兄弟で独裁者なTVアニメ動画ランキング 2

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82.3 1 兄弟で独裁者なアニメランキング1位
無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (959)
5794人が棚に入れました
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。このフレアは「ゲドゥルト・フェノメーン」、プラズマ雲は「ゲドゥルトの海」と名付けられた。2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡り少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、火星圏から土星圏、天王星圏へと当てのない逃避行を続けていく。

声優・キャラクター
白鳥哲、保志総一朗、関智一、桑島法子、丹下桜、氷上恭子、檜山修之

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

無限の鬱SF漂流記(93点)

個人的満足点:93/100点
アニメ系統:鬱系SF

サンライズが送り出したテレビオリジナルアニメ。
全26話。
コンセプトモチーフは「SF十五少年漂流記」。

監督は谷口悟朗氏、ルルーシュ、スクライド、プラネテスなど数々の名作を送り出した監督である。
その谷口氏の初監督作品がこの「無限のリヴァイアス」である。

自分がアニメを見て初めて本当の鬱を味わった作品でもある。
とにかく衝撃的な作品だった。
当時、アニメでここまでやっていいのか?とさえ思った。
完全に子供向けじゃないだろうと。
(今でこそ、色々な意味でやりすぎなアニメは沢山あるが)
鬱系を好物としている私だが、このアニメを観た後はかなり鬱な気分にさせられた。

SFの舞台設定で物語りは展開するものの
大筋では少年少女達の人間関係、心理状態が描かれている。
その少年達の心理描写が非常によく物語に引き込まれてしまう。
少年達の閉鎖空間での極限の心理描写がドロドロとしていて秀逸。
いや、至高といってもいい。
是非、少年たちの心の葛藤を観ていただきたい。

正直、鬱系が苦手な方には全くおすすめはできない。
万人向けではないものの、それでもそれでもお勧めしたい。

放送から10年以上たっていて作画等は今に比べれば
見劣りはするものの十分視聴できるレベルであろう。
そういう補正がかかった評点になってはいる。
個人的には歴代5本の指に入る名作。
現在でも鬱系最高峰のアニメと思っている。

できれば皆様にも1度観ていただきたいものである。


とまあ、色々書いてきたが
つまり何が言いたいかというと
 
「例え傷ついても…俺は、
  誰かを傷つけたくなんかないんだ」

 いやいやw是非観て鬱になってくれw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 56

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

リアルな社会構造と心理描写

オリジナルアニメーション。

宇宙開発、宇宙災害が進んだ未来の物語。
何者かの仕業により、リヴァイアスという宇宙船に閉じ込められた、487名の子どもたち。

子どもたちだけの社会。
子どもたちだけの自治。
閉鎖された空間、危機的状況で、どのように社会構造や心理が変化していくかを描いた作品です。


鬱アニメとして挙げられることの多い本作。
たしかに、夕方にやっていたアニメとしてはちょっとヘビーかもしれません。
しかし、「鬱」と付くほどではないと思います。
一般的なシリアスアニメの範囲内かと。
後味も決して悪いものではありません。


見どころは生々しい人間心理の表現。
宇宙空間が舞台ですが、リヴァイアスは言わば巨大な監獄。
閉鎖環境での心情変化を扱っており、SFにしては非常に現実感あふれるものとなっています。
権力争い、集団心理やパニック状態の描写は見事なものです。
映画ではよくありますが、アニメでは珍しいのではないでしょうか。



ジャンルとしては群像劇です。

主人公はいますが、主人公らしくありません。
あくまで悩みに悩むひとりの少年。
特殊な環境に置かれながらも、

・弟との対立
・親友との関係
・恋人の存在
・社会の中での立ち位置

こういった、身近な葛藤が語られています。

しかも、出来事は主人公の思惑とは関係なく、淡々と流れていきます。
主人公は、徹底的に平凡な少年として描かれているんですよね。
何もできずに、周囲の人間から文字通りたたかれることも。
何でもかんでもひとりで解決してしまうキャラとは、対極をなす存在です。

したがって、俺TUEEEを望んでいる人にとっては、拍子抜けするかもしれません。
しかし、芯の強さはしっかりと描かれていますし、心情変化の代表をなす存在。
それに、その他の登場人物も、だれひとりとして完璧な人間が存在していません。
眉目秀麗、才色兼備のキャラクターですら、その弱さをさらけ出しています。

まあ、人によっては「キャラクターに魅力を感じない!」となりそうです。
しかし、私としてはおおいに評価できるポイント。
そういった「弱さ」こそが、少年少女の情緒不安定さ+極限状況という環境をよく表していると思うからです。


最後までハラハラドキドキさせられた展開。
入念な人間心理や社会構造の描写。

古めのアニメですが、もっと評価されて欲しい作品のひとつです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃厚すぎる人間ドラマで描く鬱アニメ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはヒューマンドラマ・SFです。
監督は「コードギアス」「プラネテス」「スクライド」で知られる谷口悟朗氏。
じわじわと首を絞めていくような鬱展開なので視聴には注意が必要です。


航宙士養成所リーベ・デルタが襲撃を受け制御不能となり宇宙に放り投げられる。
それを修正するために大人たちが次々に犠牲となり、リーベ・デルタには子供ばかり478人が残る。
危機的状況の中、リーベ・デルタ内に「黒のリヴァイアス」なる外洋型航宙可潜艦があることが判明し、それに避難し出航することで全員一命を取り留める。
ここから少年少女たちの残酷な旅が始まる…。


一見すると本格SFにロボットが含まれた感じに思われますが全く違います。
この物語は「長期間の閉鎖空間における人間心理と関係性」を中心に描いています。
あまりにも人間の負の感情を臆面もなく描いているため、暗いヒューマンドラマというのが一番正しいでしょう。

群像劇で描かれており、主要人物たちの心情描写が秀逸です。
群像劇では「花咲くいろは」などが有名で良くできた作品ですが、本作も引けを取っていません。
異常なキャラ立ちは凄いの一言。
最初の内はまあまあ平穏に過ごしているわけですがだんだんと雲行きが怪しくなっていきます。
478人もの人が何か月も閉鎖空間の中にいたら、いったいどうなるでしょうか?


以下考察と感想。
{netabare}食料が絡むとやはり人間は大変なことになります。
暴力、実力主義、合理主義。
人権なんてくそ食らえ。
リヴァイアスの中だけでも大変なのに、加えて謎の敵が襲い掛かってきます。
膨らむ船内の不安によって、被害者視点しか持たない多数の子供たちは精神がやつれてきます。
さらなる暴力が起こり、だんだんと無気力になっていく。
特権階級に対する嫉妬、些細なことに対する怒り、ストレスによる破壊衝動。

イクミが「普通にしろ!」と叫ぶシーンがありますが、これが一番難しい。
あれだけの人がいたら「自分はいいだろ」という気持ちになってしまいます。
授業中一人がしゃべりだしたらみんながしゃべりだすような感じです。

あとこのアニメで私が一番きつかったのはなんだかんだでこずえが襲われるところです。
彼女の依存性、わがままっぷりは確かにいらっときますが、だからと言ってあれはあんまりですよ。
事件の後、彼女はイクミと相互補完の形になり、性格も急にしおらしくなります。
ラストではその依存から自分を解き放ちました。{/netabare}


ほとんどの主要人物が物語の最初と最後で印象が変わる、なかなか珍しいアニメです。
また死んだり、グロいことになったりもしません。
でも、凄く暗い気分になりますw

難点としては、やたら同じ声優がいろいろなキャラの声を担当していることです。
恐らくあまり声優に詳しくなくても気になると思います。
ここら辺はちょっと古いアニメだからしょうがないかもね。


総括して、あまりに心情描写が丁寧すぎて、それがために鬱アニメになっちゃったという感じです。
人間は追い込まれたらこんな感じになりますよという縮図を、精神がまだ未熟である子供を使って表しているように見えました。
決して人にはお勧めできない作品です。
でも個人的には好きw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 52

63.3 2 兄弟で独裁者なアニメランキング2位
超電磁マシーン ボルテスV(TVアニメ動画)

1977年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (28)
129人が棚に入れました
角の有無が階級を運命付けるボアザン[9]星。ラ・ゴールは皇帝の甥(弟の長子)として皇位継承の資格を持ちながら、角が生まれつきなかった為失脚。妻・ロザリアとも引き裂かれて労奴に落とされるが、反乱を起こし、星から脱出。地球に落ち延びて科学者・剛光代に救われる。ラ・ゴールは光代と結婚して剛健太郎と名乗り、本編主人公となる三兄弟を儲け、浜口博士や防衛軍の岡長官と共にボルテスや基地ビッグファルコンの建設に着手。一方、ボアザンでラ・ゴールとロザリアとの間に生まれていた皇子ハイネルは、“裏切り者の子”と後ろ指を指され、皇帝ズ・ザンバジルへの忠誠を証明し実の父を倒すべく地球攻撃を決定した。かくてボルテスとボアザンの獣士との壮絶な死闘が繰り広げられる事となる。

声優・キャラクター
白石ゆきなが、曽我部和恭、玄田哲章、小原乃梨子、上田みゆき、市川治

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

天空剣Vの字斬り 超電磁ボールVの字斬り

長浜ロマン3部作と言われる3年にわたるロボット作品の2作目

1977年 全40話 製作日本サンライズ 
原作 八手三郎 監督 長浜忠夫 キャラデザ 聖悠記

前作コンバトラーⅤよりさらにストーリー性を重視したかった長浜氏は「父をたずねて三千里」という提案をしたという
対して東映側はお涙頂戴作品を回避するため、宝塚系超絶美形キャラ「プリンスハイネル」を提案し、単なる勧善懲悪ではない大河ドラマを要求した

ボルテスチームの設定資料によると、主人公の剛健一は15歳、岡めぐみは13歳とあるがあり得ない 両者とも20歳くらいの外見である
この作品は敵方であるボアザン帝国の描写が秀逸であり、革命の主導者ラ・ゴールが真の主役である

19話までの絵コンテに「とみの喜幸」という名が見られるが、もちろん富野由悠季氏であり、実質副監督副原案であったと言われる
ただし、ザンボット3の制作のため途中降板となる
第2話の衝撃的悲劇など前半は冨野節が見られることも特徴

14000光年の彼方、さそり座の球状星雲内にある恒星系の惑星がボアザン星
ボアザン帝国皇帝ズ・ザンバジルが絶対君主制を敷いている
地球よりはるかに文明の進んだボアザン帝国が侵略を開始した理由は、国内の不満のはけ口を外に向けるためで、ボアザン文化の伝播を名目に邪魔な貴族を異星侵略に派遣した

ボアザンの科学の地球への流入と最強兵器ボルテスⅤ、ソーラーバードの開発はリアルに描かれ見せ場ともなっている
ボアザン人と地球人は同じであるという設定も見えてくる

ボルテスチーム 郷3兄弟、峰一平、岡めぐみ
ボアザン侵略軍 プリンス・ハイネル、リー・カザリーン、ルイ・ジャンギャル、ド・ズール
対峙する戦力は全く公平に描かれ視聴者にストレスを与えない

時系列も複雑に入り組み、ボアザン人ラ・ゴールとその仲間たちと地球人の交流、そして愛と結婚も描かれる
 
当初予定されていたカザリーンの妹と剛健一の悲恋ストーリーはカットされたが、次作の設定に回されたと考えられる

東映プロデューサーである飯島敬はこの作品の物語についてこう語った
「身近にある様々な差別に対する怒りを強烈に引き出し、本作を通じて差別を憎みそれを是正することを視聴者に考えてほしかった」

本作の重要なキーとなったラ・ゴールの妻ロザリアは美しくもはかなく描かれ忘れられないキャラとなった人も多いと聞く

そして感動のラストへ
ハイネルとカザリーンの愛は!!!!
ハイネルに語りかけるボアザンの守護神ゴードルの声は長浜忠夫氏があてた

この作品がフィリピンで放送されたときは、マルコス独裁政権下で視聴率80%以上を記録し放送を中止したという
その直後にフィリピン革命がおこり、革命軍の象徴として担がれた

アニソンの女王堀江美都子が歌うボルテスⅤの歌 フィリピン人で知らない人はいないそうです
堀江女史がフィリピン政府の招待を受けた時にはすべての信号が青になるという最高の国賓待遇で大統領をはじめとする高官が出迎えたという
安倍晋三夫妻がフィリピン訪問時は少年合唱団がボルテスの曲を歌ったとも

★堀江美都子について若い人は知らないでしょう 
あしたのジョー、キューティハニー、宇宙戦艦ヤマトなど日本人なら誰でも主題歌を知っていました
しかし、それらは音楽とはみられていなかったのです
初めてアニメ主題歌がメガヒットして日本独自の音楽として認められたのは76年のキャンディキャンディ(堀江美都子)だったのです
レコード会社の社長曰く「日本に偉大な歌手が二人いる、美空ひばりと堀江美都子だ」(当時10代)ボルテスの歌はその半年後
この事実は隠蔽されました だから誰も知らないのです
こういった業界の意に沿わない存在はオタクとして卑下され、何か恐ろしい陰謀が起こったような気がします
日本独自の文化、それは外人が教えてくれたものだったんです★

アニメには人の心を動かす力があります
時によっては一つの国の運命をも変えてしまうのです

この作品はわたしのNO1のアニメですが、お勧めできるのかどうかいまだにわかりません

酷い雑文で申し訳ありませんが熱意だけでも感じてもらえたらと思い書きました 読んでいただきありがとうございます

★の部分を追記しました


ボルテスⅤの歌が不評??
天使の歌声堀江美都子は漢の歌に専念するためにキャンディキャンディを封印したそうです
イベントでのリクエストを拒否すると多くの客が帰りだしましたが、歌い続けたと言います

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

天神 羅愚羅 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

だのになぜ めぐり合えぬ 父の影

けっこう深いストーリーだったよね(゜-゜)
 
ちょいと調べてみたら「天空剣」あれは企画書がすべて出され、作画も開始された直後
唐突にスポンサーから「必殺技を剣にしなさい」と、一方的に通達されたらしいですね(゜Д゜)
それまでは主要武器は銃でお話が進められていたそうです(゜Д゜)
そのため、射撃の名手、主人公の健一は弟の大次郎に剣の特訓を受けるといったエピソードが
追加されたりしたそうです(゜-゜)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 10

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

親から続く因縁。

コンバトラーVに続く、「長浜ロマンロボット3部作」の2作目ですね。
この作品の設定として敵勢力に当たる異性人には普通
頭に角が生えているというものでした。
また、敵のエースキャラと主人公5人のうちの3人が異母兄弟という設定です。
更にこの敵のエースキャラが美男子だというのも話題でした。
ちなみに3人兄弟で格好良いと言えるのはメインの長男のみで、
次男はおデブちゃん、三男はまだ子供でした。
話のバックグランドにある敵勢力のボアザン星と言う星は、
王政主体による貴族制が敷かれており、
貴族の証として角が生えているというものだが、
主人公(及び敵キャラ)の父(同一人物)には
王位継承権があるにもかかわらず、角が生えていなかった。
このように主人公サイドだけでなく、敵サイドにも
重たい過去を持たせ、その二つが悲しくぶつかり合うことが
長浜ロマンの醍醐味でした。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6
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