コンサートで天才なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのコンサートで天才な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月26日の時点で一番のコンサートで天才なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.3 1 コンサートで天才なアニメランキング1位
金色のガッシュベル!!(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (539)
3382人が棚に入れました
高嶺清麿は、普通の中学校に通う、見た目は普通の中学生。だが、MIT(マサチューセッツ工科大学)の論文さえもたやすく理解してしまう頭脳の持ち主である。そんな彼はクラスにも馴染めず、不登校を繰り返し、鬱屈した日々を送っていた。
ある日、清麿の家に謎の少年ガッシュ・ベルが現れる。彼は清麿の父親から「息子の友達になってくれ」と頼まれ、はるばるイギリスからやってきた元気な男の子。退屈な日々は終わりを告げ、ガッシュとの騒々しい毎日の幕が開く。やがて清麿とガッシュの前に次々と敵が現れ、一つの事実が明らかになってくる。実はガッシュは千年に一度行われる魔界の王を決める戦いに参加させられた、100人の魔物の子の一人だったのである。
次々と襲ってくる魔物たちとの戦いの中で、『やさしい王様』になるという志を抱くガッシュ。然し彼らの前にはさらに強力な魔物が…。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、大谷育江、秋谷智子、前田愛、釘宮理恵、折笠富美子、小嶋一成、高橋広樹、菊池正美、こおろぎさとみ、置鮎龍太郎、山崎和佳奈、山田きのこ、桑島法子

めいろ* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お前に清麿の何がわかる

今の年代の方がどれだけ本作品を認知しているかどうか、それこそ僕の認知が及んでいない訳ですが、大衆作品の中から3つ好きな作品を選べと言われたら、必ず本作品を選ぶでしょう。

僕の世代から言わせてもらうと、本作品を見たことが無い人なんてまずいないと思っているのですが、もし、本作品を見たことが無い人がいるのであれば、それが衝撃的だと感じる程の事であります。


大衆作品と言うのは、対象となる年齢幅が広い作品に限られてそういったジャンルになるのだと思います。
しかしながら、大衆作品とは言っても、犬夜叉なんかはある年齢層の人間が真剣に見ると実に深い作品です。そんな作品も大衆向けに属してしまう事を僕は非常に勿体無いと感じるのです。

これはジブリでも言えることでしょう。
と言うのは、何だかその作品の本質は棚にあげられがちだという印象を僕は持っているのですが、これが一般的な印象と相違があれば申し訳ありません。


本作品を僕はもっと子供の頃に見ました。

その本質をきっと理解していないだろう子供の頃の僕が本作品を見て、毎週のようにボロボロと泣いたのです。

結婚して、子供もできた現在の僕が本作品をもう一度見返して、またしても良い大人がボロボロと泣いたのです。

突然ですが、題名に回帰します。


「お前に清麿の何がわかる」


というのは、ガッシュベルの放った台詞です。
主人公の清麿の想いを踏みにじった人間に対して、ガッシュベルがそれを言ったのです。

本作品の大きな特徴として、仲間を想う気持ちの強さが他作品と比べても尋常じゃなく大きい作品です。

誰かが傷ついている時は、身を呈しても、蔑まれたって、どんな事があっても必ず助ける。そういう強い想いです。

本作品には、そういった正義感について作者の想いがとても思い切りよく乗った作品だったと思います。

誰だって最初は弱くて、上手くいかない時もあるけれど、絶対に侵害してはいけないところを踏みにじられた時、果たしてそれを諦めることができるでしょうか。

これだけ強い想いで人間を想う事ができる世界がもしどこかにあるのなら、それこそ金色に輝く素敵な世界なんだと思います。


人間が持つべき根本的な想いを、大人になると忘れがちです。

だからこそ、今見るべきなんです。
本作品を当時と違った視点で、その本質を僕たちは今、感じるべきなんだと思うのです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まっすぐな意志と強き思いはやさしさから生まれる

電撃を吐く子どもと分厚い赤い本でおなじみの『金色のガッシュ!!』
すっごい好きです。なのでその良さについてだらだらと書いていきたいと思います。

天才が故に孤独を強いられてしまった中学二年生の高峰清麿。
そんな息子の状況を見たイギリスの大学教授である父から送られてきたのがガッシュだった。
バカみたいに正直でまっすぐなガッシュが清麿の卑屈になり深く埋まってしまった優しさを
泥まみれになりながらも心の中から掘り出す、友情を力強く語る情熱的な一話から始まり
多くの悲しみと苦しみと悪に立ち向かう小さな戦士たちの物語です。

100人の魔物の子どもの中から魔界の王を決める戦いに参加しながらお話は進んでいきます。
自分が許せない物事に関してはとことん前へ前へと突き進むガッシュやその仲間たちはかっこいいです。
でもまだまだ子どもな彼らにとってはキツイこともたくさんあるし、たくさん泣いてしまいます。
この作品の良いところはその涙を流しつつも、さらにはそれをもバネとし恐いものへ立ち向かっていく姿にあります。
グッときてしまうこともしばしば。
魔物は自分の本を燃やされてしまうと魔界へ帰ってしまうのですが、
そのパートナーとの別れも感動的だから涙腺の緩い僕は忙しかったですw

アニメは原作と違うところはすべて飛ばして観たのでそっちの方はわかりませんが
好きなキャラはガッシュ、ティオ、コルル、ダニー、レイラ、バリー、ロデュウ、ウォンレイ、フォルゴレです。

ガッシュ、ティオはもちろん好きです。
コルルに物語の中で非常に重要な役目を持たせたのはすごく良かったです。
彼女の思いがガッシュの意志となりちゃんと生き続け、振り返る度に不憫な目にあった彼女を思い出す構成は素晴らしいです。
ダニーはいいですね!ホント好きです。別れ際のじじいもキザだねえ!かっこいい!
レイラは単に可愛かったのもありますが、恐怖の中でも信念を突き通そうというその姿に感動しました。
バリー、ロデュウはあの別れのシーンにグッときてしまいました。いや、ホントはグッとどころかムチャクチャ泣きましたがw
バリーの読者への裏切りとも呼べる自己犠牲の行為とグスタフとの別れはとても涙を我慢できませんでた。
敵ながらロデュウも◎。強引にチータを引きずり回していたかと思えばすごく彼女のことを考え、励ます彼のギャップにやられました。
彼はやっと最後に自分を取り戻せましたね。よかった、よかった。
ビジュアルが一番かっこいいウォンレイとリイェンの関係は出番こそ少なかったけれどなかなか泣かせてくれました。
フォルゴレの病院コンサートは良かったです。あの背中は忘れられない。


今作の主人公は「こども」でした。
彼らは数多の作品で愚直なまでのまっすぐさと純真な心で、
成長するにつれて社会やルールに縛られ大事なものが見えなくなってしまった
「こども」ではない人々の心を洗い流し、今一度大事なものはなにか問いかけてくれています。
また、大きなところではピーターパンは幻想の国で永遠に生き続け、星の王子さまは希望を残し夭折しました。
そうやって彼らが社会の外れで存在することはわれわれにとって救いにも似た思いを馳せる場所であると思います。
杜にあるほこらのように、深海に生きる生物のように、地の底を這う地底人のように、
また『ハチクロ』の観覧車のように、腐海のように、ラピュタのように、はたまた全知全能の神のように。
それはどこにもないようで、われわれのすぐそばにあるとても尊いものです。

この作品はいつ観ても笑えますし、微弱ながらも励まされます。
アニメだと大谷育江さんのガッシュの声が聞けるのでなおのことです。
あの声は普段は王様口調と相まってすごくかわいいし、シリアスな部分でもとっても映える声です。

とっても好きな作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

ジェロニモ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

熱血好きが自信を持ってオススメする萌えならぬ燃えアニメ

原作は週刊少年サンデーで連載されて、2度の映画化も行われた人気作です!

一般的にも人気のある作品だと思います。


ジャンルは王道バトルもので、100年に1度、魔界の子供100人が人間界に送られて魔界の王様を決める為の戦いをする物語です。

王道ものでは1番熱くて感動できる作品だと自負しています。


あとギャグのセンスもピカいちです。

ほんとにほんとにオススメなんですけど、アニメだとやっぱし長いと思うんです。

しかも物語後半でいきなりガッシュの声優が変わったりして違和感が尋常じゃないです。


しかも終わり方もよくわかんないんですよね…

やっぱこの作品は漫画で読んだ本がいいのかも知れませんね。

終わり方がよく出来すぎていて感動が止まらなかったです。
今でも思い出しただけで涙腺が緩んじゃいます…

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

62.9 2 コンサートで天才なアニメランキング2位
名探偵コナン 戦慄の楽譜 (フルスコア)(アニメ映画)

2008年4月19日
★★★★☆ 3.6 (242)
1491人が棚に入れました
高名な元ピアニストの堂本一揮が創設した堂本音楽アカデミー。ここで、堂本一揮の門下生3名が死傷する爆破事件が起こった。被害者の一人のバイオリニストの河辺奏子は、近日行われる堂本音楽ホールの完成記念公演に出演する予定だったが、爆破事件で重傷を負ってしまい出演不可能となる。完成記念公演は山根紫音を代役として開くことになった。
事件の翌日、パソコンで爆破事件の記事を読みながら不敵な笑みを浮かべる犯人。「すべては、静かなる夜のために…」。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

一番長いが内容は・・・

本作は劇場版名探偵コナン史上最長の115分作品である。
作品名の通り「音楽」がテーマの本作は、歌手の秋庭怜子とコナン以外の登場人物の活躍は抑制されている。
より、蘭や少年探偵団の活躍も芳しくない。
但し、作品としての完成度は前作や前々作よりも高いだろう。
また、私はあまり好きではない著名人によるゲスト声優は本作からである。山里亮太・坂下千里子・西尾由佳理が出演。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
高名な元ピアニストの堂本一揮が創設した堂本音楽アカデミー。ここで、堂本一揮の門下生3名が死傷する爆破事件が起こった。被害者の一人のバイオリニストの河辺奏子は、近日行われる堂本音楽ホールの完成記念公演に出演する予定だったが、爆破事件で重傷を負ったため出演不可能となる。完成記念公演は山根紫音を代役にして開くことになった。

事件の翌日、パソコンで爆破事件の記事を読みながら不敵な笑みを浮かべる犯人。「すべては、静かなる夜のために…」。

園子のコネで、堂本音楽ホールの完成記念公演に招待されたコナン一行。しかし、そのリハーサルで出会った天才ソプラノ歌手・秋庭怜子が何者かに命を狙われる事件が発生する。飲み物への薬物混入・ダンプカーでの襲撃・エアライフルでの狙撃と、手段を選ばず玲子を狙う凶悪な犯人。一方で、堂本一揮の門下生がさらに2人殺害されてしまう。

公演当日、コナンと怜子はホールの外を歩いている途中、何者かに襲われてしまう。さらに、公演開始後に堂本音楽ホールで次々と爆発が起こり、ホールの周囲は火の海に包まれる。しかし、ホール内では、完全防音のため爆発に気が付く者はおらず、公演が続けられていた。蘭たちも爆発していることも知らずに、堂本たちの演奏に聞き入っていた。コナンと怜子は意識を取り戻し、佐藤刑事たちのヘリに乗り大急ぎでホールに向かう。果たしてコナンは、犯人の正体を暴き、蘭たちを助けることができるのか!?
{/netabare}

コナンが絶対音感を持っている点(新一は音痴で音楽の成績が悪いはずなのだが)や、二人で電話を掛ける場面は無理があるのではないかと思った。
今回は前作に比べて推理要素が多かったが、まだ捻りが足りないと感じた。犯人は意外な人物で好感だが、犯行の動機が如何せん陳腐で説得力に欠けている点や、終盤の緊張感の無い展開は頂けない。「推理ショー披露している場合か」と突っ込みたくなる。
アメイジング・グレースは大変美しく良かった。
全体としては良い出来(特に音楽)だが、御都合主義(特に主人公補正)の改善と犯行の動機、他の容疑者の詮索をしっかりして欲しかった。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

映画館で見たかった

推理アニメとしてはTV版と変わらないレベルの内容です。
アクションも他の劇場版と比べるとかなり控えめ。
この作品の見どころはやはり、綺麗な歌声と演奏でしょう。
劇中で歌われる「アメージング・グレイス」やバイオリンの奏でる「アベマリア」には、うっとりと聞き惚れてしまいました。
登場するオペラ歌手の声優は「桑島法子」さんや「水谷優子」さんですが、実際に歌っている人は本物のオペラ歌手。
できれば「桑島法子」さんが歌う「アメージング・グレイス」も聞いてみたいものでした。
もちろん本物のオペラ歌手の歌声は素晴らしかったです。
また劇中で登場するバイオリンは「ストラディバリウス」という設定ですが、実際にこの名器で収録されているのかどうかが気になるところですね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10
ネタバレ

イツキ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ストーリー/キャラは素晴らしい、クライマックスでの音響ミスが玉に瑕

名探偵コナンシリーズ劇場版第12作。コナンの映画は毎年テーマが違うことも魅力の一つなのだが、本作のテーマは音楽。筆者は音楽を嗜むこともあり、個人的には数あるコナン映画の中でも上位に食い込む作品。
もはや安定の超人的且つ現実離れした演出({netabare}サッカーボールを蹴って離れたところから電話の受話器を外す、DTMF信号を用いて声だけで110番通報する{/netabare})は嫌味がなくむしろ爽快。そもそも主人公・コナンの音痴だけど絶対音感持ちという設定そのものに無理がある(絶対音感を持っているならば音痴にはなり得ない)にもかかわらず、そのことにツッコミを入れる隙を与えないところがストーリー性の素晴らしさを表している。作中に登場する楽曲や音楽用語の数々も、音楽をよく知らない者にも優しい仕様となっている。
一方で、クライマックスの音響ミス({netabare}灰原がコナンに狙撃を知らせるために吹いたリコーダーの音が、作中で表記されている「ミラララファ」ではなく「ミラソソミ」だったこと{/netabare})は音楽家、特に絶対音感持ちとしては見過ごせない。物語の最重要局面においてのこのミスは正直痛いが、ストーリー性やキャラクターなどは大いに魅力的。
(上映時間115分)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

65.9 3 コンサートで天才なアニメランキング3位
ピアノの森(アニメ映画)

2007年7月21日
★★★★☆ 3.8 (188)
1219人が棚に入れました
町外れの「ピアノの森」で育った少年カイの物語。はじめは楽譜すら読めないカイが周囲を取り巻く人々によりピアニストとしての才能を開花させていく過程を描いている。
主な登場人物 [編集]

声優・キャラクター
上戸彩、神木隆之介、池脇千鶴、福田麻由子、宮迫博之、田中敦子、松本梨香、田中真弓、天野ひろゆき、ウド鈴木、黒沢かずこ、高田純次

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

DVD買いたくなる一作ですd(゜ー゜*)ネッ!

森に捨ててあるピアノをオモチャみたいにして育った天才小学生と幼少からピアノの英才教育を受けて育ったエリート小学生の物語…
まぁのだめみたいな感じかな。。。(あ 禁句を…orz
でもいっぱい感動出来て感涙シーン満載でした_(^^;)ゞ

音楽が良いとやたら感動してしまいます^^;

漫画じゃこの後も続くので是非、漫画も読んでみたいです♪
でもやっぱり音楽ないと寂しいので出来れば劇場版2期を…
プリーズ!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ピアノに選ばれた少年の物語

全編に美しいピアノの音色が響き渡る、とても素敵な作品です。音楽好きの方ならピアノの音色に心奪われ、そしてそうで無い方もこの音色にはきっと癒される事と思います。


原作は漫画です。本作では主人公である海(カイ)君の小学生時代のエピソードを書いたものになります。この作品をご覧になり、もし気に入っていただけたのでしたら、是非とも原作の漫画も読んでいただく事をお勧めいたします。とても面白い作品ですので^^


自由奔放でやんちゃな性格である主人公の”一ノ瀬 海”君。彼は幼い頃より、近くの森にうち捨てられたピアノに触れて育ちます。毎日ピアノに触り、時にはピアノの上で寝泊まりし、彼の生活にピアノは溶け込んで行きます。そして彼は誰に習うわけでなく、いつしか我流でピアノを弾きこなす。天才・・・。彼は天才。そしてピアノに選ばれた人間。

そんな彼に友達が出来ます。東京から転校してきた”雨宮 修平”君。彼はピアニストの家系に育ち、そして自身もピアニストになる事を目指し、日々厳しい練習に明け暮れる毎日。”雨宮 修平”君は森にうち捨てられたピアノを弾く”一ノ瀬 海”君の演奏を聴き、衝撃を受けます。なるべくしてピアニストを目指す自分に持っていない物を持つ”一ノ瀬 海”君の演奏。聴く物を引きつけ、感動させる演奏・・・。2人はこの日から生涯のライバルとなる事を運命づけられます。


本作品では”一ノ瀬 海”君と”雨宮 修平”君がピアノコンクールで競う場面までが描かれます。ピアニストの家系に生まれ、サラブレッドとして育った”雨宮 修平”君。彼はその環境に満足する事無く、日々厳しい練習でピアニストになると言う夢を掴もうとするいわば”秀才”。
そして全てが我流であるが、ピアノに選ばれた天性の才能を持つ”天才”である”一ノ瀬 海”君。コンクールでは、お互いが全力を出し合い、そしてお互いを認め合いながら静かな戦いがきって落とされます。

本作品の最高の見せ場がこのコンクールのシーン。
自分の本当の演奏を見つけられず、コンクール本番中までも悩み続ける”一ノ瀬 海”君。彼は果たして本当の自分の演奏を見つけ出し、そしてそれを演奏する事が出来るのか?答えは彼のピアノの音色が教えてくれます。


主人公の”一ノ瀬 海”君役には上戸彩さん。ライバルの”雨宮 修平”君役には神木隆之介さん。その他にも池脇千鶴さん、福田麻由子さん等々有名人が声優として出演しています。製作はマッドハウスさんが担当。相当力の入った作品です。これで良い作品が作れない訳がない?

肝心のピアノ演奏及びミュージックアドバイザーには世界の巨匠である”ウラディーミル・アシュケナージ”さんが参加。ピアニストとしてはショパンの演奏で有名な彼ですが、彼の演奏はとにかくテクニックが凄い!音色が凄い!そしてその音色は怖いまでに美しい。彼が演奏するメインテーマである”Forest of the Piano”はクラッシックファンの方にはとにかくお勧め。彼の演奏は天才”一ノ瀬 海”を表現するのにぴったりと言えます。

エンディングテーマは女優であり、そしてピアニストでもある松下奈緒さんが歌う”Moonshine ~月あかり~”。なんとも美しく、切なく優しい、本作にピッタリとマッチした神曲です。

画像も綺麗ですね。特に森の中で佇むピアノの描写が素晴らしい。パッケージ絵となっている、森の中で木々の間からの日差しに照らされるピアノ。とても幻想的で癒されます。


素敵なピアノの音色に包まれ、そして観る物を引きつけるストーリーを持つ本作。疲れた心を癒す清涼剤になってくれる事と思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

森に響くピアノの調べ

はじめは楽譜すら読めなかった少年だったが、彼にはある才能があった・・・
原作ではピアニストとして才能を開花させていく姿を描いているが
この劇場版では小学生編の一部が描かれている。

とにかく、森の中でピアノを演奏するシーンが美しい。
作品サムネからの印象だとファンタジーを思い浮かべそうだが
中身はいたって真面目でとても現実的な内容。
ピアノを習っているお子さんたちにも、ぜひ観ていただきたいと思った。

ピアノに選ばれた才能を持つ天才少年・一ノ瀬海(いちのせ かい)と、
ピアニストの家系に育って厳しいレッスンを重ねる少年・雨宮 修平
(あまみや しゅうへい)のピアノに向ける情熱の温度差や友情。
ピアノを教える先生たちや彼らの母親たちのそれぞれの想い。

また、今の自分が一番感情移入できるのはカイの才能を見出したかつてのピアニスト
阿字野 壮介(あじの そうすけ)の心の変化。

またカイと母親・一ノ瀬怜子(いちのせ れいこ)の、
深い信頼で結ばれた親子関係も穏やかで、すごくいい。
厳しい教育の元で芸術家になる人ももちろん多いけれど
こういうのびのびした育て方で開花していくのも才能あればこそ。
そして大事なのは、その才能にいち早く気づき芽を摘まずに伸ばすこと。

音楽とは、芸術とはって、観ながらいろいろ考えてみたが
結果的に誰かを深く感動させることができていたら、
それはもう成功していると言っていいんじゃないか?と。

この作品、観る人によっては退屈かもしれないが
自分にとっては、初心を思い起こさせてくれるからというのもあり
観終えてしばらくするとまた観たくなるので、もう何度観たかわからない。
大きな感動をするというのとは違い、話の流れもそれほど
起伏はないものの、ご都合主義になっておらず現実的な部分が
しっかり描かれているのでホッとできる。

できれば、カイの成長期~ピアニストになるまでを描いた作品も
観てみたいものだが・・・なかなか映像化されないようでとても残念だ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34

68.4 4 コンサートで天才なアニメランキング4位
ピアノの森(第2シリーズ)(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (151)
577人が棚に入れました
森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公の一ノ瀬海(カイ)が、かつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や、偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき、やがてショパン・コンクールで世界に挑む。
2018年春の第1シリーズに続く分割2クール目。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、諏訪部順一、花江夏樹、中村悠一、KENN、悠木碧、伊瀬茉莉也、小西克幸、豊永利行、遊佐浩二、三宅麻理恵、坂本真綾、田中秀幸、島田敏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ショパンコンクールのプロモーションビデオ

原作未読

制作会社の社名変更で㈱ガイナで再出発。第1シリーズとクレジットに載ってる社名が違いました。
期待外れとの声多き第1シリーズで聞かれたのはこんなところ、

・ダイジェスト過ぎて原作の良さを潰している
・CGと手書きの差が激しくて違和感がある

ストーリーと演奏シーンに難あり。あとは大なり小なり様々なお客様の声。私も似たようなものだったので、第1シリーズ観て見切りをつけてしまい第2シリーズに流れ込んだ人も少なかったかもしれませんね。

実際のところ第2シリーズも微妙でした。鳴る物入りのCG演奏シーンは駆逐されて止め絵に取って代わり客離れを加速させます。でもうーん、、、仮にCGのままでも状況は変わらなかったと思います。

第1シリーズ終盤にはショパンコンクール予選に突入しちゃったもんで、第2シリーズでは12話かけてコンクールやるか、どこかで切り上げて後半盛り上げるかというのはあったかもしれませんが、なにせ「よう!ショパン!」のお話なので後者を取ることは考えられませんでした。
となると第1シリーズと同じです。演奏シーンが多いなら似たようなものを繰り返されたところで飽きるだけなのです。

おそらくスタッフはコンクールをじっくり描きたかったんだと思います。{netabare}通算24話のうち第9話~第24話と16話分。{/netabare}実際、一次予選、二次予選、そしてファイナルと徐々に上がるボルテージ、途中のハプニングを含めてコンクールの雰囲気は否応がなく伝わってきました。

そのコンクールを彩るための武器が、ぬるぬるCGと著名ピアニストの音源。技術に走っちゃいましたね。

プロの運指を見せるCGだと他の手書き絵とのバランスが悪い。止め絵連続でのモノローグや回想の多用と聴衆のリアクションばかりだとエモさが限定的。月並みですが、そこに魂。シーンを通して伝えたいメッセージを込めてれば違ったものになったでしょう。
第1シリーズの監督中谷学氏はCGの第一人者で日本のアニメは初だったみたいですが、主にシナリオの詰めが甘かったのでしょう。大筋の流れは出来上がったところに第2シリーズ監督交代でテコ入れしようとしたところで、V字回復には至りませんでした。

そもそも一流の音を聴いたところで私を含めてどれだけピアノ表現の差異をわかるかいっ!ちゅう話もあります。
CGが不評で路線変更せざるを得なくなり、残された超絶音源を頼りに作画のテコ入れをしなかったのが実情なのではないかと邪推しております。コンティンジェンシープランって大事ですね。
{netabare}それでもカイの演奏シーンの時は染み入るような感動に近いものを覚えましたので監督交代は悪くない判断だったような気がします。{/netabare}

とにかく演奏シーンが多い作品の性格上、全てに全力投球を求めるわけではありません。メリハリつけてここぞというところは力を入れて欲しかったなというのが率直なところです。

1.だってこれ見せるために他 (ストーリー) を削ったんでしょ?
2.音楽ものは演奏シーンが肝なんだから力を入れてよ?

不満に感じる理由です。
あと坂本真綾さんの出番が少なかったのも不満の一つです。


自分はショパンが好きですし、同じ曲でも確かにタッチが違うなと感じられる部分もありました。残念ながらストーリーはあまり入ってこず。
有名なショパンコンクールの雰囲気のようなものに触れられる。ピアノ好き。音は第1シリーズよりも良かったので、シンプルにピアノないしショパン限定で楽しみたい方向け。
ラストもそこそこいい話で終幕して物語を完結させているので酷評するまでには至らずの作品でした。


物事が上手くいかなかった時に次善の策を講じられなかった失敗例としてシリーズ通して記憶に留めておきます。


{netabare}ポーランド人の矜持ってワルシャワを訪れてひしひしと感じたところがあるんですよね。なんせ国が何回か地図上から消えた経験を持ってるわけですから。

 “我がポーランド”

作中に何回か出てきて良い受け止められ方をされない台詞ではあったのだけれど気持ちはわかる。
そんなポーランド人が最後には音楽に正直だったというのが救いでした。{/netabare}



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2019.09.20追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


NHKで再放送してました。音を楽しむにはイヤホン推奨。
オーディオ環境整えれば、皮肉抜きでけっこう楽しいと思います。



2019.04.17 初稿
2019.09.20 追記

投稿 : 2024/04/20
♥ : 31

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

泣いた。世界一泣いた。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:安定の2期。ピアノ演奏シーンがクオリティの低いCGがなくなったのは評価アップ。
期待度:★★★★★

いやー、結果ある程度分かっていたとしても泣けるね。一人焼肉しながら見てたけど謎の焼肉食べながら泣き。いいもんです。こういった王道。
それと何となくですが、日本人としてのナショナリズムを掻き立てられるのもちょっとあるのかもね。便所姫がすごくかわいくなってた。
コンテストの後日談もちょっと意外で余計かなと思ったけどあれはあれですごく良かった。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

評価に値するのは音楽と声優の演技のみ

第1シリーズ含めた全24話中、
第2シリーズは第13話から最終話までとなります。

作品の紹介などは、第1シリーズのレビューに書きましたので
ここでは省略します。

原作の大ファンである自分にとって
「ピアノの森」のテレビアニメ化は最高に嬉しかった。
しかし第1シリーズ数話で本作には既に失望。
まずは作画で、次にシリーズ構成にがっかり。

結果、期待に胸ふくまらせて書き始めた第1シリーズの詳細レビューでしたが、
今期の詳細レビューは、もう書く気がなくなりました。

<最終話まで観て>
本作は音楽>物語。
音楽だけは、ピアノ音源や新規EDなど非常にクオリティー高かった。

物語評価は、原作を読んだことなければ最低でも3.5以上にしていたかも。
しかし、原作を愛する自分には不満多い作品だった。

今期の5話目まで観た時点で、すでにアニメの評価確定。
そして最終話まで観てもその評価覆ることなく終了。

漫画「ピアノの森」は、物語>音楽にする形で
いつかリメイクしてもらいたいものです。
原作をリスペクトする、たっぷり確保した尺と構成で、
他の優れた制作会社と監督&脚本家で。

<TVアニメ版が嫌いな理由>
以下は、原作の若干のネタバレありです。
視聴中で原作未読の方は
アニメ終了までご覧にならないほうがいいでしょう。
{netabare}
作画が論外なのはまだしも、キャラクターが描き切れていないのが致命的。

構成に関して、個人的に描いて欲しかったポイントをほとんど外され
本当に残念です。
尺としても、最低でも3クール以上は必要な作品だったと思っています。

今期に入り、舞台はコンクール会場ばかり。
日本でカイを応援している家族や仲間の描写がほとんどなく単調です。
誉子は今期はモブ化してしまいました。

おかげで自分にとって本作は、
「天才ピアニストのサクセスストーリー」の域から脱せず
つまらない作品となりました。

最終巻まで読み終えて、本作の原作の魅力は、
単純なサクセスストーリーではない所でした。

原作のサクセスストーリー以外の魅力ある話を思いつくままに書くと、

・カイの、阿字野やお世話になった「森の端」住人への恩返しのドラマ。
・阿字野の奇跡の復活のドラマ。
・修平の脱皮と成長のドラマ。
・修平の父親 雨宮洋一郎の、阿字野と息子との関係が生み出すドラマ。
・誉子のドラマ。

つまり、少なくともカイ、阿字野、修平、誉子の4名は
等しくお互いが重要で欠かせぬ関係者であり、
物語の流れの中で主人公ポジションを譲り合いました。

成長後のカイは、苦労人だけあって
17歳でも、ある程度完成された人格者なので、
それ以外の3名の存在が、
物語を盛り上げて醍醐味を与えてくれていたのです。

ですから、上記主要の4名に関してはアニメ化に際して
原作に忠実に、いかなるエピソードも省くべきではないと感じます。

ところがアニメ第1シリーズでは、
コンクールに羽ばたく以前のドラマに1クール以下の尺しか与えられず
エピソードの大幅なカットがありました。
それは、キャラの魅力を視聴者に伝える上であまりに不十分。

カイの母親の怜子やカイの良き理解者である
ジャン・ジャック・セローや佐賀先生の魅力は
アニメでは半分以下となりました。

アニメでは存在すら抹消されたカイの恋人サエのエピソードも、
カイの人格形成において外してはならないでしょう。

原作では、サエのおかげで既に童貞でないカイ。
結婚こそしていませんが、同棲して一途に愛し合い、
お互いを高めあうパートナーとして苦労を分かち合っています。
そんなカイは立派な大人です。
彼から滲み出る包容力は、その背景あればこそ、と思います。

ショパンコンクール篇は、全26巻中、第12巻半ばから始まり
第25巻の最後でようやくコンクール結果発表と、
原作全体の半分以上を占めていてコンクール篇も重要ではあります。
コンクール篇に突入すると、アニメでも登場した
パン ウェイ、レフ・シマノフスキなど
コンテスタントたちの群像劇としての魅力も加味されていきます。

その長いコンクール篇が面白く感じられるかは、
カイの魅力が輝いていることが大前提。
コンクール前のカイの成長記が丁寧に描かれていないと
カイに思い入れも愛着を抱けず。カイへの応援意欲も減退。
コンテスタントたちの群像劇も尺足らず。
原作と比べるとどうしても中途半端に感じる。
結果、コンクールは単なる品評会の域から脱しきれない。

例えば、ワルシャワでの大好きなエピソードのひとつ、
14巻の第119話「ヤヌシはヤン」をアニメ前期ではカットされました。

カイはワルシャワ到着間もない頃、
ジャンの友人の経営する居酒屋を紹介で訪れます。
そこは廃業中。カイは居酒屋のピアノを調律し直し、
店を綺麗に掃除し、営業再開させるきっかけを与えます。
そしてカイはワルシャワ滞在中、その店で修行とアルバイトを兼ね
スケジュールの許す限りピアノ演奏することになります。
結果、カイのピアノで再開後一月足らずでそこは大繁盛。
カイは、数多くのポーランド人の
お客たちにも愛されるようになりました。
また、自暴自棄で酒浸りだった店主を救う話でもあります。
アニメではそういうエピソードを外し、
コンクール場面ばかりに重きを置きました。

重きを置くべきは第一に、以上のような地味な人間ドラマであり、
コンクールという競争の場を彩ることは副次的であるべき、
と言うのが持論です。

それでスタートした今期では、カイの魅力もさらに減じました。
個人的に全く盛り上がれなくて非常に退屈。

しかも一番感動した最終26巻の内容は、
アニメ最終話ではとって付けたように終了で非常にがっかり。
{/netabare}
<作画について>

第1シリーズでは、不自然なCGが目障りでした。

プロデューサーあたりが本作のアニメ制作会社の
元の親会社にSOSを発したのでしょうか???
第2シリーズでは、業界歴の長い監督へ交代。
(株)ガイナックス代表取締役社長の山賀博之氏が監督となり
演出の変更が如実です。

今期のOPのカイのピアノのCG演奏は、恐らく前期1話冒頭で使われた素材を
加工してブラッシュアップしたものでしょう。
周りをぼかしつつキラキラな映像処理を施すことで
巧く画面にCGを溶け込ませていると思います。
個人的にはこのレベルだったらCGウェルカムなのですが...。

しかし今期は新規CG作画を極力避けるように方針変更の様子。
止め画がかなり目立つようになりました。

その分、演出で補おうと努力されていて
16話(第2シリーズ4話目)でのカイのピアノ演奏時、
イメージ背景はなかなかの出来とは思えたものの、
止め画多用で作画上、稚拙な感はアップ。
制作会社の本来の実力が露呈して、
残念度はむしろ上がってしまいましたね。

基本、ピアノを弾くカイは全身不動なのに
頭髪だけ風になびいてるシーンがありましたが、
冷静に見ると結構シュールです。

また演奏中に飛び交う、埃にも見える大量のオーブらしきもの。
これは結局今期全話ずっとピアノ演奏シーンにつきまとう。
見ようによっては心霊動画みたいでちょっと怖い。。。
一流の演奏は多くの浮遊する魂を癒す、ということでしょうか?

キャラデザも原作準拠より
映画版のような真面目な台詞がよく似合うような現代に沿う、
スマートで垢抜けたデザインにすべきだったと思います。
一部のキャラクターの鼻の造形と髪の毛が漫画チックでいただけません。
特に阿字野の髪は、バルタン星人を連想してしまいます。

前期は、声優の演技と音楽の素晴らしさに免じ甘めの評価をしましたが、
今期は、原作とアニメを厳しく比較して決めさせていただきました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12

58.4 5 コンサートで天才なアニメランキング5位
クラシカロイド(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (90)
336人が棚に入れました
音楽で町おこしをする地方都市に住む高校生・歌苗(かなえ)と奏助(そうすけ)の前に、“クラシカロイド”を名乗るベートーベンとモーツァルトが現れ、2人が奏でる音楽「ムジーク」の奇妙な力で、星が降ったり、巨大ロボが現れたり、騒動が起こる……というストーリー。バッハ、ショパン、シューベルトなどのクラシカロイドも登場する。

音楽はクラシックの名曲をポップス、ロック、テクノなどにアレンジしたものが使用される。


声優・キャラクター
杉田智和、梶裕貴、小松未可子、島﨑信長、鳥海浩輔、能登麻美子、前野智昭、遠藤綾、M・A・O、楠大典、石田彰
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なかなか楽しくて個人的には好きなんだけど、正直コメントに困るアニメ

2016年10月から2017年3月放送。全25話。第2期が2017年秋放送開始予定です。
本作は続編に繋がる部分を示さず終わったのでストーリーも星評価しています。

一言で言うと、うっすらメインストーリーがあるシュールギャグアニメ。
全体の印象はシュールなNHK番組とサンライズのアニメーションの融合作品という感じです。私はどちらの雰囲気も好きなので、馴染んだ感覚で楽しめました。ロボットアニメみたいな演出もたまにあって凄く笑ったw
結構楽しみにリアタイ視聴していたものの、正直感想に困り今まで放置してしまいましたw

制作側がフリーダムで楽しんで作っているのがわかりそれが良い所でもありますが、嫌いな人もいるだろうと思います。シュールギャグにもシリアスにも振り切っておらず、本筋がわかりやすいと言えないのもちょっと見る人を選ぶかな。


秀逸な服飾デザインと地味なキャラクターデザインが好きで、それにマッチした明るくのどかな背景が個人的には見やすく、ムジークシーンはカラフルかつファンタジックで、そのギャップが映像として良かったです。

音楽は本作のコンセプトでもあり、全体的に素晴らしかったです。ムジークを使ったEDが凝っていて、毎回の見所でした。ムジークのCDとその原曲を収録したCDがNHKから出ていますが、アマゾンのクラシックCD売り上げランキングで結構高い順位につけていたのが何だか面白かったですw
クラシックの原曲を現在活躍中のアーティストが「ムジークプロデューサー」としてアレンジし、それを劇中で使うのが本作の売りで、一人の音楽家を決まったアーティストが担当。
リストのハンガリアンラプソディとベートーヴェンの第九が以前から好きなので使われて嬉しいですね。
サウンドトラックも、一部クラシックのイントロを使用している部分もあったりでとても良かったです。


【良かった所】
{netabare}バッハ様の渋い格好良さ、女の子たちのカワイイだけじゃない可愛さ、パッド君やハッシー、ぎょうな君といったシュールなマスコットも凄く好みでした。

割とはっちゃけた内容の根本にクラシカロイド達の音楽に対する向き合い方も感じられたのが良かったです。
こういうアニメは昔のアニメのように1年以上の長期間毎週放送する方が合っていると思うのですが、分割4クールならこれから意外とそういう感じになるかも?


音羽館と歌苗がクラシカロイドと現代を繋ぐ役割を担っていて、その二つがクラシカロイド達を行動させるのはかなり好きな部分でした。
歌苗もクラシカロイドに振り回されるだけにならず、りっちゃんがフォローしたり、女子会回ではっちゃける姿も見られます。

バッハが歌苗に一目置いているのも、物語を進めたりバッハの考えを提示する一助になっていて上手い。
バッハは音楽そのものをすべての人々を繋げる画一的な理想として考えていて、八音たちが成長し覚醒すれば自分と同じ考えに至ると考えていたと思います。でもベトとモツはそれぞれの曲あるいは作曲家や聞き手に別の個性があって、作り方も受け取り方もそれぞれ違っていいと思っている。というか本人たちはそんなこと考えていなくて自分のやりたいようにやっている。
おそらく他の八音もそうだと思うんです。チャイコが最終話でバッハに自分たちに何も言わないことに不満を述べていました。バッハ自身が思っているほど、彼は完璧ではないのですね。言わなくてもわかってくれるとか、自分の考えは正しいとか、団塊世代のお父さんみたいじゃないですかw
ベトとモツの結論をバッハは未熟な考え方として聞く耳を持たず、力でねじ伏せようとします。しかしそこで反対意見を述べて受け入れられたのが歌苗でした。現代人であり、まとまりに欠けるクラシカロイド達と四苦八苦しながら人間関係を築いてきた歌苗だからこそ、バッハの理想に一石を投じることができたのだと思います。

歌苗にはラストでも意外な活躍シーンがあって、作品の中心人物として一貫して描いていると思えてとてもよかったです。


もう一人の主人公ともいえる奏助ですが、良くも悪くもヒドいwでもその分周りに振り回されたり酷い目に遭ったりしていて、憎めない描き方になっていると思います。
こういう点は本作はきちんとバランスを取っているので一つの見所ですね。


それからNHKの子ども番組に私は慣れている方なので思うのですが、本作の狙いって「子どもがどんな形であれクラシック音楽を耳にする機会を増やすこと」だと思うんですよ。これはちゃんと徹底していると思う。前述のとおりCDもそれなりに売れたみたいですし、原曲CDのブックレットが凄く凝っていてそれもNHKらしいなと思います。
アニメの内容はシリアスでもコメディでも子どもに見せるのに不適切でなければそれで良い。ぶっちゃけ子どもにわからないと判断すれば、バイト回での893ネタとか、大人にはヤバく見えるものも割とゆるく入れてしまう。(ただ今はインターネットに触れる若年の子も多いので、このあたりの認識は改めた方が良いのかなあ?と個人的には思う時もあるんですが)
逆にエロに対しては厳しくて、リストのバニーコスがホットパンツタイプの露出の低いものになっているし、ジェンダーの視点で偏りが無いよう、白鳥回では異性も男性同士も女性同士もカップル成立させてバランス取っていたりする。ていうか、これが監督や脚本の悪ノリだとしても私の観てきたNHKは通しちゃいそうな気がするんですよねw
それなりに長いこと教育テレビ見てきて、この辺がいかにもNHKらしいなと思いました。
{/netabare}


【気になった所】
{netabare}6の倍数の話数に本筋に関わるストーリーを挿入していますが、「ブレイク・スルー」と「ちがいのわかるおとこ」はもっと早い話数にしてほしかったかも。お話自体は嫌いじゃないんですが、21話・22話にはもう少し本筋に絡む内容を持ってきた方が、ラストへの流れがもっと良くなったと思います。

音羽館のパイプオルガンの伏線が回収されなかったのが残念なんですが、続編でフォローあるかな?
歌苗の父親が良くも悪くもフリーダムで娘に結構迷惑かけてるのが個人的には気になる。まあ歌苗が強くなってあまり気にしていないようなので良いのかもしれませんが… {/netabare}



かなり好き嫌いが分かれるだろう作品ですが、私は女性キャラの描き方が好みだったこともあってなかなか楽しめました。
2期も視聴しますが、監督など一部の主要スタッフが変わるのでどんな風になるのか読めませんが、クラシカロイドらしい続編になればいいなと思います。(2017.9.21)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

NHKのオリジナルアニメーション

NHKの作品…と聞くとどうしても食指が動いてしまいます。
何故ならこれまでNHKでは獣の奏者エリン、こばと。バクマン。十二国記や精霊の守り人など、しっかりと腰を据えて制作された作品が多い上、「お気に入りの棚」に入れるほど大好きな作品が放送されているからです。

「NHKの本気」というキーワードを何度も目にした事があります。
基本的に真面目な作品ばかりですが、それと同じくらい感動する作品も多いと思います。
もう、こばと。やバクマン。などでどれだけ号泣した事か…
だから私の中でNHKの作品は外せない作品となっています。

この物語の舞台は浜松市…ここの「音羽館」という古い洋館がこの物語の中心になっています。
現在のこの洋館の大家さんは高校生の音羽歌苗…元気で心優しい女の子です。
彼女は音羽館をとても大切にしていました…正確には音羽館での思い出…ですけれど。

この音羽館は中々凄くて、1階の広間には自動演奏機能付きのパイプオルガンが設置されているんです。
歌苗の祖母が生前の頃、友達を呼んで舞踏会を開くほどの音羽家は結構な資産家だったんです。
それが父親の代で資産を使い果たし現在に至る…という感じです。
でも、歌苗は音羽館で昔の様な華やかだった時代を取り戻したい、が今の彼女の夢…

ところが、事態は妙な方向に進んでいく事に…
その日はいつもの様に歌苗と同じ高校生の神楽奏助が音羽館に入り浸っていたところ、突然ベートーヴェンに瓜二つの男性が音羽館を訪ねてきたんです。
それにその男性…何故か餃子へのこだわりが半端無いというおまけ付き…

そしてこんな珍事は更に続き…
気が付いてみると、モーツァルト、ショパン、リスト、シューベルトまでもが音羽館に押し寄せてきたんです。
来た理由はみんなそれぞれ…ですが結果的に居座ってしまうんです。
音羽館にそれだけたくさんの部屋がある…というのも居座る理由の一つなんでしょうけれど…

彼らこそがクラシカロイド…クラシック音楽の偉人さんに瓜二つの風貌を持つ彼らでしたが、その名前が付く理由は他にもう一つありました。

それは、物語開始早々…音羽館の権利が第3者に渡っており、突然取り壊しが決まり工事業者が押し寄せてきた時の事です。
ベートーヴェンに瓜二つの男性が、自分の居場所を守るため「ムジーク」という特殊能力を突如発動させたんです。
その能力は、発動させた音楽家が作曲した音楽を背景に突然変異が起こる、という類のもの…
取り壊しを阻止できた音羽館と大家の歌苗…そしてクラシカロイド達との奇妙な暮らしが始まり物語が動いていきます。

まずこの作品で面白いのはキャラの設定です。
リストが女性だったり、シューベルトは史実通りベートーヴェンを敬愛していたりと設定はハチャメチャ…
そしてお互いがぶつかった時などは、どれだけ音楽に対して貢献したかのバロメーターである「偉人度」が持ち出されたり…
この「偉人度」ですが、気にする人は気にするんですね…
皆さん有名な方ばかりだから、そんなの気にすることないのに…なんて思いますけれど。

そしてクラシカロイドが何のために生まれてきたのか…完走して振り返ってみるとこれも謎だったように思います。
だから生き方がみんな羨ましいくらい自由奔放…
毎日を面白おかしく過ごす人もいれば、研究や趣味に没頭したりと様々なんです。
彼らの生前にはこれほどの娯楽はありませんでしたので、夢中になるのも分かりますけれど。

彼らがいかに有名な音楽家でも、そればかりなら物語は中だるみしてしまうと思います。
でもそんな心配は杞憂だと思います。
何故なら彼らは事件を起こすスペシャリストでしたから…
それに…登場するクラシカロイドは先に記載した方が全てではありません。
彼らと生活を別にするクラシカロイドが考えている事とは…?
物語は結構濃密だったように思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「ClassicaLoid -クラシカロイドのテーマ-」
初めてオープニングを聴いた時、ギターサウンドに懐かしさを感じました。
もしかして…と思ったら案の定、布袋寅泰さんが作曲に参加されていたんです。
クラシック音楽をベースにアレンジというスパイスを加えた上、布袋さんという彩りが加わったこのオープニングは何気にお気に入りで毎回聞いていました。

2クール全25話の作品でした。
物語としては綺麗に幕が下ろされたと思いますが、これがNHKの凄いところ…
何と第2シリーズが秋アニメで放送されるんだそうです。
確かに、謎は残っていますが普通の販促作品ならここで終わっても十分なところ、NHKはしっかり突き詰めてくれるんですよね。
こういう姿勢はとても嬉しく思います。
10月からの放送を楽しみに待っています。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10

じぇりー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

N●Kのご乱心!!? しかも2期やるの!?

監督:藤田陽一
脚本:(時々)松原秀

…って、おそ松さんのコンビやん!いやでも、あのテイストってNHK Eテレ的にOKなのだろうか、と一松…もとい一抹の不安がよぎる。
とはいえ、あくまで私調べではあるが、NHKのアニメは総じてクォリティが高いし、何より大好きな「音楽」がテーマになっている作品だし、ということで視聴を開始。

しかし、視聴を終えた結果上記の★評価となった。
音楽を題材にした作品には、大抵甘口評価になりがちな私でも、これは普段なら跨いで通るレベル。
途中で切ってもおかしくないくらい、全く楽しめる内容ではなかったが、とりあえず毎話必ず流れるムジーク(クラシカロイドの奏でる音楽=クラシック音楽を現代風にアレンジした楽曲)を一通り聴いてみなくては、この作品の真価は分からないという何だか意味不明な使命感に囚われ、苦しみながらも完走。
しかし、25話見終えた今、その使命感は完全に無駄であったと確信している。

まず、ギャグが寒い。ワンパターン。とにかくキャラのテンションが異常に高く、正直このノリにはついていけない。
ベートーヴェンやモーツァルトなど、歴史に名を残す偉大な作曲家を模した謎の存在である「クラシカロイド」達…彼ら一人一人が、史実にある人物像を拡大解釈したかなりクセの強いキャラクターに仕上がっている。
この個性の強さがかえって仇となり、毎話ドタバタで意味不明な一話完結型ストーリーの繰り返し。オチも大体想像がついてしまう。

そして、何よりこの作品の「肝」とも呼べる音楽は、最低だったと言わざるを得ない。
いくら有名プロデューサーによるアレンジを施しているとはいえ、誰もが知るクラシック曲が現代に至るまで人々に愛されている所以は、それがクラシック音楽であるからこそであって、それをロックやポップス、果ては演歌やラップにアレンジしてしまうのは、もはやオリジナル楽曲への冒涜とさえ感じる。
何より最悪なのは、交響曲やピアノ曲に無理矢理日本語歌詞をつけ、歌わせている点だ。もう原曲のイメージ崩壊が甚だしい。
アレンジも、もはやオリジナルの原型を留めておらず、作中での解説か、エンディングクレジットで初めて何の曲だったか分かるケースまであったほど。ここまで来るともう末期。

放送局がNHK Eテレであったということを考えると、恐らくだが、「教育テレビ」という役割から、視聴者にもっと身近にクラシック音楽を感じてほしい…という意図が根底にあったのかもしれない。
しかし、この布教活動が功を奏したとは到底思えない、アニメとしても、音楽教育番組としても失敗に終わっている感のある本作品が、なんと最終話で「第2クール決定」との時期尚早な発表。
完全にNHKご乱心だ。これが民放なら正直絶対にあり得ないだろう。

一言、爆弾を投下させていただけるなら言いたい。不可能を可能にすることができるもの、それは…


受信料。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5
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