兄妹で心理学なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの兄妹で心理学な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の兄妹で心理学なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.8 1 兄妹で心理学なアニメランキング1位
ぼくたちは勉強ができない(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (490)
2319人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」を得るために、受験勉強に苦戦する同級生たちの教育係となることに。指導する相手は「文学の森の眠り姫」古橋文乃、「機械仕掛けの親指姫」緒方理珠といった学園きっての天才美少女たち! 完全無欠の学力と思われた彼女たちだが、苦手教科に関してはとことんポンコツだった…!? 個性的な「できない娘」たちに振り回されつつ、成幸は彼女たちの入試合格のために奔走! 勉強も恋も「できない」天才たちのラブコメディ、ここに開幕!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

女子と勉強とは羨ましいものだな

理系の天才で文系は全然できないのに文系を目指す緒方理珠と文系の天才で理系は全然できないのに理系を目指す古橋文乃、スポーツ得意だが勉強はからきしの武元うるか、さらに真冬先生は医学部目指して浪人中だが、理科が苦手な小美浪あすみとかと主人公唯我成幸がお勉強。

正直言ってこんな状況羨ましすぎる。ということで見始めはかなりイライラしつつも段々このハーレムに慣れてきて完走に至った。やっぱり面白かった。あすみが今のところ推し。やっぱりうるかも捨てがたい。

最初は緒方理珠にイラついてしまったのだが。単純に文系科目苦手なだけなら分からんでもないけど{netabare}人間の感情興味なさそうなのに、心理学を専行したいとはこれ如何に。{/netabare}
その他だと運動出来れば勉強できなくてもいいとかいう風潮は僕嫌いです。両方しっかりできてこそ。というか日本は運動部が無駄に練習しすぎなのが問題だろうけど。
あと苦手な科目があるほうの進路を選びたい気持ちは分からんでもないけど、苦手科目の負担が軽いところ選ぶとかもう少し工夫あるのでは?高校3年生で数学Ⅰ・Aできないのは致命的。理系全振りは文系全振りより人間的に大丈夫か心配になる(偏見)

2期あるらしいので、見るつもり。やっぱりどうなるのか気になる。


OP
セイシュンゼミナール 歌 Study[古橋文乃(白石晴香)、緒方理珠(富田美憂)、武元うるか(鈴代紗弓)]
ED
Never Give It Up!! 歌 Study[古橋文乃(白石晴香)、緒方理珠(富田美憂)、武元うるか(鈴代紗弓)
OPはこだまさおり作詞で安定してる。主題歌は聞けば聞くほど心地よい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」を得るために、受験勉強に苦戦する同級生たちの教育係となることに。指導する相手は「文学の森の眠り姫」古橋文乃、「機械仕掛けの親指姫」緒方理珠といった 学園きっての天才美少女たち!完全無欠の学力と思われた彼女たちだが、苦手教科に関してはとことんポンコツだった…!?個性的な「できない娘」たちに振り回されつつ、成幸は彼女たちの入試合格のために奔走!勉強も恋も「できない」天才たちのラブコメディ、ここに開幕!!

1. 天才と[X]は表裏一体である
一ノ瀬学園には文系の古橋文乃、理系の緒方理珠という2人の天才が存在する。そんな彼女らを後目に「特別VIP推薦」を目指す秀才・唯我成幸。彼は推薦の条件として、文乃と理珠が志望校に合格するための「教育係」を命じられる。教育係となった成幸だが、文乃は理系、理珠は文系という才能と正反対の志望に困惑! さらに彼女らの苦手科目の実力たるや、点数が一桁という散々な状態!! 成幸は進路変更を助言するが…!?

2. 魚心あれば、天才に[X]心あり
成幸の中学の頃からの友人で、将来を期待される水泳の天才・武元うるか。スポーツ推薦を志望する彼女だが、学業がまったく手についておらず推薦自体が危ぶまれる状態! 成幸は学園長に命じられ、うるかの勉強も見ることに。 勉強を嫌がるうるかだが、成幸が教育係と聞いて急に張り切り出す! 実はうるかは中学時代から、自分を認めて助けてくれる成幸に恋していたのだ。文乃たちを意識して、うるかは密かに闘志を燃やす!!

3. 天才は[X]にも心通ずるものと知る
中間テストを前に、成幸の教育係としての成果が試されようとしていた。自分たちの成績が上がらないと教育係が変わってしまう…成幸に続けて欲しい文乃たちは、テスト勉強にさらに意欲を高める!後日、成幸は理珠に頼まれて彼女の家が経営する「緒方うどん」を訪れる。店を離れることができない理珠の勉強を見るためだ。不安な自分を優しく励ましてくれる成幸に、頬が赤らむのを感じる理珠。そして試験当日、予期せぬ問題が理珠を襲う…!?

4. 彼女が天才に望むもの即ち[X]である
ここ最近、急に体重が増えてしまった文乃はダイエットを決意! しかしお菓子を勧めるうるか、うどんを差し入れる理珠など、学校には太る要因がいっぱい。空腹をこらえる姿を心配する成幸に、文乃は「触って確かめて」とお腹を差し出して…!? そんな中、自習中の理珠の前に現れた白衣の女生徒。自称・理珠のライバルの関城紗和子だ。彼女は理珠が文系を志す理由を成幸が好きだからと誤解し、理珠の恋心を試そうとするが…。

5. 林間の天才は[X]に迷走する
一ノ瀬学園名物・2泊3日の学習強化合宿が始まった。山の合宿所で勉強にはげむ成幸たち。そんな中、理珠は成幸が気になって仕方がない。成幸と文乃たちの楽しそうな様子を見て不機嫌になり、ついには一方的にキレて合宿所を飛び出してしまった!夕方、理珠がいないことを紗和子から聞いた成幸は、理珠を探しに外へ。土砂降りの山中を駆け回り、崖の上に理珠を発見!助けよう手を伸ばす成幸だが、理珠は足を滑らせて…。

6. 天才[X]たちは、かくして勉強ができない
元・教育係の桐須真冬先生に呼び出された成幸は、合宿の山中で理珠とキスしていたことを問い詰められる。生徒指導室のドアの前では、心配した文乃が聞き耳を立てていた。聞こえてきた「不純異性交遊」という言葉を頼りに、文乃たちは入れ替わり立ち替わり成幸の弁護をするが…。真冬との面談から数日後。うるかは成幸が誰かとキスをしたことを知る。落ち込んだうるかは「友達の話」として文乃に悩みを打ち明ける。

7. 前任者の秘匿領域は[X]な有様である
校舎裏で成幸と話す中、文乃はバランスを崩して成幸に抱きついてしまった。その背後には険悪な目つきの理珠が!成幸が好きな理珠を怒らせてしまったと慌てる文乃。文乃はさっきのハグをチャラにしようと…?放課後、猫を助けてケガをした真冬を送るため、成幸は彼女の部屋を訪れることに。成幸はそこで真冬の面倒見の良さや、散らかし放題でだらしない私生活など、怖い先生の意外な一面を知ることに。

8. 天才の一挙手一投足は時に[X]を翻弄する
福引でスマホを手に入れた成幸は、辞書やスケジュール管理アプリで勉強に活用しようと大張り切り。さらにお風呂での勉強が効果的であることを知り、さっそく実践することに。邪魔が入らず防水スマホで調べものも楽!お風呂での勉強がすっかり気に入った成幸。しかし操作を間違えて文乃にメッセージを送ったり、理珠に電話をかけたりと大騒ぎ。入浴中のうるかにつながった際は、うるかが間違ってビデオ通話設定にしてしまい…!?

9. 禁断の地にて彼は、[X]が為奮闘する
真冬のマンションの前を通りかかった成幸は、彼女に呼び止められて部屋に招かれる。部屋にゴキブリが出たとのことだ。入ってみると、以前と同様に散らかりまくった酷い惨状…。ゴキブリを駆除するまでと引き留められる成幸だが、そこに出前で理珠が訪れた!成幸と真冬の関係を誤解してか、理珠はふくれっ面で部屋に居座ってしまう。理珠と真冬を仲直りさせようと、成幸は理珠の好きなカードゲームで遊ぼうと提案する。

10. かの新天地にて迷える子羊は[X]と邂逅する
教育係のご褒美として、予備校の夏期講習を受けることになった成幸。自分の成績のために意気込む成幸は、そこで学園OGの浪人生・小美浪あすみと出会う。そして予備校の帰り、道に迷った成幸は店の呼び込みに引っ張られてメイド喫茶に入ってしまう。慌てて出ようとする成幸の前に、人気No.1の「ピクシーメイド・あしゅみぃ」が登場。可愛くポーズを取る小柄なそのメイドは、予備校で出会ったあすみ先輩だった…!?

11. 威厳ある先任者は時に[X]にかしづく
夜の繁華街。真冬はいかがわしい店に入ろうとする成幸を見つけて呼び止める。そこは真冬の元・教え子のあすみがバイトするメイド喫茶だった。店内で成幸を注意する真冬だが、事故で店員にケガをさせてしまった!彼女は代わり働くことを申し出るが…!?。成幸の心配通り、ドジっ娘メイド・真冬は失敗の連続。そんな自分を前向きにフォローする成幸に、真冬は優しさを感じる。そして真冬が彼に告げた言葉とは-。

12. 天才は時に[X]をともに分かち追懐する
うるかと気まずくなった成幸から、「友達の話」として相談を受ける文乃。直後、今度はうるかからも同じ悩みを打ち明けられる。文乃は彼らに、思い切って2人で話し合うよう助言する。後日、湖畔のベンチに並ぶ成幸とうるか。しかし緊張のあまり、会話は早々に途切れてしまう。変装して見守っていた文乃は、2人それぞれにスマホから助言を送る。しかし文乃が提案する話題は、ことごとく場の空気を重くしていき…!?

13. 天才の目に天の光はすべて[X]である
お祭りを訪れた成幸は、会場で出会ったうるかと屋台を回ったり、理珠の出前を手伝ったり、ケガをした真冬をあすみの父の救護テントに連れて行ったりと、相も変わらず世話焼きで大忙し。さらには迷子の子供のために駆けずり回ることに…。結局、人の世話で帰りの終電を逃してしまった成幸。そこに星空を眺めて時間を忘れてしまった文乃が現れた。帰りの手段がなく途方に暮れる2人は、旅館の明かりを前に--。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

TAMA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

天才 VS 勉強方法! さて、『X(エックス)』の『解』は如何に!?

他社ですが『五等分○花嫁』と設定が似てる部分がありますね。どっちもヒロイン5人…
ま、作者同士が交流あるくらいだし同じジャンルで大体同じくらいの時期に連載になったから『パクリ疑惑』も仕方なかったのかな。

(※2019:7/23追記・ジャンプ本誌で人気投票の間違いを確認。編集部の人に確認。記事は人気投票の結果のとこに記載。)

原作・ジャンプ掲載分全て。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


ちょっと物足りなく感じてしまいました。原作の絵の方が好きだったのでアニメの作画は少し合わなかったです。
同社の作品、『ゆらぎ荘の幽奈さん』と比べるとラッキースケベはソフトな作品なので私はこっちの方が合ってました。ラッキースケベが過度だと少々キツいので(汗)


この作品のテーマは『受験』。なので高校3年生から物語が始まる。
主人公『唯我 成幸(ゆいが なりゆき)』が貧しい家族を楽させたいけど大学には行きたい。しかし『成幸』が通う【一ノ瀬学園】には大学進学に掛かる全ての費用を学校側が負担する【特別VIP推薦】の制度がある。その推薦枠を獲得しようと日夜勉学に励んでいたがある天才達に遅れをとっていた。

ある日推薦審査面談の時に条件付きで推薦を許可される。その条件とは『緒方 理珠(おがた りず)』と『古橋 文乃(ふるはし ふみの)』の2名の教育係になり、2人の志望する大学に合格させること。
理系の天才『緒方』、文系の天才『古橋』、何故この2人の教育係に?と思ったら『緒方』は文系の大学へ、『古橋』は理系の大学への進学を希望。
天才達だから少し教えれば…と思った『成幸』だがそうは問屋が卸さない。
両者の天才は進学したい分野は壊滅的な内容。しかも高校3年生で。『緒方』と『古橋』で教え合えば…と助言したがどちらも天性の感覚でやってるので教えれない、何が分からないのかが分からない。

前途多難ではあるが彼女たちの本気でやりたいことを聞いた『成幸』は彼女たちの希望する進路を尊重しようと奮闘する。
ただそこにスポーツ特待生『武元 うるか(たけもと うるか)(勉強全般苦手)』の面倒をみることになったりや、才女2人の無謀な選択を拒否する『桐須 真冬(きりす まふゆ)※酒に弱い』をどう説得するか、予備校で出会った一ノ瀬学園OGの『小美浪 あすみ(こみなみ あすみ)』と出会い何故か彼氏役になったりなど『成幸』はこれからどうなる!?
…と、簡単ですが。


『成幸』は大変ですね。努力型の秀才タイプだけど天才達に勉強を教える事になろうとは。プレッシャーがパない。が、培ってきた勉強法などが教育方法に生き、教える事に関しては天才肌。
『緒方』と『古橋』は天才タイプなので表現も良かったと思います。天才タイプの方って呼吸する様にその科目や競技などが出来るので教えるのは不向き。しかも割り振りがそこに全振りしてるのか!?ってくらいに他が穴!(例・勉強は出来るが運痴など)

『緒方』は天才タイプ+年相応か少し幼いくらいの子供っぽさがよく表現出来てたと思います。変にムキになったり嫉妬したり、てね。面倒くさいとこが合う合わないがあるのでこのキャラの好き嫌いは別れるでしょうね。

『古橋』は天才タイプ+毒が凄い(笑)
流石は文系の天才、人の心の機微を読むことに長けてるからか悪意のない辛辣な物言いが結構笑えました。口に出す毒も笑えるけど心の声の時の毒も結構楽しめました。…ププ、浴衣。

『武本』はスポーツ万能+勉強苦手。
快活でマイペースで憎めないキャラ。料理や歌が得意で『成幸』と居るとたまに乙女になるとことか結構このキャラを好きになる人は多い様に思います。
ま、『武本』って別に勉強が出来ないって訳じゃなく「苦手意識」が強いイメージがありますね。
プールを使った勉強法では覚えも早かったし本当はかなりの天才かも!?


とまぁ、1期は殆どこの3人が主だったのでこんなもんかな。個人的には『桐須』や『小美浪』のエピソードが好きなので2期に期待。
私個人はこの2人のエピソードが綺麗だったのでこの2人推しです。ここは原作をしっかり表現してほしいなぁ。


因みに↓
第1回人気投票

1位・桐須真冬(5233票)

2位・古橋文乃(4194票)

3位・武本うるか(3552票)

4位・緒方理珠(2421票)

5位・小美浪あすみ(2323票)


第2回人気投票(2019:7/13発売号より)

1位・桐須真冬(14598票)

2位・古橋文乃(3259票)

3位・武本うるか(2980票)

4位・緒方理珠(1803票)

5位・小美浪あすみ(1488票)

です。(残念な事に人気投票欄のとこの『小美浪あすみ』の文字が『小美「波」』と間違っているのはマイナスです!最新号(2019:7/22)でこの事を編集部が何も書いてなかったので2019:7/23にジャンプ編集部に確認したところ間違いであった事を確認。コミックスでは直ると回答を頂きました。)

桐須先生のエピソードやギャップ、文化祭やなぜあの様な教師になったのか、などがこの結果に結びついたのかな?と思います。魅力的な表現もあったし。
しかし第2回は2位と4倍近くの差ってのは凄いな。ちょっとビックリです。


ラブコメ物+ラッキースケベ物としてはソフトタイプなので初心者向けの作品かな?と思います。ラブコメを結構観てる方には物足りなく感じるかなと思います。
あ、CM入る前のアイキャッチは少し笑えます♪

後気になったのは最近では都内や府内の学校等は板書は電子黒板だし検索も出来る。しかも生徒もノートを書かなくなったりデータや黒板を写メするとこが増えてきてます。作品も観た感じ都内の高校ぽかったのでどうかな?って思ったりと。
なのでそこら辺も表現の古さを感じました。


さてさて第2期は10月から。
1期ラストは少々『古橋』がリード?かな。
2期ではサブキャラにも動きがあるので楽しみです!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あ、そう言えば作中にあった『古橋』のセリフから少し論文の一つを。…これより書くのは無駄話です。暇な方はどうぞ。

甘い物を食べると集中力アップ!とかストレス減少!とかを『シュガー・ラッシュ』って言うんですがこれをイングランドのワーウィック大学が分析・検証したようです。論文が確か31本だったかな?
で、結論から言うと「効果はほぼ無し!」だったそうです。逆に砂糖を摂ると逆効果の結果が出て砂糖を摂った30分後には疲労感増加、眠気、1時間後には集中力低下を確認。(1,300人検証)
糖尿病やメンタル部分は落ち込ませる原因になる可能性も?ともあります。
ま、セロトニン(幸せホルモン)は感じれるでしょうけどね。

意外と昔から言われてた事が全く根拠が無かったと出てくる論文は面白いなと思いました。(作中のキャラ、科学部部長の関城は知っててほしいな。変な発明はよくしてるし(笑))

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

うるかにしてください

お静かに!って意味合いではもちろんございません。
原作は週間少年ジャンプ連載中。いつもながら未読です。

努力型秀才である貧乏男子高校生が、大学進学に係る費用の一切合切を学校に賄ってもらえる “VIP推薦” をエサに同級生女子に勉強を教えるというお話。
主人公男子は貧乏であるにこしたことはありません。トキワ荘以来の伝統芸能です。
同級生女子は二名。得意科目はほぼ満点だが苦手科目はてんでダメというのと、進路希望・将来の夢の観点だと苦手科目を超絶レベルアップさせないと進学もおぼつかないという点が共通する二人です。

 「お勉強」 + 「ラブコメ」

あらすじや第1話からそんな話かなぁという出だしでしたが、これがまた絶妙につまらなかったです。
少し経って{netabare}(第2話){/netabare}からもう一人、武元うるか(CV鈴代紗弓)が投入されて、元からの二人である古橋文乃(CV白石晴香)、緒方理珠(CV富田美憂)の三名体制となり屋台骨が出来たことで好転していきました。

 「ラッキースケベ」 +「ハーレム」 featuring「お勉強」

早々に路線変更です。真面目に言うようなことでもありませんが、、、路線変更です!


実際にお勉強要素の配分が多いまま、まっとうに学力向上を目指す内容でしたら視聴継続はしんどかったでしょう。リアル志向でもエンタメ志向でもなくガバガバの設定でしたので。
・学校側が生徒の学力向上と進路指導の責任を放棄してる時点でOUT!(これ大事)
・文乃と理珠の出来ないっぷり描写にもいろいろ言いたいことはある
設定もそうなんですがいまさら英語の構文や数学の公式にお付き合いするのもなんだかねぇ。

{netabare}「Don't you kiss someone , NARIYUKI?」(6話)
意訳) あんた成り行きでキスまでしたんとちゃう?成幸だけに(嘘)
   {netabare}しかもあんたの名前を音読みしたら・・・きゃーっ(もっと嘘){/netabare} 

これ文法だとanyoneが正解じゃなかったっけ? うるかが必死こいて覚えた構文を頑張って使ってみたけどちょいミスがあってかわいいじゃん、と普通なら思うところなんですが、ここに至るまでに、「この作者(編集含む)は絶対まともに勉強したことなさそうだな」の説得力ない描写が連発してましたので、素直に受け取れません。なお現場ではanyだろうがsomeだろうが通じるっちゃ通じます。{/netabare}


いざラッキースケベハーレムアニメとの立ち位置が固まってしまえば、お作法に則ってすんなり観ることのできる普通の作品でした。
小学校高学年ないし中学入学したての芽生えの時期にお世話になった(かもしれない)少年誌の『お色気マンガ』の佇まいです。

 {netabare}※注)『お色気マンガ』と『エロマンガ』は違うからね。{/netabare}

ヒロインの裸を見たり接触する程度の描写に留まるのが通例で、また、何かしらのトラブルに巻き込まれてサービスカットを披露する「お約束」のアレです。

肉体関係ありの最近のマガジン案件(あれはあれで良い)と違い、こちらジャンプ案件はきちんとお色気止まりにしているのが良いですね。なんとも懐かしい香りがしていて、その雰囲気を楽しむような感覚。
自分の場合このへんのルーツは連載終盤の『やるっきゃ騎士』(※ナイトと読む)でしょうか。
少年の夢と希望とスケベ心が詰まったこういう品は、健全な少年が親に見つからないようにどきどきしながら観てほしいタイプの作品です。


最終話で3か月後の2期放送が発表されました。
私の視聴優先順位としては低いです。少し懐かしい匂いを堪能したところでややお腹いっぱいかしら。自分にとってはそんな位置付けでした。



■オマケ1
どうせなら健全なお色気ものだったらよかったのに。
{netabare}ブラコン妹が登場して、兄のふとんをくんかくんかしてましたが、アニメ向けアレンジでしょうか?
視覚的なお色気どまりだったほうが健全な気がしていて、フェチまで踏み込むと大人向け指数がアップしちゃいます。なんかもったいない。{/netabare}

■オマケ2
球技大会にクレームw
{netabare}自分が高校生の時だったら、和気あいあいの男女混合なんてありえんと思ったでしょう。
勝ちにいきたいのに遠慮が入っちゃうから。クラス対抗ならなおさら負けるわけにはいかないのです。
当方の高校時代は、クラス対抗の雌雄を決するガチ系イベントだったので男女くっきり別れてました。混合だと体力面で劣る女性がやりづらくはなかろうか。イチャコラなんて別途いくらでもできるし。
このアニメに限らずいつも思うのですが、学園ものの校内イベントって文化系の目線で描かれてることが多いですよね。自分が知りえなかった高校生活を疑似体験できるのをもって良しとすればいいのかもしれません。だがしかし、なんとなく腑に落ちないのです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.06 追記

後半2クールめのほうが好み。


2019.07.02 初稿
2020.02.06 追記
2020.07.24 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 59

68.6 2 兄妹で心理学なアニメランキング2位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (352)
1481人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





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20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/05/04
♥ : 69
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

もうやだ

1話感想{netabare}
ひと言で“魂”って言うと「作り手の入れ込み」も含まれるので「そりゃあるだろ」と思ってしまうし、そういうことを言いたいんじゃないってのも分かるので…そうさなぁ、せめて“自我”と表現して欲しかった。
扱いとしては車が近いと思うのだけど、思い入れを抱く人は普通に居るんじゃない?

それよりも…主人公グループの男子3人にそれぞれ妹が居て…。
ひょっとしてこの世界って生む子供の性別が定められてたりする?
第一子は男で次は女で、みたいな(一姫二太郎のが良い気がするが)。
セックスは専らロボット相手で、子作りは人工子宮とか?
まだ全然分からないけどそこら辺の世界観描写に期待。
プラメモみたいな作り手に余りにも都合の良すぎる設定は勘弁。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
2話、あれ?あれれ?
まーた自分語りで恐縮なのですが…2017年にAICがメガゾーン23の新作を作るとかでCFを募ってました。
自分がその存在に気付いた時にはもう募集終わってたんだけど、そこで紹介されてるイメージボードや設定を見てあれこれと想像を膨らませてました。
なのだけど…あっるぇ?ビートレスがなんかそれで想像したのと似通った展開が…(SINじゃなくXIの方、イヴが有機ボディ持ちだそうで、アナログハックのシーンとか非常にやりそうな予感が)。
レッドボックス自体がイヴ+ガーランドみたいなモンだろうし、もしこれで「実はこの世界は巨大な宇宙船の中でしたー」なんてオチが来たら卒倒するかも知れん。

そして3話、な~んかHIEが人間に対し誘導尋問や催眠商法を仕掛けてるように見えてしまうのはワザとかな?
といいつつ自分が誘導尋問って何さ?ってのよく分かってないんだけどね…選択肢を限定し、あたかもそれ以外の選択肢は無いかのように嘯(うそぶ)き、どっちがマシかで尋問者に都合のいい回答を迫る手口ってのは誘導尋問ちゃうかなぁ。
アナログハック自体が催眠商法だし、催眠商法は認可されてる世界ってことかな。
だとしたら主人公は例外として、あの世界の人間がHIEに冷たいのはある意味当然、信用ならんからね、心に壁作っちゃうね。
人間が人工知能に操作されてるっていうか、そういう勧誘に惑わされない精神が人間に求められてるとか、そういう話?
主人公は今後そういった展開になるのかね?「レイシアがボクを意識誘導してくる」とか言って溝が出来るとか。
「私コイツ殺したいんでマスター許可出して。責任はそっち持ちで」って振舞いはどう見ても、ねぇ…。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず総集編(5,5話)の感想。
この世界の治安レベルが分からない、総集編でそこら辺の説明してるれるのかなー?と期待したけどそれも無し。
銃ひとつとっても、「現代のリアル日本人(視聴者)が国内で手に入れるよりもよっぽど困難な管理の行き届いた世界」に見えるんだけど、そこでポンと銃手に入れてテロ組織って…うーん?
赤いのが手配した※、と考えようとしても「無いものは用意できない」ちゃうかなー、と。
(※その場合、テログループに銃器が渡ったのは最近ってことになるので違うか)
まずどこで作ってる?どこか戦争してるってこと?軍の払い下げであろうともその行方は追跡されるんちゃう?
演習終了後、薬莢と弾丸の数が合わなかったら大騒ぎになる世界じゃないのか?
作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。
多分これ、原作(活字)なら勝手に補完されてたことが、映像になることでアラが出てしまった例な気がする。
アラって書くと失礼かな、映像化に際して美術の練り込みが甘いというか。
そこへもって総集編でしょ?「そんなこと描いてる暇なんか無い」と言われてるみたいで、う~ん。

透明化して侵入も「上に花びらが積もる」とか描いて欲しかったんだけどねぇ。
手間かかって大変なのは分かるけど、世界観に対して拘りが薄いというか、ホント事務的にアニメ作ってるだけって印象になって…う~ん。

そして新展開の6話感想。
HIEのタイプ名(カテゴリ名)レイシア級と個体名レイシアが一緒なのがちと紛らわしい気がするけどまぁいいや。
レイシア級の最優先目標は自己の保身で、個体ごとに手段はバラバラで、中には人間を利用することも辞さないってのも居るって感じだろうか。
自己の保身は最後の最後まで与えてはいけないものだと思うんだけど…コントロール下に置けなくなる(「あ、これ失敗だ」となっても処分できない)のは明白じゃん、と。
まぁそうしてしまった世界ってことなんでしょう、まいっか。

人間と作り物の違いがどうたらの問答、それ自体は構わないんだけど、「アニメキャラにそれ言わせる?」とメタ的なことを思ってしまうのは野暮だろうか。
そっち方向に話進んだ方が面白い気がするけど、そんなこと無いよね。
ってか小物に未来的ガジェットがほとんど見られなくなってしまったのが気掛かり…「そこまで細かく美術やってる暇なんか無い」って言われてるみたいでのう。
総集編のせいもあって「未来世界を描いたアニメとして大丈夫か?」って疑惑が段々と強まってるワケですが…ホント大丈夫かな?{/netabare}

20話までの感想{netabare}
あーあ、言わんこっちゃない。
6話までの感想の段階で
「作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。」
と指摘しました。
また、主人公周りの仲良し男3人グループにそれぞれ妹が居て、そいつらも親交があるってのは“普通ではない”と受け取ってしまい、妙なことを考えてしまうワケで。
子供を産む数や性別まで管理されてる?ヘタしたら自然分娩も行われてない世界なのかな?とかね。
で、そんな「どんな世界だかようワカラン」ままストーリーだけは進んで…

14話で唐突にスラムや売春宿的なものが登場

やっぱ居るんじゃーーーーん!!
遅い、遅すぎる、もっと早くに入れるべきでしょー。
この描写がないと何がマズいかっていうと「なんでも自動化できるようになったら人間は働く必要があるのか?」っていう、それだけで一つの作品が書けるような設定になっちゃうワケで。
かくいう自分は、欲しいと思った物は全て機械が自動で用意してくれるようになったら、人間はただひたすら無気力になるんじゃないかなーと思ってまして。
要は貧富の差が無くなる、不満が無くなる、欲が無くなる、争いごとが無くなる。
んでもって「そこまでは行ってない」ってのを示すためには「じゃあ不満持ってる連中→働かないと生きていけない連中→貧困にあえぐ連中」を出しておけよと。
ぶっちゃけこの世界の人間は何で働いてるのかワカラン、どんな職業が存在してるのかワカラン。
ケンゴの実家だって、本来はHIEに任せれば済むところを「拘り(趣味)があって自分で料理作ってる」って描写してたじゃーん?
そういう意味でないなら何故あのシーンを挿入したと。
そうしてる間にストーリーだけは進んで、レイシアの目的が語られます(まだ嘘かも知れないが)

資源の再配分

えええ、今更?
繰り返しになるけど「これだけのテクノロジーがあるならとっくにそれは済ませてるんじゃね?え、そこまで至ってないの?」と戸惑ってしまい、どうにも唐突で…。
農業…ってか生産業なんて全部HIEがやってる世界じゃないのか。
不労収入をディスってたが、働かずとも暮らしていける世界って理想郷じゃないのか。
現実ではそのために搾取される人間が居るのがアカン訳だけど、それをHIEが引き受けてくれるなら問題解決じゃね?
あとは自己実現でも目指して趣味に没頭すればいいじゃん。
繰り返しになるけどケンゴの実家はそういうことを表現したシーンじゃなかったのか…本来お店の業務はHIEに全任せして遊んで暮らせるところを、拘り(趣味)で自分(親父=人間)でやってるだけ、ってことじゃないのか。
身の丈に合わせて慎ましく生きてりゃいいのに「もっと暖衣飽食したい」と欲望を広げる既得権者を打倒するって話?
ぶっちゃけアラトもそっち側の人間だよね?、貧困者に同情するシーンとか無いし。

それと上記の考えと同時に別のツッコミ──別っていう割にはリンクしてるんだけど──もずっと頭に浮かんでて。

ハードウェアとソフトウェアがちぐはぐ。
「ちぐはぐな世界を描いた作品」ってことではなく、場面によって設定が変わるというか。
一番あれー?と思ってるのが、HIEとヒトの中間的存在、要は部分的にサイボーグ化した身障者が居ない。
腕だけサイボーグ、足だけサイボーグ…もっと深化して脳以外サイボーグってのも居ていいんじゃね?
HIEとヒトとの対立だか融和だか、とにかく二極に分かれての意見の衝突なら、間を取り持つ・ないし板挟みになって心揺り動かす中間的存在がいた方が良い気がするんだが…。
ひょっとしてそのポジが妹?もしくは眠り姫?と思ったがそんな気配は今のところ無い。
アラトは幼い頃事故に巻き込まれて云々ってのもあったので「実はその時に?」って可能性もあるけどオチに持ってくるようなもんじゃないだろう。
つかレイシアみたいなアンドロイドがあるなら、人型であることを捨てた作業用ロボットもっと出すべきじゃね?
なんで人型ってペナ負ってるのに最強やねん。
「こんなこともあろうかと」とばかりに後から後から新装置出しまくるし…それ作ったのも機械?原料の仕入れ先は発展途上国?
何もないところに電流通せば小麦粉や金塊が生えてくるって世界じゃあるまい?


で、上記の文句って結局は(役職の名前よく知らんが)背景だか美術だかが頑張ってれば回避できたことなんだよね。
6話までの感想と大差無いんだけど(6話の時点で見抜いてたことになる?)、「アニメスタッフにそこまで頑張ってる余裕が無い」ってのが諸悪の根源で…。
乱暴なこと言っちゃえばどんなにストーリーがつまらなくても“近未来的面白ガジェット”がしっかり描かれてたら一定の評価はしちゃうねん、自分は。
けどそれが無い、そこまでやってる余裕が無い。
そのせいで結局は世界観がよく掴めず、出される情報は唐突になり、とても茶番めいたものに成り下がってしまった。
もはやストーリー以前の問題になっちゃって…原作者もこれは苦笑いなんじゃ?
しっかしなんつーか…「現場は大変」ってのは同情するべきなのか?
まさか…今はアニメの数が多すぎるって問題提起をするためにワザと自爆かました?とさえ思えてきたり。


悪い点ばかり書いてしまったので良かった点。
レイシアは元は試作機で、完成一度頓挫した中後継機が作られて、そのノウハウで完成したのがレイシア(だからレイシア“級”って総称がありながらレイシアが最後機)とか、作成順で性能差が出るネタとかは好きでした。
とはいえそれの魅力を存分に表現しきれてたかというと…う~ん。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
放送後回しになった残り4話見たけど感想は↑で書いたのと一緒。
未来がどうとか世界をどうとか、そんなこと言われても「現状がどうなのかがワカラン」、その世界での「今現在」の描写が弱くてどう変えたいのか・どう変わったらヤバいのかとかが全くワカラン。
この世界では人間は働いてるの?どんな職業があるの?
もうここからワカラン事態なので、ホント分からん。
同じこと繰り返すばかりになるのでもう止めとく。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

科学の子

高度AIや、それに駆動されるアンドロイドが社会に入り込んだ世界。

メカ的な技術設定を練るのではなく、法律体系に組み込まれるアンドロイドという視点から世界設定を作り上げているのが斬新だ。
直接に現代社会を反映し、現代的な問題へ通じる巧妙な設定はSFの王道とも見えるが、ラノベアニメ的なフレームがその斬新さの発揮を妨げているようで、少し残念だ。


日本のTVアニメの第一号は『鉄腕アトム』だが、「お子様向け番組」のその最初期から、既に「人間とロボットの関係性」=ロボットと人間を分かつもの、道具とロボットとの差異性、人間によるロボット支配の根拠、などなどの主題が既に盛り込まれていた。
社会的な問題意識をアニメに盛り込むことを嫌うアニメファンも少なくないようだが、仕方がない、TVアニメは、その始祖からしてそういうものだったのだ。

『アトム』と同様に、人間とアンドロイドの混淆する本作の「世界」は、「社会の構成員としてのロボット」という、『アトム』以降にあまりアニメが注目していなかった領域を数十年ぶりに復活させたようだ。

そのTVアニメの始祖において、人間とロボットの関係は、しばしばマイノリティ差別やレイシズムの比喩として用いられ、時には奴隷労働のメタファーでもあった。
が、21世紀の本作の「世界」では、ロボット=AIアンドロイドの位相は、複雑にねじれている。

法的に、いわば人間に奉仕する存在として規定されている本作のアンドロイドは、一方で人間の上に立ち、人間の行動を管理するものでもある。

かつて、日本で海外労働者と言えば、半合法的な疑似的な奴隷労働者のようにイメージされることが殆どだった。
ジャパンマネーを目当てに、日本人のやりたくない汚れ仕事を這いつくばって求めるガイジン労働者。
今でも漠然とそう考えている人も多いようだが、現代の国際競争力を省みれば、低賃金の日本人労働者を効率よく働かせるよう「管理」するためにやってくる管理専門家のほうがリアリティがある。
カルロス・ゴーンのような「管理者」は、欧米人だけでなくMBA取得の東アジア人であってもおかしくないのが今日のリアリティだ。

一方的に奴隷的「奉仕者」であった『アトム』のロボットと、「奉仕者」と「管理者」に分裂する本作のアンドロイドの位相差は、こうした時代的な位相差に対応している。


「管理者」兼「奴隷労働者」のAIアンドロイドと「人間」の関係を表現しているのが、主人公の妹だ。

見た目が美少女でおいしい食事を提供してくれるなら、出自がどう見ても怪しいAIアンドロイドでも、平然と、何の葛藤もなく差し出される料理を口にしてしまう妹は、餌をくれるなら給餌員が誰であろうと関心を持たない豚小屋の豚=家畜のようなものだ。

何も考えずに満腹して陽だまりでまどろむ自堕落な満足に浸りこみ、その満足がどのようなものに支えられているかに無関心な妹は、ゼロ年代論壇の「動物化した人間」そのものであるといってもいい。

妹の自堕落な「動物化」=家畜化を支えているものは、大きく言えば「法体系」だといえる。

半ば家畜化しながら、真の「家畜」のように最後に処分される不安を覚えることなく「奉仕」として疑問を持たずに受け入れていられるのは、消費者=契約の「主体」は「人間」であるという法律体系が基礎にある。

契約が可能であるのは、主体が「自身に関するすべてのことを、合理的に判断し決定する能力を持つ」近代的な「人間」であることを前提としているからだ。
「自身に対する決断の全責任を負える」近代的な人間の契約は、どのようなものであっても有効であるという前提が、すべての商取引=消費を支える。
民事的な契約主体の「人間」観は、民法や商法のみならず、すべての法体系=社会制度の基礎となって、社会を動かしている。

この「自律する人間」が否定されるとしたら、すべての社会制度とともに、すべての商取引=契約=消費も根拠を失って崩壊するだろう。
だが、「自律した人間」が、自身を管理する「面倒」を外注して世話して「もらう」契約を欲望するとき、「自律」性はどこに行くことになるのか。

半ば家畜化して、「自律した」人間から逸脱して事実上の「動物化した」妹が、契約主体として消費を続けていられるのは、崩壊を回避する社会システムの本能が、「空洞化した人間」の空洞化した自律性を「見ないこと」にする欺瞞を必然化するからに他ならない。
事実性に注目して人間の動物化=非・人間化を承認すれば、「人間」を主体とするすべての経済活動や社会関係は無効化する。

現行制度では「主体」ではないAIが無条件に「人間」に奉仕することは、逆に、「人間」の「主体」性が変化していないと擬態する、ある種の「詭弁」でもある。

おそらく作中の大多数の人間を代表している妹が、平然と消費者=奉仕を受けるものとして自堕落に飽食していられる背景には、このように社会の構造変化と過渡期性のバランスがある。


契約において、「人間」は、自律して判断力のある近代的な「人間」=有効な契約主体であるとみなして、契約の有効性を担保しようとする倒錯は、主人公がAIアンドロイドとの「契約」において、現実のアプリやソフトウェアのインストールに似た、「同意」を求められるシーンにも表現されている。

それは、ラノベ的な「スーパーガールとボクのトクベツな絆」のように見せかけながら、それだけにとどまらない。

AIアンドロイドを含めたすべての機械類の操作や作動において、全責任は主体である「人間」がとるという「契約」の原則は、主体が空洞化して「動物化」した実態から目をそらして、契約それ自体の有効性を成立させるための欺瞞ともいえる。
が、誰も読み通せない膨大な契約条件の最後に「同意」を強制する現実のアプリのインストールと同型的であるように、「自律した主体」の自由意思での契約という建前を通そうとする現実を、意識したものでもある。
誰も予測できない未来の瑕疵や損害を「自己責任」の名目で使用者に「同意」させる現実の欺瞞と、判断能力が空洞化した「動物化」した主体に「自律した」人間としてAIアンドロイドの責任を引き受けさせる「契約」の二重化。

主人公とAIアンドロイドとの「使用者責任」を巡る「契約」は、ラノベ的な「美少女との約束」と見えながら、近い将来にAIによる自動運転車が人身事故を起こした際に、すべての人間が直面することになるだろう。

こうした、「契約」を有効化するために無理やりに「人間」を「自律した人間」とみなそうとする欺瞞は、作中の「アナログ・ハッキング」にも表れている。

この設定の不快な印象は、人間の意志の捻じ曲げを、「自分の主体的な判断」であると思い込ませるところにある。
契約は、「自律した」主体が「自由意思」で結んだものでなければならないという法律体系が、事実上の「洗脳」を、「自発的な意志」に見せかける気色の悪い欺瞞を生む。

作中の「世界」において、このアナログハックがさほど問題視されている様子がないのは、これが現実世界の広告代理店と同じことをしているだけと、視聴者には直観されるためだろう。

普通の消費者が広告代理店にいかがわしさを感じているのは、消費者に無理やり商品を売りつけたい本音が透けて見えながら、法体系の建前から、消費者が「自分の判断で」その商品を選んだように意志を操作しようとするねじれが明らかだからだ。

アナログハックは、まさにこの代理店的な欺瞞を表現している。
こうして「自律性」を掘り崩される現実世界の人間が、作中の「妹」を代表とする人間たちの描写を裏付ける。


だが、こうしたすぐれて現代的な諸要素が、いまひとつ説得的に前景化してこないのは、戦闘美少女のバトルというラノベアニメ的なフレームに囚われているからであるように見える。

問題意識の塊のような「妹」の造形も、ラノベ的フレームでは単なる「能天気」キャラに矮小化されてしまう。

主人公に敵対する各陣営は、上述の問題意識に自覚的に見えはする。
問題意識があればこそ、「現状」の社会への敵対行動として現れるのだから。
だが、戦闘美少女のバトルに縛られている結果、問題意識同士が前景化して激突する事態には至らない。

なにより、全体の枠組みを「戦闘美少女と、特権的につながっている取り柄のないボク」というラノベアニメ的設定に定めているため、アンドロイドに人格を見るような主人公の設定も、主役AIアンドロイドに「好意」を寄せるためにする不自然な方便のようで、『アトム』的なロボットと人間の融和を主導するわけでもない。

ラノベアニメ特有の文法に縛られる結果、主人公の立場を「ともかく戦闘を否定して現状を維持する」以外の地点に持っていくことができない。
近代的「人間」の「尊厳」を主張するかのような主人公の立ち位置は、「闘争」をあらかじめ絶対悪として禁じるラノベ的制約にとらわれている以上、単に闘争しない現状維持の日常を絶対視しているだけとしか印象付けられない。

社会の根本におかれた根源的な矛盾を構造化した「世界」で、敵対勢力がその矛盾に向き合っているのに、主人公がラノベ定型であれば、いくら悩んでいるように見せかける描写が続いたところで、単に武力衝突について「のみ」逡巡しているような矮小さから脱することはできない。
原理的な社会矛盾がそこかしこに暗示されているのに、主人公が必死にそこから目をそらし続けているような印象ばかりが残る。

その先に見えるのは、主人公に都合のよい結末しか迎えることがないという予定調和だ。
それは、いかなるものであれ、「自律」を失った「人間」が否定されることのない、「動物化」した人間の自堕落さに直面することのない「世界」だろう。


法体系にAIを組み込んだ「世界」は、法治社会において「科学」がもたらすAIと人間の矛盾にまで踏み込んだ舞台を、用意はした。
が、舞台の上の「物語」が、ラノベ様式ではなくSFであったなら、と思わずにいられない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
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