パイロットでバトルなTVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のパイロットでバトルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月06日の時点で一番のパイロットでバトルなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.6 1 パイロットでバトルなアニメランキング1位
革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (815)
4344人が棚に入れました
人類が宇宙に進出した時代、中立平和国家ジオールは突然ドルシアからの攻撃を受ける。政府が無条件降伏する中、学園や友人たちの危機を救うため、時縞ハルトは人型兵器ヴァルヴレイヴに乗り込み、ドルシア軍を撃退。学園のあるモジュール77はジオールから分離し、新生ジオールとして独立する。

声優・キャラクター
逢坂良太、木村良平、瀬戸麻沙美、戸松遥、小野友樹、中村悠一、悠木碧、福圓美里、吉野裕行、浪川大輔、寿美菜子、羽多野渉、堀江由衣、福山潤、宮野真守、細谷佳正、梶裕貴、小野大輔、水樹奈々、豊崎愛生、茅野愛衣、代永翼
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

uncover the world

(2013.10/16 13話)
{netabare}マギウスなる存在と邂逅を果たしたドルシア、アルス両名の長。

ジオールに住む皆の希望であるヴァルヴレイヴの原動力であるルーン、それが人を犠牲にする事で成り立っているとしたら?
ハルトは過ちを犯してしまったが為に実験体になる事を選んだのかも。
だからカイン大佐がヴァルヴレイヴを2体、もしくは2機ではなく2人と言ったもの頷けますね。

いやしかし、ハルトの回想シーンでサキが最初でショーコが後に出てくるって1話の時のショーコへの想いはニンゲンヤメタから無くなった?

マギウスの呪いを受けたハルトとマギウスであるカインの教育を受けたエルエルフとの呪いの絆が世界を変革するのか?{/netabare}

(2013.10/23 14話)
{netabare}親代わりであるサトミを、ある一件のせいで拒んでいるアキラ。 タイトル(大気圏の兄妹)からして連坊小路兄妹の兄妹愛がメインとなる?

以心伝心とまではいかなくても、互いに分かり合っていると思っていた。あの一件が起こるまでは…
失って初めて分かったありがたみをサトミは彼なりの方法で返そうとしている。


さすがアードライ、王子様なだけあって乗馬も様になってますね^^ アードライが王子様なのは前半(1クール)から、でている伏線の内の1つですが回収できるんでしょうか?回収するとしたらリーゼロッテも関わってきそう。

今までエルエルフをハルトしか信用していなかったようですが、ようやくハルト以外のクルー(サトミやタカヒ、マリエetc…)にも信用されたようで何よりです。
って、サトミの聖徳太子っぷりも空しく予定ルートから外れてしまったハルト達が行き着いたのは敵地であるドルシア領内。

と言う事はエルエルフとリーゼロッテの再会もある?{/netabare}

(2013.10/30 15話)
{netabare}人類初の「カミツキ」なので第1世代、ハルトやカインよりも先に呪いを受けた者がいる。それにしても彼女ってリーゼロッテの事?

ん~、偽装のヴァルヴレイヴの足のラインがスタドラに出てくるタウバーンっぽいですね。
あと、脚立の作画おかしくないですかね? 片方からしか登れないなんて^^;

幼い日のエルエルフを含むカルルスタイン出身の5人の姿は、ある意味仲睦まじいですwww

ヴァルヴレイヴ1号機のOSであるピノがマリエの事を知っていて、そのマリエの記憶が5年前から無いという事は5年前にVVV計画が始まった?
推測ですが、ピノとプルー(カインが奪った2号機に搭載されたOS)は元人間orマギウス?それかマリエ自身、人間ではなくOSとして造られた存在だったりして… もしくは人類初の「カミツキ」とか? それだとピノの言った「ルーンを食べちゃったから?」と矛盾する。

まぁ、兎にも角にも新しい伏線がでてきましたけど回収できるんでしょうか? 何か、最後は急展開・超展開でうやむやにされそうな気もしないでもないです^^;{/netabare}

(2013.11/7 16話)
{netabare}やはり、マリエはカミツキ(マギウス)だったんですね。それにしても、マリエの記憶(ルーン)を起動力として機能しているヴァルヴレイヴ(覚醒ver.)。と言う事はハルトもいずれは、自身の記憶や噛みつく事で得られた情報をヴァルヴレイヴに吸い取られていく?

呪いと呼ばれているカミツキが200年後には祝福へと呼び名が変わっている。その事とヴァルヴレイヴの覚醒に意味があると思いたいです。
またリーゼロッテ登場したのはいいんですけど、サウナみたいな装置に入ってましたね^^;

エルエルフ達、カルルスタイン機関の過去の回想で登場した友達が貴生川先生がメガネをはずして幼くした姿に見えてしょうがない^^;

いやはや、マリエのヴァルヴレイヴ1号機登場シーンでのBGMが「そばにいるよ」だなんて…・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.11/16 17話)
{netabare}ヴァルヴレイヴ1号機(火人)のOS・ピノは、ヴァルヴレイヴ本体とは別の意志(情報原子・ルーンを食べるという意味では同じ性質だけど)を持っている?
そのルーンによって得たエネルギーがヴァルヴレイヴ以外のものを巻き込んで革命が完遂する?

マギウスたるハルト達が「ニンゲンヤメマスカ? YES NO」でYESを選択した時点で人でなくなり、最初は悪魔の呪いのようなものでしかなかったマギウスの副作用が何らかの形で200年後には神の祝福へと変わっている事もヴァルヴレイヴ本体が関わっているんでしょうかね?

カインの命令で、洋館に招かれたイクスアインはマギウス側である101人評議会の生け贄でしかなかったなんて…

またヴァルヴレイヴという力を持ちながら、それ故の苦悩に悩まされるハルトと、ヴァルヴレイヴという力さえあればリーゼロッテを自身の手で救う事ができるのにそれさえも叶わないエルエルフの苦悩、それぞれが「半分こ」になる事で革命へと漸進していく。

次回、ついにヴァルヴレイヴの開発者でありハルトの父親である時縞博士が登場!?{/netabare}

(2013.11/21 18話)
{netabare}過去のリーゼロッテとエルエルフがアバンで登場してましたが、ついにリーゼロッテとの再会がみられるんでしょうか!?

地球にいるジオールの人々をドルシアから解放する為に行動するハルト達。そんな事よりハーノインは、どうなったのか?
ヴァルヴレイヴラジオ(第22回)でも話題になってましたがホント、どなまで(どなたかハーノインを見つけた方はこちらまで)ですね。
もしかして、それが分かっているからイクスアインは一言も喋らなかった?
それにしてもキャラの作画が崩れているのが今回は目立つような^^;…

彼女の世界を守りたい、例え彼女以外を犠牲にしてまでも… それがエルエルフ、基ミハエルの変革・革命。
ヴァルヴレイヴとハルト達、ジオールの学生(パイロット候補生)は人類そのものに対する革命の手段でしかない。

「リーゼロッテ、俺に浚われてくれ。」とかキザな台詞ですけど何か格好よく見えてしまいますね。
18話を一言で表すと、決別と再会とですね。{/netabare}

(2013.11/30 19話)
{netabare}愛する人を守る為、ドルシアを裏切り敵国(正確には中立国であるジオール)に亡命し建国を促したエルエルフの目的はドルシアの革命ではなくリーゼロッテを救う事だったなんて…・゚・(ノД`;)・゚・

カーツベルフ(サキがジャックして乗り移ったカルルスタインの少年)の異常にアードライ実は気づいてるんじゃないのか?って思うくらい順調にきてるな、なんて思ったら(゚д゚;)!アードライに見つかったサキだけど、この場をどう切り抜けるのか?

クーフィアはカイン大佐に忠誠を誓っているというよりは、こっちに居た方が楽しそうだからなんていう理由だろうな^^;
ハーノインの末路?を悟った今のイクスアインはジャックされていない限り、怒りそうではあるけど…

OSのピノもまたリーゼロッテと同じ肉体を持たないマギウス(第1世代?)でリーゼロッテは人の身体を移し替えながら生き、ピノはOSという機械の器へ乗り移った事でヴァルヴレイヴが情報原子であるルーンを燃料とするキッカケとなった?

ん?「私たちは人間の体を次々と乗り換えて生きながらえてきました。」と言ったリーゼロッテの言葉が真実ならエルエルフが愛した彼女は既にマギウスに乗っ取られたリーゼロッテだったという事?

いやいや、「速い!」じゃなくて自分の射撃の腕を疑ったらどうなんだよクーフィア?だからナイフでの戦闘が得意なんだろ!

リーゼロッテを助ける目的をうしなったエルエルフは、この後どうなるのか?また少しずつ暴かれつつある世界(マギウスの秘密やヴァルヴレイヴが人為的なマギウス・人間を凌駕した次世代の霊長類の筆頭の為に必要な存在)は、どう収束していくのか?見物ですね!!!{/netabare}

(2013.12/7 20話)
{netabare}リーゼロッテという光を失ったエルエルフ(ミハエル)は再起する事はできるのか?また101人評議会なる存在はマギウスの生存本能の表れであり共存できる未来はないのではないか?

等々、疑問はありますがエルエルフの知力を使えないハルト達にドルシアと対抗できる手段があるとも思えない。やはり彼の力が無いと何もできない学生のまま…という訳でもなさそう。ショーコ達はショーコ達で物資の支援を受け持ってくれる所を探していたみたいだし、とてもカップ麺をラリアットで倒しまくっていた人と同一人物とは思えないくらいに成長してますね。

絶対的な力でもない限りドルシアには勝てない。その力の1つが知略だとしたら、もう1つは武力(ヴァルヴレイヴの覚醒)?

ハーノインのピアスに隠された仕掛け、イクスアインは気づいていたみたいですがカイン大佐に関する情報だったりして。
それと何とかアルスの協力を得る事ができたが、それはヴァルヴレイヴの技術をアルス側にも提供する条件付きなんじゃないかと考えてしまう^^;

ついにカミツキの秘密が全世界に暴かれましたが、まさかこれが「世界を暴くシステム」の結果じゃないですよね(゚д゚;)!?{/netabare}

(2013.12/14 21話)
{netabare}アルスとドルシアが裏で取引をしていたから起こった茶番劇と言うにはあまりにも不謹慎すぎる殺人劇。
自分達が101人評議会に利用されていると分かっていても自国の利益・ヴァルヴレイヴの破壊、もしくは強奪を未だに計画していて中立国であるジオールを攻撃する正当な理由付けの為だとでも?
だとしても、いきなり武力で制圧するのは正当防衛でもないしおかしいだろヾ( ̄o ̄;)オイオイ

それにしても、ショーコだけはあの動乱の最中終始みんなの命を気づかっていたのは一国を背負う総理としての立場上やむを得ない事なのか・はたまた父親の死を間近で見てしまった事によって同じ悲劇を繰り返させたくないという思いからなのか。

おいおい、このままじゃ「世界を暴く」どころか本当に暴きたい事を暴く前に人類から見放されて死を待つだけになってしまうぞ?

こんな裏切られ方ないよ(-_-;)今まで、みんなの為に頑張ってきたのに…自身が追いつめられればすぐに他人を切り捨てるなんて。(1人の命と多数の命どちらかしか助けられないとしたらどちらを犠牲にするか?)

犬塚先輩はアイナに嘘をついていた、好きと言えなかった自分自身と引き換えに守ったものは…ハルトの気持ちとみんなの命だった・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.12/19 22話)
{netabare}200年後の世界にも咲森学園が保存されているという事はモジュール77をそのまま取り込んだ形の国家なの?
それにしても200年後の世界の王子と呼ばれている少年、外見はエルエルフですが瞳の大きさ・色はハルトそっくりですね。まさか、ハルトは意識だけの存在になってエルエルフ(クローン)の中で生き続けているとか?

戦争互助組織から国家へと変わったドルシア。その頃から101人評議会(マギウス)がドルシアのバックに居たとしたら、人類vsマギウスの対決は起こるべくして起こったとしか…
それに立ち向かうヴァルヴレイヴのパイロットであるハルト達は人類とマギウスのハーフとして造られた呪いを受けた存在であると同時に共存関係という祝福を手に入れる為にヴァルヴレイヴが必要だった。

「はんぶんこ」、何もかもそう容易く分け合う事はできない。だけどそれを願い、行動に移す事で変わるかもしれない
。ハルトのように半分、人間でもう半分はマギウスとなった身体で平和を願い、エルエルフはあの時終わるはずだった命をリーゼロッテに救ってもらった(髪を切る事で命を半分わけ与えてもらった)一件でリーゼロッテを救い出す事で彼なりの恩返しをしたかった。

男は拳でしか語り合えない?とはよく言ったものですが、今回の件で人間であるエルエルフとマギウスであるハルトが分かり合えた事は世界を対立の構造から協調の構造へと変えるキッカケとなるのでしょう。{/netabare}

(2013.12/28 23話)
{netabare}かつては共に革命を誓った仲間だったエルエルフ。だからアードライは一緒にその誓いを成し遂げたかった。だが、その革命へと続く互いの道はヴァルヴレイヴの出現によって別れてしまった。しかし、アードライの道は友を失ったイクスアインの協力を得て再び光が差しはじめる。

てっきりアードライ組む事は、もう無いと思ってましたがまさかの展開デーゲン!?(゚д゚;)
それにエルエルフの「言ったら信じてくれたのか?」の問いにアードライが僅かなためらいを見せたのは許す気があったんだろうな^^;

ヴァルヴレイヴOS・ピノの兄であるブルーに101人評議会の面々が一目を置いているという事は、黒幕はカイン大佐ではなくプルー?

何気にエルエルフがドルシアの軍服に袖を通すシーン、2期のPVでもありましたがここまで待たされるとは…

クリムヒルトは、ハルト達がモジュールを奪還する事に少なからず希望を持っている。彼女もまた王統派の1人であり今の反王党派が統べるドルシアを快く思っていないから。それにしてもドルシアはマギウスの後ろ盾が無かったら今頃クーデターで情勢が安定しないまま最悪、崩壊してそう^^;

次回、最終回なのでジオールとドルシアの決着は着きそうですが色々と消化不良な幕引きとなりそう。{/netabare}

(2014.1/2 24話)
{netabare}ドルシア総統もマギウスで合った事が世界へと暴かれてしまった中、カインが強奪したヴァルヴレイヴ2号機(ダーインスレイヴ)で出撃する。そのドルシアはマギウスの謎を秘める為にジオールと戦い、そのジオールはマギウス・世界を暴く為にドルシアと対峙する!

ダーインスレイヴの装備が3~6号機の寄せ集めみたいになっているのは残念です^^;唯一、槍の装備はダーンスレイヴ独自の物ですがイデアールの頭が付いてるってwww
このダーインスレイヴ、wikipediaによると北欧神話に登場する魔剣で鞘から一度引き抜かれ生き血を浴びると完全に血を吸い尽くすまでは鞘に戻らないという代物なんだとか。
まさに、マギウスらしい兵器のネーミングですね。

最終決戦なのにハルトが戦闘にほとんど参加しないのは、エルエルフとカインとの関係に終止符を打つ為だったと思いたいです。にしても深刻な状況に陥り、エルエルフをジャックする時のハルトの焦りにも似た表情がなぜか笑えるww

ハルトたちが守った世界は、第3銀河帝国の礎となりカミツキ(疑似マギウス)を呪いの象徴から祝福の象徴へと変えるキッカケとなった。{/netabare}


1st.seasonも含めてあっという間の2クールでしたが、200年後の世界に住む人々は人類と共存できたのでしょうか?
それに王子と呼ばれていたあの少年の正体や、ドルシア・ジオールのその後など描かれていない部分が多いので終わり方には納得がいかないです。
キャラに関してもクーフィア以外は個性があって好感が持てました。
もちろん、クーフィアにも強すぎる個性がありますがただの戦闘狂です^^;パーフェクツォン・アミーとしてはエルエルフの次に優秀でしょうけど人間性の面ではちょっと…(゚д゚;)

前述したように納得のいかない部分が多い、期待していただけに残念ではありますがコミックスや小説などのメディアミックス作品でもあるので、アニメでは描かれなかった所を描いていってもらえると個人的には嬉しいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

カリューム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ちょっと内容を整理させて欲しい・・・(書き途中)

一期から時間が経ち、興味もだいぶ薄れていましたが、やっぱり謎を残したままというのは気持ちが悪く、最終話まで放送したあとに一気に見てみました

結論を言えば、「謎は明らかになったけど、わからないことだらけだった」でした

ここからはネタバレです
{netabare}まず作品の世界観というか流れを振り返らせてください
※ぶっちゃけうろ覚えだったりするので、勘違いがあるかもしれません

1.マギウス地球に来る
2.マギウス生物に乗り移る
3.マギウス人類に気味悪がれてしまったので、隠れることにする
4.ジオールがヴァルヴレイヴ作る
ここからは本編一期
5.ドルシアがジオールを奇襲
6.ハルトくん一号機でドルシア攻撃
7.なんやかやで咲森国爆誕
8.なんやかやで月目前でドルシアに攻撃され、弐号機がマギウスに奪われる
ここから本編二期
9.弐号機を退けて月到着
10.地球に行く事にしたが、ドルシアに到着
11.ドルシアでヴァルヴレイヴの開発者にあって、カミツキについて知る
12.エルエルフの想い人を発見保護したと思ったら、助けられて、助けられなかった
13.ファントムの船を捕まえる
14.マギウスにしてやられて、咲森国で大量虐殺がはじまる
15.逃げる
16.ドルシアとアルスが結託しようとしているので、阻止し、弐号機をぶち壊す
17.世界が大荒れ。人々は疑心暗鬼になるも、咲森国民は何人か生き残り、新たな国を作りました

う~む
こんな感じでしょうか?
とりあえず謎は全て明らかになったのかな?

個人的に分からない部分というのは、「なぜこんなにしっちゃかめっちゃかにしてしまったのか?」ですね

とりあえず、終わり方がもうなんなの?って感じでした
物語の流れ的には「マギウスと人間が共存する世界を作る」というのが最終的な目的になったわけです
いわゆる「相互理解って大切だよね!」みたいな感じ
主人公二人はそんな世界の実現のためにマギウスの存在を世間に知らしめます
隠そうとするやつをぶっ飛ばして、自分たちカミツキを暴いたときの意趣返しをはかります

ここで疑問なのが、マギウスと共存しよう的なエンドだと思いきや、主人公二人はいなくなり、ショーコちゃんが未確認宇宙生物とコンタクトを取っていることです
なぜその場面がラストなのか?
結局マギウスたちとはどうなったのか?
せめて最後にそこを描けよ(゚Д゚)
なぜ未確認宇宙生物とのファーストコンタクトを描くのか?

他にも細かいですが疑問点が
{netabare}1.なぜドルシア総督がマギウスだとわかったのか?カイン大佐がマギウスなのはわかってたけど、あいつがマギウスかどうか知るずべはなかったのでは?
2.なぜエルエルフはマリエを即始末しようとしたのか?雑すぎだろ。ハルト来ないからイラついてたんですかね・・・
3.なぜハルト以外はルーンを補充しないのか?一号機はOSちゃんの分も補充しないといけないのかもしれないから、ルーンの消費が激しいのかもしれないけど、ほかの人が一度もルーンを補充してないのはなんなのか?
4.ファントムの船を捕まえていたのは何だったのか?そもそも「月にファントムの船が向かっている」→「捕まえよう」。何故なのか・・・?{/netabare}



良かったと思える部分も無くはない
しかし、正直展開についていくのがやっとだったのと、上記の疑問点に「んんんんん?」となりながら見ていたのであまりいいとは思えませんでした
もう少しやりようがあったのでは?と思ってしまうので、惜しい作品だったとは思います

山田と先輩をもっと活躍させて欲しかったし、マリエの話も掘り下げて欲しかったな
あんだけ頑張って、その頑張りを知ってるのがハルトとエルエルフだけって寂しすぎるだろ(´・ω・`)
せっかくアキラちゃんとも仲良くなり始めたとこだったのに・・・
ルキノさんも物語から退場してる時間が長すぎたような・・・
ハルトくんとはいろいろあったんだから、そこらへんをもう少し描いて欲しかったかな
そういえば結局なんでチョメチョメしてしまったのかわからなかったな
あと主人公はヴヴヴを壊すと言ってましたが、あれはどうなったの?
マギウスとの共存という方向に向かったゆえの心情変化というふうに捉えることもできますが、作中で明言したりして欲しかったかな

そういえば、クーフィアというキャラがいましたが、あいつって実は裏切り者としてエルエルフ達が殺したやつと仲が良かったりしないかな?
そうだとすると、例え仲が良くても裏切り者は殺さなければならないという現実を最も心に刻んでいたのはクーフィアだったのかもと思うのです
戦闘狂っぽく描かれてましたが、実はエルエルフ達を仇として恨んでいたのかもしれないと考えると、面白いかも
{/netabare}

いったんここまで

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

クソアニメとは何か? それは例えば登場人物がシナリオの都合で軒並み馬鹿になり、非常識極まりない行動を取ったりし始める作品のこと

あまりにも笑ったので衝動的に書いてみました。
21話。凄かった。神回と呼ぶにふさわしい。

2013/12/07配信の21話、ニコ生アンケートでは
(①とても良かった ②まあまあ良かった ③ふつうだった ③あまり良くなかった ⑤良くなかった)

①24.2%
②6.7%
③6.4%
④9.6%
⑤53.0%

⑤が過半数超え、①が30%割れなんて初めて見た(ノ∀`)
つか53=ゴミなんて出来すぎで、これも仕込みなんじゃと疑うレベルw


【参考】他作品のアンケート ①とても良かった の割合 
 ※()内は配信日

のんのんびより
7話(11/28)95.4%  8話(12/5)96.0%

てさぐれ!部活もの
8話(11/24)94.8%  9話(12/1)94.6%

キルラキル
8話(11/24)93.0%  9話(12/1)93.7%

蒼き鋼のアルペジオ –アルス・ノヴァ-
8話(11/28)86.4%  9話(12/5)94.0%

弱虫ペダル
8話(11/29)93.1%  9話(12/6)95.1%

アウトブレイク・カンパニー
7話(11/26)92.9%  8話(12/3)90.4%

東京レイヴンズ
7話(11/27)76.4%  8話(12/4)69.6%

ストライク・ザ・ブラッド
8話(11/28)80.9%  9話(12/5)78.1%

IS<インフィニット・ストラトス>2
7話(11/25)52.0%  8話(12/2)52.2%

BLAZBLUE ALTER MEMORY
8話(11/29)80.4%  9話(12/6)62.1%

メガネブ!
8話(11/24)57.5%  9話(12/1)72.0%

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21話 嘘の代償
{netabare}> ドルシア総統によって、カミツキの秘密が暴かれた。
> さらに、101人評議会の情報操作により、ファントムによる殺人もハルトたちのせいにされ、
> 世界は一気に彼らの敵に回る。
> 危険生物の駆除という名目の下、次々と殺されていく生徒たち。
> やむを得ず逃げ出したハルトたちだったが、モジュール77は既に大艦隊に取り囲まれていた。
> そんな窮地に陥る中、一部の生徒たちがハルトを拘束する。
> ハルトを差し出すことで、自分たちだけ助かろうというのだが……。
{/netabare}

とにもかくにも雑で急。説得力不足。
{netabare}ドルシア、アルス、ジャーナリスト皆グルでジオールへのなすりつけが見え透きすぎの{/netabare}
茶番、誰も信じないでしょ。
{netabare}学生を無差別虐殺する{/netabare}非人道的行為を大統領主導であんな軽率に行うなんて、
視聴者の多くが不快に感じるのが妥当。
{netabare}「奴らは人間ではない! (不死の)危険生物7号だ!」と言いつつ射殺。
いやいや、あっさり死んどるがなw 不死としつつ殺す矛盾。{/netabare}

ハルトもショーコも揃って馬鹿。ちゃんと説明しないし衝動的に行動して人の話を聞かない。
シナリオの都合なんであろう方向に話をシフトさせる操り人形と化していると感じてしまいました。
{netabare}ハルトはうっかり口を滑らせすぎだし、ショーコは手のひら返しが早すぎ。
視聴者的に茶番で非人道的でご都合と映っているに過ぎないアルスに、ハルトをあっさり売るショーコ。

引きこもりエルエルフさん、あっさり捕縛、ハルトと共にアルスへ売られる。以前も見た光景だけど。
「買いかぶられたものだな」てのもなんかズレてる。
無気力ならそんな台詞出てこないはずだし、やる気あんなら捕まんなよだし。

常識人的振る舞いを見せた犬塚先輩、戦死。
「信じてもらえなくても、憎まれても、俺は!」仲間を守ろうと奮戦したのに…{/netabare}

バトル描写がまともでも、キャストが豪華でも、
シナリオのとんでもなさが全てを覆し、どうでもよくなる。
ホント凄いです。

監督:松尾衡
シリーズ構成:大河内一楼
21話脚本:熊谷純


「ボクジャナイー」⇒監督と脚本家で責任のなすりつけ合いかな?
「ジャッジメントする!」⇒視聴者にスタッフが裁かれるんですね
と話題をかっさらってきた(たぶん)ヴヴヴ、いったいどこへ行くのか。
全24話とのことで残り3話、ちゃんと終われるのか。
劇場版作って結末すんじゃね?なんて声もあるけど、
こんなのに一文も払いたくない人ほとんどなんじゃw
気になるのでとりあえず最後まで観ます。ある意味楽しみ。
(2013/12/08初up)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

68.3 2 パイロットでバトルなアニメランキング2位
ブレンパワード(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (163)
883人が棚に入れました
自然災害で荒廃した近未来の地球を舞台に、海底から浮上した謎の遺跡・オルファンとともに宇宙へ飛び出そうとする思想を持つリクレイマーたちと、それを阻止しようとするサバイバル艦ノヴィス・ノアのクルーたちとの物語である。

声優・キャラクター
白鳥哲、村田秋乃、朴璐美、青羽剛、渡辺久美子、磯辺万沙子、名越志保、佐古正人、堀部隆一

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

女体がすごい。自然崇拝原始共産制的母系社会という富野氏の理想か?

 地球と裸体の女性から始まる物語。プレートから生まれるブレンパワード。こういうところから「母」の物語だろうというあたりが付きます。がそれだけではなさそうなのは見ているうちに感じられます。

 キングゲイナーで「漢」を描いているのと対照的に「女」な気もしますが、本作の方がテーマの幅は広いし深さを感じます。

 富野氏はミソジニー(女性嫌悪)であることは過去作でわかりますが、しかし母性としてマリアとしての女性に対する憧れもあると感じます。バブル経済やフリーセックス的な退廃などへの嫌悪などもあるでしょう。そして、軍事覇権国家としてのアメリカ嫌悪。核兵器嫌悪。原始共産制への憧れ。平和主義というよりは母系社会的自然崇拝です。

 ストーリーは、唐突な展開で一見分かりづらいですが、ちゃんと見ていると普通に話はわかると思います。むしろ、キャラの言動に戸惑いが残ります。
 ですが、ちゃんと対比として女性の生き方について表現しています。戦いや地球の滅亡を図るオルファンにいるときの特に女性たちの言動が頭を使って優秀ですが攻撃的で非常に感情的です。一方でノヴィス・ノアにくると女性たちは他人を思いやれるようになります。言動がちょっとスピリチュアルになってくるので違う意味で論理性に欠けるように感じます。
 ブレンパワードの制服が非常にフェミニンな感じでマタニティに見えなくもないのは意図的でしょう。もちろん比瑪は姫。つまりお姫様です。

 またオルファンを牛耳っていた伊佐未一家。ジョナサンによる母と姉の不倫というか親子丼みたいなバブル的退廃…権力至上主義とあいまって結果的にイケメンに操られるところなども描かれています。家族崩壊です。
 一方で、バロンとジョナサンの関係性がオチになっているところもまた、家族関係についての愛憎劇になっています。
 家族の因縁はいたるところに描かれていました。その一方で孤児である比瑪ちゃんなり子供たちが重要な役割を果たすことから毒親、親のエゴなどの視点もありました。


 オルファンはそのまま「孤児」という意味です。比瑪ちゃんが孤児院にいたことと子供たちがでてくることが重なります。ビープレートが子供あるいは孤児という意味ですね。
 プレートからブレンパワードなりグランチャなりが生まれることや、ビープレートが対になっていることから子宮とか精子とか男女のアナロジーでもあり抽象的な生命を産み出す仕組みのようにも見えます。登場人物がほとんど男女ペアになって行きますし。
 そもそもオルファンが初めは2つが争っていて、一方が女体なら…も一体は、という宇宙夫婦喧嘩だろうなという想像もできます。つまり、本作は性交妊娠出産育児という具体的な事象のアナロジーと遺伝、社会をつないでゆく子供たちという抽象的な象徴とがあえて曖昧に描かれていた気がします。

 オーガニック…と言う言葉は有機ですね。無機=機械との対比です。花のエネルギーですからね。それと人のつながりですから、随分と牧歌的な結末ではあります。

 と言う感じで盛沢山のものが入っているので、ストーリーそのものは唐突感がありますが、どこかに考えさせられる要素があるし、結果的に面白いです。3話くらい乗り切って見方がわかると面白くなります。

 アニメそのものの全体の設定は、やはりベースにはガンダム+エヴァという感じですね。リアルロボットに世界系的手法を入れて見た感じです。一方で「マクロス」で有名な河森氏の「エスカフローネ」時に顕著に見られた自然崇拝も感じます。オルファンの設定は「ラピュタ」+映画「インデペンデンス・デイ」のような感じがしました。


 ガンダムのララアとか、逆襲のシャアの女たちとか、Vガンダムのカテジナとかなどとのつながりを感じます。
 そういうものを分かりやすく抽出した「女」「母性」「出産」の話ではありますが、しかし、比瑪ちゃんは内面がほとんど描かれないのが面白いですね。結局富野氏は女性が単独では描けないのでしょう。

 むしろ伊佐未一家の母姉とユウの内面描写が見どころだと思います。グチャグチャともめている一家の醜さとか男から見た「おっかない女性・ビッチ」に見える女性という点で非常によく描けています。もちろん女性から見たらそんなのは男の幻想でしょ?という気もします。


 女性といてばそれにしても「女体」がいいですよね。もちろん全裸OPが顕著です。女性の輪郭線をよく見ると分かると思いますが、非常にリアルな線でしかも美しく描かれています。それでいてエロくないけど女を感じる素晴らしい線画でした。服装も胸を強調していますし。女体の描き方についてはアニメで一番すごいかもしれません。

 OP曲最高です。歌い手の方は他のアニメや曲でお見掛けしませんが、アニソンの中ではベスト10には入るいい曲です。

 ということで、少子化の今。本作は注目されていいのではないでしょうか。昔見終えましたが深く入り込めなかった印象がありましたが、改めて最近ちょこちょこ見ていたら、のめり込みました。本当に面白かったです。

 ブレインでパワード。頭脳で強化された。意味は?「お前等頭をつかえ」?




 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

理解できるけど理解しがたいアニメだった

サブカル系アニメには多い理解できるけど理解しがたいアニメ

父親が異常なほどにアニメ好きだった反動からか、私はアニメ自体余り得意なほうではなく、ガンダムとかもまるで見たことが無いのだが、調べてみるととある有名な監督の影響でこうなっているとの事だ
有名なのにキャッチーじゃない作品というのもおかしな話だが

話を戻すと下手な雰囲気サブカルアニメよりも非常にテーマが曖昧、遠まわしで難解になっている分演出自体はわかりやすい人間模様が見える

これが典型的な雰囲気アニメと貶められるアニメだとやりたいことはわかるが伝え方がもっと芸術性を高めようと抽象的なものになる事が多い(結果何かを誤ってホラーやグロアニメ等と称されることになる)

要するにこの監督が他にどんな作品を作っていて、この人はどういう趣向や性癖をしているか私の知る由ではないのだが、この作品を見た上で言わせてもらうなら自己主張の通し方がある意味でうまい人だとは思った

これはもう土台からしてわざとわかりにくく作っているのは明白だが(正直この人は雰囲気アニメを作れない直情型、というよりもキャラ立ちや台詞回しその他演出を見る限り、人を楽しませられるエンターテイメント性に強い人だと思うからこれは失敗だと思う)

もっと娯楽性に富んだキャッチーなアニメを製作した場合、物語性に於ける面白さだけに優先せずにそこに一貫したテーマや意味、伝えたいことをしっかりと封入できる才能があると思った

例えば昨今で多く量産されている若者などに大人気の萌え系、モテモテ系やらバトル系やらにはそういったものは介在しない
これは話に何の意味も持たせず、瞬間的な多幸感や娯楽性を重点としているからだ

当然そういったアニメはまた一つの正しい形であるが、古くから続けられてきたロボット作品などには大体一貫したテーマ、反戦争やらなんたら主義についての意見等が物語性に含まれているらしい
こうなってくると、物語を進めていく上での謎や伏線を回収していくにつれて第二の物語が進行していく様を垣間見るのは、悪者が現れてそれをただ悪いというだけで倒すだけで終わらせたり、なんか楽して強くなって何の脈絡もなく女の子にエッチな事してもらえたりしてグッドエンドするのとでは視聴への楽しみが二倍違うわけだ

小説やシリアス系の映画を好むタイプであれば、やはりアニメにもこういった伝えたい主張や意見を汲み取った上で納得できる楽しみがあれば面白さはぜんぜん違う

そして、こういった主張をしつつエンターテイメント性を欠く事のないだろうこの監督には頭が上がらないばかりだ

この作品では悪い部分が垣間見えた結果だと思われるが、少なくとも私としてはこの監督は高い評価に値すると考えられる作品だった

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オーガニック的な台詞で印象に残りやすいSFロボットアニメ

このアニメは、「機動戦士ガンダム」などで
非常に有名な富野監督が制作した作品の一つである。
「白富野」作品の一つとして、あげられることが多い。

大きな特徴としては、タイトルでも挙げている通り
独特な台詞回しだ。
普段の会話では、めったに出てこないだろう。
例をいくつか示す。

「な、なんだ?この、げっっそりする感覚は!」
「死ねよや!」「ストレッチくらいさせろよ」
「それはよくない」 「ひゃっこい!!!( >Д<)」
あまりにも多すぎるのでこの位に。

一番難易度が高いと感じたのは、主人公の勇が
ヒロインである比瑪に言った台詞
「お前のブレンパワードの扱い方、イエスだね!」 だ。
何回か、リピート再生したのだが
まったくもって理解できない。
このセリフの後、なぜか比瑪が納得しているため
難解さにさらに拍車をかけている。
このやりとりに関し、完全に理解できた方が
いたらぜひ教えて欲しい。

このアニメが良いと感じたところは、
親子関係を丁寧に描いているところ。
主に、主人公・勇の家族と
そのライバルであるジョナサンの
家族に焦点を当てている。

オーガニック的な台詞でやりとりされる故に、
とても印象に残りやすいものとなっている。
また、そのセリフのほとんどが、確信を突いており
考えさせられることが多い。
見ているときは、笑ってしまうのだが。
一番強烈なのは、9話におけるジョナサンと
アノーア艦長のやりとりだろう。
その後の、ジョナサンとクマゾーの会話もすごいが。

OP映像も、脳裏に焼き付くレベル。
なぜか、女性の裸がこれでもかと言わんばかりに
登場するのだ。リアルタイムで見た方は確実に
驚いたであろう。ちなみに、女性の裸があそこまで赤裸々に
映し出されるシーンは、本編にはないのでそれ目当てに
視聴すると確実に後悔する。

良くも悪くも、富野作品が好きな人向けのアニメ
であることは間違いない。某動画サイトで
台詞をまとめたシーン集があるので、それを見てから
判断することをオススメする。
個人的には、間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

77.6 3 パイロットでバトルなアニメランキング3位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1092)
6598人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ありとあらゆるもの 【96点】

「生」の在り方と「存在」の本質を問う、青春ロボットSF。
過酷な戦いと瑞々しい青春グラフィティが共存し、情緒的でありながら「存在」の哲学的考察にまで冷静に踏み込んだ、大好きな作品です。

惜しむらくは知名度が微妙に低い点。
これほど夏、殊に夜更けと朝焼けにマッチする作品もないと思うので、ぜひこの時期に。
SF>青春>>>ロボットな感じなので、ロボが苦手な方でも大丈夫なはず。
ネタバレを避けて、とにかく6話まで我慢強く観ていただきたく。

軽く感想を。

【○良い点】 4つ
①「幽霊」の立場から問う、「生」と「自己」
②貫かれた情緒的SF
③インテリだけど感性的なキョウと、本作のカラーを決めたカミナギ
④OP/ED:ここまで作品の内容・雰囲気とリンクした主題歌を他に知りません。
 特に、電子音の浮遊感に切ない歌詞を乗せたEDは、類稀な美しさ。
毎話のEDへの入りも素晴らしく、何度鳥肌が立ったことか(6、13話は白眉)。

【△少し残念な点】 2つ
①スロースターター: 他人に勧める際には、「6話まで観て」と付言せざるをえない。
②敵の描写:せっかく敵サイドも変化してゆくのに描写が薄く、黒幕も存在感が無い。
 だから、キョウの思想的な対立軸を、身内から出さざるを得なくなったわけで……。
 ここでもっとテーマを語ることができたはずで、すごく惜しい。

【×悪い点】 2つ
①ロボットバトル:CGの拙さ、使い回しももちろんですが、SEが安っぽい。
②ルーシェンのアレ:( ゜Д゜)ポカーン  憧れの発露、にしては行動が過激……。


こっから長々語ります、ほんと長いです、まとめろよ自分……。

■「幽霊」の立場から問う、「生」と「自己」
{netabare}
以下、本作の示す「生」と「自己」の在り方が個人的にドンピシャで大好きだというだけのお話です。

量子コンピュータ内でシミュレートされる波動関数に過ぎない自分たちは、はたして生きていると言えるのか?
そもそも、「自分」なんてものが存在しているのか?
肉体を持つ敵に対し、生命の残滓である自分たちは「幽霊」でしかないのではないか?
本作を貫くのが、この「生」「自己」に対する悲痛な疑問と、それに答えようとする(内面・外面双方において)絶望的な戦いです。

実は本作は、「生」とは何かというテーマに、作品としては明確には答えていません。
データである幻体も、人造生命である復元者も、もちろん肉体を得たキョウも生きている。
煮え切らないっちゃあ煮え切らないけど、丁寧に描かれた舞浜サーバーの幻体たちを生きていないと断ずることは、視聴者心理的にも難しい。
現実でも、倫理学からはクローン人間を否定することはできなくなっていると聞きます。
データと生命の差異という主題は、生命工学の発展により生命の定義が曖昧になった現代においては、より答えが出しづらくなったテーマなのかもしれません。

しかし一方でゼーガペインは、生命の定義が拡散するなかでの「自己」とは何かについては、一つのロールモデルを示しています。
幽霊としての永遠の命も悪くない。
そう言い切ったうえで、それでもキョウは、肉体を伴う「生」を選び取ります。
だって、ありとあらゆるものとガチンコで語り合いたいから。

この理由、(設定で多く取り入れられた)量子力学の「存在とは他者に観測されることによってはじめて確定しうる」というドグマに通じるものが。
また、作中で言及のあった「色即是空、空即是色」にも、「すべてのものが網み目のようにお互いに関係しあって存在していて、単独で存在するものはない」という意味が含まれるようです。
参考:http://www.bukkyo-kikaku.com/no_89_11.htm(※仏教系のページです)
共通するのは、自己が存在しうるのは他者との営みの中においてのみである、という意識。

生命の身体性に疑問符が付きつけられ、肉体に宿るはずの自己の確証も希薄化する時代。
その中にあって、本作は、自己のよりどころを他者に求めます。
個人的な話で恐縮だけど、一人黙々とキーボードでレビューを打ち込んでると、自分の意見に「自分」ってのがあるのか、不安になったりすることも。
でもレビューを読んでいただいたりサンキューいただいたり、その上メッセージまでいただけたりすると、とりあえず他人と同じ/違う意見を持つ自分がいるんだな、と少し実感できたりします。
そういった交流を通じて意見が変わったりもするけれど、そういう変化も「自己」の一部なんですよね。
(そんなことでしか自己承認欲求満たせないネット弁慶乙、とか言わないよーに。
リアルが寂しいんだからしかたねーのです。
空から突然女の子降ってこないかな……)
ということで、揺らぐ実存を他人のまなざしによって補完しあうという「自己」の捉え方は、少なくとも私にはとても好ましいものでした。
「自分探し」の終着点が他者を拒絶して内面に引きこもることだったエヴァから、時は進んだんだなぁとも思えます。

同時に、あえて「肉体」を重視する結論を出したのも、個人的にすごく好み。
また私事になるけど、散歩とか旅行とか好きなので、時々ネットでちょこちょこ調べた場所にふらっと出かけます。
実際に訪ねてみると、得てた情報よりすごかったりしょぼかったり色々なんですが、少なくとも絶対に想像と同じではなくて、それがすごく楽しい。
ネット社会ゆえに、実物を見た時の衝撃というか感触って、一層かけがえのないものになっているようにも思えたり。
そういう感触を味わうには、やはり肉体あってこそ。
森羅万象に素手で触れあえるというのは、決してなくならない身体の強みでしょう。

ただ、この結論がめちゃくちゃ青臭いことは否定できません。
このテーマに沿って観た方でも賛否両論好き嫌いは生じるだろう、とは思います。
いきなり飛び火するけど、まどかを「自己」確立と同時に枠組みとして世界から疎外し、それによって冷徹なまでの最大多数の最大幸福を実現したまどマギは、ほんと効率的で容赦ないなーと感心せざるを得ない。 {/netabare}


■貫かれた情緒的SF
{netabare}
テーマについて長く書きすぎたけど、ゼーガペインのストーリーは純粋に美しく、それだけで楽しめます。
絶望的な展開に青春グラフィティの透明感が強調されるのはもちろん、残酷なSF部分自体もすごく扇情的で心に残る。

これたぶん、本作が設定上ハードSFでありながら、ハードさにこだわっていないからこそだと思います。
「量子論」とか「光」とか、グッとくる単語を魔法の箱として使用することで、ガチガチな論理に支配されることなく、キャラの思いに対応する物語の展開を作り出せる。
整合性を重視した海外のハードSFとは毛色が違ってくるけど、想いが論理を超越する情緒的なストーリーは王道で大好物なわけで、日本独特の情緒的SFと言ってよいと思います。

それを支えるのが、ゼーガの屋台骨たる演出。
また、ご都合主義も疑問も、意外な力技と細かな伏線回収・セリフ回しでフォローしてくれます。
特にセリフ回し、「世界は光でいっぱいだよ」という一言で物語後を明るく暗示しつつまとめるセンスの良さには感服。
そしてやっぱりEDへの入り方が良いアニメは名作。

あと個人的には、幽霊が実存を語る、というテーマの語り方にすごく惹きつけられます。
SF、というか物語の機能の一つは、現実を超えたものを通じて現実を問う、というもの。
この点で、ゼーガは務めて正統派の、「SFしてる」SFだと言えるはず。 {/netabare}


■インテリだけど感性的なキョウと、本作のカラーを決めたカミナギ
{netabare}
AIやオリジナルシマとの問答から伺えるように、キョウって本当はかなりのインテリとして造形されています。
一方メンタリティは一見熱血バカのそれで、実際そう揶揄されてるのを見かけたことが。

でも個人的な見立てでは、それは違うよ、と。
キョウの熱血は、知性を備えた人間が考え悩んでそれでも答えが出ないときに、最後によって立つところの感性を言葉にしたもの。
それが発露するのは想いが理屈を超えた瞬間であり、だからこそ視聴者としては「舞浜シャイニングオーシャンパンチ」なんてクソダサなネーミングにすら笑みと涙がこぼれるわけで。
同時に、自己の思考のみで扱える理論・知識ではなく、他者との交流で育まなければならない感性を大事にする姿は、先に書いた「生」の在り方を謳いあげるのにとてもよくマッチしていました。
善意解釈しすぎかもしれないけれど。
ということで、キョウはスマートさと人間的な熱を同時に感じさせる、非常に魅力的な主人公だというのが私の中での結論です。

あと、絶望的な展開ばかりのゼーガが爽やかな作品として成立しえたのは、ひとえにカミナギのおかげ。
シズノ先輩には悪いけどこれだけは確定事項。
もともとの清涼感溢れる幼馴染キャラに、花澤さんの初々しい演技が合わさって、尋常じゃない瑞々しさとほんの少しの健全なエロスを醸し出していました。

おまけ。
偏見と劣情にまみれたカミナギ名台詞BEST3
1.舌足らずな「キョウちゃん」全般
2.(パイロットスーツを見たキョウの「なんかエロいな」に対し)「ありがとっ」
3.「一緒にいちゃ、やだ?」 {/netabare}


私にとって他に代えがたい作品なので、冷静さを欠いた部分もあるけれど、とりあえずギリギリ今日エンタングル(レビュー投稿)できてよかった。
1年後まで更新したくないから、誤字とかあったら死ねる……。


【個人的指標】 96点

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

マスルール♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【ネタバレ有】「“生きる”ことの、本当の意味を教えてくれる名作―!!」

 
 サンライズ製作のロボットアニメ作品―。


 タイトルの「ゼーガペイン」は、キャッチコピーである、
 ―「消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み」―
から取られた、“是我が痛み(これ わが いたみ)”から来ている―(是我の音読みでゼーガ、痛みは英語でpain(ペイン))。



 ロボットアニメ作品というと、それだけで毛嫌いする人がいるが(実は自分もそうである…)、この作品のメインはロボットアクションではない―。


 それが、良い様にも悪い様にも出ているのだが―、この作品の軸は、ロボットアクションではなく、登場人物たちが、悩み…、苦しみ…、それを乗り越え成長する“ヒューマンドラマ”にある。

 にもかかわらず、この作品が放送されたのは、平日の夕方((木)18:00~18:30)で、この時間帯の視聴者層と言えば、まず間違いなく“子供”である。その子供たちが、ロボットアニメに期待しているのは、ヒューマンドラマな訳もなく、当然、“ロボットアクション”一択だろう(夕飯前に“命”について考え、涙している子供の姿など想像できない…いやしたくもない…)。


 (残念ながら)、作る側と世に出す側の考えが“一致”していない…。それが、この作品が日の目を見なかった一番の要因となったのではないだろうか―。



 前述、この作品の本質は“ヒューマンドラマ”と言ったが、具体的には2つのテーマを、(キャラだけでなく)視聴者に問いかけている。それは、
 ―「生きるとは何なのか―」
 ―「幸せとは何なのか―」
ということ…。


 最初に釘を刺しておくが、この2つの問いに“答え”はない―。
 それは人によって、考える時期によっても異なり、製作者側も、何もこの問いの答えを見つけてもらおうなどとは思っていない。

 しかし改めて、こうして全てを観終わった後に、この問いについて考えてみると、(この作品にハマった人なら間違いなく)、この2つの問いの“本質”…、“本当の深さ”を感じることが出来ると思う―。


 作中では、肉体の有無…、命の限り…、生きる目的…、命を懸ける理由…。様々なことを主人公の“キョウ”たちに問いかけ、それぞれが、自分の意志で考え行動することに意味を持たせている―。


 死ぬまで分からないかもしれない答えを考えるのは、結局のところ、「何のためになら行動できるか…」ということに尽きるのではないだろうか…。

 その何かを考えたとき、“誰かの顔”が浮かぶ人もいれば、やりたいこと…なりたい“夢の姿”が浮かぶ人もいるだろう。
 そうして前へと進む気になったのなら、それが、自分にとっての、この2つの問いの“答え”である―(偉そうに言っているが、自分も言葉に出来る答えはないです、すいません…(汗))。



 この作品を語る上で、もう一つ言及しておかなければならないのが、“最終話のラストシーン”である。あのシーンには間違いなく、製作者側の“想い”が込められており、(シマの置き土産ではないが…)視聴者への“最後のメッセージ”が込められている―。

 (最初に言っておくが、公式に発表された答えは無い。なので、各シーンごとに映された物や風景から、(それぞれが勝手に)、“読み解く”しかないのである。)


 では実際に、各シーンごとに見ていくと―、

 まず最初に“砂浜に埋もれているラジオ”がある。これは、キョウが一人で“リザレクションシステム”を製作していたラボにあったそれであり、そのボロボロさが“時間の経過”を表し、天気予報が放送されていることで、“人類が地球上に復活したこと”を暗示している―。


 次に、EDを挟んで、“古びた灯台”と、ベンチに座って“水を飲む一人の女性”が映される。この灯台は、(ラジオと同じように)、キョウが一人でいた頃は原形を留めていることから、同じく“時間の経過”を表している。


 水を飲む女性だが、これこそが、皆の意見を二分、三分する最大の理由である―。

 彼女は妊娠しており、どこかヒロインの“リョーコ”にも見て取れる(声優が同じなのは問題ではない)。

 ここで可能性として挙げられるのは、①リョーコ説、②リョーコ(とキョウ)の子孫説、③(抽象的な)未来を生きる人類説…である。

 灯台のさびれ具合などから、何十年かの時間経過があったとして、①の場合も十分に可能ではある。しかし、(基本的にハッピーエンドで終わるように作られているこの作品において)、あえて“一人のリョーコ”を映すということに意味を感じない(キョウは病気や寿命で、先に死んだという人もいるが、そうする必要性が全くない)。

 となると、②か③となるが、自分は③の説を押したいと思う。あの女性をリョーコの娘や孫と捉えるよりも―、
 もっと抽象的に、「その後の地球では、また以前のように人類が生活し、次の世代にも彼らの意思が受け継がれようとしていることを暗に示している…」…と考える方が、よりキョウやリョーコたちの“願い”(=また人類が、本物の世界で限りある命を生きること…)に近付いている気がする―。


 (ちなみにだが、この女性が飲んでいた水(コップ)には草が入っている。これは、アラスカ地方に伝わる、「“イェル”という創造神が、神々から光を盗み出す際に、葉に化けて、水を飲もうとする主神(しゅしん)の娘の体内に入り込んでその子として生まれ、神の孫として、そして神々の一人として生まれ、神々の中に潜入した―」という神話を、モチーフにしていると思われる―。

 この作品内においては、イェルとは“シズノ”のことで、実体を持たない彼女が、現実世界で人になるための手段が、女性の胎内に入り生まれることだったのではないか…、という意見が多くある。

 確かにこの作品は、(“ガルズオルム”や“オケアノス”など)神話から引用している部分が多くあり、この“草の葉のくだり”もおそらくそうだろう。しかし自分としては、そこまで完全に神話通りだと考える必要はなく―、シズノが人間になる方法も、具体的に描写する必要はないと思う。

 このシーンは、もっと漠然とした、“新しい生命の誕生を表現している…”ということでいいのではないだろうか―。)



 この作品は、わざわざ分かりやすく説明などしてくれない。自ら深く掘り下げないと、その“深さ”に気付かない―。

 この作品を“良い印象”で観終わった人たちの多くが、もっと評価されてもいいのではないかと思っていることだろう。この作品は、こうしてレビューを書いていたり、他の人達の感想や考察を見ていたりしてようやく、その深さに気付いていく(噛めば噛むほど味が出る…まるでスルメのような作品…って!下手っ…!!…(反省)…)。


 確かにこの作品は、良い言い方をすれば、テンポが良く…、悪い言い方をすれば、深く掘り下げない…。そこが、人によっては“爽快感”を感じたり、説明不足からくる“浅さ”に繋がったりするのだろう―。


 他にも、作画は2006年のロボットアニメということもあって、いかにもなCGに、上手いのか下手なのか分からないレベルの作画力―。

 タグにもあるが、声優はストレートとも棒読みとも取れる演技力で―、世界観も、キョウという“光源”のおかげで明るく見えるが、実際は“重い”設定である。(EDは最高♪)


 そういったものが表裏一体となっているのがこの作品であり、それが、この作品に対して感じる“完璧ではない傑作感”なのではないだろうか―。


 観終わった瞬間、「うわ…、最高だった…」と感動するのではなく、観終わった後、「うん、良かった…、良かったよ…」と、徐々にその良さを実感していく(まるでスルメのような…(反省)…)、そんな作品である―。



 最後に―、“命”をテーマにした作品は数多くある。その中で名作と呼ばれる作品もたくさんある。しかしこの作品は、今までのそんな作品とはまた一味違う、“命を扱う名作”である―。


 この作品はまず、命とは…生きるとは何なのかを問いかける。そして、何度も生きることの苦難を与え、死ぬことのない“永遠の命”がどれほど素晴らしいかを説く―。

 (観ていて思ったのだが、“クロシオ先輩”は実に良いアクセントになったなと思う。「虚構でもいいから死ぬことのない世界で生きたい…」…彼の考えは実に“普通”な考え方で、命を身近に感じてきた者ほど、その不安のない虚構の世界は、実に“楽な”世界に見えていただろう…)。


 現実の世界には文字通り何もなく、得ることが出来るのは“寿命”である。誰よりも生きることを望んだ者が、代価として得られるのが、“限りある命…”…まるでどっかの禅問答だ―。

 それでもキョウや他の人達はその道を選び、その方が良いと感じる自分もいる―。


 現実でもそうだろう―。限りがあるからこそ命を大切にするのと同じように、苦労するからこそ余計に幸せに感じる―。

 “痛み”なく手にしたものに本当の価値は見出せない―。そんな、当たり前だが皆が忘れていることを、改めて気付かせてくれる素晴らしい作品であった―。


 (終)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゼーガペイン放送から10週年を迎えて

2006年4月から放送されたサンライズのSFロボットアニメ(全26話)。

私的に2006年というのは、
日本アニメ界において非常に重大な節目となる年だったと思っています。
本作と同時期に放送された「涼宮ハルヒの憂鬱」は、
アニメ好きだけでなく、普段アニメに興味を示さない層の耳目を集めていましたし、
同年10月に放送開始した同じサンライズの作品
「コードギアス」については、もはや説明不要でしょう。
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた、そんな年だったと思います。
あくまで私感ですけどw
そういう大きな変革期の中で埋没してしまったのが本作「ゼーガペイン」でしょうw
「隠れた名作」、「知る人ぞ知る名作」というような表現がよくされる本作ですが、
一部の間では根強い人気を誇っており、2010年には受注限定でBD-BOXが販売。
そして、放送10週年となる今年(2016年)にはBD-BOXの一般販売が決定。
10月には、新カットも追加した劇場版が公開予定のようです。

ここからはネタバレありで語ります。未視聴の方は読まないでください。
これだけ良く出来ている作品です。
視聴前からネタバレ食らうのは損するどころの話ではないので。


{netabare}まず、ざっとですが本作を振り返ると(只のあらすじなので面倒だったら飛ばしてください)
主人公十凍京(ソゴルキョウ)たちが学園生活を送っていた舞浜市は、
実は虚構の世界(量子コンピューターサーバーに管理されている仮想世界)であり、
ゲームの世界だと思っていた荒廃した世界こそが現実世界であった。
人類はすべて滅亡しており、キョウたちも「幻体」と呼ばれる人格記憶体であり、
コンピューターに保存されたデータだったのである。

そのすべての元凶は超天才科学者のナーガである。
ナーガはかねてより時間の加速した量子サーバー内で人間を進化させる
「無限進化」を提唱しており、それを実現させる為に
致死率98%の「オルム・ウィルス」をばら撒き、人類を強制的に量子サーバー内に押し込む。
その後、ナーガはガルズオルムを組織し、
I.A.L.社のロボットを使い、環境実験空間「デフテラ領域」を世界中に作り始めた。
しかし、ループを観測しサーバーコントロールから離れた存在である
「セレブラント」達は対抗組織「セレブラム」を設立。
彼らはシマが開発した「ゼーガペイン」を始めとする光装甲を纏った「ホロニックアーマー」に乗り、
荒廃した現実世界でガルズオルムと戦い続けていた。(wikipedia「ゼーガペイン」参照、抜粋)


なんでwikiに載っていることを、わざわざここに記載したのかというと、
何故にこんな世界が形成されたのか?
敵は誰で、何の為に戦うのか?
これらの問いに対して、明確に言葉で説明できる素晴らしさを声を大にして言いたいからです。
明確に言葉で説明できるということは、
プロットの段階から設定やシナリオを相当練ってきている証左であると思います。

本作の構成要素を個別に分解していくと、
「どこか(他の作品)で見たことあるような」という、ある意味紋切り型なのかもしれません。
例えば、量子コンピューターの処理能力には限界がある為、
8月31日の午後0時になると4月5日までリセットされてしまう訳ですが、
これは、所謂ループものに内包される事象なのかもしれません。
ですが、本作をループものと言い切ってしまうのは些か乱暴だと思います。
ループものというのは、真の解決に向けてキャラが何度も同じ時間を繰り返すというものですが、
本作はそれを主とする作品ではありません。
ループすることが主ではなく、あくまでループという要素を取り扱っているに過ぎないのです。
そして、ループする原因を明確に言葉で説明できるというのが、
物語に説得力と厚みを持たせています。
こうした明確に言葉で説明できる個別の構成要素をいくつも積み重ねていくことによって、
全体で見ると、他の作品にはない本作独自の世界観が形成されているのだと思います。
例えるならば、誰もが知っている食材を使っているのですが、
それが上手く調理されているので、
出来上がった料理は今までありそうでなかった新しい美味だったと言ったところでしょうか。

本作の楽しみ方やその秘密について、さらに考えていきたいと思います。
通常、我々視聴者は作中の主人公よりも高次元の視点から、
観測者として物語を俯瞰することができます。
本作では、衝撃の事実(物語上の仕掛け)を主人公キョウに提示するのと同じタイミングで
視聴者に提示してきます。
我々視聴者は、衝撃の事実を突きつけられたキョウたちの狼狽、葛藤、
そして、どのように対峙していくのかとキョウたちと同目線で楽しむと同時に、
物語の観測者として、
さらなる仕掛けや物語の結末を予想して楽しむという二重の楽しみ方をしているのですが、
ここでも重要になってくるのが、その仕掛けを明確に言葉で説明できるということなのです。
どの作品がとは言いませんけど、
シーンありきでシナリオを作ったのだろうなという作品は多々存在するのですが、
そのほとんどすべてが設定やシナリオの脆弱性を露呈しています。
視聴者に解釈を委ねていると言えば聞こえはいいんですけどね。
突飛な展開で視聴者置いてけぼり、
真面目に予想していたのがアホらしくなってしまうことが多いんですよ。
それらの作品は、設定や起こった現象に対して
明確に言葉で説明できるということが欠如しているということなんですけど、
その有無は、作品の印象を大きく違えてしまう程重要なのだと思います。

では、これ程の作品が何故に埋もれてしまったのか?
単純に「華」がないからでしょうねw
萌えなど皆無な上、主人公十凍京(ソゴルキョウ)もイケメンという訳ではないしw
中の人と言っても、肝心の主人公十凍京(ソゴルキョウ)役の
浅沼晋太郎さんは、本作がテレビアニメ初出演。
ヒロインの守凪了子(カミナギ・リョーコ)役は当時ド新人のざーさんですからねw
あまりの棒演技に台詞の度にゲラゲラ笑ってしまった程ですw
また、戦闘シーンも迫力不足というのは正直否めません。
ただ、アクションが分かりやすかったというのはよかったと思います。
最近は3DCGの技術が著しく進化していて、迫力も段違いなのですが、
何をやっているのかいまいちよく分からないと感じることがしばしあるので。
あとは、序盤の地味過ぎる展開ですかねw
ファンの間で本作の公然の薦め文句は「取り敢えず6話まで観て」だそうですw
ほぼ同時期の同じサンライズ作品「コードギアス」と比べてしまうと、
圧倒的な華のなさですw {/netabare}


さて、私は冒頭で本作が放送開始された2006年は、
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた年と言いました。
宮崎駿監督の言葉を借りれば、
ポリポリとポテトチップを食べるように消費されているということなのでしょうけど、
2006年から今日に至るまでに、こういった傾向はより顕在化しているように思えます。
2000年~2011年の期間では、深夜アニメの放送本数は2006年の93本をピークに、
そこから2011年までは減少傾向にあったのですが、
2012年は106本、13年は128本、14年は159本、15年は170本と再び凄まじい勢いで
増加していっています。
もはやすべての作品を網羅することなど不可能と言ってもいいでしょう。
従って、「つまらないから何話で切った」、「よく分からないから何話で切った」
という声が増えていくのは至極当然のことなのかもしれません。

私はこのレビューで明確に言葉で説明できる、
すなわち、練りに練られた作品設定やシナリオの素晴らしさを説いてきたわけですけど、
このような状況下で、それがどれだけの重要性を持つのか、正直言って甚だ疑問です。
論理的な骨子、重厚なバックボーン、
そんなものよりも、たとえ唐突であろうとも、ご都合主義であろうとも、
まるで感動シーンを切り売りしたような、
視聴者にとって口当たりのよい、分かりやすいものの方が歓迎されるのではないでしょうか。
そんな風に思ってしまいます。

偏屈な私の知人はこんなことを言っていました。
「アニメは2000年代前半までだね。
それ以降のは一部を除いて視聴者に媚びているようなものばっかで視聴する価値がない」

こういう意見も分からなくはないですけど、
ただ、私はたとえ萌え豚御用達と揶揄されるような作品でも
素晴らしい作品はいくらでもあると思っています。
視聴者に媚びている作品=くだらない作品だとは露ほども思っていません。
どんな作品にも良い箇所はあるという考えです。
キャラが可愛いだけのアニメ? 
それの何が悪いんですか?

その一方で、本作のような骨太な作品がもっともっと評価されてほしいとも思っています。
そのような土壌の形成を心から望んでいます。
ゼーガペイン放送から10週年を迎えて、
我々アニメ視聴者を取り巻く環境は大きく変容しましたけど、
こんな時代だからこそ、より真摯にアニメ作品と向き合っていきたいとも思えます。
まぁ言っても娯楽なので、気楽に楽しむというのは大前提なんですけどねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37

66.7 4 パイロットでバトルなアニメランキング4位
へヴィーオブジェクト(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (636)
3720人が棚に入れました
結局、戦争はなくならなかった。地球という惑星の隅々まで開発の手が及び、一部の権力者達が月面に別荘を建てるような時代になっても、人と人の心の隙間までは埋まらなかった。ただ変化はあった。くだらない殺し合いに夢中になる彼らにも、変化はあった。泥臭い兵隊達の運用は時代遅れとなり、各国の地球の支配権の奪い合いは、『クリーンな戦争』で決まる。そんな世界の、戦争の代名詞。それは――。

声優・キャラクター
花江夏樹、石川界人、鈴木絵理、伊藤静

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

世界と世界観

【2015/11/15 追記】


超兵器によって戦争の概念が一変し、パッチワーク状に戦場が拡散して日常と戦争が混淆し、地球を覆い尽くした世界。

現代的な問題意識を強く想起させる設定と、超兵器にそっけない普通名詞を与えるネーミングが洗練されたSFセンスを感じさせる。

にもかかわらず、視聴後にこうまで粗雑感しか残らないのは何故だろう。


超兵器ヘビィ―オブジェクト(HO)が歩兵によって撃破される描写に矛盾を感じる視聴者が多いようだが、この点についてだけは擁護する余地がある。

缶切りが発明されたのは、缶詰が生まれてから数十年後だった。
いつ発明されてもおかしくなかった非常に単純な道具だが、誰かがこれを思いつくまで数十年の間、缶詰は開封が厄介で運用を限られる包装だというのが社会通念であったわけだ。
似たような例は、ほかにもいくつもある事だろう。

最大限に好意的に解釈すれば、歩兵によるHOへの攻撃は、「ありえない」というのが社会通念であり、これに備える必要など思いつくことができなかったゆえに防ぐことが不可能であったとみることはできる。
鑿と金槌を持ち出さなければ開封できなかった缶詰が、誰も思いつかなかった簡便な缶切りで容易に開封されるように。
主人公たちの窮鼠猫を噛むHOへの直接破壊工作は、結果的に戦術思想のコペルニクス的転換となったのだ、と解釈すれば一応は活劇上の飛躍の範囲内とはみなせるだろう。
「あり得ない」という社会通念の描写が作品上に明瞭な形では見られない、という弱点に目をつぶれば。

粗雑感を生み出すものは、もう少し深い階層にある。


次々と異なる環境で行われる戦争の描写は、あたかもシューティング・ゲームの「ステージ」のようだ。
まさしくゲームのように、さまざまな「ステージ」でボスキャラ=HOをどう倒すかが興味の焦点なのだろうが、ステージを支えるはずの世界の描写はそっけない。

バラエティ豊かな戦場を呼び出す世界の設定は、このレビューの冒頭のような文章を読み上げるナレーションがあるだけで、それ以上の描写はそれっきり無い。
それこそ、ゲームの取扱説明書に「これは、こういう世界という設定です」と一文があるだけでステージ上でのゲームにはまるで関係しないように、「ステージ」の描写がスタートしたらもうそれ以上は用がないと言わんばかりだ。

そのような描写と楽しみ方はあるだろうが、混乱させるのは、この「世界」がどのような意味を持つものであると把握されているのかという、いわゆる「世界観」が半端に導入されてくる部分にある。

主人公の主観的なセリフによって語られる「世界」の「見え方」は、ステージ外の描写がないため、そのまま作品の「世界観」として視聴者に提示される。曰く、

「戦争は、実質的にエリート=HOパイロットだけが担っている」
「エリートに戦争を押し付けることで、人は戦争について考える事を止めている/止めることができる」
「戦場以外の地域では、戦争は無いもののように生活することが可能」

そして主人公が「平和ボケ」を自覚し「現実」とやらに目覚めた後は、ジャーナリストに対して
「平和なところから見世物のように戦争を見物している」
とくる。

混乱の元は、このような世界観は、「国家のような輪郭鮮明な交戦主体が、軍隊のような暴力装置を一元的に独占して管理し、前線と後方を明確に分割して、戦時と平時を意思的にコントロールして行われる戦争」を前提としてしか生み出されないもので、設定されている本作の「世界」=作品内的な「事実」と完全に矛盾している事だ。

超兵器が世界中に分散、配置されて戦闘を行っている「世界」で、国家の領域である国境=ボーダー・ラインが安定的なものでありうるだろうか。
戦闘が恒常的に行われて日常化しているならば、「戦時」と「平時」、「前線」と「後方」の境界=ボーダーも無効化され、戦争と日常世界を区別するという概念を失った異様な「世界」とならざるを得ない。必然的に、「兵士」と「非戦闘員」のボーダーも無意味化するはずだ。

どうしても、この異様な「世界」を、特定の存在に戦闘行為を疎外して、平和ボケした感性を維持できるという「世界観」で把握できる条件が思いつかない。

多様な「ステージ」と、この良く分らない「世界」を媒介するものとして軍の「上層部」が持ち出されてくるのだが、こちらの描写も「世界」と「世界観」の分裂に引き裂かれている。
「現場」から離れた密室で、背広や正装に身を固めた中高年の男たちが、データ処理をするように「人間」を動かす作戦立案をする「上層部」の描写は、陰謀論に目覚めた中学生がイメージする「えらい人」そのままで、はっきりとステロタイプの陰謀家だ。

が、陰謀家が戦争に干渉出来るのは、「戦時」「平時」や「前線」「後方」といったボーダー・ラインを陰謀で動かす/動揺させる事で人や状況を操作するからで、これが陰謀家の力を生み出す根拠でもある。
確かに「世界観」には適合しているのだが、本作のボーダーレスの「世界」では、陰謀家が操作すべきボーダー自体が存在せず、状況をコントロールできる要素が見当たらない。
まして、主人公が開発した「戦術思想のコペルニクス的転換」は、まさしく缶切りのごとく、いったん開発されればマネや改良が誰にでも可能なものだ。
貧困で少数の交戦主体でも大規模軍隊と交戦可能にする戦術革命は、全世界が戦闘状況の中、参戦する交戦主体を爆発的に増やすに違いない、戦争を泥沼状態の一層の混沌に導くパンドラの箱で、力の源泉を絶たれる「陰謀家」の息の根を止めるものだろう。
が、「陰謀家」=「上層部」は何らの危機感も対策もなく、例の「世界観」に安住しきっているかのようだ。

どうも製作者は「世界観」とは設定を並べることだと誤解しているか、設定を並べた「世界」に自動的に適合した「世界観」が生じると勘違いしているように感じられる。

世界観を提示する必要がないシューティング・ゲームであれば、「ステージ」と取扱説明書内の一文に過ぎない「世界」を創るだけで済むだろう。

が、映像作品として観る視聴者の側では、ゲーム制作の方法論で鑑賞するのは無理があるようだ。

この先「世界」の様子が緻密に描かれることがあるのだとしても、「世界観」との矛盾が解消されるわけではありえない以上、視聴を続けていても粗雑感が打ち消されることはないだろう。


【追記】

第7話に、真実の報道の為と称して戦闘行為を行う「ジャーナリスト」が登場し、「隠された真実」(「軍隊」によって隠されていた「真実」)を知らされて悔恨の涙を流す茶番が描かれる。


かつて、紛争地で死んでゆく子供を撮影した報道写真が議論を呼んだことがあった。
シャッターを切る前に子供を助けるべきではなかったのか、と。

救いの手を差し伸べたいという人間的感情と、ジャーナリストの職業倫理に引き裂かれながらシャッターを切ったカメラマンの深い苦悩に比べ、この「ジャーナリスト」の屈託のないデクノボウぶりは何なのだろう。

この、キャラの人格造形の破綻は、製作者の未熟や偏向ではなく、「世界」と「世界観」の破綻がそのまま反映されざるを得ないという必然を示している。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

オブジェクトで雌雄を決するクリーンな戦争時代における「変化の兆し・・・」

この作品の原作は未読ですが、著者が「とある魔術の禁書目録」と知って視聴を楽しみにしていた作品です。それに早々に2クール作品と決まったのも期待に拍車を掛けてくれました。

物語の舞台は近未来・・・この近未来では戦争のスタイルが従前から大きく変化しており、これまでの武器では一切歯が立たない「オブジェクト」と呼ばれる超大型兵器が用いられるようになっていました。
オブジェクトの保有台数との性能差が国力に等しいことから、無駄な流血は避けてオブジェクト同士が戦う「クリーンな戦争」に大きく舵が切られていました。

そんな中、正統王国のオブジェクトのパイロットであるミリンダに出会った、オブジェクトの設計士を目指す留学生のクウェンサーと貴族出のヘイヴィアは、第37機動整備大隊に配属され・・・物語が動いていきます。

あちこちが色々と痺れる作品です・・・^^
まず、留学生のクウェンサーと貴族出のヘイヴィアは共に17歳の若さ・・・
その二人はあらゆる兵器の頂点に君臨しているオブジェクトに生身で向かっていくんです。
向かっていく前から戦力差が尋常じゃないのは誰が見ても明白・・・

核爆発にも耐えうる装甲・・・実弾やビームなど大小100門以上砲門を有する直径50m以上の球状のボディが時速500km/hのスピードで動き回るんです。
どんなに足掻いても人間が太刀打ちできる相手ではありません。

でもここからがこの作品の真骨頂・・・「オブジェクトは所詮人間が作り上げた兵器・・・突破口は必ずある」
クウェンサーの類まれなる設計思想とヘイヴィアの行動力が交錯した次の瞬間・・・オブジェクトが想像を絶する姿に早変わりするんです・・・
小柄な選手がリーチも1発の重さも桁違いの相手をやっつけると気分が爽快ですが、オブジェクトとの戦いはその究極といっても過言では無いと思います。

そしてオブジェクトも海上特化型や下位安定式プラズマ砲を搭載するなど性能も様々・・・
勿論弱点や切り口だってそれぞれ異なってくるのですが、クウェンサーが閃き、ブツブツ文句を言いながらヘイヴィアが強力する・・・これが定番となっていましたが、二人の活躍は目を見張るモノばかりです。

少しだけ冷静に考えると、弱冠17歳の若者・・・しかも一人は軍人でも無い只の留学生・・・
そんな二人に大切な作戦を任せる軍は先見の明があるのか・・・或いは何も考えていないのか・・・
まぁ、見ていて熱くなれるし面白いのでどっちでも構いませんけれど・・・^^

「オブジェクト vs 生身の人間」・・・構図としては確かに面白いですが、2クール分ずっと同じ調子だと中だるみしてしまいそうですが・・・この作品では中だるみという概念すら吹っ飛ばしてしまいそうな綺麗な華が用意されています^^

ミリンダ=ブランティーニ・・・正統王国軍のオブジェクト「ベイビーマグナム」のパイロットとしてエリート街道を進んできた線が細く繊細で儚げな14歳の少女・・・見ていると思わず手を差し伸べたくなるような雰囲気の持ち主です。
「エリート」聞こえは良いですが実態は散々です・・・
・該当者の人権を侵害しても文句を言わず国家の思惑通りに従う人格であること。
・個人の思惑を抑え国家の各オブジェクトに合わせて自分の身体・脳を調整される。
クウェンサーは物語の中でこんな事を言っていました・・・
「オブジェクトが現代の戦争の象徴なら、エリートはその歪みの象徴だ・・・戦争の帰趨を背負わされる・・・たった独り・・・オブジェクトの外郭の厚さの分だけ人との間に壁を作ってる・・・お姫様はいつも独りぼっちだった・・・そして今もあの分厚い壁の中にたった独りだ・・・たった独りで皆んなを守るために戦い続けている・・・」

そんな彼女が普通の14歳としての立ち振る舞いを見せてくれる時があるのですが、これまで彼女が歩んできた軌跡を思うと、涙が出そうになります。
好意を抱いて・・・不機嫌になって・・・時には嫉妬もする彼女は、貰ったプレゼントをとても大切にして喜びや嬉しさを前面に出せる彼女・・・一挙手一投足が可愛らしくて仕方ありません(//∇//)

それでは素直にお姫様推しでこの作品を視聴していたか・・・と問われると答えに困ります。
性格上、一人のキャラを推しながら作品を堪能したいのですが、最近そうさせてくれない作品が増えたような気がするのは気のせいでしょうか^^;?

もう一人の気になる存在は、正統王国の女性将校であるフローレイティア=カピストラーノです。
第一印象は銀髪紫眼でタイトスカートが似合う爆乳のスーパーウルトラハイパーミラクル美人さん・・・(//∇//)
しかもタイトスカートには際どいスリット・・・実在したら目のやり場に困りそうですし、あの足で踏んで貰いたい・・・そんな欲求が脳裏を横切ったのも私の初体験でした(//∇//)
でも・・・彼女の最大の魅力は自分の運命に必死に抗っているところです・・・
中には彼女を道具程度にしか見ていなかった貴族がいましたが、そんな言動を彼女に吐き捨てた登場人物には正直イラッとしました。
本人の事は何も考えない・・・頭にあるのは保身と家の存続の事だけ・・・
フローレイティアが戦場に身を置きたくなる理由が良く分かります^^
だからこそ、クウェンサーとヘイヴィアとは同じ戦火をくぐり抜けた仲間同士として本音で接する事ができる・・・ある意味心の安らぎの場だったのではないでしょうか^^?
これはお互いの利害も一致しているので問題は無いと思います・・・でもお姫様が嫉妬しなければ、ですけれど^^;

それと、この物語のキーパーソンとして「おほほのひと(CV:金元寿子さん)」と「ワイディーネ(CV:新井里美さん)」は外せません。
エンディングのテロップを見て「おほほ」と見た時には思わず吹いてしまいましたが、エリートとして魅力的なキャラだったと思います。

オープニングテーマは、「One More Chance!!」「Never Gave Up」
どちらもALL OFFさんが歌っています。
エンディングテーマは、鹿乃さんの「ディアブレイブ」と井口裕香さんの「変わらない強さ」
重低音の効いたオープニングは格好良いと思い、カラオケでチャレンジしてみましたが、思った以上にキーが高く苦戦しました^^;

2クール全24話の作品で、思い切り堪能させて貰いました。
続きを示唆する終わり方でしたが、原作のストックはあるのでしょうか^^?
この作品・・・続きがあったら絶対見るのに・・・^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

設定を考えるのが好きなんだろうなぁ・・・

【3話まで見て を追加】
ここでリタイアです。

【1話見て 冒頭5分の設定ドヤ顔感】
{netabare}その世界、その世界観に入り込めるかどうか、が重要な1話。
そんな1話の冒頭5分が苦痛だった。
なんか、ドヤ顔を至近距離に寄せて迫られる感じ。

 俺、すげぇ設定考えついちゃったんだよね!
 君たち。設定とか、適当だと五月蝿いっしょ。
 だ、か、ら。
 考えちゃいましたー! 
 どうどう?こんな技術考証。
 どうどう?こんな装甲設定。
 すげぇっしょ。
 すげぇっしょっ!
 こんなん出来たら。
 そりゃ~世界の覇権図も変わるよね~!!
 だよね?だよね?
 俺ってこんな設定とか考えついちゃうんだよね~!
 これなら、煩型の人々も文句出ないっしょ?
 こんな設定の世界の物語、楽しんで下さいよーっ!!

みたく。
分かりました。
分かりましたよ、設定に拘りがあるのはね。
でも。
こんな独りよがり極まりない、暑苦しさしかないオナニーショー見せられても困るって。
冒頭からこんな暑っ苦しいもん見せて
「この世界観に引きずり込んでやるー!」
とかやられたらたまらんって。
「マクー空間に引きずりこめー!」
じゃ視聴者は厳しいって。
拒否反応示しちゃうって。

ガールズアンドパンツァーで、物語の冒頭から
「戦車道とはっ!」 
とかやらんでしょ。
作品見せ場となる戦車戦のサワリを冒頭で見せて、作品世界に対して、観客が自ら進んで行けるようにしてるわけじゃん。
引きこまれていくわけじゃん。
引きずり込むわけじゃないじゃん。

本作ならさぁ、締めでやった巨大ボールが撃ちぬかれるシーン。
アレを最初にやる。
で、時間を巻き戻して、長官とか整備ババァとの話の中で、世界観を示していきゃいいじゃん。
オブジェクトの設定は、主人公がエンジニア志望なんだから、その中でやれるじゃん。
「あれ?オブジェクト無敵みたいな話してるけど、冒頭でぶち抜かれてるぞ?」
みたく視聴者に思わせて興味を引こうよ。
原作本がどうなってるのか知らないけど、
もうちょい、本を読み解いて、
もうちょい、視聴者に魅せてほしい。


各話タイトルに”ガリバーを縛る”とかあるから、巨大ボールをぶち抜いたロボを歩兵でどうにか、みたいな話になるんだろう。
どういう風にロボ対人を描くのか楽しみだ。
ま、さ、か。
 戦闘がオブジェクト対オブジェクトで決まる世の中になっちゃってるから、
 極端に振ったトンガッた機体だから、
 オブジェクトに対人能力がありません
みたいな、陳腐でくだらない設定じゃないよね?
設定に拘りがある作品なんだよね。冒頭にやるくらいだもんね。
思わず唸ってしまう設定や戦術に期待したい。{/netabare}

【3話まで見て 鎌池らしさ】
{netabare}キリもいいし、ここまでで十分かな、という感じでリタイアです。

原作鎌池和馬らしさに溢れてますね。

バディものにしてるけど、上条さんの自問自答芸を2人に分けてるだけ。
それだと何だからと、付け加えたのが、どっかで聞いたことがある安っぽいテンプレ戦場台詞。

科学的なゴチャゴチャした解説。
電気の能力=直接電撃ビリビリではなく、それを応用したレールガンとか砂鉄攻撃とか、
ちょっとひと癖置いてみましたよ設定、みたいな。

「オブジェクトが絶対なんていうその幻想をぶち殺す!」
「(また戦場送りなんて)不幸だーっ!」
という展開。

らしい、と言えばそうなんだけど、ちょっと、これを今後も楽しめってのは苦しい。


あと、想像と違ったんだよね。
1話感想の最後でも書いたけど、
”絶対無敵巨大ロボvs人”だと思ってたから、
「”アルドノア・ゼロ+進撃の巨人”みたくなるのかなぁ、」
と思ってたのだ。
  手持ちの限られた武器で、
  敵オブジェクトの弱点を探って、
  トラップをそこらに仕掛けまくって、
  暴れ狂うオブジェクトにワイヤーで取り付いて、
みたいな。
ある種、荒唐無稽な方向を。

で、提示されたのが
「巨人だって眠るはずだろ?
 生態を観察して、寝床を探して、寝込みを襲おう!」
え、あ、あぁ・・・
そっちに行くのね。
いや、まぁ、現実的だよね。そっちのほうがね。
それに、「ロボvs人」の直接対決は無理だよね。
「整備・警備兵vs人」だよね、やっぱ。
でもね、ドキドキもワクワクもないんだよね。
科学考証で現実的なところを提示してるからって、そんな現実的な解決法にせんでも。

かと思えば、ラストのオブジェクト大爆発に巻き込まれても死なない非現実。
ちょっと前に、天津での大爆発、って現実を見ちゃってるわけじゃん。
ネットに色んな写真とかがアップされてたわけじゃん。
大爆発の恐怖とか惨状を実際に知ってるわけじゃん。
散々、現実的にやっておいて、
 ラストの爆発絡みだけ荒唐無稽なご都合主義、
ってそりゃないわ、と。


なんか、世界観に入り込めなかったなぁ・・・
そういや、禁書2期も合わなかったなぁ。
鎌池和馬原作作品と相性悪いのかなぁ、俺。
レールガン1期は面白かったけどなぁ・・・{/netabare}

作画、声優、音楽は未評価。
物語はドヤ顔設定、キャラは安っぽさに対してです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

64.1 5 パイロットでバトルなアニメランキング5位
シュヴァルツェスマーケン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (326)
1677人が棚に入れました
アージュの人気ゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』のスピンオフ作品。

1983年のヨーロッパを舞台に、東ドイツ軍の戦術機部隊“第666戦術機中隊”(通称:黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン))に所属する青年・テオドールの物語が描かれる。

声優・キャラクター
鈴村健一、田中美海、山本希望、南條愛乃、安野希世乃、安済知佳、加藤英美里、村瀬迪与、三宅健太、田村ゆかり、成田剣、沼倉愛美

浩平 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

前作トータル・イクリプスから17年前の世界を描いた作品、世界は絶望の色に染められていく。はたして人類の敵とは・・・

(評価は保留のため3)


-あらすじ-
第二次大戦後ドイツは東西に分断され両国民はお互いを敵として生きることになった。
1967年、人類は月面で異星起源種「BETA」と接触。戦争が勃発。6年後BETAは中央アジア・カシュガルに落着した。
BETAとは人類に敵対的な地球外起源種のことで、人類は冷戦の只中BETAとの生存を賭けた戦いに突入することになった。
そして10年後、その最前線となっているのがドイツ民主共和国・東ドイツだ。
BETAのヨーロッパ進行により窮地に追い込まれた東ドイツは国家保安省・シュタージによる国民の監視体制を敷き戦力の維持を図った。
人々は国家への恐怖からお互いを監視する社会。戦場で死ぬか、粛清されるか、機械のように生きるか・・・。俺達に選べるのはそれしかなかった。


第1話の公式のあらすじ
1983年のヨーロッパ。東ドイツ陸軍に所属する戦術機部隊『第666戦術機中隊"黒の宣告"(シュヴァルツェスマーケン)』は、東ドイツ軍最多のBETA撃墜数を誇っていることから、東ドイツ最強の戦術機中隊と謳われていた。
中隊に所属するテオドール・エーベルバッハ少尉は、過去のトラウマから自分以外の何者をも信用せず、ただ己の生存の為だけに戦い、国家保安省の影に怯える日々を過ごしていた。
そんなある日、テオドールが中隊長のアイリスディーナ・ベルンハルト大尉と共に、戦場で孤立していた西ドイツ軍の少女、カティア・ヴァルトハイムを救出した事から物語は始まる。

いきなり血みどろなグロテスクなシーンから始まる。前作トータル・イクリプスと比較して、よりシリアスそうな印象を持った。

隣の人間でさえ信用できない東ドイツ。事態は混迷の色を見せる。
BETAだけでも脅威なのに、さらに人間まで敵。この非常時にそんなことしてる場合じゃないと思うんだけどね(´・ω・`)


第2話の公式のあらすじ
救出した少女、カティア・ヴァルトハイムに東ドイツの現実を突きつけるテオドール。カティアはそんな彼に、ある目的があって東ドイツにきたと告げる。理解し難いカティアの行動に戸惑うテオドール。
さらに中隊長アイリスディーナからカティアを監督するように命令される。そんな中、カティアを捕らえるため、国家保安省のハインツ・アクスマンがベーバーゼー基地に現れ・・・。

第2話放送早々に女の子のおもらしをばらすアニメ( *´艸`)
はずかしがっててかわいい(≧◇≦)
そして、女子たちの話に入って行けずに舌打ちをするテオドールさん(笑)

『私達の敵はBETAのはず。全ての人間がお互いを信じ力を合わせないとBETAには勝て・・・』
敵の敵は味方にはならないのか・・・?
シュタージは対BETA戦でも敵になるのか?BETAが来てるときぐらいは協力体制を取るかと思っていたが、そうではないらしい・・・。


第3話の公式のあらすじ
カティアを信頼できないまま出撃したテオドール。結果として、カティアと副隊長ファムがノイェンハーゲン要塞陣地に取り残されてしまう。生き残るために、己の行動は間違っていないと自分に言い聞かせるテオドール。一方、カティアは要塞陣地で戦場の現実を目のあたりにするのだった。

落ちちゃいけない基地大爆発でこれからベルリンがやばい。
一方、テオドールがもう舌打ちしない主人公キャラになっていた(笑)
かつて守れなかった妹の登場で物語はどう動くのだろうか?
妹・・・あやしさしかないが、はたして・・・?


第4話の公式のあらすじ
悪夢のようなノイェンハーゲン要塞防衛戦から帰投した第666戦術機中隊に補充衛士が送られてくる。それはテオドールの行方不明となっていた義妹リィズ・ホーエンシュタインだった。

突然の衛士補充。疑惑の目を向けられるリィズ・・・。
アイリスディーナは妹リィズが国家人民軍に送り込んだスパイではないかと疑う。
そこでテオドールへリィズの真意を見極めるよう密命を受ける。

妹は敵のスパイなんかじゃない。そう信じるテオドールであったが・・・。


第5話の公式のあらすじ
義妹リィズへの疑念を抱いたまま、海王星作戦に参加したテオドール。だが本来は敵同士である東西両陣営を結集した作戦は混迷を極めていた。
お互いを信じられぬまま悪化していく戦場。第666中隊は味方の協力を得られぬまま、決死のレーザーヤークトを開始するのだが・・・。

西と東、人が協力してBETAを倒して、作戦も成功して次回に続く!・・・なんてことにはなりません。
中隊メンバー全員が代わる代わる映るカットでリィズが不穏な感じに・・・?


第6話の公式のあらすじ
海王星作戦で得たものは大きく、そして失ったものも大きい。だが、テオドールはカティアとアイリスディーナの夢の欠片を確かに目撃したのだった。
帰途についた第666戦術機中隊に、再び国家保安省の魔手が伸びる。テオドールは監視を振り切り、政治将校グレーテルと共にベルリンへと赴くのだが・・・。

中隊の仲間から疑惑の目を向けられるリィズ。
スパイなのは十中八九間違いない。・・・だが確証はない。

敵のスパイになってるっぽい義理の妹が、
突然すっぽんぽんになって、
露骨すぎるハニートラップを仕掛けてきた!
「お兄ちゃん、抱いて」
妹から急にこんな一言を告げられ、お兄ちゃんとしてどうするのか?
次回はどこから始まるのか気になるところですね!


第7話の公式のあらすじ
東ドイツ戦史上、最大級のBETA侵攻が始まった。重レーザー級の出現によって防衛線は切り刻まれていく。
窮地に追い込まれる国家人民軍。第666中隊は奮闘するものの・・・。

おいぃ、前回の続きはどうなったんだー!抱く抱かないの問題はどうなったんだー!!!
前回のラストはエロゲ展開だったのに・・・。

重レーザー級の殲滅をはかるため、第666中隊は決死の覚悟で重レーザー級に対してレーザーヤークトを行う決断をする。
はたして、無事、作戦を成功させ生還する者は・・・。


第8話の公式のあらすじ
国家保安省による東ドイツ支配が進んでいく。長官エーリッヒ・シュミットは東ドイツ総帥の地位を手に入れる。
すべてを失ったテオドールはカティアと共に山中を彷徨う。後悔という泥濘に脚を取られ、前に進むことができなくなったテオドール。
その横顔を見つめるカティアの心に火が灯る。

シュタージの手に落ちたアイリスディーナ・・・無念の撤退を余儀なくされるテオドールとカティア。
シュタージの策略の前に万策尽きたかと思われたが・・・。


第9話の公式のあらすじ
西方総軍と合流したテオドールとカティアの前に、権力争いに敗れた国家保安省ベルリン派のアクスマンが姿を現す。
テオドールは仇敵アクスマンと協力して反攻作戦を開始する。奪われたものは必ず取り返す――血気に逸るテオドールの前に最狂の敵が立ち塞がった。

今後、リィズを超えるヤンデレの妹は現れないだろうな・・・。
リィズは本当に可哀想な娘です。一線踏み越えてしまった彼女に救いはあったのかな・・・?


第10話にて、とある人物の死をむかえたことで物語は一旦の区切りを見せる。
そして、物語は終末へと動き出す・・・。


最後に一言「総員、傾注!∠(`・ω・´)」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

MbsHL22207 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

5話以降、一気に化けました

トータルイクリプス(以下:TE)に続く、マブラヴオルタネティブのスピンオフ作品2作目。9話まで視聴済み。

一言で説明すると、「宇宙人と戦って人がばたばた死ぬアニメ」です。
ブルージェンダー、ガンパレードマーチ、進撃の巨人 この類のアニメです。十分ご注意下さい。

序盤(5話まで)は作品の地盤固めに全力投球。延々と地盤固めの工事が敢行されるのを傍からただ見ているだけの状態が続く。
ただし、これ以降別作品なのかと思う程一気に緊迫感が高まりおもしろくなる。

理解を得られるか分からないが、ジャッキーチェン辺りが出ている香港アクション映画とストーリー展開のさせ方が似ているんですが、コメディ部分を鬱にひっくり返したようなアニメです。
自分で書いておいてなんですが、ちょっと想像難しいですね。



1話を見終わって
{netabare}
シナリオは1話にも関わらず山場と言えるような山場は無い。完全に状況とキャラの説明に徹している。
TE1~2話ではもっと上手く見せていたがそこまで求めるのも酷か、と自分で納得する必要がある程度には全体的に安っぽい。
また作画崩壊するのかなぁと今から楽しみである。
{/netabare}

2話を見終わって
{netabare}
相変わらず山場は無い。
戦闘があって少しストーリーが進むだけ。

TEの時も思ったのだが、なぜこんなにつまらないのかは「明確な終わり」か「終わりそうな糸口」が見えないアニメだからだと思う。
アルドノア・ゼロ辺りを見習って、人類側にもチート級の何かを用意するくらいは許されても良い。
ダイジェストで済ませてもなんら問題無い内容を延々と見せられると流石に来るものがあります。

やはり人を選ぶアニメのように思う。

{/netabare}

3話を見終わって
{netabare}
相変わらず山場は無い。
戦闘があって少しストーリーが進むだけ。

そして最後に妹参上。
芽生えかけていた主人公とロリっこヒロインの関係はどうなるのか!?
みたいな終わり方だけど、たぶん視聴者はそんなのどうでも良いと思いますよ・・・。

この3話で切るのでつらつら書きます。

オマージュ(パクリ?)の順番として私が思っているのは

・・・→ブルージェンダー → ガンパレード・マーチ → マブラヴオルタ → 進撃の巨人

の順番です。

どれもこれも話を盛り上げる為の”バランサー”として人類側にチートが用意されております。

ブルージェンダー→{netabare} B細胞覚醒主人公{/netabare}
ガンパレード・マーチ→{netabare} 速水・新井木{/netabare}
進撃の巨人→{netabare} エレン{/netabare}

アニメを娯楽として楽しむ場合、このバランサーとも呼べる仕組みは必要不可欠です。
一方的に点差が開いていくサッカーや野球なんて見ていてツマラナイのと同じです。選手交代で強力な選手を導入すれば「なんとかしてくれるのでは?」という期待から娯楽性が高まります。

その点マブラヴオルタはそんなものは無く、良く言えばリアル志向と言えるのかもしれませんがさすがに楽しみ方の幅が狭すぎて原作未プレイ組みが楽しめるとは言い辛い仕上がりになる(実際にそうなっていると思う)わけです。

更にリアル志向の戦争物の中で人間ドラマをメインに沿えるとは正気の沙汰とは思えません。

そこまでして視聴者をふるいに掛け、厳選し、一体何がしたいのでしょうか。
少なくとも原作未プレイの私はその魅力に気付けず、また原作に興味を持つことはできませんでした。

原作は非常に評価が高いので見せ方・脚本をどうにかして焦点を当てる場所・はしょるべきところを見極めテンポ良くしないと改善は難しいでしょうね。
{/netabare}

5話まで見終わって
{netabare}

3話で切る予定でしたが惰性で観てました。
そして戦闘シーンが多かった為か意外にも5話はおもしろかったです。

ただ、チラチラ見え隠れする「微妙に熱くなりきれてない熱いノリ」がむず痒くてちょっとイライラしてしまいます。
やるならしっかりやって貰いたいです。中途半端な男は嫌われますよ?

しかし、毎回ノルマの如く人を殺すアニメですね。
声優さんのお仕事が奪われてしまうみたいで心苦しいので今後は控えてもらいたいものです。
{/netabare}

9話まで見終わって
おかしい・・・普通におもしろいぞ・・・?
{netabare}
5話以降、何かが変わった気がします。
ただ何が変わったのかが具体的には分かりません(テンポが良くなったような気もしますし、5話にしてやっと物語初めの地盤固めが終わったようにも感じます。もしくは私がこのアニメに調教されちゃったのでしょうか?)
ただただ素直な気持ちで毎週楽しみに観ている自分がいます。

「男子三日会わざれば刮目して見よ」とは言いますが、一体スタッフに何があったのでしょうか。
計算ずくで序盤は致し方なくだった、と言われれば納得できちゃうほどに5話以降加速度的に良くなってます。

第666中隊がこれまでは至って平穏に部隊として機能できていたんですが、シュタージュ(主人公の実妹含む)により部隊員は拉致され拷問されるという展開。更にシュタージュはクーデターをほぼ成功させて政府機能も乗っ取っちゃったよさぁ大変!
とってもハラハラしてしまいますね。

んでもって妹の振る舞いにショックを受けた主人公が廃人→復活というちょっと熱い展開もGoodです。
んまぁ実妹抱いてるんですけどね。

それにしてもこの妹、完全に壊れてますね。
今更救えるとは思えないので主人公が殺す流れだろうなぁとこの流れから安直に思いついてしまいますが、その辺りを壮大に裏切って欲しいものです。

でも無理だろうなぁとも思います。
原作を未プレイなので断言はできませんが、このストーリーを作ってる人はとても真面目な気がします。要所や基本は押さえてるんですが奇抜さがなく、唐突な展開も予想の範疇を出てはくれないんですよね。

理解が追いつかない程奇抜なことをされると一気に安っぽくなるのでやらないのかなぁと思いますが、作品を大事にしすぎてチャレンジ精神を忘れているのではないか、とも思います。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「総員傾注。これよりBETA梯団光線級群へのレーザーヤークトを敢行する。光線級を掃討するぞ! 第666中隊、シュヴァルツェスマーケン出撃!」

この作品の原作は未読ですが、この作品自体が「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフとしての位置付けになっており、「マブラヴ オルタネイティヴ」が2012年に「トータル・イクリプス」という名称でアニメ化された作品の方は視聴済です。

この作品は、「トータル・イクリプス」から18年前の1983年のヨーロッパ・・・それも東西に分断されたドイツにおけるドイツ民主共和国(東ドイツ)側の視点で描かれた作品です。
「トータル・イクリプス」ではBETAは1997年に韓国から日本列島に侵攻してきました。
その間約14年もの間、ユーラシア大陸ではBETAとの激しい攻防が続いていたと考えると感慨深いモノがあります。

この物語における人類共通の敵はBETAと呼ばれる未知の人外生物なのですが、極めてやっかいな敵なんです。
BETAには「「レーザー級」「グップラー級」「デストロイヤー級」など異なる形態がお互いの弱点を補い合うかの様に徒党を組んで膨大な数で押し寄せてくるんです。
単体での能力では間違いなく人類側に分があると思います。
でも、一人の人間が一度に相手にできる数には限界があります。
BETAはその限界を上回る数で押し寄せ、人類から抵抗力を少しずつ削ぎ落としていくのですから、どうあがいても疲弊は免れません。

そして不幸は連鎖します・・・ヨーロッパ諸国の援助は得られたのですが、その代償となったのは東ドイツの国そのもの・・・東ドイツがBETA戦線の盾となる形になってしまったんです。
愛する祖国が戦場になる・・・何より東ドイツを愛してやまない国民を犠牲になんてできない・・・

でも彼らにも希望の光は途絶えていませんでした。
BETAとの激戦区であるが故、東ドイツ軍の中から最多の撃墜数を誇る部隊が誕生したんです。
その東ドイツ最強の戦術機部隊名は、アイリスディーナ・ベルンハルト大尉が率いる「第666戦術機中隊"黒の宣告"(シュヴァルツェスマーケン)」
この作品は彼らシュヴァルツェスマーケンの戦いの軌跡を描いた物語です。

「トータル・イクリプス」における敵は、国ごとに多少のイザコザはありましたがあくまでBETAです。
そのため物語的には勧善懲悪モノとして分かり易い展開でした。
ところが、この作品では東ドイツ国内におけるレジスタンスが並行して進められる事から、敵はBETAだけではないんです。
BETAによる東ドイツ存亡の危機なのに派遣争い・・・つくづく人間の持つ業にへ辟易してしまいますが、現実においてもきっとこれが実態なのだと思います。

でもレジスタンスに至る思考には激しく納得です。現行の東ドイツではお互いがお互いを監視し密告する・・・例えそれが身内であってもです。
そして一度捕まったら激しい拷問・・・中には生きて帰れない人もいる・・・
これが常態化した世の中・・・生きることに対する充足感なんて得られないと思います。
只でさえBETAは目の前まで来ているというのに・・・

そして現体制とレジスタンスの狭間で揺れる人達に対しても焦点が当てられましたが・・・正直辛いの一言です。
疑われたのは、666中隊に転属してきたたった一人の肉親・・・
幼い頃、一家総出で西ドイツへの亡命を試んで失敗し両親は死亡・・・行方不明だった妹が目の前に現れてくれた・・・兄としてこれほど嬉しいことはありません。
妹も・・・大好きなお兄ちゃんの傍に居たかった・・・ただそれだけなのに・・・

亡命する時・・・妹の手を離さなければこんな事にはならなかったのに・・・
でも軍という組織の規律が許してくれなくて・・・
この悲しい事の顛末は是非本編でご確認下さい。
私は涙無しには見れませんでした^^;

そして物語の終盤で壊滅しかけたレジスタンスに最後の希望が舞い降りて・・・
物語にドライブがかかったように激しく動いていきます。

完走して思ったのは、登場人物の死に対して容赦が全く無い事・・・
「トータル・イクリプス」もそうでしたが、いなくなって欲しくないキャラの生命をあっさりと奪っていくんです・・・
先に書いた兄妹もそうでしたが・・・物語のラストで訪れた死は半端なく辛かったです。
どこまでも実直で仲間を信じ、自分を貫き通したその雄姿・・・堪りませんでした。

オープニングテーマは、fripSideさんの「white forces」
エンディングテーマは、Zahreさんの「哀しみが時代を駆ける」
fripSideさんらしさが出ているオープニングと、メロディアスなエンディング・・・どちらも甲乙付け難い格好良い曲でした。

1クール12話の作品でした。BETA侵攻を軸だと捉えると物語は半ばとなりますが、レジスタンスや666中隊の人間模様と捉えると、12話でしっかりと纏まっていたと思います。
「トータル・イクリプス」が2クールだったので、こちらも2クールを期待しましたが・・・
もし2クールだったら、ラストの展開に至るまでの道筋にあるたくさんのドラマについても描けたのではないか・・・と思ってしまいますが、こればっかりは仕方ないのでしょう。

次に続く・・・という意味では「トータル・イクリプス」も次に繋がる展開の前で終わっちゃいましたし・・・
このBETAとの戦いの結末は見る事ができるんでしょうか・・・^^;?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

66.4 6 パイロットでバトルなアニメランキング6位
ガンダムビルドダイバーズ(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (75)
336人が棚に入れました
電脳仮想空間(ディメンション)内で、ガンプラを使用したさまざまなミッションを楽しめる最新ネットワークゲーム“ガンプラバトル・ネクサスオンライン(GBN)”。中学生のミカミ・リクと親友のヒダカ・ユキオは同級生のヤシロ・モモカを巻き込んで、その広大な世界へと飛び込んだ。GBN内の住人“ダイバー”となった彼らは、ガンプラに対する不思議な感性を持つ少女サラと出会い、彼女とともに行動することになるが……。リクにとって憧れのチャンピオン“クジョウ・キョウヤ”を始めとした有名ダイバーの存在。複数のダイバーで構成された部隊システム“フォース”の結成。非公式ツール、ブレイクデカールを扱う“マスダイバー”たちによる妨害。多くの出会いと経験を経て、リクたちはガンプラだけでなく、自らの冒険をもビルドしていく!

声優・キャラクター
小林裕介、藤原夏海、稗田寧々、照井春佳、笠間淳、速水奨
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

濃い物語と販促を両立する難しさ

2018年春アニメ。全25話。
ガンダムビルダーズ、ガンダムビルドファイターズの流れを汲むガンプラアニメの新シリーズ。
キャラクターデザインのシンプルさ、すっきりした絵柄が凄く好みです。作画・演出や音楽もとても好きです。OPとEDは前半の方が好きだったかな。

今回長いので、ネタバレ内は興味のある人だけどうぞ。

【最終話まで視聴しての総括】
不満はちょいちょいありましたけど、概ね楽しめました。
最終バトルでサブキャラクターの扱いにもう少し気を遣ってもらえたら、駆け足になっても描写不足があっても、もっと評価が上がったとは思います。
とりあえず終わりよければすべて良しという所でしょうか。

全体のテーマは本当に良かったと思いますし、和やかな作風も見ていて楽しかった。
「何かを好きという気持ちを肯定する」…強さも憧れも楽しさも否定される苦しさもすべてを内包するもので、私が最初に感じたよりずっと大きな主題だったと思います。

個人的には脚本家によって各回好みが分かれてしまいました…。
ですが屋台骨であるシリーズ構成の木村暢さんが概ね私が好きな方向性で脚本を書いてくれたのはありがたかったです。

ガンプラ販促アニメとして、新規ファンを獲得しようとする姿勢がとても良かったです。序盤では特に初心者が興味を持ってもらう努力が多くて楽しく見られました。
ですが、後半では尺配分の難しさも露わになったように感じました。


【キャラクター】
やっぱりキャラクターの魅力は大きなポイント。
{netabare}
リクを始めとした子ども達が見ていて本当に和んだし、チーム内の描写もとても良かった。
あらゆる点で優秀なコウイチさんががっちりサポートしてくれ、でもちょっと押しに弱いのに対して、リクやモモが積極的に動くので、主人公たちの活躍を喰うこともありませんでしたし。
後半でドージとユッキー・サラの交流が描かれたのは本当にうれしかった。17話大好きです。

オーガにはもう少し活躍が欲しかったなあ…ドージとの関係も少しで良いから描いてほしかったのですけど。
リクの「サラも助けてGBNも守りたい」気持ちを引き出してくれたのはとても良かったと思います。ただ、個人的にはライバル役としてはチャンピオンよりオーガに注目していたんだなと、最後まで見て自覚しました。
最終戦はオーガ自身の戦いたいという欲求と一緒に、サラを助けたいというドージの思いを汲んでリクたちに味方してくれたら、兄弟両方の人間関係を多少なりとも補強して描けてさらに良かったのかも。

シバさんとても好きなキャラでした。
強い思い入れが歪んでしまうことは誰にでもあるし、私も強く共感した心理です。
人間は広い視野を持とうとしてもなかなか難しい生き物で、主観を廃して物事を見ることは出来ないものです。本作の「全ての人の好きという気持ちの肯定」は、主観と共感(客観ではなく)が必要となる。だけど、それは誰も彼もが同じ気持ちになればいいわけじゃないし、マイノリティを否定すれば成立しないことです。本作はマイノリティを掬い上げる展開が多かったのがとても良かったですし、それを最も体現した人物となりましたね。

あとやっぱりマギーさん!子ども達を常に見守ってくれるマギーさんが居てくれて良かったです。
最終戦で私が思ったこと全部言ってくれたマギーさんに感謝。{/netabare}


【「新しい自分」を作り上げ、「新しい世界」へ】
{netabare}
この作品て自分の分身はダイバーではなくて本来はガンプラなんでしょうね。
だから、新しいガンプラを作り上げるということは新しい自分を作り上げるということ。
とは言ってもダイバーに意味がないわけではないことは、サラや、ガンプラを持たないユーザーがいることが証明しています。そういう意味ではガンプラを持たないユーザーの回も見たかったなあ。

14話のプチ総集編を見ていて思ったのは、原点に返ろうという時に、GBN内で出会った「人に会いに行く」のが象徴的だということ。
ネットワークの世界であるGBNでは互いに認識しあうことが新しい何かを作る原点です。チャンピオンやマギーが受け入れる側として初心者ユーザーに関わり、時に助けようとするのもそうですね。
シャフリのインスピレーションはGBNの世界を見てさえ得られるものと語られます。
「作り物の世界」で得た感動をリアルでガンプラにアウトプットしていく、というのが面白いですよね。

リクはアヤメのガンプラを取り戻すために自身のガンプラをボロボロにしながらシバと戦い、自分と相手のガンプラを傷つける痛みを知ります。
GPDでは自分のガンプラは自分と一心同体。ガンプラとは別にダイバーというもうひとつの姿があるGBNとはその点が最も違うのでしょう。

壊れたダブルオースカイの胸の傷はリクの心の傷でもあり、過去・経験・リアルとの繋がりでもある。
サラが自身の目でリアルを知ることはありません。すべて仲間を通して、あるいは13話でリクの所在を知った時のようにガンプラの心を通して、リアルを知っていく。
「リクが大変な事わかるのに、会いに行けない。何もできない。何も届けられない」とサラは言います。ですが生まれ変わったダブルオースカイの傷はサラとリクの繋がりであり、サラとリアルの接点にもなっている。ダブルオーダイバーの傷がダブルオースカイ…リクの「新しい自分」の土台を作っていて、その土台にはサラとの出会いも含まれています。

シバは傷を傷と自覚しないために、ずっと新しい自分を作り出せずにいたのかもしれません。GPDでの人との繋がりが断たれたことによって、ガンプラ(自分)を作り直す機会をも失っていた。
シバの言う通りGBNは作り物なんだけど、シバは自分から「作り物の世界」を壊そうとして逆に繋がりを持ったようなものです。リアルには存在しないサラと出会い、新しい時代しか知らないリクと出会い、過去を知るコウイチと再会し、自分の心が傷付いていたことを自覚し、それをサラとリクとコウイチが受け入れたことがシバの再生につながる。

「作り物の世界」からアウトプットしてリアルに構築する…シバがGBNから構築したのはサラなのですね。
サラとシバの接点は本当に少なくて、「ならどうして泣いているの?」って言われたことだけ。でもシバが自分の心が傷付いていると初めて意識したのはこの時で、サラはその気持ちも受け入れていたのだと思います。

ブレイクデカールに拒絶反応を起こしていたサラはある意味でシバに傷つけられてもいたし、ビルドデカールによって救われてもいる。そしてサラのリアルのボディを作ったのもシバ。
シバにとってGBNは「作り物の世界」だったけど、逆にサラにとってはリアルが触れられない世界でした。それが受け入れる誰かの存在によって「新しい世界」になる。
最後にはシバが「受け入れる側」としてサラを新しい世界に招いたことがとても良かったと思います。{/netabare}


【気になった点】

{netabare}
カツラギさん(ゲームマスター)はもう少し良い描き方があったんじゃないか、というのが正直な感想です。
泥をかぶる役回りになるのは仕方ないとしても、サラを消去してでも確実にGBNを存続させようとする理由付けが弱いなあと。「有志連合不参加のプレイヤーのため」という視点もあったら良かったかも。有志連合に参加したプレイヤーは勝負が着けばある程度納得するだろうけど、それ以外のプレイヤーはそれで納得できるのかな?と私は見ていて感じたので。
最終話で味方してくれた流れからして、本来なら「いろんなキャラクターのそれぞれの立場と対立と想い」を描きたかったのでしょうけど、描写が良くなくてちょっと勿体なかったな、と。
正直フォローが全然足りないよ…(切実)

あと、チャンピオンにあまり良い印象は残りませんでした。
ブレイクデカールの件でGMを頼るのはわかるし、旧知の仲だからサラの件でGMに協力するのも理解はできるけど、リクを焚きつけて決闘による解決に持ち込む流れはGMや有志連合のメンバーに対して不誠実だと思う。なら最初からGMに義理立てなどせず、リクとGMの橋渡し役になった方が良かったのではないかと思います。

ミス・トーリはメインシステムの開発者(で良いんですよね…?)なら運営に全面的に協力すべきではないのかなあ…。こちらも、リク達とGMの橋渡し役になれる立場だったと思う。

あと、ロンメルさんとシャフリさんが主人公チームに敵対する理由付けにちょっと無理を感じました。
全体的に話の流れありきでキャラクター描写が歪んだ印象でした。
{/netabare}


【販促アニメとして】
{netabare}
私はガンプラに全く触れたことが無い人間ですが、本作は玩具販促アニメであるという視点を無視して評価することは出来ないと痛いほど感じました。(私自身が最近玩具販促アニメを多く観ているせいもあるかもしれませんが…)
後半でメインのストーリーが尺不足のために上手く回らなかった印象があって残念でした。本筋のボリュームは、最序盤でやったようなガンプラとその楽しみ方の紹介を含めて、2クールで少し話数が残るくらいだったと思います。
だけど玩具販促って意外と尺が取られちゃうので、さらに話数がかさんでラストが巻き気味になってしまったのかな…なんて私は感じたのですけど。

昔の子ども向け販促アニメによくあった一話完結形式は尺の融通が利きやすかったですが、現在の販促アニメは一部のカードゲームアニメなどを除き一話完結形式はあまり使いませんね。2000年代初め頃から2010年代半ばまでは長期販促アニメが激減していたので、現在では一部のベテランや決まった制作会社のスタッフしかこういう作品の経験が無いのかも…。もちろん一話完結形式が必ずしも最適なわけじゃないですけど。

本作の場合、ガンプラにはダイバーがいるのでその掘り下げが必要になるし、それに加えて連続性の強いストーリーを2クールで両立するのは実はかなりしんどかったのではないかな、と。
販促アニメで今回くらいのボリュームの物語をやるなら4クールくらいが適切に見えます。
ただ根本的な問題は販促の大変さと尺の兼ね合いなので、本作に限った問題でもないんですが。

少なくとも、ビルドダイバーズは個人的にはこのシリーズの中では一番好きだし、ガンプラ未経験者として置いてきぼりに感じなかったことに好感を持ちました。
本作は子どもも視野に入れて新規ガンプラファンを増やしたり、視聴者層を広げようとする努力をしていたのだと思います。
本作のみならず現在展開中のシリーズもの全般が新しいファンを獲得しようと試行錯誤していることは、もっと前向きに捉えられるべきだと思います。

…とは言っても単純に好きじゃない作風だと見るのやめちゃうんだけど(爆)
{/netabare}


【SDガンダムフォースファンとして】
私はSDGFもビルドダイバーズも、ガンダイバーもカツラギさんも好きですが、GM(カツラギさん)のアバターにガンダイバーが採用されている点について思ったことを率直に書いておきます。
{netabare}
カツラギさんというキャラクターは憎まれ役になるのはしかたがないんですよね。もっと良い描き方があったとは思うけど。
ただ、SDGF知らない人は元々のガンダイバーの「ガンダムフォースの新人・頑張り屋・健気・献身的で可愛らしい」キャラを見たら驚くと思うw

正直、GM登場当初から「ああ、これアカン奴や…」とほぼ諦めモードではあったんですが…(苦笑)
元のキャラと違い過ぎて早いうちに別キャラとして割り切れてしまったのも本当のところなんですけど。

ただ、こういった作品でSD作品のキャラを搭乗機体以外の形で出すのであれば「意思のあるキャラクター」として扱うのが妥当ではないかと。
同じガンダイバーだとしても、「本作のオリジナルキャラクターが搭乗するMS」として登場するならパイロットが悪役でも憎まれ役でも全然良いんだけど、「GMのカツラギさん」という別キャラクターにしてしまったのは最初はちょっと抵抗感がありました。
(本作ではダブルオーのコーラサワーも同じように台詞ありで登場していますが、そちらは楽しく見られました。でもそれは性格付けがはっきりわかるような台詞がほぼ無かったからです。)

それに繰り返しになりますが、ガンダイバーのこととは別にカツラギさんが結構一方的な憎まれ役になってしまったのは好きなだけにちょっと複雑…。

とはいえ、15年も経って手描きのガンダイバー・ガンチョッパーが見られるとは思わなかったなあ。本当にありがとうございました。
受付嬢や運営スタッフのアバターがSDGFのオペレーター衣装だったり、運営の管理室がSDGFの秘密基地の指令室だったりするのも嬉しかったです。
あと20話でジム顔のタライのオバケみたいなの1カットいたけど、あれ2004年のイベントのSDGFの短編アニメに出たタライゴーレムっていうののジム版…?さらに元ネタがあるのかな。SD系はSDGFと三国伝しかわからない。にわかでごめんなさい。とりあえずインパクトはあったねw
{/netabare}
(2018.10.11)


【2話視聴時点での感想】{netabare}
この時点では純粋に子ども向けになりそうな雰囲気ですね。どちらかと言えばガンダムファン向けであったビルドファイターズの第一話よりもガンダムパロ台詞はかなり少なくなってます。
純粋なガンプラの楽しさと憧れ、それを糧に強くなっていくことを最後まで一貫して描いてくれたら良いなと思います。

正統派ボーイミーツガール(友達)のような始まり方がまた良いですね。
サラはガンプラに込められた気持ちがわかるという設定で、ガンプラを作品の中でただの道具にしないために存在するキャラクターかな。そういう所も良い意味で子ども向けホビーアニメらしい。

マギーさんの言ったガンプラバトルで強くなる三つの要素…ガンプラ作りの腕、高い操作技術、愛というのが良いですよね。
リクはまだオーガに歯が立たず彼の言葉に反論はできませんでしたが、「強さ」と「楽しさ、憧れ」が対比してしっかり描かれれば上手く話が回りそう。これがひとつの愛と言えますしね。

キャラクター造形もかなり好きですし、全体的に配役も好みです。リク、ユッキー、サラの可愛らしさと集まった時のバランスの良さとか。
個人的にはドージがとても良いですね!愛嬌たっぷりの悪い子で良い感じに憎めなくて。今まで見た松岡さんのキャラクターの中で一番好きかもしれません。よく合っていますし何より楽しそうで、幅広い演技を披露していて本領発揮という印象です。

個人的にとても嬉しかったのが、オペレーターの衣装がSDガンダムフォースオマージュなこと。パロ・オマージュが少ない(利権関係のためと推測されていますがどうなんでしょうね)SDGFなのでファンとしては嬉しいです。フォースの説明の時のコラサワさんとか各作品の舞台とか、絵的にわかるパロは楽しいですね。

子どもの可愛らしさ、童心に返る作風で今後も楽しみです。{/netabare}
(2018.4.16)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

プ・ラ・モ・じ・ゃ・な・い!! プラモジャナイ……否、プラモである!

ビルドファイターズ、ビルドファイターズトライと続いた、ガンプラを題材にしたアニメの第三弾。

前2作を経て心機一転、※1プラフスキー粒子などのファンタジー寄りの要素は影を潜め、よりリアルな、ネットワーク内の仮想空間を舞台にした物語が展開されます。キャラの引継ぎも今のところなし。惜しむらくはシリーズ屈指の名物キャラ、ラルさんが登場しない事(笑)

1期ではブレイクデカール(チート行為)、2期では近年話題沸騰中?の人工知能と、いずれも現実から地続きの問題を扱っている所に、これまでのシリーズとの方向性の違いを見ました。

チート行為は※2ネトゲ黎明期から存在する問題で、これでゲームをやめてしまった人をわたしは何人も知っています。クラッカーがツールをアップすれば、運営が一歩遅れて修正パッチを出すという、正にイタチごっこ。

本作中でも描かれている様に、強くなりたい、勝利したいという気持ちは、ゲーマーなら誰しも持っているものなので、それが不健全なものだとは思いませんが、不正行為までして勝とうとする人は、それで目的が達成出来て、本当に嬉しいのか?と常々疑問に思う事があります。わたしには、ただただ楽しみを棒に振っている様に見えます。

過程よりも結果を欲する短絡思考、焦燥にも似た競争心、そんなものが原因なのでしょうけど、例えば、夏休みの宿題を誰かにやってもらったり、丸暗記の勉強をしてテスト結果ばかり気にしたり、※3ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺ…とか打ったり、すごくつまらないですよね…(笑)

人から見下されたくない、一目置かれたい、必要とされたい、尊敬されたい、こんな感情が人を不正行為へと走らせるならば、人口過密の競争社会って、犯罪の温床なんじゃないかって、わたしは時たま思います。

作中では、上で挙げた様な、現代病の一種と言っても言い過ぎではないノイローゼ的思考に、リク君を中心とした主人公勢が、友愛と許し、※4スポーツマンシップでストレートに対抗します。これが清清しくも美しい! でも、どうなんでしょう…冷静に考えてみると、最後のにはちょっと無理があるんじゃなかろーか?

愛と友情で仲間の目を覚まさせるというのは理想的だし、手段としても大いに賞賛したいんですが、チート行為をスポーツマンシップで打ち負かすという点についてだけは、どうしても疑問を覚えてしまうのです。これが辛うじて通用するのは、アナログ的なものに限ってでは?と指摘出来るからです。

アナログのスポーツではドーピング使用がチート行為の代表格に挙げられると思いますけど、デジタルの世界では数値が全て。不正プログラムを使えばアナログには存在する物理的制約を無視して、どこまでもプレイヤーの数値を操作出来るので。これと真っ向から戦って勝利するというのは、はっきり言って不可能に近い事なので、ゆえに、古くからある少年漫画の筋書きを、ただ安直に貼り付けただけという印象が拭えないのです。※5せめてリク君(がダメなら、いわゆる噛ませとしてユッキーとか)の敗北シーンを早々に描いて、チート行為の卑劣さをもっと強調してくれても良かったんじゃないかと思いました。

ブレイクデカール事件の収束のさせ方については、前半のガッツで押す展開とは一味違って、合理的な説明があり、2期への伏線もしたたかに張り巡らせており、お見事でした。手放しで高評価したいです。


そして2期、※62045年問題という言葉が、そこかしこで囁かれる様になった昨今ですが、このテーマを扱うアニメは急速に増えていますね。記憶に新しいものを挙げてみると、プラスティック・メモリーズ、planetarian、beatless、遊戯王vrains、 STEINS;GATE 0辺りでしょうか、私的にとても興味のあるテーマなので俄然目が離せなくなりました。
{netabare}
未知なる生命の誕生を祝うか、GBNへの脅威と見なし排除するか? 安堵の時も束の間、先のブレイクデカール事件に連なる新たな問題の発生。運営、システム開発者、クラッカーを巻き込んだ、二つに割れた勢力の主義主張がぶつかり合う緊迫の展開に至ります。
{/netabare}
と、ここまで書いてきて思ったんですが、このアニメ、ガンプラアニメ? MMORPG的なものに、そっくり首を挿げ替えても、普通に通用するお話だったりして?(笑)

シナリオ、演出ともに秀逸だし、女子キャラがとてもかわいい。バトル作画もかなりスゴイ!

でもそこじゃないんですよ! モデラーが一番注目しているところは。削り出しや表面処理、塗装とかの、ガンプラ製作風景なんですよ!!

なので、わたしの一押しキャラは、サラちゃんでもアヤメさんでもなく、ケイワン先輩!

ガルバルディβを"リベイク"する渋さ、1/144MSキットを3機収納出来る大型シャトルを、短期間で、箱組み、パテ盛り、フルスクラッチし、可動部分や内部メカまで完璧に仕上げた手腕…この青年、化け物かッ!?(池田秀一さんの声で、笑)


24話まで見終えて
{netabare}
2期クライマックスの、"フライング抱っ転がり"は、空から降ってきた少女を機械工の少年がお姫様抱っこ!を越えるインパクトがありました(笑)憧れのチャンプへの挑戦、ライバルとの共闘、幾多の試練(王道展開とも言う)を乗り越えて、辿り着いた大団円。リクとサラ、幸せそうな二人の溢れる愛に、感極まってもらい泣きしてしまいました。

と思ったら、唐突に新たなる敵の出現!? うーむ、いい最終回だったのに(笑)蛇足的な展開にならない事を祈りつつ、最後まで見届けたいと思います。
{/netabare}
※1:ビルドファイターズ、ビルドファイターズトライでは、この謎の粒子を介して、ガンプラそのものを自由に動かせるという設定の元にガンプラバトルが行われていた。

※2:ハックアンドスラッシュ系ARPG「ディアブロ」で良く見かけられた。続編の「ディアブロⅡ」に至って、サーバーがセーブデータを管理するシステムが一部導入され、ネトゲ全般に徐々に定着し始め、今ではそれがスタンダードとなっている。でもイタチごっこは終わらない(汗

※3:ファミコン版ドラクエⅡの、ほぼ無敵状態でスタート出来るパスワードの一部。子供時代は無節操なんで、わたしもこれでやった事あるんですけど、はっきり言ってつまらない。普通にプレイした方がずっと楽しいです。

※4:スポーツマンが模範となっていないので、わたしはこの言葉があまり好きではありませんが、便宜上(汗)gentlemanshipもChivalry(騎士道)も似たり寄ったりですし…。

※5:強キャラには結構負けてるリク君ですが、小者にやられてしまっては、さすがにガンプラ売れ行きが怪しくなるので、無理に決まってますけど(笑)

※6:AIがヒトの知力を超える(かも知れない)とされる、技術的特異点のこと。

最終話まで見終えて

ガンプラ(玩具)がテーマという事で、軽い気持ちで視聴し始めたアニメでしたが、内容は、ネットワーク、ゲーム及び仮想現実との向き合い方、モノ造りの楽しさ、友情の芽生えと崩壊、再生、AI問題と、多岐に渡り、捨て回無しの密度の濃い作品として最後まで楽しませて頂きました。

それと(タイトルの)お詫びも兼ねて付け加えておきたいのが、ガンプラ要素の有無。製作風景の描写は乏しいものの、モブキャラ描写、台詞の端々のそこかしこに、一周しただけではとても拾い切れない小ネタが満載でした。{netabare}「コンパウンドで合わせ目が見えなくなるぐらいピカピカに磨いてやる!」とか、「ハハハハハ!(中略)お前達の頑張り過ぎだ!」とか、{/netabare}プラモ好きやガンダムファンなら、もれなくニヤリとしてしまうのではないでしょーか(笑)

因みにわたしの琴線に最も響いたシーンは{netabare}「あなたもゲーマーなら、トゥルーエンドを目指すべきだと思いますよ?」「世界の命運がかかっている…遊びではないのだ!!」「いいえ、遊びよ❤」の3強の台詞の応酬です。ネトゲはもちろん人生もまた遊びという事を、実にスマートに表現した楽しい掛け合いでした。

それとお気に入りキャラのK-1兄さんの「へぇ。各関節を最新のKPSにしてるのか。ノズル系も金属パーツに変わってる。しかも色を塗り替える際に表面処理を一からやり直してエッジを効かせて…」なんかも、地味ながらツッコミが鋭過ぎて、思わず笑いが出てしまいました。愛がある!(笑){/netabare}

物語のキーとなるELダイバー(電子生命体)の設定については、現在進行形で発展途上の技術、クラウドAIを髣髴させるものがあり、その存在の相が、ネットワーク上に散らばった情報、わたし達一人一人の選択―人体における細胞の如きちっぽけなものの意思―の累積によって決定されるという事を、簡潔に説明しており、ネット社会における責任の不在の危険性、転じて、個々の行動の重要性を暗に示している様でもありました。

個々の行動の重要性と言えば、先日あにこれ内で誹謗中傷を受けているレビュアーさんに多数のレビュアーさんが助け舟を出し、ついには運営さんを動かしたという、とても感動的な出来事がありまして、個々が孤立し、見て見ぬ振りやコトナカレを通していては、決して目にする事の出来ない結束の大切さを、リアルで(敢えて言わせてもらおう。リアルであると!笑)垣間見させてもらった次第。

人と人とが絆を結び成し得る事の大きさ、※7見利忘義がもたらす不利益、個性の尊重、遊ぶ喜び、大人になると言葉に慣れ過ぎて、徐々に忘れていってしまう大切な事、たくさん思い出させて頂きました。


ありがとうビルドダイバーズ!!


※7:読んで字の如し、利益に目が眩んで道義を忘れること。


付録・プラモ作りについて
{netabare}
ガンプラのみならず、プラモ全般の改造に欠かせないのが、プラ板やプラ棒。でも模型店で買うと、これがなかなか値が張ります(汗)そこで代替品のご紹介をば。

ずばり豆腐パック! トタンの様な凹凸にも使い道はありそうですが、フラットなものが普通のプラ版として利用できます。それとアイスの容器とかも。透明プラ板が欲しければ、電気機器とかのパッケージを利用するのが吉。割としっかりとした厚みがありますので、クリアパーツの製作に役立ちます。そしてプラ棒の代わりに使えるのは※aランナーと、プラスチック製のハンガー。ハンガーにはH型鋼みたいなのとか丸棒とか、色んな形のがあります。服をクリーニングに出すと大抵付いてくるので、家の押入れとかに眠っているかも…。お母さんに聞いてみましょう(笑)

他にも、ビーズ、ケーブル、ペットボトルなど…。わたし達の身の回りには、沢山のプラモパーツが眠っています。プラ回収を徹底している地域は、残念ながら多くはないと思いますので、ただ捨ててしまうのはもったいないとばかりに、じゃんじゃん使いましょう。

プラモ狂四郎だって、ガラクタ同然の腕時計のバンドをプラモパーツとして採用している! かの※メイジンカワグチだって「ガンプラは自由だッ!!」とおっしゃっているのだから!!(笑)

※a:プラモパーツがくっついている枠部分の事。キットと全く同じ素材なので、削りやすく、接着剤の食い付きも◎。ポリキャップとの相性も良し。パーツ作成、製作道具(以下参照)としても幅広く活躍します。

※bビルドファイターズ、ビルドファイターズトライに登場した"アメイジング"という言葉が大好きな凄腕ビルダー3代目メイジンカワグチのこと。なお本シリーズにおける"ビルダー"の呼称は"モデラー"とほぼ同義。ボディビルダーの略ではない(笑)

追記:段ボールとランナーを利用した塗装台もオススメです。スプレーした後や、筆塗りした後、パーツを干す時に重宝します。ダンボールを使いやすい形にカッターで切って、台座も同じくダンボールで作って、断面の所にランナーを差し込んで利用します。手間は掛かりますが、水で薄めた木工用ボンドや糊などを使ってダンボールを猫の爪研ぎみたい加工しても○
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

マスコットキャラは「ユイ」ちゃん・・・ではなく「サラ」ちゃんです。

◆西暦2000年代ガンダム(00、SEED)の事前視聴が前提のファン向け作品?

地球圏周辺の宇宙空間や地球上で、生きるか死ぬかの激しいメカ&ロボット・バトルが繰り広げられる通常の《ガンダム・シリーズ》ではなく、「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)ホルダーたちが特殊な装置を使って、あくまで趣味としてのバトルを繰り広げる《ガンダム・ビルダー・シリーズ》のTV企画第3弾です。

但し、前々作『ガンダムビルドファイターズ(GBF)』、前作『ガンダムビルドファイターズトライ(GBFT)』が「対面型テーブル・ゲーム」の体裁を取っていたのに対して、本作は、大ヒット作『ソードアートオンライン(SAO)』の仕組みとよく似た「フルダイブ型オンライン・ゲーム」の体裁へと変化しており、登場キャラも一新されています。

そして、
(1) GBF・GBFTが、ラルおじさんが解説役を務めるなど、どちらかというと『機動戦士ガンダム(初代ガンダム)』を始めとする「U.C.(宇宙世紀)シリーズ」の諸作品('80年代ガンダム)の事前視聴が前提とされていたのと比べると、
(2) 本作の方は、“トランザム”というパワー・ブースターの発動が戦況を左右する点などから、西暦2000年代ガンダム、つまり『機動戦士ガンダム00』及び『機動戦士ガンダムSEED』の事前視聴が前提とされている感じがしました。
(※この他、'90年代ガンダム(Gガンダム、∀ガンダム)に出てきた機体も幾つか出てきたような・・・←曖昧で済みません)

・・・ということで、私が個人的に高く評価している『機動戦士ガンダムAGE』『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』といった西暦2010年代に入ってからの作品の事前視聴は残念ながら特に期待されてないみたいですね。

で、肝心のシナリオは・・・キャラデザが『ログ・ホライズン』と同じハラカズヒロ氏(原案)だったので、同作みたいに最初は余り面白くなくても徐々に盛り上がって熱くなっていくかも?と淡い期待をもって見続けていたのですが、全体の折り返し点の第12-13話の結末の安直さに結構ガッカリ。
その後は“ながら視聴”になってしまい、結局《ガンダム・ビルダー・シリーズ》の中では一番低い評価になりました。

《結論》
「ガンプラ」マニアの人、あるいは『00』『SEED』のファンの人ならまずまず楽しめる作品でしょう。
(※あと『SAO』のマスコットキャラ=ユイちゃんが好きな人も?)。
そのどちらでもない私には、ちょっと厳しい作品でした。
(※それでも『ログ・ホライズン』のシロエ&アカツキちゃん&ニャン太さんが割と好きだったので何とか完走できました←キャラデザの力は意外と大きいのかも?)


◆視聴メモ
{netabare}
・第2話視聴終了時点
“トランザム”バリバリ起動させるらしいので『機動戦士ガンダム00』の事前視聴は必須みたいだね。
・第3話視聴終了時点
今度は『新機動戦記Gガンダム』由来の機体が登場。
・第13話視聴終了時点
本作の折り返し地点だが、マスダイバー事件の解決が安直過ぎる・・・ここでとうとう「本作は真面目にシナリオを追いかけていく作品ではないな」と見切りをつけて後は“ながら視聴”に切り替えてしまいました。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           矢立肇、富野由悠季
監督           綿田慎也
シリーズ構成      木村暢
脚本           木村暢、黒田洋介、野村祐一、むとうやすゆき
キャラクターデザイン ハラカズヒロ(原案)、戸井田珠里
メカニックデザイン   大河原邦男他
音楽           木村秀彬
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= ガンダムビルドダイバーズ (2018年4-9月) =================

 - - - - - - - - - OP「Diver's High」、ED「明日へ」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 Welcome to GBN ★ リク&ユッキー(中2・14歳の同級生)のGBNデビュー、謎の少女(サラ)と初心者狩り(ドージ)、リクのフリーバトル初勝利
第2話 百鬼オーガ ☆ フォース結成、リクvs.オーガ、初めての敗戦
第3話 守る者 ☆ モモのゲスト参加、キョウヤ(現役チャンピオン)との出逢い、マスダイバー乱入事件
第4話 霊山の虎狼 ☆ アジアン・サーバーへ、近接格闘術修行、流れの賞金稼ぎ来襲・撃退
第5話 聖地・ペリシア ☆ アヤメ接近、ビルダーの聖地、シャフリアールからの勧誘、リクのフォース結成宣言
第6話 過去と未来 ☆ 腕利きビルダー(ナナミの兄コーイチ)、ビルドダイバーズ結成
第7話 フォース戦 ★ デビュー戦(対ロンメル新人隊)、サラへのプレゼント
第8話 フェス! ★ ベアッガイフェス参加、マスダイバー化した女性ダイバー(ステア)
第9話 オーガ再び ☆ バトランダムミッション参加、対百鬼戦、ドージ機暴走、不正コード(ブレイクデカール)蔓延
第10話 有志連合 ☆ チャンピオンの呼びかけ、初心者用サーバー(エリア11)の戦(有志連合vs.マスダイバー軍、アヤメ裏切り)
第11話 アヤメの涙 ☆ 続き(アヤメの過去、回心、黒幕)
第12話 光る翼 ☆ 続き(巨大ビグザム出現、GBN崩壊の危機、トランザム発動)
第13話 デュエル‐決闘‐ ☆ アヤメ音信不通、GPデュエル(リクvs.シバ・ツカサ){/netabare}

 - - - - - - - - OP「Infinity」、ED「スタートダッシュ」 - - - - - - - -
{netabare}
第14話 新しい力 ☆ フジサワ・アヤ(アヤメ)との対面、00ダイバーの代替わり
第15話 ロータス・チャレンジ ☆ 
第16話 再会、友よ ☆ 対SDガンダム・フォース(le chat noir)戦、アライアンス締結
第17話 共同戦線 ★ 新フォースネスト完成、ドージ&ユッキーの成長 ※もう一人のサラ登場回
第18話 男の意地 ★ リクTOP10入り、リクvs.タイガー(リクの必殺技、タイガー勝利)
第19話 ナデシコアスロン ☆ GBNイメージガール選手権(ナミ参戦)
第20話 真実 ☆ ナミのフォース参加、GBNメイン開発者(鳥アバター)の依頼、新種のバグの原因(電子生命体(Lダイバー))、サラ抹消の危機、サラ逃亡
第21話 君の想い ☆ サラ捜索、ツカサへの依頼、リクvs.オーガ、有志連合再結成・Lダイバー確保
第22話 誓う心 ☆ コーイチのサラ救済策(ビルドデカール)、サラの消滅志願、サラ救出戦開始(有志連合vs.ビルドダイバーズ+アライアンス)
第23話 宿命の二人 ☆ 続き(ビルドダイバーズ苦戦、ツカサの技術支援開始)
第24話 決戦 ☆ 続き(チャンピオンvs.リク、オーガ割込み参戦、ビルドイバーズ勝利)、変異体レイドボス出現
第25話 新しい世界 ☆ レイドボス討伐戦、サラ実体化(※ほぼSAOのユイだな笑){/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)5、☆(並回)30、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5


※この他に、第2話と第3話の間の出来事を描いたOVA(プロローグ・・・13分40秒)が配信されています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
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