クリスマスアニメ映画ランキング 10

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のクリスマス成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番のクリスマスアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.0 1 クリスマスアニメランキング1位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (666)
3437人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドブネズミは美しかっただろうか?

劇場版オリジナル


それは年の暮れのこの物語と同様に全くの偶然でした。
・・・ともったいぶる必要はなく、年末に録り溜めてたものを観忘れていたのを思い出してついぞ最近観ましたというやつです。

私にとっての初“今敏”監督作品になります。
タイトルだけは記憶にあって、とはいえ氏の作品とは知らずにOPクレジットを見て気づいたくらい。
その氏についても早世したアニメ監督らしい、程度のニワカ全開、先入観なし状態で鑑賞突入です。

絵は独特。このタッチはけっこう好き。
ん?劇伴がたまに邪魔してセリフが聞き取りづらい。
声は職業声優さんではないのね。劇場版あるあるなのでそのへんはスルーしよう。


≪クリスマスの奇跡≫タイプの作品、と使い古されたモチーフながら、主人公がホームレスの三人という面白い組み合わせ。
ひょんなことから捨てられてた赤ん坊を拾った三人が、赤ん坊の親を探しにいく道中で、ハプニングが起こりすったもんだしながら、自身の過去にも向き合い、最後は≪クリスマスの奇跡≫タイプらしい、ちょっと心温まる終幕を迎えた良作でした。

おそらく監督も狙ってたのかもしれません。
多少のご都合主義は“クリスマスだしね”で私の場合納得しました。基本、ちょろいんです。
それで手に入れたのがテンポの良さ。92分あっという間です。すったもんだは一つや二つではありませんでしたが、ありえない都合の良さで見事に収束していきます。エンタメはこれくらいでいい。


そしてテンポの良さと相性がいいであろうドタバタコメディやアクションムービーといった方向にあまり舵を切らなかったのがこの監督のすごいところなのかもしれません。
ホームレス三人の主役たち。ギン(CV江守徹)、ハナ(CV梅垣義明)、ミユキ(CV岡本綾)の過去を掘り下げます。赤ん坊という家族の幸せの象徴みたいな存在を媒介にして、宿無しに身をやつした経緯とそれぞれの家族への思いが明かされていく中盤以降がなんとも心に沁みるのです。
本作とそれほど変わらない時期に公開されてる実写映画『ホテルビーナス』とも共鳴するような

{netabare}“社会の底辺から愛を叫ぶ”{/netabare}

心の繋がりを描いた物語でした。社会の繋がりの最小単位である“家族っていいよね”が根っこにあるので、クリスマス映画としての評価が高いのも頷けます。

{netabare}それぞれ三人に帰ることのできる場所を用意してあげたのもクリスマスらしくて良いですね。{/netabare}

なによりそれぞれの家族がいるのと同じいやそれ以上に、このギン、ハナ、ミユキの三人もひとつの家族でした。っていう家族愛をちょっと斜めから捉えた視点もけっこうお気に入り。

社会の最底辺から社会の最小単位を見つめた本作。
監督の他の作品にも興味をそそられますし、テーマや絵柄、そして先述のテンポの良さとクリスマスムービー的な立ち位置を鑑みると、非ヲタ一般人の敷居も低そうな作品です。



■この声あてなら不問
・その1 ハナちゃん
 梅ちゃんの起用は卑怯。そのまんまですやん。
 {netabare}「ろくでなし」熱唱。いつ鼻からピーナッツ飛ばすかワクワクしてたぞ!{/netabare}

・その2 ミユキ
 岡本綾さんがキャスト名に出てきてビックリ。
 当時めっちゃ好きでした。活動期間短かったのも「あの時期の人!」って感じがして懐かしさを誘う。


■日本のホームレス
諸外国と比較し恵まれてます。残飯にはありつけるしダンボールハウスを敷設できる材料や場所に事欠かず、共○党に頼めば党にほぼピンハネされますが生活保護にもありつけます。
ガチで底辺ではあるものの日本社会は優しいし、働けとは思いますが、それはそれでいいと思ってます。海外はそうはいきません。まぁ悲惨の一言です。
また、そういう環境からなのか文化の土壌の違いからなのか、私は後者の影響が強いと思うのですが、日本のホームレスは“良心”が残ってるほうでしょう。

この物語はホームレスが人として大事なものを失ってないよね、が土台となってる話になるので、そもそもその設定を受け入れられる背景がなければ成立しなかったんじゃないかなあ、と感じます。



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2019.08.03追記

視聴時期:2019年2月初頭
その後、今監督の作品を3作立て続けに観てどれも面白かったです。
そんな素敵な出会いのきっかけを与えてくれたのが本作でした。
ご都合主義なところはクリスマスが免罪符ってことで良いと思います。
今度は12月に観ることにしようかしら(^^)



2019.02.10 初稿
2019.08.03 追記

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

3人のホームレスは捨てられた赤ん坊を見つける

ジャンル        :アドベンチャー、コメディ
原作          :今敏
アニメーション製作 :マッドハウス
監督          :今敏
脚本          :信本敬子、今敏
キャラデザイン    :小西賢一、今敏
音楽          :鈴木慶一

参照元        :Wikipedia「東京ゴッドファーザーズ」

【あらすじ】
 元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾う。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かける。 Wikipedia「東京ゴッドファーザーズ あらすじ」参照

【特徴】
①冒険
②家族、ハートウォーミング
③明るい
④雪の積もる冬の東京が舞台

【特徴の説明】 
①あらすじに記載したところから物語りは始まる。しかし、行く先々で・・・
②マフィア映画ではありません。あらすじから想像し易いかもしれませんが、家族をテーマにした作品だと感じました。
③涙する場面もありますが、ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキの3人は世知辛い世の中を前向きに生きており、基本的に会話のキャッチボールは明るいです。
④防寒着無しでは生活できないシチュエーションですが、それがかえって②③を一際温かいものに感じさせてくれました。

【総括】
 面白さをガツンと感じられる作品でした。物語は複雑で難しい訳ではなく、衝撃の展開によりテンポ良く次々に進みます。また、この衝撃が想像を超える展開となり飽きさせません。そして特徴②に挙げた通り、所々感動させられる場面によって素直に良いと思える物語になっていると感じました。因みにキャラクターデザインは一般向けなので、そこはご理解下さい。


【思った事・蛇足】

タイトルに『ゴッドファーザー』が入っているので
ヤクザ映画、もしくはアウトローを描いた物語だと思っていました。
それに
「ゴッドファーザー愛のテーマ」から珍走団のイメージが浮かんできて
ヤンキーの抗争物ものとも思っていました。


けれど違いました。
3人はホームレスになってしまった理由があり
苦悩しながらまがりなりにも生活をしています。
そんなある日のクリスマスに
偶然捨てられたし赤ちゃんを見つけるわけですが
この赤ちゃんには幸運の女神がついているのです。


この幸運の赤ちゃんによって
3人に待ち受ける運命はどうなってしまうのか
という物語。






これは良い話だ。
なんかジーンと来るものがありました。


観終えた後
『ゴッドファーザー』を調べたら
東京ゴッドファーザーズというタイトルの意味も分かりました。






それにしてもTVのロードショーで放送されていないのでしょうか。
物語自体は誰が見ても絶対に良いと思える内容なんでしょうけど
ホームレスが登場するとなると画面映り悪いからでしょうか。
それにもしかすると
視聴者がミユキ以上の年齢じゃないとウケが悪いのかもしれないのでしょう。
何と無くですが
地上波で放送されない理由はこれらの事情かもしれませんね。


最後です。
本作の魅力を上手く伝えられませんが
兎に角温かい。
そして
兎に角面白い。
まだ観ていない方は是非!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ホームレス3人組のコメディ調冒険活劇in真冬の東京

故・今敏監督のアニメ映画で2003年の作品です。
「パプリカ」や「パーフェクトブルー」は浅はかと言い張る
ちょっと偏屈なアニメというより映画マニアの友人から勧められて視聴しましたw

「あらすじ」(知っている方は飛ばしてください)
酔っぱらいの呑んだくれおやじのギンちゃん、
元ドラァグクイーン(男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種)のオカマのハナちゃん、
そして家出女子高生のミユキ。
新宿でホームレス生活を送っているこの3人がクリスマス・イヴの夜に
ゴミ捨て場に捨てられていた赤ん坊を発見する。
子供を育てることが夢であったハナちゃんは赤ん坊に勝手に「清子」と命名するも、
やはり実の親を探そうとホームレス3人組が真冬の東京を奔走するという物語。

上記の通りこの作品には、格好良い主人公も可愛いヒロインもいません。
いるのは、小汚いおっさんと同じく小汚いおっさんのオカマと
お世辞にも可愛いとは言えないホームレス女子高生の3人です。
そして舞台はファンタジー世界でなく真冬の東京です。

設定からしてすさまじいです。
全然わくわくするような話じゃないって思うかもしれません。
けれども下手な冒険活劇なんかより余程冒険しちゃってますw
すげーわくわくさせられます。もう単純におもしろい。

このホームレス3人組はそれぞれ複雑な事情を抱えており、
ホロリと来る人情話もあれば、ド派手なアクションもあります。
3人のやりとりなんかにクスリと笑ってしまうこともしばしば。
これぞまさにエンターテインメントです。

3人が清子を拾ってから行く先々で様々な奇跡が起こります。
ご都合主義とも言えるかもしれませんが、
それは「これはアニメーションだよ」ということを強調するために
意図的にそうした演出にしたようです(友人談)
真偽の程は定かではないのですが、どっちでもいいでしょう。
まぁクリスマスの奇跡ってことでw

日本のアニメ映画と言えば、ジブリ作品や最近では細田守監督の作品が有名ですが、
それらの作品に決して負けてないクオリティ、そして感動がこの作品にはあります。
いや、それ以上と言っても決して過言ではないでしょう。(但し全盛期のジブリ作品を除く)
辛いことがあって悩んでいたり、落ち込んでいる人には特にお勧めです。
元気をもらえますよ。

この作品を観て僕は今敏監督が亡くなったことは日本アニメ界にとって
あまりに痛すぎる損失だったということを改めて実感しました。
紛れも無く天才、間違いなく本物。
そしてこの作品を始め今敏監督の作品は後世まで語り継がれていくでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 47

75.2 2 クリスマスアニメランキング2位
かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-(アニメ映画)

2022年12月17日
★★★★☆ 4.0 (159)
534人が棚に入れました
秀知院学園の生徒会で出会った
副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行。
2人の天才は長きにわたる恋愛頭脳戦の末、
お互いの気持ちを伝え合い、“奉心祭”で初めてのキスをした。

しかし未だ明確な告白には至っておらず、
恋人同士になるかと思われた2人の関係性は曖昧なまま、
お互いをより強く意識して、クリスマスを迎えることに。

“完璧でありたい”白銀と、
“完璧じゃない”所こそを求めるかぐや。
これは天才たちによる、いたって“普通な”恋の物語。

ファーストキッスは終わらない。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

揺れ動く乙女心のデフォルメ

クリスマス編(原作未読)のアニメ化作品をTV放送に先駆け劇場上映する企画。

【物語 4.0点】
白銀会長とかぐや副会長。
文化祭でのファーストキッスという決定的な恋のビッグイベントを越えてもモヤモヤした生徒会の2人。
クリスマスの喧騒を前に2人の心を掘り下げることで課題を明示。
さらには恋愛に頭脳を使うことの意義も問い直す。
外面は華やかなクリスマスムービーだが、内容は内面的な恋愛作品。

弱さを隠して高嶺の花と並び立ちたい白銀。
弱さも含めて全部曝け出して欲しいかぐや。
論点は典型的な男女のボタンの掛け違い。
ですがメイン2人の幼少期回想も含めた内面整理は丁寧。
これまで、もどかしいと思っていた“恋愛頭脳戦”泥沼化の深層もクリアになり納得。

過去のシリーズサブタイトル・1期『~天才たちの恋愛頭脳戦~』→2期で打消線。
本作にて仮面(ペルソナ)で本心を隠し合う恋愛頭脳戦そのものが2人の恋愛成就の障害となり得ることが示唆され味わい深さが増しました。

3期『-ウルトラロマンティック-』はカッコいい所を見せたい白銀の究極到達点。
これを受けた本作は素朴で普通のロマンティックを求めるかぐやのカウンター。
対比によりこちらもコクが出て来ました。

そして本作の『-ファーストキッスは終わらない-』も含蓄があります。
(※核心的ネタバレ){netabare}ファーストキッス後のモヤモヤ&ドタバタを締めたセカンドキッス。胸キュンでした。{/netabare}


【作画 4.0点】
自在なデザインでパロディ含めた各種ギャグに対応する多彩さは相変わらず。
それにしても、{netabare}激レアな幼女キャラ・かぐやちゃんがスクリーンに現れた時はどうなることかと思いましたw
身長低すぎて髪の毛とリボンしか見えなかった時は、贅沢な画面の使い方だなと苦笑w{/netabare}

加えて、かぐやのキャラ発現に応じて色彩から変容する背景美術も心情表現を好アシスト。
“氷のかぐや姫”の背景は体感温度も寒かったです。

瞳による心理描写も繊細。
孤独の理由を紐解かれた氷のかぐや姫の赤眼は一段とさみしげに見えました。


【キャラ 4.5点】
ヒロイン・四宮かぐや。
キッスの衝撃を経て、笑撃のかぐやちゃんを始め、“氷のかぐや姫”も乱入および再顕現し、
脳内法廷は紛糾w

こんなん男からみたら混沌とした乙女心にしか見えずに対処に空回りするのは必然。
乙女心のデフォルメが上手すぎてツボにハマります。

対する白銀御行がカッコつけたい理由に
{netabare}母に認められたかった{/netabare}というトラウマが追加されたのも収穫でした。
会長がアホになることが恋愛頭脳戦終結の鍵と感じました。
(いや、もうかぐやちゃんと一緒にアホ化してるかw)


こじれる2人を見兼ねて?{netabare}かつて、かぐやに恋の病を宣告した“ヤブ医者“も再登場。
少年患者にも中々いい意見(オピニオン)出しますね。ナースさんの方も。{/netabare}


同時並行で脈が続く石上&つばめ先輩。
つばめの回答猶予要請についても恋愛経験由来の慎重さであると占われ、
こちらも内面掘り下げによる土台固めは順調。

【声優 4.5点】
今回、特に素晴らしかったのが、四宮かぐや役の古賀 葵さん。
“氷のかぐや姫”の冷酷ボイスから、新アホキャラ・かぐやちゃんの可愛らしい“効果音”までカバーする幅広い芸当。
脳内裁判を繰り広げる原告被告証人裁判官まで一手に引き受けるセリフの物量も圧倒的でスクリーンを制圧。

【音楽 4.0点】
心情曲からパロディ要素まで手広く対応するシリーズBGMは100曲を突破。
今作ではクリスマスムードも付加。
石上会計のシーンで、何かの原住民音楽が鳴り響くのがジワジワ来ますw

OP主題歌「Love is Show」は鈴木 雅之さんが4作連続。
ゲストボーカルに、ももクロ・高城れにさんを侍らせ、キッス以後も続く白銀会長のロマンティックを熱唱。

ED主題歌は鈴木 愛理さんが「heart notes」で3期から連投。
さらに挿入歌として投入されたhalca「ロマンティックマニフェスト」は{netabare}フェイクED演出{/netabare}の役割も果たす。
いずれも、かぐやの心情を汲んだ良曲。

OPの白銀による先制攻撃、EDのかぐやの反撃という歌詞世界の図式。
今回はかぐや側を2段構えにすることにより、3期で仕掛けた白銀への、かぐや様の猛反撃の構図を際立たせる。

【余談】
一応、近年稀に見るくらいS○X連呼する(苦笑)クリスマス恋愛映画ですが、
観客にカップルは1組だけで、あとは私含めて、むさ苦しい男どもばかりw

だが、これでいい。
この作品において浮かれたムードを醸すクリスマスは、
かぐやが望む素朴な恋の障害として敵役となる、白銀のウルトラロマンティックな見栄の暗示にも感じます。
だからこそ(※核心的ネタバレ){netabare}かぐや→白銀への告白もクリスマス後に突発的に行われる。{/netabare}
イブに向けてムードを高めていきたいカップルにはオススメし辛いですw
むしろ{netabare}正月とクリスマスを悪魔合体する藤原家の奇祭{/netabare}でムードぶち壊しまであると懸念しますw
幸せに酔いたいカップルの皆さんはこんなん観てないで、渚&翼を見習って素直にランデブーしましょうw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

F・Kは終わらない!けど完結???

原作未読です。これで完結なのかな?ついに終わってしまうのかな?
もうちょっと「早くどっちか告っちゃえよ!」とツッコんでいたかった・・・
好きなアニメの好きなキャラのハッピーエンドって本当は嬉しいはずなんだけど、このアニメだけはまだまだハッピーエンドになって欲しくない!
なぜなら、そこまでの過程がとても面白いから。もっと生徒会のみんなの
ドタバタな生活を覗いていたい!そう思わせてくれる作品って実は少ないかもしれない。全期通して素晴らしいラブコメだと思いました!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロマンティックは、ちょっと寂しい

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第3期までは視聴済です。
原作は赤坂アカ先生…
赤坂アカ先生と言えば、現在大絶賛で放送中なのが「【推しの子】」ですよね。
この物語の面白さも相当ヤバいですが、YOASOBIさんの楽曲「アイドル」の勢いが止まりません。
何せ本楽曲はオリコン、Billboard JAPANの両チャートにおいて、史上最も早くストリーミング1億回再生を突破した楽曲となったそうなので(wikiより)。
まぁ、【推しの子】の話はそちらのレビューの時に改めたいと思います。

そう言えば、このかぐや様と【推しの子】って、接点があるそうなんです。
私は原作未読なのでその接点が良く分かりませんが、かぐや様で接点の分かる部分をアニメ化してくれると嬉しいです。
まさか、これで終わらないでしょうから…


特別で普通な二人のクリスマス。
凍り付いた心は、
雪の降らない東京に空に溶けていく。
ただいま、ラブコメディ――

秀知院学園の生徒会で出会った
副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行。
2人の天才は長きにわたる恋愛頭脳戦の末、
お互いの気持ちを伝え合い、“奉心祭”で初めてのキスをした。

しかし未だ明確な告白には至っておらず、
恋人同士になるかと思われた2人の関係性は曖昧なまま、
お互いをより強く意識して、クリスマスを迎えることに。

“完璧でありたい”白銀と、
“完璧じゃない”所こそを求めるかぐや。
これは天才たちによる、いたって“普通な”恋の物語。

ファーストキッスは終わらない。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いやぁ、今回もメッチャ面白かったですね。
これまでは、ここちゃん演じる藤原千花や石上優が面白さのポテンシャルを引き出している傾向が強いと思っていましたが、流石メインヒロイン…かぐや様がちょっと本気を出すと、こんなにも面白かったんですね^^;

事の始まりは秀知院文化祭・奉心祭でのキャンプファイヤーの一幕。
白銀とかぐやはそれぞれ相手に対して一歩踏み出しました。

ただ、かぐやの踏み出した一歩があまりに大きくて…
それを知らずにチャレンジできる度量が凄いと言うか…
本当に白銀を好きじゃなきゃ出来ないことであることは間違いありません。
好きなら、もうそれで良いじゃない…シャンシャンと物語を締めくくることも出来たと思いますが、かぐら様のプライドがそれを許しませんでした。

所謂後日談というヤツなのですが、これがかぐらを相当にこじらせていましたね。
普段と態度の違うかぐらのあおりを受けて白銀もおかしくなってしまうし…
どちらもプライドだけは富士山並みに高いんですよね。
どっちもその前にただの高校生だと言うのに…

まぁ、分からなくもありませんよ。
本心を知られるのが怖い、とか、自分から認めてしまったら相手に有利な立場を与えてしまうんじゃないか、とか…
でもこれらは、全て付き合う前までの話。
次第にそんな気持ちは薄れていきますよ。
何故なら、そんなことより大事なことが沢山あるんですから。

そう考えると、キャラの設定が【推しの子】と真逆に思えてきました。
嘘が溢れかえっているのが【推しの子】なら、この作品には巧妙な心理戦はあるものの、基本全員嘘吐きではありません。
こういう設定を考え出せる赤坂アカ先生はやっぱり凄い!
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、鈴木雅之さんとフィーチャリングボーカルは高城れにさんによる「Love is Show」
エンディングテーマは、鈴木愛理さんによる「heart notes」

ということで、全4話しか無かったので視聴はあっという間でした。
現時点で続編情報ありませんよね?
原作も完結しているようなので、ラストまでアニメ化されるのを期待いています。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

計測不能 3 クリスマスアニメランキング3位
グリンチ(アニメ映画)

2018年12月14日
★★★★☆ 3.8 (8)
25人が棚に入れました
 この子の名前はグリンチ。友達も家族もいないからいつもひとりぼっち。グリンチは、ずっとさびしい毎日をすごしていた。
 オトナになったグリンチは、他人の幸せがだいきらい。村はずれの洞窟で誰とも会わずに暮らしハートの大きさは普通の人よりずっとずっと小さくなった。
 そんなグリンチが、なかでも一番きらいなもの。それは・・・村中が幸せな気分に包まれるクリスマス!!しかも今年のクリスマスはとっても豪華になるらしい・・・
 もう我慢できないグリンチは、あるとんでもない作戦を思いつく。そうだ。村からクリスマスを・・・盗んじゃえ!!
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

フーの村の素敵なクリスマス +++

 吹替版、字幕版、見たです。クリスマスまでに見ると良いかもしれないです。

 ひねくれ自己中、クリスマス嫌いのグリンチが、フーの村の人達を困らせようと行動をしたです。けれど、心に変化が起き自分が、何を求めていたのかに気づいた展開だったです。

 雪景色、村の風景、展開なかなかだったです。自分的には、字幕版の方が、言葉はわかんなかったけど、良い感じに思えたです。音楽、歌がやはり違うです。吹替版とで、グリンチ周辺の文字の違いにも、注目です。

 性格の悪い平和なものが嫌い、ひねくれグリンチな展開に見えたです。愛犬マックスに対する態度、出会ったトナカイ、本人は覚えてないようだったけど再び出会ったシンディー・ルーと話したとき、絶望するはずだった村人の行動を見たときのグリンチは、根っからの悪人にはとても見えなかったです。

 働いているわけでもないのに、大量の食糧を買うことができ、いろいろな発明品を作ったり、衣装を作りいろいろな作業具を持つグリンチは不思議だったです。
 ソリのように盗みを繰り返していたのでしょうか?です。

 いろいろな発明品は、非常に面白かったし、魅力的だったです。人間でないのは明らかだけど、何の生き物なのでしょうか?です。

 トナカイのフレッドや特に愛犬マックスとの友情を描いた場面は、良かったです。

 グリンチが、クリスマスを盗むということはどういうことなのか?です。それをした時グリンチは、幸せになったのか?、そこが最大の注目点だったです。
 グリンチがシンディー・ルーや村人のやさしさに触れた時、自分の求めていることに気付いたシーン、行動が良かったです。
{netabare} そんなグリンチを受け入れ、向かい入れたシンディー・ルーたちの大団円は、HAPPY ENDだったです。{/netabare}これでいいのだです。
 

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

70.5 4 クリスマスアニメランキング4位
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(アニメ映画)

1994年10月1日
★★★★☆ 4.0 (49)
420人が棚に入れました
「シザーハンズ」のティム・バートン制作・原案・キャラクター設定によるファンタジー。ハロウィン・タウンで、来る日も来る日もハロウィンの準備をしているガイコツ頭のジャック・スケリントン。そんな日々に疲れも感じていたジャックが偶然迷い込んだ別の町。そこは毎日が喜びと楽しさに満ち溢れたクリスマス・タウンだった。クリスマスに魅せられたジャックは早速ハロウィン・タウンでもクリスマスを再現しようとするのだが……。D・エルフマンのスコアに乗せて繰り広げられる異形のミュージカル。ジャックをはじめ、幽霊犬のゼロ、ジャックに恋するツギハギ人形のサリーなど、あまりにも魅力的なキャラクターたちは多くの観客を虜にすること請け合いだ。監督はしていないものの、ある意味、もっともバートンらしい作品だろう。それにしても“クリスマスに憧れるハロウィン"とは、何というイマジネーション!

声優・キャラクター
ダニー・エルフマン、クリス・サランドン、キャサリン・オハラ、ウィリアム・ヒッキー、グレン・シャディックス、ポール・ルーベンス、ケン・ペイジ、エド・アイヴォリー

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

サンタクロースになりたがったジャック

ティム・バートン監督作品。

ハロウィンの国の王子がウッカリ開けた扉の向こうで観たものは。覗いたクリスマスの国で衝撃を受けたジャック。なんて夢に溢れ、なんて希望に満ち、なんて華やかで楽しそうな平和な世界。おれもやるぜ、クリスマス!みんなもやろうぜクリスマス!ビバ・クリスマス!トリック・ア・メリィークリスマス!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

しかしジャックは生粋のハロウィン男なわけで、クリスマスごっこに興じてやる事なすこと、不気味な恐怖の笑いへと渦巻いてゆくわけです。
この辺のドタバタさがツボ。みんなが楽しいことしてたり家族向けのお祭りなんか見かけたりすると「チッなんだよ、そんなもん」て少なからず斜めに思っちゃう節がある方には、笑える箇所盛りだくさんだと思います。さびしんぼめ!


ジャックが付け焼き刃なクリスマスごっこでサンタクロースになろうとした結果

“…人には、向き不向きがあったぜ…餅は餅屋だぜ…” 囧rz

“あなたはあなたのままが、すてきよ。あなたにしか出来ない仕事があるわ。” //_o\

っていうお話。

描写やアイテム設定の細かさが観ていて楽しいですね。ヒラヒラ走る骨犬可愛い。
悪いブギーなヤツのふてぶてしいダンシングに見惚れます。

ダニー・エルフマンによる音楽もミュージカル調で賑やかで、抑揚がドラマチック。セリフがそのまま歌になりオーケストラの被さった楽曲、とてもノリ良くカッコ良いので、サントラおすすめです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17
ネタバレ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ブラックジョークなクリスマスパーティも良きかな

原題:The Nightmare Before Christmas
公開:1993年10月29日
監督:ヘンリー・セリック
脚本:キャロライン・トンプソン
原案:ティム・バートン
製作:アメリカ
時間:76min

1993年ティムバートン製作のストップモーションによる
ファンタジー・ホラー・ラブロマンス・ミュージカルアニメーション

リズム良く進行すストーリー展開にゆったりと身を任せ

徐々感情移入したればサリー(Sally)の献身的な切なき可愛さに力強きエールを送る候。

こーいう絵面が日本のアニメファンにもっと受け入れられるようになるといいな。
{netabare}
さすれば
たとえば「アーヤと魔女」なんかの皆さんの評価もほんのちょと変わってくると思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

70.8 5 クリスマスアニメランキング5位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (101)
380人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

彼女の素直な気持ちが伝わってきます

実写には表せないSF感はアニメの長所です。
そして、アニメに多い中学生、高校生ではなく、大学生と社会人(消防士)の恋愛にある意味新鮮さを感じてしまいました。
一緒に歌うおのろけソングはとても印象に残るシーンです。私的には羨ましく感じました。

幸せなシーン。悲しいシーンが随所にありますが、アニメとしての表現の仕方、アニメによって悲しいシーンも映像によってちょっとだけ優しい感じに。また逆も然りで表現できるのアニメの良さを充分に用いているように感じました。

結論としてはエンターテインメントとして非常に優れた作品です。
もっと宣伝しても良かったのではないでしょうか。

本日レンタルで久しぶり観ましたが、やはり楽しかったです。
パッケージは完全に夏ですが冬のシーンもあるので12月に観ても問題なしですよ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋愛とオムライスを食べたくなる良作

別の作品を見に劇場に足を運んだら
そっちが完売していて
仕方なく空いてたこちらを見ました。

結論から言うと見て良かったです!
かなり楽しめました~♪

タイトルからも予測がつくように海が舞台のアニメです。
消防士のヒーローと、もう一人のヒーローが出会い
触れ合って、愛し合って、
そして波に乗って旅立つラブストーリーです。

正直な話、序盤は「もうお前ら爆発しろ!」しか思いませんでしたw
まぁ花火は爆発しまくっててなんていうか
{netabare}こんな輩がいるなら花火なんて無くていい{/netabare}
と思った次第っす…なんていうかウェーイ系にしてもあれは酷い…

ただ、二人は{netabare}花火で出会い、花火で別れる{/netabare}ので
二人には必要だったのかも知れません。

絵柄は凄く優しくてストーリーに良く合ってます。すごく好きです。
波の表現も優しいタッチで、海に行きたくなります。
音楽はテーマ曲がしつこいぐらいに繰り返しですw
ただ二人で歌っている時はすごく幸せそうで、
時折、笑いながら歌う感じがとても自然で
ほんとうに素敵なカップルだなと思いました(早く爆発しろって思いましたw)
ミュージカル的な要素なのかな?港はあまり歌うまくない設定なのかも
声優も凄くよかったです。特にひなこ。
(あと妹も{netabare}引き籠り{/netabare}っぽい感じが良く出てて良かったです。)
歌が紡いでた。ずっと前から二人を紡いでた。すごく良い歌と歌声でした。

とにかくx100 オムライスが食べたくて仕方がなくなりました(え?)
コーヒーも飲みたくなったなぁ…久しぶりに旨いコーヒーでも飲みに行こうかなー

ただ、{netabare}フラグ乱立{/netabare}しすぎたんですよね…
物語は急展開を迎えます。いきなりのファンタジー要素追加ですw
(いきなりすてーきなファンタジー要素)
このファンタジー要素、結構好感もって見れました。
色々な苦悩と、逃避と、お互いの想いと…
だけど最後には立ち止まっているヒーローを波に乗せるためそっと背中を押す。
いきなりだったけど素敵なファンタジー要素です♪

確かに、恋しないなんて馬鹿のする事だなって思ったので
皆さん素敵な恋をしようじゃありませんか!



で、こっからはネタバレ全開なので、まだ見てない人はブラウザバック
{netabare}
まぁ序盤はほんとに爆発しろって思ってたんですけど、
港があんな事になって、「爆発しなくて良いから返して」って思いました。
それは港じゃなくて、ひなこを返してって思いました。
陽気でざっくばらんで天真爛漫で明るくてとても魅力的な女の子
それがあんなになっちゃうなんて…泣きそうでしたっす
だって{netabare}便器に向かって話しかけちゃう{/netabare}ようなのって
自分がはたから見てたら「大丈夫かこの子?」って思っちゃいますよ。

皆ひなこの事を心配していて、友達もバカップルとか言ってたのを謝ってた…
友達の異名が気になる所ですがそこは触れないでおいてあげましょうw

しかし、なんであんなにフラグ乱立するかなー
おいら鈍感な方だけど、あそこまで乱立されたら流石に分かるよ。
{netabare}「あ、これこっから急降下して鬱展開なるやつだ…」{/netabare}って

・自分の苗字になったらどうすんだよ
・ヒーローになった動機の説明
・じゃあ同棲でもする?
・おばあさんになってもずっと守るよ

うん。回避不能なぐらい立てまくったね。このフラグを折るのは難しいw
だけど、そっからファンタジー要素入れて
鬱な展開になりすぎないようにした構成は素晴らしかったです。

オムライスは終始うまそうだった。なんか無性に食いたくなった。皆逃げてー飯テロよー
最初の段ボールの所でずっとヒヤヒヤしてたけど、
結局おっぱいの下敷きになって「そうなると思った」って思いましたw
ライフセーバー合格で結局お祝いはオムライス
そして、妹の渾身の掌返しw セリフが逆になったのは本当に良い演出でした♪
でもまぁ、するのもバカだと思いますよーw 妹も立派なバカップルw

そして1年越しのメッセージ…さすがに泣きそうになったっす
狙ってるんだろうからってのと劇場だから必死に堪えました。
ひなこが歌おうとして、さらに追い打ちかけてくるんだもん。正直危なかったw
願わくばひなこに良い出会いと素敵な恋が待ってますように…
{/netabare}
次はきっといい波が来るはずです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マーメイドヒーロー

世界中の恋に焦がれる女性とリア充カップルに、この夏、絶賛オススメのファンタジック・ラブストーリー。

《物語》

海岸沿いの町に越して来たサーフィンの大好きな女子大生「向水ひな子」。
冒頭、彼女を遠目に眺めながら
「あのコ、僕のヒーローなんだ」
と語るイケメン消防士「雛罌粟港(ひなげしみなと)」。
彼が狙ったかの様な展開で二人は恋仲になります。
前半30分ほどは二人の仲睦まじくなるさまを見せつけられるんですが、二人の描写は嫌味がなくキラキラした爽快感にキュンキュンできます。
(注!女性と二人でカラオケに行ったことのない男性にはイラッとくるかもしれません~)
中盤、港に起こる悲劇から物語は一転します。
ここからがハートフルな脚本を書かせたらハズレ無し、吉田玲子さんの真骨頂。
悲しみにくれるひな子を、ファンタジーな仕掛けを使って優しさと可笑しみで包み込み、観客の心まで温めてくれます。
冒頭の港の言葉に隠されたひな子への想いが、彼女へは勇気を、観客には感動を与えてくれます。
ラスト、いつまでも変わらない愛にホロリとしながらジンワリと心地よい余韻に浸れることでしょう。

《作画&演出》

湯浅政明監督と言えば、私が観た過去作「ピンポン」「デビルマン・クライベイビー」などから、シンプルなキャラクターデザインを伸縮自在に操るアニメーションらしい大胆な演出が印象的なのですが、今作ではキャラのデフォルメは抑え気味。
その分、二人を繋ぐ「水」に魂を吹き込むかのような演出が巧妙になされています。
様々な形で描かれる水の表現は、時にコミカルに時に繊細にキャラの心情を盛り上げ、ここぞのシーンではダイナミックな動きでキャラのハイテンションぶりを際立たせます。
クライマックスのタイトルにちなんだアクションシーンは圧巻です!

また、背景作画は80年代のオールカラー漫画「ハートカクテル」を思い出す鮮やかさで、ラブストーリーに華やぎを添えてました。

《キャラクター》

主役二人は文句の付けようのないベストカップルでこれ以上言うことなし。
残る主要登場人物、港の後輩消防士「川村山葵(わさび)」、港の妹「雛罌粟洋子(ようこ)」も良キャラです。
山葵の頼りないながらも実直なところがどんどん好感が持てるし、なんと言っても洋子のツンデレっぷりが可愛い♪
彼女だけは、この非オタ向け作品の中で萌えブタ心を満たしてくれました(^^;

《声の演技》

主要登場人物は全員俳優さんが演じていて、このあたりも非オタ向けアニメ作品ではありますが、女性二人は本職声優さんと比べても遜色のない演技をされてたと思います。
特に松本穂花さんのツンデレハスキーボイスは好みでした♪
男性の主演お二人はイケボなんですが声質が被るのがまず残念。演技も平板に感じ、同じ俳優でも同監督の「夜は短し歩けよ乙女」の星野源さんは上手かったな~と改めて感じました。

《音楽》

水と共に二人を繋ぐ曲「Brand New Story」
爽やかな曲調の中に切ないトーンが混ざり、歌詞も作品にピッタリ!
元AKBでもあるひなこ役・川栄李奈さんが何度も口ずさむ冒頭のフレーズは、様々な感情が込められてて、クドくても飽きません。
声の演技では申し訳ないコメントをしましたが、EXILE系ユニットのボーカルを務める港役・片寄涼太さんの歌声も素晴らしくエンディングは聞き惚れました。

《最後に》

本作は私のように「君に届け」や「アオハライド」などの王道少女漫画もいけるクチなら男性でも大いに満足できるのですが、オッサン独りでは気恥ずかしくも・・
アニオタ男性の皆さまは、非オタ女性を誘ってのデートに本映画鑑賞を組み込み、アニメの伝導と貴殿のポイントアップにお役立てください~(^^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

61.4 6 クリスマスアニメランキング6位
聖☆おにいさん(アニメ映画)

2013年5月10日
★★★★☆ 3.5 (137)
731人が棚に入れました
ブッダとイエスが、下界のバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート(風呂なし・ペット禁止)の一室で「聖」(せい)という名字で暮らすという設定で描かれる日常コメディ。

声優・キャラクター
森山未來、星野源、鈴木れい子、来宮良子

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ブッダとイエスが立川で暮らす日常コメディ

ブッダとイエスが立川でアパートで暮らしているというぶっ飛んだ設定の漫画が原作のアニメです。作者は「荒川アンダーザブリッジ」でも人気の中村光先生です。「荒川アンダーザブリッジ」も2度もアニメ化されており有名ですね。

このアニメの見どころはやはりイエスとブッダならではの聖人でありながら立川という街で庶民的に暮らしているというギャップですかね。
舞台となっている立川の描写も良く描けていたと思います。

主題歌はブッダ役でも声を担当している星野源さんです。星野源さんは「夜は短し歩けよ乙女」でも声優してますね。今作でのブッダの芝居も良かったですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

水咲 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

TV放送もして欲しい

原作は2巻まで読んだはずですが、あまりにゆるゆる過ぎてほとんど内容を覚えていませんでした。
完結したらまとめて買おうとずっと待っています。

そして映画の方もゆるゆるです。
最初は何でプロの声優を使ってくれなかったんだ…って思ったくらいのなかなかの棒っぷりでしたが、えらくゆっくり時間が進む感じが、「まぁ、これでもいいんじゃないかな」と納得していまいました。
悪い風に言えば、「テンポが悪い」なのかもしれませんが、それがこの作品の醍醐味だと勝手に思ってます。
主人公はこの聖☆おにいさん方、ブッタとイエスなのですが、言葉遣いがナヨナヨしてるので今流行り(なのか知りませんが)のホモだのなんだの言われそうな感じです。
しかし聖人をそんな風に見てはいけない!
あと熱心な宗教家の方からお叱りを受けそうな感じかなーと思いますが、個人的には面白ければ何でもいいので知ったこっちゃありません。
で、そのナヨナヨした喋り方が結構笑えます。
プールでの台詞、「もういい、歩いちゃう!」とか結構ツボりました。
お祭りのエピソードは近所の子供達に視点が当てられてて、そこは正直ちょっと退屈でした。
原作はどうなっているんでしょうか。
1巻か2巻に収録されてるのに忘れてるのか、3巻以降のエピソードなのかよく分かりませんが、全体的に見てすごく良かったです。
声やゆっくりしたテンポで観る人を選ぶかもしれませんが、観れると思った人は頭すっからかんにしてお茶をすすってせんべいを食べながら、是非観て欲しいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

71.3 7 クリスマスアニメランキング7位
思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★☆ 3.7 (61)
282人が棚に入れました
偶然出会ったタイプの全く違う【朱里】と【由奈】、朱里の義理の弟の【理央】と由奈の幼馴染の【和臣】は同じマンションに住み同じ学校に通う高校1年生。理央に憧れる由奈、朱里に言えない想いを抱える理央、秘密を抱える朱里、ある秘密を目撃してしまった和臣。それぞれの思いは複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違っていき――切なすぎる恋が動き出す。

声優・キャラクター
鈴木毬花、潘めぐみ、島﨑信長、斉藤壮馬

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

痛くて苦しくて、傷つけて踏み続けて

視聴前 少女漫画原作かぁ

視聴後 やっぱ私少女マンガきらいじゃないな

この話は全然タイプの違う女の子と偶然仲良くなった話
ジャンルは恋愛・学園・生徒
まずいいます。個人的には割と好きです。
少女マンガの何が面白くないかというと、少女漫画特有のご都合主義だと思うんですよ。あのご都合主義を取り除いて文を再構成したらきっとマシになるはずなんです。
そして本作。現実にも程がある。いや、果たして現実でこんなことがあるのか、私にはわかりかねますが、多くの人が想像している少女マンガとは違ったものを感じました。
少女マンガは少女のみが許された禁断の聖書だ、と中二の従姉妹がほざいていましたが、なかなか大人は足を踏み入れづらいですよね。まぁそれでも本作の壁は破っていいかなと思いますよ。
超がつくほど恋愛メインの話です。コメディシーンもあるっちゃありますが、少女マンガのノリなのであまり期待せず。故にこういう系に慣れてない方は悶えるかもしれません。前のカップルが映画を見た後より一層イチャイチャしてたのが腹立たしかったですが、ソレほどまでに本作は人間の恋愛心(果たして存在するのか)に鑑賞してくる作品でした。本作を見れば学生に戻りたいと一瞬でも必ず思います。

キャラはとても好きです。出てくるネームドキャラは全員ちゃんとした個性を持ち、物語に不可欠な存在となっています。超好印象。特にあかりちゃんが超可愛い。もう可愛い。語彙力がなくなるくらい可愛い。繊細のくせに自分の気持ちを抑えちゃって変に気遣ってしまう性格はたまらなく好きです。超かわいい。

どうでも良いかもしれませんが、このタイトル本当にすごいと思うんですよ。ジャンルの予想が容易にでき、あえて連用形で終わることで、続きを気にならせる、という手法。なおかつ(というか本命で)語感が最強。口に出したときの心地よさはエグい。

原作は咲坂伊緒さん。ストロボ・エッジやアオハライドの原作者ですね
監督は黒柳トシマサさん。船を編むなどの監督をされた方ですね
脚本は吉田恵里香さん。刀剣乱舞花丸や神の塔の脚本をされた方ですね
キャラデザは山下祐さん。うさぎドロップや終末のイゼッタなどのキャラデザをされた方ですね
劇判は野見祐二さん。耳をすませばや猫の恩返しを担当された方ですね
アニメ制作はA-1 Picturesさん。

作画は良かったです。雨の作画や光の演出など、難しく細かい作画なども丁寧に表現されており、臨場感のあふれる絵となっていました。動きも丁寧でしたし、ちゃんとものすごく鮮やかな作画で好印象です。
主題歌はBump Of Chickenさんの「Gravity」個人的にはもう少し違った曲のほうが良かったです
声優さんは豪華でした。キャラとよくあっており、キャラの魅力をひきたてていました。

総合評価 面白かった。やっぱ少女漫画は定期的に読むと面白い

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

セーラー服ってやっぱかわいいねぇ。

いやまあその変な意味じゃなくて。
まあ変な意味にとられてもいいすけど(笑)。

いやなんか久々かなって思ってですね。
花咲くいろは以来かなとか。

花咲くのセーラー服もよかったですけども、思い思われのもなかなかよかったであります。

おしまい。


…と、ここでレビューを終えたらただの変態さんになってしまうのでもうちょっと書き足します。


この咲坂伊緒ゆわはる漫画家さんの話はいずれもビッグヒットしてるのですが、どうもなんかこうアレなんですよねぇ。ボク的には。

おもんないってわけやのうてですね、ボクなんかの高校生時代を振り返ってみてみると著しくリアリティにかけとんですよ。

いや、おのれのしょうもない高校時代と比較して見てどないするねんなとすかさず突っ込まれるのを承知で申し上げますと、あまりに遠い世界の話過ぎて、こう実が入らんのですよ。


しかしながらスマッシュヒットを繰り出す咲坂作品の数々には見る人大勢の人にとって魅力があるからこそだと思いますので、おそらく世の中の人らはこおゆう遠い世界の話に胸をキュンキュンさせるものなのだとゆうですね、そおゆう結論にいたっております。

まま、絵はきれいだし、キャラはどの子もかわいいし、歌はバンプだし、非の打ちどころは基本的にはありません。


とゆうわけで、すごい感動するとかそおゆうのンではなくて、いわゆる美男美女がくっついては離れ、離れてはくっつきするとゆうそおゆうハナシなので、そおゆうハナシが大好きな人にはムフフなアレかと思います。


あとセーラー服が好きな人にもおすすめです(やっぱり変態さんだ)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

雨のち雪、そして

四角関係恋愛物語。
思春期の揺れる感情を丁寧に描いています。
少女漫画原作だから、物語は予想通り王道。
もつれた関係が少しずつ解けて行くようなストーリーです。

天候が物語に彩りを加えます。
しとしと雨や降りしきる雪が心理描写を効果的に表現。
雨降って地固まる、冬は必ず春に。
人の世って、そういう風に出来ているのでしょう。

キイパーソンは消極的な性格で恋愛を知らない由奈です。
序盤はイラっとするけど、アカリやリオに触発され成長する。
もともと素直な性格で人を思いやることのできる由奈。
「どうせ私なんか」を克服できれば強いです。

大切な気持ちをなかったことにする。
そんな所にすれ違いが発生します。
はっきりと言葉にして自分の感情を表現すること。
それが幸せへの近道なのでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

66.1 8 クリスマスアニメランキング8位
ブレイブウィッチーズ ペテルブルグ大戦略(アニメ映画)

2017年5月13日
★★★★☆ 3.6 (40)
272人が棚に入れました
1930年代、欧州を中心に突如出現した人類の敵「ネウロイ」。通常の兵器による破壊が困難なネウロイに対抗できるのは、ウィッチと呼ばれる、特殊な魔法力を持った少女たちだけだった・・・。「ブレイブウィッチーズ」は「ストライクウィッチーズ」第1期と第2期の間の物語。1944年9月、第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」を中心とした連合軍の活躍で、ガリア共和国上空のネウロイの巣が消滅、欧州西部の安全が確保された。これを機に、連合軍は本格的に欧州中央~東部方面への反抗作戦を計画。オラーシャ帝国ペテルブルグに基地を構える、第502統合戦闘航空団「ブレイブウィッチーズ」にも出撃の命が下されようとしていた…。人類の希望を背に、勇気あるウィッチ達が、東欧の寒空を駆け巡る。

声優・キャラクター
加隈亜衣、大橋歩夕、門脇舞以

69.3 9 クリスマスアニメランキング9位
劇場版美少女戦士セーラームーンS かぐや姫の恋人(アニメ映画)

1994年12月4日
★★★★☆ 3.9 (25)
224人が棚に入れました
 巷に一大ブームを巻き起こしていた変身ヒロインアニメが、晴れて二度目の劇場アニメ化。 車に轢かれそうになったところを助けてもらい、命の恩人であるその青年・宇宙翔に恋してしまった黒猫のルナ。彼には宇宙飛行士である恋人・姫子がいたが、病に侵された自分は余命いくばくもないと悟っていた。だが、以前拾った流星の結晶が人間の生体エネルギーを吸い取っていることに気付いた翔は宇宙から飛来する侵略者スノー・カグヤの存在を察知。姫子の身を案じ、月へと向かう彼女を制止しようとするが力尽きてしまうのだった。スノー・カグヤに立ち向かうセーラー戦士たちに勝機はあるのか? そして、翔を想うルナの心は何をもたらすのだろう? シリーズ第3作『S』の劇場版ということで、新たな人気ヒロインはるかとみちるも登場するが、出番は多くない。代わりに本作で主役級の扱いなのはなんとルナで、あっと驚く人間姿への変身を見せてくれる。
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

強い想いが起こす月夜の奇跡。

美少女の戦隊物・バトル物の先駆けとして有名なセーラームーンにおいて、
迫力のあるシーンの連続で高く評価された劇場版R。

それに対してかぐや姫を題材に、ほぼバトルなしにロマンスのみで構成されたのがこの作品です。

このお話がセーラームーンシリーズで一番好きです。
作画も滑らかで美麗な出来栄え、素晴らしいです。


今回の主役はセーラー戦士ではなく、うさぎのお付きの黒猫ルナです。
そして彼女が宇宙翔(おおぞらかける)という青年に恋し、人間になりたいと願う想いが奇跡を起こす・・・というようなお話です。


翔には名夜竹姫子(なよたけひめこ)という恋人が居て、彼女との関係でルナも翔も思い悩んでいる。
三角関係の様相を呈しています。翔と姫子の大人な恋愛もロマンチック。
名前がどちらも一見すると変な感じですが、本編を通しで見ると素敵な名前に感じられるはずです。

どうしてルナが主役なんだ、と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いつも陰ながらうさぎ達を支えているのにほとんどスポットが当たらないなんて不憫ではないですか。
ルナのようなキャラクターにも愛着をもって作品作りしてくれるスタッフの愛が僕はとても嬉しいです。


ルナが大変いじらしくて、翔への一途な想いに思わず目頭が熱くなります。

猫だから近づくことができるけど、猫だから恋は成就できない・・・・。だから人間になりたい。
こういうお話ってけっこうフィクションだと良くある題材ですよね。

でも本編での堅物なルナを見てからこの映画を見るとそのギャップにやられるんです。あれ・・・ルナってこんなに乙女だったんだ、って。

衛と仲睦まじいうさぎの姿を見て瞳を輝かせるルナ。
姫子を想う翔の姿を見て意気消沈するルナ。


季節は冬。ルナの、翔への届かない想いが寒空に響く・・・。
とても切ない想いにさせられます。

ルナの翔への想い。
{netabare}
翔と人間になって付き合いたい、ではなく人間になって彼を助けてあげたい。「私のことはどうだっていいの。彼の力になれたら・・・。」
この考えが非常にルナらしいと思います。多くは望まないから、他人の幸せを願うって中々できることではないです。
{/netabare}

報われない恋を報われないまま終わらせないため、セーラームーン達が奔走する雄姿が眩しいです。
真っ白な街の情景と人の温もりの温度差が心地いい。
前作と同じくセーラームーン達の友情パワーは壮大です。


そして、奇跡が起こるんですね。
正直ここで泣かない人はいないんじゃないかと思います。
素敵すぎますもの、かぐや姫。
{netabare}
翔を連れて夜空を飛び出し想いを伝えるかぐや姫。
そして重なる二人の唇・・・。
常に自身の想いを抑え込んできたルナの、一夜限りの本音。


素敵な奇跡の後、空港でのルナとアルテミスのやり取りも泣けます。
アルテミス、やればできるじゃんって(笑)
{/netabare}

ED主題歌の『Moonlight Destiny』も感動、感動、実に感動的な曲です。
本当にセーラームーンは凄い曲ばかり作ってくれます。
朝川ひろこさんの歌声、素敵です。



こういう、ストレートな純愛モノは本来苦手です。
100万人が泣いた!みたいに宣伝されてるドラマとか、直視できません。

でも、なんででしょう。この映画は見入ってしまします。
アニメだから、ファンタジーだから、オーバーな演技でも違和感なく見ていられるんだと思います。
元々のセーラームーンのキャラクターや作品世界の魅力も大きいですし、その雰囲気が色濃いからこそ面白いんです。


アニメでしか出来ない純愛ファンタジーの傑作。
何度見ても高い完成度に驚かされます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

乙女心かぐや姫

セーラームーンレビュー、いつか書こうと決めていました。

女の子でも負けないこと、恋をすることの素晴らしさ、切なさ、憧れ。
どこかに王子さまが居ること、
セーラームーンから乙女心を沢山教えてもらいました。

この映画は、そんな恋心を描いています。
子どもの頃に何度も観て、もう一度大人になってから観ました。

うさぎちゃんのそばにいる黒ネコのルナ。
ルナはしっかり者で、ドジなうさぎちゃんをいつも叱っています
そんなルナが人間の男の子に恋をします。
けれど、その男の子のそばには、宇宙にいくような才能ある彼女さんがいます。

ルナが乙女なんです。
本当に女の子は、好きな人の前ではあんなに可愛らしくなるのですね。
とてもいじらしいのです。

{netabare}
「キスの味ってどんな味なの?」
ルナがうさぎちゃんに聞きました。

私このシーン、子どものときドキドキしましたよ!
キスの味ですよ。幼い私には刺激的でした。
うさぎちゃんが言うとこによると甘いそうです。
甘いんだ…なんて思ったのを覚えています。

そしてうさぎちゃんの想い人、タキシード仮面こと地場衛、
うさぎちゃんが言うには、まもちゃんの素敵なところは
自分(まもちゃん)の興味ある話しを一生懸命話してくれるとこ、だそうです。

ほんとうですよね。とっても素敵。
楽しそうに話す表情はみとれてしまいます。
文章でも素敵。
ここの部分は大人になった今、分かる気がします。


冬にもってこいの敵です。
雪女のような技を使います。

「永遠に溶けぬ氷の中で、なんの悩みもなく静かで穏かな世界にしてくれる。」

でもそんなセリフにうさぎちゃんは

「私たちは恋をすれば失恋もする。
片思いで苦しんで、夜も眠れなくなるときがある、」

「でも、生きているって感じるの!!」

心凍てつかせれば苦しみも悲しみも感じませんよね。
けれどそれでは死んでいるのと同じなんです。
生きているから切ない、苦しい、痛いんですね 泣

そう考えたら私今、生きてますね。
いいですね!生きてるって。
{/netabare}



変身シーンは大満足な仕上がりです。
もちろんこの作品で、全セーラー戦士が変身します。
みんな美しい、そしてかわいい。
私の中ではセーラーウラヌスの変身シーンが最高に格好いいと思ってます。
ちびうさは、かわいくてギュッてしたくなる仕草で変身するんですよ。

タキシード仮面のお決まりの登場もしびれますよ。
「セーラームーン、今だ!」
決めゼリフです。
一瞬サンタ仕様になっていましたが、やはりマントかっこいい。
実は、タキシード仮面は変身能力がないらしく自分で着替えてると噂です。

{netabare}
人間の女の子になって彼に想いをうちあけたい
そんなルナの願いをうさぎちゃんが願うのです。

「一晩だけ…ルナをかぐや姫に変えてあげて。」

なんて素敵な奇跡なのでしょう…!
涙出ました。。

ルナが人間の女の子になるシーン
ため息が出るほどキレイです。

そしてルナは彼の前に立って「かぐや姫よ」と告げるんです。
そして、ふたりきりの宇宙旅行。
夜明けをみます。

あなたは愛する人のために生きて
好きよ 私のスペースマン

そしてルナからキスをするのです。

想いを伝えるだけでも十分なのですね。
たとえ両想いになれなかったとしても、宝物のような一夜ですね。
ルナがとてもいじらしく可愛らしかったです。


その後白ねこアルテミスが待っていてくれました。
なかなかいい男…いや、いいネコですね!
{/netabare}

うさぎちゃんのドジも相変わらずでおもしろくて、
亜美ちゃん、レイちゃん、美奈ちゃん、まこちゃんとの掛け合いも楽しかったです。


{netabare}
私が幼稚園~小学生年頃かな。セーラームーン観てました。
そしてなかよしという雑誌、夢中になりました。
セーラームーンが載っていたからです。
ルナが人間の女の子になったところ、自由帳によく描きました。
もちろん三日月に座ってるポーズで。
頭のてっぺんから足の先までぜーんぶ可愛くて大好きでした。
{/netabare}
女の子お勧めの映画です。
ピュアな乙女心です。
男の子もこの映画を観れば乙女心を掴めると思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20

68.9 10 クリスマスアニメランキング10位
スノーマン(アニメ映画)

1987年7月25日
★★★★☆ 3.8 (19)
95人が棚に入れました
イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグスの原作を映像化したファンタジー・アニメーション。雪の降ったある日のこと。少年が1日がかりで作ったスノーマン(雪だるま)が真夜中に突然動きだし、少年と遊び始める。胴長短足のゆかいなスノーマンと少年の行動が幼い頃の思い出を思い起こしてくれたり、中盤に流れる主題歌の物悲しい歌声やラスト・シーンなど、子供よりは大人向けに作られたような作品で、クリスマス・イブに恋人同士で見るにはうってつけの1本。同原作者の「風が吹くとき」の主題歌を担当したデヴィッド・ボウイが本作を大変気に入り、案内役として登場するバージョンもある。

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高の…

数年前にNHKで視聴。

同名タイトルの絵本のアニメ化作品
1982年製作。
日本では1986年にOVAとして発売された。


本作の魅力を書いてみる。


まず
アニメーション。
原作の絵本をそのままアニメ化したようなアニメーションは、チラチラして少々見づらいものの、
作画クオリティ、色使い、光の表現、
全てが丁寧で繊細で優しい。
作品にあった最高のアニメーションだった。

作品中ほぼずっと出てくる雪や、
ほんの少しだけ出るオーロラ等の描き方は特に目を引いた。

何よりも、これが1982年制作というところが一番の衝撃である。
この凄さは是非ご覧になって確かめていただきたい。



本作にはセリフがない。
その代わりに、常に音楽が流れている。
音楽は作品全体を色付けするとともに、作品中の効果音の役割も同時に果たしている。
どの曲も「音楽」としても「効果音」としても素晴らしかった。
セリフがないというのも、またいいものだとも思った。

そして忘れてはいけない
スノーマンと少年が空を飛ぶシーンで流れる
「ウォーキング・イン・ジ・エアー」

完璧だ 。もう完璧にマッチしている。
最高の演出だった。



シナリオ
単純なシナリオだが、上記のアニメーションや音楽も相まって、
凄まじい感動をもつものになっている。

夢のように見えて、夢ではない。
主人公の少年にとって、そしておそらく視聴者にとっても、最高の思い出。

夜に出会い、夜が明けて朝になり別れを描く。

この単純だが素晴らしいシナリオは、
たった26分で完全に完結する。

この続編など作らず、引き伸ばさない、
26分間に全力投球した当時のクリエーターの情熱。

作品と同じぐらい、この情熱も評価されるべきものだと思う。

(ちなみに最近30周年記念として続編が作られたようだけど、そちらも良かった。
まぁ30年も経てば新作のひとつも… ね?)


誇張抜きで、全ての人に一度は見てほしい名作です。
是非ご覧ください。
できれば冬にね。

下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11
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ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひと晩の奇跡

幼い頃絵本で読みました。その後、視聴しました。
大人になってしまってからみるよりも、
まっさらな子どもの心でみたほうが絶対に良いです。
私は、雪だるま…スノーマンは本当にいるのだと信じていました。

少年の作ったスノーマン。
部屋の窓ガラス越しのから眺めたときのスノーマンの後姿、
哀愁があってなんとも言えず好きでした。
大人になった今でも、あの後姿は焼きついています。

空を一緒に飛ぶ場面、印象的です。
一面 雪、雪、雪、まるで世界の行き止まりのその向こうまで雪なのです。

終わりがくることなんてないような、雪のようにひそやかな、、
たったひと晩のふたりきりの冒険。
{netabare}
最後スノーマンは溶けてしまう。。{/netabare}
切ない。けれど少年にとっては大切なひと晩でしたね。

少女の頃、私のためだけのとびきりな物語なんだ そう思い込んでました。

挿入歌
Walking in the Air
雪だるまと少年が空を飛ぶ場面で流れます。幻想的…!
この場面だけでも是非みてほしいです。
素敵です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19
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前田定満 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

美しい!

1982年に公開された、イギリスのアニメーションです。
自分はこの独特の画のタッチは大変好きです。
色鉛筆で描いたような画に引き込まれてしまいます。
もともとは絵本が原作なので、それを意識したのでしょう。
映画の演出は音楽と画だけで、台詞はありません。

絵本は読んだわけではありませんが、調べたところ本編に文字はなく絵のみだそうです。
そのため他言語版を発行しやすかったそうです。


{netabare}あらすじは少年が雪の日に雪だるまを作ります。
夜になり少年は寝る時間でしたが、
なかなか寝付けず深夜0時に外を見ると、
突然雪だるまに魂が宿ります。
少年は親を起こさないように、
家の中で遊んだり、雪のなかを駆け抜けたり、
雪だるまといろいろなことをして遊びます。
そしてお話の中盤から2人は雪だるまのパーティーに向かいます。
北極圏に行くため海を渡ります。
この海を渡るシーンはスノーマンの中では非常に有名なシーンです。
この時に流れる挿入歌は「Walking In The Air」という曲で、
アレッド・ジョーンズという当時有名だった、天才的美声を持つ少年が歌っています。
その後パーティーで楽しむ二人はいろいろな雪だるまと出会います。
そしてサンタクロースと出会い、青いマフラーをプレゼントに貰い帰宅します。
そして朝を迎え外に出ると雪だるまは無くなり、残骸だけが残っていました。
夢かと思いポケットを見ると、青いマフラーが入っていました。{/netabare}

結末は悲しいです。これぞバッドエンド。
しかし大変美しい終わり方だとも思います。
自分が一番好きなシーンは空を飛ぶシーンでクジラが出てくるシーンです。
その尾びれの動きが大変リアルで凄いです。
子供のころははっきり観ていませんでしたが、
大人になってその事に気付きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4
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