2016年度のデフォルメおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2016年度のデフォルメ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月01日の時点で一番の2016年度のデフォルメおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

61.6 1 2016年度のデフォルメアニメランキング1位
Re:ゼロから始める休憩時間(ブレイクタイム)(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (69)
431人が棚に入れました
TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」スペシャル企画始動!ぷちキャラたちが「Re:ゼロ」の世界を教えてくれるミニアニメ「Re:ゼロから始める休憩時間(ブレイクタイム)」がAT-Xの本編終了後から放送スタート!

59.6 2 2016年度のデフォルメアニメランキング2位
3ねんDぐみガラスの仮面(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (35)
105人が棚に入れました
冷めた現代、熱くさせて頂きます! あの5人が今度は学園で大暴れ!

現代のとある高校に通っているマヤ、亜弓、月影、桜小路。そして理事長の真澄。 彼らは、冷めきった現代人のハートを熱くさせるため、ガラスの仮面ジェネレーションからタイムスリップしてきた究極の芝居人。 悩みを抱える人々に、滾る芝居魂と情熱をぶつけていくマヤ、亜弓、月影、桜小路。
一方、理事長である真澄は、こんな冷めた時代は救う必要がないと思っており……。悩みと情熱と芝居と涙、笑顔と白目とありがた迷惑……。
さぁ、3ねんDぐみガラスの仮面、開幕です!

声優・キャラクター
阿澄佳奈、大久保瑠美、田中敦子、梶裕貴、小野大輔

64.4 3 2016年度のデフォルメアニメランキング3位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (361)
1842人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

TEXHNOLYZEのカウンター作品 と言えなくも無い(汗)

 思うところ有ってテクノライズを再視聴してて、若干設定面では差異はあるしその視点と未来への展望は対極では有るものの肉体の置き換えという部分に関しては意外と近い作品だなと感慨深いものを感じたので点数見直します。
片や理想郷、片やディストピアの極みですが比較すると結構面白いですw
セナンクル島{netabare}(後のオリュンポス){/netabare}
と流9洲{netabare}(統括第九小地獄){/netabare}とか。
もっとも対比ならば流9洲じゃなくて地上かもですが・・・

島の通信障害による混乱と、流9洲のオベリスクの機能停止とか。

 全身義体(無機質サイボーグ)とシェイプスの表現の差に至っては、作り手のビジョンの違いが明確すよね。
士郎作品は最早人の姿に固執しなくなった時代のサイボーグに関してもブリアレオスや双角等とても愛嬌が有るデザインなのに、シェイプスなんて虫の腹みたいなのがぶら下がった骸骨すもんね。とても不快なグッドデザインだと思う。
(ジェイムスン型サイボーグの阪華精機社長とかも攻殻にゃ居ましたが、葉巻吸う姿がラブリーですしね)

んで福音と違って、ある意味スタンドアローンの極みとも言える櫟士w


 テクノライズは記憶の外部化・自我の境界云々に関しては物語には盛り込まれてないですが、紅殻は電脳化・義体化と言うテクノロジーに対して(戸惑いはありつつの)とても前向きで希望を感じさせる世界観が私は最高に心地良かったんですよね。その点では無二の作品なのは間違い無い。
そこは士郎正宗作品全般の事であって紅殻の特色ではないかもしれませんが、其処を示唆する表現は多分に盛り込まれていた作品であったにも関わらずほぼスルーされちゃってるっぽいのがこの作品の不幸と言うかw
{netabare}
 10歳で肉体を失った少女が元の肉体の動かし方を捨てて「しっぽをふるように」「はねをはばたかせるみたいに」全身義体に対応し、「はじめてものをみるみたいに」システム補助無しで情報の海にダイブしてゆくこの時代では常識を外れた驚異の適応者と言う側面。

「初めて歓迎してもらえたよ」「私は私を(両親以外から)もらったの」
最先端の技術で社会や周囲のおかげで"生かされている"現実と負い目。常にロボットと間違われる疎外感。

 そしてクラりんから問いかけられる"力の行使と持てる者の義務"
未来を作れってのは士郎正宗作品にはよく出てくる言葉ですし、攻殻新劇場版のラストでも引用されてた部分ですが、この作品にもきちんと盛り込まれている。
{/netabare}

 汲み取ろうと言う気さえあれば、哲学的とは言わないけど十分中身の有る作品だと思うんですけどねぇ。まぁこの手の意見は多勢に無勢なのは判ってるつもりですが。
パンドーラデバイスのアクセスのシーンがエロくて気に入らないという事ならば、ドラえもんの四次元ポケットにのび太が手を突っ込んでると置換えて見る事をお勧めします。

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以下、視聴時のレビューです
{netabare}
最終話視聴。
 アニメとしての総合的な質と言う点では、正直駄目な作品とは私も思ってます。お勧めもしません。
ですが個人的には今期一番楽しませてもらった作品でした。本放送中の期間に何度も繰り返し観返した作品は久しぶりですし、原作も何度も読み返しちゃいまして。正直見る気の無かったARISEの円盤買う切欠にもなりましたし。

 設定面も士郎正宗作品に馴染んでいないと"あぁ"とすら気付けない所も多々ある為、攻殻→アップルシードに連なる作品では無く単独の作品として見た場合は面白味の無い話と思われるのも止むを得ないかと。
"光学迷彩では無く熱光学迷彩"とか、クラりんのナイフ夜龍・灰虎の"MADE IN P.I.A"の刻印とか、普通はスルーしちゃうと思います。そもそもクルツの背後にポセイドンが居ると言う点ですら、士郎作品観てなければ「何ソレ?」で終わっちゃうでしょうし

 絵に関しても残念すね。低予算だったでしょうし、名和監督自身がCGを生かしたメカ物作品の経験が無くて色々と相談しながら作ってた旨を公言してますもんね。アクションのスピード感も欠けてるし、かんたんクラりんとは別にマンガ的記号に頼ったとこも多い。
そこは個人的には止むを得ないかなと割り切って観てましたが、それ以上に残念だったのはコメディとしての印象を左右する大事なシーンを再現しきれなかった点が多かった。代表的なのがフィアーの目前での変身シーンの"場違いな面白さ"をクルツの怒りと部下の赤面だけで済ませちゃった点とこですかね。
日常系等で女の子をかわいく見せる点では手練れだったであろう制作側の良改変も有りましたから、痛し痒しのトコは有ると思いますが。猫王子のトコは良かったですね。「耳に触っていいニョ」のトコは声優の沼倉さんが声変えたのもあってバカバカしくて良かったかと。

 原作とのラストの展開の差異の大きさは正直残念でしたが、制作時期的に原作無しの状態だった訳でその点を加味すれば無難に纏めたかなと思います。
距離を置いて見ればアニメとしてのクオリティも高くは無く、中盤の昔の魔法少女モノみたいな部分が無駄回に思えても仕方のない1クール内の構成の悪さから世間的に低評価も止む無しですね。やはりニッチ過ぎたと思います。
本来ここでの評価点を付けるとすれば低くすべき作品とは思いますが、個人的な思いで高い点付けちゃいます。


原作と比較しての不満点ですが

・福音の全身義体故の世間に対する引け目がさほど表現出来ていなかった。
原作もけしてその点に関しては表現は多くないですが、アニメでは誇張すべき要素だった気がします。全身義体の可能性の裏の側面として"高度なメンテが有ってこその体"という社会への感謝と恩返しが福音の社会への貢献と世界平和への願いの根の一つですので、表現が皆無では無いですがもっとアピールすべきだったかなと。

・クラりんの福音に対する認識
原作では事件の終息後に、福音との共同作業が自分の計算上は不可能な事を可能とした事に戸惑い「・・・ありが・・・とう・・・」とやっとデレるんですよね。アルゴリズムでは生まれ得ないノイズとしてゴーストの発生を匂わせている。
アニメのラストも悪くないですが、クラりんのアンドロイドとしての書き方がかなり人寄りかなと。福音も本来彼女たちには目の洗浄液でしかない"涙"を流して泣きますし。
多分、制作側の方々はあまり士郎正宗作品思い入れは無い気がします。
福音達を尾行してたゲルツェコマの光学迷彩を"熱光学迷彩"と言わせた件はweb上でも色々指摘されてましたし。私もアレは台詞のミスだと解釈しました。

・ロバートとの共闘と太鼓の達人・キノコとタケノコを描けなかった。
アニメの制作時期的には原作と併せる事が出来なかったのは止むを得ないんですけど、やはり原作では福音のチート能力の最大の見せ場でしたしロバートが事態収束の当事者の一人としてこそ前段の繋がりが生きたと思います。

福音「これだーーーーーって、私の何かが囁いたんですよーーーー!!」
クラりん・ロバート・クルツ:「お前は一体何を言ってるんだ・・・」

をアニメで見たかったんですよね。福音役の福さんもキャラにマッチしてましたし。
このアニメをコメディとして観るかSFとしてシリアス多めで見たいかは個人差有るかと思いますが、私は終始コメディで通して欲しかったです。


実は今期アニメに関しては、コレにご執心過ぎて他のアニメがかなり印象薄いです。私、かなり趣味が変かもですねw

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10話視聴
 正直、残2話だと原作通りにクルツとの決着迄を消化するのはかなり厳しいような。公式HPにもアニメのオリジナルの展開になる様な事書いて有りましたが・・・
OPから予想すれば目だけ書かれてたランドメイトとの戦闘は要れるでしょうし、当然クラりんへの電子戦闘支援も外さないでしょうから。
描かれていない福音のシステム補助無しでのシステムのハックを削るのだとしたら、一番攻殻らしいシーンだけにガッカリかも。11話のサブタイからすると外さないでしょうが(汗)
 個人的には原作終盤の展開が好きだったもんで、あのヒドいオチも含めて原作に忠実にやって欲しかった気はします。

それにしてもニッチなアニメすね、ホント。好みにカスリもしない層が多いのも止むを得ないというかw
私は今期手をつけたアニメでは、質は別の話として一番好きです。

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8話視聴
 今期の一番のお気に入りですので、何故かマメに書きたくなっちゃうと言うか。今期は他にいい作品いっぱいあるのにコレが一番好きな自分は変わり者だなとは思うんですけどね。恐らく円盤の売り上げも撃沈でしょうから、私は買う事にしましたw

 こういう各話の内容の書くのって個人的には好きじゃないんですが、ちと判り辛い回だった気もするので敢えて。流し見でなければ判る程度の事ですが、この作品の場合真剣に観て貰えてない可能性高そうですし(汗)

・火災の原因はクルツのハックで"くしゃみした"ブエル(大)の荷電粒子砲。
もしかすると敢えて火災とラストのシーンの関連の表現は次回に回したのかもしれませんが、人によっては紐付けできなくて訳ワカメにしか見えないような。
ブリ(ドカーン)のノース君の着ぐるみがなんで突然燃えだしたのも、原作ではこの時点でちゃんと火線が絵に描かれてるんですけど・・・・

・デパートの売り物だった耐火布をクートゥリエのスキルで袋にしてその袋に入って身を守り、周りが見えない袋の中から電動カートと携帯ゲーム機と自らの機能を利用して視覚情報では無く音響情報(エコー)を視覚化する事で移動。

・取り残された子供に、全身義体(サイボーグ)の福音は自らの体内残留分の酸素で人工呼吸。
福音は脳だけ生身ですので、本来必要な酸素は脳の維持分のみで済むため僅かの酸素しか必要でなく1話も含めこのような過酷な状況で1時間程活動が可能。
しかし、そのわずかな量を通常の人間に供給したため急激に残量が減った。
クラりんはアンドロイド(ロボット)なので酸素が無くても活動が可能の筈(1話は海底でタンク背負わず調査活動)
ただアニメでは酸素ボンベで吸引してましたね。原作ではクラりんは吸ってるシーンは無いんですが。多分ミステイクかなと。

・耐火布の袋に風船用のヘリウムガスを貯め、地上にダイブ。
そのまま地上に落下するにはロバートが言ったように速度が出過ぎだったが、議長のリムジンの屋根に着地した事で変形のエネルギーを利用して緩衝した。でも原作ではその前に建物の壁を蹴る事で減速もしてるんですよね。

 通常の人間では無理だがサイボーグである福音とアンドロイドのクラりんだから出来る事(可能性)とは何かがこの作品の総体のキモの一つであり、その意味でわざわざ他の"料理の鉄人""ジャグリング"等の「便利だね~」程度のスキルを前半でやって"人形遣い"とこのエピソードを話の山場のクルツとの対決の直前にこのエピソード持ってきたんだと思いますが。
 けど、流石に1話の短い尺で原作の絵の情報量を全て詰め込むのはこのエピソードに関しては苦しいかも(汗)
ブリ(ドカーン)の突撃インタビューや議長の抱えた"大きな問題"のシーン自体は話の本筋には無駄ですが、彼の政治家としての暗部の表現のシーンでもあるので削れなかったんでしょね。

 クラりんのロジカルで合理性を優先する思考と福音の人間的行動原理の話でもあった回でしたので、ラストのクラりんが自らの判断を誤りだったと認めるシーンを原作より長めにしたのは好印象でしたです。

 初期の原案でも阪神淡路の被災者である体験からか、基本的な緊急救命を盛り込んだ作品にしたいと言う思いは有った作品らしいので、ある意味本作らしい回ではあったのかもですね。
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7話まで視聴
 相変わらずアニメとしてのクオリティはアレだと思いますが、私的には今期のアニメで何度も繰り返し視聴してるのはコレだけでして(汗)
原作も読んじゃったので今後の展開も判っちゃってるんですけどね。
恐らく大半の方が何の面白味も感じないと切ってるんでしょうし、その気持ちも判りますホント。
この作品を脳内変換してでも楽しむ気持ちでいないと、アホらしくなると思います。今期だと小麦ちゃんRに近いかもしれませんねw
この後8話の火災の話以降は結構派手な展開なんですが・・・
もちっと金掛かった作りならばとも思わないでもないんですが。

 この作品のせいで久しぶりに士郎正宗熱が上がっちゃったもんで、14年発売のPIECESGem01買っちゃいまして。
本作に関しても言及されてまして、別にアニメのネタバレには当たらないと思いますが
やっぱりオリュンポスに関連してましたw
初期設定ではオリュンポス形成の初期実験の物語として設計されてたそうでして。もっともマンガの六道氏がそれを使うかは別な話なんでしょうけど。
7話の福音のお勉強のシーンでの講師のお話もよ~く聞くと、士郎正宗ファンなら「やっぱりそういう時期ね」と納得なんですよね。

webで見ましたが日常系が多い名和監督自身は自らこの手のSFは畑違いと思われてたとの事で、実際魔法少女モノ風にアレンジする事も視野に入れてたみたいですが・・・
にしては意外と士郎正宗の原案と言うものを大事にされてるんだなと感心したのと共に、であればこそ士郎正宗のマンガのテイストが感じられるんだなと納得しましたです。もちろんマンガの六道氏が有っての作品だと思いますが、"アニメの攻殻"という商売に染まってないカドカワと制作会社で作られた事の福音なのかもですね。

士郎正宗の読み物なんて攻殻2.0巻読んで以来なんですが、PIECESGem01読んでアニメの攻殻って色んな意味で色々有った作品なの知って「あぁなるほどね」って感じでして。正直、押井版も含めアニメとしての出来は別として"コレ、士郎正宗じゃねぇよね"と言う違和感感じてたのは私だけでは無い筈。
 紅殻のパンドラと言う作品が変化球なのは間違い無いですが、こういう形でもテイストを継承した作品が出てきてくれた事が嬉しく思います。

もっとも、今でも士郎正宗って名だけでときめくなんてのは古い世代だけなのかもですが(汗)
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意外と原作に書かれて無い部分足してたりするんですね。

原作は現時点7巻でフィアーとの戦闘のクライマックスで、これでほぼ一区切りかと思ってたんですが。
OP見てて気付いたんですが、クルツの背後にフィアー以外の目が光ってますよね。ラストに更にもうひと山作るって事なんでしょうか?(汗)

 個人的には今期のアニメで一番好きで観返すのも多いんですよね。
別に賛同求めはしませんがw
アニメの1作品としての出来云々で言えば低評価なのは納得なんですけど、個人的にはこういうのツボなんすよね。

世界でこの時点で10人と居ない適合者の福音が"肉体の代替品"に留まらない全身義体のその可能性をパンドーラデバイスと言う"最高のスキルの取り込み"で更に広げるってプロットが正に士郎正宗というか。電脳化が世界を変える新技術と言う認識は有っても未だ倫理的に抵抗の残る時代と崑崙八仙も劇中で言ってましたし、私は今となっては大昔の本のアップルシード・データブックの年表読み返したりして楽しんでます。
本作の段階では連合・米帝の大戦中の様ですが、ムンマ教国の台頭の時期且つMMによる"日本の奇跡"の前なのかなと思って観てるんですが。劇中の宿題の職場訪問のエピソードで浮遊MM云々なんてセリフも有りましたしね。
セナンクル島って意外とオリュンポスの原型だったりするのかな~とか思ったりして。ガチの士郎正宗ファンの方の見解聞きたいすね。
 んで、そんな士郎正宗の世界の中で繰り広げられるサイボーグの福音とアンドロイドのクラりんのユルい百合とブエル(小)の暴走というギャップが堪らないw
フィアーとの戦闘ですらアレですしね。
 士郎正宗のお膳立てだけで楽しめる人にはナカナカな御馳走だと思うんですが、そうでない人にとっては雑な三流以下でしかないというニッチな作品というかw
 
 別にクラりんのデフォルメで作画リソース節約は私は気にしてないんですが、義体の関節部分を線足しだけで済ましちゃってるのが残念なんすよね。
もうちょっと手間かけて欲しかったとは思います。2ndGIGの素子の少女時代と見比べるとガッカリ。
作画金掛かってたら個人的には円盤迷わず買ったんですが・・・

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 面白そうなんで原作読みはじめましたけど、士郎正宗自身が自分の作品の色では今時はウケないからと六道氏にお任せって感じなんすね。マンガ本編と士郎正宗のあとがきのテイストの違いが変な感じw

部分義体に出来る事の限界と全身義体の可能性の違いとかってアップルシードの頃から書いてたし、スキルの外部記憶化というパンドーラデバイスとの相性の良さなんて要素もとても士郎正宗っぽいすよね。
(そいえば無彩限のファントムワールドでも3話で外部化された記憶・体験の共有ネタやってましたね)
崑崙八仙の傘下の企業の名前もメガテク・セブロとかお馴染の社名出てきたり、マンガの方では福音がヘカトンケイルシステムの実験させられてたりするし。
そういう懐かしさもあって、なんか個人的には好きなんすよね~。

 自称"魔界の哲学者"ブエルも五本目の脚がイイ味出てるし、かわいい全身サイボーグとロボットのコンビでユルい感じってのも個人的には好きなんでその気に入った気持ちを評価に反映します。

まぁ明確に"彼女と彼女の出会いの物語"と深~い話じゃ無い事は明言してますし、客観的にアニメの出来として観れば切る人多発なのは納得ですんで私もお勧めはしないですけどねw
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 個人的にはなんかカオスな出来が楽しい気がするんですよね。お勧めはしないし多分切る人多発だろうけどw

絵も動きも雑だし変なアニメなのは間違い無いんですが、意外とドミニオンのマンガにテイストに近い気はします。コンフリクト編じゃなくて初めの方ね。SFベースのドタバタ劇と言う点で。
まぁ本作品自体の原作は士郎正宗では無い訳ですが、マンガのドミニオン・オリオンが有りの人は別に抵抗無く見れると思いますけどね。

何度もくどいですが、お勧めはしません(汗)

士郎正宗というとアニメの攻殻・アップルシードというイメージの人は耐え難いかも。
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 攻殻以前との話ですので、古い世代の士郎正宗ファンなもんで個人的には期待しちゃうんですけど最近はエロばっかですしねw
全身義体(無機質サイボーグ)の黎明期のお話みたいなので、希望としては攻殻→アップルシードの流れに繋がるミッシングリンクがちょっと埋まる作品だと最高にうれしいんですが・・・多分ふつうに萌えですね(汗)

まぁ別にかわいくて面白ければOKかなと。
1話目の印象は絵は崩れないけど、電車や船等のオブジェクト動きがイマイチすかね。{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 26

offingbook さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

LOVE&PEACE!

2016年1月から3月まで放送。全12話。原作漫画未読。

サイボーグやロボットなどが一般にも出回り始めた近未来。ある島を舞台に、
脳以外を全身機械化した少女・七転 福音(ななころび ねね)と、
その島で福音と出逢った美少女型のアンドロイド・クラリオン(通称・クラりん)、
2人の活躍や日常を描いたSFアニメ。

シリアスな雰囲気になっても、思わず笑っちゃうユーモアが入り込む作風。
SFだけれど、難しくなり過ぎない軽やかさ。
目を惹く近未来的な映像表現がありつつも、ほのぼのとしたやわらかさを失わないゆるやかさ。
SFであり、変身ヒロインものであり、でも日常コメディであり、
そして可愛い百合もある、そういうの全部合わせたカオスな感じ。

いろんなものが盛り込まれているのに、すっきりとした気持ちで観れる、
その、絶妙なアンバランスなバランスの良さ、全部ひっくるめてすごく僕好みでした!
(僕は何を言っているんでしょう?(笑))
まぁ簡単にいえば、すっごく面白いアニメ作品でした!2016年冬アニメで一番好きです!

いろんな要素が描かれつつも、それでも今作を重さなく、とことん楽しく視聴出来たのは、
何といってもメインヒロインの2人・福音とクラりんの可愛らしさです!

明るくて優しい、感情豊かな福音。福音と出逢い少しずつ変わっていくクラリオン。
2人ともすごく可愛らしくて、とても魅力的。いっしょに少しずつ成長していって、
少しずつ深まっていく信頼や繋がり、観ていて愛らしく、とても癒やされました。

たとえどんなことが起ころうとも、2人が正しくまっすぐ進んでくれたから、
観ているこちらも、最後まで清々しく、温かい気持ちで視聴できました。
二人を見守る(?)ブエルの存在も楽しかったです。(笑)

福音とクラリオン、2人にはこれからどんな日々が待っているのでしょう?
きっとまだまだ慌ただしい未来が待っていそうで、とっても気になりますね。
まぁ簡単にいえば…続編が観たい!すごく観たい!(笑)

投稿 : 2024/10/26
♥ : 31
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最初から自分のものはどこからどこまで?

義体、ネットワーク、光学迷彩など世界観は攻殻機動隊のものを大部分継承している(といっても攻殻機動隊ARISEよりも過去の時代設定)様ですが、本作はそれらとは毛色がかなり異なり、一見すると部分的には女児向け変身アニメでも見ている様な錯覚すら覚えます。特に攻殻機動隊との決定的な違いは不謹慎といっても良い程にふざけた演出と、主人公の福音(ネネ)の素直すぎる性格も相まって、肩肘張らずに見ていられる安心感に有る様に感じました。私の場合「攻殻機動隊」視聴時にはこういった安心感は一切得られず、一言一句聞き漏らすまいと、場面によっては学校の授業でも受けているような緊張感があった様に記憶しています。

非常に緻密かつハードな世界観を構築し続けてきた攻殻機動隊シリーズの中(と言って良いのか?)では異色中の異色と言わざるを得ない本作ですが、これまでのシリーズでも繰り返し提起されてきた人とネットワークの関係、人とテクノロジーの関係などを、より分かりやすく噛み砕いた形で表現している点は、攻殻のみならず、それ以外の作品でもあまり類が無く、この作品の美点と言っても良いのではないでしょうか?

中でも作中のクラリオン(猫みみのひと)の福音に対する台詞の一つに{netabare}「他人の力は不正か?元から福音のものなら公正?最初から福音のものはどこからどこまでだ?」という問いかけがありますが、この言葉{/netabare}は攻殻シリーズに度々登場する造語で、どちらかと言うと否定的に捉えられがちな「スタンドアローン・コンプレックス」という言葉と対となる考え方を端的に表しており、聡明な子供の発する純朴な問いの様で小気味よく耳に入ります。

音楽についてはZAQさんという方がオープニング、エンディングで作詞、作曲(オープニングでは歌も)を担当していらっしゃいますが、ピアノの使い方が非常に美しく紅殻における楽しみの一つになっています。エンディングでは映像も相まって、とても愉快で可愛らしい曲に仕上がっていると思いました。

作画についてはクラリオン他の省略絵が多い回がありましたが、個人的には全く気になりませんでした。むしろそうした方が良い様に思える場面も多々あり、作画が優れている事がアニメ全体の完成度を必ずしも高い方向へ持っていく事ではないのだと改めて感じた次第です。アニメ製作についての知識は殆ど無いので何が理想であるのかははっきりとは言えませんが、スタッフの方が程好く負担を減らして、描くべき部分をしっかり描ければそれで良いのだと思います。

全12話と深夜アニメとしては平均的な話数ですが、怒涛の如き開幕から後半に至るまで、膨大な量の萌えとおふざけを投入しつつ、しっかりと複線を織り込み、最終4話できれいに回収しているあたりは構成の妙を感じました。演出もメリハリが効いていて、最後まで楽しく視聴する事が出来ました。

2期は無いだろうと思いつつも期待せずにはいられない先の気になるお話でした。

※漫画少し読みましたが、拓美ちゃんがぱりぱりやってた電脳ポテトチップは原作では電脳おかきだったんですね。おかきの方が和風テイストの拓美ちゃんにばっちり合っていたと思います。形もテトリスのブロックみたいで面白いし‥・細かい事なのでどっちでもよい気がしますが、こう言った小さなニュアンスの積み重ねでアニメの世界観は出来上がっていくのだと思う事もあります。

※省略絵のマイナス分の為、点数低めでしたが再評価しました。省略絵は紅殻の味と見てよし(頭だけ省略絵のバージョンよりも全身省略のクラリオンの方が面白可愛くて断然良かったと思います。)と判断しましたので、主にそれ以外の部分を評価する事にしました。電脳世界の表現や活劇描写等については全編に渡ってとても工夫のある描き方がされていたと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 19

69.2 4 2016年度のデフォルメアニメランキング4位
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(アニメ映画)

2016年8月20日
★★★★☆ 4.0 (30)
118人が棚に入れました
アザラシと人間の女性の双方の姿を持つ妖精と人間の男の間に生まれた兄弟が主人公。ふたりが遭遇する冒険を描く。

声優・キャラクター
【吹替版】本上まなみ、リリー・フランキー、中納良恵、深田愛衣、喜多川拓郎、水内清光、高宮武郎、花輪英司、磯辺万沙子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

レフ・アタマーノフが60年前に手掛けた『雪の女王』の呪縛を遂に打ち破り!宮崎駿の『崖の上のポニョ』を吹き飛ばすかのような勢いの!!そんな作品が遂に現れました!!!

舞台はアイルランドのとある岬
幸せそうな3人家族が灯台に暮らしていました
母の体の中では新たな命が今まさに産声をあげんとする時でした
しかし突然に母は家を飛び出し、残されたのは父親と息子のベン、そして新たに産まれた妹のシアーシャだけになってしまいました
月日は経ってシアーシャの6歳の誕生日
一行に言葉を話せないシアーシャの時折見せる不可解な行動に苛立ちを隠せない兄のベン
妻を亡くした悲しみを未だ引きずったままの父親
そしてシアーシャの誕生日を祝いに遥々と街からやってきたが、岬での生活には強く反対する頑固な祖母
しとやかに行われた誕生パーティーの夜、母の形見に吸い寄せられるように近付いたシアーシャの身に不思議な事が起こった
それはベンとシアーシャ、幼い兄妹の大冒険への幕開けとなったのです
鍵を握っているのは母が残してくれた子守歌・・・


1957年、旧ソ連のレフ・アタマーノフ監督がアンデルセンの『雪の女王』をアニメ映画化し、それに感銘を受けた宮崎駿に多大な影響を与えたと言われました
しかし『雪の女王』ショックはその後も多くのクリエイターやファンを魅了しつつも、それを超越した作品の登場を許さぬ、いわば呪いの様な傷跡を残してしまったとオイラは考えてます


しかし2014年、遂に『雪の女王』を絶対王者から引き摺り下す作品が現れたのです、それが本作
そんな超傑作が日本からではなく、アメリカでもなく、フランスでも中国でもなく、ましてやロシアでもなく、なんとアイルランドから生まれたのです
正直、アイルランドのアニメ映画なんて聞いたこともありませんでした;
結果的にアイルランドのCartoon Saloon、ルクセンブルグのMelusine Productions、ベルギーのThe Big Farm、フランスのSuperprod、デンマークのNφrlumが各分野を共同で制作することで日米を遥かに凌駕する大作が完成したのです
監督は『ブレンダンと秘密のケルズ』のトム・ムーア


まずこの作品のお話でポイントになるのがケルト神話やアイルランドの伝説に登場するキャラクターが特に説明も無く次々と現れるところです
アザラシの妖精セルキー、おじさん顔の妖精ディナーシー、延々に伸び続ける髪の毛に物語を記憶しているシャナキー、フクロウの魔女マカ、巨人マクリルと二匹の愛犬・・・
どれもオイラ達日本人には聴き慣れないキャラなのですが、物語の中で各々の個性はハッキリと描かれ、すぐにどんな立ち位置を示すキャラなのかは理解出来る様になっているのが素晴らしい
変に説明臭い映画は即駄作ですからね


結論から言って最も大きなポイントになるのがアザラシの妖精セルキーの存在なのですが、これはアイルランドに伝わる‟人魚伝説の変形の1つ”の様で、そういった意味では『崖の上のポニョ』にも似た要素を秘めている作品とも言えます
ラストを締め括るのが家族愛という点でも酷似していますね
幼い兄妹の冒険という点は『となりのトトロ』を意識してると監督は仰ってますが、オイラはむしろこれこそ『雪の女王』だよなぁ、感じました


さて、『雪の女王』越えと言いましたがまずその1つに美し過ぎる映像面があります
絵本のような色彩と構図が全編に渡って絶え間なく続くのです
丸い円が家族を囲むようにして俯瞰で映し出すカットなど、映画では観慣れないレイアウトが多用されますが、これは丸が温かみや優しさを象徴する記号として機能している為で、キャラの造形等にも積極的に取り入れられていて、優しい心を持ったキャラ達は基本丸顔です
同じように四角形は固い、頑固な、退屈などを象徴
三角形は攻撃的、危険を象徴するなど記号を多用したシンプルなデザインや演出が、昨今複雑化している日米の作品のソレとは違ってとても洗練されていてスタイリッシュです
ちなみにアイルランド(というか世界的なアニメスタジオの多く)には作画監督は存在せず、スーパーバイザーの監修の下にアニメタ一人ひとりが責任を持って担当カットを作画するそうです
個々の総合力は日本のアニメタよりも高い集団だと言えますね
(その分、日本のアニメタは個性を尊重されているのですが)


小津安二郎監督の『東京物語』を参考にした、という場面転換の時に用いられるその場所を象徴する一部だけを映すカットも、カメラをやたら動かしたがる昨今のディズニー系作品へのアンチテーゼの様に思います


そしてアイルランドが舞台ということで象徴的な劇伴のほとんどは所謂ケルト音楽を得意とするバンド、KiLAが担当しています
民族音楽というかワールドミュージックの要素を積極的に取り入れたサントラは、神秘的なケルト神話の世界に更なる彩りを加えてます
もちろん日本のアニメと違って映像の完成後に作曲作業をしてますから、その親和性は日本のアニメ映画とは比較になりません
往年のディズニー作品のようなある種の“音楽映画”としても楽しめることを保証します
物語の鍵を握る“子守唄”も耳に残る一曲です


ちなみに日本語吹き替え版ではこの唄の為とも言えるキャスティングとして母親役にEGO-WRAPPIN'の中納良恵を起用しています
素晴らしく完成度の高い吹替でしたので特に拘りが無ければ吹替版をオススメします


そしてキャラの魅力
まずヒロイン、シアーシャがとても可愛い
正直ヨーロッパのアニメ映画に足りないのは魅力的なヒロインだと常々感じてましたが、今作のシアーシャがその悪しきジンクスを打ち砕きましたね
宮崎ヒロイン、ディズニーヒロインに負けじとも劣らぬ可愛らしい女の子です
そして物語を牽引することになる兄のベン
手が妬ける故に周囲の関心を惹く幼い妹シアーシャに対して、彼は嫉妬にも似たお兄ちゃん特有のコンプレックスを抱えています
この気持ちは同じ長男であるオイラには痛いほど分かるのですが、終盤になってくると冒険を経た彼の精神は一回りも二回りも成長しており、妹のピンチを身を挺して救います
彼の心の成長には誰しもが勇気付けられることでしょう


美しい映像、美しい音楽、個性的で愛らしいキャラ、興奮の冒険、愛と感動
往年の宮崎駿作品やディズニー作品にあったものが、この映画には全て詰まっています
全てです!
アイルランド映画というダークホース的な意味でもとても価値のある一作ですが、何より日米に何一つとして見劣りしていないという点は特筆したいですね
なぜこれほどの傑作がアカデミー賞を取れなかったのか不思議でなりません、アメリカ人の嫉妬か!?w
そしてソレが今日の日本で観られる、というのですからこの機会を逃すことは無いでしょう
ジブリが長篇制作から撤退し、ディズニーが2Dを放棄した今、この作品を越えるアニメ映画などこの世に無いのです
是非この映画を観てあなたも、歴史的傑作の誕生を目撃した【生き証人】となって欲しいです

投稿 : 2024/10/26
♥ : 10

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

灯台に鳴り響く “妖精のうた” アイルランドが舞台のファンタジー映画

最近のアニメ映画の中でも好きな作品。

アイルランドのアニメーター、映画監督のトム・ムーアが送る珠玉のファンタジー・アニメ。

監督の生まれた地、アイルランドの神話を元にしている。

テクスチャを使い、とにかく2D的に平面で表現する事にこだわっています。
立体的に描写しないのに臨場感があり、計算された緻密な美術設定が目を楽しませてくれる。
3Dが主流の時代によくぞここまでのものを創りあげてくれたなと感動しました。

1カットを切り取るだけでも絵画のような美しさで、溢れる工夫や豊かな映像の妙に惚れ惚れする。

1カット毎に語りたいのですが、観てない方の為に自重しますね。

このアニメを語る上で言っておかなくてはならないのが、映像にこだわる以上にストーリーが素敵なのです。
家族愛など普遍的に扱われる題材は多くの人に響くかもしれませんが、悪く言ってしまえば平坦になりがち。
この『Song of the Sea』は普遍的な題材を扱い独自の世界を創り上げています。

キャラクターも可愛らしい見た目とは違い人間的な魅力に溢れていて、ずっと観ていたいと思わせてくれる。ただ心地良いだけではなく癖もあり、その点でも他作品と一線を画していますね。

――忘れてはいけないのが音楽。

Soundtrackは日本で発売していませんが、ダウンロード販売はしています。
世界観にマッチしていて素晴らしかった。テーマソングは各国の吹き替え声優が歌っています。

多くを語らないでただ観て欲しいと思える作品。絶賛なのです。


“ソング・オブ・ザ・シー ~海のうた~”


海外のアニメを観たいなと思った時は是非。 オススメです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 14

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

海の歌。それは、神秘的な生き物たちを導くためのもの。

アイルランドの神話をもとに作られた
アイルランドの長編アニメーション映画。

神話をもとにしているからか、
全体的にとても神秘的な雰囲気でいっぱいです。

作画のタッチも大変美しく、
まるで絵本の世界をのぞいているかのようです。

こういう味のある作画のアニメはそう多くないので、
こうして出会えるととても嬉しいです。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
幼い頃、母から聞いた、数々の物語。

アザラシの妖精・セルキーが歌うと
妖精が家に戻れる不思議な伝説など、

ベン(♂)は、母から聞く物語が大好きだった。

もうすぐ生まれる赤ちゃんを楽しみにしていたベンだが、
母は、妹・シアーシャを残し、ベンの前から消えてしまった。

声が出せず、言葉を話せないシアーシャ。
シアーシャを疎ましく思うベン。

シアーシャの6歳の誕生日。

父が隠していた不思議なコートを見つけると、
シアーシャは何かに引き寄せられるように海へ…。


余分な話もなく、
よくまとまっていて、

絵本を1冊読んだような感覚に近いです。

幻想的で、神秘的で、美しくて、
どこか正体がつかめない不安定さもあって。

世界観は少しつかみにくいところがありますが、
冒頭で母とベンが語る神話にちゃんと耳を傾けていれば、

世界観がつかみやすいと思うので、
これから観られる方は聞き流さないように注意してみてください。


この作品のトム・ムーア監督。
好きな映画は「となりのトトロ」と「もののけ姫」だそうで。

となると、今回は自分の好みを前面に押し出して作った作品なのだな、と
とても納得しました(笑)

絵本のような、どこか神秘的で
ファンタジー全開な物語が好きな方にはおすすめの作品です^^


● 音楽
水彩画のようなタッチの、
まるで絵本のページをめくっているかのような作画も好きですが、

音楽の雰囲気も素敵でした。
音楽がより幻想的な雰囲気を引き立てます。

特にテーマソングである「Song of the Sea」は、
その代表。

夜の海深くに沈んでいくような感覚…。

観ようか迷っている方は、
この曲を聴いて「自分の好きなタイプかも。」と期待できるなら、
絶対に観て損はないと思います^^


● まとめ
トム・ムーア監督は、この作品によって
これからを期待される監督として日本での注目度が上がったそうです。

私もこの作品を観るまで全然知らなかったのですが…^^;

しかし、この作品を観て、
すっかりファンになりました♪

監督のデビュー作である「ブレンダンとケルズの秘密」も
現在(2017年夏)日本で公開されているので、こちらも楽しみです^^

投稿 : 2024/10/26
♥ : 22
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