ツーリングで女子高生なおすすめアニメランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番のツーリングで女子高生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.3 1 ツーリングで女子高生なアニメランキング1位
スーパーカブ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (480)
1360人が棚に入れました
山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、ある日中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことが新鮮で、ちょっと冒険した気分。仄かな変化に満足する小熊に、バイクは人とのつながりも生み出していく。小熊と同じ、バイク乗りの少女・礼子や、バイクに乗って変わっていく小熊に憧れる少女・椎。小熊の世界は少しずつ、広がっていく。友達と一緒の昼ご飯。当てもなく寄り道する放課後。バイクでしかできないアルバイト。そして、これからもバイクと生きていくために少女が選ぶ進路。

声優・キャラクター
夜道雪、七瀬彩夏、日岡なつみ
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

滑走路の彼方

【極微修正】


スーパーカブ、という実在の車名に囚われ過ぎない方がいいだろう。
これは、「何もない」少女が「バイク」という「力」を得る物語だ。
力点は、おそらく「力」の方にある。
スーパーカブは「力」を象徴し、表象する特権的な「記号」であって、実在物としての「スーパーカブ」のディテールにこだわりすぎると、物語を見誤るかもしれない。

確かにカブにかかわるディテール描写は緻密で、スーパーカブという、ある種シーラカンス的な車種をフィーチャーすることで、「スーパーカブ」という固有の車種だけでなく、古い時代のオートバイの記憶を呼び覚ます。

チョークレバー、キックスターター、スライド式ウインカースイッチ、収納ではなくフック式のヘルメットホルダー、通気システムもシールドも無いジェットヘルメット、などなどなど。
昔のオートバイを知る視聴者には、どれも懐かしく胸に迫ることだろう。

だが、こうした細部に淫してノスタルジーを消費することを、本作が目指しているようには思えない。

では実在のバイクを登場させることは無意味なのだろうか。
そんなことは無い。

「現実」に生きる人間であれば、「どこにもない」バイクに乗っているはずがない。
アニメの少女が実在のバイクに乗ることは、少女が視聴者と同じ地平に立っていることを意味する。



{netabare}もう、とっくの昔に時効なので告白するが、初めてバイクに乗ったのは、中学二年の夏に叔父に借りたスーパーカブで、畑の中の農道を走り回った時だ。

いくつかのクルマやオートバイのアニメの感想に書き込んだように、クルマやオートバイに「自由」=「力」を否応なく感じるのは、この時の「どこにでも行け」る「力」と一体化したという圧倒的な拡張感に根源があるのだろう。

もちろん無免許運転であることは自覚していたから、現実的に「どこにでも行ける」わけではないと承知してはいたが、それは「法律が許可していない」という事に過ぎない。
その気に=法律を破る気になれば実行できるという、「実行力」を得た感激は鮮烈だ。

そうして16歳になって免許を取り250ccのオートバイを手に入れ、「いつでも、どこでも」移動できる真の意味での「力」に気付いた気がする。

クルマやオートバイを語るとき、「どこにでも行ける」側面が強調されがちだが、「いつでも」=他人の決めた時刻表や、ドライバーの都合で巡回する空車タクシーに依存することなく、真夜中だろうが夜明けであろうが自分の意志だけで移動を実行できる時間的な「力」こそが、「自由」を支える両輪の重要な一つなのだ。

本作の冒頭で、カブを手に入れた主人公が思いつくままに真夜中のコンビニへ出かけていくことは、ささやかな冒険にみえて、この「冒険」を可能にする「力」=時間的な「自由」を獲得したことを現している。

非常に緻密に構成され、描写される作画からは、主人公の生活が「つましい」というよりも「貧しい」ものであることが読み取れる。あるいは「貧困」に近いのかもしれない。
(これ程あからさまな貧困がもしも「貧しい」と見えないとしたら、日本全体が貧困化しつつあるために、日常感覚が歪んでいるという事を示しているかもしれない)
そうした「貧し」く「何もない」主人公にとって、「ささやかな」冒険で見出した「自由」は、決してささやかなものではない。

こうした「力」を身に着ける感覚は、別にバイクやオートバイの経験がなくとも、たとえば高校を卒業して四輪の免許を取り、父母や兄姉のおさがりのクルマを乗り回すようになった大学生でも感じることだろう。
が、やはり16歳の高校生でこの感覚に触れることは、決定的だと思える。

ミシェル・フーコーによれば、監獄と学校は同型的な支配装置だが、この場合の「学校」は、学生が自己判断で「自主休校」する大学ではなく、高校以下の義務教育の「学校」だろう。

教室の窓から校外を眺める高校生は、言ってみれば鉄格子の向こうに手の届かない「娑婆」を眺める囚人と等しいのだと、フーコーなら主張するに違いない。
だが高校生ライダーは、「校外」の(象徴的に)無限に続く「道」に繋がるものでもある。
この身は「教室」という「監獄」の「囚人」でありながら、「外」を通りかかる「自由」なライダーの一員でもあるという二重性。

第二話の教室のシーンで、主人公の背後に田舎道を走行する原付バイクが遠景で描写されていたのは、そうした高校生ライダーの二重性と、主人公がその一員として加わった事とを表現している。

続く数話で装備品を充実させてゆくのは、アニメ視聴者好みの「成長」というよりも、手に入れた「力」を拡充させてゆく意思、「何もない」少女に芽生えた「力への意志」を示しているように思える。

中盤のクライマックスともいえる、学校の作成した「時刻表」通りに運行されるバスに詰め込まれたクラスメートを追う修学旅行のエピソードは、まさしく上述したような高校生ライダーの二重性と、バイクを自らの「力」として自覚的に行使する「力への意志」とを統合して昇華した、見事な構成となっている。

終幕で、スーパーカブについて語る主人公の言葉は、一見すると「カブは道具に過ぎない」と語っているように見えながら、クルマやオートバイの本質が、「この私」に移動=行動=「自由」を拡大する「力」を与えるモノであり、「私の力」が拡大することに意味があるのだと述懐するものだ。

「何もない」少女が、この「力への意志」を身に着けることこそが「成長」なのだろう。

異世界で無双して称賛や承認をかき集めることで「力」を誇示する二束三文の薄っぺらい「成長」に比べ、貧困の中で身に着けた「力への意志」は、まさしく「成長」の名にふさわしいものだ。
「成長」とは、できなかった事が出来るようになることだとすれば、「力への意志」に導かれて「私自身」の「力」を深く内面化する主人公に比べ、「承認」を「与えてくれ」る他人という鏡がなければ成立しない「力」に貼り付けられる異世界ものの「成長」というタグは、いかにも浅薄にしか見えないだろう。


主人公が、無口で、あまり交友を広げることに積極的ではない印象があるのは、物語の主題が、他人による「承認」という「証明書」など必要としない、「私自身」の「力」という「私の」確信であるからだろう。
「力」を象徴する特権的な記号が、クラスメートから「なんだ、カブかよ」と言われてしまう実用車であることは、バイクの本質が、他人の羨望を集めることではなく、「この私」を自由に移動させる「力」であることを明瞭化する。
いかにもオートバイ好きやクルマ好きが好みそうな、スポーツタイプの車種ではないことが、主題性を際立たせて効果的だ。

訳あって、今ではオートバイに乗れなくなり軽自動車を運転するオッサンだが、若いころはいっぱしに車種やメカニズムへのこだわりを語っていたものだ。
だが、考えが変わったのは、だいぶ以前にアメリカ人と雑談しているとき、何気なく「モーターサイクルが好きだ」と云ったところ、「それは、モーターサイクル(というモノ)が好きなの? それともモーターサイクルに乗ることが好きなの?」と問い返された事がきっかけだった。

英語で話すときはそこら辺をはっきり区別しないといけないのだな、と知ると同時に、改めてオートバイの何が魅力であるのかを意識させられたのだが、どう考えても、乗ること=移動できることが優位であることは疑えない。
ギリギリまで突き詰めれば、どのような車種であろうが、それによって移動することそのものに価値がある。
クルマやオートバイについて、移動を可能にする「力」=「自由」の拡張という言葉で考え始めたのは、これが発端だった。

本作でも、主人公のバイク仲間の同級生が、「カブマニア」のような言動を取りながら、「動く」カブ=移動の「力」としてのスーパーカブを志向していることは明瞭であるように描写されている。
バイクに興味のない視聴者には、いかにもカブ「フェチ」のように見えがちな描写は、しかし彼女は動かないカブをピカピカに飾って「愛でる」ことにはまるで興味がないと、オートバイ乗りにはハッキリとわかるように描かれている。
物語の主題が、「私自身の力」に焦点化されていることが、ここでも読み取れるだろう。{/netabare}


全編を通じて、どこをとっても元高校生ライダーには身に覚えのあるエピソードの連続で、胸に迫るものがある。
同じような、元、あるいは現役の高校生ライダーは多いに違いない。

が、強く引き付けられるのは、元高校生ライダーや現役ライダーだけではないだろう。
実在車としての「スーパーカブ」に囚われることなく、力=自由を表象する特権的な「記号」であると捉える限り、他作品の感想にも記したように、クルマやオートバイに「自由」のアウラを見ていた無数のオジサンやオバサンもまた、本作に強く惹かれるだろうと信じる。



本作に一撃で引き付けられたのは、過去を追体験させるようなプロットだけではなく、舞台が甲府盆地であることも1つの要素だ。
いや、お金のない東京の高校生ライダーの手軽なツーリング先として、よく甲府盆地を目指していたからだから、これも追体験の一要素かもしれない。

だが、主人公が甲府盆地に住む少女であることは、オッサンのノスタルジーの対象であることを越え、もう少し現代的な意味も併せ持っている気もする。


{netabare}甲府盆地は、東京から向かうと、中央高速を【山に向かって行】った先にある。

【瞬きだす】【街の灯】の中を【まるで滑走路】のように【夜空に続く】【中央フリーウェイ】の「先」に立つ主人公の少女は、地理的な意味だけではなく、【片手ハンドル】で【肩を抱いて】くる「彼」に【愛してる】とささやかれながら【この頃は】【送りもせず】に【ちょっと冷たい】と助手席で膨れる「女の子」の「先」に立つものでもある。

ユーミン歌謡的な世界では、「女の子」の指定席は、ほとんど常に「彼」の運転するクルマの助手席だ。
「彼」の隣のナビシートこそが特権的な「特等席」として歌われる。

【忘れた景色を探】そうと【埠頭を渡る風】を見るために【凍える夜】にクルマを走らせる「彼」の隣のナビシートで、【遠くなびくほうき星】のような【街の灯り】を眺めながら【緩いカーブ】で「彼」に凭れ掛かり【何も訊かず】に【横顔で笑って】くれと要求する「女の子」は、その極点に「運転なんてアッシー君にやらせればいい」と言い放つバブル女に結実し、今はどこにもいない。

「女の子」の「助手席の特権性」を支えていたのは、「彼」との恋愛関係だ。

本作には、恋愛要素は無い。
冬ともなれば、自らのかじかむ指でハンドルを握り、洟を垂らしながら単身でストリートに直面するライダーの少女の物語に恋愛描写がないのは、少女の現代性への一つの回答に思える。

それは、現代の少女は、かつての「女の子」のように、助手席から「彼」に甘えかからなくとも、自分で移動行動を実現できるほどに「自立」しているから、ではない。


物語の冒頭で、貧困の中に特に不満な様子もなく暮らす主人公は、自分には「何もない」と平然と語り、葛藤する様子もない。
ごく自然に、貧困と「何もない」環境の中で生活している。

ところで、貧困は、行動の自由を狭めて規制するという点で、監獄の類比物のようなものと云えるかもしれない。

もう一度フーコーを参照すると、監獄を特徴付けるのは、有名なパノプティコン理論によれば「囚人に看守の視線を内面化させる」システムであることだ。
囚人が日々大人しく日課をこなすのは、看守に見張られているからではない。
看守の「監視する視線」を内面化することで、「自主的に」看守のさだめた規律に違反しないよう行動することを「調教」されているからだ。

では、冒頭の、大人しく貧困という監獄の中で生活する主人公は、何の規律を内面化しているのだろう。


現代のネット、特にSNSでは、日夜「こいつは叩いてもいい」という犬笛が吹き続けられている。
「叩いてもいい」と徴をつけられたものには、イナゴのように蝟集し罵言が集中するが、「貧困者」もその一つだ。
特に生活保護などの公的支援を受けている場合は、「エアコンを持っている」とか「パソコンを所有している」とか、ただ呼吸しているだけという生理的生存をする以外の一切のことは「贅沢」であるとして、ありとあらゆる暴言が投げつけられる。

「何もない」と何の葛藤もなく口にする冒頭の主人公が内面化している規範とは、この「貧困者は生理的生存以外の〈贅沢〉をしてはならない」という罵言だろう。
特に不満も見せずに、淡々と「何もない」「生活」を送る主人公は、規範を「わきまえた」身の程を知る貧困者ということになる。

しかし、こんなものが「規範」になり得るだろうか。

たとえば富貴が身体化されて身に付いた富豪であれば、ワインのつかない食事なんて人間の食べ物ではないと、自然に感じていることだろう。
そうした富豪であれば、貧者がワインを飲めないことは気の毒に感じるだろうし、お茶を飲む貧者を哀れに感じるに違いない。
言い換えると、悪意のある富豪であれば「貧乏人はお茶でも飲んでいろ」と嘲笑するだろう。

貧者に向かって「水があれば生存できる。お茶は贅沢」と言い放つのは、つまり発言者が貧乏臭い生活感覚が染みついた貧乏人であると暴露している。
貧乏くさい貧乏人が他人の「贅沢」をアラ探ししようとすれば、どこまでも貧しく目線が下降してゆくのは当たり前だ。

当然、人間が、こんな下らない罵言を規範として有難がり続けられるはずもない。

バイクという「力」は、こうした下らない規範=規律=監獄を突破するものとして、囚人=高校生の「力」として、多重化して導入されている。


かつてユーミン歌謡の時代には、「女の子」の「力」は、様々に抑圧され排除されていた。

恋愛関係を梃子に=餌にして助手席から「彼」を操ることは、「彼」の「力」を間接的に利用する戦略でもある。
割り勘デートが当たり前の現代の若者が感じるように、「ズルい」の一言で非難するのは公平とは言えない。

主人公が自力でバイクを操るのは、現代の少女が自立しているためではない。

【埠頭を渡る風】を見に行ったり、【中央フリーウェイ】をドライブする、「女の子」を乗せるべき助手席を備えたクルマは、現代の「男の子」には所有できないからだ。
貧困を「わきまえ」させるほど貧乏くさい罵言を吐き散らす貧乏人が溢れかえる現代で、【中央フリーウェイ】の「先」に立つ少女達には、助手席に乗せて【まるで滑走路】のように【夜空に続く】ハイウェイを疾走するクルマを購入する経済力のある「彼」などいないのだ。

甲府盆地に立つ「貧しい」少女がバイクに接近して自力で走り出す物語の背後には、「男の子」もまた、「助手席」を持ったクルマを所有できない貧困の中にいるという現代性がある。

ユーミン歌謡の時代には、「力」、中でも移動=自由にかかわる「力」は「男」という属性を持つ集団に傾斜的に配分されていた。だからこそ、助手席という場所から「彼」の「力」を操作して【中央フリーウェイ】を送らせる必要があったという事だろう。
が、その頃の物語にも、オートバイに乗る「女の子」は登場してはいた。

しかし、大抵の場合、それは少年集団へ入り込むパスポートのようなもので、「女の子」が「力」を持つという表現ではなく、「力」を持つ少年集団の一員として、いわば「名誉少年」として「力」を所有する証明書のようなものか、あるいは今でいう「オタサーの姫」のようなマスコットのような形が殆どだった。

本作の少女たちが自らバイクという「力」を手にするのは、少女が少年と同じ位置に上って行ったからではない。
少年から、かつてのように「女の子」に貸し与える「力」が失われたからだ。

何も、本作の物語が、そうした現代性を主張するために語られたのだとは思わない。

実在のバイクを導入して、緻密に世界を構成しようと努めれば、自然に現実を映し出してしまうことは不可避だという事だろう。


「力」を貸し与えてくれる「彼」が不在だとしても、主人公が「力」を得る手助けをするために、本作には「大人」が配置されている。

教頭や他校の女教師、郵便局のおじさん。

中でも特筆すべきはバイク屋の親爺さんだろう。

どうも、本作の視聴者の中には、親爺さんは「いわく」付きの売れないバイクを捨て値で主人公に売った、とセリフ通りに受け止めて疑問に思わない人も多いようなのだが、社会人の経験があれば、事実として事故車ではない立派な商品を、ただ良くない噂があるというだけで捨て値で売り払うなど、あまりに不自然だと感じるだろう。

ただ同然で主人公にスーパーカブを売ったのは、目の前の少女が、切実に「力」を必要としていると感じたからだ。
若者からどう見えるかは知らないが、年長者には若者を助けたい/手を貸してやりたいという性質が、確かにある。

ストレートに口にするのは照れ臭いし、恩着せがましく振る舞いたくもないので、事故車を「言い訳」に、ただ同然の値段で譲ったとみなす方が、はるかに自然だ。

望んだのは、はした金を受け取ることではなく、少女に「力」を手渡すことだ。
そう、農道の外に出てはいけないと釘を刺しながら、中学二年の甥にスーパーカブを貸し与えた、あの夏の叔父のように。

登場する大人たちが、主人公に「力」を貸すのではなく、少女自身が「力」をもって使いこなすために助力する存在であることが、この物語にふさわしい。{/netabare}



それにしても、マンガや小説の中にあれほどいたオートバイ少年は、どこへ行ってしまったのだろう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

スーパーカブは、スーパーマン?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
1話を筆頭に、作画のクオリティは☆5に値すると思う。「スーパーカブ」に絞ったストーリー展開は目新しく、醸し出す雰囲気はかなり自分好み。

OPも素晴らしい。歌詞、メロディ共に作品に合っていて、剣道部OP大賞2021秋(非公式)受賞♪

私自身がバイクに乗らないしあまり興味がないこともあり、どハマりはし(☆5は)ないものの、毎回楽しみにする(☆4)くらいには楽しんでいたのですが、終盤に「う~む」という展開が続き、惜しくも☆3止まりに、、、しようと思ってたけど、最終話で評価回復。結果、☆4に落ち着きました(笑)

人によっては今期の覇権に推すかもしれないだけの魅力はあったし、クオリティも高い。

レビューでは、いかに私が無能かを書きたいと思います(笑)

実は、私は11話視聴時点で、本作に酷評レビューを書いていましたが、12話を観た時、それが的外れであると同時に、私がアニメ制作スタッフに「完璧に1本取られた」と思いました。

ちょっと恥ずかしいのですが、手玉に取られた制作スタッフに敬意を評し、勘違い酷評レビューは消さず、本作の素晴らしさを書きたいと思います♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話冒頭を筆頭に、作画は素晴らしかったし、他にはないオリジナリティを感じるアニメ。雰囲気も好み。音楽も良い。

また、本作で私が一番好きだったのは、小熊も礼子も、自分自身の好き嫌いははっきり言うけど、相手のバイクのことや改造を否定したり、強制したりは絶対にしないこと。

これは、「ゆるキャン」でも同様だったけど、「独立独歩」や「他者の尊重」ということが、しっかりと貫かれていたと思う。

キャラの良さで言っても、「貫かれている」というのは大事で、「らしいな」と思ったのは、第5話で礼子のところに小熊が泊まりに来たとき、礼子がベッドで寝て、小熊を床&寝袋で寝せるところ。「流石(笑)」と思った(普通のアニメなら一緒のベッドで寝るか、お客さんの小熊をベッドに寝せるだろうし)。

また、名言もいくつかあった。特に好きだったのは、9話で冬装備を揃えていくときの、小熊の「面倒なものは信頼できる」と、礼子の「機能的に優れているのは格好良い」。どちらも、スーパーカブアニメの本作で語られるからこそ響く。

特に好きな回は、6話。修学旅行にカブでの途中参加。全体に漂う「旅」と「自由」の雰囲気。単純にああいう話が続けば、「ゆきキャン」的な作品(癒し&ワクワク)になるよね。

さて、では残念だった点を。

まずは第10話。年の3分の1以上が雪に覆われる地方の出身者から言わせてもらえば、雪道はあんなに甘くない。バイクで載ったことはないが、ノーマルタイヤではまず走れないし、チェーンもそこまで万能じゃない。また、山で遊んで転びまくっていたが、怪我しない程の雪深さならカブで走れないだろうし、走れる程度の深さならバイクが壊れるしケガもする。

作画も展開もリアル路線だっただけに、この「ファンタジー回」は少し浮いていて、☆2をつけた。

次に☆1をつけた11話。椎ちゃんが崖から冬の川に落ちた話。まあ、普通は自分の家に電話するはずなのに、なぜ小熊にかけたかはとりあえず置いといて、

「スーパーカブが必ず助けにいく」

は、絶っっっ対にいらない台詞だったと思う。他にも、椎ちゃんを崖から押し上げて「カブよりは軽い」。椎ちゃんに助けたお礼を言われ、「お礼ならカブに言って」。

こんな場面でまでカブを推す姿勢に、ちょっと引いてしまった。それから、低体温で死にそうな椎ちゃんに防寒着も貸さず(自分が着ていて)、前カゴなんて一番風あたる所に乗せて走る無神経さとか。

私は本作を、「何もない少女がカブと出会い、少しずつ色んなものを得ていく話」だと思っていた。

つまり、小熊にとって、「カブは世界を見る窓」だと思っていたのだが、10話、11話を観た時、「カブが世界の全て」なんだなと、少々ガッカリしたのだ。

奇しくも小熊は、11話後半で椎ちゃんから「今すぐ私を春にして下さい。また、スーパーカブで助けて下さい。この冷たくて暗い冬をどこかに消してください」と言われ、「カブにそんなことはできない」と言う。その通り。確かにカブはスーパーな乗り物だろうが、スーパーマンではないので、出来ることと出来ないことがある。

スーパーカブは、ひとりでに動くわけではない。あくまでそれに乗る、「人間」が動かすものだ。

もし11話で小熊が「すぐに助けに行く」と言って、石や枝なんがでカブが傷つくことも厭わず山道を走り、自分の防寒着を椎ちゃんに着せて、工具がないから後ろのカゴを(テコかなんかで無理矢理)外し、家に連れ帰ってお風呂に入れる。その後、傷付いたカブに「お疲れ様。ごめんね」って言うくらいが、個人的には好き。そうすれば、「カブ以上に、カブのお陰で出会えたモノが大切」というメッセージになったと思う。

この2話に見られるような展開を、仮に(同じバイクアニメである)「ばくおん」でやっていても、なんら評価は下げないだろう。それは、「ばくおん」があくまでギャグベースのアニメで、本作がリアリティ路線をいく作品だから。

、、、というのが、11話視聴時点で書いていた酷評レビュー。これで☆3にしてた。

が、12話で自らこの11話を否定する展開、そして発言。

「(カブに)本当にできない(ことがあるのか)確かめてみるべきだと思った」

「何もなかった私の毎日が、少しだけ変わった。それは、カブと出会えたから? 違う。黙っていても、カブは助けてくれない。多分、自分で何かを望まないと。例えば、いつもは行くことのない、知らない角を曲がってみたい。そんな小さなことで良い。そうすればきっと、カブは応えてくれる。なんでもできる魔法の機械じゃない。困難に立ち向かい、何かを成し遂げようとしたとき、きっと味方になってくれる。それが、私たちのスーパーカブ。」

この発言により、あのダメダメな11話が伏線になる。私が本作に求めていた主題が、ここにある。しかも、12話は「旅モノ」としても普通に面白い(まあ、カブ+桜前線は、完全に水曜どうでしょうだけどね)。

わ~、これ、確信犯や~。分かってて、11話をあえてダメダメに作りやがったな、チクショウめ(笑)

ということで、「カブはスーパーマンじゃない」とした本作を、私は高く評価します。負けました(笑)
{/netabare}

【特別番組 スーパーカブで紡ぐ世界 感想】
{netabare}
ATーXで視聴。小熊の声優さんと、カブとキャンプの動画を上げるYouTuberさんとの対談。

正直、まったく面白くなかったです。

タイトル見たとき、よくある「聖地を声優さんが旅する」番組かなと思い(見てみたいと思い)ましたが、まさかの対談。知らない方と知らない方が初対面で遠慮がちにトークしてるのを見てもね。

価値があったことと言えば、小熊が乗っていたのと同じ改造をしたカブを見られたことと、小熊の声優の夜道さんが、普通にバイク好きな(ていうか五台もバイク持ってる)方なんだな~と感心したことくらいですね。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
やたら写実的な作画だね。免許とるとこからか。一万しないでとれるんだよな。やたら挑戦的な作品だな、間の取り方が。少しの一歩。

2話目 ☆3
みんなより、少し大人になった気分? ヒーローっていう、妄想かい(笑) こっちは、妄想じゃないか。めっちゃ詳しい人、友達できた(笑) スマホでググらない作風ね。スーパーのクダリ、なんか良いな。

3話目 ☆3
なんかこう、絶対に否定しないんだよね。相手のパーツや改造について。ゴーグル、むしろかわいいよな。お、初めて満面の笑み。

4話目 ☆3
このバイト、割りが良いのか? いや、こういうとこのレインウェアは高いから、ワークマンとか行こうよ(笑)

5話目 ☆4
カブで富士山か。やたら危ないよな。受け身上手い。やたらに熱い。なんだ、両親の死に関わってるかと思ったら。そこで自分が寝袋じゃないんだ(笑) てか、転けちゃダメってルールにしなければ、上まで行けるんじゃないかと。思い立ったら即行動。

6話目 ☆4
カブで修学旅行途中参加。なんか素敵な話。いや、不良じゃん(笑) 

7話目 ☆3
車屋の中、リアル(笑) 原付ディスられて燃える(笑) 

8話目 ☆3
自分でエスプレッソマシーン買ったのか、偉いな。エアガン欲しがってる(笑) カフェ、あんまり行かないからな~。

9話目 ☆4
面倒なものは信頼できる。しーちゃん、仲間に入りたそう。この寒さが続くなら。機能的に優れているのは格好良い。名言が続くな。不便を楽しむか。

10話目 ☆2
雪道は、こんなに甘くないし、あんだけ転けたら、とりあえずバイクは壊れるよな。

11話目 ☆1
う~ん、「スーパーカブが必ず助けにいく」は、この場面で言う言葉じゃないし、「カブよりは軽い」も微妙。てか、あのガケを補助ありでも登れるなら、川から出るくらいはできるし、先に連絡するだろ。つーか、まずは家に連絡するよな。いや、低体温心配なのに、前カゴに積むか? まず防寒着を着せないと。「礼ならカブに言って」も、う~む。チャリとか、どうでもよくない? カブにそんなことはできない。その通り。ここで、主題に気付く?

12話目 ☆5
カブに桜前線、めっちゃ、どうでしょう、じゃん(苦笑) 走りたい道は、いつでも好きな時に走れる。確かに。晩飯も自炊かい(苦笑) 大人なら、確実に外に呑みにいくよな。こういう話が続けば、☆4か☆5なんだけどな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この空気感、好き・・でした

[2021.6.24]
最終話見終わりました。(簡単な感想は一番下に・・)
5話以降の展開については、原作どおりみたいなので仕方ないのかも。
初盤のあの空気感はアニメならではの演出の成果だと思うので、アニメの出来は悪くないと思います。
結果論になっちゃいますけど、4話までの話を再構成して、親の話や免許取得の話などアニメで語られなかった部分を追加したりして映画化したほうが良い作品になった気がします。
・・あ、でもそれだと椎ちゃんの出番が。。

[2021.6.11]
4話までの感じが凄く好きだったんですが、最近のお話はあまりそれが感じられなくなってきたのがちょっと残念です。
突飛なのはいらなくて、もっと地味なお話でいいから小熊さんの小さな冒険を描いてくれると良かったんだけど。。

[2021.4.8初投稿]
ラノベが原作のようですが、未読です。
PV見たときも感じたけど、絵と音がすごくいい!

バイクのアニメなのに、とても静かでひんやりした空気感を感じます。
この空気感、好きだな。

劇中曲にクラシックを使ってるところも、雰囲気にあってると思いました。
ドビュッシーやリストなどいいですね。
ほかのピアノなどの劇伴も良かったです。

主人公の小熊さんは、かわいいけどおとなしくて地味な感じ。
両親も友達もお金も将来の夢もない女の子みたいだけど・・

彼女がスーパーカブと出会って物語がどう動き始めるのか、バイクというものに一度も乗ったことのない私も一緒にドキドキしながら見ていきたいと思います。

以下、各話の感想です♪

【1話 ないないの女の子】
{netabare} 中古のバイクが1万円!?・・と思ったらいわく付きのバイクみたい。。
バイク屋のご主人、いい人すぎ。
・・いきなり原付免許とったシーンに飛んでたけど、この辺はもう少し丁寧に描いて欲しかったかな。
バイクのエンジンを初めてかけた気持ち。
自分のバイクを見てニヤニヤする気持ち。
エンジンがかからなくて焦る気持ち。
バイクに乗ったことないけど、小熊さんの気持ち、わかる気がする。
夜のドライブにドビュッシーの「月の光」。ひんやりした夜の空気が伝わってきます。
うん。これいいわ。この空気感のまま最後まで突っ走ってほしいな。{/netabare}

【2話 礼子】
{netabare} アニメっぽくない作品だなって2話見ててあらためて思いました。
みんな黒髪だし、テンション高い話し方じゃないし、友達同士の会話もそっけないし・・
でもなぜかそういうところが好きだったりしてます。
すごーく地味な展開なのに、なぜか飽きないし面白いです。
礼子のバイク、改造バイクとかお金かかってそうだけどお嬢様なのかな?
どこまでも遠くに行けるよ、と礼子に言われて、ちょっとした「冒険」に出かける小熊さん。
ラストのニヤ顔が楽しそうで良かった♪
相変わらず、絵や音関係は丁寧ですね。バイクの音とかリアルっぽい。
EDもいい感じでした。{/netabare}

【3話 もらったもの】
{netabare}だいぶカブに慣れてきた小熊さん。
色々とパーツが欲しくなって礼子の助けももらいながら揃えていきます。
無口な子だけどきちんとお礼の挨拶できるのね。えらいな。
相変わらずのにやけ顔がいいね。
リストの愛の夢が流れながら今までの出来事が流れるラスト。
いい最終回でした!←ちがいますw
次回あたりで何か面白いことが起こればいいな・・って贅沢すぎ?{/netabare}

【4話 アルバイト】
{netabare}夏休み。礼子とどこかに出かけるのかなって思ったけど、別々なんだね。
でも確かにお金がないとどこにも出かけられないし、バイトは正解かも。
バイト代でレインコートを買って、雨の中 にやけながらの運転。
そして雨に向かってぼそっとつぶやく「ざまあみろ」。
よりもいとはまた違うざまあみろだけど、これも良かった♡
自分でバイクのオイル交換が出来て、鏡の前でヨシッのポーズを取ったり。
小熊さん、最初の頃に比べて表情が豊かになってきましたね♪
バイクのイスをぽんぽんするしぐさもいいな。
どんどん出来ることが増えていって、とても楽しそうで、見てる私もにやけちゃいます(#^.^#)
特別な何かがあるわけじゃないけど、丁寧に描かれていて不思議な魅力のある作品です。{/netabare}

【5話 礼子の夏】
{netabare}礼子が夏休みにある「挑戦」をした話。
なんか今回の雰囲気がいつもと違うような・・
小熊さんが「小さな冒険」をしながら、少しずつ世界が広がっていくところが好きだったので
番外編を見てる感じでした。
この作品にはこういうアクロバット的なお話は合わない気がします。{/netabare}

【6話 私のカブ】
{netabare}だんだん小熊さんの性格が分かってきた気がする。
色々と自分に素直な子ですねw
「このくらいで勘弁してあげる」の表情が楽しそうで良かった。
バスと同時にカブで着いたりとかwタイミング良過ぎて笑ったw
あれ絶対カブで来たいから仮病使ったと思われそう。
先生に怒られたのに、普通に礼子と二人乗りして出かけたり。
以外とメンタル強い子かも。鎌倉まで追っかけてくるくらいだしね。
次回は3人目の子が登場しそう。。{/netabare}

【7話 夏空の色、水色の少女】
{netabare}{netabare}季節は秋になり文化祭の準備が始まる。
小熊さんと礼子はバイク以外のことにはあまり関心ないみたい。
でも原付じゃムリだって言葉が許せなくて文化祭で使う備品の運搬を”手伝ってあげる”ことにした小熊さん。
小熊さん、すっかりベテランカブ乗りみたいな感じになっちゃいましたね。
初々しかった頃の小熊さんが懐かしい。。
「思わず巻き込まれてしまった文化祭」ってどゆことw{/netabare}
↑最初に感じたまま書いた感想です。
他のレビュアーさんの感想を読んでなるほどーって思いました。
カブと出会うまでの小熊さんってないないの女の子で、どこか諦めの気持ちがあって日々をただ無意味に過ごしてて、だから他人との関わりも関係ないって達観したような感じでずっと生きてきたんだろうなってあらためて1~2話を見直して感じました。
2話で礼子に話しかけられて、久しくこんなことは無かったからどうしていいかわからなくて逃げてしまったし。
そう考えるとちょっと上から目線のような話し方も、巻き込まれた発言もなんとなく理解できます。
カブをきっかけに他のみんなと不器用な感じだけど自分から話しかけて関われるようになったのは小熊さんの成長なのでしょうね。{/netabare}

【8話 椎の場所】
{netabare}前回顔なじみになった椎ちゃんにお礼にと自宅のカフェ「ブール」に誘われる二人。
椎ちゃん家ってお店と自宅いっしょだとしても、すごく大きい家なのね。
モールトンを娘に買い与えるとか、趣味でやってるようなカフェとか、結構裕福なのかなー。
コナコーヒーって最初粉コーヒーだと思って、カフェでインスタント!?って思ったらハワイでしか採れない希少コーヒーなんですね(-.-)
私は濃いめのコーヒーって苦手で、もっぱらアメリカンで飲んでます。。
寒さ対策に購入した大きい手袋みたいなの、おしゃれではないけど、すごくあったかそう(#^.^#)
周りを気にせず自分たちのスタイルを追求する小熊さんたち、いいと思います♡{/netabare}

【9話 氷の中】
{netabare}アブラッシブウールって貴重品らしいけどお値段ってどのくらいなんだろ?って思って調べてみたら、いいお値段してました。。
椎ちゃんこんないいものをあげるなんていい子すぎ。
小熊さん、ぶっきらぼうなのはいいんだけど、もらっておいて、椎ちゃんに「さっそく作って」はないでしょw
あと、椎ちゃんが小熊さんたちにカフェに誘ったりするんだけど、そっけなくされるのもちょっとかわいそうかも。{/netabare}

【10話 雪】
{netabare}雪の中、礼子に誘われてバイクで遊ぶ小熊さんたち。
青春してるなぁ~って思うけど、私が4話あたりまで「これ好きだわぁ」って感じていたものが最近のお話ではあまりなくなっちゃったのがちょっと残念かな。。
他のレビュアーさんが言ってた、バイクとJKが好きなおじさんが描いた理想のお話ってのも分かる気がするw
終盤、椎ちゃんが大変なことになっちゃったけど大丈夫かちょっと心配ですね。{/netabare}

【11話 遠い春】
{netabare}警察に連絡しないで小熊さん1人で助けに行ったのは二次災害になるし危ないなーと思ってみてたけど・・
とりあえず、椎ちゃんが無事でよかった・・
小熊さんが料理するの初めてみたかも。カレーうどん美味しそう♡
でも、モールトンのフレームがぐちゃくちゃになってしまって、もう乗ることはできないみたい。
そっか。モールトンに追い抜かれたことがカブへのきっかけだったんだ。
椎ちゃんもカブに乗ってる小熊さんたちにあこがれみたいなものを感じてたのかな。
次回、桜前線に逢いに鹿児島に行くのでしょうか?
普通は原付でムリって思うけど、この作品は何でも出来ちゃう気がしてます。。{/netabare}

【12話 スーパーカブ】
{netabare}桜前線に逢いに鹿児島あたりまでカブの旅をする小熊さんたち。
椎ちゃんは礼子のカブに同乗。
経験ないので想像だけど、原付ってスピード出ないしあんな長い距離走ったらかなり疲れそう(・A・)
特に椎ちゃんはずっとしがみついてるからかなり大変じゃないのかな?
小熊さんのぼそっとしたぶっきらぼうなしゃべり方って、小熊さんをバイク好きなおじさんに置き換えるとしっくりくるかも。
旅が終わり、椎ちゃんもついにカブ仲間に!椎ちゃんカブ、色とかかわいい♡
なんとなく2期はないような気がしますけど、これ見てバイクに興味をもった方もいたかもしれないですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 58

66.7 2 ツーリングで女子高生なアニメランキング2位
ばくおん!!(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (563)
2338人が棚に入れました
女子高生の佐倉羽音は、登校途中の坂道にへこたれたことがきっかけで、バイクに興味を持ち始める。
すでにバイクに乗っている同級生の天野恩紗とともにバイク部に入部することになった羽音は、
個性的で楽しい仲間達に支えられながら、無事に二輪免許を取得。
愛車のオートバイも購入し、ついに念願のオートバイ・ライフをスタート♪
実際にオートバイに乗りはじめてみると毎日が驚きと発見の連続で…!?

声優・キャラクター
上田麗奈、東山奈央、内山夕実、山口立花子、石塚運昇、日笠陽子、三木眞一郎、岩田光央、荒浪和沙、田所あずさ、井上喜久子、木戸衣吹
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ガン・ス〇ーク、懐かしすぎるw

6話視聴
 前回が北海道ツーリングネタだったもんで意外と単車だけに限らないネタが多かった印象に比べて、今回は言いたい放題すね(汗)

外車乗りの自慢話・リターンライダーの金の落し方は単車に限らない話な気はしますけど。自分のところで売った単車以外は面倒見ないって店はBM等の正規ディーラーでなくとも結構多いですしね。赤男爵な店もそうだし。
売り手としては止むを得ない戦略としても、正直乗り手側としては腕も信用出来るかわからない店に整備託したくは無いのが本音すよね。
 私も某社の新車買ってホイールのハブベアリングがリコールになった時、ショウガナイから正規代理店に打ち換えさせたんすよね。
そしたらホイールのハブボルトの締め付けトルク不良で、引き取った帰宅の最中にホイールが振れだして。片持ちスイングアームの車種だったんで、アクスルシャフト無いから振れちゃうんすよ。おかげでディスクも歪んじゃって。腹立ったんで二度とその店には行かなかったすよ。
正規店が駄目で街のバイク屋が安心とは言いませんが、車以上に命に直結する乗り物だけに整備託す店の選択肢はユーザー側に委ねて欲しいすよね。

 来夢先輩の"欲しい単車が有る"からのGPz250ネタは凄いすね。
私も現物見た事無かったしw
GPX250は結構多かった気がしますが・・・バイクブームで女性ライダーの取り込みの一環で女性的な色使い・ラインの単車多かった時期ってありましたしね。VTのFGとかね。
見てて話の流れとして、欲しい単車=GPZ1000RXで900ニンジャの後継車だったのに実はさほど進化して無い単車だった(笑)のネタフリかなと思ったんですが予想を裏切る展開。

 チューンとカスタムと"オカルト"は多分誰もが通る道で、私も耳がイタイです(汗)
私もスプリットファイヤとかマイクロロンとか実際使ったし。
でも、〇ンスパークとノロジーは流石に胡散臭すぎてスルーしましたけどね。
まぁ結局のところ気分の問題と締めたところは核心をついてますねw
ここら辺の話は車も似た様なもんだし。車もぺなぺなの粗悪エアロでcd値改善されないのは判ってても付けちゃうのが子供心ってなもんで。

んで、後方排気ね。
確かに古いネタが多い作品なのにレーサーレプリカが出てこないなと思ってはいましたが。リッターマルチのフラッグシップとは別の意味で技術革新の本流だったのは事実だったジャンルですし、そこで後方排気を出してくるなんて憎いチョイスだと思います。究極の2stレプリカとしてRZV500でも良かったかもしれませんが・・・
恩紗の"2stが絶滅したホントの理由が判った"はなんとも世代的には感慨深いもんがありますね。もう今じゃMX・トライアル・EDのレーサー位しか新車じゃ手に入らないんすもんねぇ。私は2stの魅力はピーキーさだけでは無いと思いますが、各社のターボ車と共に淘汰された今となっては憧憬ってもんはやっぱ有りますわね。

んで、ラストにまさかのホンダマルチのモッズ化で締めるという(汗)

 自分でもレビュー書いてるのか単車の思い出話書いてるのか判らなくなっちゃってますが、このばくおん!!というアニメも多分"アニメとしての出来の良さ"は見失っちゃったニッチな作品な気はしますw
正直、私もコレがアニメとして面白いのか否かは客観的に見れてません。
自分では乗らない方のレビューの方が俄然参考になる作品だと思います。

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4話視聴
4話は結構普通に面白いアニメになってた様な。
相変わらずスズキ愛に溢れてるし。
んで、乗ってた人間には相変わらずのあるあるネタで楽しめて、出来のいい回だったと思います。
内地もいいですけど、北海道ツーリングは確かに格別ですしね。
フェリー乗り場での乗船待機の時間もなんともイイんすよね。
{netabare} 羽音のキツネの絵、かわいいけど確かにイラッとするw
というかキタキツネ、テント泊してるとゴミ漁りに寄って来るんですよ。
テントの前室に置いとくと、持ってかれて散らかすんで困るんすよね。
私も何度もやられました。
そういう点で、キタキツネに対する妄想と現実が描かれたAパートは素晴らしい出来じゃないかと(汗)

 キャノンボールって確かに私も若い頃噂で聞いた事有るけど、ホントだったんすかねぇ・・・スタート地点も秘密で七夕の夜だった様な。
でも、セローでは金積まれてもお断りしたいすねw
私も旧セロー乗ってたもんで、想像しただけで疲れます。
伐採林道とかは足漕ぎ出来て超強いですしイイ単車すけどね。
流石に400マルチや大型と同行はキツイですし、凛が言ってた様にセローのペースに合わせる同行者も疲れちゃいますもん。

 んでイヤミな現行ドカ乗りが酷い目に合うと(汗)
今でもドカってサイドスタンドがオートリターンなんすかね?
欧州車は国産みたいなフールプルーフな作りじゃないんで、オンオフ問わず多いんすよね。作りもアルミで華奢なの多いし。

 んでも敵作るの覚悟で書きますが、確かに旅先で出会うドカ・ハーレー・BM乗りは「どうよ俺の単車?」的イヤミなヤロウの率が高い気がするし某老舗弱小メーカー乗りだった私的には痛快なシーンでしたw
絶対あのシーン、その意図有ったと思う。
{/netabare}


それにしてもラウンドケースの750SS何台持ってんでしょ・・・
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3話視聴
{netabare}
相変わらず水冷カタナを餌食にするスタイルすね(汗)
水没ネタもキリンでしょうし。
多分、原作者の方スズキ好きなんでしょね。
マルチは赤ベコとか乗ってたけど、スズキいいですしね。
スタイルは色々とアレですが、それも味の内だし。

 YSPの看板外れてた絵は流石に大丈夫なのか?と言うキワドサが。
ニコイチしちゃうような店だから とアニメではやんわり濁してますが、多分弱小小売店の苦しさを遠回しに皮肉ってるのかなと。
各社共看板掲げると大したうま味も無いのにかなりノルマ厳しいらしいですし。
昔、馴染みの店にARK店やらないかと誘いが有った時に店主に聞いた話思い出します。
最近の事は判らないですが、今でも逆車は対象外としてプ〇スト等の各社のト〇×ル会社から引っ張らないとならないんでしょうし。

それにしても今でもピースとか手あげて挨拶なんてするんでしょか?
私の頃ですら北海道以外では殆ど経験無かったけど・・・

私も今じゃ手元に小さいのしか無いけど、このアニメ見てると乗りたくなってきますね。
意外とネタ(になってる単車)が古い事考えると、むしろリターン層の掘り起こしには一役買える作品なのかも。{/netabare}



////////////////////////////////////////////////////
2話観ました。
かなり古い単車乗りにしか伝わらないネタが多い気がします。
ノリが昔のミスターバイク誌系かと。
アニメとしてコレはアリなのか?と思わないでも無いですが、私は超楽しいですw
でもバイ太がお話してくれるって設定って、結構アリだなと。
単車乗らない人にもすごく判り易いと思いますし。
{netabare}
ラストでインジェクション車と代替で引き取られてきましたけど、EDのニコイチモータースって店の事考えると布石なんすかね?
知らないうちにお別れはちと悲しくなってしまいました。
{/netabare}

なんか誰得アニメな事になりそうですが、個人的には出来云々は別として今期では一番楽しんでます。

{netabare}
 大型免許を教習で取る≒免許を金で買う の部分はかなり敵を作るようなw
昔はそういう風に冷やかしもしたけど、今時一発で受けに行く人がどれだけいるんだか・・・私は一発を5回落ちました(汗)
因みに私の地元では大型教習始まってから、一発の採点が更に厳しくなったと聞いたような。一本橋だけでなくスラロームにも秒数下限が設けられたらしく。メンツなんて気にせず教習でキチンと教習受けた方がいいんじゃないかなとは思いますけどね。
ハーレー売りたいというアメリカのゴリ押しが教習化の後押しとなったと当時は言われてましたが、実際のところはどうだったんでしょうねぇ。

 東本昌平のキリンの一般的知名度が判らないんですが、結構苦しいネタな気が。特に「キリンは泣かない」の件はマンガ雑誌に移籍する前の4巻迄の話ですし(汗)

 400カタナの"まがい物"ネタは、個人的にはちと耳がイタイです。
発売当時、中免だった友人そそのかして買わせちゃったりしたもんで(汗)
ジウジアーロのデザインのショーモデルに一番近いのが250カタナで、作中で言ってた通り量産の750/1100に似せて売られたのが400なんす。

 聖の船付き750SSがスクエアケースかラウンドケースかは見分け付きませんでしたが、ランンドケースなら水没なんてさせたら金持ちでも顔面蒼白だと思います(汗)

{/netabare}

///////////////////////////////////////////////////
原作未読です。
 スズキ乗りを敵に回す作品みたいですが、愛は有ると思いますw
SW-1が教習所に止まってたりしてますしね。
それにしてもトリアージXといい、なんでGSF1200SSが・・・
イタ車もネタにされてましたが、今時のはそんなに稼働率悪くねぇですよ。
私、通勤に毎日使ってたもん(汗)
まぁ多分他社もネタにしてくスタイルなんでしょうね。
単車乗りなんて皆、アバタもエクボで自分の単車の事ネタにするの好きな人多いですし。私もホンダLOVEの友人よく冷やかしてたし。
出てくる登場人物は女子高生ですが、毒の無い愛の有るディスり合いに関してはとても忠実に単車乗りの本質を描いてる気がしますw

 ネタとして個別車種・メーカーをネタにはしてても、意外と真面目に単車乗りへの誘いとしていい印象かなと。多分単車乗りが路上で体験する嫌な部分は描かないそうな感じですし。

ローリングガールズみたいなトンデモ単車は出て来ませんし、意外と単車の絵も書き込まれてます。セローの特徴的なシフトリンクも真面目に絵にしてたのは素直にへ~って思いました。
アニメの一作品としてアニメ好きにウケるかは別として、単車好きはニヤニヤ観れる作品ではありそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

バイク愛が根底にあるから面白いんだな♪

最終話
{netabare}
バイクが無くなった世界を夢で体験して悲しくなる羽音の話は、車と自転車の中間に位置するバイクの魅力をなんとなく実感して、よりバイクを好きになったようですね。最終話にしては、ちょっとまとまりがなかったけど、2期目も視野に入れてるのでしょう(・・・と勝手に思ってます。。)バイクは馬鹿が乗って、賢いやつは自転車に乗るっていうのは賛同し兼ねます。{/netabare}
ばくおん、なかなか楽しめました!バイクのコアな話しもあって、単純に女子高生のママゴトにしなかった点は良い所だったと思います!!

11話
{netabare}
100万自転車さんが登場したけど、本格的な自転車は本当に各パーツが高いから総額でオートバイ超えちゃうことが普通にあるんだよね。ただオートバイや車に対して、それほど競争意識は持っていないような気がするから、少し過剰な描写だったかと思う。SUZUKI菌には笑ったけど、ばくおんは総じてSUZUKIをネタにするね。SUZUKIはそれを可としているってことだから、アニメに協力的ないい会社ともいえそうだ。凛ちゃんの動じないSUZUKI愛を強く印象つけるためのSUZUKI批判として、見る側も受け止めて欲しいな~♪千雨も免許を取って、スクーターに乗って登場。1期はどう締めくくるのかな?
{/netabare}
 
10話
{netabare}
千雨がレーシングドライバー(サーキットのみなら免許はいらないので・・・)から公道で走る為に免許を取得するために聖と一緒に教習所に通うまでの話。印象に残った所は千雨がシート高の重要性を語って涙を流すシーンは良かった。レーサーとしてバイクを見る視点とバイク部の人たちの視点の違いをコミカルに表現してあって楽しめる所がとてもいいです。よく考えられていますね。今日も楽しめました。しかし、聖の養成ギブスには笑ったw{/netabare}

9話
{netabare}
千雨が登場。公式ページによるとNSF100(渋~)みたいですね。確かNSF100ってレース仕様で押し掛け専用だったと思うけど、公道用に直すのかな?彼女の体系にはピッタリのバイクです。空冷4サイクル単気筒でシート高は68.1cmだから、正に彼女にはピッタリなかわいいバイクですが、サーキットではなかなかのスピード感があるカッコいいバイクです。
バイクで青春っていうのは省略しちゃダメだねw 聖が『バイ春』って首からぶらさげてたのは笑った^^; 千雨はバイク部に入るのかな?凛ちゃんみたいな感じになるのかな・・・?毎週楽しく見ることができています。{/netabare}

8話
{netabare}
もう季節は冬なんですね!羽音の天然で優しい性格がとてもかわいくていいですね!メインヒロインとして十分に存在感があってストーリーを楽しいものにしてくれてるし、バイクの魅力も初心者の視点から伝えてくれているのもいい。凛も恩紗も聖もそれは同様でそれぞれの個性があってほんとに楽しい。来夢先輩の存在意義も非常に重要だし、なかなかよく考えられた設定だな~って思います。{/netabare}

7話
{netabare}
SUZUKI贔屓の私にとっては、レースで凛が勝ったのは嬉しいね♪
KATANAを心から愛し、信頼している凛はマジでバイク好きって
感じ取れるし、勝者にふさわしいと思った。勝った後の「SUZUK
Iを買え~!!」も良かったw
レースでバイクに乗ることは、彼女らにとっては新しい経験で、観る側
の女子高校生も新鮮な感覚を得たに違いない。バイクの楽しみ方を、や
んわりと教えてくれるマイルドながらこだわりも伝えている感じが丁度
よくて楽しい。 {/netabare}

6話
{netabare}
レースをする為、各々がバイクチューンアップをするという話。
文化祭でオートレースをやるようだが、どこでやるのかな・・・?
恩紗が2ストのTZR250に乗るようなので、優勝に1歩近づいた
感じですね。2ストの特性もしっかり描写されていました。7000回転
過ぎた所でパワーバンドに入り一気に加速するあたりも、しっかり
描写できていたので、満足です♪レースが楽しみです!{/netabare}

5話
{netabare}
北海道ツーリングも無事に終了。凛ちゃんの前にキタキツネが現れるが、急停車で転倒も事故も免れる。憎いはずのキタキツネが助かったことに涙する凛ちゃんは優しい女の子だね~^^
旅行から戻ってきて自分のバイクを洗車するシーンは失笑しちゃったが、まぁ~これくらいのご愛敬は深夜ということでお許しを・・・みたいなw{/netabare}

4話
{netabare}なんか、バイク愛が伝わってきますね~。北海道にツーリングに行くあたりの行き当たりばったりさなんて、超いい加減だし、ツーリングもハチャメチャですけど、そんな中にバイク乗りの色々な一面が垣間見られて、私はこういうの好きですね~。羽音が助けてあげた神様?(キリスト?)もバイク好きらしいしね~(笑)おじいさんがドゥカティで飛んだ時は「おお~」と思ったが、海に落っこちるしね・・・他にも色々と笑えたし楽しめました!{/netabare}

3話
{netabare}
凛ちゃんのSUZUKI愛が面白さを引き立ててるね。KATANAの特性をしっかり
把握してるからこその件(くだり)は笑えました。
羽音のCB400SFも渋いけどいいバイクですからね~。現代の女子高生に
過去の名車を乗せてくるあたりのミスマッチ感がいいよね~。
バイク愛に満ち溢れていて、観てて清々しい気持ちになります。
凛ちゃんのツンデレ感も可愛い感じで心地よいしね!面白いですよ!{/netabare}

2話
これって、けいおんに似てるんですかね?けいおんは、ちょっと肌に
合わなかった作品で断念しましたが、ばくおんは、{netabare}バイク
を通じた女子高生の青春の話で、この時代にKATANAを出してく
るあたりも好感が持てて、視聴継続できそうです。
 
羽音ももうすぐ免許をとるし、三ノ輪さんというワルに憧れた?ちょ
っと古いタイプの女子も登場し、いよいよこれからバイク部の活動と
いうことになりそうです。バイク寄りの話ではなさそうな感じがプン
プンしてますが、まぁまぁ楽しめています。{/netabare}今後の展開は・・・
いい意味で想像を裏切って欲しいところです。

1話
面白かったです。これからどれくらいバイクにこだわりをもった
展開になるのかが楽しみです。
春は、これだけは観ようと思っていましたが、1話を観て続きも観た
くなりました。{netabare}SUZUKI信者の凛ちゃんのバイクはGSX400S-KATANAですね。親父から譲り受けただけのことはある名車です。RGシリーズでもよかったかなぁ・・・。{/netabare}
とにかく、2話以降も楽しみにしたいと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

今、そこに在る翼

スクーターではなく、「オートバイ」なのがいい。

両手両足を使って操作し、車体と一体化して全身で操縦するオートバイこそ二輪車の王道だ、と勝手に思っている。

しばしば「鉄の馬」と喩えられる二輪だが、実感としては、意識するだけで反応する自分の手足の筋肉のように、拡張された「仮想筋肉」の方が近い。
馬という速い「乗り物」を操作という「入力」を介してコントロールする例えはむしろ四輪のドライビングに近しいもので、「オートバイ」のライディングという「操縦」を意識しない人車一体の感覚は、仮想の「筋肉」という比喩こそふさわしいと思う。
過剰に愛車にのめりこむオートバイライダーの振る舞いも、高速移動を可能にする「自分の筋肉」という感覚に根拠づけられている気がする。

主人公が、中排気量以上のマニュアル操作する二輪車を、「バイク」ではなく「オートバイ」と呼ぶことも、オジサン的にはポイントが高い。


そもそも、16歳になると同時に教習所に飛び込んで中型オートバイに乗り始めた元高校生ライダーとしては、オートバイに関心を持たない高校生キャラクターにリアリティを感じることができない。

私的なバイアスはさておいて、女子高生がオートバイに乗ろうとする物語は現代では不自然に空想的なのかもしれないが、地方都市の高校を舞台にする昨今のアニメで、貧弱な公共交通網によって移動行動に制限を受ける描写があるにもかかわらず、オートバイどころか原付バイクにすら関心を示さないキャラクターたちこそ不自然感を感じさせ続けてきた。

飛躍的に行動の自由を拡大する「力」を与えるものが、すぐ目の前に存在して手に入れることができるのに、その存在自体がまるで視野に入っていないかのように振る舞うキャラクターたちは、ネットユーザーが、フィルタリングされた検索結果しか知らず、何がフィルタリングで排除されているのか、排除されているものの存在すら気づくことができないのと同型的に、思考をフィルタリングされているような不気味な違和感をもたらす。

フィルタリングを突破して躍り出たオートバイに乗る高校生は、ひさびさに私的な「リアル」を感じさせてくれた。
いやおうなくありのままの世界に飛び込んでいかざるを得ないオートバイという乗り物によって駆動される物語は、結果的に、フィルタリングされない「世界」を見出そうとする志向と共鳴しているように見える。
この志向を担うのが女子高生であるというのが、現代性の現れなのだろうか。


女子高生の放課後オートバイライフを愉快に描く物語は、ライダー以外には少し敷居が高いかもしれない。
オートバイの魅力は体感的なものなので、魅力を「語ろう」とすると「ポエム」になることがどうしても避けられないからだ。
恩紗の「語り」が、作中で一向に理解されないすれ違いで笑いを生むのは、こうした必然による。
決して、ライダーという人種が片岡義男や東本昌平の物まねをするのが好きだからではない。

その分、オートバイライダーにはツボに入る「あるある」ネタのオンパレードだ。
往時と比べれば新車種が殆ど開発されないと言ってもいい現状を反映して、登場するオートバイが旧車ばかりなので年配の視聴者にも楽しめるだろう。
(「キリンは泣かない」と言いながら水没カタナに乗る女子高生に、笑わない中年ライダーがいるだろうか)

数多のアニメやマンガと異なり、本作内では、真剣なレースやスピードが焦点化されることはない。
オートバイの魅力の本質は、他人と「競う」事ではなく、移動することそのもの、「自分の」世界が拡大していく事そのものであると、明確に把握しているようだ。
OPの楽曲と映像が、それを良く表現している。

アニメ自体ではなく、オートバイについて語りたい気分を挑発するのは、むしろ本作の本懐であるかもしれない。
「世界」を変えるものは、すぐ目の前の手に届くところにある。


長い間オートバイと共に暮らしてきたが、新居の都合で手放さざるを得なくなった。
が、ヘルメットとライディングジャケットだけは処分できずに手元にある。

共に走った仲間も、ある者は降り、中には病気で乗れなくなった者もいる。
だが、それでも皆、オートバイという乗り物が、今でも大好きだ。

いつかまた、仮想の筋肉で移動する「力」を得る夢を、本作は見せてくれる。



一つだけ若い視聴者のためにネタの解説をしておきたい。

現在では教習所で取得できる大型二輪免許は、かつては合格率一桁%といわれた難関の試験場技能試験を突破しなければ取得できなかった。
そのために大型二輪免許を特別視するライダーが作中にも登場するのだが、大型二輪という区分が誕生したのは1975年の免許制度改正からで、それ以前は免許制度上は大排気量オートバイは特殊なものではなかったのだ。

「大型」二輪免許にこだわるライダーは、つまり、比較的に「若い」部類に入る。
昔から大型オートバイが「特別」であったわけではない。それは時代的なものなのだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

61.5 3 ツーリングで女子高生なアニメランキング3位
わんおふ -one off-(OVA)

2012年9月1日
★★★★☆ 3.5 (166)
828人が棚に入れました
折り重なる山に囲まれた高原の朝。麓の学校へと続く道を、いつものように愛車ジョルノを走らせる高校2年生、汐崎春乃。美しい景色に、おいしい空気、新鮮な野菜、近所の人たちもみんな温かくて良い人ばかりだ。良い場所だとは思うけど、華やかな都会にあるものがなんにもない。高校生の春乃にとって、都会は果てしなく遠い気がして夢もしぼみがち…。そんな時、春乃の両親が営むペンションでの新しい出会い。それをきっかけに、ぼんやりとしていた春乃の思いが少しづつ形になっていく。いつもの仲間たちと一緒に、新しい一歩を少しだけ踏み出せるかもしれない。そんな、少女たちが輝く爽やかな初夏の物語。

ネタバレ

ワッキーワッキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

潮風が目に染みるアニメ

監督:佐藤順一 制作:TYOアニメーション 特別協賛:本田技研 全4話 1話あたり15分 
キャッチコピー「2012年、新しい風が舞う。」
監督代表作:『カレイドスター』、『ARIA』、『たまゆら』

■ストーリー■
山奥の峠沿いのペンションの高校二年生の一人娘で主人公の汐崎 春乃は憂鬱そうに日々を過ごしていた、しかしペンションに新しく雇われたオーストラリア人のシンシアに出会うことで、少しづつ変わっていくというお話。

■わんおふとは■
特注のカスタムパーツ、ワンオフが由来で、自分だけの大切なものを見つける為に新しい一歩を踏み出すと言った意味合いでつけられたタイトルになっている。

■舞台■
長野県飯田市上村らしいです。

■登場人物■
汐崎 春乃(しおざき はるの) 声 - 後藤沙緒里
頭の両サイドに羽のような寝癖、消極的な性格、愛車はホンダ・ジョルノ。

鏑木 小夜(かぶらぎ さよ) 声 - 早見沙織
メガネストレート、小説を書いている、愛車はホンダ・リトルカブ。

別所 杏里(べっしょ あんり) 声 - 矢作紗友里
茶髪ツインテール、作曲をしている、ペットに犬のマロ、愛車はホンダ・ベンリィ。

前園 利絵(まえぞの りえ) 声 - 喜多村英梨
おでこ後ろで結んでいる、ハイテンション、将来の愛車ホンダ・ズーマー希望?

シンシア・B・ロジャース 声 - 小林ゆう
金髪ストレート巨乳、ごちゃまぜの訛り、世界中をバイクで旅している、愛車はホンダ・CBR250R。

■感想■
『たまゆら』『ARIA』などの監督と言うことで、かなり期待して視聴しましたが、前半主人公、春乃消極的っぷりにやや残念な印象を受けました。
少女の成長を描きたかったというのは、伝わりましたがもう一つ消極的なキャラでも、魅力につながる何かがあればもっと作品として好きになれたと思います。

舞台となっている風景も、どこにでもありそうな峠の風景でそこまで行ってみたいというほどでもなかった印象を受けました、しかしツーリングカフェ的な所はちょっと行ってみたいかなと思います。
ストーリーは、たった4話1時間と言うことでしたが、綺麗にまとまっていて内容としてもよかったと思います。

また、特別協賛が本田技研ということでしたが、ほとんど原付だったので、そこまで購買欲をそそられるものではありませんでした。広告としてどうなんでしょう?

ですが、バイクの描き方はとても丁寧でよかったです。

第1話 「風のカフェテラス」
{netabare}進路調査票に都会に出たいと書いた春乃には、共感できるなぁ~と思いました。私自身も、中学高校と都会にあこがれて、大学で東京にでたので、あぁ懐かしいなと言った印象を受けました。また春乃のデイドリームも経験があるので共感できると思います。そう考えてみると、普通にリアルな女子高生のお話だと思いました。 {/netabare}

第2話 「はるのオーバーチェア」
{netabare}シンシアに徐々に惹かれていく春乃が、2人で夜中に海を目指すことに(二人とも原付で)整備士のオッチャンもいいこと言ってたなぁ、行けるか行けないかは自分次第的な、そしてやっと朝日が昇る海に到着、シンシアが優しく人は一人じゃ生きていけない、だから頼っていいんだと、そして春乃は少し自分に素直になれそうな予感でした。

なぜか、海が見えてから液晶から潮風が吹き少し目に染みました。

余談ですが、絶対お尻が痛くなったんだなぁと思ってみてました。私も原付じゃないですが、バイクで夜中出発して朝日が出るまで走り続けた経験がありその後、帰りはさらに眠いし疲れてるしで地獄だったんだろうなとちょっとにやにやしてました。{/netabare}

第3話 「ぽこ・あ・ぽこ」
{netabare}ペンションのお客さんで今度は星を観る事になりちょっと『宙のまにまに』を思い出しました。それと人は応援をお願いするんじゃなくて、頑張ってるから勝手に応援するというのがいいセリフだなと思いました。そして少女達のユニットが「ぽこ・あ・ぽこ」に決定して、ライブをやることに。 {/netabare}

第4話 「そして始まるメモリーズ」
{netabare}シンシアがオーストラリアに帰ってしまうことで、ライブを早めることに、そしてラスト私がオーストラリアに会いに行くねと、こんな約束ができる関係っていいなと思いました。いつまでも待っててくれると信じられるからこそできる約束なんだと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

少女達が輝く爽やかな初夏の物語

「ARIA」や「たまゆら」を制作した佐藤順一監督の最新作で1話=15分、全4話のOVA作品です。

◆この作品の内容は・・・
舞台は折り重なる山々に囲まれた高原の街。
ゆるやかな日常を過ごしていたバイク好きの女の子達の前にバイクでいろんな国を旅してきたという外国人の女性が現れます。
その出会いをきっかけに主人公の汐崎春乃は「あたしは何ができるんだろう」と考え、新たな一歩を踏み出そうとするお話です。

◆まずはPV視聴・・・
バイクメーカーのホンダとのコラボ作品。
一番初めにホンダと聞いた時には大型バイクを連想し、ライダースーツを着た女性がぶんぶんバイクを走らすアニメかと勝手に想像してしまい、頭をひねってしまいました。
そして実際PVを見てみると、全くお恥ずかしい^^;
先入観とは恐ろしいものですね^^;
柔らかいBGMが流れる中、のどかな高原をスクーターで走る可愛い女の子。
そしてお茶を沸かし、それを飲みながら大自然を眺めます。
この映像の雰囲気に私一発で気に入ってしまいました♪

◆タイトルの意味は・・・
「わんおふ」とは、車やバイクのカスタムパーツの事。
一般的には販売されてないオーダーメイドで作成した、基本的に世界に一つしかない自分だけのカスタムバーツ。
これをワンオフパーツと呼ぶらしいです。
そこから、「世界に一つだけの自分だけの大切なものを見つける」という意味でこのタイトルが付けられたという事です(゚∇゚;)ナルホド-

◆声優陣は・・・
汐崎春乃 : 後藤沙緒里(まりあ†ほりっくの稲森弓弦)
鏑木小夜 : 早見沙織(そらのおとしもののイカロス)
別所杏里 : 矢作紗友里(To LOVEるの西連寺春菜)
前園利絵 : 喜多村英梨(とらドラ!の川嶋亜美)
シンシア・B・ロジャース : 小林ゆう(まりあ†ほりっくの祇堂鞠也)

◆総評・・・
まずはこの作品のゆるやかな高原の雰囲気がとても良い^^
山々に囲まれた高原は都会に疲れ切った人達にとってはぜひともその場に訪れて癒されてみたいという衝動にかられます♪
また主人公の春乃はちょっと妄想癖のある可愛い女の子^^
そんなの春乃とその友達達の愉快な日常は微笑ましく、また彼女達が何かしようとする姿は見ていてとても気持ちの良いモノでした。
雰囲気アニメとして抜群に良い作品で、全体的にもとても爽やかでスッキリとした心地いい余韻を味わう事のできるいいお話でした(*´▽`*)
しかしながら尺が短すぎるのでストーリーはあっさりしすぎです。
私としてはもっと尺を取って、ストーリーを広く深く作り込んでぜひともTVアニメ化してほしいところですね^^

◆最後に一言・・・
スカートの下にジャージ履くの反対( ー`дー´)キリッ
でも高原をスクーターで走ると寒いのよ(´・ω・`)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

出逢いと友だちを通して成長していく物語の根底に流れる一貫した考え

HONDA協賛のもと、『たまゆら』『ARIA』の佐藤順一監督によって
作られた1時間ほどのOVA作品。

舞台は今回、はっきり明かされていないが白流とされる里山の連なる地域。
愛車ホンダ・ジョルノで通学している高校2年生の汐崎春乃が主人公。
両親が営むペンションにやってくる人々との出会いを通して
友だちとともに新しい一歩を踏み出す物語。

緑豊かな里山の風景、静かな空気感はきっと、都会暮らしに疲れた人や
身も心も忙しい日常を送っている人にとっては癒しになるかも。

また、そんな片田舎にやってくる底抜けに明るいオーストラリア人の
シンシアがとても魅力的に映るし、実際いい台詞がいっぱい。

女の子だけの夜のツーリングを許してくれる両親の寛容さにも驚きだが
登場する大人はみんな理解があっていい人たちばかり。
学校での友だちともすごく仲が良くて信頼しあってる。
事件も何も起きない、のんびりと優しさに浸っている作品を
久しぶりに観た。

あまりに疲弊しすぎていると、こういう作品を観た場合
皮肉を言いたくなるものだけれど、素直な涙を流せた自分はまだ大丈夫みたいだ。

『たまゆら』を観ている人なら内容がとても酷似していると思うだろう。
良心的に解釈すればどちらも同じスタッフだし、作りたい作品のテーマが
一貫している、つまりブレてないということなのだと思う。

印象的な台詞もいくつかあるが、一番好きなシーンは
シンシアと春乃が夜通し走る中、夜明けの海が見えてきたところ。
景色ももちろん夜明けなのだが、春乃の心にも夜明けが来たという、
人が考えを改め成長する瞬間だったからだ。

1人で何でもやっているような人でも、本当は多くの誰かのおかげで
生きていられたり、何かを成し遂げていたりする。
人は独りじゃなく助け合って生きているものだから、
誰かをどんどん頼ってもいい。

本当に?
できるだけ人を頼らず何でもまずは自分で何とかしようとしてしまう私に
疑問と安堵を投げかけてきた考え方ではあったけれど
視野を広げれば確かにそうかもなぁと納得もする。
夢や目標を成し遂げるのはあくまでも自分であるけれど、
そこに足りないものがあった時は助け合うことも大切で
そうすれば達成したときの喜びは、喜び合う相手がいることで何倍もの嬉しさを
分かち合うことになる・・ということなんだと思う。

冒頭で野山を見渡せる春乃のお気に入りの秘密の場所が登場するのだけれど
{netabare}
そこにやがて、自分以外の人が時々居合わせるようになり
やがては友だちで共有する場になっていくのが
{/netabare}
先ほど書いた分かち合うことの象徴のようで、印象的だった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
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