくも入賞を逃した辻井伸行さんは、その
後ヴァンクライバーン・コンクールで優勝。2013BBCプロムスでの名
演奏は未だ多くの方々に語り継がれ、今や世界一チケットが入手困難
なピアニストとさえ言われています。

そして今作で演奏している反田恭平さんもまた、コンクールの実績は
ジュニア銀賞のみですが、若くして尚、国内外で活躍をされている。

この足跡(ソクセキ)こそが事実であり、描くべき素材だと僕は思う
のです。もしこの作品がショパンコンクールの優勝と言う設定で無け
れば、今とは違う印象を持っていたことは間違い無く断言出来ます。


視聴を終えて―――――――――――――――――――――――――


実際のコンクールに基づいた選曲は非常にリアルで納得の出来でした。
そして『12のエチュード』で始まるOPもセンス抜群。ただ折角の高
演奏も、何故か台詞でベールを覆い、何となく物足り無さが残ります。
せめて最終曲くらいじっくりと最初から最後まで聴かせて欲しかった。

二人の揺れ動く心の描写は少々諄くも悪くない感じです。大きな山場
の無い展開も決して悪くはない。ただライバルの説明等は簡単にして
でも、もっと二人に長くスポットを当てて欲しかった気がします。

未だ拭えない一番の違和感。調律もしていないと思われる野晒しのピ
アノが、何故綺麗に音が鳴るのか。これは一期にも通じる疑問です。

そして作中挟み込む景色が非常に邪魔。漫画や小説では音の可視化が
難しく、派手な描写や見合う背景を挟みそれを表すのが普通。しかし
映像でそれを多用すると胡散臭さや華美を感じて逆効果だと思います。

作画は至って普通ですが、キャラはラフと言うか特定人物以外は雑で
魅力を語る以前の出来。CG自体は悪くない。ですが、一見リアルに
感じる指の動き、特に鍵盤のタッチがサラサラとし過ぎで力強さを全
く感じず、メロディとの違和感が半端ない。ピアノを知らない者が描
いたとしか到底思えない、もしくは適切な助言を与える事が出来ない
だけなのか。どちらにせよピアノの描写としては致命的欠陥です。

そして最悪だったのが、動画の良さを消してしまう静止画の多用。こ
れはもう尺の稼ぎとしか思えず、最早手抜きと言っても良いくらい。

総じて、一期にはあまり感じなかった全般に及ぶ程の作り込みの甘さ。
同じくクラシックを扱う『のだめ』や『四月は君の嘘』他の音楽作品
と比べて、幾ら手を伸ばしても届かない位、遠く及ばない出来でした。

世に出した意義さえ疑ってしまう今作。
何故二期はこうなってしまったのでしょうか。

音楽を愛する者としては決して揶揄したくは無かった。
だが、言わずにはいられない。

正直、非常に複雑な心境です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ショパンコンクールのプロモーションビデオ

原作未読

制作会社の社名変更で㈱ガイナで再出発。第1シリーズとクレジットに載ってる社名が違いました。
期待外れとの声多き第1シリーズで聞かれたのはこんなところ、

・ダイジェスト過ぎて原作の良さを潰している
・CGと手書きの差が激しくて違和感がある

ストーリーと演奏シーンに難あり。あとは大なり小なり様々なお客様の声。私も似たようなものだったので、第1シリーズ観て見切りをつけてしまい第2シリーズに流れ込んだ人も少なかったかもしれませんね。

実際のところ第2シリーズも微妙でした。鳴る物入りのCG演奏シーンは駆逐されて止め絵に取って代わり客離れを加速させます。でもうーん、、、仮にCGのままでも状況は変わらなかったと思います。

第1シリーズ終盤にはショパンコンクール予選に突入しちゃったもんで、第2シリーズでは12話かけてコンクールやるか、どこかで切り上げて後半盛り上げるかというのはあったかもしれませんが、なにせ「よう!ショパン!」のお話なので後者を取ることは考えられませんでした。
となると第1シリーズと同じです。演奏シーンが多いなら似たようなものを繰り返されたところで飽きるだけなのです。

おそらくスタッフはコンクールをじっくり描きたかったんだと思います。{netabare}通算24話のうち第9話~第24話と16話分。{/netabare}実際、一次予選、二次予選、そしてファイナルと徐々に上がるボルテージ、途中のハプニングを含めてコンクールの雰囲気は否応がなく伝わってきました。

そのコンクールを彩るための武器が、ぬるぬるCGと著名ピアニストの音源。技術に走っちゃいましたね。

プロの運指を見せるCGだと他の手書き絵とのバランスが悪い。止め絵連続でのモノローグや回想の多用と聴衆のリアクションばかりだとエモさが限定的。月並みですが、そこに魂。シーンを通して伝えたいメッセージを込めてれば違ったものになったでしょう。
第1シリーズの監督中谷学氏はCGの第一人者で日本のアニメは初だったみたいですが、主にシナリオの詰めが甘かったのでしょう。大筋の流れは出来上がったところに第2シリーズ監督交代でテコ入れしようとしたところで、V字回復には至りませんでした。

そもそも一流の音を聴いたところで私を含めてどれだけピアノ表現の差異をわかるかいっ!ちゅう話もあります。
CGが不評で路線変更せざるを得なくなり、残された超絶音源を頼りに作画のテコ入れをしなかったのが実情なのではないかと邪推しております。コンティンジェンシープランって大事ですね。
{netabare}それでもカイの演奏シーンの時は染み入るような感動に近いものを覚えましたので監督交代は悪くない判断だったような気がします。{/netabare}

とにかく演奏シーンが多い作品の性格上、全てに全力投球を求めるわけではありません。メリハリつけてここぞというところは力を入れて欲しかったなというのが率直なところです。

1.だってこれ見せるために他 (ストーリー) を削ったんでしょ?
2.音楽ものは演奏シーンが肝なんだから力を入れてよ?

不満に感じる理由です。
あと坂本真綾さんの出番が少なかったのも不満の一つです。


自分はショパンが好きですし、同じ曲でも確かにタッチが違うなと感じられる部分もありました。残念ながらストーリーはあまり入ってこず。
有名なショパンコンクールの雰囲気のようなものに触れられる。ピアノ好き。音は第1シリーズよりも良かったので、シンプルにピアノないしショパン限定で楽しみたい方向け。
ラストもそこそこいい話で終幕して物語を完結させているので酷評するまでには至らずの作品でした。


物事が上手くいかなかった時に次善の策を講じられなかった失敗例としてシリーズ通して記憶に留めておきます。


{netabare}ポーランド人の矜持ってワルシャワを訪れてひしひしと感じたところがあるんですよね。なんせ国が何回か地図上から消えた経験を持ってるわけですから。

 “我がポーランド”

作中に何回か出てきて良い受け止められ方をされない台詞ではあったのだけれど気持ちはわかる。
そんなポーランド人が最後には音楽に正直だったというのが救いでした。{/netabare}



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2019.09.20追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


NHKで再放送してました。音を楽しむにはイヤホン推奨。
オーディオ環境整えれば、皮肉抜きでけっこう楽しいと思います。



2019.04.17 初稿
2019.09.20 追記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

69.5 2 コンクールで成長なアニメランキング2位
ましろのおと(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (193)
609人が棚に入れました
「俺の、音――」伝説的な腕を持つ、津軽三味線の奏者・澤村松吾郎。彼を祖父に持つ少年・澤村 雪は、祖父の死をきっかけに、三味線を弾けなくなった……。"好きな音"を失い、アテもなく上京する雪。キャバクラで働く女性「立樹ユナ」に助けられた雪は、ライブの前座として津軽三味線の演奏を披露することになる。雪は、様々な出会いを、想いを三味線の音色にのせて弾く。自分の音を、自分の想いを探しつづけて――

声優・キャラクター
島﨑信長、細谷佳正、本田貴子、麻生智久、宮本侑芽、近藤玲奈、岡本信彦、鈴木達央、梅原裕一郎、畠中祐、三上枝織、梶裕貴、落合福嗣、谷口夢奈、高柳知葉、木村匡也、逢田梨香子、柿原徹也
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

音楽と映像の親和性が初心者には嬉しい、津軽三味線アニメ。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
「高校生の部活モノ(和楽器)」ということで、おそらく、多くの視聴者が比較するだろう「この音とまれ!」との比較を、自分もしてみたいと思う。

個人的には、

①ストーリーの深さは互角で、共に○。この音は群像劇で、ましろは一人称小説的なため、好みは分かれると思う。

②(恋愛面含めた)キャラクターの良さなら、この音が圧倒的に良い○。ましろは△。

③音楽的な表現なら、この音は○で、ましろは◎。どちらも良いがましろに軍配。

ということで、総合評価は両作共に☆4。この音はバランスのとれた良作であり、ましろは音楽的な表現や苦悩に特化した良作であると言える。

レビューでは、本作の、特に音楽的に良かったと思う部分を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
自分は岩手県の生まれであり、お隣、青森県の津軽三味線は幼い頃から身近にあった。ニュースとかで音色を聴く機会も多かったし、なにより数年、津軽三味線の本場、弘前市に住んでいたしね。

その上で言わせてもらえば、「三線(沖縄)の方が圧倒的に好き(笑)」。

なんか、魂が震えるんだよね、三線の音色(HYとかBEGINとか、沖縄民謡とか、全部好き)。穏やかで柔らかい響きは、南国の景色とよく似合う。一方、津軽三味線の張り詰めた緊張感と力強い響きは、雪国の景色とよく似合う(実際に演奏方法も全く違い、津軽三味線は打楽器に近い性質を併せ持つ)。

私が津軽三味線より三線を好きなのは、単に私が雪国出身で、雪景色の美しさだけでなく、雪道の運転や雪かきの大変さを嫌っちゅう程知っていて、南国に憧れがあるから(とはいえ、住んでみれば南国には南国の大変さはあるのだろうけどね)。

津軽三味線は、雪国を表現する楽器。

ということを感じるくらい、本作の津軽三味線の演奏と、アニメ演出はスゴい。色々な音楽系のアニメの中でも、ここまで、「音色」「解説台詞」「映像」に親和性を感じる作品は、そうない。

音楽のプロの方々なら、「音」だけで「色」を感じられるのだろうけれど、私のような素人には、「言葉」と「映像」があって初めて感じられる。アニメが総合芸術であることがよく感じられる作品だったと思う。

冬景色には、きちんと冬っぽい音が鳴る。春の訪れも音色で感じる。松吾郎風(雪の前半)の演奏には、老獪さを感じ、雪本来(後半)の演奏には若いエネルギーを感じる。サブキャラもそう。お利口さんとその反抗期が音色で分かる梶貴臣の演奏。スリ上げを多用する荒川潮の演奏。1つとして同じ演奏はなかった(唯一の不満は、皆がベタ誉めする松吾郎の演奏を聴きたかった。雪に似ていて、雪とはレベチの演奏ってやつを)。

これを、曲そのもののを変えて表現するのは難しくないが、「津軽じょんがら節」という(課題曲の)1曲のみで表現しきるには、かなり高い演奏技術が必要だろう。そういう意味では、本作の最大の貢献者は、津軽三味線監修の吉田兄弟さんと、演奏の葛西頼之さんや柴田雅人さんなんじゃないかと思っている。

また、(原作由来だからということもあるかもだけど)あえて1曲のみで表現しきったことで、「津軽三味線の奥行きの深さ」を伝えることもできていた。たった3本の弦でこれだけの違いを生み出せる、凄い楽器だし凄い曲だと思う(これができたのは、「じょんがら節」という、展開が大きく演奏者の個性を引き出しやすい楽曲だからという視点もあり、さすが津軽三味線の圧倒的な代表曲だと思った)。

てか、冷静に考えれば、アニメで同じ曲を3話も弾き続けるって、かなりチャレンジングだよな。決断した監督も偉いと思う。

この感じなら、2期も期待できる。部活動編はここでスッパリ切り、個々を深める展開になるのかな。

海人はサッカー(夢)への再挑戦。雷先輩は複雑っぽい家庭環境の解消と就職(咄家の演奏)。雪は勿論、自分の音を探す旅。

更に、海人×結×朱利の三角関係と、雪×朱利×舞×桜の四角関係の解消。まあ、海人と結、雪と朱利の組み合わせになるだろうけど、ワンチャン、海人と朱利、雪と舞の可能性もあるかな?(笑)

という具合に、本作に足りていなかった群像劇的要素や恋愛要素は今後、、、「伸び代ですね!」(笑)
{/netabare}

【余談 ~「じょんがら」と発音すると、東北訛りの練習になるw~】
{netabare}
東北方言の特徴に「鼻濁音」というものがあります。

鼻濁音とは、日本語で濁音の子音を発音するとき鼻に音を抜くものを言います。特に、「が、ぎ、ぐ、げ、ご」のガ行を「んが、んぎ、んぐ、んげ、んご」というふうに、鼻の方へ抜いた発声法です。通常の「が」は「Ga」で、鼻濁音の「が」は「nGaA」になると書けば、分かりやすいでしょうか。

現代の日本人で、この鼻濁音を発音できるのは、2~3割にとどまり、その多くが東北、北陸地方の人です。(ちなみに、この鼻濁音は中国語では多用されるので、大学の中国語の時に、「発音が完璧」と誉められましたw)

我々東北人は、語頭は「Ga」で、それ以外は鼻濁音のがぎぐげごを使います。つまり、「学校」は「Ga kko 」ですが、「小学校」は「Sho nGaA kko」になります(笑)

私も今回初めて気付きましたが、「じょんがら」という言葉は、「ん(n)」と「Ra(アの母音)」で「が(Ga)」を挟む言葉なので、普通の人が「じょんがら」と発音しても、鼻濁音っぽくなる言葉なんだと思います。

ちなみに、本作の声優陣の津軽弁ですが、「ほぼ全員微妙」でした(苦笑) 主人公の澤村雪役の島﨑信長さんは宮城出身ということで、下手ではないけど、津軽弁とは微妙に違うな~と感じてました。まあ、☆3か4。後は、わりと(津軽弁としては)下手くそで、☆2か3な。特に、澤村梅子と田沼総一は違和感あったな~。圧倒的に上手かったのは田沼舞 役の三上枝織さんです。まあ、青森出身で、ネイティブですもんね(笑) 皆さん、プロなので鼻濁音とか基本的なことはできていましたが、特に文末のイントネーションが微妙に違ったり、濁点をつけるのがちょいと少なかったり、多分、地元民にしか分からない微妙な違和感です(笑)

本来はこれ以外にも、「ザ行」も特徴あるけど、それはまたどこかの機会に(笑)

さあ、「じょんがら」を連呼し、君も東北弁マスターに近づこう! 何のメリッドもねぇけんど(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
津軽三味線。女優かアイドルか分からんが、その卵が、リスク犯して見知らぬ男救うためにチンピラ殴り、泊めるって、絶対にないだろう。ガチの本物の才能との出会い。依存。津軽じょんがら節。津軽三味線の絶対的代表曲だな。まさかの加藤ミリア(笑)

2話目 ☆4
民謡、上手いな(笑) この親子ユニット(笑)、人気出そうだな。なんか、素敵だな、家出息子に手厚い比護(笑) 全国3位で、東京で三味線教室開いたらそれなりに儲かりそうだけどな。

3話目 ☆3
部活になるのね。しかへる、というド津軽弁もそのまま使うか。完璧主義から、1歩を踏み出す。そたらはんかくせぇ(そんなに中途半端な)奴、死ねぇ(笑) 

4話目 ☆3
生きてる?(笑) バアちゃん、語るな~。

5話目 ☆4
こういう、初心者系の部活モノはよくあるけど、いつも思うのは、「皆、よくそんなに熱くなれるよな」ということ。自分はやらされてた剣道だったし、本気でやってたのは、全国がリアリティな目標となってから。初心者なのにあんなに一生懸命になれるのが凄いなと。

6話目 ☆3
OPが6話で変わるのか。ねぶた囃子はちゃんと音にしてほしかったな、こういうアニメだけに。

7話目 ☆3
大会。頭突き(笑) まあ、オール1年である程度いければ、2年後には優勝見えるやな。

8話目 ☆3
素人には大歓声、プロにはイマイチか。戦う前に負けセリフ(笑) 

9話目 ☆4
なんかもう、この音止まれ、だな(笑) 団体は団体の演奏からの個人技。熱い展開だな。集団催眠か(笑)  え? 未成年だっけか(笑)

10話目 ☆4
そうだよな、北東北の赤飯は甘いから(笑) 子供か(笑) 自分勝手な親2人。同じ曲を何十曲もはキツいな(苦笑) 古典の中の異端。プロ向けってことだよな。めっちゃ棒読み(笑) 確かに、少しの雑さは感じる。上手いよな、再現。

11話目 ☆3
演奏の途中でぶった切るのは、どうだろう? こうなると、松五郎の演奏も聴きたいよな。雪が似ていて、雪とはレベチの演奏ってやつを。

12話目 ☆4
ここで初代OPは良いな。もはやファザコン。慕情。やる気にさせるためか。まだ真っ白な音なのね、雪のように。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

津軽三味線の演奏に引き込まれます♫

[2021.6.19]
最終話を見終わりました。
中盤以降は三味線甲子園の話になって、この音とまれみたいだなーって思いながら見てて、悪くはないんだけど、このまま優勝とかして終わりはつまらないなぁって思ったり。。
で、最終話なんですが・・すごーく良かったです!ビター展開好きの私も満足でした♪
この物語は雪くんが自分の音を探し求める旅なんだなーって。
雪くんの音は澄んだ綺麗な静かな音。色に例えると白。だから真っ白な音=ましろのおと。
大会の結果は・・{netabare}そして勝ちたいと悔しがり、嗚咽を漏らしながら泣く雪くん。
梅子にとっては残念な結果だったかもだけど、この甲子園は雪くんにとってとても大きなものを得られたんだと思います。{/netabare}
すごく続きが気になるところで終わりましたけど、2期あるのかな?
原作読んじゃおうかな・・27巻もあるけどw
※12話の感想も下にちょっとだけ書きました。

[2021.4.18初投稿]
原作は月刊マガジン連載みたいですが未読です。
作者の羅川真里茂さんは青森出身のようです。

春アニメの視聴作品を物色してた時は、サムネの男の子が暗そうだし、津軽三味線のお話?って感じであまり期待しないで見た作品でした。

澤村雪(さらむらせつ)は弘前の高校生。
津軽三味線の名人で憧れだった祖父の澤村松吾郎(さわむらまつごろう)が亡くなり、自分の音を探すために東京へ行くけど・・

絵は綺麗でいいですね!
舞台は弘前と東京。弘前といえば、ふらいんぐういっちを思い出します。
結構津軽弁でしゃべってるけど大丈夫かな、と思っちゃいましたけどそれも含めてなかなかいい雰囲気です。
キャラデザもクセがなくて好きですね。

なんといっても良かったのは津軽三味線の演奏シーン!!
演奏を聴いていると、なんだかどんどん引き込まれていく感じです。

お話自体もとても面白いし、これは今期の中でもおすすめしたい作品です☆
ちょっと原作読みたくなっちゃいました。

[2021.4.20追記]
原作コミックを2巻まで軽く読んでみました。
演奏ももちろんですが演出がいい意味で渋い感じに変わっててアニメのほうが好きかも。
2話の時点でコミック2巻ちょっとと、カットされたシーンも多く進行ペースもわりと早いんですが、うまく編集し直して良い作品になっていると感じました。

以下、各話の感想です♫

【第一話-寂寞】
{netabare} 雪のシーンが綺麗。
ユナさん親切すぎ。というか強すぎ。
自分をきちんと持ってる子みたいだしやりたいことが見つかればいいよね。
雪くんの津軽三味線すごく良かった♫
配信で見てた子はあとで登場するのかな。
ラストはちょっとギャグっぽくて浮いてたようなwって誰?{/netabare}

【第二話-林檎の花】
{netabare} 個性的な女性は梅子さんといって雪くんの母親なんですね。
梅子に促されて、雪くん演奏と梅子さん唄の競演が始まる。
うわ!唄も本格的っぽくてすごい!
そのおかげで下宿先が見つかって良かった♪
東京の高校に転入した雪くん。
同じクラスの前田朱利(まえだしゅり)が1人で津軽三味線愛好会をやってて。
雪くんの兄の若菜が東京に。
兄弟の距離感がなんかいいな。優しいお兄さんだね。
兄弟で競演した演奏がこれまた素晴らしいです♫
ED見てわかったんですが、この作品オリジナル曲みたいで題名が「アレ」だそうですw{/netabare}

【第三話-驟雨】
{netabare} 朱利さんと一緒にいる子って1話で配信見てた子?
朱利さんが聴いてた祖母が口ずさむ曲を聞いた雪くんは松吾郎の曲に似てると感じて。
祖母の前で演奏して欲しいと頼むけど、雪くんに弾けないといわれて。
青森から来た津軽三味線の神木清流(かみきせいりゅう)のライブ演奏を聞く雪くん。
雪くんに興味を持った神木から、何か弾くように言われて弾くけど、どういう音を聞かせればいいか分からなくて。
雪くんって芸術家肌というか、繊細なんだね。難しいな。
でも、とても大切なことでやらなきゃ後悔するんだったらやります、と朱利さんに言われて松五郎の曲を演奏したいと思う雪くん。{/netabare}

【第四話-春の暁】
{netabare} 青森から送ってもらった松吾郎の「春暁」のカセットテープ。
朱利さんたちと一緒にいた矢口海人(やぐちかいと)にテープの再生をお願いして、矢口宅で聴く雪くん。
でも松五郎のように弾きたいと練習するけどなかなかうまくいかなくて。
永森雷(ながもりらい)に言われた「シンプルであることの良さ」をヒントに、松五郎の音をひとつひとつそぎ落としてシンプルな自分の春暁にしようと思う。
雪くんは朱利さんの祖母の前で春暁の演奏をはじめる。
昔疎開先で聞いた若い頃の松五郎のことを思い出すおばあちゃん。
必死に生きるために津軽三味線を弾いていた松五郎。
松五郎の優くて生きる勇気をくれた音色と同じようなものを雪くんに感じて。
松五郎の魂はしっかりと雪くんに受け継がれているんだと。
なんだか見ててちょっとうるっとしちゃいました。
津軽三味線愛好会を朱利さん、雪くん、山里結(やまざとゆい)さん、矢口くんの4人で活動することになりそう。
それを聞いた雪くんの母親の梅子が津軽三味線甲子園を企画するみたいだけど、青森の雪くんをライバルと思ってる女の子とかも絡んできそうで今後の展開が楽しみです♫{/netabare}

【第五話-合奏】
{netabare} 初心者ばかりの津軽三味線同好会。
雪くんの演奏に感動して少しでもそれに近づきたいと話す朱利さんの言葉。
それは雪くんが松五郎に抱く気持ちと同じような気がして。
顧問が連れてきた神木清流と雪くんの合奏・・・今回もすごく良かったです♫ {/netabare}

【第六話-原郷】
{netabare} OP変わりました・・けど前の曲のほうが三味線入ってたし合ってたような。。
青森に合宿に来た雪くんたち。
聴いてくれる人の反応がなによりの教え、人に聴かせなければ自分の音は見つからない。
松五郎が語った話を聞いて個人戦に出る気になり雪くん。
朱利さんや矢口くんの話も盛り込みながら、全員最後まで合わせて弾けるようになるお話の流れは良かったです♪
ちなみに青森市のは「ねぶた」、弘前市のは「ねぷた」です。{/netabare}

【第七話-風】
{netabare} いよいよ始まった津軽三味線甲子園!
青森の人って独特のイントネーションあるから、なんとなくわかるんだよね。
雪くんって自分の気持ちを表に出さないから矢口くんのイライラもわかる。
でも優勝したいって気持ちは同じなんだって分かってよかった。
けど自分中心なとこは相変わらずなのね(-.-)
団体戦やって個人戦も、となるとそれだけで1クール終わっちゃうかも。{/netabare}

【第八話-音叉】
{netabare} 青森のマイマイのチームの演奏、さすがって感じ。
すごーく雪くんを意識しちゃってるとこも面白いです。
いいキャラしてますね♪
梅園学園が優勝しておしまいって展開はちょっとつまらないので、もうひとひねりの展開を期待します。{/netabare}

【第九話-風花】
{netabare} 梅園学園の演奏、とても良かった!
雪くんがスタンドプレーすることなく、みんなの音を大切にしながら演奏してたのも。
そして結果発表。
うん。物語の展開としては良い結果だと思いました。特別賞もらったし。
メンバーみんながすごく悔しい思いをしてる姿にじんわりきました。
それだけ頑張ってやりきったという思いがあるということだから。{/netabare}

【第十話-山嵐】
{netabare} 青森の赤飯って甘いんですね♪ちょっと食べてみたいかも。
雪くんの父親ってあの人だったなんてちょっとびっくり。
だからマイマイはあんなにライバル視してたのかな。{/netabare}

【第十二話-ましろのおと】
OP、前のに戻りましたね♫やっぱりこっちのほうがいいな。
雪くんの演奏をスマホで見てるユナさんが一瞬写って元気そうで良かった。
感想は上のほうにだいたい書いちゃったので。。
今回みたいな苦味のあるビターな展開は物語に深みが出ていいと思います。
雪くんの今後の成長がとても楽しみに感じたところで1期は幕を閉じましたね。
できれば2期やってほしいけど、津軽三味線という地味な題材だけに厳しいかもですねー。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

和楽器

原作未読。存在はずっと知っていたけど、連載始まってからもう10年以上経過しているとは驚き。
この音とまれみたいな和楽器を題材にした作品ていいよね。
アニメ化すると実際に音を聞けて日本人の心に刻まれているのだろうか、心になんだか刺さる。和楽器の音たまらん。特に篳篥とか。笙とか。東儀秀樹の演奏を生で聴いたとき震えたのを思い出す。三味線関係ないことまで思い出してしまった。

後を引くような終わり方で最終回ぽくない感じだったな。これから雪はどうやって自分の音を見つけていくのだろうか。母、父との間の葛藤、祖父との思い出。友人との関係。これからに期待。作中の音楽もどうなっていくのか。

津軽三味線監修は一般人でも知っているというか三味線を一般に浸透させた吉田兄弟。よき響きよな。劇中ではかの有名な津軽じょんがら節など。
その他はあんま知らなかったけど。

OP
BLIZZARD BURNOUT SYNDROMES
銀世界 BURNOUT SYNDROMES
ED
この夢が醒めるまで feat.吉田兄弟 加藤ミリヤ
OPはBURNOUT SYNDROMES。津軽三味線と言えば青森。そして雪を思わせるタイトル。
EDは加藤ミリヤの妖艶な感じの歌声に三味線。面白い。スタッフロールの文字は読みづらい笑


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「俺の、音--」 伝説的な腕を持つ、津軽三味線の奏者・澤村松吾郎。彼を祖父に持つ少年・澤村 雪は、祖父の死をきっかけに、三味線を弾けなくなった……。 ”好きな音”を失い、アテもなく上京する雪。 キャバクラで働く女性「立樹ユナ」に助けられた雪は、ライブの前座として津軽三味線の演奏を披露することになる。 雪は、様々な出会いを、想いを三味線の音色にのせて弾く。 自分の音を、自分の想いを探しつづけて--


第一話 寂寞
津軽三味線の奏者、澤村松吾郎を祖父に持つ少年「澤村雪」は、憧れていた祖父の死をきっかけに、なくなってしまった”自分の音”を探すため、アテもなく上京する。トラブルに巻き込まれていたところを、キャバクラで働く女性「立樹ユナ」に助けられた雪は、成り行きからライブの前座として演奏を披露することになり--

第二話 林檎の花
突然押しかけてきた破天荒な母「澤村梅子」により、雪は半ば強引に私立梅園学園に編入させられる事となる。使わないまま放置されていた三味線の組み立てを手伝った事をきっかけに、同級生の「前田朱利」と知り合った。そんな中、雪は久しぶりに再会した兄と共に、三味線を取りーー。

第三話 驟雨
授業中、こっそり音楽を聴いていたのがバレてしまい、スマホを取り上げられる朱利。彼女のイヤホンから流れてきたのは、雪の祖父である松吾郎の即興曲「春暁」だった。なぜ?どうして彼女があの曲を?曲のことを問う雪に、朱利は、おばあちゃんとの大切な思い出を語りだす--。

第四話 春の暁
おばちゃんのために、もう1度「春暁」を聴かせてあげたい朱利。だが、自分にはまだ弾けないからと、雪は演奏のお願いを断ってしまう。「春暁」と改めて向き合う中で”自分なりの音”を見つけた彼は、朱利のおばあちゃんの元へ。ついに、雪の「春暁」が鳴り響く--。

第五話 合奏(resonance)
雪の演奏に感動した朱利は、三味線を本格的に続けていくことを決意する。雪を中心に、朱里、朱利の幼馴染である「山里結」「矢口海人」や、経験者の「永森雷」を加え、津軽三味線愛好会を結成!しかし、素人ばかりのメンバーを相手に、どう教えていいものか分からず戸惑う雪は--

第六話 原郷
和楽器屋の店主「大俵ヒロシ」に連れられ、青森へと合宿に来た津軽三味線愛好会。さっそく練習に取り掛かるメンバーだが、スランプに陥ってしまう朱利に対し、自分の悩み上の空態な態度で接する雪。だが、大俵から聞いた津軽三味線の歴史をきっかけに、雪は迷いに対する自分の答えを見つけ--。

第七話 風
梅子の主催する『松吾郎杯』に出場する津軽三味線愛好会。大会には、子供の頃から雪をライバル視していた「田沼舞」と、その兄である「田沼総一」が参加。さらには大阪の「梶貴臣」、福岡の「荒川潮」など実力者が集まり、大会は熾烈を極める。そして、ついに『松吾郎杯』団体戦が開幕する!

第八話 音叉
ついに、本音をさらけ出した雪。結束を固める津軽三味線愛好会だったが、迫る本番を前に、朱利の不安と緊張はピークを迎えてしまう。結にすがる朱利だったが、結の様子もどこかおかしい。大舞台を前に緊張する結は、朱利の手前、気丈に振る舞おうとするが、プレッシャーに押し潰されていて…?

第九話 風花
ついに、私立梅園学園の出番が来た。緊張しつつも、堂々と演奏を始める津軽三味線愛好会。圧倒的な雪の音に、決して負けずに演奏を重ねる梅園メンバー。心に浮かぶイメージを重ね、皆の音が重なり合っていく。果たして彼らの演奏の行方は--。

第十話 山颪
『松吾郎杯』にて、3位の成績を残した津軽三味線愛好会。いよいよ次は、個人の部が始まる。だが、その場には、意外な人物が待っていた。「神木流絃」。総一と舞の養父であり、雪の…実の父親。そして、流絃は梅子に自分の考えを打ち明ける「雪に『神木流』を継いで欲しい」と--。

第十一話 枷
独奏の途中、弦が切れてしまうアクシデントに見舞われる梶。だが、残る2本の弦で見事な演奏を続けるその姿に、雪の心は動かされた。そして、この大会を開催した母梅子の真意を聞かされた雪。雪が弾くのは、祖父の音か、自分の音か。彼の演奏がついに、始まる--。

第十二話 真白
雪が、心のままに弾く。イメージをのせる。伝える、一心不乱に。雪の三味線から溢れ出す音が、聴く者の思い出を引き出していく。続いて優勝候補、田沼総一の演奏が始まる。圧倒的な音で、会場を揺さぶる彼の演奏もまた、聴くものを惹きつけていく。2人の演奏が終わり、大会の結末はーー。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
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