サイコサスペンスで恐怖なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月15日の時点で一番のサイコサスペンスで恐怖なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.9 1 サイコサスペンスで恐怖なアニメランキング1位
PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)

1998年2月28日
★★★★☆ 3.9 (647)
3021人が棚に入れました
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

閲覧要注意

何年かぶりに 観かえしました。

正直、今敏監督は苦手です。

が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)


お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。



まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。

きっと
普通の女の子の普通の部屋。

まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)

私は覗き魔になる。


そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。

レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。

デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。

私は未麻を犯す男優になる。



どんどん不安定になって行く未麻

『解離性障害』という病

『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)


それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。


私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。



この作品を、『グロ』と思って欲しくない。

先入観で敬遠して欲しくない。

心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。


『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。

『こうあって欲しい』という願いが高じて

人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり



今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない


一生
応えられないかもしれない

それでいいと 思ってる




今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。


人の中に潜む、複数の『私』


複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。




さて
今日の『私』はどの子とどの子?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キミは ほんもの?

1998年 今は亡き今敏氏の初監督作品。

主人公は、アイドルグループを脱退し、女優へと転身を計った霧越未麻。
女優を志したものの、元アイドルというだけでは売れないという事務所側の意向で、
ドラマのレイプシーンやヘアヌード撮影に挑んでいくうちに、
狂信的なファンからのストーカー行為や嫌がらせを受け、
さらには彼女に関わる人物が次々に惨殺される事件が発生。

{netabare}彼女は本音とのズレが生じていき、
アイドルとして人気を得ていた頃の自分の幻影に苦しみつつも、{/netabare}
前に突き進むしかない現実の中、さらなる衝撃的な事実が判明する・・
といったサイコスリラーなストーリー。

実際に身近でよく聞く話が題材ということもあり、
リアルな恐怖感にやや緊張しながら観ていた。
先日視聴した同監督の『千年女優』のときと同様、
現実と妄想、虚像と実像を、ドラマの撮影現場や演じているセリフに
うまくリンクさせている部分はお見事!な演出。

自分の目標とか夢とは裏腹に、嫌な仕事も引き受けなければならないのは、
芸能人じゃなくても社会人なら誰にでも多々あるわけだけれど、
不特定多数の人々から注目されている職業だと、
知らない相手が自分を知っているのはほぼ当然のことであり、
成りすましサイトが立ち上がったり、自分の行動が本人の記憶以上に
詳しく描写されている、なんてこともあり・・・
{netabare}
かくいう未麻も、そんなふうにストーカーに監視されており、
いつ心が壊れてもおかしくないほど追い詰められていく描写には、
観ているこちらもハラハラした。
当時だと、まだそういったネットストーカーに関する事件が
あまり大きく取り沙汰されていなかったからなのか、
あんな成りすましサイトを冷静な態度でロムっている未麻には
かなり違和感を覚えたが、後半の彼女の
「あの『未麻の部屋』にいる自分のほうが ほんとうの自分なのかも」という
心の声を聞いて、なるほど・・・だからなのかと、ちょっと納得。
{/netabare}

真犯人は人格が解離した未麻なのか?それとも一人芝居なのか。
あるいは未麻の代わりに、ストーカーが事件を起こしているのか?
途中でコロコロと予想が二転三転するが、
狂信的なファンや未麻の周囲の人間を特に醜く描くことで、
殺人事件の真犯人が誰であってもありえそうに感じ、そんな部分でも、
人間不信になりやすいあの世界をすごくリアルに見せていたと思う。

であっても、終盤の事実判明はかなり衝撃的。
事実がわかれば納得もいくのだが、なかなかショッキングだった。

後味は悪くない作品だったけれど、イメージが一人歩きしてしまう世界って
芸能界だけでなく、例えばこういったネットの中でもよくあることなので、
他人事じゃないなと身震いする思いです・・・

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「本当の私とは」「なりたかった自分とは」

1998年の作品で故・今敏監督の監督デビュー作です。
まずこの作品を観終わって一番感じたことは「分かりやすい!!」です。
どういうことか説明する前にあらすじを紹介します(知っている方は飛ばしてください)

事務所の方針により霧越未麻はアイドルグループを脱退し、女優へと転身を計るも
アイドル時代には想像もつかないような仕事を強いられ
描いていた理想と過酷な現実との間でもがき苦しむ。
さらに脅迫やストーカーといった様々なストレス要因により
ついにはアイドル時代の幻影が見えるようになるまで追い詰められてしまう。
「本当の私とは」「なりたかった自分とは」
徐々に未麻のアイデンティティが崩壊していく中で不可解な事件が発生していく。

ジャンルはサイコサスペンスでしょうか。
私はこの作品を視聴する前に同監督の「妄想代理人」を視聴しています。
こちらは映画でなく1クールのアニメですが、
ジャンルはこの作品と同じサイコサスペンスで話の内容も非常に似ており、
不可解な事件の発生→事件の真相が明らかにというものなのですが、
「妄想代理人」は非常に分かりにくいのです。
1回の視聴では「え?つまりどういうこと?」とかなりの謎が残りました。
すべての謎を解き明かすには相当の考察を要する作品だと思います。

比べてこの作品は非常に分かりやすいです。
事件の真相を知って「あ~なるほど」と綺麗に納得できるので
物語を観終わった後も十分に余韻に浸ることができました。

大衆娯楽として分かりやすいこの作品の方が受けはいいと思います。
監督初作品ということである程度大衆受けを狙って
分かりやすく作ったのかななんて思ったり思わなかったり。
(これは本筋の話であり、考察が必要なシーンはたくさんあります)

とは言えR-15指定ということもあり、
かなり過激な描写も多く、
テーマや内容を鑑みても挑戦的な作品であるのは間違いないです。

個人的には多少くどいかなと思いましたが、
夢か現か幻かを表現するカット割りも今敏監督ならではのものですし、
不気味さや恐怖感を存分に煽ってきます。

このアングル・カット割りは
アカデミー監督賞にノミネートされた「ブラック・スワン」の監督
ダーレン・アロノフスキーに多大な影響を与えているというのは有名な話です。

アニメ好きならこの作品は決して避けては通れない作品の1つです。
敢えてお勧めですとは言いません。
明日なのか何年後なのかは分かりませんが、
いつかは観るべき作品ですとここは言い切っちゃいましょう。
そしてその期待に十分に応えてくれる名作です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

77.9 2 サイコサスペンスで恐怖なアニメランキング2位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1460)
7808人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

気持ち悪いのに目が離せない・・・。

屍鬼のキャラは髪型が独特で髪型につい目がいってしまいました。
なんだこの髪型・・
まぁアニメだしということでおいといて・・。

最初1話や2話あたりは正直退屈でした。早くも飽きそうっw
しかし、気付いたらストーリーに見事に引き込まれていましたヽ(*´∪`*)ノ"
結構おもしろかった!
あっという間にすべて観てしまいました。

ですが、個人的に主人公の印象があまり残っていません。
原作読んでいないからかもしれないですが・・。

後半すごくハードでした。
村が狂った。
殺害シーン、肌がやける気持ち悪いシーンたくさんありました。
気持ち悪いのになぜか目が話せない・・不思議な変な怖さを感じました。
寝る時目瞑ると蘇る;;っw

グロいのがダメな方にはオススメできない作品です(´_`。)

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『人間』と『ヒト』

ジャンルはミステリー/ホラー/サスペンス

外部から隔絶された小さな村が舞台
とある地区から死体が発見されると、
その後も次から次へと村人は不自然に死んでいく
あまりにも死人が多いため、
村の唯一の医者である尾崎は不審に感じる…

ここからの話の展開はお見事でした
ひきつけられます
ただ、途中で失速した感がありました

しかし、この中盤戦は物語の結末の伏線となっていました
ラスト数話の伏線回収が観ててとても面白かったです
やや盛り上がりに欠けた中盤ではありましたが、大事なストーリーでしたね
是非、最後まで観て頂きたいです

盛り上がりという面ではラスト数話はホントに最高です
思わず気分が高揚してしまいました
何が起きたのか、それはご自分の目で確認してほしいです
この作品はあまり前知識なしで観たほうが良さそうなので

ゾクゾクドキドキハラハラの展開
私好みで満足です

ちなみにグロさは中辛くらいです
そこまでグロくはないので、耐性なしでも楽しめると思います


キャラは個人として魅力的な者はいませんが、
村人一人一人に人間味があり、そこがまた面白いです
人間とはなにか。考えさせられます
医者の尾崎は特に人間味が溢れていると思います
彼の言動や行動は良い意味でも悪い意味でも人間らしい
この作品の最重要人物です


OP,EDはどの曲も作品の雰囲気に合っていて良かったように思えます
好きなのは後期OPですが、作品にベストマッチだったのは
前期のOPとEDですね
OPへの入りが見事で、とても良い演出でした
EDはnangiさんの独特な歌声がぴったしでした


この作品は物語性重視の方にオススメです
人間の感情、行動、本能、温かさ、怖さ、謎…
人間本来の姿…一つの動物としての『ヒト』が垣間見られるわけです

ダークな雰囲気が好みの方にも合うかもしれませんね
いい感じに暗いオーラが漂ってます


最後はクソ○○!とか思いましたが、
今ではこの終わり方で良かったと感じています


『人間』と『屍鬼』は違った存在です
ただ、『人間』と『ヒト』となるとどうでしょう?
この二つは似て非なる存在とも言えますし、
イコールの関係とも言えるはずです

そもそもどこからが『人間』でどこまでが『ヒト』なのか、
ナニが『人間』でナニが『ヒト』なのか

このことはいくら考えてもキリがないくらいです
それだけに興味深く、面白い

もちろんネットで調べれば様々な解答が得られますが、
これは自分で考えるからこそ意味があると思います

と、普段は主に可愛い女の子キャラや素敵なOP,EDを
探し求めている私のような者でさえも
いろいろと考えさせられた深い深い作品なわけです

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38
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