2021年度の吸血鬼おすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2021年度の吸血鬼成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月18日の時点で一番の2021年度の吸血鬼おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.9 1 2021年度の吸血鬼アニメランキング1位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (306)
1107人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 32
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ザ・少年マンガ!(妖怪退治系)

決して、別に馬鹿にしてる訳じゃありませんよ~(笑)

まさしく、正統派の、「熱血少年王道アニメ」っていう、
そんな感じの作品になりそうだという意味の
タイトル付けなんです。

王道少年アニメ要素その①
主人公が、{netabare}半妖の少年で、かなり高い戦闘能力と、
その力を封印する妖具を携行しているって設定。{/netabare}
CVは藤原夏海さんですけど、女の子の役もいいけど、
藤原さんは、やっぱり少年役がはまりますねー(#^^#)

王道少年アニメ要素その②
妖怪退治系{netabare}バトル+ホラー&ちょっとスプラッター
ここは非常に期待したいところですね!
腕力バトルは初回からハッスルしてくれてますけど、
鬼滅みたいな心理バトルとかも楽しめそう(^_^){/netabare}
やっぱり少年マンガといったら、バトルとホラーは、
欠かせませんね!

王道少年アニメ要素その③
主人公の少年と、よきライバルであり、かつ仲間となる、
そんな感じの、{netabare}やはり妖怪の血を引く子が出てきます。
ツンの方の子が主人公と同い年ぐらいなんで、
いろいろと張り合ったり、ぶつかって喧嘩したり、
お互いの危機一髪のときに助け合ったり、
協同して難敵に挑んで戦ったりするんだろうなぁ。{/netabare}
ショタ要素ありで、そういうのがお好きな方にもハマりそうですww

王道少年アニメ要素その④
少年を導く{netabare}クールで頼りになる師匠の存在。
探偵事務所の所長さんですが、この方も半妖で、
妖怪の起こす不審事件を専門にしてるご様子です。{/netabare}
これまたCVが諏訪部さんです。
この方、今期何本アニメ出演されているのでしょう?
この作品では、低めの二枚目声で演じていらっしゃるけど、
大車輪の大活躍ですね!

王道少年アニメ要素その⑤
少年向けライト風味{netabare}お色気キャラ(≧▽≦)
ここはまだ、どうなるのかは未知数なんですけど(笑)
日笠さんや上坂さんはそういう役、実績も豊富でこなれてますけど、
花澤香菜さんや花守ゆみりさんがCV出演されるようなんで、
そういう展開になるなら、新鮮かな?ってww{/netabare}
きっと、そのあたりは押さえていくのでしょうねww

まだ1話観ただけですけど、
作画もわりと綺麗だし、
今後の展開、意外と言っては失礼なんですけど、
次週の第2話からも、
楽しく視聴できそうだと、期待しています!!


観終わりました!
{netabare}少年アニメなんだけど、
それはそうなんだけど、
意外なほどに、熱かった!
そんな感じの作品。
そう思ってしまいました。
メインキャラひとりひとりのエピソードの展開もしっかりしていたし、
この感じのまま、
夏羽君のエピソード、
続きでじっくりと鑑賞したいな!
そう思えた作品です。
2期やってくれるの、待ってます(^^♪{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 30

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 31

71.2 2 2021年度の吸血鬼アニメランキング2位
月とライカと吸血姫(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (249)
740人が棚に入れました
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――その実験体、イリナ・ルミネスク を24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。

声優・キャラクター
林原めぐみ、内山昂輝、日野聡、小松未可子、木野日菜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ちょと古い作りのアニメ。だがそれがいい。今期No1ですね。

 さて、本作は冷静に考えると、差別問題の解決の部分のストーリーが甘く、テーマという意味では期待外れかもしれません。もちろん、イリナとレフの頑張りが人の心を動かしたとのは読み取れますが、トップと女性のあの2人は政治的プロパガンダですからね。もう少しここの話に奥行きがあれば差別問題に関しては深まった気がします。

 ただ、です。本作は恋愛ものだと見た場合、あまりこの差別問題を中心にしてしまうと、尺からいって、2人の心理描写を省略したりセリフだけの恋愛ものになってしまったでしょう。ボーイミーツガール…2人の命がけの宇宙飛行そして命がけの恋愛が、差別問題解決への答えだったと思います。

 ちょっと古いタイプのラノベ的な舞台設定と物語に感じますが、それだけにストーリーにボディがあって、見ごたえもあり、何よりキャラがちゃんと活き活きしていました。
 
 古いと言えばアリプロジェクトに林原めぐみさんですからね。ゼロ年代感がすごいですね。古い言葉でいえば「だが、それがいい」ですね。

 アニメにとって作画は大きな要素だと思いますが、本作をみるとやはりストーリー、脚本、そしてキャラだと思います。本作はその意味では私にとってはですが、今年のTVアニメではブルーピリオドと並んでナンバー1かなあ。



以下 視聴時のレビューです。

 あらすじの吸血鬼という単語でちょっと敬遠していましたが、宇宙飛行士ものということで、なんとなく見始めたらまさかの出来でした。非常に面白いです。今のところ今期NO1ですね。もちろん継続視聴です。

 宇宙飛行士ものというよりもそれは物語の設定です。今のところ幹になっているストーリーは、差別される立場でもプライドと強い想いに基づく試練の選択をする吸血姫、そしてそれを支える落ちこぼれた優等生という、差別問題と人間ドラマの部分に注目ですね。
 ですので、気になるポイントは、吸血鬼全体の被差別問題まで行くのか。あるいはヒロインのアイデンティティの問題か、個人的な救済か。それは現実社会でなのか、命の捨て方による魂の救済なのか。または主人公の命がけの献身となるのか。恋愛の行方は?等々ですね。

 キャラデザは萌え絵の要素はあるんですけどちょっと写実が入っていて、物語の雰囲気とあっていてバランスが非常に良かったです。作画も丁寧だし、人も良く動いていました。

 で、7話です。 {netabare}まさか7話でここまでくると思っていなかったです。逆にいえば話の展開が早くて飽きさせません。宇宙開発もの的な詳細な話をばっさりとカットしたのが不満といえば不満ですが、そのおかげでテンポが良くなったのでキャラに感情移入しやすいのはプラスでした。

 吸血鬼が被差別民族のような感じで、命令を聞かざるを得ないヒロイン…という設定と主人公の関係をどう考えればいいんだろうと、初め戸惑いはありました。
 もちろんですが、主人公と心を通わせる展開になります。ただ、ゆっくりとエピソードを重ねながらなので自然と受け入れられます。その意味では4話が良かったですね。レモンの炭酸水をキーアイテムにしたのは良かったですね。吸血の設定もよく物語とマッチしていました。で、7話です打ち上げ成功…そして帰還と。

 そうですね。ここからが重要なテーマです。ヒロインがどうなるのか。なんか死亡フラグみたいなセリフが結構あったので心配ですが、一方で、この主人公ならなんとかしてくれるかも、という期待もあります。


 SF的にいえば、ロケットの技術的問題をどうやってクリアしたのか、という部分が根性論に見えましたね。
 ストーリー的には、吸血鬼の迫害からヒロインが宇宙飛行士に立候補するまでの心理描写が弱いこと、ロケットの研究所の研究者たちがいつの間にヒロインの心情的な味方になっている部分の描写が弱いです。ここがちょっと残念ポイントです。 {/netabare}


9話 とにかく話が面白いですね。宇宙飛行と恋愛。話の本筋が明確です。そして、テンポもいいし、ツンデレ具合がなかなか悶えます。 {netabare}白薔薇ちゃんもデレましたね。結構チョロくて笑いました。ここはもうちょっとなんかあっても良かった気がしますね。そして、ヤキモチ…ラブコメでした。{/netabare}

 後は人種差別問題ですね。ここがちょっとなあなあになりかけてるんでしょうか。それとも何かこれからあるんでしょうか。テーマ的な深掘りは、正直それほどでもない予感があります。

 ですが、とにかく見ていてこれほどワクワクするアニメは久しぶりです。吸血姫という設定と宇宙飛行競争。うまく組み合わせましたね。原作はとりあえず3巻まで買って寝かしてあります。



10話 こういうのが好きです。切なすぎる。

 設定とか作画とかがすごい…ではなく、話が純粋に面白い話っていいですね。ここまでダレるところ無しですね。

{netabare} お別れ前に何気ないデートをする。自分の死を覚悟して。もう切なすぎます。こういうストーリーできちんと恋愛感情の深さとか相手を思いやる気持ちを表現して、別れ際に笑うって…バス停のシーンとかもう涙なくしては見られませんでした。

 イリナちゃんの生存確率が上がってうれしい半面、政治的思惑の外的要因かあと、ちょっとそこは興ざめはありますね。ただ、レフとイリナががんばったから周囲の心を動かしたのかもしれません。
 最後は2人がどこかで会えるのか、心を遠くで通わせて終わりなのかわかりません。{/netabare}

 それにしても、いい話だなあ…。話の面白さなら2021年度TV部門ではNO1候補かなあ…


11話 恋も自由にできない国ではいけません。今時珍しい純愛ですね。

 そう恋も自由にできない国ではいけません。民主主義というのは欠点も多いですが、やっぱり人の気持ちが尊重されるという意味ではベターな選択なのでしょう。話が面白過ぎてこの辺りのテーマを忘れていました。

{netabare}  吸血鬼の差別問題はちょっと浅くなりましたが、2人の気持ちが痛いほど伝わってきてもうペンダントのシーンは涙失くしては見られませんでした。この差別と不自由の中で命がいつ消えるかもしれない状況で、せめて気持ちだけでも伝えたいという…もう苦しいくらい愛おしいです。{/netabare}本当に今時珍しい純愛ストーリーですね。

 暗躍する人々の思惑ではありますが、もうそういう些末なことはいいです。ぜひハッピーエンドでお願いします。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 25

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

共産趣味宣言!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
私が「共産趣味」という言葉を知ったのは、声優の上坂すみれさんがそれについて語っていたのを聞いたのがきっかけです。

作中の共和国の政治体制やメカなどがソ連的なノスタルジーを誘う物だったので、レビュータイトルは「共産趣味宣言!」としました。

本作のモチーフは史実でいうと主に1950~1960年代に行われた米ソの宇宙開発競争です。米国サイドに立った有名な『ライトスタッフ(The Right Stuff)』という映画がありますが、本作は「共産趣味」とは切り離せないソ連サイドに立った作品です。

ただし、作中の国名(ツィルニトラ共和国連邦とアーナック連合王国)やロケットや人工衛星などのの機体名は架空の物に置き換えられています。

クドリャフカにあたると思われるライカ犬も出てきますし、たぶんガガーリンやテレシコワに相当しそうな宇宙飛行士候補生も出てきます。

両大国はどちらも人類初の有人飛行を目指して競争しています。そこで人間に先立ち動物実験としてソ連はライカ犬を打ち上げています。史実では人間の直前には霊長類などが打ち上げられていますが、本作では「吸血鬼を打ち上げよう」というなかなかに荒唐無稽な話になっています。

どうやら吸血鬼のイリナは人間扱いされていないようなのですが、外見的にほぼ人間ですし言葉によるコミュニケーションも可能です。イリナの世話係に任命されたレフの心情やいかに、といった感じのお話になるんでしょうか?

余談: 本作の原作はガガガ文庫刊行のライトノベルらしいのですが、内容的にはかつての朝日ソノラマ文庫みたいな雰囲気の懐かしさを感じます。まあ、単なる気のせいかもしれません。
== [第1話視聴終了時のレビュー: ここまで。] ==

2021.10.13追記:
第2話で、旧ソ連で流行ったと噂された物をモデルにした、炭酸水の自動販売機が出てきましたね。普通の飲料水に、購入時に炭酸ガスとシロップを混入する仕組みらしいです。

宇宙飛行士訓練施設を含めた旧ソ連の「星の街」をモデルにしていると思われる街並みや訓練装置の描写も良く描き込まれていると思います。

2022.2.2追記:
アニメは爽やかに終わったけど、原作はこれ以降の話があるみたいだからこの先はまた何やら闇はあるんじゃないかという気はしますよね。(未読)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 36
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

偉業の陰に異形在り

原作未読


20世紀初頭は宇宙に行くなんぞ狂気の沙汰だった…とは作品の中のとあるキャラのセリフです。
それからおよそ半世紀。米ソの宇宙開発競争をモデルに疑似ソ連“共和国”視点で人類初の宇宙飛行を実現すべく奮闘するお話です。タイトルにある“ライカ”とは実在した犬の名前であり、人間を大気圏外に飛ばす前に先遣隊として飛び立ち散華されたというある意味シンボリックな存在とのこと。

 『“彼女”に対する国家ぐるみの追悼は罪の意識を軽くするための虚しい努力にほかならない』
  by ライカの世話をする生物学者、アドリア・コトフスカヤ氏(1956年11月9日)

犬とはいえ“同士”と見立てその尊い犠牲を顕彰するみたいなノリをお世話役がチクリと釘刺したように、ちょっと個人の倫理観へなにかしら訴えてきそうな内容です。タイトルにて“月”“ライカ”“吸血姫”と並行表記されてる吸血種族「ノスフェラトゥ」の少女イリナ・ルミネスク(CV林原めぐみ)が主人公とありますので、実験犬ライカの写し合わせとなるべき存在であることが類推しやすい安心設計でした。

お目付け役レフ・レプス(CV内山昂輝)と吸血姫の交流を軸にしてのタイトルを裏切らない展開の全12話を好意的に受け止めてます。面白かったですね。

どうみてもフルシチョフにしか見えないあの人だったり作り手はよく研究されてたかと思います。訓練風景もそうなんですがドのつくフィクションにもかかわらず現実味ありそうな佇まいでした。
そのフルシチョフ時代にガガーリンが人類初宇宙へ…となるわけですが、もしかするとそんな偉業の裏で異形さんが活躍されてたかもねと想像の翼を広げるのが楽しい作品です。




■声優林原めぐみのお仕事

エヴァンゲリヲンの綾波レイでも
ちはやふるの桜沢先生でもありません

{netabare}林原めぐみさんの原体験はらんま1/2の女らんまなんです、私。そんなのを彷彿とさせる本作でのアクトっぷりに大興奮だったことは内緒です。
これで山口勝平さんがキャスティングされてたらと思ったんですがさすがにそれはありませんでした。{netabare}…がしかし、かすみお姉ちゃんがいらっしゃったので個人的にニヤリとできて充分でございます。{/netabare}{/netabare}


■吸血鬼を設定に組み入れたこと

我々が想像する吸血鬼成分よりだいぶ薄めでした。ほぼ人間と変わりがありません。なにゆえ?

 特定の人種や民族 → 確実にめんどくさい
 犬などの愛玩動物 → これはこれで愛護団体がめんどくさい

想像上の生き物に保護団体などついてませんので民族問題を含む描写を扱うに適した素材だったのではないかなぁと愚考してます。

{netabare}つまり苦情を避ける仕掛けがなされていたということです。だからこそもっと踏み込んでもらって良かったのですがその点は個人的に消化不良でした。
“吸血鬼も同じ○○”みたいな紋切り型な着地は悪くはありませんが、安全運転過ぎた気もします。
昨今は日本列島でも北と南であえて分断を作ろうとする動きがそれこそ旧ソ連残滓みたいな連中主導で展開されておりますが、基本的に日本人に『民族問題』は馴染みがありません。

 {netabare}架空というか消滅した国家と架空の被差別民族{/netabare}

某ベラ○ーシなり某ユ○ヤとか実在のなにかを出すわけではないから、も少し制作者(原作者!?)の主張ないしエゴを見たかったです。ちょっと苦情避けなのかなんなのか腰が引けてるように見えました。
史実とのオーバーラップや小道具などこだわりを見せてたので、終盤に向けて期待値上げてたわりにはね…って感じです。{/netabare}



20世紀初頭。荒唐無稽と言われた構想は足掛け半世紀後に実現したという物語でした。
ひとつ前の東京オリンピックの頃合いです。たぶんその頃に宇宙行きを“金”で解決できると思ってた人はどれくらいいたのでしょうか?
さらに半世紀経過した現在地にいる私たちは次の半世紀後に向けてどんな夢を見るのかちょっと夢想するのも楽しそうです。


冒頭実在のコトフスカヤ博士が感じたやるせなさ。ライカならぬイリヤのお目付け役アーニャ・シモニャン(CV木野日菜)研究員が博士と同じような経験をするかどうかは見てのお楽しみです。



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.01.19 初稿

投稿 : 2024/05/18
♥ : 38

67.4 3 2021年度の吸血鬼アニメランキング3位
吸血鬼すぐ死ぬ(吸死)(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (193)
600人が棚に入れました
週刊少年チャンピオンにて絶賛連載中のハイテンション吸血鬼ギャグ漫画「吸血鬼すぐ死ぬ」が、ついに2021年TVアニメ化!

埼玉県伊奈架町の郊外に不死身と恐れられる吸血鬼が棲むという城があった。その城へ行って帰ってこない子どもを助けるために雇われた吸血鬼退治人ロナルドは城へと向かったが、そこにいたのは確かに不死身ではあるものの、すぐに死んで灰になるザコ吸血鬼ドラルクであった。子供も別にドラルクに捕えられていたわけではなく、城で遊んでいただけだった。

ちょっとした不注意からロナルドが城を破壊してしまい、住居を失ったドラルクは新横浜にあるロナルドの事務所に転がり込んで同居することになる。なりゆきから、ドラルクとロナルドはコンビを組んで、露出狂の吸血鬼の事件を解決しようとしたり、ロナルドの自伝小説原稿を取り立てにくる吸血鬼よりも恐ろしい編集者と対峙したり、クソゲーをプレイしレビュー記事を執筆したりすることになる

声優・キャラクター
福山潤、古川慎

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

ドンドラキュラのチョコラの有名な回の焼き直し?

 手塚治虫のドンドラキュラ(マンガの方)に、チョコラが好きな男の子とデートしようとして、工夫して太陽の下に出ては灰になるという回がありました。ひょっとしたら、それをヒントにしたのでしょうか。美少女が灰になるという、ちょっとマニアックな特殊性癖回で結構有名です。
 マンガ家の方ならチェックされていると思います。同じ週刊少年チャンピョンですし。

 ただあれは1話だから面白かったのであって、連続ですか。死ぬと言いながら死んでない=最強という展開ではないですよね?美少女でもないし。1~3話みたいな話が延々と?

 日曜朝9時とかNHK教育のどこかのコーナーじゃないんですよね?深夜アニメ、マッドハウス…うーん…
 

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

いちぱ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

肝心なギャグコメディ部分が寒い

1話で見ていられなくなり断念。
女子供向けのアニメなのでしょうがないが
タイトルからギャグ匂わせてる癖にネタ、ボキャブラリーのレベルが余りにも低過ぎる。

勿論原作者も大人の男を笑わせようと思って描いた訳では無いだろうが。
笑いが勢いのみ、センスを一切感じない。
吸血鬼のスナァってやつは毎回入れてやろうって魂胆が見えすぎ。
砂になるボケは良いとしても、自らスナァとセリフを言うのが寒い。
ボケは言葉と体では同時に成立しない。

あと声優自身は悪くないが、ツッコミはボケよりトーン、声色が高くないとワードが生きない。
ボケとツッコミを両立するならボケに福山潤は声が高すぎる。古川さんのツッコミが生きてない。

このキャスティングならフリオチじゃないと面白くならない。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

究極のリアクション芸とは、死ぬことと見つけたり

【紹介】
タイトル通りのすぐ死ぬ吸血鬼と吸血鬼ハンターのギャグアニメ

【シナリオ】
各話完結型で、回によって面白いときと全然笑えない時の差がある。
私は下ネタ連発する気持ち悪い生き物の回が全く笑えずしんどかった。

【笑い】
吸血鬼がすぐ死んで砂になるギャグは連発されるけど、これはリアクション芸の一つみたいなもので、話の中心は別のキャラなことが多い。

面白い回と笑えない回の差が結構あるのが難点ですが、ほとんど空虚な時間はなく、テンポの良いコントがずっと続きます。
油断するとすぐ死んで砂?(灰??)になるタイミングのシュールさが面白い時もある。
笑えないギャグも多いですが。

頭使わず純粋に楽しめる良いアニメだと思います。

【キャラクター】
個性の強いキャラクターが多くていい感じ。
ちょっとした衝撃ですぐ死ぬ弱さなのに、気位の高さが損なわれず、偉そうな態度をとる吸血鬼、凄腕なのに、なんかいつも貧乏くじを引くハンターなど、みんな少しずつぬけていて、お互いにウィークポイントをいじり倒している感じが面白い。

【音楽】
OPアニメが結構ツボ。作品の雰囲気に合っていていいですね。

【総評】
魔王城でおやすみと同じような感覚で視聴できますね。
こちらはかなりギャグ要素強いし、スヤァ・・・じゃなくて、スナァ・・・ですが。
一人一人のキャラクターの個性が強いのがいい。

気軽に見れるギャグアニメで、コンセプトがわかりやすいので視聴するしないの選択もしやすい。
途中から見てもいいし、面倒なら切ってもいい。

ギャグは4コマ漫画っぽい安っぽいギャグだけど、気軽に見れるし子どもも大人も楽しめる良いアニメ。
マンガが読んでみたいかも。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

68.9 4 2021年度の吸血鬼アニメランキング4位
ヴァニタスの手記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (175)
588人が棚に入れました
吸血鬼が存在する19世紀のフランス。吸血鬼の青年ノエは、吸血鬼に呪いを振り撒く魔導書「ヴァニタスの書」を探すためにパリへ向かい、その途中の飛行船の中である事件に遭遇した。その最中、吸血鬼の専門医を自称するヴァニタスと名乗る青年がノエの前に現れるが、ヴァニタスはノエの探す「ヴァニタスの書」を手にしていた。

かりんとう さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

キャラが好みじゃなかったのと…

途中で断念しました。

確か6話くらいで視るのやめたと思います。
主な理由はキャラクターが好きになれなかったことです。

作品の雰囲気などは好きでしたが、女性キャラと主人公であるヴァニタスが好きになれなかった。
また、やたらギャグシーンが多く話のテンポが悪く感じたのも理由の一つ。
また吸血シーンがもはやヤってるみたいな演出が気にくわなかったです。そして好きでもない声優のそんなシーン聞きたくもなく…

ストーリーは少し気になったのですが、途中途中で入るギャグシーンが面白くないうえにそれでテンポが悪くなっています。
少年漫画系のギャグシーンに似てますね。あれがつまらないと感じる方はオススメしないです。(鬼滅の刃視聴したことがある方で、ギャグシーンがつまらないと感じたら当てはまるかと)

唯一このアニメを最高だと感じたのは作画と音楽。
作画はボンズ。音楽は梶浦由記さん。
安定した作画で、とくに戦闘シーンは作画・演出共に◎。
そして音楽。最高です。
梶浦さんの音楽とこのアニメの相性が良く、作品の雰囲気をより良くしています。サントラ出たらちゃんと聴きます!!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある吸血鬼フェチの実像

原作未読 分割クールの前半12話


“手記”と書いて“カルテ”と読みます。
いわゆるヴァンパイアものですがわりと変化球。
不老不死吸血鬼と命限りある人間が対峙する物語とは違い、吸血鬼に降りかかる災厄が柱となります。
その吸血鬼の“真名”いわば魂みたいなものが奪われちゃうと正気を失って、まるで渋谷交差点ど真ん中で佇むTウィルス感染済の中島美嘉ちゃんみたいになってしまうという呪いに怯えているのが本作の吸血鬼“ヴァンピール”たちです。その呪いからヴァンピールを救うお医者さん役を担うヴァニタス(CV花江夏樹)と呪いについて含みありそうなヴァンピールのノエ(CV石川界人)のW主人公もの。
作中で言うところの“呪い持ち”になったヴァンピールは発症すれば殺処分の運命が待ってるわけですが、唯一ヴァニタスのみが手持ちの“ヴァニタスの書”を使って真名を取り戻すことができる唯一無二の存在というのがポイントです。ジョーブ博士みたいなもんですかね。またこっちは名前を返してもらう書ですが、名前を返してあげる『夏目友人帳』と本質的には変わらなさそうな作品でもあります。

前置きそれくらいで、事前情報からはこちら↓

 ボンズ制作 梶浦由記劇伴

こちらが吸引力となりました。まあ綺麗ですもんね。梶浦さんは事後知りましたがくどいくらいドラマチックで壮大ないつものノリは控えめな印象です。さはさりながら19世紀後半のパリの情景にはよく似合うBGMなのはさすが。美術は総じて美しく印象的だったのはOPアニメーションでの早朝太陽の光具合。綺麗な朝焼けです。ちな本作の吸血鬼は太陽の光浴びても灰にならない設定です。

一通り前半終わってポジティブな印象を持ってます。理由は3点

1.綺麗
 →前述の通り
2.続きが気になる
 →{netabare}「そして…その旅路の果てに」「彼をこの手で殺すまでの物語」{/netabare}
  第1話ノエのモノローグが示唆する結末はぜひ見てみたい
3.俺の好きなヴァンパイア
 →吸血鬼ものにはどこか“退廃”“耽美”を求めがちな私の趣味に合っている

とりわけ3はフェチシズムの世界ですね。美形男子のバディもので女性作者とバイアス入りがちなのですがどうなんでしょう。矢印はノエ→ヴァニタスでも性格や見た目に惹かれてというより「ヴァニタスの血が美味そう」と吸血鬼の本能に則した動機ではあるんでそれほどでもないなぁと見ております。
それよか禁じられているとされる人間への吸血行為の描かれ方が素敵。まぁえっちいです。欲求・衝動・理性との葛藤ないまぜの吸血シーンは親と一緒に観てると確実に気まずくなる水準です。
やはりヴァンパイアものは“耽美”なとこないとね。作品評価は分割前半のため例によって保留ですがこれは好物です。来たる後半待ち~



※余談

■ペース配分

ここ一年くらいで『SLAM DUNK』『空手バカ一代』『カウボーイビバップ』『エヴァンゲリヲン』とクラシックを堪能してたからかもしれません。
{netabare}近年の深夜アニメの1クール2クールサイクルでの話の詰め込みっぷりに慣れてる自分に気づきます。本作は新作の中ではゆっくりめ。
昔のって最初から最後までやるんですよ。なんかしらの大筋があって伏線張りながらゆっくりめの尺の中で丁寧に回収する感じ。最近は大筋があっても描写を削ってスピード解決します。それに慣れてるから“ゆっくりめ”と感じるんですよね。
普通の早さの作品が遅く感じる弊害みたいなのはあって、期を跨ぐものやとりわけ分割クールものにそれは如実に表れると思います。とどのつまり「遅せーな」と感じてしまう。{/netabare}

{netabare}ジェボーダンの獣と新展開をチラ見せして中締めしてエンタメの体裁は保ってるものの、展開自体は??が依然として謎のままのハーフタイム。

 丁寧にやってるので期待がもてる or よくわかんねーまま終わったよ

私は前者の感覚ではありますがみなさんどうでしょう?
分割ものは後から一気にGOも手段でして、とりわけ本作のゆっくり展開でこそアリな選択肢かも。{/netabare}


■耽美

{netabare}ジャンヌ(CV水瀬いのり)良かった。
まずは水瀬さんやってるとはわからんのが良かった。
古今東西チョロイン枠って顔を赤らめてもじもじして照れ隠しのプンプンするようなリアクション芸に長けたの出しときゃ安パイなのに彼女は自ら欲求を満たそうと行動するんですよね。
ハリウッド映画ならそこチューするだろ?みたいなとこでなにもしないのがアニメに対する数少ない不満だったりするんですけどそこを突破する本作のヒロイン。
なお、ただのチューよりいやらしかったです。
ロエの幼馴染ドミニク(CV茅野愛衣)も悪くない。{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.09.19 初稿
2021.11.16 配点修正 -0.1

投稿 : 2024/05/18
♥ : 32
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

美しいふたり。

主人公の、ヴァニタスとノエ。
とにかく、麗しいです!
(ちなみに私はBLは苦手なんですけどw)

そして、劇伴の壮麗さと、
おでこさんのシリーズ構成の美意識と、
ボンズさん独特の硬軟自在な作画。
すごくいいです。

舞台は19世紀の、フランス。
そんな言葉があるかどうか知らないけど、「フレンチ・スティームパンク」っぽい感じ。

欧州が舞台で、制作がボンズさんで、スティームパンクっぽいダークファンタジー+ポンチ絵って、
まるで{netabare}鋼の錬金術師F.A.ですね(笑)
まず、19世紀のヨーロッパ大陸。
そしてスティームパンクっぽいノリ。
主人公が二人連れの男性で、二人それぞれに魅力的。
しかも目まぐるしくボケとツッコミが入れ替わる。
正体不明の不吉な黒いモヤモヤした化け物。
さらにそこに絡む麗しい女性キャラクター。
地下の迷宮の存在もあるし。
ポンチ絵ギャグも、まるでハガレンのギャグシーンです(笑)
そういえば、ヴァニタスの依頼を受けて、何かしてる探偵っぽい人もマスタング大佐の部下みたいだし、
汽車で雪深い僻地に向かうのも、駅頭での雰囲気も、すごく似てる。
ドクターモローっていうマッドサイエンティストみたいな医者が出て来たときは、金歯医者にしか見えなかったし。
釘宮さんが絡んでいることも含めて、
相似点挙げていったら、まだまだもっとあります。
気になる方は、どうぞご自分の目でお確かめくださいww{/netabare}

第1話冒頭から、「その旅路の果てに、彼を殺すまでの物語」という、
わりと悲劇臭のつよいセリフで、
ノエとヴァニタスの関係性を括るのですけど、
{netabare}この言葉、「あ。最後に致命傷を負ったヴァニタスを、血の眷属として、ノエが自らのヴァンピールとするんだな・・・」って、
そのシーンが、来るか来ないか、これは最後を確かめたい!見届けたい!って思ってしまって{/netabare}
もうBLっぽいとか、全然気にならなくなりましたねwww

お話自体は、ヴァニタスが吸血鬼専門の医者で、ノエはそのヴァニタスを監視するために同行することになる特殊能力ありの吸血鬼で。

適度な謎。

適度なバトル。

華麗なキャラと美術。

そしてジャンヌという絵に描いたような圧倒的ヒロイン。

このヒロインが、メチャメチャつよいのに、{netabare}
弱点も隠しようなく剥き出しで、
しかも吸血衝動に抗えないところとか、
鬼のように(鬼なんですが!)攻めるツンデレなところとか、
ヴァニタスのことを「大嫌い→大好き」、
さらにはその血の甘さの誘引に惹かれてしまって、
吸血に走ってしまう、それも繰り返し、くりかえし。
とか。
そしてとにかくここ、めちゃめちゃエロティックで、
もう凡百のラブシーンなんか全く寄せ付けない、いい場面なんです(#^▽^#)

以前、「亜人ちゃんは語りたい」で、
高橋先生が「吸血行為自体は性交のメタファー」って言ってたと思うんですけど、
本当にそんな感じで、{/netabare}もう、魅入ってしまって目が離せませんでした。

今、第2期が終盤ですが、1話冒頭の場面にまで行き着くか微妙ですけど、
これは、しっかりと観続けていきたい。

そんな作品なんです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

68.7 5 2021年度の吸血鬼アニメランキング5位
MARS RED(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (115)
371人が棚に入れました
時は大正十二年、東京の夜に其の者どもは現れた。彼らは闇に紛れて人の生き血を啜る吸血鬼と呼ばれ、古の時代よりこの世界に隠れ住んでいた。それらを取り締まるべく陸軍内部に創設されたのが第十六特務隊、通称『零機関』である。中島中将は近代化著しい列強諸国の情報戦に対抗するためにこの部隊を創設したのだが、目下のところ、零機関の任務は東京の闇に潜む吸血鬼事件の対応にある。それに当たるのが――、人類最強の前田義信大佐。国内最強クラスの吸血鬼にして新人の栗栖秀太郎。インテリジェンスなランク外の山上徳一。江戸の昔から吸血鬼を続けているスワ。老いることのない脳を喜ぶマッドサイエンティストのタケウチ。――以上、零機関の実行部隊の面々である。増え続ける吸血鬼たち。そして裏に暗躍する影と、謎の人工血液「アスクラ」の存在。この事態を冷ややかに見つめるのは、齢300歳を越えているにも拘らず、子供にしか見えないSクラスの吸血鬼デフロットであった。弱き者、汝の名はヴァンパイア――。零機関が今、大正ロマンの夜を駆け抜ける。

声優・キャラクター
畠中祐、諏訪部順一、石田彰、鈴村健一、折笠富美子、家中宏、高垣彩陽、古川慎、國立幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

みんな大好き吸血鬼もの

舞台原作らしい


MARSでREDと聞くと『Afrojack vs. THIRTY SECONDS TO MARS』の曲に合わせて登場し、投げては160km/h、打ってはホームラン!と人外さんばりの働きをする赤いユニフォーム着て活躍中の日本人野球選手を思い出しますがどうやら違うようで、こちらのアニメ作品はガチな人外さんのお話だそうです。


そして人外さんの中でも吸血鬼ものは別格。おそらく『ポーの一族』あたりが先駆けなんでしょうけど、“永遠の命を持つが故の哀しみ”“耽美”“ある意味生命の象徴太陽に触れると塵と消える諸行無常感”とスプラッタ的なものでは味わえないコクのあるジャンル、という理解です。
ストーリーはあればあったでいいですけど雰囲気を味わいたい気分。時代設定も良いですね。浪漫溢れる大正時代。以前やってた『天狼 Sirius the Jaeger』も昭和初期くらいの設定でしたね。闇夜の似合うヴァンパイアにとって都会といえど空白余白が多いこれくらいの時代と相性はいいのかもしれませんね。現代は密度が濃すぎて闇を堪能できる心の空き地部分がないような気がします。

内容
吸血鬼が一部では認知されてる世界。彼らを狩る捉える特務機関らの物語です。構成員には吸血鬼を狩る吸血鬼みたいな人もいて単純な善悪二元論にはならないキャラ分布。
大正十二年(1923)なので関東大震災を発災するわけです。がれきの山と化した帝都にうごめくヴァンパイアと対峙する特務機関。帝国陸軍も健在な頃合いでございます。健在というよりイケイケで大陸や首相官邸回りでズンドコするちょっと前にあたるわけですよね。その陸軍の特務機関としてみると彼らの良い意味での高いプライドは物語に華を添えてます。


正直なところ、物語が素敵ってことはありません。
ただし私と似たような性癖をお持ちのヴァンパイア好きな皆さん方が満足できる“雰囲気”だけはある作品と思われます。作中で二組の夫婦(“ふうふ”というより“めおと”と呼びたい)が登場しますけど、この顛末を追うだけで軽くご飯三杯はイケます。{netabare}※山ちゃん夫婦と諏訪部さん夫婦のことです。{/netabare}
主題歌の歌い手のチョイスもわかってる感あり。
OPは和楽器バンド。大正浪漫との親和性もさることながら、和音階って哀愁漂っていて“永遠の命を持つが故の哀しみ”少しオーバーラップするのです。わかってらっしゃる。
EDはHYDEさん。ヴィジュアル系(死語)の大御所です。“耽美”を表現するにうってつけといえる。理想はMALICE MIZERだけどこれだとやり過ぎだとも。

{netabare}・金綱鉄兵は結局なんだったんだろう
・金髪美女ヴァンパイア二人組も役回りが不明そして即退場
・岬のおとん中島中将は何したかったのだろう?ただの外患誘致にしか…
・モブ吸血鬼がどちらかというと佇まいがゾンビィ(笑){/netabare}

あくまで雰囲気重視と言い聞かせる私(笑) レビューはここまでにしときます。



※だらだらと無駄話

■其の一:ペルソナノングラータ

第5話のサブタイ。こんな外交用語持ってきたセンスがナイス。
{netabare}直近ですと日本に敵意むき出しなくせに大使候補として某半島から派遣された人物を承認することをだいぶ渋ってましたね。「ついにペルソナノングラータ発動か?」とワクワクした覚えがあります。
それで次の第6話で関東大震災発生。関東大震災といえば、井戸に毒入れたとかこれまた有名な半島エピソードがあったりしますよね。それでゾンビィ化した吸血鬼が夜の街を徘徊して人間襲ってるわけですから、こっちは笑えません。いかんいかん。{/netabare}


■其の二:関東大震災

注)アニメ関係ありません

{netabare}話は跳んで、数年前山口県萩市を訪れた際、失礼ながらよくもまぁこんな田舎からあれだけの人材を輩出したもんだと関心した覚えがあります。言わずもがな松下村塾の門下生達のこと。
スケールはだいぶ小さくなって私の育った場所も“偉人の町”を謳ってまして、高野長英・後藤新平・斎藤実を三偉人と顕彰しております。記念館もあるよ。私ゃ地元だから「歴オタじゃなくても知ってるだろ」くらい思ってますがどうなんですかね。一応左から蘭学者・医者で政治家・総理大臣。

なぜ唐突にと思われるかもしれませんが、三人のうち一人東京市長を務めた後藤新平が関東大震災後の帝都復興の担い役だったわけで、地元びいきもあってか、このあたりの時代の物語はつい前のめりになってしまいます。ね!?個人的とお断りした通りです。
小学校の郷土史授業にもお三方は登場します。役に立ったかは怪しいですが、愛郷心をはぐくみ自分も立派な人になろうというきっかけにはなるのかもしれない。偉人伝とかほんと大事。
むしろ大人になってからの再評価。環八や環七を車で走ってる時に「あ、これ帝都復興計画の一環だよね」とか。記念館に足を運べば一級資料に巡り合えるし、街を歩けば所縁を辿ることもできます。
隣の小学校にはしれっと斎藤実直筆の書を納めた額縁が飾られてたりします。書かれてたのが↓

 進徳修業

『易経』の一節で「立派な人格を持った人となるためには、徳を進め、学問や仕事を身につけなければならない」という意味らしいです。斎藤から後進へのメッセージでしょう。小学生の私は目もくれませんでしたし大人の今ならまぶしく映るフレーズ。
とこかで引っかかってなんだかんだこうして諸先輩を顕彰しながら語り継いで、自分の生き方に反映していくのが人間の人間たるところでしょうか。{/netabare}


「○○は日本の誇り」のカウンターで「いや凄いのは○○であなたでないから」ってのがあります。
それ全然無視しちゃって誇りに思っちゃえばいいと思います。○○がどっかで引っかかりロールモデルとなって人生に益をもたらすかもしれません。思った時が頑張りどき!


{netabare} 徳を進め学問や仕事を身につけなければならない

受け継がれていくなにか。この小学校のOBでまんま体現されてるのが“二刀流”のあの方ですね。

なんならエンゼルスタジアムで校歌をうたってもよい(迷惑行為){/netabare}



勝手に郷土の偉人の薫陶が受け継がれてる設定にして一人盛り上がってる私。
バトンを繋いでいく物語は現実も仮想も好きです。そんなとき、刹那(人間)と永遠(吸血鬼)の交差する物語にしやすい吸血鬼ものには惹かれるというのはあると思います。
人間単体よりも、すぐ隣に永遠を具現する存在が比較対象としてそこにいるからこそ刹那の人間が輝いて見えるのかもしれません。

{netabare}高野長英は日本初のビールのレシピを書き残したとか。当方にはこっちの影響が強いです。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.08 初稿
2022.05.28 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 33

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

雰囲気最高

2021/12/18 投稿

1話は神回です!
率直にすごい作品だと思いました!
そこがピークでしたけど^^;

2話以降急速に興味は下がっていきました。
ストーリーがちょっと理解できなくなったことが原因です。
が,挫折すること無く最後まで視聴することがはきました。

理由は
1話の評価が極めてたかったため,そこから下がっても底をつかず最後まで見続ける程度のモチベーションは維持できたこと。1話の遺産を食いつぶしていった形ですねw

と背景が非常にきれいだった事(特に,引いた絵はすごく良かったです。)とBGMがすごく良かった事(OP・ED曲は個人的にはあまりツボではありませんでしたが,作品の雰囲気にはマッチしていたと思います。)この二つの点から,雰囲気重視の自分にはストーリーは今ひとつ分からないながらも視覚的,聴覚的にかなり満足させらたからです。

雰囲気重視の人には,お勧めです!そうでない人も1話だけは見ておいて損は無いと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

"弱き者 汝の名はヴァンパイア"

この作品の漫画は未読ですが、原作が音楽朗読劇で朗読劇からアニメ化された史上初の作品だそうです。


ちょいと旦那、ヴァンパイアってやつをご存知で?
そう、人の生き血をすすり、夜の帳に生きる化け物さ。
おっと、コウモリに化けるってのは小説の与太話ってやつでね。
本当のヴァンパイアってやつは姿形を変えることなんざ、しやしない。

それどころか、彼らは弱い。
太陽の光を浴びれば焼かれて灰になっちまう。
犬より敏感な聴覚と嗅覚は文明開花の喧騒に耐えられない。
そして水に溺れて死んじまう。
でも連中が一番怯えちまっているものがなにか知ってるかい?

戸籍さ。
戸籍のせいで、永遠に年を取ることのないヴァンパイアは、
ひとつところに留まることを許されない。
悪い噂でも立てば、昼間のうちに踏み込まれ、
あっという間にお天道様の下に連れ出されて灰にされちまう。
一巻の終わりってやつさ。

……かわいそうな連中なんだよ、ヴァンパイアはさ。
元は普通の人間だ。
懸命に人間らしく生きようとしてる。
だから少しばかりそいつらの手助けをしてやってもいいんじゃないかな?

陸軍に零機関ってヴァンパイアの部隊がある。
あの兄さんたちなら、ヴァンパイアを人間らしく扱ってくれるんじゃないかな?
なんでこんなことを知ってるかって?
この天満屋慎之介はヴァンパイアのための口入れ屋だからね。
今後もご贔屓に、ヴァンパイアの旦那。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

ヴァンパイアって、孤高で強い存在というイメージが一般的に定着していると思いますが、この作品はヴァンパイアの弱さに着目して描かれているのが特徴的です。

太陽光に弱いのは勿論のこと、強い臭気に耐えられず血液しか接種できず、水の中では溺れてしまう。
それだけじゃありません。
永遠の命を持つバンパイアにはこれまで生きてきた時間、そして遠い未来までこの足枷に縛り付けられているんです。
だから、身体より先に心が参ってしまう…

永遠の命と若さを手に入れるためには過ぎた代償なのではないでしょうか。
生まれた時からヴァンパイア…という方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、大抵は人間として普通に生活している中、吸血行為を経て変わってしまった方がこの作品では殆どでした。

だから、これまで当たり前の様に出来ていたことが出来なくなる…
これって、結構しんどいと思うんですよね。
加えて、人との縁も断たれてしまうんです。
将来を約束し合った人…愛する人と一緒にいられなくなるんです。

この作品では、ヴァンパイアになったら家族には亡くなったと伝えられていました。
生きる時間軸が全然違うから…
生活様式がヴァンパイアだけ昼夜逆転してしまうから…

ですが、この作品を見ているとヴァンパイア側に一方的に非があるとは思えないんです。
不慮の事故で致命傷を負ってしまったけど、死んでほしくない…どうしても生きていて欲しい…
そんなヴァンパイアの願いが形となった事例だって存在するのですから…
この気持ちは決して無下にできないと思います。

決して強いだけじゃなく、どうしようもないくらい孤高で孤独なヴァンパイアの物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、和楽器バンドさんによる「生命のアリア」
エンディングテーマは、HYDEさんによる「ON MY OWN」
「生命のアリア」は、通勤中に聞いていた楽曲です。

1クール全13話の物語でした。
ヴァンパイアと人間が共存する展開も見たいと思いましたが、そこはキチンと一線引かれていました。
確かに種族は異なりますし、厳しい戒律を守ってきたからこそ盤石な体制が出来上がったのだと思いますが、だからこそ簡単に割り切れない気持ちをもう少し深掘りして貰えたら、個人的にはなお良かったのではないかと思ってしまいました。
まぁ、終幕の仕方は好みもありますので、これはこれで納得はしているんですけれど…
しっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

60.5 6 2021年度の吸血鬼アニメランキング6位
ぶらどらぶ VLAD LOVE(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (94)
277人が棚に入れました
重度の献血マニアの女子高生・絆播 貢(ばんば みつぐ)。足繁く献血車に通っては、看護師に邪険に扱われる日々……。そんなある日、献血車で外人(?)の美少女と遭遇する。青白く今にも倒れそうな彼女は、血を抜かれそうになった瞬間、豹変し献血車を破壊!貢は、意識を失った少女を、なんとなくの勢いで保護し家に連れ帰ることに……。

声優・キャラクター
佐倉綾音、日高里菜、朴璐美、早見沙織、日笠陽子、小林ゆう、高槻かなこ、三宅健太、石川界人、綿貫竜之介、木内太郎、岩崎ひろし、中田譲治
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

【辛口コメント】チーム押井の暴走“採血鬼”ギャグアニメ♪

【物語 2.0点】
やりたい放題。視聴者とキャッチボールする気なし!?(笑)

ネット動画配信という解放区。ポリコレなど、アウトオブ眼中w

献血マニアの女子高生と吸血鬼とのガールミーツガール。
活動を支えるための献血部及び夜間部という枠組み確立の他は
押井 守総監督、西村 純二監督らスタッフたちの昭和の“オタク”趣味の開陳に尺が費やされる。

無礼講とばかりに撒き散らされたネタが、
シナリオとして調理されずに、生煮えのままぶつけられる感。
しかも一定以上のコアな高年齢層以外はキャッチ困難という厳しさw

私も前半は9割方ネタが分らずw
後半に入ると、さながら“汚い映像研”の如き、作中作品の創作回も挟まれる。
マキ監督を通じた往年の映画ネタ(トリュフォー監督作品等とのこと)や
漫画のオマージュ回({netabare}つげ 義春氏{/netabare}とのこと)など、
私の生まれる前のネタがお風呂回、水着回そっちのけで容赦なく投げつけられ、
私は為す術なく、ほぼ全球捕逸(パスボール)w
辛うじて掴めたのは最後の{netabare}『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』{/netabare}くらいw

表現者が自由にやれることが
万人にとって必ずしも面白いわけじゃないと思い知った全12話でした。

我こそは!とのハイレベル“オタク”の方の挑戦お待ちしておりますw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・Drive

背景美術は、ぼかしが特徴的なフォトリアル風でホラーシーンもカバー。
むしろ実写も入り、時折、東京の夜景をバックに吸血鬼がフライハイする。

(結局、東京上空で爆撃機(ハンドレページ・ヴィクターとのこと)と
サラマンダーのドッグファイトやりたかっただけでは?という疑惑w)

平成の表現萎縮でスッカリ姿を消した、回転往復ビンタが乱発。
ギャグのオチは概ね建屋の爆散、倒壊w
“自主規制”がガードするとは言え、
“学園のマドンナ”等、昭和の価値観に基づいた露出描写もある。

雲の上から現代人がふるい落とされようが関係ありませんw


【キャラ 3.5点】
メインヒロインの吸血鬼・マイ。
吸血鬼伝説や関連エンタメの歴史を総ざらいした上で、
奥深いヴァンパイア理解に基づいたキャラ造形を……
と行きたい所ですが、こちらもキャラ立ちより、ウンチク披露が優先された感w
とは言え、濃厚な押し入れヒロインは、懐古には訴求。

その他、ヒロインに百合百合しく、バンバン血ィを貢ぐ、女子高生主人公・絆播貢(ばんばみつぐ)
(※血ではなく“血ィ”でなければならぬらしいw)
一斗缶で制裁する女風紀委員長など、
レトロな個性派がごった返す闇鍋感w

だが真打は、アンモラル保健医で血液研究者の血祭血比呂。
生徒への暴力的なツッコミ。方々の方言が混血する粗暴な言葉遣い。
EDアニメの左半分を占拠する彼女の強烈な生き様を受け入れることが、本作完走の絶対条件かw


【声優 4.0点】
ヒロイン吸血鬼・マイ役の日高 里菜さん。
吸血した血ィの主を反映して性格が豹変する
という無茶振りを器用にこなし混迷に拍車w

明るくアブナイ百合ボイスには実績がある貢役の佐倉 綾音さん。
ドスの効いたオトナボイスで生徒とシナリオを引きずり回す血比呂先生役の朴 璐美さん。
暴走監督ボイスで現場を逼迫させるマキ役の早見 沙織さん。

さらには、貢のとーちゃんに{netabare}中田 譲治さん。{/netabare}
など脇に至るまで非凡な声優たちが競演♪

ですが、このカオスに、この豪華声優陣。
申し訳ないですが、私は、正直、勿体ないという感想が先に立ちますw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は川井 憲次氏。
お馴染みの疾走感溢れるストリングスと勇壮な混声コーラスが、
ギャグと人情を無駄に格調高く盛り上げる。
氏は割と真面目?と安心した矢先、
カオスな献血歌謡曲「血ィがS.O.S」を冨永 みーなさんに歌わせ昭和へ逆走w
助けて欲しいのは視聴者の方ですw


OP主題歌はマイver.がLOBEBITES「Winds Of Transylvania」
海外でも活躍するガールズ・メタルバンドが放つ刺激的なロック。

貢ver.がBlooDyeの「Where you are」で百合への想いを探求。
高槻 かなこさんのピュアボイスが未来ずら♪


ED主題歌はalan&Ayasa「赤い雨」
映画『レッドクリフ』主題歌等のチベット族アーティスト・alanさんが参加した妖艶なバラード。


音楽も世界配信に向けて一級品が揃うゴージャスさ。
もはや勿体ないwとツッコむことも本作の嗜み方かw


【感想】
作中劇に寄せられたハチャメチャで最高だったぜ~!
との歓声が象徴するカオスなギャグアニメでしたw

アニメーターも平生は好き勝手にやっているようで、
多くの視聴者が受け取れるように配慮して制作して下さっているのだな。
と本作のストレス発散ぶりを見て、逆に痛感しましたw




【第一話ー特別編ー無料配信版・感想】
長くなるので折りたたみw

{netabare}
一話あらすじ

{netabare}超レア血液型“キメラ型”故に、献血しても有用性がないにも関わらず、
採血制限を待ち切れず献血バスに押しかける程の献血マニアの女子高生主人公。

バンパイアのクセに、人間に噛み付き新たな吸血鬼を生み出すのを躊躇する“美少女”吸血鬼。

血に飢えた吸血鬼が献血バスに乗り込み採血されそうになり車両を破壊する現場に
出くわした献血マニア少女の家に吸血鬼が転がり込み奇妙な同棲生活がスタート……。

採血により吸血鬼の“彼女”を養うため、
稀少血液収集研究家でもある保健美熟女医の忠言により、
主人公は“採血部”を立ち上げることになるのだが……。
{/netabare}

……などと言う、見ているだけで頭痛と貧血に襲われるw
押井守総監督(原作・脚本・一部絵コンテ等)の10年構想のオリジナル連続・吸血鬼ギャグアニメ(全12話予定)


テンポは良好(暴走とも言うw)
が、率直に言って私にとってはギャグは滑り気味に感じ、一笑も出来ませんでした。
ただ、パワハラと抗議されながら、全力出血往復ビンタでツッコむ
古のギャグスタイルを、時代の壁をぶち破って、
現代に押し売りしようとする破れかぶれ感は嫌いじゃありませんw

よって物語評点は基準点割れからのスタートになりますが、
変なアニメだな~wと感じつつも、
川井 憲次氏のBGMやCV.朴 璐美さんの方言罵声など、
興味は持続しており、
取り敢えず、主要キャラが出揃うまでは、
押井総監督とタッグを組んだ西村 純二監督と私との相性も信じて、
何とか食らい付いて行きたいと思います♪


ところで、次話の配信及び放送は何時でしょうか?
4話迄の先行上映イベントは決まっているそうですが……。

ん?未だTV放送もするか、配信でいくか、決まっていない?
どんだけフリーダムな企画なのでしょうかw

形態未定、放送時期未定で据え置いている、あにこれスタッフさんを、
あまり困らせないで下さいなw

※後日、2/14バレンタインデーに前半6話まで一挙配信。
3/14ホワイトデーに後半6話を一挙配信。
結局ギリギリ2020年秋シーズンのネット動画アニメとして分類は決着した模様。

この形態……視聴し辛い(苦笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

押井守を知らない子供たち

大御所がクレジットされてる注目作。
という触れ込みなんでしょうけど私の引っ掛かりは吸血鬼もの。絵柄からして『隣の吸血鬼さん』みたいなゆるい日常ものかと事前に想定していて蓋を開けてみたらまあ近からず遠からずって感じです。

献血マニアの女子高生んとこに吸血鬼さんが転がり込むお話。
吸血鬼に持つ先入観を逆手にとってややずらしを加えたりそのまま見せたり基本テイストはギャグ路線となります。
まずはここで私のニーズからずれます。あくまで自分の趣味ですけど、吸血鬼ものには“退廃”“耽美”などなどを期待しちゃうのですがそうではない。よってまずはここで後ろ向きに。
私と同じように退廃的なノリ求める場合は手に取らずともよろしいかと思います。


次に本丸“押井守”。
よくよく考えたらこの方の監督作品一つも鑑賞しておりません。

 うる星やつら ⇒ 夕方アニメで観たような再放送で視たような
 パトレイバー ⇒ 原作既読。アニメは少々。劇場版は観てない
 攻殻機動隊  ⇒ いつか観たいと言いながら早幾年

実体験に基づく思い入れは一切ないため忖度なしで以下

 {netabare}斬新ですねこれは{/netabare} 

ギャグなんでしょうけど最近見かけない手法があちらこちらに。これはこれでアリなのかなどうかな。
なにが斬新かと申しますと、例えばやらかした時に隣にいるキャラがカメラ目線で変顔になる「がちょーん」的ずっこけ演出みたいなところ。
御年70歳ですのでいわば私にとっちゃ父親と同世代です。ギャグは鮮度というので瞬発力みたいなのが大事ですが本作は残念ながらないですね。もしかするとナイツが所属されてる漫才協会みたいな名人芸を堪能するスタンスなのかもしれませんが、彼の得意分野ではないので芸の蓄積がありません。
私がギリ知ってるパトレイバー(しかも漫画)だとシニカルな中にたまに笑いがある作風。まるで違います。こうしてみると、隣の芝生は青く見えたのでこんなん作ってみましたよって道楽作品以上でも以下でもないという結論でしょうか。

“趣味に合わない吸血鬼もの”
“趣味に合わないお笑いもの”

5話まできて撤退します。



※無駄話

■押井守を知らない子供たち

世間で評価を受けたものに捉われず新境地開拓にチャレンジって素敵です。情熱なきゃできません。本作のポジティブ評価はその一点。

とりあえず録画してあとから『押井守』と知っての初押井守作品でした。代表作が90年代半ばならば押井作品を知らない視聴者も一定数いることでしょう。私もその一人。
途中撤退しといてなんですが遊び方次第で面白くなってたかもしれませんね。

{netabare}知らん人は知らんと思うけど15年くらい前に世界のナベアツがあらびき団で披露したネタ“T-BOLANを知らない子供たち”みたいにはっちゃけてたら良かったのにね。知ってる人少ないと思うけど…{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ視聴

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2021.8.15 初稿
2021.11.7 配点修正 -0.1

投稿 : 2024/05/18
♥ : 29
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

昭和は遠くなりにけり

2021/08/29 投稿
2021/08/29 加筆・評価下方修正
2021/09/05 「状態」訂正(「今見てる」のままでした)と加筆
2021/09/23 一部補足説明追加


まずは,立ち位置をはっきりさせておきますが,

我輩は「押井信者」である。

という前提でこの文章を読んでいただけるとありがたい。


令和初でスカイクロラ以来の押井アニメ
30何年かぶりの押井守のシリーズ物とかなんとかかんとか・・・

原作・総監督・シリーズ構成 押井守
監督 西村純二

これは,見なければなりますまい(笑)



1話アバン冒頭の俯瞰での東京(?)の夜景を見て期待が高まります。(どうやら「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」を意識した物のようです。)※「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」の説明は12話の作中に有り!

OP「Where you are」Ver.(奇数話のOPはこっち)は映像的にすごくみずみずしく,スタイリッシュ!血比呂先生が苗木を背負って歩くシーンの映像的な美しさはなんとも言えません!!曲も悪くは無いです。これが新しい押井アニメか!って感じです。
なおOP「Winds of Transylvania」Ver.(偶数話)主要女性キャラによるヘビメタバンドによる演奏がメイン。ありきたりかな・・・曲もアニメーションもあんまり好みではありません。(文化祭回でのステージ演奏的な使い方なら評価は違ったかも知れません。)

背景美術が独特でいい味出しています。
「物語シリーズ」の戦場ヶ原家的な感じです。
個人的には餃子の将軍の外観が一押しw


さて,褒めるのはこんな所でしょうか^^;

この作品で最も強く感じたのは,セリフの言い回しの古くささです。
血比呂先生に代表される,謎のえせ方言(うる星やつらのサクラさん的な台詞回し)
「○○じゃと,ゆうとろうが!!」など諸星あたる的な台詞回し・・・
いわゆる,押井守的な台詞回しですね。うる星やつらのキャラクターであればなんとなくそれでいいのですが,本作のキャラクターに言わせるととたんに何というか古くささが際立ちます。遠い昭和の時代からタイムスリップしてきたキャラクターに感じられるというか・・・とにかくそんな感じです。
※シュタインズゲートで牧瀬紅莉栖が「○○と,ゆうとろうが!!」って言っていますね(アニメ版かゲーム版か無印かゼロかゲームのダーリンかフェのグラムかごちゃごちゃになっていますが,どれか1つ以上で確実に言っています。)気になったから記憶があるのかも知れないけど,それほど気にならなかったw

輸血マニア&献血部・・・
立喰師という言葉を聞いたときと同じ居心地の悪さみたいなものを感じます。こう言う設定を作品の中心に据えてくる・・・悪い意味で,押井守ですね・・・

以下押井守との世代的な違いあるいは地域的な違いかも知れませんが言葉の使い方に違和感を覚える物
保険医:自分のイメージでは養護教諭,保健(室)の先生,養護の先生など
夜学:定時制?夜学というと大学のイメージ?
血ぃ:なぜ「血」ではだめなの?聞くたびに違和感が・・・

他にも
往復びんたバシバシとか
突然や夜学設立,全教科養護教諭一人で担当とかいろいろ気になってイマイチ楽しめません。

「おたかさん」「青島幸男」などのうんちくコーナー
知っている層には必要ないし,知らない層は興味が無いし必要も無い。いったい誰に向けているの?
あ!でも,映画のうんちくはちょっと興味を持って見ましたwそれで「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」の冒頭部分を見て,1話アバンの意味が分かったりしました。

6話の文化祭,7話の自主製作映画撮影などは学園物としては悪くは無いです。9話は{netabare}うる星やつら 第76話「決死の亜空間アルバイト」のリメイクですが,うる星やつらの方が元作(造語です、原作とはちょっと違う気がするのであえてこう書きました。もとさくと読んで下さいました)であるつげ義春の「ねじ式」の不思議な雰囲気を良く現れている{/netabare}ような気がします。

個人的な評価としては,令和初の押井アニメは「Where you are」Ver.のOPと背景くらいしか見所が無い残念な作品という気がします。
期待が大きかった分,がっかりも大きかったように思います^^;
「好き勝手にやらせてダメだった押井作品」の括りに入ってくる作品の一つだと思います。

ヒロインがバンパイアのアニメにはあたりが多いのですが,この作品はどちらかというと貢がヒロインですかね?

再度,我が輩は「押井信者」です。
結構好意的に見てこの評価ですが,押井原理主義者からたたかれそうな気が・・・^^;

そして「ルパン三世PART6で押井守がゲストで脚本担当」というニュースを聞いて性懲りも無く期待していたりします^^;

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

63.2 7 2021年度の吸血鬼アニメランキング7位
擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (98)
260人が棚に入れました
時は、明治64年。舞台は、徳川慶喜が絶対権力を維持し続けている、もう一つの日本。国家は、独自のエネルギー源、"龍脈"を整備し、江戸時代と科学が混ざり合う、独特な発展を遂げた。しかし、そんな華やかな都市の裏で、革命の炎をくすぶらせ、政権打倒を目論む、反体制派組織クチナワが、うごめく。その駆除を任された、徳川政府の闇組織、「鵺」。幼い頃、家族を殺された雪村咲羽は、「鵺」の処刑人となり、その仇、蛇埜目を探し続けていた。

声優・キャラクター
三森すずこ、蒼井翔太、Raychell、伊藤彩沙、小林親弘

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ストーリーで持っていく感じ(キャラデザは最近のはやりのそれではありません)

== [下記は第3話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第3話まで視聴終了時点で、このレビューを書いています。

とりあえずここまでの3話では毎話誰かしら死んでますね。流血場面もけっこうあるので、その意味ではバイオレンス作品です。

舞台となる時代とかまったく違うんですけど、キャラクターデザインとか世界観とかはちょっと「バジリスク」シリーズを彷彿とさせるものがあります。キャラデザは個人的な好みからは離れているので当初視聴意欲は低めだったのですが、別に作画がダメということもなくストーリーもけっこう面白く感じたので観続けている状況です。

バジリスクは「忍術」の名の下に「そんなハズあるかい!」と突っ込みどころ多数な様々な技や謎のオーバーテクノロジーが披露されていましたが、本作では「龍脈」と「青い血」がそれを担っている感じです。明治維新を迎えずに徳川慶喜の治世が続いているらしいですが、そこは概ねの時代感覚の目安ぐらいに思ってあまり真面目に考えない方が良いかもしれないです。

とりあえず徳川慶喜の世をひっくり返そうとする反体制派組織「クチナワ」があって、逆に体制維持のために暗躍する「鵺」という秘密組織があります。主人公の雪村咲羽(ゆきむら さわ)は「青い血の一族」の者で、ある目的を果たすために「鵺」に所属して処刑人として働いているといった感じのお話です。

話の柱は「青い血の一族」に関する謎と、徳川幕府の行く末といったところでしょうか。またストーリーのあちらこちらで「敵討ち」的な構図もできています。そんなわけで、今後の話も楽しみになってきました。
== [第3話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.26追記:
最終話まで視聴終了してましたが、更新が遅れていました。地味な話だったなあ。私はわりと好きですけど、人気はたぶん出ません。

終盤で出てきた竹道凛子さんが一番ヤバい人でした。
History repeats itself.(歴史は繰り返す)

余談その1:
雪村咲羽(ゆきむら さわ)
月城真琴(つきしろ まこと)
花風エレーナ(はなかぜ えれーな)

鵺(ぬえ)の処刑人の三人で雪月花。きっとみんな本名じゃないんでしょうね。

余談その2:
密かにブシロード関連情報会社所属の声優が多くキャスティングされていて、主題歌はRAS(RAISE A SUILEN)が歌っていました。

とはいえ、WEISS SCHWARTZ「擾乱ブースターパック」とかが出ることはたぶんありません(笑)。いや、絶対にない!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

悲しみに満ちた世界

全12話

徳川家が政権を握っている明治時代、青い血に不思議な能力をもつ一族の生き残りである主人公の雪村 咲羽(ゆきむら さわ)は、徳川政権の反体制派を処刑する組織の一員として一族の仇であるある人物を探し続けているお話です。

お話もですが、作画も暗く重いですね。

序盤で目的は果たせますが、ここからが長かったです。

お話は二転三転して、どのように終わるのか見当がつきませんでした。

最後まで観て悲しさや切なさが残った作品でしたね。
{netabare}
咲羽は何となく最後は亡くなるのだろうと思いましたが、まさかというか定番というか後ろから刺されて亡くなるということでした。

Cパートで大きくなった浅陽とエレーナの娘が一緒にいましたが、咲羽たちの意思を受け継いだのでしょうね。
{/netabare}
OP・EDともにRAISE A SUILENさんが歌っています。

最後に、咲羽役は三森すずこさん、インタビューで「魂を削って演じています」と言われているように迫真の演技でした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大気の流れの内の大きなスケールの現象に対して、時間とともに刻々と変化する小さなスケールの大気の乱れ…

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
みもりん、Raychell、そして『BanG Dream!』の「Poppin' Party」のメンバーとしてキーボードを担当している市ヶ谷有咲を演じている伊藤彩沙さんが出演されていると知り視聴を決めた作品です。

伊藤彩沙さんのプロフィールを見ると、2013年に放送された「ふたりはミルキィホームズ」の主人公・明神川アリス役で声優デビューされたと記載されていました。
もう8年も前になるんですね…懐かしさを感じます。
そして少しビックリしたのが、明神川アリスと一緒に「ミルキィホームズ フェザーズ」を結成したもう一人の主人公常盤 カズミのCVがあいみんだったこと…

今でこそ二人とも「Poppin' Party」のメンバーとしてブレイクしていますが、お二人の接点がまさか「ミルキィホームズ」あるとは想像していなかったので…
お二人はもう随分と長い付き合いになるんですね。


時は、明治64年。

舞台は、徳川慶喜が絶対権力を維持し続けている、もう一つの日本。

国家は、独自のエネルギー源、”龍脈”を整備し、江戸時代と科学が混ざり合う、独特な発展を遂げた。

しかし、そんな華やかな都市の裏で、
革命の炎をくすぶらせ、政権打倒を目論む、反体制派組織クチナワが、うごめく。

その駆除を任された、徳川政府の闇組織、「鵺」。

幼い頃、家族を殺された雪村咲羽は、「鵺」の処刑人となり、その仇、蛇埜目を探し続けていた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

擾乱…初めて目にする単語でしたが、ググってみるとwiki先生に記載されていました。
レビューのタイトルにも記載しましたが、「大気の流れの内の大きなスケールの現象に対して、時間とともに刻々と変化する小さなスケールの大気の乱れ」のことを擾乱と言うんだそうです。

擾乱とは気象上の用語というより、私たちの人生そのもの、と言っても過言ではないと思いました。
私たちは常に大きな流れの上で生活しています。
数日前より始まった東京オリンピックも一つの大きな流れだと思いますし、社会や経済の在り方についても同様のことが言えると思います。

一方、自身の身の回りの生活を見てみると、大きな流れに乗ってはいるものの、各個人や家庭環境の差によって、日々の生活は千差万別です。
日々の生活を積み重ねる上で発生する微かなうねりが、正に擾乱と言えるのではないかと思いました。
時に流され…時に抗って…そしてこれこそが「生きている証」なのではないでしょうか。

そう考えると、主人公である雪村 咲羽(CV:みもりん)の思考と行動は常に一貫していました。
生まれながらにして特殊な能力を持つ一族に生まれたが故に翻弄されましたが、目標を持って、物事に筋道やケジメを付けながら進めようとしている様は、規模や結果こそ異なりますが、まるで私たちの仕事と同じじゃありませんか…

完走して振り返って思うこと…
雪村 咲羽や中村 浅陽の生き方にもしっかりと擾乱が感じられたように思います。
最終話で葛原 仁の在り方に一抹の疑問を感じましたが、それがラストの浅陽への布石と思えば納得でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「EXIST」
エンディングテーマは、「Embrace of light」
どちらもRAISE A SUILENさんの楽曲です。

最近、『BanG Dream!』の皆さん、大活躍なのではないでしょうか。
RAISE A SUILENさんは、2020年秋アニメとして放送された「‎アサルトリリィbouquet」のオープニングも歌っていましたし、21年夏アニメでも「Poppin'Party」の楽曲が主題歌に採用されていますよね。
元々アニメの作品の中だけじゃ勿体ないと思っていたので個人的には喜ばしい傾向です。

1クール全12話の物語でした。
処刑人を題材とした作品なので、華やかさこそありませんでしたが、じっくり腰を据えて視聴できる作品だと思いました。
個人的にはもっと咲羽と浅陽の仲睦まじい姿を見たかったですけどね…

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

58.4 8 2021年度の吸血鬼アニメランキング8位
ヴィジュアルプリズン(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (41)
112人が棚に入れました
周囲に馴染めず、内に強い孤独を抱えた少年・結希アンジュ。天涯孤独の身になったのを機に、故郷を離れて憧れのアーティストが活躍していた街・ハラジュクを訪れたところ、ヴィジュアル系ユニット「ECLIPSE」と「LOS†EDEN」のライブバトルに遭遇する。エネルギッシュなステージに圧倒される中、突然胸の痛みに襲われるアンジュ。その瞬間、アンジュはヴァンパイアと人間のハーフ“ダンピール”として覚醒する――

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まったく対象外ですね

男性アイドルものですかね? そこに吸血鬼が出てくるとかなんとか…
まあどうでもいいや。
それなりに設定はありそうですが、完全に対象外なんであまり興味は無いです。
イケメンばかり出てくるので女性には楽しければ良いですね。

とりあえず男が見てもこういう見てくれだけの男は特に格好いいとは思えません。
まあちょっとへんてこな所は面白味もないこともないですが、それならもっと振り切れて笑えるレベルの方が良いかな…。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女子向けヴィジュアル系バンドアニメ

【紹介】
イケメンのヴァンパイア達によるビジュアル系バンドの話。
美しい歌を紅い月に捧げると強力な力を手に入れることができるとかようわからん設定がありますが、設定はオマケみたいなもので、ぶっちゃけイケメンのキャラクター見て女子が喜ぶアニメです。
うた☆プリ、ヒプマイのようなアニメが好きな人なら楽しめると思います。

ヴィジュアル系が好きな人も楽しめるとは思いますが、話の作りが徹底的に女子向けなのでヴィジュアル系バンドが好きなだけではちょっときついかもしれないです。

【音楽】
OP「残酷シャングリラ」O★Z ED「BLOODY KISS」LOSTEDEN(Tが環境依存文字なので普通のTにしています)
「wing with wind」「ANGELIST」など、ヴィジュアル系バンドの良いところがでている楽曲が素晴らしい!

アニメの内容と曲の歌詞が密接なので、アニメを視聴していないと良さがわかりづらい曲もありますが。

さすがにバンドアニメなだけあって声優はいい声してるし、何より歌がいい。低音の綺麗な響きが心地よい曲が多かったです。
劇中歌もどれもいい感じ。
特にロビンとアンジュのデュエットやミストのソロ曲がとても綺麗で好きです。

【作画】
全体的に漂う美しさ、カッコよさ、オシャレさ、そしてセクシーさが魅力の作品。
キャラの顔と女性向けのエロセクシーな表現、そしてライブシーンにはとても力入っています。
視聴者層を考えれば当然かと。

ただ作画はたまに不安定になる。ヴィジュアル系なのだから見た目には気を使ってほしいところ。
ロゴとかはヴィジュアル系というよりただの厨二。あまりこだわりを感じない。
文字等の細かいデザインや装飾にももう少しこだわってほしかったかも。


【キャラクター】
キャラデザ良いですね。
ロビンとジャックやミストとサガの関係性が見ていてほほえましいのと、アンジュのひたむきな想いに惹かれるし、なによりギルが最高にカッコいい。
キャラクターのカッコ良さと可愛さがすべてのアニメなので、さすがに力入っています。

8話は視聴者が男性なのか女性なのかで評価が分かれる回だと思う。


【シナリオ】
ヴァンパイアの特性を生かした時代を超えたシナリオの構築は面白いと思う。

でもシナリオに期待するタイプのアニメではないので、特にシナリオ的な面白さはないです。
シナリオは荒唐無稽だし、急に歌いだしたり、急にバトルアニメになったり、急に仲良くなったりと意味わからないことだらけですが、気にしてはダメです。そういうものだと思って受け入れるしかないです。
ヴァンパイアの要素をうまくキャラクターの魅力につなげることができているのは良いところだと思います。

最後の締め方が良かった。いい最終回だったと思います。

{netabare}
ギルがいれたコーヒーが一番だねってイヴが言って、ギルが「そうか」って短く返す何気ないやり取りとかいいですね。
{/netabare}

【総評】
こういうジャンルに興味ない人は見ても仕方ないと思います
肝心のキャラクターの魅力を出すことには力が入っています。
決して一般受けはしないでしょうが、特定の層に刺さるアニメとしては十分に良いアニメだと思います。
作画はもうちょっと頑張って欲しかった。

とても良かったので、是非二期を制作して欲しいです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これも吸血鬼もの...

最近やたらと多い吸血鬼もの×ビジュアル系
女向けアニメ

{netabare}
正直全体を通すとそこまで良くもないけど、悪い要素も特にない感じの作品。
キャラは多かったけど、掘り下げをするキャラはしっかりと絞れていて、一応O☆Zのメンバーと双子に関しては印象に残った。

一番良かったのはギルが過去の経験から主人公に仲間を大切にしろとアドバイスをする回と、そんなギルを主人公が誘う回かな。
あと、6話のライブで謎戦闘をする回は割と作画も良くて(なんでライブじゃなくてこっちに作画使ったし)単純に面白かった。
面白かったからこそもっとやってほしかった感はあるw

逆に一番良くなかったのは8話の謎回。
ノリが腐女子向けできつかったし、本人じゃなくて憑依してる霊の話とかどうでもよかった。

で、最後はベタな感じに終わって悪くなかったと思う。
まあ全体を通して悪くなかったぐらいの評価

OPがめっちゃ好き
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆5
ホモ枠?キャラ紹介なげーな
急に歌うじゃん ライブシーンはいい
いや一瞬で歌うじゃん主人公w 曲いいな。話が唐突。
ヴァニタスかよ。吸血鬼もの多すぎ。曲が本当にいい。

2話 ☆5
ほんと曲いいな。
最近こんな感じのアニメ見た気がするけど多すぎてもはや何かわからん。自業自得じゃんw 
ストーリー悪くはないんだが。愛してやろうか(迫真)

3話 ☆7
高音系かw
ヴァンパイアになると成長止まるのか 
成長止めた理由なるほどなぁ。
結局心臓にひびはいるだけで済むんかよ 

4話 ☆7
これ何アニメだよ。シンフォギアか?
5話 ☆8
何がどうなってんだよ。
自分の過去の経験から主人公に仲間を大切にしろとアドバイスするのが良かった。歌うまいな。
ギルを誘うシーン主人公の演技が上手くていい。

6話 ☆8
メイクの理由とかあるのか。
震えてる自分を隠すためって面白いなw
やっとライブか。さっき聞いた。
この曲大好きだからいいけどw
CGあんまよくないな。EDじゃねーかw
謎戦闘w 作画良くて草。歌の方の作画良くしてくれやw
勢いで面白かったわ。
ED変わっとるやん。

7話 ☆5
何で入れてくれるんだよ。
何故秘密を話す。レイター(日本語英語)
SAGAだけに プラチナエンドで見た。

8話 ☆2
腐女子向け回。今回おもしろくないな。
ここにきてこんな腐女子向けのノリ辞めてくれ...。
急にこんなヴァンパイアのノリ見せられても。
挿入曲好き。この憑依してる奴の話いる?
何でこのアニメで歌詞なしEDw

9話 ☆6
ホモ堕ち 不老不死じゃないってどうなったら死ぬの?
裸になる所のノリが少し寒い。挿入曲微妙。

10話 ☆7
ホモ えぇ... 死んじゃうのか。
歌って復活の流れか? 挿入曲好き。声がいい。
うーん、この流れプリパラ感w 

11話 ☆7
マヨネーズ飲むな あれギル一応復活はしてたのね。
ああ、なるほど。吸血クマちゃん体操の存在感。

12話 ☆5
CGの出来微妙だな。初手曲やるんか。ずっと歌ってるw 
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 0
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