スタジオぬえで歌姫なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのスタジオぬえで歌姫な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月06日の時点で一番のスタジオぬえで歌姫なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.6 1 スタジオぬえで歌姫なアニメランキング1位
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(アニメ映画)

1984年7月21日
★★★★☆ 4.0 (458)
2092人が棚に入れました
50万周期にわたり大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディ軍と女のメルトランディ軍。西暦2009年、その戦火は地球にも及び、ゼントラーディ軍の奇襲をうけた地球統合軍の巨大宇宙戦艦SDF-1マクロスは、脱出時の動力不調から太陽系外周部へ飛び出すこととなる。追撃をうけながら地球への自力帰還をめざす航海の5か月目、土星の衛星タイタン宙域から物語は始まる。地球を離れる際避難した5万8千人の民間人は、広大な艦内に市街地を建設し生活を営んでいた。バルキリー隊パイロット一条輝はアイドル歌手リン・ミンメイや、上官早瀬未沙と近しい関係になっていく。そんなありふれた日常風景が、接触した巨人族たちの規律に思わぬ混乱を招くことになる。

声優・キャラクター
飯島真理、長谷有洋、土井美加、羽佐間道夫、小原乃梨子、神谷明
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

マクロスシリーズ一括評価

ちょうど今、dアニメストアで、3月末までの限定ながら、本作および『劇場版マクロスF』(前・後編の2本)『劇場版マクロス7』の劇場版作品4本が配信されているので、マクロスシリーズ未視聴の方はチャンスです。
(※なお、TVシリーズ『超時空要塞マクロス』『マクロス7』『マクロスF』『マクロスΔ』は期間限定なしで配信中)


◆マクロスシリーズ一覧&評価 ※全10シリーズ18作品
(※作中にある架空の西暦年代の順です。制作順ではありません)

★が多いほど個人的に高評価した作品(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた作品
×は脚本に余り納得できなかった疑問作
●は未視聴
※人名は監督、(総)は総監督、SDはシリーズディレクター、SCはシリーズ構成

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 【1】 マクロス ゼロ (西暦2008年の世界) ※冒頭で1999年7月の災厄が語られる
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№1 《OVA》 「マクロス ゼロ」 (河森正治/全5話/2002-04) ★ 4.0

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 【2】 超時空要塞マクロス (西暦2009-10年の世界)
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№2 《テレビ》 「超時空要塞マクロス」 (石黒昇(SD)・松崎健一(SC)/全36話/1982–83) ★ 4.3
№3 《劇改作》 「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 (石黒昇・河森正治/1984) ☆ 3.7

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 【3】 超時空要塞マクロス Flash Back 2012 (西暦2012年の世界)
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●№4 《OVA》 「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」 (河森正治/1987) ※30分

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 【4】 マクロスプラス (西暦2040年の世界)
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№5 《OVA》 「マクロスプラス」 (河森正治(総)・渡辺信一郎/全4話/1994-95年) ☆ 3.8
№6 《劇改作》 「マクロスプラス MOVIE EDITION」 (河森正治(総)・渡辺信一郎/1995年) ※115分 ★ 4.1

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 【5】 マクロス7 (西暦2045-46年の世界)
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№7 《テレビ》 「マクロス7」 (河森正治(原作)・アミノテツロー/全52話/1994-95年) ☆ 3.7
№8 《劇新作》 「マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!」 (アミノテツロー/1995年) ※33分 ☆ 3.7

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 【6】 マクロス ダイナマイト7 (西暦2047年の世界)
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№9 《OVA》 「マクロス ダイナマイト7」 (アミノテツロー/全4話/1997年) ☆ 3.5

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 【7】 マクロスF (西暦2059年の世界)
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№10 《テレビ》 「マクロスF」 (河森正治(総)・菊地康仁/全25話/2008年) ★ 4.3
№11 《劇改作》 「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」 (河森正治/2009年) ★★ 4.5
№12 《劇改作》 「マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」 (河森正治/2011年) ★★ 4.7
●№13 《劇改作》 「マクロスFB7 オレノウタヲキケ!」 (アミノテツロ/2012年)

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 【8】 マクロスΔ (西暦2067年の世界)
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№14 《テレビ》 「マクロスΔ」 (河森正治(総)・安田賢司/全26話/2016年) ★ 4.0
●№15 《劇改作》 「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」 (河森正治/2018年)

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 【9】 超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN- (西暦2090年代の世界)
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№16 《OVA》 「超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-」 (八谷賢一/全6話/1992年) ☆ 3.5

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 【10】 その他 
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№17 《OVA》 「娘クリ Nyan×2 Music Clip」 (/2010年) ★ 4.0 ※『マクロスF』劇場版の映像を流用した音楽劇
●№18 《OVA》 「マクロス超時空ゼミナール!!」 (/2012年)


以上

(TVシリーズ+短編OVA) 5+36+4+52+4+25+26+6=158話
(劇場版) 7本 (愛おぼ/マクプラME/マク7銀呼/マクFB7/マクF虚空/マクF恋離/マクΔ激ワル)
(特殊OVA) 3本 (Flash Back 2012/娘クリ/超時空ゼミ)


◆総評

上記のように、TVシリーズを放送した後に、それをベースとする劇場版アナザー・ストーリーを公開するのが恒例になっています。

・・・で、私の個人的な感想ですが、

(1) 『超時空要塞マクロス』(初代マクロス)に関して

本サイトでは、何故か劇場版の評価が非常に高く、TVシリーズの評価が低めですが、TVシリーズをちゃんと見ていないと劇場版もさほど楽しめないし、マクロスシリーズ全体のコンセプトを誤解してしまう怖れがあると思うので(※私がそうだったので・・・)やはりTVシリーズの方を先に視聴する方が良いと思います。
逆にいうと、劇場版を見てまずまず楽しめた人には、TVシリーズの方も必ず見て欲しい作品です(※劇場版は作画・音楽が良く“楽しめる”作品だけど、TVシリーズは作画の酷さやシナリオのグダグダさという欠点を凌駕する“予想外に大きな感動”のある作品と思うので→マクロスシリーズが現代まで続いている人気の源泉はここ)

(2) 『マクロス7』に関して

私が最初に視聴したマクロスですが、こっちも初代マクロス(TVシリーズ)の方を最後までしっかり見ていないと作品コンセプトが確り理解できないし、作品をいまいち楽しめないと思います。
※ヒロイン(ミレーヌ)の両親が初代マクロスのあの{netabare}子づくりカップル{/netabare}だと知ってビックリ!だったので。
シナリオ自体は、初代マクロスを視聴済みという前提で、前半はまずまず面白いと思います(※個人評価 ★ 4.1 くらい)。
ただし後半は、展開が冗長になりシナリオも焦点が定まらなくなる印象で、全体評価は ☆ 3.7 とマクロスシリーズの中では低めとなりました。

(3) 『マクロスプラス』に関して

全4話と短く作画良好&シナリオもコンパクトに纏まっているので、ここからマクロスを見始める、という手はあると思います。
但し、マクロスシリーズ全体からみると、他作品との関連は薄く、無視しても問題ない作品かも。

(4) 『マクロスゼロ』に関して

初代マクロスの前日譚なので「ゼロ」という作品名なのでしょう。
その初代で活躍するエースパイロット(ロイ・フォッカー少佐)の雄姿が存分に楽しめる作品でもあるので、彼のファンは必見です。
そして、『マクロスF』に引き継がれる伏線も多い作品。

(5) 『マクロスF』に関して

新規ファン開拓を主眼としエンタメ性が大幅に強化されているので、ここからマクロスシリーズを見始めても十分楽しめると思いますが、『超時空要塞マクロス』のTVシリーズを確り見終えたあとに再視聴すると、本作が初代マクロスを巧みに本家取りしていることが分かってきて、楽しみが更に増すと思います。
因みに、『マクロスゼロ』の方も先に視聴しておけば、そちらのエピソードとの関連も発見できて更に楽しめます。
更にいえば、『マクロスF』に関しては、TVシリーズよりも劇場版の完成度の方が圧倒的に高いので、初代と違って劇場版から先に視聴するのもアリだと思います。

(6) 『マクロスΔ』に関して

現在劇場版が公開中の最新シリーズですが、私はTVシリーズしか見ていないので評価は保留します。

(7) 『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』に関して

初代マクロス制作10周年を記念して制作されたOVAということですが、河森正治氏その他の初代マクロスの主要スタッフが制作にあまり関わっておらず、マクロスシリーズの中では完全に浮いた作品となっています(シナリオ&設定も他作品とは整合性が取れていない完全なパラレルワールドもの)。
内容は可もなく不可もなく、といったところか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ミンメイファンが増えました

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。2時間くらいのSFロボットもの。テレビシリーズは未視聴です。
 作画に関しては圧巻の一言。音楽も満足しました。視線の送り方などの表現もとても良かったです。


ゼントラーディとメルトランディ:{netabare}
 男のゼントラーディと女のメルトランディと人類が相互に戦争状態にある、という三つ巴がストーリーの骨子にあります。この異種族であるゼントランディとメルトランディの描き方は面白いなと思いました。
 ゼントランディの戦艦は、自然的で曲線的。
 メルトランディの戦艦は、機械的で直線的。
 一般的なイメージとしては、自然的・曲線的なものが女性で、機械的・直線的なものが男性だと思うのですが、イメージが逆転されています。女性的な戦艦を持つ男のゼントラーディと、男性的な戦艦を持つ女のメルトランディという構造です。

 両種族とも異性を必要としなくなった人類で、相手の種族と敵対しているわけですが、本能的な部分では相手種族を排斥していないのかもしれません。戦艦の中にいることを踏まえれば、異性の特性の庇護下にいるとも言えますし、戦艦として運用していることを踏まえれば、異性の特性を内在化しているとも言えます。

 このような戦艦が描かれることで、<ゼントラーディVSメルトランディVS人類>の戦いは、<男女VS男女VS男女>の均衡された状態になりました。これでは決着つかなくない?と思っていたら、やはり決着は別のところにありました。
 結局、この戦いは、どれかの種族に勝者が生まれたわけではなく、<文化推奨派VS文化否定派>の戦いに展開され、終止符となりました。文化の勝利です。
{/netabare}

ミンメイとミサ①:{netabare}
 今度はヒカルを巡る三角関係に関して。
 象徴として最初に起こったのはヒカルとミンメイは結婚式で、次がヒカルとミサは新婚生活、ということでヒカルがどちらになびくのかはなかなか見えませんでした。結果論から言うと、ミサしかなかったのだと思います。

 新婚生活の前のシーンで、ヒカルの家族が既に他界していることが明らかになります。家族のいないヒカルを「お帰りなさい」と迎えてくれたのがミサであり、ヒカルもこれを「ただいま」と受け入れたことが、ヒカルがミサになびくきっかけとなっていたのだと思われます。

 ミサがヒカルに思いを寄せ始めたのは、新婚生活の前のシーンでしょう。風邪をひいたミサがヒカルに弱音を吐きますが、ヒカルの境遇に触れ反省し、グロイ魚を食べるシーンがあります。これはおそらくプライドを捨てたという描写でしょうから、上官と部下という関係性から離れ、単なる男と女という関係にシフトしたのだと思われます。恋愛のスタートラインが描かれていたのでしょう。

 新婚生活自体はおままごとだったのですが、おままごとではない重要な描写があります。直後にあるミサが制服のジッパーを上げるシーンです。
 ミサはいつも立ち姿がシャンとしています。制服もキチンと着ています。どれくらいキチンとしているかというと、風邪をひいて寝込んでも着崩さないくらいキチンとしています。そんなミサがジッパーを上げるというのは、洋服を着る行為以外ないと思われます。ジッパー上げはヒカルと一緒に外に出てくるタイミングで行われますから、その前は洋服を脱いでいた、つまり、ヒカルとミサの間に肉体関係があったと捉えて良いでしょう(というか、意味がないのにジッパーを上げるシーンを描く理由がないですからね)。

 ヒカルとミサの関係が強固になっていることが分かるシーンがもうひとつあります。修羅場のシーンです。
 このシーンでは、ミサはノックをせずにヒカルの部屋に入ってきています。これは付き合い始めの恋人関係ではありえないでしょうから、通い妻とか同棲に近い感覚で過ごしてきていたのだと思われます。
{/netabare}

ミンメイとミサ②:{netabare}
 ミンメイが帰還してからも、ヒカルがミサに思いを固定できたのは、肉体関係があったからだと思います。
 もちろん現実的には肉体関係があっても他の女性になびく可能性はあるのですが、それはこの作品的には「絶対にありえない」と言い切れます(…たぶん)。
 肉体関係というと少しスケールが小さいですし生々しいので、「子孫を残すこと」とイメージしてください。

 この作品は、ゼントラーディと人類の対比が主題です。そして、人類が引き継いできた文化や愛が、両者の争いを終結させるという構造を持っています。しかし、文化とは何かとか、愛とは何かとかについては一切語られません。ここを語らない代わりに多くの時間を使って説明されているのがゼントラーディとは何か、ということです。

 ゼントラーディは、「子孫を残せず、戦争をする種族」です。これの対比先である人類が「子孫を残し、文化を持つ種族」というのはすぐに分かることです。そして、この背後にあるのが「愛」です。

 ミサとヒカルの肉体関係を示唆した以上、物語の構造上、人類を表現する際の「子孫を残すこと」というポジションは充足されています。物語を完成させるために足りていないのは、「文化を持つ」側です。
 ミンメイはアイドルというキャラクターです。初めから「文化」の側のキャラクターだったわけですから、私たち視聴者の感情はともかくとして、恋のライバルが登場してしまうと分が悪いと言わざるを得ません。
 つまり、「子孫を残し、文化を持つ種族」である人類を描くためには、ミンメイをヒカルとの恋愛が成就する「子孫を残す」側としてミサと重複させるわけにはいかず、愛の歌を歌う「文化を持つ」側でなければならなかった、ということです。

 仮に、ミサとヒカルの肉体関係が描かれていなければ、ミンメイにも可能性はあるのですが、そうなるとミンメイ自体が「子孫を残す」側であり、かつ、「文化を持つ」側でもあるわけですから、人類の全てを体現したキャラクターになってしまいます。人類の女神さま状態になりますから、象徴化が過ぎると思います。

 この作品のふたりのヒロインは、「愛」を「子孫を残す」側に特化させたミサと、「文化を残す」側に特化させたミンメイという役割を担っていたのだと考えられます。ふたり合わせて人類を描いていたのでしょう。ゼントラーディと対比をする上で、人類が持つ機能を「子孫」と「文化」に分けてしまったために、ふたりのヒロインはそれぞれの機能を体現するしかなかった、ということなのだと思われます。
 つまり、物語の作りから言えば、ヒカルが選ぶのはミサしかなかった、ということです。
{/netabare}


 マックスのサイドストーリーはもっと見たかったかな。尺が全然足りてないけど。
 2時間のミュージックビデオなんて聞いてましたけど、音楽だけの作品ではなかったと思います。文化とか愛とかっていうのが何かっていうのを描いて欲しかったというのはありますが、それを差し引いても、相当面白かったです。ロジックはしっかりありますしね。
 まぁ文化や愛が何なのかが語れなかったというのは、裏側を書くから表側は自分で考えてね、という構造になっている以上、仕方のないことかもしれませんけどね。ゼントラーディという異種族を使うことで、人間について考える、という作品でした。

対象年齢等:
 やや男性向けですかね。ミンメイの歌を好きになれれば性別は関係なさそうですけど。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「滑り台ヒロイン」とか作画とか。 【67点】

マクロスシリーズ第一作を映画化、歌と三角関係とロボットの物語。


■ヒロインの勝敗の付け方のお手本
複数存在するヒロインから最終的に一人が選ばれる場合、その選択に明確な意図がないと、いわゆる「滑り台ヒロイン」派閥は納得しづらいのです。
なのに滑り台ヒロインばっか好きになる私……。
なんてことを考えてたらいまさら思い出した、マクロスの原点。
ミンメイとミサ、主人公ヒカルに出会い恋に落ちた二人から、片方が選ばれる。
本作は物語構造的に、そこにうまく説得力を持たせられていたなぁと。
{netabare}
ミンメイは歌手です。
本作での歌の位置づけは、文化の象徴。
ゼントラーディという敵に対し、人類は
 ミンメイの歌を届け(かの有名なミンメイ・アタック)
→「ヤックデカルチャー」した大きなお友達との対立が解消され
→文化を排除する共通の敵を倒す、というのがプロット。

ミサにはそういう武器はない。
でも女として、ヒカルの愛を手に入れる。
男女が隔絶し敵対するゼントラーディ・メルトランディに対して、男女間の愛・性愛を持つ人類。
その領域での人類の勝利の象徴として、(肉体関係を随所で匂わせる)ヒカリとミサのカップルが成立するのです。

繰り返しになるけど、マクロスのテーマは、歌と愛とロボット。
その中で、歌(文化)を担うのがミンメイ、愛を担うのがミサ。
もしミサがアイドルだったり、ミンメイがヒカルに選ばれたら、負けたヒロインのファンとしてはあまりにやるせないですよね。
複数ヒロインがいても一人の総取りは許さず、各々が物語上の重要な役割をしっかり持ってる。
愛を手に入れられなかったミンメイについても、EDで歌手としての成功=新たな道での輝きが示され、ファン心理的には「よかったよかった」になるし。
テーマから逆算したキャラ配置上では当然の帰結だけど、キャラから入った人でも自然に納得できるというのは大きいです。
一方に偏らないキャラ描写(上映時間的に偏りようもないけれど)にも脚本のバランス感覚が見受けられ、長く続くシリーズの原点らしい基盤の強固さを感じました。{/netabare}


■一応作品全体の話とか
さすが原点、マクロスらしさ全開の作品で、ダイジェスト臭や古臭さに目をつぶれば、私のようにFから入った人でも楽しめるエンタメです。
歌と愛が地球を救うというプロットの勢い、アイドル歌謡、美樹元キャラデから醸し出される「古き良きアニメ」感が、80年代を体現しているようでテンション上がる。

でもやっぱり特筆すべきは、テーマの最後の一つ・ロボットを描き出す、圧倒的な作画。
にわかから見ても劇場版攻殻やAKIRAと並びセル画最高峰の一角だとわかる、異常な書き込み。
最終決戦、ミンメイ・アタック時の板野サーカスは凄すぎて思わず声が出ました(タコハイが飛びますよ)。
EDスタッフロールの原画クレジットの豪華さは、作画に興味のある方ならチビるのでは。

雑談だけど、古めの作品に共通して(劇パトとかでも)、DVD映像特典の予告の作りが時代を感じさせます。
映像の取捨選択、切り替え、楽曲とのシンクロ、文字フォント(重要)etc.、意識が変化したんですね。
実写含めた映画予告編やMAD等の持つインパクト・情報量は、だいぶ来るとこまで来ちゃった感じ。
とは言いつつ、さらに時代が進めば現代の想像力なんか軽々跳躍しちゃって、「2010年代のセンス古すぎ」なんて認識になるんだとは思うけど。
今を生きる者としては悲しくもあり、楽しみでもあり。


【個人的指標】 67点

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

75.5 2 スタジオぬえで歌姫なアニメランキング2位
劇場版 マクロスF[フロンティア] 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜(アニメ映画)

2011年2月26日
★★★★★ 4.1 (764)
4444人が棚に入れました
人気SFアニメ「マクロス」シリーズで、2009年に公開されて大ヒットした『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』から続く完結編。軸となるテレビ版ストーリーを大幅に改変し、二人の少女の歌声に秘められた謎をめぐる死闘を描く。監督は、テレビシリーズ第1作目からスタッフに名を連ねる河森正治。「マクロス」史上かつて類を見ないハイクオリティー映像で繰り出される激しいメカアクションと、テレビ版とは異なる新たな結末は必見。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マクロスシリーズ一括評価《改訂》

マクロスシリーズの諸作品を最近色々と見直したので、以前「愛・おぼえていますか」のレビューに書いた同シリーズの一括評価を改訂します。
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◆マクロスシリーズ一覧&評価 ※全7シリーズ(+α)計18作品

★が多いほど個人的に高評価した作品(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた作品
×は脚本に余り納得できなかった疑問作
●は未視聴
※人名は監督、(総)は総監督、SDはシリーズディレクター、SCはシリーズ構成
※以下は、作中の架空の西暦年代の順です(制作順ではありません)。

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 【1】 マクロス ゼロ (西暦2008年の世界) ※冒頭で1999年7月の災厄が語られる
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№1 《OVA》 「マクロス ゼロ」 (河森正治/全5話/2002-04) ★ 4.1

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 【2】 超時空要塞マクロス (西暦2009-10年の世界)
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№2 《テレビ》 「超時空要塞マクロス」 (石黒昇(SD)・松崎健一(SC)/全36話/1982–83) ★★ 4.5
№3 《劇改作》 「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 (石黒昇・河森正治/1984) ☆ 3.7
●№4 《OVA》 「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」 (河森正治/1987) ※30分、西暦2012年の世界

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 【3】 マクロスプラス (西暦2040年の世界)
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№5 《OVA》 「マクロスプラス」 (河森正治(総)・渡辺信一郎/全4話/1994-95年) ☆ 3.8
№6 《劇改作》 「マクロスプラス MOVIE EDITION」 (河森正治(総)・渡辺信一郎/1995年) ※115分 ★ 4.0

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 【4】 マクロス7 (西暦2045-46年の世界) ※読み「マクロスセブン」
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№7 《テレビ》 「マクロス7」 (河森正治(原作)・アミノテツロー/全52話/1994-95年) ★ 4.2
№8 《劇新作》 「マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!」 (アミノテツロー/1995年) ※33分 ★ 4.0
№9 《OVA》 「マクロス ダイナマイト7」 (アミノテツロー/全4話/1997年) ☆ 3.6 ※西暦2047年の世界

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 【5】 マクロスF (西暦2059年の世界) ※読み「マクロスフロンティア」
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№10 《テレビ》 「マクロスF」 (河森正治(総)・菊地康仁/全25話/2008年) ★ 4.4
№11 《劇改作》 「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」 (河森正治/2009年) ★★ 4.5
№12 《劇改作》 「マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」 (河森正治/2011年) ★★ 4.7
№13 《劇改作》 「マクロスFB7 オレノウタヲキケ!」 (アミノテツロ/2012年) ★ 4.0
№14 《OVA》 「娘クリ Nyan×2 Music Clip」 (/2010年) ★ 4.0 ※『マクロスF』劇場版の映像を流用した音楽劇

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 【6】 マクロスΔ (西暦2067年の世界) ※読み「マクロスデルタ」
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№15 《テレビ》 「マクロスΔ」 (河森正治(総)・安田賢司/全26話/2016年) ★ 4.0
№16 《劇改作》 「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」 (河森正治/2018年) ☆ 3.8

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 【7】 超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN- (西暦2090年代の世界)
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№17 《OVA》 「超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-」 (八谷賢一/全6話/1992年) ☆ 3.5

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 【+α】 その他 
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●№18 《OVA》 「マクロス超時空ゼミナール!!」 (/2012年)


以上

1. TVシリーズ+市販用OVA 8本(5+36+4+52+4+25+26+6=158話)
2. 劇場版 7本 (愛おぼ/マクプラME/マク7銀呼/マクFB7/マクF虚空/マクF恋離/マクΔ激ワル)
3. PV用特殊OVA 3本 (Flash Back 2012/娘クリ/超時空ゼミ)
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※視聴済み16作品の個人評価(単純平均) ★ 4.05 
※テレビシリーズ4作品だけなら(単純平均) ★ 4.275 (初代/7/F/Δ)


◆作品別短評

【1】 『超時空要塞マクロス』(初代マクロス)

本サイトでは、何故か劇場版の評価が非常に高く、TVシリーズの評価が低めですが、TVシリーズをちゃんと見ていないと劇場版もさほど楽しめないし、マクロスシリーズ全体のコンセプトを誤解してしまう怖れがあると思うので(※私がそうだったので・・・)やはりTVシリーズの方を先に視聴する方が良いと思います。
逆にいうと、劇場版を見てまずまず楽しめた人には、TVシリーズの方も必ず見て欲しい作品です(※劇場版は作画・音楽が良く“楽しめる”作品だけど、TVシリーズは作画の酷さやシナリオのグダグダさという欠点を凌駕する“予想外に大きな感動”のある作品と思うので→マクロスシリーズが現代まで続いている人気の源泉はここ)

【2】 『マクロス7』

『初代マクロス』(TVシリーズ)の設定&作品コンセプトを確り受け継いでいる作品であり、逆に言うとそこを押さえておかないと、本作自身の設定&作品コンセプトが最後まで余りよく理解できないし、いまいち楽しめない作品ではないかと思います。
※ヒロイン(ミレーヌ)の両親が初代マクロスのあの{netabare}子づくりカップル{/netabare}だと知ってビックリ!etc.
・・・ということで、私の個人評価も『初代マクロス』を確り見ていなかった1周目時点は ☆ 3.7 でしたが、同作完走後にもう一周して ★ 4.2 に急上昇しました。

【3】 『マクロス プラス』

全4話と短く作画良好&シナリオもコンパクトに纏まっているので、ここからマクロスを見始めるという手はあると思います。
但し、マクロスシリーズ全体からみると、他作品との関連は薄く、視聴を後回しにしても余り問題ない作品とも思います。

【4】 『マクロス ゼロ』

初代マクロスの前日譚なので「ゼロ」という作品名なのでしょう。
その初代で活躍するエースパイロット(ロイ・フォッカー少佐)の雄姿が存分に楽しめる作品でもあるので、彼のファンは必見です。
そして、『マクロスF』に引き継がれる伏線も多い作品。

【5】 『マクロスF』

新規ファン開拓を主眼としエンタメ性が大幅に強化されているので、ここからマクロスシリーズを見始めても十分楽しめると思いますが、『初代マクロス』(TVシリーズ)を確り見終えたあとに再視聴すると、本作が初代の設定&シナリオを巧みに本家取りしていることが分かってきて、楽しみが更に増すと思います。
因みに、『マクロスゼロ』の方も先に視聴しておけば、そちらのエピソードとの関連も発見できて更に楽しめます。
更にいえば、『マクロスF』に関しては、TVシリーズよりも劇場版の完成度の方が圧倒的に高くなっているので、TVシリーズ完走後に引き続き劇場版(前後編2本)を続けて視聴すると作品への愛着や感動が倍増しになることでしょう。

【6】 『マクロスΔ』

『初代』よりも『マクロスF』の設定&シナリオを色々と本家どりした作品となっています。
但しTVシリーズ&劇場版とも出来はそこそこという印象。

【7】 『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』

初代マクロス制作10周年を記念して制作されたOVAということですが、河森正治氏その他の初代マクロスの主要スタッフが制作にあまり関わっておらず、マクロスシリーズの中では完全に浮いた作品となっています(シナリオ&設定も他作品とは整合性が取れていない完全なパラレルワールドもの)。
内容は可もなく不可もなく、といったところか。

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《まとめ》私のお薦め視聴順位

1番目 『マクロス ゼロ』(OVA・全4話)
2番目 『超時空要塞マクロス』(TVシリーズ・全36話)
3番目 『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(劇場版・1本)
4番目 『マクロスF』(TVシリーズ・全25話)
5番目 『劇場版マクロスF』(劇場版・2本)

※この順に視聴していくと、設定&シナリオの繋がりが一番分かり易く、かつマクロスシリーズ全体のコンセプトが早めに把握できて感動のオーバラップ効果も生まれやすいと思います。
※以降、残りの作品は、お好みの順番で。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

ostrich さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シリーズ最高傑作~ふたりはアイドル~

マクロスフロンティア(テレビシリーズ)と、本作と前作の二本の劇場版をひとつのシリーズと考えたとき、間違いなく本作がもっとも出来がよいと思った。

テレビシリーズのレビューに書いたことではあるが、私は本シリーズはとにかくヒロイン二人の魅力で成立している作品であり、それに比べればロボットとかバトルとかややこしい設定とかシナリオの緻密さとかは、正直、どうでもいいとさえ思っている(そもそも、テレビシリーズも劇場版もシナリオはまったく緻密ではない)。

ところが、前作の劇場版では、そのどうでもいいことをまだ一生懸命やっている感があり、もうこのシリーズはここまでだなと判断し、最後の一作である本作をしばらく視聴せずにいたのだが、ふとした気まぐれで視聴してみたところ、最後の最後に逆転ホームラン。

「そうそう。これが観たかったんだよ」

と溜飲を下げた次第である。

本作はややこしい設定等はちゃっちゃとセリフで説明して圧縮し、女子二人のライブシーンを大幅に増やしている。早い話、「女子要素」に振り切った作品になっている。
察するに、本作の作り手たちは最後の最後でようやくシリーズの本質をつかんだのではないだろうか。そう、このシリーズはとにもかくにも「アイドル映画」であるべきだったのだ。

実写のアイドル映画においては、シナリオの多少の粗はさほど問題にされず、「主演アイドルがいかに輝いているか」が何よりの評価軸となる。ゆえにそもそも、そのアイドル自身に魅力を感じない方には、まったく通じない作品になってしまうわけだが、もう、そこは織り込んだうえでの、この割り切り。これは断固として、英断と言わせていただこう。

そして、この決断はある確信がなければできないことも想像に難くない。

実写のアイドル映画の場合、作品全体の肝となるアイドルの魅力は、主演するアイドル自身に備わっているところからスタートできる。言い換えるなら、すべての要素を主演するアイドルその人を軸に考案していくことができるわけだが、アニメの場合にはそういうわけにはいかない。なにせ、そもそも「その人」がリアルには存在しないのだ。

だから、まずは作り手が考えたアイドル(本作においてはシェリルとランカ)が少なくとも作品内に実在する感触を視聴者に植え付けることから始めなければならない。
本作というか本シリーズの場合、その植え付けにテレビシリーズと前作を費やした格好になっていると思うのだが、おそらく作り手たちは、最後の最後で、その点については、確信を持ったのではないだろうか。

「シェリルとランカには魅力がある」

その確信がなければ、ここまで割り切ることはできない。
作り手の内面から出てきたキャラクターについて、作り手自身がここまでの確信を持てるのは、なんというか、とても幸福なことだと思う。

まあ、もうちょっと早く確信を持ってもらって、アイドル映画方向に振り切ってくれてもよかったとは思うのだが、最後に本作が観れたので、終わりよければ何とやら、である。
今は、シェリルとランカという歌姫をこの世界に降臨させてくれた作り手たちに大いなる感謝の辞を述べたいと思う。

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蛇足
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私が本シリーズを視聴するきっかけになったのは、本作とタイアップしたパチンコ機だったりする。
パチンコをしない方にはどうでもよい話だと思うが、こちらもかなり出来が良い。パチンコを嗜む方で遊戯したことがない方には強くお勧めする。

で、これはパチンコファン以外の方にもお伝えしておきたいのだが、この機械は、ある条件を満たすと、本作のエンディングで使用した楽曲にあわせて、オリジナルの映像(3Dモデルを使用した、シェリルとランカのライブ)が流れる。

前述のとおり、私はパチンコ機から本シリーズに入っているので、てっきり、本作のシーンを3D化したものだと思っていたのだが、どうやらオリジナルのようだ。で、この映像が本作を鑑賞した後だと実にぐっとくる。
おそらく、パチンコ機を制作したスタッフにも歌姫たちの魅力が伝わったのだろう。
現在、パチンコを嗜んでいない方に、パチンコを勧める気は毛頭ないが、本作のファンならば、観る価値は十分にあると思う。

どこかのサイトで見かけたらぜひご視聴のほどを。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

ふぁんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

その翼はー最高に盛り上がる最終決戦

もう何と言ってもクライマックスへ向かう「娘々Final Attack フロンティアグレイテスト☆ヒッツ!」ですね。部長のノーザンクロスのアカペラから反撃の狼煙が上がる演出は最高で、真空のダイアモンドクレバスを思わせるような逆境からの復活を感じさせてくれます。

新旧織り交ぜたメドレーは流石菅野よう子さんで今までのフロンティアを見てきた記憶が歌とともに溢れてしまいます。
特にまめぐランカが歌うオベリスクはシェリルバージョンの戦士を後押しをするような力強さとは違い、包み込むような優しさが溢れた、少ししかパートはありませんがすごく印象に残ります。

そしてそのままの流れで「サヨナラノツバサ」この新曲はフロンティアを締めくくるにふさわしい最高に空戦にマッチしたスピード感のある曲です。娘々からサヨナラノツバサまでの10分ほどは楽曲の素晴らしさも含め神がかったシーンです。歌姫二人の想いがバルキリーとともに飛ぶ演出は作画も素晴らしく、戦闘のクライマックス感もあり本当に涙なしでは見れません。このシーン何度見たことか、、。


新曲「サヨナラノツバサ」は最後の歌詞「サヨナラノツバサ!」の高音を何十回とテイクしてようやく出たほど難しい曲で菅野さんは「ライブでは歌わないから」と二人を勇気付けレコーディングしたらしいです。
しかし、2019年のクロスオーバーライブで「娘々〜サヨナラノツバサ」をライブでしかも背景にアニメシーンを流し、この映画のクライマックスを完全再現したらしいです。
未だ映像化されていないので現地で見れた方は本当に幸運ですね。
色々なレビューを見てもフロンティアパートの再現は、もう涙なしでは見れないほどの素晴らしさだったようでぜひ映像化して欲しいですね。


新曲が盛りだくさんでシェリルの「禁断のエリクシア」ランカの「虹色くまくま」のライブアニメーションはとても演出が素晴らしく流石マクロス、歌に本気という気概が前面に見れます。

原作に比べシェリルランカのデュエット曲が増えたこともファンとしては喜ばしい限りです。May'n部長の泣き叫ぶような歌声とまめぐの甘く優しい歌声は不思議なほど本当にマッチしていて二人の歌声が重なるほどフォールド波が上がっていきます。


原作のストーリーと趣を変えながらストーリーは進み、前作同様ファンにとってはifバージョンでとてもありがたい作品です。

一点だけ苦言を呈すれば{netabare}シェリルとオズマが宇宙空間に放り出さた直後、満身創痍の最終決戦に挑む時の、ランカの告白シーンはもう少し脚本がどうにかならなかったかと。
告白させる必要があるのはわかりますが、何事もなかったように制服どう?ウフフ、好きです!では直前に起こったメインキャラ2人の喪失がえっ??ランカ何も感じてないの??となってしまうのは当たり前です。このシーンは本当にこの映画とランカの評価を下げる原因になっていると思います。告白という大事な場面でのこの演出は本当にひどいです。{/netabare}

前作同様今作だけを見ても十分楽しめる作りになっています。

あと原作では「お前たちが俺の翼だ!」と不評を買いまくったふざけた二股宣言エンドではなく、アルトくんがちゃんと告白をするのでそれもスッキリですね。

マクロス大投票でまめぐが言っていましたが、台本は最後のパートは白紙で収録直前までセリフ直しをして、収録の際に別紙でセリフを渡されたらしいです。
これは河森監督が最後までエンディングを考え抜き、演者には三角関係の結果がわかってしまった演技をしてほしくなかったらしいです。


「娘々〜サヨナラノツバサ」を再現したクロスオーバーライブをどうしても見てみたいので何とか映像化してもらえないか祈っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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