グロテスクで友情なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのグロテスクで友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月26日の時点で一番のグロテスクで友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.5 1 グロテスクで友情なアニメランキング1位
劇場版 メイドインアビス -深き魂の黎明-(アニメ映画)

2020年1月17日
★★★★★ 4.2 (525)
2257人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い…

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、森川智之、水瀬いのり

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「喜びしか知らぬ者に真の祈りは産まれません」。夢と祈り、その果てにあるものは…。

幕張でほぼ満員の中で鑑賞。流石は劇場版!なスーパークオリティーのかなり原作に忠実な映像化。故に原作の良いところも悪いとこも出てる。


原作の時点で思ったが、一番美味しいトロなエピソードになりそうだったのに、この幕切れは少々勿体無い。プルシュカの件もだが、単行本ならもう一冊、映画ならもう30分くらい尺が必要だったかな。


しかし、全体的にはやはり最高にサイコー!。特に戦闘シーンは、ちゃんと燃えるセットアップが出来てるからこそ超絶作画で上がる。


特典でミニカレンダーがもらえるとは豪華やし、EDはなんと表現していいか水墨画がヌルヌル動いてるような凄まじい出来映えで、これどうやって作ったのか撮影したかもよくわからぬ逸品だ。


原作ファンなら当然見に行くとして、アニメのみの人はまぁ言わなくてもわかってるだろうが覚悟して見るべし。


ボンドルドは、あたしの好きな「ガンソード」の鉤爪の男くらい好きな悪役なので、イッちゃってる悪役好きには見逃せない。


それにしても、結局ボンドルドの真意は明らかにならずで、その辺が後々きいてきそう。


次の2000年、祈手、お祈り骸骨、「喜びしか知らぬ者に真の祈りはうまれません」、祈る手の形な白笛、たぶんこれらはみんな繋がってるだろう。


さらに、ボンドルドのオブセッションが祈りなのは明らかだ。これらのことから彼は単なるマッドサイエンティストなんじゃなくて、大きな目的があってやってるうちにあんなことになっちゃったんじゃないかな?。大いなる絶望の果に、あんな存在になっちゃった…だったらより好きになっちゃう。


原作でたぶんその辺も今後明らかになって、ボンドルド倒しちゃったことに後悔、あるいは彼に対する気持ちがより複雑になりそう。


オススメ動画「カートリッジの作り方」、ワクワクさんとゴロリの有名動画のパロディー。ナナチ「こんなの作りたくないよ!だ」。


「メタルインアビス」、クソ映画界の雄メタルマンの博士とボンドルドの夢のマッドサイエンティストコラボ。「本当に申し訳ない」。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 49
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

冒険と探求を続けるための凄惨な儀式

【物語 4.0点】
R-15。地獄でなぜ悪い。“宿敵”ボンドルドとの対話と対立を軸に、
アビスの深層のヤバさと、冒険に深入りし過ぎた人間のヤバさが、さらに深化。
常識を越えた“探窟家”の価値観から受ける負荷に
精神が押し潰されそうになる試練の100分間。


【作画 4.5点】
R-15。グロくてなぜ悪い。出血、部位欠損だけじゃない。
排泄や、生物の体内組織漏出など、
見たくない物を見せ付けてくる作画は健在。

怖じ気づいた鑑賞者を引き止めるように披露される圧巻の自然背景描写。
だから冒険はやめられない。ズルいよ。


【声優 4.5点】
本作のキーとなるボンドルド役・森川 智之さんが
沈着冷静に優しい声色から滲む狂気を好演。

もう一人のキー、プルシュカ役は水瀬いのりさん。
主人公リコ役の富田 未優さんが原作読んでいる際、
いのりんボイスでプルシュカのシーンを
脳内再生していたという“意中”のキャストで相性良好。


【音楽 4.5点】
劇伴は引き続きケビン・ペンキン氏が
フィルムスコアリング(映像合わせて作曲する)による新規書き下ろしにより、
人知を越えた体験と価値観に直面した登場人物の割り切れない感情に、
弦楽や高音ボイスを駆使した繊細で複雑な旋律で肉薄。BGMもいよいよ深層突入。

ED主題歌のMYTH&ROID起用も本作やペンキン氏による劇伴の作風にマッチした適材適所。


【キャラ 4.5点】
ついにメインストーリーのド真ん中に躍り出た黎明卿ことボンドルド。
某“白笛”による“筋金入りのろくでなし”
との評判に違わぬキチガイぶりでスクリーンを制圧。{netabare}「愛です、愛ですよ」{/netabare}

彼に挑むリコ陣営。脚本のシリアス化を中和するように、
ナナチのモフモフに宿る和みパワーにすがるパターンが定着。


【感想】
引き続き原作未読のまま挑みましたが、私にとっては予想通り、
本作は正義の主人公が悪のボンドルド卿をやっつける話ではなく、
リコの冒険心とボンドルドの探究心、
どちらがより強いのか、見方によっては、どちらがよりイカれているか、
さらなる深淵に挑む権利をかけた、ある種の儀式にも見えました。

泣ける展開もありましたが、私はTVアニメ最終話ほどは泣けませんでした。
TVアニメの時は探窟家に人生を無茶苦茶にされた人間の哀しみが伝わって来ましたが、
本劇場版に至っては、どーせ探窟家ってそうなんでしょ?
って感じで諦観。涙も涸れ果ててしまった感じでした。

決して主人公リコに全面的に共感して感情移入する物語じゃない。
作品傾向もさらに鮮明になって来たので、
私は一番人間らしさを残していると目している
ナナチのモフモフにしがみ付いて惨劇を眺めていました。

ただそのナナチですら確執や罪を越えて、冒険熱が再燃しつつある……。


そして発表されたシリーズ続編制作決定の報せ。

ええぃ、ここまで奥深くまで付いてきてしまったなら、もうヤケクソじゃ。
者共、地獄の底まで参りましょうぞ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 42
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

この恐ろしくも残酷な真実

 2020年最初に見た劇場アニメは、『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』だぁ‼です。
 TVシリーズの続き、細かく言えば、最後に出てきたボンボルドの娘、新キャラ、プルシュカ登場この前年公開された「劇場版 総集編メイドインアビス 【後編】放浪する黄昏」の続きとなるのです。

{netabare}  前座アニメ、『マルルクちゃんの日常1』もなんだか和んだです。{/netabare}

 ナナチを加えて、次の旅へのリコとレグ、この先に待ち受けるのは、深界第五層、ナナチ、ミーティの宿敵となるボンボルドの本拠地なのです。
 第六層に進むには、そこにしかない侵入口、避けられないボンボルドの遭遇はいかにです。

 その前に出てくる美しい花畑にも、残酷?!な場面もあるので、キャラが可愛いのとは対象的な正にメイドインアビスだったです。これだけでは驚けないのが、この先なのです。

 意外な展開からのプルシュカとの出会い、ボンボルドとの遭遇、何かありそうだったです。
 思ったとおりになるです。ボンボルドの狙い、レグどうなっちゃうの?危ない!でしたです。
 プルシュカは純真な子供で、リコたちと仲良くなれるけど、この先の展開に私の頭の中は、超サイヤ人化したです。

 ボンボルドの非人道的な、善悪のかけらのない狂人性、「今日を生きる資格がない!」という憤りを感じたです。
 レグとボンボルドのバトルシーンは、正に大迫力必死だったです。

 明かされる白笛の謎、第六層に行くということ、ボンボルドという存在、プルシュカの運命、あまりにも残酷な真実を突きつけられ、この光景は目を背きたくなるほど、子供に見せられない内容だったです。
 白笛は、{netabare}ハガレンに例えると「賢者の石」に近いかもしれないです。終盤、新しい白笛ができたシーンあったですが、{/netabare}衝撃だった印象です。{netabare}(これは無残で、酷いと思えたです。){/netabare}(

 それらを乗り越えたとき、深海第六層の道が開けるのだろうか?要注目です。

 リコ、レグ、ナナチ、ボンボルド、プルシュカ各々、キャラとしての個性が強く出ていたお話だったと思うです。{netabare} 「to be continued」{/netabare}最後に出てきたこの文字、「私、気になります!」だったです。 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

69.1 2 グロテスクで友情なアニメランキング2位
TEXHNOLYZE テクノライズ(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1400人が棚に入れました
舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市・流9洲(ルクス)。老朽化したこの街は現在、外界からのネットワークから外されて孤立しており、街から他の都市へ行くことは困難だが、逆に行き場を失くした者達が流れ着く、吹き溜まりの場所と化していた。

ある日、この地に一人の男が外界から降りてきた。男の名は吉井。ある野望を遂行すべく降り立ったこの男を迎えるのは、生きる為に賭けボクシングで生計を立てる少年・櫟士、近い未来を見ることの出来る少女・蘭、街の声を聞くことの出来るオルガノの長・大西京呉、そして未来の義肢である「テクノライズ」の技術に魅せられクラースから降りてきた科学者・ドク。この男の来訪により、やがて流9洲は街全体を巻き込んだ事件へと発展していく。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

中盤まで恐ろしく退屈で、終盤は胸糞悪くなる・・・全くもってお勧めできない作品!

本作が好きな人は余程のマゾなのか?(失礼!)

私は根性で完走しましたが、かなりの苦行でした。
そして見終わって、「途中で投げださないで頑張って良かった。」という報われ感が全然ないところが・・・また何とも。

変わったアニメが見たい人にはお勧めできる作品なのかも?(これ以上の感想は出てきません・・・)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


=========== TEXHNOLYZE テクノライズ (2003年4-9月) ============

{netabare}ROGUE 01 STRANGER (部外者) ☆ ※初見では何が何やらサッパリ分からない・・・
ROGUE 02 FORFEITURE (喪失) ☆ ※同上
ROGUE 03 TEXHNOPHILE (ハイテクマニア) ★ ※「テクノライズ(義体化する)」という特殊技術
ROGUE 04 SYNAPSE (神経細胞の連接部) ☆ テクノライズ技術の解説回
ROGUE 05 LOITER (彷徨い歩き) ☆
ROGUE 06 REPETITION (反復、模写) ★
ROGUE 07 PLOT (策謀) ☆
ROGUE 08 CRUCIBLE (坩堝、激しい試練) ★ 市街での抗争勃発
ROGUE 09 WIGGLE (体の揺れ) ☆ 
ROGUE 10 CONCLUSION (結論) ★ 吉井の死 ※初めて少し面白いと思い始める
ROGUE 11 VAGRANT (ルンペン) ☆
ROGUE 12 PRECOGNITION (認識) ☆
ROGUE 13 VISTA (展望) ★ もの見(ラン)の予言
ROGUE 14 REJECTION (拒絶) ☆
ROGUE 15 SHAPES (形状) ☆
ROGUE 16 STRAIN (圧力、旋律) ★ シェイプスの侵攻  
ROGUE 17 DEPENDENCE (依存) × シェイプスの秘密 ※単に悪趣味の話だったとは
ROGUE 18 THRONE (玉座) × 三長老惨殺 ※悪趣味さを見せ付ける作品?
ROGUE 19 HEAVENWARD (天国の方へ) ☆ 地上の世界 ※だからどうしたの?という感じ
ROGUE 20 HADES (ハデス(冥府の王)) ☆ 
ROGUE 21 ENCEPHALOPATHY (脳疾患) × ※もうどうでもいい話になってしまっている
ROGUE 22 MYTH (神話) × ※同上 ※ED 「WALKING THROUGH THE EMPTY AGE」{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)12、×(疑問回)4 ※個人評価 × 3.1


OP 「GUARDIAN ANGEL (XAVIER'S EDIT)」
ED 「月の詩」

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

未来は残酷で美しい、戦慄のSFカルトアニメ

舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市「ルクス」。
ヤクザ組織「オルガノ」、オルガノに対立する労働者連合「救民連合」、ギャング集団「ラカン」
様々な組織が入り乱れる混沌とした世界で、巻き起こる抗争を描いたSFカルトアニメ
もちろんただの抗争を描いているわけではなく、何者かの陰謀や謎が付きまといます

このアニメは終始退廃的かつ陰鬱で非常に難解なので、決しておすすめはできないですw

中盤までは「ヤクザの抗争を描いたVシネマ」みたいな内容ですので、
凄まじくバイオレンスな描写も多いです
そして痛快さ・爽快さの欠片もないので、単純に娯楽性を見いだすのは厳しいです。
特に意味不明な1話で90%ぐらいの人がリタイアするんじゃないかな?w
まぁそんな感じなので・・・それでも見てみたい人は挑戦してみてください

どこが難解なのか?というと情報の提示の仕方が、視聴者にあまりにも不親切すぎるところですね。
普通にぼんやり見てたら、間違いなく理解不能な状態に陥るでしょう。
なので、多少ネタバレ覚悟でwikiもしくは公式サイトで調べてから見るか、調べつつ見ることをおすすめします

とりあえず基本設定である「テクノライズ」についてだけ説明すると・・・・
テクノライズとは損失した人体の一部を補う、未来の義肢のことです
そのテクノライズの人間にもたらす影響が、この作品の大きなテーマになってきます。
後半になるにつれ、事態が大きくなってくるので徐々に分かってくるでしょう。
人間が「テクノライズすることによる功罪とその意味」を直接的に描いています

他にも重要な設定は多々あるのですが・・・興味があれば自分で調べてくださいw
設定や世界観がぼんやり分かってきたら、中盤から目まぐるしく事態が動くので面白さが増してくる
ただ終盤はもう想像を絶するカオスです。プラス超絶鬱展開・・・

『serial experiments lain』(脚本家が同じ)と双璧をなす難解作品ですが
個人的にはストーリー性・世界観・設定全てにおいてテクノライズの方が断然面白かったです
SF設定も、殺伐とした世界観・独特の演出も素晴らしい
今まで色々アニメを見てきましたが、色んな意味で一番衝撃的な作品です。

こんなハードなアニメには、もはやお目にかかれないででしょうね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

カカオ副担任 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

慈悲を全く感じい取れない苦味100%のブラックコーヒー

鬱の極致に君臨する後味が悪すぎる良作でした

OPが個人的に大好きだったため視聴をすることに
鬱が好きな私にとって、とても好きな作品でした。
これをHUNTER×HUNTERやワンパンマンを発表したMAD HOUSEが作ってたなんて意外です。視聴者受けなんてあまりなさそうな作品でしたので。

舞台は近未来の世界です。
賭けボクシングで日々生き凌いでいる櫟士(いちせ)がとあることで手足それぞれ一本ずつ切断されてしまいます。それでも生き耐える櫟士が美人医師のドクとであってから物語が少しずつ動き出し、加速していきます。

一話目から鬱の香りが匂ってきます。ここまで暗いのはlainくらいかな。
暴力やエロも気持ち悪さも容赦なく個人的に面白かったです。今発表したら規制されるのは間違いないですね。よくアニメ化できたものです。

本作の世界観を理解するためには、なかなかの時間を使うと思います。
私は下のサイトを見ながら設定を確認し、視聴しながら物語を理解していきました。ぜひ参考にしてみてください。
1話~10話の解説→http://texhnolyzed.blog.fc2.com/archives.html
作品用語集→https://www.fujitv.co.jp/b_hp/texhno/word.html

ここまで暗く重苦し雰囲気は今では中々類を見ない貴重な作品です。
後味が悪いので見終わったらすぐに心を癒すことを強くオススメします。
鬱作品は気分が良くならないのについつい見てしまうのはとても魅力的です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

66.8 3 グロテスクで友情なアニメランキング3位
ジョジョの奇妙な冒険 ADVENTURE(OVA)

2000年5月5日
★★★★☆ 3.7 (72)
380人が棚に入れました
Part2『戦闘潮流』から50年後、1987年の日本から物語は始まる。ある日突然スタンド能力が目覚め、困惑している承太郎のもとに、祖父ジョセフとその友人アヴドゥルが訪れる。その直後、復活したジョースター家の宿命の敵DIOの邪悪な波動の影響により、承太郎の母親ホリィは危篤状態に陥ってしまう。母親を救うためには約50日以内にエジプトに潜んでいるDIOを見つけ出し倒すしか手段はない。承太郎は仲間たちとともにエジプトを目指す。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

尺に苦労しているが、コンパクトに纏まっていてストーリーラインが光る〈追記あり〉

賛否ある作品ですが私はとても好きです。
例によってグロ注意。

前編後編の感想を一緒に書きます。

ジョジョ3部のOVAで、後編が先に作られています。全13話
前編は1~7話で2000年頃製作
後編は8~13話で1993年頃製作

前編が3部前半、後編で3部後半です。6~7年の空白期間があり、事情はわかりませんが珍しい例ではないでしょうか。

原作再現はしていませんし変更点はそれなりに多いですが、ストーリーラインがきちんと纏まっていて面白いと思います。
急展開や不自然に感じるところも若干あります。
全編通して緊迫感がいいですね。ホラー、サスペンス、バトルが作品の中心になっています。
前後編で監督はじめ一部スタッフが交代しているため、ストーリーの構成や全体的な雰囲気は少し違います。


声優さんは洋画吹き替えを多く経験している人が多いです。
私にとってはアニメ見始めた頃から知っている人ばかりで、それを差し引いてもとても好きです。しかもどの声優さんも演技力が凄まじい。
ただキャラクターの年齢に対して全体的に渋いので好みが分かれそうですね。

キャラクターデザインも年齢よりもキャラクターのイメージを顕著に出しているので、映画俳優が演じているようなイメージかも。
メインキャラのデザインは、人種によって体格や顔立ちの差も意識していて凄く好きです(特にアブドゥルとポルナレフ)。

作画、演出のクオリティは高いですがムラはあります。
前編はキャラデザの羽山淳一さんが総作画監督として絵柄を統一していますが、後編はそれがないので作画監督の個性が凄く出ています。
制作時期が離れているのでアナログとデジタルの違いがあり、気になる人はいるかも。私は思ったよりもスムーズに見られました。

緩急を生かしたバトル演出、スタンドの登場シーンや魅せ方のバリエーションの多さは後編がよく出来ています。
前編は1、6、7話意外はコンテ・演出に魅力が少なくて、作画がよくできているだけに惜しく感じました。

12話は皆さんご存知の今敏さん、13話は後編監督の北久保弘之さんが、それぞれ脚本・コンテ・演出を一手に担当。
重量感とスピード感を両立したバトルで素晴らしい出来になってます。
マッシブな絵柄や細かな仕草、ダイナミックな動きとの相乗効果でインパクトもあり、一度見たら忘れられなくなるくらい凄いですw

感情描写は丁寧で細かく、感情移入しやすくて好きでした。

特に良かったのが承太郎の描写で、無愛想で口数はむしろ原作より少ないのですが、仕草と表情が細かいので心情がしっかりわかります。
高校生らしくない超然としたイメージと、人間性の描写を両立したのは見事だったと思います。

音楽、効果音等はアフレコ以外全て海外の製作。ていうかトム・マイヤーズさんて調べたら、トイ・ストーリーやスター・ウォーズのサウンドの人?マジですか…
楽曲も環境音も凄く作りこまれていて、使い方も合っています。
DVDの特典映像にインタビューがありレンタルでも見られるのですが、質問内容が濃いのもあって興味深いお話が聞けたり。


【前編】
{netabare}
ストーリーの構成は賛否あるようですが、私は好きです。原作の展開が好きな人にはオススメしにくいですけど;

先に作られていた後半に雰囲気や演出を寄せていたり、エピソードもつながりを意識して作られた印象もあって、地味ですが堅実だとも思います。
同時に前半ラストにも山場をきちんと作っているのも評価できます。

承太郎が序盤の花京院戦で同級生の女子を助ける流れにしたり(このシーンがあるため承太郎の印象が少し柔らかい)、ストレングス戦でポルナレフが仲間になったり(ちょっと急展開気味にも感じますが)私は悪くない改変だと思います。
前半部分で満遍なく味方キャラクターに見せ場があるのも良かったです。

エンヤが若い女性の姿で登場して驚きました!でも色っぽい女性キャラをサブで配置してくれたのは個人的にはとても嬉しいw
正義戦を前半のクライマックスに配置しているので、中ボスとしてもしっかり役割を果たしていたと思います。

ポルナレフがアヴドゥルが生きてることを知らされていない理由は改変しても良かったかも…原作からして黙ってた理由がツッコミ所満載なのでw
{/netabare}

【後編】
{netabare}
ペットショップ戦がないためイギーに活躍の場がなかったのはもったいなかったです。あくまで手助けに来たという流れだったので、流石にあの死に方は可哀想でした…ヴァニラはあの攻撃手段しかないのでしかたない面もあるけど…

細かいところですが一部(ディオの棺の前で言い争いになるアヴドゥルとポルナレフ、花京院の再登場のタイミングの良さなど)状況的に不自然に感じるところもありました。
ただこれは尺と、前半をアニメ化できるかわからない状況だったのも理由だとは思います。

評価の高いンドゥール戦は2話構成で長いですが、演出で惹き込まれて飽きませんでした。全てのスタンドに見せ場を作っていたのも良かったです。

スタープラチナの時止め能力獲得に原作より早くから伏線を張っていたり、承太郎の首を落とそうとしたディオの後ろからポルナレフが襲い掛かるなどの変更も良かったです。
最終バトルになだれ込むあたりは、改変と演出のおかげでかなり盛り上がりました。
エジプトの街の描写が丁寧なのも、バトルが際立って良かったです。
{/netabare}

【最終2話の素晴らしさには前編だって貢献してると思うのです】
{netabare}
DIO戦は脚本・演出・作画すべてが高いクオリティでまとまっているだけでなく、人物描写(声優の演技も含め)が本当に素晴らしかったと思います。

このDIO戦は原作でも承太郎の怒りの発露として描かれていて、本作でもそれがしっかり表現されています。上で書いたように、全編通して承太郎の感情描写が良くできていたことが、その流れに説得力を生んだと思います。
本作は前後別々に作られたにも関わらず、短い13話の中でそれをきちんと描けているなあと。もちろん原作がよく出来ているからなのですが。
後編を作ったスタッフがしっかり流れを作っていて、前編のスタッフもそれを理解していたということじゃないかと思います。

だからこそ逆に7話正義戦は承太郎が常に冷静で、DIO戦とは逆の魅力があるのですよね。(「これ以上ポルナレフをオモチャにはさせねえ」って台詞があるので心底では怒ってそうですが)
前編の低評価は理解できる部分もあるのですが、私は前編が後編を下支えしているとも考えているので、先入観を持たずに一度見て欲しいです。
{/netabare}


全体通して本作独特の雰囲気があり、それは原作とはまったく違いますが、解釈としては個人的に納得のいくものでした。
原作の「ジョジョらしさ」というのは色々な要素が絡んでいて、何を表現しようとするかで雰囲気が大分変わるなあ、と思って視聴しました。
原作の演出の根幹にある洋画の要素と、少年漫画ならではの王道のストーリー、そしてスタンドの表現を重視していて、私はこれも「ジョジョ」だと感じます。

原作再現を望む人にはお勧めできませんが、メインのストーリーラインをコンパクトに楽しめるという意味では、見て損は無いかと思います。
ジョジョが初めての人や改変に抵抗のない人、洋画好きな人にはオススメです。(2016.3)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

特殊な食材は普通に調理できない

巷ではなんだかジョジョ人気。
昨年秋にはTVアニメ化された第一部、第二部もなかなかの出来で評判もよろしいようで。
ですが、ジョジョと聞いて多くの人が連想するものといえばやはりスタンド(幽波紋)を使った特殊能力バトル。
この作品は、怪奇バトルの色が強かった初代、二代目から微妙に方向転換されたスタンドバトルの第三部。一番知名度の高い三代目ジョジョをアニメ化したOVAです。
漫画で第三部が連載されていたのが90年代始め頃。
このアニメが作成されたのが93年ということなので、当時のマンガ原作の人気に乗じて順当にアニメ化された作品と言えるでしょう。


天下の週間少年ジャンプ漫画なのにOVAによるアニメ化。
これはジョジョという漫画がいかに独特であったかを示しています。もともとグロくて過激な表現が多い作品ですが、北斗の拳や幽遊白書などがTVアニメになっている事を考えれば、その点だけが理由ではない事は明白です。
北斗の拳はアニメになった事が驚異なので別格ですが、20年前の当時は深夜アニメもロクにない時代。やっぱりキャラグッズ売ったりは無理だし子供が観るものじゃないとの判断だったんでしょうね。
実際、ストーリーや登場人物は多少割愛されているものの、原作のもつ世界観を極力崩さないように配慮したアニメ化。誰にも真似できないクセのある奔放な表現を再現しようとしてあります。

ただ、正直をいって、アニメとして全く華のない作品ともいえます。
荒木漫画の絵を使い、原作を大事にしつつストーリー構成して、セリフも原作を尊重しながら脚本を描いて、カッコイイバトルになるような演出を施す。
アニメの作業として正しくアニメアニメしてるし、原作を陵辱してるとも思えない出来だとは思うのですが・・・・やっぱり、アニメとして観ても全然面白くなかったのです。
なんだかよくわからないのですが、重くるしくて爽快感に欠けるバトルアニメ。
大好きなジョジョがアニメになったという事で当時喜んで視聴しましたが
「うーん、なんか微妙。こんなもんだっけ?ジョジョって?」
という感想しか持てなかったのを鮮明に覚えています。

声優さんも、当時としては一級の方々があてており演技としては文句ないのですが・・・・
主人公のジョジョと敵役のディオ。もうしわけないですが、ミスキャストではないかと思うぐらい私にとっては違和感がありました。

脇役声で主役や重要キャラやってんじゃないよ!って(`・ω・´)

言っちゃった・・・(^。^;)
ほんと申し訳ないですが、偽らざる感想です。


つくづく、ジョジョってアニメに向いてない作品だったんだなぁー、と思う次第でした。
それだけに、最近になって作られた、先般の1部2部のアニメの出来には驚きです。
「ジョジョをアニメにする」のではなく「ジョジョのようなアニメを作る」という発想が素晴らしかった。
同じ発想でこの3部も再アニメ化プリーズ♪

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「無駄無駄!」と「オラオラ!」で有名のスタンドの戦いを描いた作品です。スタンドが超かっこよかったです。WRYYYYYYYYYY

ストーリー

「ジョジョの奇妙な冒険」の第二部「戦闘潮流」から50年後の1987年、ジョセフジョースターの孫の空条 承太郎が刑務所で自分から捕まっていると聞き、ジョセフはエジプトの友人のモハメド・アヴドゥルを連れて釈放しようとジョセフの娘のホリィジョースターのいる日本にやってきました。
そこにいた条太郎の後ろには謎の守護霊がいました。ジョセフいわくそれは「スタンド」と言い、守護霊のように使い手の事を「傍に立つ (Stand by me)」っと呼びます。

スタンドとは意志で使役することのできる人間を、作中では「スタンド使い」や「スタンド能力者」と呼ぶ。またスタンドに主軸をおいて「本体」と呼ぶこともある。なおこの中で「スタンド使い」という言い方には、単にスタンドを発現させただけでなくそれを自分の意思で操作できる者という意味が含まれる。スタンドはそれぞれの能力者1人に1つずつ備わる。

この物語はそんなスタンド使いの条太郎とジョセフの物語です。

私の感想。

この作品は結構古いので、画質は結構残念になっていますが、原作がかなりおもしろいのでかなり楽しめると思います。実際私はかなり楽しめました

この作品のストーリーはかなり充実しています。少々キャラクターの関係は原作を読まないと分からない所がありますが、きちんとした世界観、充実した戦い方、仲間との友情、キャラクターの能力、敵らしい敵、どれをとっても最高級でした。

しかし、この作品ができたのは1970年代なので・・画質が本当に残念でした。なんだか、原作とはかなり違う感じになっていましたし、キャラクターの動きがたまに不自然だったりしました。まあ、あの時代でしたら、あれが最高級だったのでしょう。まだみれましたし。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品は少々ストーリーが飛ぶ所があります。原作を知らない人は平気だとおもいますが、私は原作を読む事を強くお勧めします。原作はすべてを詳しく教えてくれます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10
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