ドキュメンタリーおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのドキュメンタリー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2020年02月17日の時点で一番のドキュメンタリーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.2 1 ドキュメンタリーアニメランキング1位
サクラクエスト(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (795)
3509人が棚に入れました
主人公、木春由乃(こはるよしの)は、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。
東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢みて、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は920円。このままでは、田舎帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から、「地域の町おこしの一環で国王をやってほしい」との依頼がある。よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。
一時的に日本中でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れて残念な残念観光地だった。
そんなこんなで、由乃の”普通じゃない”お仕事生活がはじまった。

声優・キャラクター
七瀬彩夏、上田麗奈、安済知佳、田中ちえ美、小松未可子、斧アツシ、伊沢磨紀、小西克幸、下野紘、濱野大輝、ヴィナイマーシー、森なな子、黒沢ともよ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昆布だしのようにジワジワと来る、P.A.WORKSにしか作れないかも?な《隠れた良作》

本作は多分、第1話を観終わって「何コレ、ちょっと面白いかも?」と思った人には最後まで楽しめる作品だと思うし、逆にその時点で「あんまり面白くないな」と思った人は無理して見続ける必要のない作品と思います。

とにかく本作は、展開が地味・・・というか、割と現実に起こりそうなことばかりしか起こらないし、登場キャラたちの情動も至って常識的なものに終始していて、ドラマチックさやロマンチックさは余り感じません。

これを肯定的にいうと、「ナチュラルな作風」ということになると思いますし、制作会社P.A.WORKSは元々そういう作風を得意としている会社ですが、それにしても本作は、同社のそれまでの制作アニメ、例えば、『花咲くいろは』、『SHIROBAKO』(※どちらも「お仕事系アニメ」という点で本作と類似)に比べても、その地味さが際立っています。

・・・というか、『花咲くいろは』の主人公(兼ヒロイン)の松前緒花が、結構自我が強くて面倒くさい性格だったり、『SHIROBAKO』の場合は、主人公は割と地味だけど、周りの人たちがいずれも一癖も二癖もある自信家・才能もち、もしくは奇人・変人ばっかりだったのに比べると、本作の場合は、主人公(兼ヒロイン)は「周囲の状況をよく見て、自分が譲れるところはなるべく譲って、みんなにとって最適なやり方をなるべく選んでいく」タイプで、その周囲の人たちも、ほんの一握りの人を除いて、そんなに押し出しは強くありません。

でも私は、松前緒花のような自我の強いタイプよりも、本作の主人公(木春由乃)のような「一歩引いてから考える」タイプのヒロインの方が断然好きなので、本作は第1話からほぼ最後まで、ずっと楽しめてしまいました。

あと、本作の題材については、「寂れつつある地方小都市の町興し」があると思いますが、視聴しながら、本作と似た題材を扱った作品として、『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』(2014年夏)を思い出しました。

一応、両作の違いを述べると、

(1) 『ろこどる』の方は、{netabare}女子高生が自分の地元である首都圏近郊の中規模都市の「ローカルアイドル」になって{/netabare}町興しをする話
(2) 本作は、{netabare}就職浪人をする羽目になった短大卒業生が、自分とそれまで余り縁のなかった地方小都市の「ミニ独立国の国王」(※実際には市観光協会の嘱託員)に任命されて{/netabare}町興しをする話

そしてまた、

(1) 『ろこどる』の方は、どちらかというと{netabare}「町興しを手伝うローカル・アイドル」{/netabare}というエンタメに振った緩い内容、
(2) 一方、本作の方は、{netabare}日本各地の地方小都市で実際に起こっているようなシリアス寄りの「田舎あるある」(※限界集落とか若者定住者確保への苦労とか都会からの婚活ツアー募集とか地元TV局のゴリ押し企画とか地元有力者同士のいがみ合いとか){/netabare}を、ヒロインの視点から視聴者が食傷気味になるくらい次から次へと描き出す内容、

・・・ということで、私は、『ろこどる』の方も ★ 4.2 と高めの評点を付けていますが、本作はそれよりも「町興し」に関しては数段深く踏み込んだ内容となっていると思うので、★ 4.4 という、私としてはかなり高めの評点にしました(※これは、『花咲くいろは-劇場版-』の ★ 4.3 よりも高い評価です)。

《まとめ》
ここまで地味な作風だと「人気が出ない」ことは、P.A.WORKSも元々承知の上での企画だったのかも知れません。
それでも、もう少し派手な他の作品で稼げるから、ここは採算を度外視して「地元(※P.A.本社のある南砺市が本作の舞台だそうです)の今」を確り描き出すメモリアルな作品を作ってやろう、という割り切りがあったのだとしたら、それはそれで大したものだと思います。

P.A.WORKS作品だと、個人的に評点が高いのは『凪のあすから』(※個人評点 ★★ 4.7)ですが、一番好きなのは『TARI TARI』(※個人評点 ★★ 4.6)、その次が本作かな。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
チュパカブラって何か聞いたことのある言葉だな、と思ったら『響け!ユーフォニアム』のサブキャラ(葉月ちゃん)が自分の楽器(チューバ)に名付けた名前だったんですね。
就職浪人の短大卒女子が、何かの勘違いで昔流行(はや)ったミニ独立国の国王になってしまい町興しに奮闘する話なんだね。
かなり強引な展開だけど、ラストの写真で最初に繋いだのは◎で急に印象が良くなる。
・第3話視聴終了時点
町を変えるのは「若者・馬鹿者・よそ者」の三拍子そろった者だって。
上手い語呂合わせだと思った。
・第7話視聴終了時点
P.A.WORKSらしいちゃんとした《感情描写系》作品と確定(初の★★(優秀回))。
・第8話視聴終了時点
冒頭の農作業にちょい違和感あり(7月に稲刈りは早すぎるので、もしかして麦?)。
・第9話視聴終了時点
「小麦が採れるから、素麺(そーめん)」…なるほど、やっぱり麦刈りだったんですね(6月が収穫期)。
・第13話視聴終了時点
チュパカブラ王国20周年記念建国祭(8/27)の大成功と、その後の厳しい現実にヒロインが初めて挫折感を味わってしまう注目回(2度目の★★)。
・第14話視聴終了時点
由乃の残りの国王任期について言及のある回
・第16話視聴終了時点
アルルカン(仏語 arlequin)は即興劇の道化役という意味(英語だと Harlequin)。
2017年から50年前というと、ビートルズ来日(1966年6月)から間もなくの頃で、全国でグループ・サウンズが流行した時代みたい。
・第17-18話視聴終了時点
こららの回は限界集落の問題を扱っていて、とっつきにくいのが難点(※でも、P.A.らしくて個人的には◎)
・第21-22話視聴終了時点
寂れて将来性の見込めない商店街と町から出ていきたい若者たちの問題を取り扱う注目回だけど、やはりとっつき難さは残念。
・第25話視聴終了時点
最後は綺麗にまとめてくれました。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         Alexandre S.D. Celibidache
監督         増井壮一
シリーズ構成     横谷昌宏
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、関口可奈味
音楽         (K)NoW_NAME
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

==================== サクラクエスト (2017年4-9月) ==================

 - - - - - - - - - - OP「Morning Glory」、ED「Freesia」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 魔の山へ ★ 20歳短大生・木春由乃の間野山行き、チュパカブラ王国新国王戴冠、観光協会との1年契約
第2話 集いし五人の勇者たち ★ チュパカブラ饅頭1000箱売り切り作戦(サイト構築・動画制作)、桜の季節まで
第3話 マンドレイクの叫び ★ 町の人々の意識、ヌルキャラ選手権、由乃の本気宣言、4大臣任命
第4話 孤高のアルケミスト ★ 5人の共同生活開、木彫りで町興し(いかきぼ計画)開始、香月早苗(WEBデザイナー)リタイア宣言
第5話 ユグドラシルの芽生え ★ サンダルさんの名デッサン、IT大臣・早苗復帰、間野山計画と“桜池ファミリア計画”開始
第6話 田園のマスカレード ★ 映画企画「ふたたびの森」、緑川真希の後輩女優(萌)の活躍
第7話 煉獄の館 ★★ 四ノ宮しおり(観光協会職員)の思い出の家、真希の代役志願、ロケ終了 
第8話 妖精のレシピ ★ C級グルメ料理選び、しおりの姉(さゆり)とフランス料理店シェフ(熊野)の再会、商店会との衝突、しおりの決意表明
第9話 淑女の天秤 ★ 商店会との合同企画(大そうめん博)、さゆり&熊野の勘違い解消・進展
第10話 ドラゴンの逆鱗 ☆ 青年会お見合いツアー、間野山踊りと織部凛々子の憂鬱
第11話 忘却のレクイエム ★ 続き、サンダルさんの町の縁、龍の歌(凛々子)
第12話 夜明けのギルド ★ 王国20周年建国祭(8/27)企画、町興しガールズ密着取材、地元TV局のバックアップ、商店会・青年会の協力取り付け
第13話 マリオネットの饗宴 ★★ 予想外の人手、クイズ大会、人気ロックバンド・コンサート、TV放送の違和感{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP「Lupinus」、ED「Baby's Breath」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第14話 国王の断罪 ★ 由乃の遅めの帰省(地元の祭り(安住祭))、それぞれの今後の思案
第15話 国王の帰還 ☆ UMA探査グループ(クリプティッド12)、桜池の池干し開始、丑松(観光協会長)の水難事件
第16話 湖上のアルルカン ★ 丑松・毒島・千登勢の50年前の黒歴史(ザ・ガレージ・バンド、神輿渡りのアクシデント)、瑞池(みずち)祭り復興計画
第17話 スフィンクスの戯れ ☆ 瑞池祭りの「三種の祭具」捜し、SNS導入、限界集落・蕨矢のバス路線廃止問題、国王人質になる(わらびや共和国独立騒動)
第18話 ミネルヴァの盃 ★ 続き、まのやまデマンドバス導入、元文化人類学者(鈴原)の死と遺産(日誌と「剣鉾」発見)
第19話 霧のフォークロア ☆ 12月、廃中学校舎探索(「吊太鼓」発見)、真希の進路の悩み
第20話 聖夜のフェニックス ☆ 映画オーディション失格(真希)、間野山第二中学校閉校式(真希脚本の演劇、由乃の「開放式」提案)、太鼓修理のサンタ
第21話 氷の町のピクシー ★ 鈴木エリカの家出騒動、シャッター商店街の内情、黄金の龍(シャイニング・ドラゴン)捜し
第22話 新月のルミナリエ ☆ 理想と現実、エリカの弟(杏志)行方不明事件、シャイニング・ドラゴン発見
第23話 雪解けのクリスタル ★ 第二中OBの人気洋菓子店「ベレン」出店申込、商店会解散話、8年前の夜逃げ事件、貸店舗決定、丑松&千登勢の和解
第24話 悠久のオベリスク ★ 隣市(富蔵市)との合併話、みずち祭への地元TV局タイアップ企画断り、祭り準備進行、由乃の誕生日祝い、祭り当日(神輿復活) ※姉妹都市話は唐突×
第25話 桜の王国 ★ ナイマン市長&由乃の家族来町、民話芝居&神輿の桜池渡りの成功、国王退任式・チュパカブラ王国解散、由乃の新しい着任先(沖縄の離島){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)17、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

投稿 : 2020/02/15
♥ : 31
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

田舎の問題を取り上げた異色のアニメ…ヒロインの成長とPAの絵を楽しむ良作

PAのオリジナル作品。いつの間にか「お仕事シリーズ」となってしまいました。花いろ、SHIROBAKO、個人的にツボをつく、本当に面白い作品だと思っています。この後を受けることになるわけで、期待せずにはいられません。どんな作品になるのでしょうか。

1話…始まりは強引に(PAらしい)
{netabare}就活30社全滅中の短大生、木春由乃。自分の出身地の田舎が嫌いで、どうしても東京で就職したいらしい。
とある日、バイトしていたモデル事務所から田舎の独立国の王になる仕事が舞い込む。バブルに建てられた独立国は寂れ、商店街はシャッター通りである。
一日だけの仕事かと思っていたら、一年盛り上げる契約だった…。逃げようとするものの、駅まで行くバスはなく、どたばたあって、結局残ることに。
王国の建物に行くと、十万人達成の記念写真を見つける。そこに写っていたのは由乃が幼い頃に十万人目のお客として王冠を被っていた姿だった。

相変わらずPAの初回は強引です。でも、そこがいい。作品の導入で、この作品の方向が分かるように作っているんですよね。なのですんなり受け入れてしまいます。
ミニ独立国か…懐かしい響きです。バブルの落とし物みたいなものです。今でいったら、ゆるキャラやふるさと納税みたいなものかなぁ…。いつの時代も地方を盛り上げようと必死なのですが、乗り遅れると二番煎じだし、流行りが終わると忘れ去られるし、本当に難しいです。
由乃の田舎が嫌いな感情、物凄く分かる…自分もそう思っていました。歳を重ねるとどうでもよくなってくることもあります。でも、本当に分かる。

PAの女の子キャラは可愛いです。似たり寄ったりですけど、安定して可愛い。でも髪の色はピンクじゃない方がよかったように思います。可愛さが下がる気がするんですが(個人的趣向か)

うん、面白そうです。長い目で見ていきたいと思います。 {/netabare}

2話…お土産(それは売れない…)
{netabare}国王として初の仕事、それは土産の饅頭を売ること。しかし、饅頭は誤発注に100箱のはずが1000箱届いてしまっていた。売り言葉に買い言葉、由乃は売り切ったら東京に帰るということで仕事を引き受けてしまった。
売るにはどうしたら良いか、真希や凛々に相談するも良いアイデアはでない。会議所に行くと、IターンしてWeb関係の仕事している早苗を紹介される。早苗に会い、ネット広告をしてみることに。が、甘くはなく売れない。ならばと動画配信で挑んでみるものの、やっぱり無理だった…。
賞味期限が切れ、販売は終了。反省会では5人が集まりそれぞれ反省するものの、何となく楽しそう。由乃ももう少し居ても良いかなと思い始める。

誤発注を互いに擦り付け会う会長と職員。さすがにアニメでもこれは遺憾。仮に1000円売り(消費税抜き)だとしよう。卸値が七掛けとして700円×1000=70万円だ。田舎の商工会なら(いなかでなくとも…)大問題だと想うが。しかも、助成金で1000万もらっているんだよね、これは遺憾遺憾。
2話にして5人が揃いました。それぞれに得意不得意がありそうで、力合わせればという感じでしょうか。足並み揃うことがあったり、バラバラになったりがPA作品。どう展開していくのでしょう。{/netabare}

3話…ゆるキャラ(もう時代遅れになってきているんだよね…)
{netabare}オープンカーで新国王の宣伝、もう市中引き回しである。東京から荷物が届く、由乃の荷物で、由乃は留まること決意したようだ。地元テレビ局のインタビューに答える由乃、しかし、間野山のことをよく分かっていない由乃は、アドリブの質問に答えられない。会長から叱咤を受け、間野山を巡る。しかし、住人からは良い答えが得られない。それどころか、みんなの意識は薄い。
腑に落ちない由乃、高見沢から変えるのは「若者、馬鹿者、余所者」と激励ともつかないことを言われる。そして、カブラ王国のこれまでを知る。
ヌルキャラ選手権に出場することになったチュパカブラ(中身は会長)と国王(由乃)。しかし、チュパカブラの頭が行方不明に。仕方なく直で顔にペイントするものの、気持ち悪いだけ。ピンチを知った凛々子はしおり、早苗、真希に相談、チュパカブラ以前のキャラであるカブラ君を探し、着替えてもらうことに。
会長から檄を受けて由乃は決断、チュパカブラとカブラ君のハーフ姿で登場。そして、演説をぶちまける。
ヌルキャラの反省会も込みの花見。ここで由乃は会長に残る宣言するが、それにはしおり、真希、凛々子、早苗と一緒に頑張れるならというものだった。

もはやゆるキャラも時代遅れ…何でもそうだけど、あれが流行ったらうちでも、良いのが見つかったら手を出してみる。そして飽和状態に、そして潰れると。最近だとふるさと納税がまさにそう。規制がかかるから来年には下火になるでしょうね。かといって、何もせずに埋没するのもダメと言うし、ほんと、むずかしい…
由乃、前向きになっているけど、緒花や宮森みたいに真っ直ぐ前向きという感じではないけど、どうなんでしょう。由乃が主人公だけど、ほかの四人も十分にスポット当ててほしいです。せっかく二期あるようなので。{/netabare}

4話…伝統工芸品(これがなかなか観光と結び付かないんだな…)
{netabare}早苗が古民家からシェアハウスへ引っ越し。その家の欄間を見た由乃は彫刻の素晴らしさに感動し、欄間彫刻が間野山の伝統工芸品であることを知り、これで町お越しができないか考える。
欄間が作られているのは木彫り村で、職人が集まる地区。そこへ出向くと若い職人の辰男と一志に出会う。二人とも間野山へやって来た職人だった。辰男は由乃たちの話を聞き、乗り気だが、一志は寡黙な職人だった。一志を見た早苗は何かひかれるものがあった。
どう木彫りを盛り上げるか5人で会議をするものの、良いアイデアは浮かばない。これまでも木彫りで盛り上げようとしたが、ことごとく失敗してきたらしい。早苗のアイデアでドク(天才発明家…たぶん)の開発したパワーアシストに木彫り彫刻を付けてみることに。しかし、うまくいかず、木彫りの地蔵で自販機をつくり、一志から一喝されてしまう。
この事で会長と凛々子の祖母が言い争い。祖母は伝統を重んじることを言い、会長は伝統だけでは食えないことを説く。早苗は一志に謝りに行くが、そこで間野山へ逃げてきたのではないかと言われる。

ドク、どう見てもあの「ドク」がモデルだよね。
伝統に縛られては廃れていくし、かといって、伝統の重さも理解できる。かなり難しい問題に突っ込んだなという感じです。一志が早苗に言い放った「逃げてきたのではないか」は真理だけど、早苗のこれまでを知ると同情的にもなります。続きものになった話しだけど、どう解決に導いていくのか、シナリオ大事です。{/netabare}

5話…伝統工芸品その2
{netabare}木彫り彫刻を何とかしたいという考えで、それぞれが彫刻のことを真剣に調べ始める(早苗を除く)。一志の言葉に考え込む早苗はふらりと駅に向かう。そこで辰男と会い、何気ない会話。
それぞれが持ち寄った情報をもとに、再び会議を開く。そこで由乃が出した計画案は「サグラダファミリア」計画で、壮大なものだった。当然のごとく会長に突っぱねられる計画案。「有名人の図案なら」という言葉にサンダルさん(実は知る人ぞ知る画家だった)に図案を描いてもらうことに。・
早苗はまだ悩んでいた。そんな時、辰男から彫刻を使ったサンダルはどうかと提案され、また、一志が彫っていた彫刻のことを聞く。
由乃と早苗の会話。早苗の悩みに由乃は真っ直ぐな回答をする。その言葉を聞いてすっきりする早苗だった。
あくる日、会議に早苗が加わる。早苗が持ってきた案は具体的で、背伸びのない良案だった。その最初の一歩としたのが一志の彫刻だった一志に思いを伝え、一志も理解を示す。

壮大な計画が、現実的な案になっていく過程を描くと同時に、早苗の悩みをほぐしていく回でした。
由乃が5回にしてすでに国王として前向きになっているのがPAの主人公らしいなという感じです。それと、抜群の回答能力。これならばすぐにでも就職できそうな感じもするだが・・・。あと、無鉄砲なところも。やっぱりみゃーもりと被ってしまう。もう親戚の設定にしちゃえよと思ってしまいます(笑)。{/netabare}

6話…映画のロケ地その1
{netabare}間野山で映画撮影が行われるという。そのロケの裏方として仕事をする由乃たち。しかし、真希は乗り気ではない。
助監督たちとロケ現場を視察するが、監督からはシナリオの変更など指示がきててんやわんや。ようやく監督が到着。ラストシーンのために用意した廃家は由乃たちが綺麗にしており、監督は気に入らない。ボロボロになった廃家を見つけ、これだということになり、持ち主もオーケーなのに、交渉したしおりが乗り気ではない。
撮影が始まる。出演予定だった女優が怪我でドタキャン、由乃が真希を推薦したというが、真希は怒る。休憩時間に主演ヒロインが真希を訪ねる。劇団の後輩だった。

映画やテレビのロケ地というのがもたらす経済効果の話はバカにならないですよね。最近では当たり前になってきたアニメの聖地巡礼もしかり。観光協会にとっては全面協力のしがいがあります。が、これも当たり外れがあるわけで、当たれば鷲宮神社、秩父や大洗になるし、外れれば店先に看板が空しく立っているだけ。見極めは難しいのが本当のところだと思います。
さて、真希の回かと思ったら、意外にもしおりの話しも重そうです。しおりが曇った顔したの、初めてです。あの家に何があるんでしょうね…。

それにしても風景が綺麗なこと。やっぱりPAの描く田舎の風景は素晴らしいです。{/netabare}

7話…映画のロケ地その2
{netabare}映画出演する凛々子だが、もともと人前が苦手なためNG連発。それを救ったのは真希だった。
由乃はラストシーンで燃やす空き家探しで意外な事実を知る。その家はしおりの思い出がつまった家だったのだ。その事で交わらない意見を交わす二人だった。
一方で、子供ゾンビのシーンに付き合う真希。どうして役者になりたかったかを思い出す。
由乃としおりは和解した。しおりの思いをなにか残せないかと考える由乃。そしてラストシーン。監督の思い付きで主役が家に飛び込むことになり、真希がスタント志願して撮影は成功。由乃はエンドロールに家の持ち主だったおばあさんの名前を入れるようにスタッフにお願いしていた。

なんの映画かさっぱり分からない…。間違いなくB級映画だろうし、地域の宣伝にはならないだろうね…。
しおりと由乃の対立、どっちの意見をとるのか、人によって違うところが難しいです。真希の立ち直りについては、自分の選んだ道への問いということで、誰もが通りすぎる問題をこの作品なりに導いていいるところが共感できます。歩んできた道を振り返るシーンはPAの青春ものっぽさが出ていて、綺麗で良かったです。{/netabare}

8話…グルメイベントその1
{netabare}観光協会で行うことになったグルメイベント。しかし、日程が商店会主催の納涼祭と丸かぶりだったことが判明。商店会に謝りにいくも、会長と婆さんがまたしても対立。日程はずらせない中、しおりが「何とかする」と宣言したというのが本筋。
一方で、しおりの姉と同級生の熊野のちょっとした恋物語がサイドストーリー。

いくら対立しているからといって、日程被っていることに誰も気づかないのはあり得ない…。納涼祭って、毎年同じ時期に開催しているのだろうし、観光協会なら人呼ぶために町のイベントは絶対に押さえているはずだし、って、アニメの世界に突っ込んではいかんな…。
凛々子の婆さんが言っていることは間違いではないと思う。地元の食材を使わない町お越しは意味がない。かといって、会長の言っていることも間違いではない。人が多く来てこそ、活性化する。この作品は毎回、二つの対立する意見をぶつけ合うけど、どっちも言っていることは間違いではないというところがミソなんですよね。双方がぶつかって、落とし処を見つけるように進行していくところが面白いです。{/netabare}

9話…グルメイベントその2
{netabare}しおりが国王代理としてイベントを取り仕切ることに。間野山ではそうめんが食べられていることに着目し、そうめんグランプリを開催することに。観光協会からもしおりが発案したとろろ昆布使ったそうめんを出品。イベントは大勢の客が来場し、成功を収めた。というのが本筋。
一方で、しおりの姉と熊野の話は、高校卒業後に会う約束が、姉の日程勘違いであったことが判明。改めて二人は良い仲に。というのがサイドストーリー。

この作品は気持ちいいくらいとんとんと話が進みます。SIROBAKOも花いろもそうだけど、PAの作品は2回見て「あぁそういうこと」とか「そこに伏線あったんだ」とか、後から見直すことを前提で作っているような気さえします。
五人娘は、とにかく全員ボケで全員突っ込みもできるというところが面白いです。かといって、それぞれに色をつけているので個性も強いですし、キャラが生きていてい本当に良いです。
それにしても、由乃の営業力はスゴい。もうどこにいっても(就職)大丈夫だと思う。{/netabare}

10話…婚活イベントその1
{netabare}観光協会で行うことになった婚活ツアー。しかし、応募は3人だけ。イベントの中身を任された由乃たちは、アイディアを出しあう。地域の伝統芸能である躍りを披露しようとするが、凛々子だけは乗り気ではない。
当日、3人の参加者がやって来て、婚活ツアーがスタート。ドタバタとしながらもイベントは順調に進んでいく。夜、バーベキューしながら、凛々子以外の四人は躍りを披露。凛々子はその場を離れる。その後、突然雨が振りだして…。

ツアー参加者のキャラデザインがかなり微妙…わざとなんだろうけど、いくらなんでもな気もします。
この手のイベント、本来、参加者少ないと5人組の誰かはほぼ強制参加させられていると思う。特に早苗あたりはうまく乗せられて参加させられるように思います。
さて、凛々子の回ですね。凛々子のように周りから浮いていると、田舎だと「変わった子」で括られてしまいがちです。凛々子がどう成長するのか。そう言えば、凛々子の両親は?{/netabare}

11話…婚活イベントその2
{netabare}婚活ツアーの二日目。由乃たちは裏方として付き添うが、凛々子は雨にあたり体調を崩していた。
サンダルさんの家族の話を聞く。なんと、曾祖母が間野山出身だったというのだ。また、凛々子の家族の話も聞く。凛々子の母親は都会の人で、間野山に馴染めず家を出てしまい、それを追いかけて父親も出てしまったものの結局離婚。父親の海外転勤に伴い、実家に預けられたというのだ。そのため、凛々子の婆さんは余所者を嫌っているのだとか。
竜の話が気になる凛々子は図書館で調べた。そこで、いままで知らなかった話に行き着く。その話をしようとイベント参加者のもとに向かうが、邪魔者にされてしまう。落ち込んで、さらに由乃に憎まれ口を叩く凛々子。由乃は凛々子の良い部分を伝え励ます。そこにサンダルさんが間野山では忘れられていた歌を歌ってやってくる。
最後の夜、凛々子はみんなの前で忘れられていた歌を披露する。この歌をずっと伝えていきたいと宣言して。

PAの話って、かなりご都合主義なところも多いのですが、今回はまさにその回です。サンダルさんの話がまさにそう。でもそこがアニメらしくて嫌いじゃないんですね。サンダルもすごく良いアクセントになっていますし。
凛々子の回。凛々子がどうしてこんな性格になったのか、その一端を見た感じです。由乃にどうして笑えるのかと問い詰めていたけど、最後の凛々子の笑顔で締めるなんて、良い演出です。
田舎の余所者嫌いか…いまだに残っているところはあるんですよね。これって、将来も残るところは残るでしょうね。日本の古くからある伝統なのかもしれない。{/netabare}

12話…記念イベントその1
{netabare}カブラ王国建国20周年記念イベントを開催することになり、準備が進む。が、金も人もなかなか集まらない。
テレビ局から取材依頼。何でも情熱大陸系のドキュメンタリーで、由乃を主人公にするらしい。ディレクターは他の四人はドラマ性があるが、由乃は普通すぎるという。
テレビ局が祭に人気バンドを呼ぶという。祭を盛り上げるため、商店会、青年会など各種団体に頭を下げる由乃たち。はじめは難色を示していたものの、これまで由乃たちと協力してきた人たちが協力を申し出て、全体で協力をすることになる。
イベント前日。由乃が見たのはイベントに前乗りしてきた大勢の客だった。

たぶん、ライブ聴きに来た客は祭に興味を示さないという展開だろうな…。そこをどう切り返すか、興味あります。
由乃たちを救ったのが熊さんはじめ、触れてきた人たちというのが熱いです。
それにしても、何度も言うようだが、いまの由乃ならばどこにでも就職先見つかると思う。それくらい良い人材だと思う。それが普通すぎると言われたら、見る目ないというしかない。が、やっぱり考え方が普通だと、短時間の面接なんかじゃ伝わらないか…。{/netabare}

13話…記念イベントその2
{netabare}間野山でのイベント準備が進む。テレビ局が仕掛けた人気バンドのライブ効果で、間野山には人が押し寄せる。
イベント開始。ライブ前の客が王国のイベントに参加する。商店会のブースも賑わい、忙しく働く由乃たち。ライブも盛況のうちに終わり、イベントは大成功に見えた。
由乃たちを追いかけたドキュメンタリーが放送される。それは編集によって歪められたものだった。イベントは一過性のものだったという現実にうちひしがれ、由乃は大きな荷物を抱え、バスに乗り込む。

イベント失敗すると思ったら大成功でした…。その後の捉え方が実にリアルで感心です。
こういった町興しイベントの最大の課題は「その後」です。大抵のイベントは一過性です。ここで考え方が別れます。一過性でも良いという人、その場かぎりでは何も解決しないという人。これはどっちも間違いじゃないから難しいのです。一過性でも盛り上がることが大事ですし、盛り上がったあとまで考えて行動しなければならないのも大事。ただね、特に日本人は一過性イベントが大好き。その後までうまくいく事例は少ないのが現実なのです。このあたり、本当によく捉えているし、このあとどう展開させるのか興味がありますq{/netabare}

14話…それぞれの夏休み
{netabare}由乃、早苗、真希はそれぞれ夏休みをとっていた。由乃は地元へ、早苗と真希はもといた場所へ戻っていた。そして、馴染みの顔に会い、なにか物足りなさとこれからをぼんやり考えていた。
一方、凛々子としおりは新たな町興しの策を考えていた。それは空き家を利用した民泊だった。

後半のスタート。それぞれ抱えていた過去やこれからのことの考えをぼんやりと見せていた回かなという感じです。終わりに向けたスタートの伏線だったのかもしれません。最後はみんな、それぞれの道を歩むことになるのではないか、そんな予感がします。{/netabare}

15話…民泊
{netabare}由乃が間野山に帰ってきた。「安産」軍団はUMA好きの連中で、チュパカブラの探索に来ていた外国人。間野山の人々とも交流し始め、池干しを見にさらに増えるという。宿泊施設が少ない間野山、そこで由乃たちは本気で民泊を考え始めていた。
池干しが始まる。しかし、会長はなにかシリアスで…。

松居棒はタイムリーすぎて…。凛々子が外について考え始めたのが気になります。やっぱり最後は外に出ていってしまうのだろうか…。
民泊の手続きとか、けっこう壁大きいんだよね。どう解決していくのか?と思ったら、金をとらない。なるほど、盲点だわ。{/netabare}

16話…祭の終焉
{netabare}池に落ちた会長が肺炎を引き起こした。それでも病院を抜け出し池に。池には会長の過去が有るらしかった。
会長の過去が明かされる。会長とドクと凛々子の婆さん、実は高校時代にバンドを組んでいた。なかなか理解してもらえず、東京へ行こうとするが、当日、会長は来なかった。以来、会長と凛々子の婆さんは仲違いしたままの関係だったのだ。
会長は東京へ行かず、東京行き決行の日に行われていた祭りを滅茶苦茶にした。水上に浮かべていた御輿を潰して落としたのだった。以来、祭りは行われなくなった。
池干しの賑やかな風景を見た由乃。廃れてしまった祭りを復活させたいと思う。そして観光協会でその事を話すが、復活には三種の祭具が必要だという。

日笠さんにベース…ただし、サウスポーではないのが残念。にしてもオリーブの可愛いこと。時って、いろいろ残酷でもある…。丑松の気持ち、古い時代の物語ではなく、今も抱えている人、けっこう多いのではないかと思います。人の気持ち、本当に難しい。
三種の祭具を探す、これがクエストになるわけか。ラストに向けて動き出す感じがいいですね。ここに来て由乃以上に気になるのが凛々子。この子の一人立ちがけっこう重要なのではないかと思います。{/netabare}

17話…田舎の課題その1
{netabare}三種の祭具を探すことにした由乃たち。間野山に住む文化人類学で著名な教授のもとを訪れるが、軽くあしらわれてしまう。その際、バス路線の廃止の話を聞き…。
教授から試されるように導かれたのは各家庭に配られたタブレットを年寄りに使わせること。由乃たちは使い方などを指導し、年寄りたちはいつのまにか使いこなしていた。しかし、教授の本当の狙いはここからだった。訪ねてきた由乃を確保し、ネット配信でバス廃止に反対を訴えたのだ。

現代社会の大きな課題が描かれた回です。交通手段の確保、地域コミュニティ、高齢化。これはどこの地域でも抱えたものであり、田舎、都会は関係ない問題です。これをこのアニメではどう答えていくのか、大変興味あります。にしても…エロじじい、けっこういるんだよね…平気でエロ話や体さわっちゃうじいさん。{/netabare}

18話…田舎の課題その2
{netabare}年寄りたちの反乱、その考えに同調して加担してしまう由乃。反乱といっても、それは年寄りたちの考えを広めることが目的で、実に楽しんでいた。中心人物である教授の本当の狙いは集落とここに住んだ人々を記録しておくことだった。
バス廃止の解決に高見沢と早苗が動く。その解決方法はデマンドバスだった。バスとタクシーの中間みたいなもので、この集落の年寄りたちはネットを使えるので実現可能となったのだった。予想以上の成果を喜んだ集落の人々は反乱を撤回。しかし、その夜に教授が…
三種の神器のひとつは教授の家に眠っていた。

デマンドもひとつの解決策ではあるけど、高い料金はとれないし、運転手の人件費はかかるし、出番もそんなに多い訳でないしと、けっこう難しい問題多いのですよね。でもやらないよりはよっぽどマシかもしれませんが。
それにしてもラスト…泣けました。まさかその展開とは考えもしなかったです。{/netabare}

19話…廃校の活用方法その1
{netabare}太鼓を探しに学校へ侵入する由乃たち。そこで真希の父親にばったり。取り壊しが決まっている廃校が心霊スポットになっていて見回りだったらしい。
祭りの開催に向けて動き出す観光協会。祭りをつぶした張本人である会長もいろいろ思いがあり動きに協力する。
真希が家に戻る。母親の誕生日だったからだ。父親も帰ってきて家族でおでんを食べるが、真希も父親もうまくいかない。その帰り、映画出演のオーディションの通知を受ける。
廃校を活用する方法を考える由乃たち。給食会を開催しようということになる。そして、真希はオーディションを受けに東京へ。

真希中心の話でした。なんだかんだで父親は娘をよく見てる(完全に親ばかだけど…)。祭りには会長の過去もあるから、このあたりをどう解決していくのか興味あります。{/netabare}

20話…廃校の活用方法その2
{netabare}真希はオーディションに落ちた…。給食会に顔を出す真希。そこでこの学校が閉校式をしていないことがわかる。
サンダルさんが絵を描く場所に困っていた。そこで由乃たちは学校の美術室を使ってはと提案する。学校を見て回ると次々とアイデアが浮かんでくる。いっそのこと、学校を地域に開放してはという提案にいたる。
閉校式が行われる。閉校式では真希が脚本、演出をする演劇が披露された。これまでにない笑顔の真希だった。
閉校式は一転、開放式となる。地域にこの学校を自由に活用してもらう宣言の式典だった。

廃校する学校をどう活用するか。アニメみたいにいくところもあれば、そもそも人がいないのに活用もくそもあるかとうところもある、。学校って、地域の核のひとつなんだよね。だからほかの施設と違って、多くの人が真剣に考える。
真希の答えが出たようだ。ちょっとずつ終わりに向かっているんだな…{/netabare}

21話…田舎って…その1
{netabare}しおりたちが車で走っていると、雪道なのにヒッチハイク、エリカだった…。エリカはどうしても間野山を出たいと家出してきたのだった。5人の宿舎に泊まることになる。
由乃と早苗は商店会などに祭りの協力をお願いする。商店会長は協力を受けるが、集まっていない商店主たちへ挨拶するように促す。
商店を回りながら、町の活気のなさに気づく由乃だが、前向きである。
間野山が大好きなしおり。エリカの気持ちは分からない。
アンジェリカで昼間から飲んでいる高見沢と金田一。三種の神器のひとつ、竜の飾り物を子供のころ、埋めたという。この二人と野毛の三人は小学校のころからの同級生だたのだ。そして探しはじめる。

神器探しのラストがまさかのところからとは。三人の夢、ある意味叶っているというのがなんともいえません。子供ころの夢って、なんだったけか?
エリカの東京へ出たいという気持ち、ものすごくよく分かるわ…。実際自分もそうだった。でも、今は残っている。よかったかのかどうか、いまだに分からない…。対比するようなしおり。この話はしおりの話でもあるんだな。{/netabare}

22話…田舎ってその2
{netabare}流の置物を探す野毛たち。しかし、子供のころに書いた暗号が解けずに苦戦。
エリカの気持ちが治まらない、その気持ちをしおりにぶつけてしまう。そんな時、エリカの歯に痛みが。乳歯が抜けるようだ。痛みが治まらないエリカ。凛々子がばあさんに連絡すると、薬屋を手配した。町の薬屋さんは融通が利いた。
アンジがエリカを探して行方不明になったという。昼間に野毛たちの話を聞いて、竜を探しにいったのだと考え、公園へ。そこにサンダルから連絡が。サンダルがアンジを確保しえいたのだった。アンジのやさしさと思いを知ったエリカは家に戻るのだった。
野毛たちが竜を探し出す。しかし、隠した竜はおもちゃだった。淋しくなっていた商店街。しおりがひとつのアイデアを出す。吊灯篭だった。夜間、商店街に灯る吊灯篭、それを見た野毛たちは気持ちを新たに進むのだった。

30分が短い、詰まった回でした。エリカとしおりと、野毛と、いろいろ考えがあって、さらに商店街のいいところの発見。いろんな問題、先の見通せない難しさ。このアニメはどのように答えを導いていくのだろう。{/netabare}

23話…空き店舗の活用
{netabare}間野山を徘徊する不穏なスーツ連中。しおりと由乃は有名な洋菓子屋の社長と面会。祭りの協賛になってくれるという。しかも、間野山で店を開きたいと。この社長、間野山出身だったのだ。
商店会の意見を伺いに向かう。今度は会長も一緒だ。千登勢からは協力を取り付ける。空き店舗を探すが、いっぱいあるのになかなか貸し手が見つからない。最後に秋山という商店を閉じた爺さんを訪ねるが…。
商店会の会合に呼ばれた由乃。商店会の会合で千登勢は商店会を解散してもよいのではと提案する。喧々諤々となる会合。秋山に店舗を貸すように迫る商店主たち。しかし、秋山には苦い思い出があったのだ。
洋菓子屋の出展問題も解決し、祭りに向けてさらに動き出したとき、会長から間野山が合併でなくなるかもしれないという話を聞く。

空き店舗はある、やりたい人もいる、が、進まない。う~ん、田舎の元中心地にはよくある問題ですね。人もこない、どうやってか活気を戻すのか、たぶんこれから先、50年くらいは続いていきそうな問題に感じます。
急な合併話。でもこれって、観光協会に真っ先にはこないよね。どうがんばっても役所経由で来る問題だと思う。けっこう強引だよね。さて、最終回に向けて最大の問題が現れた。どう解決する?{/netabare}

24話…祭り、そして…
{netabare}合併の話、これ協議会へ参加の打診だった。悩む会長。それでも祭りの準備は進む。そんな時、ときときテレビから祭りを取り上げる代わりに祭りの目玉になっている舞台へローカルアイドルをあげろという提案が。打ち合わせに来たディレクターを一喝する会長。
祭りまで盛り上げようとする間野山の人々。ネットを通して宣伝も盛んに行われる。準備のさなか、由乃の今後を問う早苗たち。まだ答えは見つかっていないけど、前向きになっている由乃。そんな由乃の誕生日、観光協会のみんなに祝われる。
そして祭りが始まる。この様子を見た会長は守っていきたいと思うようになる。そして、サンダルの祖先の話を聞き、サンダルの出身地と姉妹都市を結んではどうかと思い立ち、偶然にも日本に来ていたサンダルの出身地市長の元へ向かう。

由乃の成長、1話から見続けているから本当に良かったと思います。お仕事シリーズの基本、それは登場人物の成長です。この作品でもしっかり描いたなと思います。なんだろう、何気ない日常の風景なのに、すごくグッと来てしまいます。
会長もここに来て「大人」になったということなのか、やっぱり若いころのままの「馬鹿者」なのか、どっちでもいいのかな、この人は。
あぁ、もう最終回だ…かなり寂しい。{/netabare}

25話…旅立ち
{netabare}祭りは盛り上がりを見せる。会長は金沢に向かい、なぜかSNS上で話題に…市長に会うことができた。
舞台が始まる。ビーフは間に合い、ドクとオリーブと50年前の約束を果たす。そして祭りは盛況のうちに終える。
五人の打ち上げ。それぞれの今後を話す。由乃は間野山を出て行く決心をする。
由乃の一年の契約を終える日が来た。国王退任の日、会長は王国の解散を宣言する。
由乃の出発。これまで出会った人々たちに見送られる由乃。それは涙と笑顔が混じったものだった。会長が叫ぶ「ここはおまえの街だ、いつでも帰ってこい!」と。
それぞれがそれぞれの道を歩む。由乃はとある南の島にたどり着く。それは間野山で学んだものを活かす仕事だった。

こんな終わり方、本当に安心します。ひねりも何にもない、まるで青春ものの爽やかな終わり方。このような作品はこれでいいと思います。泣けたし…。
サンダルさん、作中はジョーカー的な存在だったけど、サクラクエストの絵本、泣けた。ほんと、いい作品だったと思います。{/netabare}

PAのお仕事シリーズ、第3弾は正直、地味な内容です(なので、あまり高い評価はされないかもしれません)。しかも、どこの地域にでも起こりうる…というか、起こっている問題を取り上げて、解決方法はないに等しい、とても難しい話題でしたし。そこを笑いあり、涙あり、成長物語あり、実にまとまっていたと思います。
難しい問題ではあったけど、決して脚本家の押し付けで通さなかったのが良いと感じました。こういう作品(実写ドラマ含め)は、作家の考えとかを押し付けてしまいがちで、つまらなくなってしまうのが有り勝ちです。そこを我慢したのかどうかは分かりませんが、こんな方法もあるのでは?という重くしないところ、そして、無理やりまとめない点、流れで通す点、そこが気に入ってます。

5人のヒロイン、個性的で、みんな悩みがあって、みんなが成長して、ちゃんと次へ進む。SHIROBAKOもそうだったけど、このシリーズが続くのであれば、この基本は踏襲していってほしいと思います。それにしても、間野山の独身連中、こんなにもかわいい子が揃っていながら、誰にも手を出さないなんて…(笑い)。それから丑松と千登勢とドクの関係性と個性もとても気に入っています。ドクは…作中の開発品はどこからでも引き合いになりそうなものだが、特にパワードスーツ、これ、売れるなんてものじゃないと思うが。

作画は安定のPA。やっぱり景色がきれい。1年を通しているから四季の描写が本当に良いです。それと、ヒロインたちの服装も四季に合わせて変えているんですよね。細かいところもPAだなと感じます。

PAのお仕事シリーズ第3弾、個人的には本当にお気に入りです。PA好きな人はもちろんのこと、日常系のドラマが好きな人に合うのではないかなと思います。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 62
ネタバレ

K.S さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

面白かったです。

1話視聴

 なんとなく視聴。
 イヤ、これ世界感が好き。
 タイトル見た時は全然違う事想像してた。
 これからの展開が楽しみです。

2話視聴

 {netabare}誰が買うんや!こんなもん!
 とツッコミを入れたくなる饅頭・・・
 美人5人が一つの田舎に集い・・・ってアニメだからいいけど
 都合よすぎっすよ・・・
 しかし人口や観光人数からすると超ド田舎ではないんじゃないの
 まして限界集落でもない。
 でも、まぁ東京から比べたら田舎だわな。{/netabare}

3話視聴

 {netabare}変わらないとダメって常に思うけど・・・
 若者・バカ者・よそ者っていうのは凄く分かる。
 確かに現実世界でも当てはまる。
 
 しかし、国王って名前の人みたいだな。
 村民の扱いが面白い。{/netabare}

4話視聴

 {netabare}毒島さんちの超ハイテクな機械凄いね。
 パワースーツも(こち亀でもこんなんあった)凄いけど
 手を触れると変身する機械が凄いわ・・・

 東京は虫いなかったといってもGがいますよねGが!
 虫の中でも別格のGが!

 自分にしか出来ない仕事なんて多分ないっすよ。
 悲しい事にね。
 {/netabare}

5話視聴

 {netabare}彫刻っすね~。欄間か~。
 これ1枚?(単位が分からないので間違ってたらごめんなさい)
 作るのにどれぐらいの時間がかかるんだろ・・・
 木を選ぶ所から?そこからだから制作はどのぐらいかかる?
 そうなると値段はいくら?凄い世界だ・・・

 夜にブラックコーヒーっすか・・・
 彫刻刀って前回も出たっけ?久々に見た・・・

 いかきぼ計画・・・
 仏像→看板→欄間か・・・欄間の次ってなんだろ・・・
 木材は大変だよね・・・RCとかだったらアレなんだろうけど・・・
 でも木材は木材の良さがいっぱいあるっすよ。

 仕事ね~お金にならなければ確かに意味がないかもだけど・・・
 若い頃はお金よりも出来を大事にしてた様な気がする・・・

 アレクサンドロスなんちゃらさん・・・なんでこんなとこにいんの?
 こんな意匠からどうやって構造起こすの?

 国王みずから営業か・・・
 代わりがいても結果が違ってくるか・・・
 そうであればいいと思うけどね・・・{/netabare}

6話視聴

 {netabare}今度は、映画ですか・・・
 映画の世界ってよく分からん。

 しかし、映画ってロケハンこんな簡単にできる物なの?

 はっ!感想書くのも忘れてた・・・
 これ面白い!好きなら100%でって中々難しい。
 っていうか無理!頑張れ!{/netabare}

7話視聴

 {netabare}映画の撮影シーン
 NG連発してる娘、かわいそうだな・・・

 ケツメガネさん美人なのにね~
 ゾンビきもい・・・

 ラストの家全焼のシーンは凄いな・・・{/netabare}

最終話まで視聴

 {netabare}正直、一話一話レビュー書くのがこの作品は
 しんどかった・・・SHIROBAKOはあれほどの傑作なのに・・・

 個人的には一番の盛り上がりは人気バンドを呼んだ所かな?
 割と駆け足で見たけど、盛り上がりにかけるというか
 抑揚に欠如というか・・・時間が空いたら再チャレンジかな?
{/netabare}

投稿 : 2020/02/15
♥ : 23

59.9 2 ドキュメンタリーアニメランキング2位
FLAG[フラッグ](TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (69)
372人が棚に入れました
20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。それはフラッグの写真―敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿―だった。フラッグは平和の象徴となった。しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、 SDC(Special Development Command)シーダックの投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。この任務を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。

ふもふも さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

リアリティある戦争もの

 リアリティある、微SF戦争もの。内戦中の小さな国が舞台です。カメラやモニターを通したシーンを多く使っているのが印象的。
 主人公は二人いて一人は従軍記者、もう一人はフリーのカメラマン。それぞれの交互の視点で物語が進んでいきます。なので「軍で動きがあったため、町の様子が変わり始めた」といったイベントを民と軍の両方の視点で見ることとなります。そのため情勢が刻々と変化していくその様子がしっかりと伝わってきます。
作画・シナリオ共に高レベルであり、一見の価値ありの良作。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

チベット問題が知れ渡った今となっては、高橋良輔・野崎透両氏にとって、《黒歴史》では?

『ガサラキ』(高橋良輔(監督)、野崎透(シリーズ構成・脚本))というリアル風ロボットアニメが、1998年制作という古い作品にも拘わらず凄く面白かったので、この両氏が手掛けたもう少し最近の作品である本作も視聴してみました。


◆制作スタッフ

原作:高橋良輔、TEAM FLAG
企画:竹内成和
総監督:高橋良輔
監督:寺田和男
シリーズ構成・脚本:野崎透


◆総評

本作は、2006年6月から2007年3月にかけてネット配信された全13話のWebアニメ作品で、その後CSやTOKYO MX、さらにNHK BSというテレビ媒体でも放送されたそうです。
作品内容としては、中央アジアの架空の国家ウディヤーナ(※どうみても現在、中華人民共和国の占領/統治下にあるチベット地域の文化・宗教・習俗・風物等をモチーフとしています)を舞台とする、ロボット兵器を装備した国連特命部隊とその専属カメラパーソンの活動記録となっています。
ところが、本作の完結(2007年3月)からちょうど一年後の2008年3月にチベット騒擾事件が発生し、同年8月に開催が予定されていた北京オリンピックに向けて、ギリシア(*1)から欧州→アメリカ大陸→日本→中国へと続く聖火リレーの沿道にチベット問題に抗議する人々が世界各地で次々と現れて、時に聖火リレーを妨害しながら抗議活動を続けたので、まず最初に欧米のマスメディアがその様子を大々的に報道し始めた。
そのため、それまで中国に不利なニュースはなるべく報道しないようにしてきた日本のマスコミも欧米メディアに追従して聖火リレーに伴うチベット問題への世界各地の抗議活動を取り上げざるを得なくなり、そして日本の聖火リレー時にも大規模な抗議活動が行われたことで、ようやく我が国でもチベット問題が幅広く周知されるようになりました。

(*1)ギリシアは古代オリンピック発祥の地であり、それを記念して近代オリンピックの聖火はまず最初に同国のオリンピアで採取され、次いで世界中の国々をリレー行進され、最後に開催国に運ばれる慣わしとなっています。

そういったチベット問題の経緯を知ってしまうと、本作って、一言でいえば、「確かにアニメ作品としては高水準かも知れないけど、この内容だと、いかにもダライ・ラマを悪の首魁であるかのようにdisってて、制作者は題材選びのセンスが悪過ぎるんじゃないの?」と思ってしまいました。
(※チベット問題に関連してその当時、中国側が大量に制作してネットにバラ撒いていたダライ・ラマを誹謗中傷するプロパガンダ動画を何となく連想する内容に見えてしまう。)

もはや今となっては、本作は高橋良輔氏や野崎透氏にとって、余りアニメファンに知られたくない《黒歴史》の作品になっているんじゃないですか?

チベット問題に関して言えば、フランスのTV局が制作した下記のドキュメンタリー動画を見た方が遥かに有益と思います(PART1-4まで合計1時間弱です。残念ながら英語ナレーションのみですが、映像・音声だけでも視聴する価値あり)
https://www.youtube.com/watch?v=eAUhB08QjGM
※PART1から見たい方はこちらから↓
https://www.youtube.com/watch?v=RlZX9LO0TRc


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= FLAG (2006年6月-2007年3月) =================
{netabare}第1話 フラッグ ★ ※興味深くはあるが、主人公がプロ市民っぽくて困惑
第2話 ポートレート × SDC(シーダック)最初の戦闘 ※ダライ・ラマをdisる作品?
第3話 同行取材 × ※ゲルト派とアサシン教団をダブらせるのは不見識過ぎるのでは?
第4話 新月の夜 ☆ ※クフラ信仰→ネパールのクマリ(生き神少女)信仰から
第5話 暗闇の双曲線 ☆ 要塞メタゾン寺院への降下作戦
第6話 闇の中の光 × ハービック喪失 ※ゲルト派が自爆攻撃も辞さない狂信者という描写に困惑
第7話 再始動 ★ カメラを向けることの意味
第8話 XR2 ロンクー ☆ チャイナ&ロシア共同開発の二足歩行兵器登場
第9話 ゲルと大地 ☆ 地元医師との対話
第10話 シーダック+1 × SDCへの国連内部監査、ゲルト派の国連本部ホテル襲撃 ※ダライ・ラマをdisる内容
第11話 ファインダーごしの再会 ★ 国連本部ホテル奪還作戦、赤木と白洲の一瞬の再会
第12話 フラッグ奪回 ☆ FLAG奪還、国連軍による白洲拘束 ※「ポタラの戒めを解く」とまで言っておいて制作側が「チベットとは関係がない」と言い訳するのは無理(ポタラ宮はチベットの中心都市ラサに実在するダライ・ラマの宮殿)
第13話 光の中へ ☆ 白洲SDCから隔離、メモリーチップ入手、和平協定調印、白洲死亡{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)6、×(疑問回)4 ※個人評価 × 3.3


主題歌 「Lights」

投稿 : 2020/02/15
♥ : 17

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦争アニメの最高峰

 富野由悠季とともにリアルロボットものをリードしてきた高橋良輔(原作/総監督)の、到達点にして新たな出発点となる作品。Web配信という形で発表されたこともあって知名度は高くないが、戦争アニメの最高峰と言っても過褒ではない。多くの人に見てほしい傑作である。
 ここで取り上げられるのは、戦争の虚像と真実というテーマである。戦争の実態をゆがめた情報は、かつては主戦国政府が意図的に捏造したが、現在では、ジャーナリストが報道の名の下に垂れ流している。湾岸戦争の際、米軍はピンポイントで軍事拠点のみ破壊し、市街地を狙ったイラクのミサイル攻撃をパトリオットで迎撃したと報じられたが、戦後になって、ピンポイント攻撃できたのはごく一部にすぎず、パトリオットによる迎撃はほぼ全て失敗したことが明らかにされた。イラク戦争においては、バクダット陥落時に独裁政権崩壊を喜ぶ市民が広場に集まったとされるニュース映像が流されたものの、広場の全景を映した引きの映像がないことから、メディアリテラシーの持ち主は、バクダット市民が米軍侵攻を決して歓迎していないと気づいたはずである。
 『FLAG』の舞台となるのは、国連軍が介入したために内紛が泥沼化した中央アジアの架空の小国・ウディヤーナ(マンダラを用いた密教系の仏教が信仰されていてチベットを連想させるが、あくまで戦闘と宗教を並行して描くために設定された舞台であり、現実のチベット問題と絡めて解釈しない方が良いだろう)。そこに、同じ戦争を異なる立場から見つめる二人のジャーナリストが降り立つ。
 語り手となるカメラマン・赤城圭一は、フリーの立場で戦地に赴き、テロリスト殲滅という大義名分の陰で、国連軍による攻撃が市民に大きな被害を与えている実状を知る。一方、彼の後輩カメラマンである白州冴子は、国連軍の“御用”報道員として、2足歩行型ロボット兵器を擁するシーダック隊に同行、テロリストに奪取された平和の象徴である旗(FLAG)を国連が奪い返す過程を撮影する。このFLAG奪還作戦が、報道でしか戦況を知り得ない一般市民向けの茶番であることは、作品冒頭から示唆される。さらに、二人のジャーナリストの間には微妙な感情の行き違い(一方は恋心を抱いているようだが、他方はそうではない)が存在しており、これが全編に漂う重苦しい閉塞感を醸し出す。
 この作品で特徴的なのは、第三者的な視座が徹底的に排されている点。同じ戦争であるにもかかわらず、赤城と白州が目の当たりにするものは全く異なっており、赤城の体験は、ファインダーから見える光景と赤城自身のモノローグによって、白州の体験は、彼女が撮影した映像ないしモニターや通信の記録によって、それぞれ描き出される。短いカットの中に錯綜した無数の断片が提示され、まるでひび割れた合わせ鏡のようで、知的な面白さも味わえる。
 カメラやモニターなどの機械が切り取った断片的な情報を通じてストーリーが展開されるため、多くの戦争アニメで見られるような、非現実的な激しい動きやまばゆい光の明滅を用いた派手な演出--いわゆる子供だまし--はない。戦闘に参加する隊員も、訓練を受けた職業軍人らしく、感情を表に出さず冷静かつ的確に行動するだけである。しかし、彼らの抑揚を欠いた音声からは張りつめた緊張感が滲み出ており、状況を把握できるだけの想像力のある視聴者は、凄まじい迫力を感じられるはずだ。特に、第6話「闇の中の光」における迷宮のような要塞内部での攻防戦は、あまりの緊迫感に見ていて戻しそうになった。アニメで人が死ぬさまを描いても、所詮は単なる絵でしかないためリアリティが感じられない場合が多いが、『FLAG』では、殺戮シーンがモニター画面の抽象的な映像として描かれることで、かえって人を殺す生々しさがひしひしと伝わってくる。湾岸戦争の映像で実戦がゲームのように見える異常さを味わった人は、このアニメから「ゲームのような戦争」が隠し持つ生々しさを感じ取り、戦慄するだろう。
 予算が限られていたからか、画の動きは乏しい。しかし、この制限がある故に、演出家は何をどう動かすべきかを徹底的に考え抜いたようだ。手持ちカメラを思わせる画面の揺れやタイムラグのある焦点補正などを丹念に描いた結果、莫大な予算を投じた大作アニメよりも、奥行き方向の拡がりを感じさせる優れた作画が実現された。この作画を高く評価できない批評家は、アニメを見る目がないと断定したい。
 『FLAG』で最も含蓄があるのは、しばらく離れていた二人のジャーナリストが再会する場面だろう。民衆の側に立って戦争の実態を剔抉しようとする赤城は、国連軍の活動をテロ撲滅のための正義の戦いとして撮影する白州に対して、批判がましい言葉を連ねていた。しかし、だからと言って、赤城の方が戦争の真実を正しく把握していたとも思えない。何よりも、戦闘の現場に肉薄し、隊員の心情を深く感じ取っていたのは白州の方なのだから。再会の場面では、赤城がファインダーごしに白州を見るのと同じように、白州もまたファインダーごしに赤城を見ていた。この状況は、二人の立場のうち一方が優位なのではなく、互いに相対的であることを象徴する。
 アニメ『FLAG』は、曖昧ではないが多義的であり、単純な解釈を拒む。戦争の真実など存在するのか? あるのは、ただ無数の断片的な記録と、しばしば相互に矛盾する人々の記憶だけではないのか? --そんなことを考えさせる作品である。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 5

68.0 3 ドキュメンタリーアニメランキング3位
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜(アニメ映画)

2016年12月9日
★★★★☆ 3.9 (74)
355人が棚に入れました
「暁の蜂起」のあと、地球に向かったシャアは、不思議な力を持つ少女、ララァ・スンと出会う。一方、RX-78開発計画を推進するアムロの父テム・レイは、ジオンのモビルスーツ開発の重要人物、ミノフスキー博士亡命の報を得て、月へ向かう。その月面のトワイライトゾーンで繰り広げられる人類史上初のモビルスーツの死闘。そして、時に宇宙世紀0079年——。 地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。人類が総人口の半分を死に至らしめた、動乱の時代が始まろうとしていた——。

声優・キャラクター
池田秀一、早見沙織、浦山迅、銀河万丈、三宅健太、渡辺明乃、柿原徹也、喜山茂雄、一条和矢、松田健一郎、土屋トシヒデ、中博史、古谷徹、福圓美里、坂口候一、大塚明夫
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シャアと運命の少女の出会い 宇宙世紀最大の悲劇の幕が

2016年に上映されたOVA 機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜

シャア・セイラ編の第4章で最終章
宇宙世紀0078つまりタイトル通り大戦の前年のジオン側と地球連邦政府の前哨戦が描かれる。
物語は静かなようでいて複雑に絡み合い少し難しい作品となった。

まずは暁の蜂起の後始末。
シャアはガルマ達の責任を負い除隊して地球へ向かう。
その際、ちょっと面白いエピソードはドズル・ザビとミネバの母親になる女性の出会いだろう。
ドズルが汗びっしょりで女性下士官に告白すると、満面ではないがほっとした笑顔が。
ちょっといいシーンだと思う。

地球へ降りたったシャアだが土木工事現場でなんだか楽しそうにはたらいている。
休養でカジノで遊ぶシャアの前に「運命の少女」が!
シャアは天才的な軍事能力の上に不思議な力を得たことを知るのである。
少女の顔が萌え系に変わっているのも嬉しい見どころ。

後半はモビルスーツと同時に重大な軍事要素となるミノフスキー粒子の発明家、
ミノフスキー博士の月面での争奪戦となる。
その前にコロニー内のテム・レイ博士の自宅が描かれる。
慌てて帰る少女はフラウ・ボウ、下着でうろうろしてるとぼけた少年は息子のアムロ。
テム・レイはミノフスキー博士に会って「RX・78」の開発を急ぐため月に向かうが。

{netabare}ガンキャノンを配備した地球連邦政府の強襲部隊だったが、
その前に現れる5体のモビルスーツ「ザク」
赤い彗星のシャアと黒い三連星の敵ではない!!!

ジオンは地球連邦政府に対して独立を宣言し、キシリアの隊は月面基地グラナダを占領する。
そして全面戦争へ。

「ララア、いい子で待ってなさい。仕事が終わったらすぐ帰る。」{/netabare}

感想は言うまでもありません。そして伝説へ・・・コードネームは「ガンダム」

投稿 : 2020/02/15
♥ : 21
ネタバレ

根越 詠汰 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジオン勢力拡大の歴史、序章とでもいうのかな?

 Ⅰからのざっとリピートから始まり、前回の「暁の蜂起」の活躍でパレードをしているガルマ、シャアだったです。今回、セイラは回想ちょっとだけだったです。

 1/3以上くらいが、アムロとテムの日常だったです。{netabare}前回の引っ越し先にフラウ・ボゥが近所に住んでいて世話を焼かれ、ガンキャノンのカイ・シデンが同じ学校に通っている不良だったのは、びっくりです。次回以降にハヤトも出てくるのかなぁです。
 とジオン公国の独立宣言から、地球連邦に対する宣戦布告、聞き覚えのあるグラナダ、フォンブランとかを制圧するお話です。

 前回の騒ぎでシャアは除隊されられ、地球の工事現場で働いてる設定。上司に連れられたカジノで、ギャンブルの手助けをするララァと運命の出会い。その後、シャアがララァを気にかけるという意外な形の出会いだったです。で、トラブルあって、{/netabare}シャア、ララァにニュータイプを思わせる勘みたいなエピソードあって2人で宇宙へだったです。g
 早みんのララァ新鮮です。

 場面が変わりアムロのお父さんテム・レイによる、ガンダム開発秘話も明らかになるです。ジオンのモビルスーツ、ザクがこのころ、圧倒的だったです。ガンキャノンの量産機数体をパイロットが優れているにしても、月で全滅させたのが凄かったです。
 だらしなくぼぉとしたアムロ、どう成長するですかぁです。

 今までの話に比べると今回は、シャアのエピソード少ない感だったように見えたです。特にⅠが、インパクト強かったからかなぁです。
 どちらかというと一年戦争前の歴史的な流れみたいだったです。まだまだ来年続くです。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 6

えくいてぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

あのファーストの前のお話。やっぱりシャア・アズナブルさんはかっこよかった~~

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル
機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア
機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜

各話大体1時間ぐらいで見ごたえたっぷり^^

あの方の半生を通して、どのような権力争いがあり、
どのようにMS(モビルスーツ)が製造されたのか、
ライバルやその周りのメンバーもところどころ登場しつつ
どのようにして一年戦争が勃発していったのか?などなど・・
「THE ORIGIN」の名前にふさわしい作品だと思いました。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 0

63.1 4 ドキュメンタリーアニメランキング4位
英国一家、正月を食べる(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (34)
149人が棚に入れました
マイケルたちが食べるのは、タイトルそのままで “正月料理”です 。

帰国後、休みを家族と一緒にどこで過ごそうか、あれこれ調べていたマイケルは色とりどりの日本の正月料理の写真を目にしてしまい、再び日本を訪れたくなります。

そこへ友人のトシからいつものように突然の電話がかかってきて「正月料理を知る前に、まずは米!」という謎のメッセージを受けたことから、マイケルは単身稲刈りシーズンの福島・郡山へ向かうことに…

正月料理とは一見無関係の “米”から始まる物語は、福島での稲刈りから“餅”“おせち料理”“とそ”など正月料理の世界へと展開していきます。

そして、今回のスペシャルでは、アニメキャラクターのマイケルだけではなく、“リアル・マイケル”が登場しますよ。お楽しみに!

offingbook さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

Oh!もち!Oh!雑煮!Oh!正月!

2016年1月1日放送。約50分。

TVアニメ『英国一家、日本を食べる』の続きを描いた特別編。

とりあえずレビュータイトルの苦しさは自分でも重々自覚しているので、
寒いと思いつつもスルーしてもらえれば幸いです。(笑)

あの英国一家が、今度は日本のお正月、そしておせち料理などを
知るために日本にまた戻ってきた!てな感じの物語です。

とはいえ、いつもと変わらない英国一家の珍道中。
そして今回は日本のお正月の大切さ、日本のおせち料理に込められた
様々な意味を知る。英国一家も我々も。
前作『英国一家、日本を食べる』を楽しめた方も、もしくは初めて今作を観る方も、
変わらず楽しめる雰囲気になっていると思います。

ゆるやかな雰囲気の作品ですが、今作を観ると、
自然の恵みや人の努力があるからこそ、美味しいご飯を食べられること、
誰かと一緒にご飯を食べられることのありがたみなど、
当たり前だけど忘れがちな、食への感謝の気持ちが改めて湧き上がりますね。

この真摯な気持ちを常に忘れないようにしたいなぁと思いつつ。
でもまぁ、ぐーたら過ごしながら年末年始に食べるカップ麺も美味しいんですけどね。(笑)

ちなみに今作では実写パートで、初めて本物のマイケル・ブースさんが登場します。
あとどうでもいいことですが、こんなにいろいろ語っといて
実はワタクシ、おもち及びお雑煮が大の苦手です。(笑)

投稿 : 2020/02/15
♥ : 18

61.2 5 ドキュメンタリーアニメランキング5位
アニメンタリー決断(TVアニメ動画)

1971年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (14)
71人が棚に入れました
大人も対象とするタツノコプロの本格戦記アニメ。爆発の表現技法は、のちの同社のSF作品にも活かされる。日露戦争を経て、ドイツ・イタリアとの三国同盟を結んだ日本は、激動する世界情勢の中で次第にアメリカとの交戦に向かう。昭和16年12月、真珠湾攻撃を端緒に始まった第二次世界大戦。やがて山本五十六が率いる日本海軍は、刻々と変化する戦局の中で、いくつかの岐路に立たされる。日本の命運を掛けた“決断”の時が来た。

声優・キャラクター
真木恭介、高塔正康、塩見竜介、田中信夫、家弓家正、村越伊知郎、原田一夫、古賀浩二、城山堅、藤本譲、山内雅人、西桂太、辻村真人、寺島幹夫、渡部猛、武川信、川久保潔、青野武、浦野光

おふとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

提督、ご決断を!

と、迫ってくるのはもちろん艦娘・・・ではなく参謀のおっさん。
youtubeで「艦○れ」動画を観ていると、時折恥ずかしそうに関連動画欄に顔を覗かせる・・・
軍艦を擬人化した某ネトゲの影響か、最近極々一部('∀`)で話題の「アニメンタリー決断」です。

1971年放送全25話。太平洋戦争の主要な陸海空戦を描くノンフィクション戦記。
ノンフィクションですが、記録映像を使い回してナレーション解説で展開して行くドキュメンタリーと
は異なり、実在した軍人たちの行動を通して戦場を描く人間ドラマ仕立てになっていて、娯楽性を
確保しつつ史実を忠実に再現してます。当時としては珍しいであろう大人の視聴に耐えるアニメ。

現代なら深夜枠でも企画段階でOUTだと思われる題材を、土曜のゴールデンタイムに堂々と流して
いたというのだから、大らかな時代かと思いきや、しっかり抗議が殺到していたそうです(´;ω;`)
何でわざわざアニメでやったかと言えば、CGもVFXも無い時代に本作ほどのボリュームで兵器や
戦場を再現するのは、実写特撮では技術・予算的に無理だったのではないかと推測してます。

史実を取り扱っているので監修も著名な戦史作家の児島襄氏。
文庫本2冊程度の文量で太平洋戦線の主要な陸海空戦を網羅した、ミリヲタ初心者必携の
『太平洋戦争(上・下)』(児島襄・中公文庫・1965年)を本作の叩き台にしていると思われます。

本邦で制作される太平洋戦争を扱った映像作品の大半は、戦争末期の絶望的な戦闘ばかりを描き、
殺し合いに翻弄される人々を通して戦争の悲惨さと反戦を訴えるものが多いのに対して、
本作は指揮官の苦悩と決断、そこから得られる教訓が大きなテーマになっている点が特徴的。
故に決断する余地のない戦い(戦争末期の孤島の玉砕戦など)はあまり取り上げていません。
是非はともかく、このような切り口で戦争を捉えたアニメというのは私の知る限り本作だけです。

但し幾つか難点があります。作品の絶対的な古さに起因するものなのでどうしようもない事ですが・・
当時としては良くできた艦艇や航空機等の兵器描写なのでしょうが、現代から見ると考証が大甘。
同様に現代から見ると戦史のほうも40年研究が進んでいる分、修正されるべき点が散見されます。
といっても大筋に誤りはないので、この辺はミリヲタがツッコミ入れてればいいだけの細かい話で、
大きな問題は各話が史実の時系列順に並んでいないこと。Wikiを参考に並べ替え推奨です。


戦争の悲惨さを訴えるわけでもなく、反戦メッセージもないという理由で、戦争を賛美していると
誤解されがちな作品であり、軍歌風のOPや登場人物のセリフがそれを助長してしまっている感
はありますが、戦闘が惹起するに至る経緯と戦闘の経過を極力公平な視点で坦々と描いており、
指揮官の決断とその結果から導かれる戦訓・訓話も客観的で的を射たもので、初歩的ながら
太平洋戦争の概要を知り、そこに残された教訓を学ぶのに適した作品ではないかと思います。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 11

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

こういう題材がTVアニメで存在した事に価値がある

太平洋戦争版の"その時歴史がアレした"的な?
ちと違うかw
太平洋戦争での重要な局面での決断をアニメにした作品です。
とてもチャレンジングな題材だと思う。
私は右でも左でも有りませんが、当時も難しい立ち位置の作品だったんでしょうね。
先日、半藤一利の日本の一番長い日を読んだんですけどね。
映画にもなったこの本ですら、表現が偏りすぎとか批判されてますしねぇ。

面白い面白くないの視点で語るべき作品ではないです。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 6
ネタバレ

魂がBITCH♡ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あくまで組織論を説いた作品

1971年作品
アニメ制作:タツノコプロ
全26話。うち最終話は読売巨人軍川上監督回。

主題歌
OP「決断」
作詞:丘灯至夫
作曲:古関裕而
歌手:幹和之、コロムビア男性合唱団 

ED「男ぶし」
作詞:丘灯至夫
作曲:古関裕而
歌手:幹和之、コロムビア男性合唱団

再放送で本編25話視聴済。
DVD所有。

ドキュメンタリーアニメの草分けでアニメ史に残る名作です。

【作品概要】
太平洋戦争の緒戦における帝国陸海軍指揮官の「決断」を描いたヒューマンドキュメンタリー作品。
登場人物は全て実存した人物です。
ジャンル的に軍事ですけど、内容は組織論でもありますので経営者や管理職の方に向いている作品かと思います。
ただ、視聴の際には太平洋戦争の一般的知識が必要なのが難点ですけど、多くのアニメファンに観ていただきたい作品です。

【制作スタッフ】
原作者:児島襄
戦記作家
(著書:『戦艦大和』『悲劇の提督 南雲忠一中将 栗田健男中将』『太平洋戦争』他多数)

監督:九里一平
タツノコプロ三代目社長。創業者で漫画家の吉田竜夫の実弟。
(監督、関与作品:昆虫物語 みなしごハッチ、科学忍者隊ガッチャマン、タイムボカン、他多数)

脚本・構成:鳥海尽三(途中降板)
日活映画出身。虫プロからタツノコプロに移籍。
(脚本作品:鉄腕アトム、宇宙エース、魔法使いサリー、科学忍者隊ガッチャマン、他多数)

【作品製作時の時代背景】
本作品が放送された1971年は戦後まだ26年程度で、戦争体験世代が現役で社会で活躍しており記憶も風化しておらず、また、戦争の傷痕も多く残っており、戦争に対する意識は現代とは比べものにならないほど生々しく残っている時代、徴兵権と憲兵隊を擁し国民の弾圧を行った陸軍に対する国民感情は未だに厳しいものでした。
さらに、ベトナム反戦運動にみられる左翼活躍のピーク時でもあり、少しでも戦争の匂いを感じさせるような事はパッシングの対象とされ、極左テロ攻撃の標的にさえされました。
この当時の自衛官は人前で職業を言うことさえ憚られる時代だったそうです。
しかし、一方で前年に起きた三島由紀夫事件のように、過去を封印せず見直す動きも芽生えつつありました。
盾の会の活動で時代の変化をみた旧軍関係者の方々が、アメリカが植えつけた日本軍絶対悪の誤解をなんとしても解きたいという声が戦友会などを通じて上がり、呼応して政財界の責任ある地位に多くいた旧軍OBも実現に向けて根回しを行った結果、旧軍OBが重役に就いていたサッポロビールからスポンサーの約束を取り付け、戦記作家児島襄作品のメディア展開へと至ります。
三島由紀夫と盾の会という存在は間接的にであっても、厳しい世論や左翼の中傷批判に臆することなくこの作品を世に送ったエネルギー源であったともいえます。
しかし、いざ放送が始まると放送局に中傷や批判が殺到したそうですので、本作品の放送は時期尚早だったかもしれません。

【構成】
{netabare}本作品は一話完結(長くても二話)で概ね時系列で話数が進みますけど、陸軍と海軍のエピソードを一定量で区切っており一部で時系列が逆転する話数もあります。
特に開戦初期は陸海軍同時に作戦行動を起こしているので、時系列を頭に入れて視聴するか、時系列順にソートして視聴するか工夫されてもいいでしょう。
豆ですけど、一般的に真珠湾奇襲で太平洋戦争が開戦されたイメージがもたれていまが、史実は陸軍のコタバル上陸から戦争開始となります。
視聴するにあたっては、太平洋戦争の概要を予習しておく方がスムースに視聴できます。{/netabare}

【内容】
{netabare}戦場という生死の狭間にある究極の環境で悩み苦しみながらも「決心」し「命令」を下すに至るまでの心の動きと、その結果から生じたことを「教訓」として提示する現代のアニメでは考えられないほど踏み込んだ脚本ですけど、作品の方向性を巡り原作者児島氏と脚本を担当した鳥海氏の対立がありましたが、結果的にリアリティ追求の原作者方針に決まり、登場人物に対して余計な脚色はされていません。
「アニメンタリー」とは実写のドキュメンタリーをアニメで表現したことを意味する造語だそうです。
作画に関しては、既に40年以上の前のセル画作品ですので期待をしてはいけませんけど、爆発シーンは結構迫力があります。
キャラデザは劇画を更に写実的にした感じで、劇画を読まない方や萌えキャラを見慣れている方には抵抗があるかもしれません。
また、当時の演出方針で兵器を可能な限り精密に描くために兵器原画は挿画専門絵師が行ったことで、現代では兵器の描写や考証に多くの誤りが認められますけど、当時としては考えられないクオリティで、音響効果には実際の音源が使われています。
OPED曲ともに軍歌調で、アニメファンには抵抗が生じるかもしれません。

OPで零戦とB17の空戦シーンがありますけど、B17の見え方と縮尺のバランスをとり風防と九八式射爆照準器越し揺れに合わせて射線が集中している描写を2Dで表現していたのは今でも驚愕です。
きっと、あのような動き再現できたのは挿画絵師の作画力以上に、実戦経験者が演出に関係していたとしか考えられませ。
本当にすごい作画です。
しかし、挿画絵師は手が遅く制作スケージュールが相当に食われたそうで、それを補うように実写も併用する演出が施されています。
第23話の硫黄島作戦では戦死者の実写映像があるので、視聴の際には注意してください。

たしかにこの作品は戦争が舞台ですけど、ストーリーの主軸は指揮官の苦悩や決断の結果から得られた教訓であって、映画「人間の條件 」(松竹)や映画「戦争と人間」(日活)のように戦争を舞台とした群像劇を用いてある種のイデオロギーを発散しているような作品ではありません。(両方とも反戦映画ですけど)
OPのナレーションでも本作品の製作意図を説明しています。
したがって、反戦であるとか戦争の美化というイデオロギー的メッセージは本作品には含まれていませんので、その点に対する作品批評は的外れとなります。

「決断」の軍事的な意味とは帝国陸軍の将官級(旅団長以上の高級指揮官)のみ閲覧が許された『統帥綱領』でいうところの「決心」を為し命令を下す「実行」の二つの行為です。
『統帥綱領』の一節より
「統帥ノ根源ハ指揮官ノ決心二シテ命令ハ決心実行ノ重要手段ナリ」
本作品は先人が当時「統帥」はどのように遂行されたかを、尊い犠牲の上に戦争を知らない世代にも残してくれた貴重な財産ともいえます。
なお、『統帥綱領』に書かれていることは抽象的な表現ですが指揮官の心構えが説かれた兵法書の一種です。
2016年春アニメ「ジョーカーゲーム」でも取り上げられていますけど、帝国陸軍の機密指定では「機密」でトップシークレットでした。
本作品では太平洋戦争全ての戦場を網羅してはいませんけど、初期の威勢のいい攻勢のみならず撤退、負け戦、そして悲劇の特攻、玉砕も公平に扱うことで偏向なく構成されています。
特攻も玉砕も指揮官の決心と命令です。
旧日本軍では玉砕を命じた指揮官もまた自決で命果て、特攻の指揮官も全てではありませんが自決や最後の特攻で果てた指揮官がいます。
しかし、特攻を命じておきながら敵前逃亡をしたとんでもない指揮官や、ろくに補給も考慮せずに攻撃を命令し部隊を壊滅に追い込んだ無能な指揮官など、このような不適格人物を指揮官に任命した軍もまた教訓を活かしていなかったことが、敗戦そして軍の解体までの最悪の結果を招いたのでしょう。
もっと深刻なのは、9条病の蔓延で国防の意義すら議論が封じられ希薄になった戦後日本の現実ですけどね。
第22話はいわゆる「謎の反転」の回ですけど、この真相は現在でも不明であり、肝心の栗田中将が一切口を閉ざしたまま逝去されましたので、真相は永遠に闇の中です。
本作品での描写内容は、状況証拠から考えられる一つの推論に過ぎないことを指摘させていただきます。{/netabare}

【考察について】
{netabare}本作品を本格的に考察される際には以下の書籍は必読です。
また、既読の上で本作品を視聴された場合、軍隊組織の運営のようなソフト部門は高レベルな軍事考証がされていることを理解できるかと思います。

ただし、時代考証で一部事実と異なる部分、特に第25話における「無条件降伏」の表現では大日本帝国の無条件降伏のように受け止められます。
ポツダム宣言の条文を読めば一目瞭然ですけど、無条件降伏はあくまで「帝国陸海軍」に対してであり、国家としての大日本帝国はポツダム宣言の各条項を呑んだ「有条件降伏」であることをここで補足しておきます。
なお、国家として無条件降伏をした場合は「ドイツ」のように国家が消滅(地図上からも抹消される)しますからね。
現在のドイツは、敗戦→消滅→旧ドイツ領内に二つの新国家が成立→統合の歴史があります。
また、第25話は本作品で唯一文官が主人公(下村内閣情報局総裁)で「國體」について私見を述べるなど政治性が強い内容ですので、視聴の際はその旨を意識してください。
なお、第25話については終戦前夜を阿南陸軍大臣視点で濃密に描写した映画「日本のいちばん長い日」(岡本喜八監督1967年版)も参考になります。
ただし、2015年版は鈴木内閣発足からのストーリーなので冗長であることと、内容が鈴木首相視点となることに注意してください。

各話のエピソードの中には実写映画化されているものも数多くあります。
映画の方が時間も長い分、細く描写されていますので鑑賞するとより本作品への理解が深まると思います。

また「太平洋戦争」を「大東亜戦争」と呼称する向きがありますけど、ポツダム勅令で「大東亜戦争」の閣議決定は白紙にされ、その後の平和条約に基づいた措置を取らずに放置したことからこの閣議決定自体失効となっています。
その後の公文書や外交文書では「太平洋戦争」の呼称が一般化しておりレビュー上でも使用していますけど「大東亜戦争」の呼称を否定するものではありません。{/netabare}

【視聴・考察参考図書】(児島襄氏も執筆の際に参考にしている)
{netabare}『軍人勅諭』(陸海軍共通)、『統帥綱領』(陸軍)、『海戦要務令』(海軍)、『統帥参考』(陸軍)、『作戦要務令』(陸軍)、『戦陣訓』(陸軍)、(『歩兵操典』(陸軍))、帝国陸海軍の制式教典。
公刊太平洋戦史『戦史叢書』(太平洋戦争の公式記録)
その他陸海軍に関する法令法規、戦時行政組織関係書籍、外務省外交史料館資料など。
1980年代までの軍事雑誌『丸』には当時指揮官に仕えた参謀クラスの将校、士官の寄稿が多く参考となる。

海軍に関して制式教典が少ないのは、兵学校卒海軍士官は艦長(トップリーダー)になる前提で教育過程が組まれていたことに起因し、海戦要務令だけで陸軍の統帥綱領と作戦要務令と合わせたものと同等レベルの内容を網羅しています。
海軍大学校は陸大と異なり参謀育成機関ですので、ここを卒業すると軍令部や海軍省の陸上畑への勤務が多くなるだけで、昇進序列には影響しません。
なお、海軍の昇進は兵学校の卒業席次(ハンモックナンバー)で決まります。
また、陸軍はトップリーダーになるための将校の選抜試験(陸軍大学校)があり、合格者のみに教育をしていたことで、制式教典が用途ごとに作成された経緯があります。
なお、陸軍の昇進は陸大の卒業席次で決まり、陸大を出ていない将校は最高大佐で予備役に編入されます。{/netabare}

【結び】
かなり以前に、陸軍士官学校出身の某銀行の頭取は作戦要務令を机の傍らに置き、経営のバイプルにしている旨の記事を読んだことがあります。
企業のトップも指揮官も決断の結果、組織が動く事には変わりがなく、決断のミスで部下将兵の命を奪うも、倒産で社員を路頭に迷わすも、決断時には孤独であることもまったく同じこと。
軍人と経営者の兵法書の読み方は、実用とするか哲学とするかの違いだけかもしれませんね。

本作品における教訓は、平和の現代では経営哲学や人生哲学にも十分活かせるとも思います。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 12

53.3 6 ドキュメンタリーアニメランキング6位
美少女遊戯ユニット クレーンゲールギャラクシー(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (24)
70人が棚に入れました
地球の平和を守った響子・彩日花・みらい。 しかしその平和はつかの間の平和だった!?新たな敵の出現、そしてライバルユニット「ダークチェリー」の登場!3人は新たな危機から地球を、いや銀河を救うことができるのか?

声優・キャラクター
原奈津子、徳井青空、佐々木李子、八島さらら、鈴木愛奈、藤田奈央、影山灯、内田彩、佐々木未来、水谷彰孝
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

宇宙アイドル?

全12話 1話20分枠(本編10分、おまけ3分、実写5分の作品)

美少女遊戯ユニット クレーンゲールの2期です。1期の続きですが、1期は見なくてもいいような感じですw

今回は、アイドルであるクレーンゲールたちに、地球侵略を目的としているアイドル ダークチェリーの戦い?を描いています。

戦いといってもゆる〜い感じなので(ダークチェリー自体がゆる〜いキャラ)グタグタで全然緊張感がありませんねw

ダークチェリーの方が個性的で実質2期の主人公のような感じでした。

最後までゆる〜い感じで終わりました。{netabare}(最終話にダークチェリーがコンサート前に私的なこと出かけてコンサートを遅らせたり、コンサートの途中でダークゴリラの惑星に助けにいったり、プロ意識がなさすぎですね〜 こういう作品なのでゆる〜くしたのでしょうが、最後ぐらいきちんと締めてほしかったですね){/netabare}

ゆる〜いアイドルバトルに興味がある方は観てもいいかもしれませんね。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

今度は宇宙規模のアイドルバトル勃発…!?

この作品は、美少女遊戯ユニット クレーンゲールの2期に相当する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

この作品もまさか2期が来るとは想定していませんでしたが、1期視聴済なので2期も視聴する事にしました。
1期では「アイドル養成クレーンゲーム」を用いてクレーンゲールのアイドル力を向上させる…というモノでしたが、2期はまるで趣向が変わり、地球のアイドルとなったクレーンゲールは、ダークゴリラの命令で侵略してきた地球侵略アイドル ダークチェリーとのアイドル対決を強いられる事になります。

でもダークチェリーのバトルへの執念…序盤こそ凄かったですが、回を重ねるごとにボトルへの執念やモチベーションが明らかに低下していくのが目に見えて分かりました。
そして終いにはアイドル挫折…
こうなったら、あとはグダグダな展開で進んでいくのかな…と思っていましたが、2期の方が1期よりアニメパート時間が伸びている分、ただのグダグダな展開にはならなかったのが救いでした。

でも、それほどバトルをしたわけではないのにダークチェリーがアイドルの道を諦めてしまった理由は正直良く分かりません。
でもアイドルバトルをしていた前半より、中盤以降の方が明らかに物語的には面白くなったと思います。
これまでのアイドルバトルは全てこのための布石だった…として結成された「スーパーシャイニーギャラクシー」
クレーンゲールとダークチェリーの合同ユニットです…
ここまでくると本来のダークゴリラの目的はどこへやら…という気も多分にしましたが、まぁ面白ければ…と思い視聴を続けていたところ、ダークゴリラは所期の目的を決して忘れていませんでした。

例え自分ひとりになったとしても、地球侵略を成し遂げなければいけない理由があったから…
その話…ダークゴリラに同情できなくはありませんでしたが、侵略以外の解決策がきっとある筈…
ここで、スーパーシャイニーギャラクシーがどんな働きをするのか…この作品の見どころです。

あとこの作品で気になるのは小夜さんの動向だと思います。
1期ではクレーンゲールにあんなに尽くしていたのに、突然地球を去ってしまうなんて…
でも、この2期で小夜さんの顛末についても明らかになります。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、宇宙防衛隊の「Galaxy Party 〜宇宙の真ん中でパーティーしよう!〜」
エンディングテーマは、aki a.k.a 出口陽さんの「絶対的晴天青空」
エンディングの「絶対的晴天青空」が超が付くほど恰好良い曲だと思います。
出口陽のソロデビュー後2枚目のシングルとの事ですが、少し寂し気な旋律が私のストライクでした。

1クール12話の物語でした。ダークゴリラの件が落着したので、物語の纏め方は良かったと思います。
何も考えることなく視聴できるアニメとしては悪くなかったと思います。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 6

48.1 7 ドキュメンタリーアニメランキング7位
プランゼット-PLANZET(アニメ映画)

2010年5月22日
★★★☆☆ 2.9 (11)
51人が棚に入れました
2053年、宇宙からの謎の生命体の襲撃により人類の大半が殲滅された壊滅状態となった。最終作戦プランゼットが計画される中、ロボット兵器GL-2パイロットの明嶋大志は日本方面軍・富士基地の死守を命じられる。

計測不能 8 ドキュメンタリーアニメランキング8位
氷川丸ものがたり(アニメ映画)

2015年8月22日
★★★★☆ 3.5 (2)
13人が棚に入れました
主人公である次郎少年は、縁あって見習い厨房員として氷川丸に乗り込みます。

氷川丸の初代船長の方針であった、厳しい船内規律と良質の接客サービスは脈々と受け継がれ、船員たちは誇りと愛情をもって船の仕事にあたりました。

そんな船員たちから時に厳しく叱られ、時に慰められながら、次郎は仕事を覚え、大事なことを学んでいく。

Dkn さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

全国自主上映会開催中。

~自分が観たい作品のコピペmemo。~


ε=ε=ε=┌(・・)ノ

(公式HP)
http://hikawamarumonogatari.com/

製作:氷川丸ものがたり製作委員会
原作『氷川丸ものがたり』著・伊藤玄二郎

アニメーション制作虫プロダクション

ナレーション 戸田恵子
エンディング・テーマ 小田和正『彼方』


1930年(昭和5年)に貨客船として北米航路に就航し、太平洋戦争下の病院船を経て1960年(昭和35年)に引退した
氷川丸の証言を纏めた原作エッセイを基に、氷川丸に憧れて司厨部員となった平山次郎と氷川丸の人生を描く。
(wiki参照)


ストーリー(公式HP参照)

*****

1930(昭和5)年5月、横浜港からアメリカ・シアトルに向け処女航海に出航した氷川丸を、岸壁に座り、
じっと熱い目で見つめる13歳の平山次郎がいた。

野球少年の次郎は母を関東大震災で亡くし、南京ソバの屋台をひく父の源三を手伝いながら二人で暮らしている。
氷川丸に乗ってみたいと熱く語る次郎を微笑んで見つめる二人の紳士が氷川丸の秋永船長と松田事務長だった。
それがきっかけとなり、次郎の氷川丸での日々が始まった。

「軍艦氷川丸」と呼ばれる船での仕事は、想像以上に厳しく過酷だった。
しかしそこには秋永船長をはじめ船の仲間の次郎をあたたかく見守る目があった。

ある日包丁で指を切った次郎は、治療してもらった診療室で菅田キヨ子と出会う。次郎は淡い恋心を抱くのだった。

1941(昭和16)年、氷川丸は政府の徴用船となり、その後、海軍特設病院船となった。
次郎ら乗船命令を受けた船員たちは、南方の島々で負傷兵を収容する仕事に携わる。

そしてついに次郎にも赤紙が。

次郎は野戦病院で思いがけずキヨ子と再会する。彼女は氷川丸を降りた後、
日本赤十字の看護婦となり戦地に派遣されていた。次郎たち負傷兵は、沖に碇泊していた病院船へ移されることに。
待っていたのは氷川丸だった。懐かしい仲間の姿を見つけ、肩を叩きあって再会を喜びあった。

日本への帰途、嵐のなかで、氷川丸は磁気機雷に触雷。
「船が……船が、悲鳴をあげている……!」
懸命の排水作業が続けられ、氷川丸は大きく傾きながらも、なんとか港にたどりつく。

やがて終戦。氷川丸は病院船の徴用を解かれないまま、復員兵や残留日本人の引揚船となる。
その後ようやく、晴れて商船に戻り、貨客船として念願の北米航路に復帰を果たしシアトルを目指す。
船上には次郎や船員たちの喜びに満ちた笑顔があった。

*****


自主上映会開催を「氷川丸ものがたり」事務局へ連絡し上映させてもらうシステムらしくて、
今でも各地で上映されているのですが、こんな細かい情報入ってこないし視聴は難しいですよね。
機会が少なすぎてメディア化されるまで観られる気がしないので、いつか観たいな~

投稿 : 2020/02/15
♥ : 7
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