バニーガールでミステリーなおすすめアニメランキング 1

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71.2 1 バニーガールでミステリーなアニメランキング1位
六花の勇者(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1137)
6060人が棚に入れました
闇の底から『魔神』が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授ける。

地上最強を自称する少年アドレットは、その六人、『六花の勇者』に選ばれ、魔神復活を阻止するため、戦いへ向かう。

だが、約束の地に集った勇者は、なぜか七人いた。

その直後、霧幻結界が作動し、七人全員が森に閉じ込められてしまう。

七人のうち誰かひとりが敵であることに気づいた勇者たちは疑心暗鬼に陥る。

そして、その嫌疑がまっさきにかかったのはアドレットで―。

伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、堂々始動。


声優・キャラクター
斉藤壮馬、日笠陽子、悠木碧、鈴村健一、佐藤利奈、加隈亜衣、内山昂輝

コヤ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

バトル系と思って観たら・・・。

六花の勇者というタイトルの通り、一応バトル系ではあります。
魔神が復活する時、六人の勇者が選ばれる。
うん、ベタと言うか王道と言うか特に捻りのない設定ですね。
そう思って観ていたらびっくりするくらいサクサクとストーリーが進んで行きます。
1クールで魔神倒せんじゃね?くらいの勢いでしたね。
全くストレスもなく進んで行くので視聴のペースも上がっていきます・・・が!
この作品の本当のストーリーはそれではありませんでした。六花の勇者だから六人の筈なのに七人居る!!
まさかのミステリー展開!
あらすじすら見ずに視聴したらこういう事が起きるんですね(^-^)/嬉しい誤算です。
さらに恋愛要素までぶち込んでくるので至れり尽くせりでした。
俺たたエンドで終わるので続きが非常に気になるところですが、この展開を繰り返されるとちょっとダルい気はしますね。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 19
ネタバレ

丸太旭日旗六四天安門 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファンタジー世界でミステリー

1話
Anotherやダンガンロンパのような仲間の中に潜む敵を探せ系らしい。
ネットでネタバレっぽいのを見ちゃったのが残念だな~まぁネタバレだと思い込んでるけだと信じよう!
でもこういうジャンルはオリジナルアニメでやればいいのに…。
{netabare}これもシャーロットと同じゲス系主人公やな。まぁバトルスタイルがセコいってだけで悪人ってわけじゃないが。
アドレットには紋章が自然発生したから偽者じゃないのかな?それは関係ないかもしれないけど。{/netabare}
バトルシーンの作画がヌルヌル動いてとても出来が良かったけど、このまま行けるのかな?

2話
{netabare}主人公はバトルスタイルが汚いと叩かれてたが、人々を助ける正義のヒーローではあるようだ。凶魔を倒す方法に綺麗も汚いも無いわな。
悠木碧ちゃんのガンナーはクールキャラ。それと騎士も加わってまず4人揃った。{/netabare}
ストーリーの進みが遅く感じてしまうかな。
作画はいいんだけど、凶魔とのバトルは今回はカメラを引いていたので迫力はなかったな…。
がっこうぐらし!のせいで、他が地味に感じちゃうよね…他の作品は災難だ。
それと1クールでこのペースだとたいした真相もわからず続きは原作で、になるのが見えている…。

3話
今回はフレミーがどんな奴かとゴルドフが強いってことしかわからなかった。{netabare} 結界作動の設定とかちょっとややこしくなってきたかな。次で全員揃うみたいだからそろそろ話が動いてくるのかな。{/netabare}
このアニメはラノベファンタジーアニメでよくあるようなエロや中二病の演出がほとんど無いから好きだな。それは地味ってことなんだが…。放課後のプレアデスの再来?

4話
{netabare}やっと7人揃ったね。それにしてもこれほど周りの人間関係に気を使う主人公も珍しいのではwゴルドフにも気を使ってるしw
7人揃った時のぐるぐるは目が回りそうになった。
フレミーは割と早くマトモに振る舞うようになったな。{/netabare}
このアニメの音楽ってドラクエに似てる。
EDはナッシェタニアVerだったけどこれから各キャラのEDにするのかな。楽しみ。

5話
{netabare}しばらく推理合戦が続くのかな?
アドレットはフレミーに肩入れしすぎだよね。誰かが偽者だとわかってもなお。ぶっちゃけフレミーちゃんが好きだからか。フレミーは出生の秘密をあえて晒して皆の信頼を得る作戦かな。意外としたたか。ハンスの弁護で窮地脱出。
そして名探偵ハンスに追い詰められた主人公がどう切り返すか…ダンガンロンパの苗木みたいになってきたね。まぁ期待通り。{/netabare}

6話
{netabare}EDがフレミーのキャラソン!碧ちゃん歌うまくなったなぁ~ちょっと声震えてたけど。
ただ話は全然進まなかったような…アドレットが孤立してフレミーが疑いつつも味方になりつつあるくらいか。8人目がいるってのも根拠ないし。
アドレッドが知らないままある方法で結界を発動してしまったんじゃないかと思うんだが…違うかな。{/netabare}

4話を復習してみよう…
https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/ci_pc?workId=20169
こういう時dアニメストアは便利だな。
{netabare}他の3人が戦っている間にアドレットが神殿に一人で行く

アドレットが騙されて扉を爆破(これアホすぎた。神官がカギ持ってなくて開けてくれと言うのを疑え。鍵持ってるモーラはどこにいたんだか)

迎撃用の鎧二体を倒す(この間に結界発動されたのだろう)

神官が偽者なのがわかる

結界が発動して霧が出てくる

アドレットが神殿に入るとすでに台座に宝剣が刺さっていた

アドレットの後から3人が入ってくる(この3人が発動させるのは無理だろう)

アドレットが解除しようとするができない

ナッシェタニアが取り乱して石版を割って紙を落とす

チャモが入ってくる

モーラが入ってくる

ハンスが入ってくる

振り返ってみるとこれで最初にフレミーを疑ったのは酷すぎるなw
モーラはハンスと一緒だったので、モーラとハンスがグルでなければ消去法で単独行動者はチャモ?アドレットが8人目がいると言いたくなるのはわかる。{/netabare}

7話。
{netabare}アドレットとフレミーの身の上話でずいぶん時間使ったね。
テグネウ初登場。石田彰声でコエムシっぽいやつか。

あくまでも単独行動したがるチャモは怪しい。なんか変なことしてたし。
そして姫だが、ゴルドフもさすがに不審そう。姫はアドレットをかばう発言をして、自分が疑われないようにしてハンスにアドレットを始末させようとしているように見える。
もっともゴルドフに不審に思われたら逆効果だが、それでもゴルドフは立場上姫に敵対はできないしね。
ただ、姫の演技?はあまりにも下手で不自然でわざとらしすぎる。操られている可能性もあるのかな。{/netabare}

8話。
{netabare}意外と今回も話進まなかったな。ハンスがアドレットの味方になったくらい。チャモが怪しいってのは当然たどり着くな。
チャモに聞こうとしたことと(結界の発動方法を知ってるかどうか?)、姫が言うハンスが怪しい理由というのは持越し。

アドレットが神殿に一番乗りして疑われる元になったのは、姫が先に行ってくれと言ったからなので、姫が一番怪しいんだが、そこになかなかつながらないな。{/netabare}

9話。
{netabare}チャモって本当に最強の聖者なんだろうか…。凶魔は再生するけど動きとろいし、あれじゃああやって負けるよな。
実は結界の発生手段は聞いたのと違っていたというアドレットの推理は自分のと近かったのでうれしかったりしたが、フレミーに霧のシステム上ありえないとあっさり論破…振出なのか。それでもまだ中立でいてくれるフレミーに頼るしかない状況。
ハンスは義理堅いけどモーラの正論に反論できず。根拠が殺し屋の勘だしな。お前の主観だと言われちゃどうしようもない。
姫の言ったハンスの発言の矛盾点も気になるが。{/netabare}

10話。
{netabare}ファンタジーバトルアニメだと思ってたらサスペンス恋愛アニメだったでござる。
アドレットがフレミーに告ってさらに自分の死後にフレミーが疑われないようにしたおかげで、ついにフレミーのハートをゲット!!
しかし姫は敵に。アドレットがハンスを攻撃したと聞いて、アドレットとフレミーがくっついたのを悟ったようにも見えたが…。
モーラの攻撃はなぜかCGバリバリだったけど攻撃エフェクトのネタがなくなったんだろうか?{/netabare}

11話。
{netabare}来たときは暑かったのに、途中から寒い寒い言い出したのが伏線だったんだね。
でも、気温が下がったらすぐに霧って出るものなんだろうか…。
太陽の聖者が出てくるのは唐突感もあるが(太陽の聖者の話は初期に出ていたけどね)…本当に殺人事件になってしまうとは。
まあこれで、祭壇で怪しい行動をしていた奴が7人目なのは確定やな。
となるともうあいつしかいないが、作動させたことの証明と、一番重要なのは動機だな。まぁ次回が楽しみ。{/netabare}

12話。
{netabare}まあ7人目は予想通りだね。石版割りとアドレットに先に行かせたのが決めて。7人目はいつから偽者だったのか…聖者だったのに見抜けなかったのか?と思う。過去話で真相がわかるんだろうけど。
牛女が入ってまた7人になったけど、魔哭領に入れない奴が7人目ってすぐわかるよね?{/netabare}

【総評】
ここまで語りつくしたからあまり言うことはないが…思ってたのと違ったって誤解されやすいのも問題だけど、物語の序盤も序盤で終わってしまうってのも欠点だね。じっくり描いてくれたのはとても良かったけど。
BDも原作も売上が芳しくないので二期が無いのは残念。
でもフレミーは最高にかわいかった。まどかファンとしては碧ちゃんボイスを大いに堪能させて頂いた。

投稿 : 2020/02/15
♥ : 31
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「敵」と「味方」

【2015/9/20 視聴完了して改稿と追記。長くなりましたが再読いただけると嬉しいです】 *誤字訂正


昔々、マンガファンが喫茶店に集まると、誰か一人は人数を数える真似をして「11人いる!」と言うのがお約束だったが、これからのアニメファンは「7人いる!!」と言い出す事になるのだろうか。


神託に選ばれて集結した勇者の中に、ニセモノが紛れ込んでいる。
果たしてニセモノは誰か、という謎が物語を駆動するのだが、ミステリーにおいては、作者はあらゆる手段で偽装を施しミスリードを試みる。

中でも製作者によって仕掛けられる最大の偽装は、{netabare}本作が、魔神と戦う「冒険ファンタジー」ではなく、ニセモノをめぐる謎〈ミステリ〉が主題の「ミステリー」である、という点だろう。

あたかも探偵小説における叙述トリックを参照したかのように、ミステリーを冒険ファンタジーと見せかける製作者の「騙し」は慎重で、「謎」に直接のかかわりを持たないものの、視聴者に驚きを与える効果は十分にある。

冒頭の首都の描写において、「本筋」には全く関与しないのに、壮大な美術設定や華麗な映像を見せていることは、製作者が「騙し」に自覚的である証左だろう。中世的な設定が多い冒険ファンタジーに対して、古代的なビジュアルを用意するオリジナリティも、新味のある「ファンタジー」を意図しているように見せかける偽装の一環だ。

冒頭の数話で、能天気に「地上最強」を連呼する主人公と物語のリズムに不和が感じられるのは、この偽装がもたらす違和感による。

周到に楽曲と映像を変えるオープニングが、勇者同士が戦う映像に切り替わったとき、偽装は解かれ、違和感も消失することになる。
魔神を斃す冒険ファンタジーではなく、仲間に紛れ込んだ敵を炙り出すミステリーなのだと暴露されたとき、物語がどこか鬱屈していて爽快感に欠けると感じられていた理由にも納得がいく。
疑惑にかられた勇者同士が戦う物語は、陰惨な雰囲気を纏わざるを得ないだろう。

異世界の構造や異能の仕組みがどこまで開示されているか不分明な中での「謎解き」は、「本格」として推理する条件には欠けているかもしれない。
条件に欠ける結果、安楽椅子的な「推理」で決着をつける探偵小説的快楽は不可能となるが、その分、「推理」の醍醐味を補うように、引き起こされる勇者同士の戦いはビジュアル的に派手で見ごたえがある。背景や戦闘描写はしっかりと「ファンタジー」風味で、「偽装」に引き摺られた視聴者にも満足を与えるものだろう。

そんな状況の中、仲間の勇者から疑惑を向けられ、嫌疑と攻撃を退けながら真相を「推理」しなければならない主人公は、奇妙にメタミステリー的な条件を背負い込むことになる。


ミステリーにおいて探偵の「推理」は、真の意味での「真相」とは言えない。

メタ的な視点からは、事件の「謎」という現象は多様な解釈が可能だ。
「本格」のルールの存在意義は、なるべく解釈の多様性を減らし、非合理的なものは排除するためでもあるが、真相の「唯一」性を保証することはできない。

物語の中で探偵の「推理」が「真相」となるためには、作品世界内で唯一の「真相」であると作中人物たちが(読者もそうであることが期待される)「信憑」することが必要になる。
メタ的な意味で、事件が「解決」され真相が明らかになるのは、推理が「信憑」を得た時だ、とも言えるだろう。

他の勇者たちから疑われ、抹殺の対象ともなる主人公は、「推理」するだけで解決に導くことが不可能な立場に追い込まれている。
いくら「推理」が「事実」と合致したとしても、「信憑」を得られない限り「真相」に到達できないからだ。
どれほど合理的な推理であっても、疑惑を向ける勇者たちからは信憑を勝ち取ることができないだろう。


このメタミステリー的条件は、勇者の「一員」であるという自覚と相まって、主人公の「戦い」を独特に屈折させる。

勇者という「仲間」同士が戦う状況で、主人公は自分を攻撃する勇者を、上記の二重の理由で抹殺してしまうことができない。
二重の意味で、反撃して斃すことは禁じられ、信頼を勝ち取ることが要求される。

戦いの焦点は、紛れ込んだ「敵」を発見し抹殺することではなく、自分を襲う仲間に自分を信じさせなければならない、「味方を作る」というより困難な方向へ結ばれることになる。

ファンタジー世界であれば「拳で語り合」えば済むかもしれないが、合理性に規定されたミステリー世界ではそうはいかない。

性格も立場も信条も違う、自分に敵意を持つ対立者に対し、まず対話の可能な共通の立場を模索し、味方につけ「なければならない」という「戦い」は、「魔神を斃す」ように「敵対者を抹殺」するのとは困難の次元が違う。

物語の語り口が地味になるのも無理はないが、このような「戦い」を主題にするアニメは空前と言っていいと思う。


ここまできて、主人公の「地上最強」の意味が明らかになってくる。

ルールに則って競われる「強者」に対して、ルールの枠組みなど無視する「地上最強」は、「卑劣」で済ませられるほど安易なものではない。
通常、恣意的に捨て去ることが困難なルールという「絶対」性を、相対化して無視することが可能なのは、絶望の中でも足掻き続け、なりふり構わず生存の可能性を探り続ける主人公の精神と不可分の「能力」と言える。

「強者」たる勇者にとっては、世界の構造が崩壊し精神的な足場が崩れ去るような異常な状況の中で、ルールの底が抜けた混沌で勝機をうかがう精神を持つ「地上最強」の主人公のみが、謎に正面から挑むことができる。

何処までも足掻き続けなければならない凡人であることが「地上最強」だと語る主人公は、敵対者を抹殺することなく「対話」し続けなければならないこの困難な「戦い」に、唯一、勝利を呼び込める「勇者」だろう。

「敵を斃す」冒険ファンタジーの爽快を期待して裏切られた視聴者も、失望する前にぜひ、「味方を得る」全く新しい「戦い」とその帰結を目撃して欲しい。


【追記】

「本格」のフェアプレイルールを満たすものではないが、密室トリックの解明と犯人の指摘は、この世界内での論理に則って合理的に解決される。
「冒険」ファンタジーではない、ファンタジー世界の「ミステリー」として、成功したと言えるだろう。


当面の敵に勝利した主人公だが、この独特な「戦い」の形態を最底辺で規定したのは、ミステリーという形式と共に、「六花の勇者」という集団が、一種のプロジェクト・チームであるという設定だ。

定められた宿命ではなく、魔神を斃すという「プロジェクト」を最適化するものとして抽出される「勇者」は、プロジェクト遂行上の要請を除けば、構成員同士に共有される価値観も規範も、ましてや人格的なつながりも無いと巧妙に設定されている。

内的な結束の理由を持たない結果、「プロジェクトを不能にする」敵の潜入したクローズドサークルの「罠」のように、外的要因を左右されることで求心力は失われ、一体であるべき「チーム」は結束を保つことができずに容易に解体する事になる。
求心力の消失と解体の危機は一回性のものではなく、何度も繰り返され得る不安定さから逃れられないと最後の最後で暗示されるが、この設定から生じる必然的な帰結だろう。


「六花の勇者」チームという一個の「組織」から秩序と規範が消失し、単に物理的な「勇者の集まり」という無秩序の集合に変貌する事態は、法哲学者カール・シュミットの提唱した「例外状態」と完璧な相似形をなしているようだ。

シュミットによれば、国家の規範が崩壊し秩序が失われた「例外状態」の混沌において、「敵」を名指しし「友」=味方との間に線を引くことが、新たな秩序形成の根源であるという。
敵との闘争が、主権を勝ち取り集団に秩序を打ち立てるという政治的なるものの起源であり、まず「敵」を名指し「味方」を糾合する事から闘争は始まる、と。

例外状態で名指される「敵」は、運動のその場その時に合わせ、その都度繰り返し選択される。
敵と味方を規定する秩序が消失している混沌では、「自分」と「それ以外」しか存在しない。まず「敵」を名指し、敵ではないものとして「味方」が生じる線引きには、あらかじめ自明である「味方」は存在していない。

主人公以外の「勇者」がそうであったように、その都度「味方」であるか疑わしい者を「敵」として排除しようとする倒錯も秩序形成の過程ではあり得る。が、自明の「味方」が無い以上、「敵」とその線引きは次々に交換されてゆく。
そのような「敵」「味方」の名指しのダイナミズムによって、最終的に秩序を打ち立てる主権者が誕生するのだ。

本作において、主人公は、密室トリックを仕掛けクローズドサークルを作り出した「犯人」を暴き出す。
主人公のみが、味方「候補」を切り捨てることなく、「犯人」という属性を持つものだけが「敵」であると見据えて特定=名指しに挑み、他の勇者がその都度行おうとした「敵」「味方」の線引きを退けて、最終的な「敵」の名指しと「味方」の最大化に成功する。

本作の「謎解き」は間延びしているとみる人も多いかもしれない。
が、「推理」と共に進行する主人公の「戦い」は、主人公が単なる「探偵」ではなく特異な「アジテーター」として、犯人という「敵」を名指し、「味方」を獲得して秩序を形成する例外状態での「政治」的なるものの過程を、ミステリーという形式のエンターテインメントとして展開して見せたと看做すことができるだろう。
「秩序」は動的であり、闘争は不断に生じる必然を暗示する、最後のエピソードを含めて。


シュミットの「例外状態」は、立憲国家の憲法が機能停止し、法秩序が無効化した状態を指している。

本作の主人公の「戦い」は、今後のために記憶しておく価値が十分にあるのではないかと思う。{/netabare}

投稿 : 2020/02/15
♥ : 11
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