2018年度のファンタジーアニメ映画ランキング 12

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の2018年度のファンタジー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月22日の時点で一番の2018年度のファンタジーアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.9 1 2018年度のファンタジーアニメランキング1位
さよならの朝に約束の花をかざろう(アニメ映画)

2018年2月24日
★★★★★ 4.2 (653)
3485人が棚に入れました
一人ぼっちが 一人ぼっちと出会った

出会いと別れが紡ぐ永遠の一瞬

少女はその時 愛にふれた

『あの花』『ここさけ』の岡田麿里、初監督作品。

声優・キャラクター
石見舞菜香、入野自由、茅野愛衣、梶裕貴、沢城みゆき、細谷佳正、佐藤利奈、日笠陽子、久野美咲、杉田智和、平田広明
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

時の流れが織りなす母子の愛と別れの物語

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:9
キャラクター:8
情感:10
合計:44

【あらすじ】
人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。
両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。
虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。
(公式サイトより抜粋)

【視聴経緯】
特に好きなシリーズとかではなかったものの、あにこれでの評価が良かったので劇場まで足を運んできました。もう少し後ならリズと青い鳥が観れたのにと思ったタイミングでしたが(あまり自由が利かないので)、結果的には本作を劇場で観ることができて本当に良かったです。

【未視聴者に向けて】
個人的にもこの評価点は劇場版の尺での最高値ですし、滅多に超えない4.7のハードルを越えているので、私の評価点に概ね共感を持たれている方は、おそらくは楽しめると思います。なので、特に先入観を入れることも必要なく見ることをおすすめしたいと思います。

【ネタバレなしでいくつか見どころや注意点を教えてほしい方に向けて】
(ネタバレはありませんが、何も情報はいらないという方のために閉じておきます)。
{netabare}作画の水準が非常に高いのがまずは見どころです。ヒビオルの塔の内装、様々なシーンの空と雲や、雪景色、煙の出ている町の風景、などが特に印象に残っています。

映画の2時間の間に、たまに飛び飛びで時が流れます。テロップなどはないので、言葉等で気づく必要があります。国家間の戦争等も描かれますが、中心は主人公マキアと縁あって育てることとなったエリアルとの母と子の愛情、人間関係の変遷がむしろ中心として描かれているのが一番の見どころです。

女性のほうが感動できるかもしれないと思うのと、男女共通で、それなりに人生経験のある大人のほうが感動できると思います。

劇場版となると、観客を笑わすコメディが入ることがありますが、本作は皆無。ひたすらシリアスなので、シリアスが苦手な方は楽しめないかもしれません。

注意点としては、若干、専門用語があります。ヒビオルが代表例でしょうか、織物のことと思って見ていると、違った表現をされたりします。織物にメッセージのようなものを記録できるようで、それが広めの言葉として使われることがあるように思いました。イオルフは主人公の種族(エルフ的な)、レナトは竜のことです。

また、最初は、マキア以外のイオルフのキャラの見分けがつきにくくて混乱するかもしれません。紛らわしいのはレイリア、長老、クリムの3人でしょうか。長老は序盤以降は出てきませんので、女性はレイリア、男性がクリムと思えば多分大丈夫かと。{/netabare}

【ネタバレを含む感想】(視聴した方のみどうぞ)
{netabare}
本作の表面上のテーマはプラスティック・メモリーズに近いように思いました。プラメモはギフティア(人間そっくりのロボット)の寿命のほうが短く、ギフティアとの間で思い出を作る意味があるのか、というテーマでしたが、本作は主人公のほうが何百年の寿命を持つイオルフであり、別れの一族と呼ばれ、人を愛せば本当の独りになるという教えに背いて、人間を愛することに意味があるのか、という話と捉えれば、その類似性がわかると思います。

プラメモは設定が甘すぎで、作品としては泣けるラブコメ萌えアニメ(私はお気に入りですが)といった感じでしたが、本作は壮大なファンタジー世界で重厚さがありました。時代としては中世~近代をモデルとしつつ、大きな破綻は見当たらず、無理なく世界に入っていけました。

ちょうど、今シーズン(2018冬)ではヴァイオレット・エヴァーガーデンが放映されていますが、京アニの大作と比較しても、作画面でも劣っていないどころか、個々の画では上回っていますし、戦争の表現とキャラクターの乗せ方はこちらのほうが自然で成功しています。

外見の成長が止まる(老いない)という点も、声優の声や演技を変えなくて良い、主人公の外見の美しさを維持できるという面で非常に優れた設定と言えるでしょう。

ストーリーは、2時間映画で描き切るにはそもそも大きな物語なので、若干駆け足になったところや、最終盤の東京マグニチュードを想起させる回想シーンは少し強調しすぎだったように思いました。時の流れを使った表現は、P.A.WORKSの得意技で、もちろん良いシーンではあったのですが。

それから、リアリティ面にも響いたのが、レイリアの飛び降りシーン。ようやく我が子と対面して、直前では子供を抱きたいと言ってクリムを拒絶していたこともあったのに、なぜスルーなんだと。竜に助けられたのも見ていた時には全く偶然と思いましたしね。後から考えると、レイリアは「あなたたちのことはヒビオルに織らない」と生きることを前提の発言をしているので、レイリアにはマキアが竜で助けにきてくれたのが見えていたと解釈するのでしょうね。それでも、竜に乗れる保証はない状況で飛び降りれるレイリアは凄すぎです。

母子の愛情は、母からの無償の愛にも感動しましたが、子の側のその受け取り方、成長に応じた関係性の変化なども心情描写とともに細やかに描かれていました。お互いの思いの行き違いで、エリアルは、マキアのことを母親とは思っていないなどと言って、家から出ていってしまいます。そして、仕事に就き、結婚もして父親になるというところで二人は再会。

マキアが何て呼ばれてもいいと言った後の、エリアルが「母さん!」と叫ぶシーンは、本作屈指の名場面だったと思います。母親でいることを貫いてきたマキアにとって、本来は嬉しい言葉ですが、相手は父親になった大の大人。子離れをしなければならないと思ったのか、複雑な表情をして別れを選びます。

情感面の話、実は中盤まではそこまで盛り上がりがありませんでした(ほっこりの状態が長かったのですが、その時点でも近くの男が泣いている様子で、今の泣きポイントだったの? と思っていました←後から考えると2回目とかだったのかも)。しかし、終盤は怒涛の追い上げで、結果的には久しぶりに涙腺崩壊しました。

エリアルの死期に立ち会ったマキアは、いまだ妖精のような美しさで神々しかったです。生活感もしっかり感じさせる地に足をついた物語でしたが、最後に神話になったような、充足感に満ちた作品に映りました。

タイトルの約束の花はタンポポで、タンポポの花言葉には「真心の愛」などあるのですが、綿毛は「別離」。別れは、現在の場所から巣立っていく人に贈る前向きな言葉にもなります。マキアの最後のシーンの言葉にも表れていましたが、別れを力強く肯定することがこの作品のメッセージと受け取りました。

岡田麿里氏の初監督作品というのも話題でしたね。同氏が脚本を手掛けた作品では、あの花、ここさけ、(全話でなければ、)とらドラ!、さくら荘、絶園のテンペスト、凪あす、花咲くいろは、など見てきていますが、個人評価を調べてみると、3.8~4.5と凡作はゼロ、並作すらほとんど出さない優良クリエイターさんです。スタッフに恵まれたことももちろんあるでしょうが、いきなりこのレベルの作品を送り出してくるとは…。今後のご活躍を期待しています。{/netabare}

【ネタバレを含む感想2】(2回目鑑賞後)
{netabare}同じ映画を2度も劇場で見たのは初めてです。自身で高評価をつけながら、調整すべきか考えていたのと、1度ではわからない場所があったので。

情報を何も入れずに見た初回と比べると、かなり理解できました。疑問点や新たな発見について、箇条書きにしてみます。

<なぜレイリアはダイブしたのか>
{netabare}初見時の一番の疑問点でした。直前まで、子供に執着を感じさせる発言をしていたので。
まず、ダイブ直前にマキアが「レイリア、跳んで!」と叫んでいて、建物と思える白壁に大きな影が動く描写がありました。レイリアがそれを確認できていたかはまだよくわかりませんでしたが、それに気づいていて、死のうと思って跳んだわけではないのでしょう。

一瞬のうちにメドメルと別れを選んだ理由は容易に消化できるものではないですが、成長の早さを見て、既に子供の成長過程において、自分の存在が意味を持っていない(ヒビオルに織られていない)ことを悟ったということでしょうか。事実、メドメルは母が飛び去っても泣きもしなかった、そういう関係性になってしまっていたわけで、自分だけが一方的に子供に依存する関係になりたくないと思ったのではないでしょうか。

「私のことは忘れて! 私も忘れるから」と気丈な発言をしながら、レナトの上では忘れられるわけないというマキアの言葉に涙する形で締められていましたから。{/netabare}

<イオルフの一族はどうなったのか、レイリア以外の捕らえられた女性は?>
{netabare}レイリアとマキア以外の女性がどうなったのかは描かれていません。

メザーテ軍が襲撃時に「抵抗するならいっそ切り捨てて構わない」と言っているので、抵抗して殺された者も多数いたのではないかと思います。連れ去られた他のイオルフたちは、あえて描かなかったのだと思います。

エンドロール後に一枚絵で、滅んでいないことを示していました。{/netabare}

<クリムについて>
{netabare}本作で一番救われないキャラクターがクリムでしょう。しかし、時の流れがあらゆる関係性を変えていく本作において、その変化に抗った存在として仕方のない結末でした。初見時にはマキアに恨み節を吐いたり、レイリアと心中しようとしたりする、仲間とは思えないキャラでしたが、2回目では、彼があらゆる手で恋人を奪還しようとしていて(別の作品であれば、イオルフの正義のヒーローとして描かれたでしょう)、美しい悲劇に同情します。{/netabare}

<シーンが飛び飛びでわかりにくい>
{netabare}2回見るとほとんど違和感がなくなりました。初見時はマキアを連れ去ったのが誰なのかわかりませんでしたが、クリムでしたね。でも、そこからマキアの髪を切るまで何をしていたのかはいまだによくわかっていませんが。

初回で全て理解するのは難しいのは減点要素ですが、劇場の尺まで徹底的に無駄を削ったのも、芸術性を重視する私にとっては良かったです。必要なシーンは描けていたと思うので。{/netabare}

<バロウが長老の子どもである説について>
{netabare}「外の世界で出会いに触れたなら、誰も愛してはいけない、愛すれば、本当のひとりになってしまう」とマキアに話していた長老。イオルフの掟だと思っていましたが、レイリアかクリムの言葉では、よく長老が言っていたことという表現だったと思います。

そして、イオルフの集落にいなかったイオルフであるバロウ。彼はマキアのことを知っていて、その後、メザーテでマキアのことを助けてくれ、ラシーヌと呼ぼうとした後に長老と言い直したり、最後にも登場します。

そこで、バロウは長老の子どもという説があります。直接的に描かれている場所はありませんが、裏設定としてその可能性は十分にあると思います。長老の愛した人は悲劇に遭い、子供もイオルフの集落に受け入れられなかったことを想像すると、より深い物語性を感じられます。{/netabare}

<マキアとエリアルの恋愛感情について>
{netabare}これも、人によって全く捉え方が違うようです。私は両者とも恋愛感情に至らなかったと思っています。酔っぱらったエリアルがキスをせがむシーンはありましたが、子どもの頃にしていたのはおでこのキスなので。お互いにお互いの関係性がよくわからなくなってきていたことの表れのひとつと捉えています。{/netabare}

他にも、ラングやイゾル視点でも心情描写がされていたり、2回見ても満足できる作品でした。{/netabare}

(参考評価推移:5.0→5.1)
(2018.3劇場にて鑑賞)

<2018.7.28追記>
遅ればせながら、上海国際映画祭におけるアニメーション最優秀作品賞(金爵奨)の受賞、おめでとうございます!

本作は円盤購入を考えていますが、10月26日発売とのこと。結構引っ張りますね…。
映画のパンフレットがすぐに売り切れになってしまい、後日、P.A.WORKSのネットショップで追加販売されたようですが、私が気づいた時(数日で)には完売とどっぷり嵌ったファンが多数いるようで。かく言う私もその一人でして、円盤購入(縮刷版劇場パンフレット)でゲットしようかなと思っています。

<2019.1.9追記>
2018作品ランキングの1位にした作品で、レンタル開始後に視聴された方の評価を見るに過大評価だったかなと思ったりもしましたが(私は作品の芸術性を評価しているので、物語が完成された作品(短いほうが有利)が点数は高くなりやすい)、やっぱり本作は大好きでして。115分でこれだけのものが創作されたこと、マリーをはじめ制作陣に感服です。

テーマはわかりやすいし、ストーリーも言葉にすれば単純で、ラストがどうなるかもすぐに予測できるものです。しかし、登場人物の人間関係の変化や、マキアとレイリアの対比等を巧みに使った設定があり、演出も全体的に素晴らしいです。

心情描写の好きな方や、シリアスな作品が好きな方におすすめ。私は感動をウリに宣伝するつもりがありません。{netabare}最終盤の回想シーン{/netabare}により涙を強要してくる作品と言われる節がありますが、そんなところは付随的な部分で。

例えば、{netabare}幼児のエリアルに当たってしまい(育児における悩みあるあるです。もぞもぞ虫遊びの使い方も良かった)、出て行ったエリアルを探して見つかった時の安堵(大雨で水嵩が増した水路を映すシーンでマキアの恐怖を共感){/netabare}といった場面だけでも込み上げるものがあります。

初見の方の多くは{netabare}レイリアのダイブが理解不能となっていそうですが、自分が思い続けてきた子の中に、自分が存在しないことがわかる場面なんて容易に想像できないし、仮にあれが身投げであったとしても、説明できなくはないかなと。{/netabare}

ファンタジーが舞台ながら、人間にとって普遍的なもの(「愛」が当てはまると思いますが、尊く重たいもの)を扱っていて考えさせられつつ、視聴後に心が洗われるような作品。いや、あまり視聴のハードルを高めたくないので、むしろ感動できるよ!と軽く薦めるべきなのか(笑)

本作は視聴者が少ないのが残念でもったいないので。

<2019.1.28追記>
今回は、購入していた円盤を最近視聴したことに加え、以下のレビューを読んで思うところがあったので追記します。既に視聴している方は参考に読まれてはいかがかと思います。

「ナナメ読みには最適の日々」
⇒http://ishimori-t.hatenablog.com/entry/2018/03/16/085105

{netabare}私が理解したところを大まかに言うと、本作は「物語についての物語」であり、物語の語り手であるイオルフが語られる側の人間と関りを持つ構造になっている、というレビューなのですが、結構説明できていて、こんな見方があるのかと唸ってしまいました。

本作は物語を創る職業である脚本家の岡田麿里氏が、全てを出してほしいと言われて監督を志願し、創り上げた作品です。物語の語り手を暗に登場させている可能性はあり得ますし、作者は世界の生みの親ですから、それが親子の関係により描かれるのは自然です。ついでに、クリエイター側に共感できる私が惹かれた理由の説明にもなっています。

まず、ヒビオルについて。本作は色々と独創的なモチーフがあって、流し見しようものならすぐについていけなくなる危険があるのですが(このわかりにくさが評価を下げる一因となっている)、その最たるものがヒビオルです。これを削らず、ネーミングも一般的にせず、物語で何度も登場させ、エンドロールでヒビオルを織るシーンを流した作者の意図は考えられるべきでしょう。

ヒビオルは単なる美しい布というだけではなく、言葉を織り込むことができます。縦糸は流れゆく月日(時間)、横糸は人の生業(出来事)ということで、日々を紡いでいくという設定です。初見時の感想において、私はヒビオルをイオルフそれぞれの「日記」(自分史)のようなものと受け取りましたが、これを脚本家(P)それぞれの「物語」と訳してみます。

高値で売れるので、イオルフの民はこの機織りを生業としているように描かれていますが、ヒビオルと同様の織物がイオルフ以外に作れない説明はないですし、教えればエリアルのように人間にも織ることが可能です。

この点、脚本家は物語の語り手であり、物語ることを生業としている。物語の世界とは一線を画し、当然、物語世界の住人よりも長く生きることができると当てはめて解釈することができ、前述のレビューのとおり、禁忌との関係で捉えることも可能です。マキアの神出鬼没さも、語り手側ゆえかもしれません。

マキアはエリアルと出会い、彼を私のヒビオルと言います。初見時の解釈(=日記)ではここを理解できず、大事な物という意味もあるのだろうとうやむやにしましたが、マキアにとっての物語と読むとスムーズです。その後、マキアが織物であるヒビオルを織るシーンは削られておりほとんどなく、エリアルが成長するまでの時間を共に過ごし、終盤手前の再会時に、自分を織りあげたのはエリアルだと言います。

ここを訳すと、マキアのヒビオル=エリアルを主人公とした物語=マキア自身、となり、物語の作者は、自らが生み出した物語によって、作者自身が作り上げられているという関係性を表わしていることになります。岡田氏がそのような意図を込めていたかはわかりませんが、岡田氏にとって自身が創った物語は自身の人生の一片であり、そこに関係した存在(物語世界を含む)への感謝を作品に乗せていることは推察されます。

ヒビオルのエンドロールは、この作品が物語の物語であることの暗喩であるとも、この物語が続いていくことを単に表現したとも、視聴者も各自の物語を紡いでくださいというメッセージとも、自由に捉えられるように思いました。

様々な視点で解釈ができる作品ですね。個人的には、結局のところ脚本家にとどまらず、視聴者自身が自分の人生における物語をヒビオルに当てはめて視聴することを許容している作品だと思います。

ついでにレナトという名の竜について。これも、単に竜などの名称を使わなかったことに意味があるはず。

レナトは、「生まれ変わる、再生する」を意味するラテン語「レナトゥス」に起源を持ち、古代ローマ初期よりキリスト教徒が用いてきた名前から連想され、古代から神聖とされた存在の象徴として命名されたとも考えられます。
{/netabare}

<2019.3.8追記>
今週月曜に有楽町のマルイで開催されているさよ朝展を見てきました。一部、撮影可能だったので美しい背景美術等、カメラにおさめてきました。
劇場では完売していたグッズなどの販売もあって、クリアファイルを購入させていただきました。

さて、ネット上のレビューで私が最も共感したもののリンクを掲載して、取りあえず本レビューは終了としたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。(リンク切れだったので修正しました(2019.9.16))

「『さよならの朝に約束の花をかざろう』を観て、「"物語"とは何か」について考えた」{netabare}
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886369977/episodes/1177354054886374977
{/netabare}

<2020.3.20追記>[New!]
公開から2年以上経ちましたが、いまだに予告編PVを見たり、Yahooのリアルタイム検索で「さよ朝」を検索しています。遅れて視聴した方の反応は概ね良好で、ドリパス(リクエスト投票数が多くなった映画を劇場で上映するもの→https://www.dreampass.jp/m361183)では今年2月に上映を達成したところ、既にまた7位まで上がってきています。
劇場で鑑賞したい方はお見逃しなく(本作は劇場をおすすめします)。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 78
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いのちを紡ぐ

P.A.WORKS制作、
岡田麿里、監督・脚本作品。

人里離れた土地でヒビオルと呼ばれる布に、
日々の出来事を織り込みながら静かに暮らす。
10代半ばで、外見の成長が止まり、
数百年の寿命を持つイオルフの民の物語。

幻想的な世界でありながら、
緻密な構成と書き込みの密度が高く、
臨場感あふれる世界観に圧倒されます。
見た目はさほど変化せず悠久の時を生きる、
イオルフの少女マキアは運命に翻弄されて行く。

愛すれば、やがて1人になる。
この道はきっと「孤独」に繋がる。
{netabare}肯定されるべき感情がここではそうならない。
死なない身体とはそういうことだろう。
多くの別れを見送って、
それでも時は立ち止まらずに進んで行く。{/netabare}

いのちを繋ぐこと、紡ぐこと、
懸命に生きる人々の呼吸に満ちている。
愛すると言うこと、子を育てること。
{netabare}躊躇いはやがて尊い「生」の肯定へと至る。
生きるということはそれ自体が学ぶことだ。{/netabare}
きっと物語は終わらないだろう。

そうだ、愛して良かったのだ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 86
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

時を越えて君を愛してみた

岡田麿里初監督作品 / 劇場版オリジナルアニメ


ふと映画を観たくなったもので。
『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。

映画は引き算の作業。TVシリーズと比べ尺の関係で観客に解釈を委ねるものが少なくありません。こちらは想像と妄想の翼をいくらでも広げることができますし、鑑賞にあたってはフラットな視点で楽しむことが肝要かと思います。
とりわけ、「泣ける」「感動した」との評は処し方が難しい。「泣ける」「感動した」は感想を持ちよって共有するのに適していて、鑑賞前の指標とするのはあまり得策ではないと個人的には思ってます。想像と妄想の翼が上手く広がらなくなる恐れがあることが理由です。
なんのことはありません。要はこれまでよく失敗をしてきましたよ!ってことです。ハードル上がりまくってませんか?これw


そして『さよ朝』は劇場版の良いところである “ 説明がうるさくない ”ことを満喫できた作品です。
これからの方は、“めっちゃ綺麗な映像”“物語を邪魔しない劇伴”“キャラに合う声優の選択”。この3点において高いレベルの作品である、を理由に鑑賞の優先順位を上げて良いと思います。


中身はファンタジー。イオルフという長命種族の少女マキア(CV石見舞菜香)とその息子で人間のエリアル(CV入野自由)を中心とした物語です。
親子の愛。愛あるが故の葛藤に心を揺さぶられますが、おそらく監督が描きたかったかもしれない


 “ 時間は有限であるからこその尊さ ”


に説得力を持たせるには齢400年余のファンタジー設定は不可欠でした。ゴリゴリのCG使った実写でも不可能ではありませんが、アニメだからこそ成立し得る傑作といって差し支えないかと思います。

丁寧に親子の感情の揺れを綺麗な映像に落とし込みながら、私達が無為に過ごしているかもしれない“時間”について思いを馳せるところまで踏み込んだ内容となっています。

大切に想う者同士を隔てるもの。それは互いの残された時間の差。


 あなたは先逝く者にどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは先逝く身としてどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは残される者として何を自分に留めておくのだろうか?
 あなたは残される者へのどんな想いを胸に抱き旅立つのだろうか?


けっして軽くない題材を扱いながらわりと俯瞰的に捉えた抑えめ演出だったことが意外であり印象に残りました。あの岡田さんがってやつです。


ファンタジー大作。とりわけ実写だとアクロバティックにドラマティックになりがちなわけで、もし『さよ朝』が仰々しい演出全開だったら持ち味がだいぶ削がれてしまったことでしょう。
そんな繊細なバランスの上に成り立った115分。お薦めです。





※以下ネタバレ所感

“ 時間 ”に絞って本編の良かったところ


■機を織る民

{netabare}中島みゆき『糸』。ap bank bandがフェスでカバーしてブレイクしたあまりにも有名なこの曲。映画冒頭で脳裏をよぎった人は私だけではありますまい。
「縦の糸はあなた 横の糸は私」と二人の繋がりを唄い、ハッピーエンドを示唆して閉じる名曲です。
これだけでも深みはあり一本映画ができそうですが、…といってたらホントに2020年に『糸』から着想を得て一本封切られるみたいですw

本作ではさらに

{netabare}「縦糸は流れ行く月日 横糸は人のなりわい」{/netabare}

時間軸の要素を入れて織り成し加減が複雑になります。というより「あなたと私」を見せてさらに「時間と私たち」を見せる仕様。筋が通ります。
長老ラシーヌ(CV沢城みゆき)がメザーテ軍人イゾル(CV杉田智和)に対し「布を織り日々を織る単調な繰り返し」と言ったイオルフの生活はいわば

“縦糸は日々を織る 横糸は布を織る”

とも置き換えられるでしょう。布=人のなりわいです。“ヒビオル(布)”がマキアにとってどれほどの意味を持っていたのか察して余りありますね。
ヒビオルがいろんなとこで暗喩的に使われてました。いいっす。まじいいっす。{/netabare}

そしてよく115分に纏められたなというくらいの壮大さ。



■体感時間の差異

物語のテーマが“流れゆく月日と人のなりわい”だとしたら、その時間と人を描くための主たる要素となったのが“体感時間の差異”でしょう。

{netabare}レイリア(CV茅野愛衣)とクリム(CV梶裕貴)の行き違いなんかがそう。

レイリアの意に反して交わらざるを得なかった人間だ、とのクリムの見立ても間違っていません。同一種族でまた平和なあの頃にと思う彼を責められはしないのです。
レイリアが経験してクリフが経験できなかったこと。それは自分より寿命の短い人間つまり娘メドメル(CV久野美咲)を愛するという体験です。

映画冒頭から劇中の時間はおおむね20年経過してた頃合いでしょうか。イオルフと人間との間には時間の捉え方にずれがあります。
イオルフ、ここではクリムにとっては瞬間であったろう20年間。目の前で最愛の人をさらわれたのはついこの間という感覚のまま、そしておそらくレイリアの心境の変化を理解できぬまま斃れたクリムがただただもの悲しいのでした。
人間のライフサイクルさえ知っていればレイリアへの声のかけ方も違うものになってたでしょう。{/netabare}


{netabare}イオルフのレイリアは人間の子を宿しました。
イオルフのマキアは人間の子を育てました。
人間のディタ(CV日笠陽子)は人間の子を産み育てました。

3つの異なるタイプの母親が登場します。ずっぷり関わったマキア。娘を拠り所に孤独を慰めたレイリア。私たちとおんなじディタ。

異なる体感時間を持ってようが、いくら孤独を恐れようが、母から子への眼差しはとことん暖かいことに普遍性を感じます。
イオルフに感情の起伏がないように見えたのは寿命の長さが関係しているはずですね。時間は限りあるからこそってやつです。{/netabare}



■別れが来るから 情が移るから

{netabare}愛する人を必ず先に見送らなければならない(単身者向け)

我が子を必ず先に見送らなければならない(家族持ち向け)

彼女もいない俺はどうすりゃいいんだー(・。・; ・・・という話ではありません。
出会いがあれば別れがあるわけであります。
そのつらい別れを自分が経験することが確定しているとわかりきってるのに踏み込みますか?踏み込めますか?を突きつけられる作品でもあります。

作品で出された答えは明快です。

 A 踏み込むでしょう!

時間は有限であるからこそ人は一生懸命生きるのだよ、ってね。{/netabare}

{netabare}そのメッセージは明快かつ前向きです。
ハーフのバロウ(CV平田広明)さんの締めが良い!

「(長老は)笑うだろうよ。おまえが苦しいだけじゃない別れを教えてくれたことが嬉しくってな。」{/netabare}





繰り返し観たいと思える作品でした。

 感動したか? 
 泣けたか?

いにしえのドラゴン“レナト”よろしく赤目病に罹ったかのように目を真っ赤にはらしてたかと。
こういった時間という縦軸で魅せる作品に自分はめっぽう弱いのです。






■オマケ
・ヒビオルは高級品に納得

{netabare}エリアルと出会った時に彼を包んだヒビオルを時は流れて看取る時にかけてあげてましたがものすごく耐久性良いですね。{/netabare}


・配役ミス?

杉田さんが出てくると真面目なところもそうでなく見えてしまい残念な気持ちに。沢城さんと掛け合うとさらにその思いを強くしますね~



視聴時期:2019年9月

--------
2020.03.18
≪配点を修正≫ +0.1



2019.09.15 初稿
2020.03.18 配点修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 74

75.7 2 2018年度のファンタジーアニメランキング2位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (261)
1209人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

史上最高のおねショタSF映画!もりみー原作が苦手な人にこそ観てもらいたい!

『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』のもりみー(森見登美彦)の新境地を『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』の石田祐康と新井陽二郎のタッグが描いたジュブナイルSF


とある郊外の町が舞台
10歳にして勉強や研究に熱心な好奇心旺盛で達観した思考を持つ少年、アオヤマ
ある日、海も無い町中に唐突に大量のペンギンが出現したのを目撃する
アオヤマ少年と友人はすぐさまにペンギンの出自を探す探検に出るが謎は深まるばかり
その後アオヤマ少年はその達観視した口調が災いし、クラスメートのガキ大将と衝突してしまう
そのピンチを彼が淡い恋心を抱く近所の歯科衛生士の“お姉さん”に救ってもらう
アオヤマ少年がペンギンの謎を追っていることを知ると“お姉さん”はジュースの缶を宙に放り投げた
すると彼女が投げたジュース缶が突然ペンギンにメタモルフォーゼした
「この謎を解いてごらん、君には出来るか?」
かくしてアオヤマ少年は“お姉さん”とペンギンの関連を探り出そうとするのが…


まず一連のもりみー原作の多聞に漏れず、達観視した上から目線な主人公による一人称が主軸となっているのですが、早合点するなかれ
もりみー原作でありながらも畳み掛けるような喋り口調でまくし立てる作品ではないのです
主人公が落ち着いた少年であるという点や、アオヤマ少年を演じた北香那の感情を殺した芝居、そして全体的に間を大切にしたテンポ感を含めて、どちらかというととてもゆったりとした時間が流れる作品になっています
かつ暑苦しい青春モノでなく、もっと爽やかなジュブナイル作品というのも手伝っていますから「もりみー原作はちょっと…」という方にこそチェックしていただきたいところです


この辺りの演出、石田祐康率いるスタジオコロリドの若いスタッフが中心となったことも大きいと思います
少年の、自覚なき恋心を大切に描いていますし、その一方で少年が“お姉さん”に興味を抱くキッカケが“お姉さん”の豊満な「おっぱい」というのがエッチでコミカルでとっつき易いです
また、過去作の様にスタジオコロリド内製が強いのかと思いきや、流石に初の長篇ということもあって亀井幹太監督が演出処理を買って出る、佐藤順一監督がクリエイティブアドバイザーとして参加する、等これまでのコロリド作品とは規模の違いを感じます
一言で言うなれば、これまでのもりみー原作アニメが若者向けな文学作品だったのに対し、今作は老若男女広く、もっと言えばファミリー路線にも喰い込める、本当の意味でのエンターティメントに振った作品に仕上がっていると言えましょう
今日までコロリドを見捨てなかったフジテレビにはよくやった!と言いたい


ところでもりみー原作といえば【いまいち何を考えているのかわからないヒロイン】の存在でありますが、今作の“お姉さん”もまたもりみーヒロインであることに変わりありません
彼女のイヤラシさの無い奥ゆかしさを、蒼井優が見事に演じきっていてコレにも拍手です
キャスティングは完璧で、いわゆる大人の事情なども感じさせません
それは主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Good Night」も同じで、まさにこの映画の為にある一曲と言える楽曲です
エンドロールで程よい余韻に浸れることを保証いたします


また、途中で『台風』が来たり、『坂のある町を駆ける』のは思わずコロリド作品ファンには笑みがこぼれてしまうところでしょうw
コロリドにとっては今作が初の長篇にして、1つの記念碑となった、のではないしょうか?
まあ細かいことは置いとくとしても、とかく【おねショタ】っていうジャンルは本当に尊いと思ったのがオイラの本音ですよw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 18
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 63
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

表はペンギン、裏はエヴァンゲリオン

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:36

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちはいったいどこから来てどこへ行ったのか……。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」

(公式ページより抜粋)

視聴経緯については、先日見た「若おかみは小学生」同様、2018年に公開されたアニメ映画で、さよ朝やリズ青と共に名前があげられることが多かったから。

若おかみ~があまり響かなかったので、4作品中トップにあげられることの少ない本作は正直あまり期待していなかったのですが、意外にも高得点でした。

冒頭のあらすじを読むとこじんまりとした作品のようですが、スケールが大きく、SF、セカイ系と言ってよいでしょう。それでいて、個人の思春期の問題がテーマにされており、私はエヴァンゲリオンを連想しながら見てしまいました。

{netabare}本作はいくつかのもの(お姉さん、海と呼ぶ球体、ペンギン等)が象徴的に描かれていて、それを何と捉えるかで様々な受け取り方になると思いますが、全体のテーマは私にとっては「異性への憧憬」や「アニマの昇華・離別」(それによって少年は成長するのだ!)であると捉えました。(ペンギン・ハイウェイが象徴する道も、少年が通る成長の道ではないか)

個人的に、自作長編小説におけるテーマのひとつであり、お姉さん的なキャラを登場させたことがあるので、最早そういうテーマでしか見られなかったのですが(苦笑)
注.私の言う「アニマ」とは、ユングのものとはズレていると思いますが、精神的な異性に対する憧憬の原点(簡単に言えば理想の女性)みたいなもので、例えば、初恋の相手が2次元(アニメキャラ)みたいな形で接触する人も多いのではないかと思われます。

ですので、万人受けはしないと思いますし、特に女性は共感できるのか不明。女性にも異性への憧憬はあるでしょうが、本作のモチーフがそれに符合するのか全くわかりません。

そのようなごく個人的な体験により、お姉さんが偶像でないかという疑問は、最初の喫茶店のシーンから出てきて、コーラがペンギンに変わったところで確信に変わりましたね。

普遍的なテーマに寄って考えると、幼少期は想像(内的)世界と現実(外的)世界が共存しているけれど、どこかで想像世界に踏ん切りをつけて現実世界のみを見るようになるということでしょうか。

小説を書くことでお姉さん的存在と問答し、離別した私としては、アオヤマ君がお姉さんに再会できるのは内的世界に向き合うかもしれない老後、究極的には死んだ時だと思ってしまいますが、そうやって大人になった自分にとって、彼には昔の自分を重ねてしまい、背中を押してあげたくなりました。{/netabare}

青春の原風景を見に行けた感じでしょうか。主人公の性格や豊かなお姉さんの憧れが真っ直ぐで、爽やかな満足感を得られました。

客観的にも、テーマが深くて濃いものである割に、テーマに対応するぎりぎりの低学年を主人公にし、愛くるしいペンギンを登場させることで巧みにカモフラージュされているので不快感はあまりなく、終盤はジェットコースターのようなアニメーションも堪能でき、楽しめる作品と思います。

(2020.6視聴)
(参考評価推移:4.3)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 27

75.9 3 2018年度のファンタジーアニメランキング3位
続・終物語(アニメ映画)

2018年11月10日
★★★★☆ 3.8 (333)
1868人が棚に入れました
高校の卒業式の翌朝。顔を洗おうと洗面台の鏡に向かい合った暦は、そこに映った自分自身に見つめられている感覚に陥る。思わず鏡に手を触れると、そのまま指先が沈み込んでいき……。気がついたとき、暦はあらゆることが反転した世界にいた。

2018/11/10より全国劇場にてイベント上映開始!

声優・キャラクター
神谷浩史、斎藤千和、加藤英美里、沢城みゆき、花澤香菜、堀江由衣、喜多村英梨、井口裕香、早見沙織、井上麻里奈
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

怪奇現象学

シャフト制作。

現代の萌え怪奇絵巻、文学的鬼太郎。
その名も「こよみリバース」である。

大学入学を直前に控えた、
{netabare}阿良々木暦の摩訶不思議な鏡の国の冒険。{/netabare}

原作はあまり心に響かず期待薄でしたが、
独自の絵が付き、音が入り、命が吹き込まれ、
オールスターキャストの豪華な共演が、
娯楽として驚きの仕上がりを見せています。
物語シリーズ2番目の高評価としました。

{netabare}ロリコンサービスショットに、
セクシー羽川猫、表情豊かな斧乃木余接、
艶っぽい臥煙遠江の初登場!?など、
見所満載のシリーズ総決算になっています。{/netabare}

妹だけが変化のない、とある日常を巡り、
街を彷徨い、その謎の核心に迫る阿良々木暦。
{netabare}彼の心残りが原因で、歪み共鳴した異質な世界。
そこから無事に帰還できるのか!?
パロディ、メタ展開、余白を繋ぎ、
最後はツインテールと笑顔の衝撃波である。{/netabare}

やはり楽しい物語ですね、
次なる物語への跳躍でしょう。

大学編があればと期待しています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 45
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不思議な世界

原作未読 上映時間 約150分

テレビアニメ放送(未定)に先駆けて6話分を劇場版としてひとつに纏めて公開した作品です。

阿良々木 暦が私立直江津高校を卒業して、大学入試の合格発表前の出来事を描いています。朝、洗面所の鏡に映る自分を不思議に思ったあと、その鏡の中に引き込まれたお話です。

キャラデザは、テレビアニメ版と同じなので違和感なく観れました。

いつもの阿良々木暦の一人語りがメインで、色々なキャラとの会話劇もたくさんありましたね。{netabare}(まさか神原 遠江(臥煙)さんまで出てくるとは思いませんでしたw){/netabare}

女性キャラがほぼ登場しますが、いつもと違った面が観れました。
{netabare}
成人になった八九寺真宵、レイニー・デヴィル姿の神原駿河、クチナワ口調の千石撫子、ブラック羽川や少女姿の羽川翼、背が低くなった阿良々木火憐、人間の時の忍野忍、ツインテールの戦場ヶ原ひたぎ、表情や仕草が豊かな斧乃木余接、学ランを着た(男性?)忍野扇、そして老倉育さんだけは最初誰だか分からないくらい容姿や性格が変わっていましたねw
阿良々木暦の女子制服姿で真剣に語っているところは、ちょっと笑ってしまいました。
{/netabare}
PG12作品ということで、やたらと下着姿や裸のシーンが多かったですw

化物語の世界を満喫しました。この作品の特徴として、アクションシーンが少なく会話する時間が長く、150分もあるので退屈するかもしれませんね。

テレビ放送はいつになるのでしょうか? 早く観たい方で、化物語シリーズが好きな方は観てもいいのではないかと思います。

ED TrySailさんが歌っています。

最後に、原作の物語シリーズはまだ続いているにゃ~。またTVアニメか劇場で続きを観たいシャシャシャ~。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

鏡の反射率って知ってる?

視聴理由 物語!

視聴前 サムネ誰だろ

視聴後 及川さん可愛いすぎ

この話は阿良々木暦君が自分の映った鏡に異変を感じ取った
ジャンルは…哲学?
まぁ物語シリーズって感じだね
もとは映画だったんだけど映画の方みてなかったんだよね

今回も女の子たちが可愛いすぎる
そして今回のサムネの女の子はなんと今までの作品に登場してきた女の子でした
いやぁ惜しいなぁ…

音楽は普通。まぁもとは映画だったから無理やり6話に分割した感じで音楽が微妙
作画は素晴らしく物語シリーズって感じがして良かった。あとキャラデザが好み。

総評 物語シリーズって期待しても全然良い話

投稿 : 2024/05/18
♥ : 13

65.5 4 2018年度のファンタジーアニメランキング4位
未来のミライ(アニメ映画)

2018年7月20日
★★★★☆ 3.2 (228)
862人が棚に入れました
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんが出会ったのは、未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。それは、誰も観たことのない、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―

声優・キャラクター
上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

樫の木の記憶

細田守監督作品。

甘えん坊の4歳児くんちゃんに妹が出来る。
両親は赤ん坊に付きっきりで育児に追われ、
くんちゃんは家庭に居場所が見つからない。
疎外感を感じた彼は小さな樫が茂る庭へ飛び出す。
{netabare}そこには不思議な世界が待ち受けていた。
くんちゃんの心の冒険が始まる。{/netabare}

家族の絆を描くどこか啓蒙的な作品です。
ここにも戸惑ったレビューが数多くあります。
たしかに娯楽としては、弱いと思います。

家族とはそもそも偶然性で出来ている。
子供は親を選べないと言うが親も子供を選べない。
{netabare}ここで重要なことは、
偶然とも呼んでいい些細なことの重なり、
その繋ぎ合いが家系図を作るということだ。{/netabare}
家族とは、偶然性が生んだ共同体である。

もしもあの時、懸命に走らなければ。
もしもあの時、懸命に働かなければ。

歴史は選択した小さな出来事の集合である。
家庭を持つ方はきっと感じるものが、
あるのではないでしょうか、そう思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 50

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

不愉快です。クズ夫婦にイライラします。ネグレクトは虐待です。

 マイナス100点。最悪の映画です。

 子育てに大事なのは願いではありません。子供は勝手に育ちます。親の願いで育つことはありません。親ができることは危機回避と背中を見せることだけです。親が子供に願いだすと、それが暗黙でも言葉や表情、行動に現れます。絶対にやってはいけません。元気で健康に育ちますようにですら、病気が見つかったら、障碍者になったら失敗になります。子供のすべてを受け入れなければいけません。
 それで子供が逃げ出したり歪んだりする小説やアニメなんて沢山見てきたでしょう。このアニメは何を考えているのでしょうか。

 子育てに大事なのはスキンシップです。クリエーターで子育てものを作るなら心理学くらい確認しろ、と言いたいです。4歳くらいの男児ならネグレクト(放置)も虐待です。ましてあそこまできつく当たるのって何なんでしょう。陰でいくら愛してるといっても、子供に伝わらなければ意味がありません。何よりスキンシップ、特に母親との肌のふれあいが無い子供は不安定になります。

 母としてなぜあそこまで子供に冷淡になれたのでしょう。嫉妬で新生児に電車を振り上げても自制できる子供が、あそこまで傷ついているのです。我が子を追い込んだ自分を省みることができない、ということは仕事のレベルも推して知るべしです。しかも外に飛び出した子を追いかけもしないで。

 平等に愛情を注ぐように気を付けていてもどうしても妹に手がかかってしまう、という感じが全くありません。完全邪魔者扱いです。何かに気がついたり心配するそぶりも見せません。1場面くらい反省らしきことを言っていますが事の重大さも認識していないし、真剣に悩んでいる風にも見えません。
 入れ替わりで産休に入る人がいたって、子供が大切ならそんなのは会社の責任で何とかすればいいし、在宅だってできるでしょう。自分が全部正解みたいなツラで仕切るな、と言いたいです。

 今の時代ですから、仕事に出るなとはいいません。いや、推奨すべきなのでしょう。が、仕事をやっている奴がそんなに偉いのか?夫の批判をしているけど、お互い様という考え方はできないのか?と思います。
 本当に子育てに優先することが、仕事にはあるんでしょうか。食わなければいけないのはわかりますが、折り合いがつけられないのでしょうか。
 
 夫は夫で、自転車で補助輪を外して頑張っている我が子を放っておいて、あれはないでしょう。母親もフォローもしないし。犬に対しても同じだったということは、そういう性格なのでしょう。生活を考えない使い辛い家を作ったり。

 これって、庭の木が見るに見かねて助けてくれたってことでしょう。父親らしさも母親らしさも皆無です。若夫婦の奮闘記にしても、レベルが低すぎます。そもそも若くなさそうだし。35歳、精神年齢10歳にしか見えません。設定は良く知りませんが。

 まったく感動も感情移入もできませんでした。というか不愉快でした。



22年8月 評価見直し中。極端な評価や感情的な部分を補正。初回見たときの印象と改めて旧作と比較したときの点数の補正など。

 冷静に考えるとあのバイクの爺さんだけはキャラが良かったのでキャラとストーリーにちょっとずつ点数入れます…が、やっぱり良い感情がもてない映画なことに変わりありません。

 なぜかと言えば、夫婦が変わらないで、子供が木の力を借りて自分自身の旅で救済を得たからです。夫婦側でも旅があり何かを悟って間違いに気が付くならいいんですけど。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

子育てアニメでした・・・

観て来たよ。
えー、このアニメの感想ですが。
ホント「子育てアニメ」なんで独身にはつらい内容かと思います。
細田監督は「サマーウォーズ」からずっと
家族をテーマにしたアニメを制作してきましたが
過去作よりさらに直截的な作品だなと感じました。
ファンタジックなものを期待していると落胆するかもしれません。

親戚が集まって、しばらくしたら子育て話が始まって、
子供が泣くから寝不足だとか
なんやかんや苦労話を聞かされて、
ボクは興味ゼロでも適当に相槌打つしかなくて
でもやっぱり可愛いんだよなと
子供の写真を見せられて
ボクは「あ~可愛いね」と返すしかなくて。
最後は「子供はイイゾ!雀犬お前も結婚したらどうだ!」
みたいな。はぁ。


そういう居心地の悪さを終始味わうことになるかもしれないので
独身の皆さんは覚悟しておいた方が良いかもしれないです。
登場人物とのライフステージの違いは如何せん埋めがたいもの。

ただ家族持ちの方からも「子育ての苦労なんて現実だけで十分です」
といった否定的な感想をちらほら見かけたので
誰のために作ったのかよく分からない作品になってしまったようにも思います。

人物の描写は非常にリアリティー重視で良く出来ていたと思います。
なのでCVに声優を使っていなくても違和感はあまり感じなかったのですが
デフォルメがきいていないぶん
まるでホームビデオを100分見せられているような感覚がありました。

公開後の感想を見聞きした限り、予想以上に否定的な意見が多い。
我が子の成長を見届ける喜びを共有したいという思いに悪意はなくとも
ネットが普及し個人が情報を気軽に発信できる時代になった今、
SNSやBLOG、動画サイトで自らの幸せや充実ぶりをアピールする人が増えており
他人の自己顕示欲というものに皆うんざりしているようにも思います。

国民的アニメを作りうる監督として期待されていた細田さんも
自身の個人的な体験をベースにした作品を作るという
これまでの路線を変更しないと今後は大衆の支持を得られないのかもしれません。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 30

72.9 5 2018年度のファンタジーアニメランキング5位
劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(アニメ映画)

2018年9月29日
★★★★☆ 3.8 (132)
776人が棚に入れました
小さい頃から、他の人には見えない妖(あやかし)を目に映すことができた夏目貴志。 亡き祖母レイコが勝負をしかけ、負かした妖に名前を書かせた契約書の束「友人帳」を継いで以来、 自称用心棒・ニャンコ先生とともに、妖たちに名を返す日々――。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、伊藤美紀、伊藤栄次、石田彰、堀江一眞、佐藤利奈、木村良平、菅沼久義、沢城みゆき、ゆきのさつき、岡村明美、黒田崇矢、チョー、松山鷹志、下崎紘史、知桐京子、高良健吾、島本須美、村瀬歩
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

うつせみに結ぶ タイトルの意味

ごちうさの映画や蟲師の劇場版でも似たようなことを思いましたが、映画というよりは長編OVAという感覚で観ることになりました。
心当たりは
1つに、作品の性質上緩急が少なくて、じわじわ良さを感じる物語であること。
もう1つに、普段から質のいい作品であること。
この二つが大きく作用している為で決して劇場版のクオリティが低い訳では無いと思います。

もし差別化したいのであれば、作品の要を変えるしかありませんが…
例えば、恋愛要素を強くしたり、バトルものにしてみたり…
もし失敗したら相当叩かれるハイリスクな賭けになります。
勿論夏目友人帳ではそんなことにはならないでしょう。
スタッフが相当原作を大切にしているのは夏目友人帳が6期まで続いていることからもわかります。まあ、冒険することが大切にしてないこととも言えませんが。
夏目友人帳シリーズの一つとして受け入れて欲しいという思いがあるのだと感じました。

さて、ここからはネタバレですが
タイトルの意味を考えてみました。
{netabare}うつせみに結ぶ
普通に辞書をひいたら、蝉の抜け殻に結ぶ?とか、この世の人に結ぶ?という意味になりますけどそれだけではなんだかモヤっとします。

このタイトルを読み解くには語源に遡る必要がありました。
うつしおみ
“この世に人としての姿を現しているもの。生きている現実の人。”
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/19733/meaning/m0u/
作中に椋雄という人の姿を借りた妖が登場しますから、うつしおみはこの妖を表すものでしょうね。うつせみという名に代わっているのは、長い時を過ごし、心変わりをしたその妖の物語を表現しているためでしょうか。
あるいは、故人である椋雄と母・容莉枝が再び暮らすようになった様をうつせみに結ぶという言葉で表現しているのかもしれません。
しかし、~に結ぶという形になっているのは何故でしょう。うつせみを結ぶではいけないの?
これに関しては結論を出すのに少々時間がかかりましたが
やはりもっともストレートなのは、結ぶを動作として考えるのではなく状態として考えるということです。
うつしおみに終わる。
いかがでしょう。今作で、中盤まで夏目が疑問に思っていたこと。冒険のテーマに繋がりました。
残念ながら結末にするにはやや発展してしまったのでもしかしたらその他のニュアンスがあるかもしれませんね。
残念ながら私の頭ではこれが精いっぱいです。
より核心を突いた考察が出てくることに期待しています。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

TORL さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

構成が完璧。親子愛。そして三つの伏線回収。アニメ映画としては非常に見応えのあるものだった。

僕は一期の10話ごろまで視聴していました。

心が最後は震えて涙なしでは見られませんでした。

某映画評論サイトでは冗長だとか、色々な事を言われていましたが、展開は目まぐるしく、前半は伏線が四つほどありまして、どのように後半回収されるのかなと思ったら一つの結論で全てを回収してしまう夏目友人帳という作品の素晴らしさを感じました。
徹底した悪人の居ない世界を作っているのも素晴らしいと思いました。(性善説)
何よりULUさんのrememberをEDで聞いたときは、自分が妖怪の悲しみと暖かさを受けて、そして家族に対して優しくなれるような気分になりました。

リゼロなども見ましたが、全然比べ物にならないくらい内容が素晴らしかったです。

伝えたい想いが伝わりました。

心を暖かくしたい人にはオススメできます。間違いないですので!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

fu+i さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

初見です

最初、妖怪ウォッチ的なやつかな、と思ったんや ニャンコ先生は、カードキャプターさくらのケロちゃん的存在やったんか 原作が少女マンガやからか

私がひとよし春風マラソンで、聖地?作者、 緑川ゆき先生の出身地である熊本県人吉に行った際、夏目友人帳は、人吉が舞台のモデルになっていることを知り、この映画を見ようと思ったのがそもそものきっかけ
急いでテレビアニメのを見てから映画見に行こうと思ったけど、まさか6期まで続いてる作品だったとは… 再度、人吉を訪れるまでには、見終わってようと思います(_ _)
しろくまっぽいアイス出たり、陣太鼓出たり、地元感あるもの出るのは、ありがたいね

話はいいんだけど、初見の身には、登場人物がどんな人物かわかってなかったりで、ちょっと単調だったな(^_^;)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

70.1 6 2018年度のファンタジーアニメランキング6位
劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人(アニメ映画)

2018年8月18日
★★★★☆ 3.8 (53)
389人が棚に入れました
ここは妖精族や女神族や魔神族が存在する世界。魔神族の暗躍により、滅亡寸前だった大国・リオネス王国を救ったのは、大罪人であり伝説の騎士団〈七つの大罪〉と、ひとりの王女だった。そして、リオネス王国に平穏がもたらされてから少し時が流れたころ――。国王の誕生日を祝うため、幻の食材・天空魚を探しに辺境の地へやって来た〈七つの大罪〉たち。団長のメリオダスと、人の言葉を話す豚のホークは、天空魚を求めるうちに空高く、雲の上に存在する天空の世界“天空宮”へと飛ばされてしまう。天空宮には翼をもつ“天翼人”が暮らしている。メリオダスは掟を破った天翼人の少年と間違えられて牢屋へ入れられてしまう。天空宮では三千年間封印される凶悪な魔獣の解放を防ぐため、儀式の準備をしていた。だが封印を解こうと天翼人の命を狙う、“ベルリオン”率いる強靭な魔神族の集団〈黒の六騎士〉が姿を現す。残虐非道な彼らからみんなを守るため、メリオダスたちは〈黒の六騎士〉と激突する!

声優・キャラクター
梶裕貴、雨宮天、久野美咲、悠木碧、鈴木達央、福山潤、髙木裕平、坂本真綾、杉田智和

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「ヒーローアカデミア」とは違って盛大にコケた

恐らくほぼ同期でありライバルの集英社の「ヒーローアカデミア」が当たったのにも関わらず、こちらの方は盛大にコケてしまった。

「フェアリーテイル」もそうだが漫画はまずまずの好調なのにも限らず、少年ジャンプのようにアニメや劇場版にまで展開できないのは、少年ジャンプの二番煎じな売り方しか出来ていないからかもしれない。

マガジンはもともとドラマ化、実写化で名が売れてきた雑誌なのだから、もっとドラマ化できるような企画を増やして実写映画などで勝負をしたほうが良いのかもしれない。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

良くも悪くも王道バトル系

七つの大罪が勢揃いして、同じ方向を向いて戦っているってだけでも、贅沢な感じがしました。
いろんな意味で自由な人ばかりですからね(笑)。

王道バトル物として、充分に楽しめるレベルの作品でした。

ところで、『{netabare}息子と他人{/netabare}の区別がつかない父親って・・・?』。
この点だけは、最後まで引っかかっちゃいました。
この点だけが、マイナス評価です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天空大決戦!! 世界を救う最強の罪人、集結!!

この作品の原作は未読ですが、これまでTV放送放送された第1期、聖戦の予兆、戒めの復活、神々の逆鱗は視聴済です。
2021年冬アニメとして「憤怒の審判」が放送されていますが、その前に未視聴だった劇場版を視聴しようと思い立ち、今に至っています。

個人的にはTVアニメのシリーズの中では第1期の「リオネス王国奪還篇」が一番好きです。
エリザベスの孤軍奮闘っぷりを見たエリオダスが七人の大罪を結集すべく舵を取りました。
色んなこと…悲しいこともたくさんありましたが、エリザベスの芯の強さや優しさが一番身近で感じられる内容だったと思っています。

十戒篇も嫌いじゃありません。
特にこの物語を語る上で、メリオダスとエリザベスの切っても切れない関係は、第1期では絶対に理解できなかったと思います。
そう考えると、必要な尺を積み重ねてきた作品であると言えると思います。


ここは妖精族や女神族や魔神族が存在する世界。
魔神族の暗躍により、滅亡寸前だった大国・リオネス王国を救ったのは、
大罪人であり伝説の騎士団〈七つの大罪〉と、ひとりの王女だった。

そして、リオネス王国に平穏がもたらされてから少し時が流れたころ――。

国王の誕生日を祝うため、幻の食材・天空魚を探しに辺境の地へやって来た〈七つの大罪〉たち。
団長のメリオダスと、人の言葉を話す豚のホークは、
天空魚を求めるうちに空高く、雲の上に存在する天空の世界“天空宮”へと飛ばされてしまう。

天空宮には翼をもつ “天翼人”が暮らしている。
メリオダスは掟を破った天翼人の少年と間違えられて牢屋へ入れられてしまう。
天空宮では三千年間封印される凶悪な魔獣の解放を防ぐため、儀式の準備をしていた。
だが封印を解こうと天翼人の命を狙う、“ベルリオン”率いる強靭な魔神族の集団〈黒の六騎士〉が姿を現す。
残虐非道な彼らからみんなを守るため、メリオダスたちは〈黒の六騎士〉と激突する!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

エンディングのクレジットとwikiをチラ見して知ったのですが、ゲスト声優として出演していたお笑い芸人のよゐこさんは、本作の応援隊長を兼任していたんだそうです。
当時のコマーシャルで目にしていたかもしれませんが、残念ながら記憶には1㎜も残っていませんでした^^;

一方、劇場版のオリジナルキャラには高揚を覚えずにはいられませんでした。
黒の六騎士という敵キャラの一人を日笠さん、物語の舞台となる天空宮で暮らすヒロインをハルカスが演じているのですから…
声を聴いた瞬間からテンション上がりまくりでしたよ^^;
こういうサプライズは劇場版ならではなのではないでしょうか。

放送時期的にはTVアニメ版第2期の終わった直後に封切りされているようです。
エスカノールが七つの大罪に加わり、十戒の強さを目の当たりにした直後になるので、上映タイミングとしてもバッチリだったのではないでしょうか。

一方、物語の方は一本筋が通っています。
天空宮では代々守り続けてきた掟が全てで、掟から僅かでも道を外れることが絶対悪でした。
確かに掟やルールは守るためにあるものなので、遵守するのは全ての基本だと思います。

ですが、ずっとその掟にしがみ付き続けるのは、少し違うように思います。
何故なら、自分たちが不変であろうとしても、周りは時代の流れに合わせて変わっていくからです。
ルールを決めた当時はその辺りもきっと配慮されていたことでしょう。

旧態依然にこだわった結果が決して良く無かったことなんて、きっと山ほどあると思います。
その時、ルールに従った結果だから仕方ない…で何でもは済ませられないんですよね。
例えば、事故や災害が起こった場合、それをそんな結果で片付けることは絶対にできません。

きっと未来永劫同じモノなんてないんです。
だから、その時々の状況に合わせて臨機応変に追従するのは、悪いことではなく寧ろ是とすべきなのではないでしょうか。

考え方や目線を少し変えただけで、きっと違う世界が見えると思いますので。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、乃木坂46さんの「空扉」
2次元じゃないアイドルソングを聞いたのは久しぶりかもしれません^^;

上映時間100分弱の作品でした。
本編と物語の繋がりは直接ありませんでしたが、視聴するならTVアニメ版第2期までを先行して視聴することをお勧めします。
戦闘シーンも迫力満点なので、時間を忘れてのめり込める作品だったと思いました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

71.6 7 2018年度のファンタジーアニメランキング7位
リメンバー・ミー (アニメ映画)

2018年3月16日
★★★★☆ 3.8 (73)
350人が棚に入れました
主人公は、メキシコのサンタ・セシリアに住む12歳の少年ミゲル・リヴェラ。彼が生まれ育ったリヴェラ家には、先祖が音楽家としての夢を追いかけ家族を捨てた過去があることから「音楽禁止」という掟があり、代々靴屋を営んできた家庭だった。家族から固く音楽を禁じられているにも関わらず、ミゲルは亡きミュージシャンエルネスト・デ・ラ・クルスに憧れており、彼のグッズを飾った部屋で家族に見つからぬようデラクルスを真似てギターを弾いていた。
1年に1度だけ他界した先祖が家族に会いに来るという死者の日、音楽コンテストに出席することを決意したミゲルだが、デラクルスの霊廟を訪れ、そこで遺品のギターを演奏したことにより、骸骨と化した死者達が住む死者の国に迷い込んでしまう。そこで「音楽禁止」の掟を作ったイメルダをはじめとするリヴェラ家の先祖達と出会う。デラクルス本人を見つけ、リヴェラ家の謎を解き、人間界に帰還することを決意したミゲルは、詐欺師のヘクターと出会い、彼と共に冒険の旅に出る。

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

みんなの思い出と共に生き続ける、いつまでも。

2018年公開の
ピクサー長編アニメ19作品目。

家族と夢、
大事なものはどちらなのかを問う物語。

序盤→中盤→山場→終盤とどんどん盛り上がり、
最後は涙が止まりませんでした(´;ω;`)

100分ほどの作品です。


● ストーリー
舞台はメキシコ。

音楽禁止の掟がある靴職人の一族で育ったミゲル(♂)は、
音楽が好きだった。

ミュージシャンになりたい夢と、
音楽を嫌っている家族との板挟みに悩むミゲル。

先祖が帰ってくるとされる「死者の日」に家族とケンカをし、
家を飛び出した。

ひょんなことから死者が見えるようになったミゲルは、
骸骨姿の先祖たちと共に死者の国へ行くことに。

夢を捨てずに元の生活に戻る為、
偶然出会ったヘクター(♂)と手を組んで、高祖父を探す。


あらすじが書ききれないほど内容は盛りだくさんで、
次から次へと展開が開けていきます。

実際にあるメキシコの行事をうまく設定に取り入れていて、
これまでに触れたことのない物語でした。

特にミゲルが死者の国に渡ってからは、
ファンタジーの世界にわくわく、ドキドキ♪

今まで家族に縛られて自由に音楽に触れられなかったミゲルが、
死者の国では自由に音楽を奏でる。

そして気づき始める家族の尊さ。
ミゲルが選ぶのは、音楽か、家族か…。

その結末に涙が止まりませんでした(´;ω;`)

最後の挿入歌と共に描かれるラストの流れが完璧だった。

挿入歌の効果もあり、
最高のラストでした。

このラストが
物語の☆をぐぐっと上げました♪

感動でも、悲しみでもなく、
ただただ、良さに泣いていました(´;ω;`)

一筋縄ではいかない展開に対するドキドキも、
悪者以外みんなが幸せになるラストも、
見ていると楽しくなる演出も。

これがあるから、
ディズニー作品は大好きです(´;ω;`)


● キャラクター
今回の主人公は、
ミュージシャンを目指す12歳の少年ミゲル。

いやーあどけない少年、
かわいくていいですね(*´Д`)ハァハァ

コンピューターアニメーションなので、
キャラクターは人形みたい。表情も豊かです。

私が最初に印象に残ったのは、
家の屋根裏でこっそりデラクルスのビデオを見ながら
手製のギターを弾いていたシーン。

目を輝かせながら画面に見入る表情はあどけなく、
音楽に酔いしれながらギターを弾く表情はなんだか色っぽく。

彼がデラクルスを尊敬し、
音楽が大好きだということがよく伝わってくるシーンでした。


ミゲルの声を担当していたのは、
当時13歳の石橋陽彩くん。

本物の少年だからこそ出せる、
キャラのイメージに合うあどけなさがいい♪

歌唱シーンもとても素晴らしく、
すっかり魅了されていました^^

きっと今しか出せない声だろうから、
貴重な歌声です。


そして中盤から登場するのは、
みんな死者である骸骨たち。

死者の国と言っても暗くはなく、
みんなが楽しそうに暮らしている♪

骨はバラバラになっても
簡単に治るのが便利そうでしたw


● 音楽
メキシコが舞台ということもあり、
なんとなくラテン系な曲が多いように感じられました。

そして挿入歌がいい!
ミゲル(cv.石橋陽彩)の歌声がいい!!

すっかりファンですよ♪
あどけなさの残る歌声に萌える(*´Д`)

音楽を☆4.5と高めにつけたのは、
彼の歌声に対してです♪

ミゲルが最初に歌った『ウン・ポコ・ロコ』。

「ミゲルはどんな歌声なのだろう?」と期待値MAXで聞きましたが、
私の中のハードルを軽々と越えていきました♪

一番のお気に入りは、
最後のシーンで流れた『音楽はいつまでも』です^^

だんだん盛り上がる曲調がたまりません♪


本編では使われていませんが、サントラに収録されている
『リメンバー・ミー』石橋陽彩ver.がまた最高で…。

もうね、彼の歌声が好きすぎて、泣きそうでしたw
たぶん、私の好みドンピシャの歌声なんだと思うw

技術的に特別優れているわけではないけれど、
素直で素敵な歌声に感激でした(´;ω;`)


● まとめ
家族っていいなと思える内容でした。
大人も子どもも一緒に楽しめる作品です。

途中まで泣くのをこらえていましたが、
終盤は無理です、泣かずにはいられませんでした。笑

ピクサー作品は好きなものが多いですが、
これも大好きだなあ。

困難を乗り越えた家族は、
より深い絆で結ばれる。

とても素敵な作品だったので、
いろんな人に勧めたいなと思える作品でした^^

私の中でしばらく、
この作品に対する熱は冷めそうにありません♪

投稿 : 2024/05/18
♥ : 27

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Pixar新作「3月16日」は劇場へGO!(ファンの間で「ブック・オブ・ライフ」じゃねーか!って騒ぎに。)

『それは、時を超えて家族をつなぐ、奇跡の歌。』


主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。
しかし、厳格な《家族の掟》によって
ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。
ある日ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが
伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。

彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間
──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。
しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、

永遠に家族と会えなくなってしまう…。

唯一の頼りは家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター。
だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」
という運命が待ち受けていた…。
絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲“リメンバー・ミー”。

不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!

【公式サイトあらすじ】
http://www.disney.co.jp/movie/remember-me/about.html


Pixar新作で、2018年3月16日(金)公開。
『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督の新作。

勿論期待しているんですが、ファンの間では騒ぎになっています。

ホルヘ・R・グティエレス監督の
「ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜」の
題材,プロットと全く同じなのです。ちょっと笑いました。

権利を買ったのかな? それくらい似てます。

ブック・オブ・ライフ自体は2015年のアニー賞で
キャラクター・デザイン賞を取るほどの有名作品。
勿論ピクサー側は知っているでしょう。

ラテンアメリカの祝祭「死者の日」自体は
他作品でも扱われる題材なので良いとしても、他が・・。

・家族愛が題材
・主人公は音楽,演奏が好き
・家族からは音楽を止められてる
・死者の国へ行ってご先祖様に会う
・音楽の力で解決

事前情報だと作りはこんな感じらしいですけど、ソックリ(笑)
ここに恋愛を追加し、主人公を青年にしたら完璧です。

・・そのため・・・

『感じている既視感を跳ねのけるほど自信のある映画なのか??』

――とファンの間で囁かれているのです。

個人的に絶対観に行きたい!と思うくらい楽しみなのですが、
・・もしも、なんのヒネリも無く作られていたら泣いちゃうよ。

この既視感を逆手に取ってくれることを願っています。


ピクサーの資金力でゴリ押しする下品なアニメだったら
EDテロップまで観て、明るくなってから
食い終わったポップコーンの空をゴミ箱に捨てて

怒りながら帰ってやるからなぁぁ!!!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 17

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見終わった後、感動の余韻に浸りたくなる作品

映画を見ました。素晴らしい。その一言に尽きます。

クライマックスは、涙があふれて止まりませんでした。
これは感動の涙でした。
見終わった後、しばらく感動の余韻に浸りたくなりました。

この物語は、家族の愛について語っています。
自分の両親、おじいさんおばあさん、ひい爺さやんひい婆さん、そのずっと前のご先祖の方々。
それらの人たちがいたからこそ、今の自分がある。
家族や先祖の方々に感謝したい気持ちになりました。

物語は、靴屋の息子ミゲルが主人公です。
ミゲルはミュージシャンを目指していますが、家族は極端に音楽を憎んでいます。
そして一年に一度だけ亡くなられた先祖が家族に会いに来る死者の日に、事件が発生します。

この映画は、良い意味で何度も何度も私たちを驚かせてくれます。
俗にいう『大どんでん返し』が何度もあります。
ここまで考えて映画をつくられた方々に敬意を表します。

そして、ピクサー社のCG技術が驚くほど凄いです。感動しました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22

72.2 8 2018年度のファンタジーアニメランキング8位
魔法少女リリカルなのは Detonation(アニメ映画)

2018年10月19日
★★★★☆ 3.9 (46)
267人が棚に入れました
人気アニメ「魔法少女リリカルなのは」の劇場版4作目で、前作「魔法少女リリカルなのは Reflection」とあわせた完全新作の劇場版2部作の後編。死にゆく故郷の惑星エルトリアを救うため地球に存在する「永遠結晶」を求めてやってきたキリエだったが、キリエは旅の同行者イリスに利用されていたことを知る。イリスの本当の目的は、永遠結晶の中で眠っている存在「ユーリ」への復讐だった。高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやてら地球の魔導師たちは、イリスやユーリを止めるために戦いに身を投じる。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、植田佳奈、戸松遥、佐藤聡美、日笠陽子、清水香里、真田アサミ、柚木涼香、一条和矢、ゆかな、阿澄佳奈

nagi さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

なのは完結!?

素晴らしい出来でした。

・音楽に関しては、従来のなのはシリーズに負けず劣らず良い出来。
・作画は、映画ということもあり、ずっときれい。
・戦闘シーン関しては、とにかくスピード感が素晴らしい。
 数多くの戦闘シーンが、単調にならないよう、随所に工夫がされており、見て いて飽きない。
などなど全部に満足‼

ストーリーはといいますと、映画だけ見ても楽しめるような構成の中に、
長年なのはを見てきた方の琴線に触れるシーンがちらほらと見え隠れ。
制作者の意図の通りに、しっかりと感動しましたw。

是非とも、劇場でもう一度見たいです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

なのは式超サイヤ人変身、最後の最後まで全力全開発動?+

  一年ぶりとなる待ちに待った新作劇場版なのは後編となるアニメだったです。
 前作とは比べ物にならない、予想外すぎる展開、迫力の戦闘シーン目が離せない連続だったです。上映時間も長い分、内容も濃く凄かったです。

 悲しい出来事を悲しい結末に終わらせないために!を胸に秘めて戦うなのは達!。
 気になりすぎる前作の終わりから、新しい力を得てピンチに駆けつけたなのは、活躍期待大すぎる序盤からいきなりの魔法とは思えない、Detonationバトル第一ラウンドだったです。
 激戦後、つかの間の安らぎ、少し明らかになる事実、激しいバトル再開と物語はさらに目を離せなくなるのです。

 そんなバトルの中さらに明らかになっていく衝撃の真実に驚くべきことが!だったです。{netabare}どっから出てくる謎の敵?どうやって潜んでいたのか?「私、気になります!」だったです。{/netabare}大どんでん返しの連続は、終盤に近付くにつれ、かなり驚かされたです。

{netabare} ついに覚醒する悟空顔負け、なのは式界王拳、アクセラレイターは、超見所です。髪の毛は、スーパーサイヤ人??光る感じはするけど、違うみたいです。{/netabare}

 勝利のつかの間まさかの逆転ホームランされるか?アウトにできるか?ハラハラ、ドキドキ頑張れ!なのは大活躍だったです。
 HAPPY ENDなるかと思いきや、BAD END??、はたまたHPAYY END??そうならなければ、「魔法少女リリカルなのはStrikerS」の放送はないので、どうなって「これでいいのだ!」になるのか?活目です。

 戦いの終わり、その後のすべてを描いていったエンディングがあり、エンドロール、感動のラストはなかなか良かったです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11
ネタバレ

フェイルン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

もうこれで終わってもいい…だからありったけを…

期待を込めて初日に観に行きました。
最初に言うと、色々と残念。

パワーインフレしてて、バトルは多く派手にはなってある意味楽しめるところはあったけれど、ドラゴンボールで言うところのセル編以降のような蛇足感を感じました。
見た目はなのはさん達がMS少女している感じです。設定はもはや魔法から大分遠のき、魔法だかビームだか分からず。かなりガンダム寄りです。
説得力のあるブレイカー級の魔法が見たかったのですが、ほぼノーアクション発射なビーム戦の印象。

■変身シーンがほぼ無し
1st、2ndの作画の丁寧さや、魔法少女ならではのサービス満点な変身シーンが無くなり、残念です。

■心理描写が薄い
1st、2ndで垣間見たなのはさんの優しさと自分への厳しさ辺りは本作は描写が欠けていた。具体的には、StrikerS教導官なのはさんについて語られている「復帰も難しい程ボロボロになってからの復帰する」という過程も相当に端折られていた。ボロボロになってからの復活劇が1番見たかったので、とても残念です。
{netabare}
更になのはさん、自らの内発的動機付けについて唐突に語り出す。えっ?今までそんなに悩んでたの!?ってくらいに唐突なので相当な違和感だ。尺足らずなのを、なのは本人に解説させているという、やっつけ仕事ですかね。
{/netabare}
キャラクターも増えすぎた為、一人一人の特に心理的な描写が薄かったのが残念です。
{netabare}
■宇宙に生身はやばいでしょ
最後は宇宙へ。
宇宙までほぼ生身のような感じで行きましたが、宇宙放射線による被爆がやばいですよね?
それとも、魔法やナノマシンやらの設定で放射能なんてへっちゃらですか?
だとしたら、もはや地球が滅んでも生きて行けそうな気がしてきます。
オーパーツレベルの謎です。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

65.9 9 2018年度のファンタジーアニメランキング9位
劇場版 フリクリ プログレ(アニメ映画)

2018年9月28日
★★★★☆ 3.6 (54)
250人が棚に入れました
「すっごくさぁ。欲しいものがあるんだよ」 深紅の翼を追って〝女〟は空に消えた――。 時はめぐり、星々を盗み取るほどの力はいま、少女の夢のなかで目覚めようとしている。 「ベスパに乗った女に気をつけろ!」 アイロンの吐き出す煙たちこめる街――ヘッドフォンの少女・ヒドミが轢かれた夜、 クラスメイトの少年・井出の額から巨大ロボットが出現した! 〝特別なことなんてない日常〟が終わりを叫び、ついにあの女が帰ってくる!

声優・キャラクター
林原めぐみ、沢城みゆき、水瀬いのり、福山潤、村中知、中澤まさとも、黒沢ともよ、井上喜久子、大倉孝二、菅生隆之、浦山迅、鈴木れい子

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

大豆ラブストーリー

2000年に制作された『フリクリ』の正統派続編。
6人の監督たちが1話ずつを担当し、
自分たちの個性を押し出しながら
1本の映画としてまとめた画期的な作品。
6人それぞれが制作を同時進行させていたこともあるのか、
作画はかなりバラつきがあるが、
(もちろん、ワザとという部分もある)
それがこの作品の面白さでもあった。

猫耳ヘッドフォンを付けて、
外部をほぼシャットアウトする少女。
貧しさのなかに身を置きながら、
スクラップ工場で働く少年。
ふたりの少年少女が出会い、
ふたりの宇宙人が現れることで、物語は大きく動いていく。

アトムスクを追うラハル、それと止めようとするジンユ、
父の帰りを待つ雲雀弄(ひばじり)ヒナエとヒドミ、
ヒドミのことが気になる井出交とふたりの友人、
OVA登場のアマラオの息子マスラオ、その娘アイコなど、
それぞれの登場人物たちが、心に何かを抱えたまま
世界的な危機に翻弄されていく。

キャラの動きや豊かな表情、挑戦的な作風が
とても楽しいのは、OVA版に近いものがある。
特に4話の「ラリルレ」と5話の「フルプラ」の回の
はっちゃけぶりは、これぞフリクリだという
斬新で見ごたえのある映像を楽しませてくれた。
末澤慧監督が担当した5話は作画の表現も
かなり意表を突いたものだ。
漫画の誌面を表現した部分では、
『ホットロード』を意識しているという。
末澤慧監督は次回作があるなら観てみたい。
そして、主人公の林原めぐみ、水瀬いのりを中心とした
声優陣も存分に上手さを見せてくれていた。

ただ、今回の作品は6名のアニメーターたちが監督となって
できることをやったという形になっていたことが原因なのか、
ストーリーの落とし込みや全体のアイデアという部分では、
カタルシスを感じることができなかった。
最終的には4組の男女が織りなす
ラブストーリーになってしまっているというか、
まぁ、そもそもが東京ラブストーリーだと思えば、
それほど違和感もないのかもしれないが…
物語の根幹のようなものがもう少しはっきりしていれば、
OVA版を超えるだけのポテンシャルがあったと思う。

観る者の心に訴えかけてくる表現が
散りばめられている意欲作だとはいえるだろう。
(2018年11月2日初投稿)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 38
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

セカイはテキトーに

アニメーションをやりたいように、
やりたいだけフルスイングする。
クリエイターのおもちゃ箱なのだ。
これがフリクリの本来の良さだろう。
劇場版「オルタナ」は寂しい印象を残しましたが、
こちらは楽しいフリクリの待ちに待った帰還。

その日暮らしの説得力ゼロの少年たちと、
ネコ耳少女ヒドミの日常系ファンタジー。

ポップでキュートなデザインが素晴らしい。
スクラップした毎日を蹴り飛ばす、
the pillowsのオルタナロックも健在です。

物語はあってないようなものだ。
クリエイターが結集した6篇の連作ですが、
そもそも説明など不要かも知れない。

{netabare}10代の無感情な倦怠感、閉塞感、
いやここは「時代」のと呼ぶべきか、
やりたいことなんてない気怠い毎日を、
軽快に吹っ飛ばす、それがフリクリなのでしょう。{/netabare}

考えるよりも先に笑え、考えるよりも先に泣け。

人生が笑った数で決まるのなら、
がむしゃらに笑って日々を過ごせってことだろう。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 31
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

猫耳ヘッドホン

 「フリクリ オルタナ」の数年後??の世界みたいだったです。

 主人公?ヒドミの滅ぶような光景から始まって、気が付くとな始まりだったです。母親のヒナエは、陽気なお母さんです。
 突然現れたジンユ、とんでもない登場だったです。ヒドミを気にする井出くんと、突然正体を現す、ラハルと唐突な展開の多い「フリクリ オルタナ」より、分かりにくかった展開だったです。さらにクラスメイト他2名や、後に登場するアイコも物語に絡み??ます。

 ヒドミと井出くん、ジンユとラハル、ヒナエとヒドミとジンユ、何がどう進んでいくのか?、どういう方向なのか?物語の意図が、私にはよくわかりづらかったです。
{netabare} ヒドミの性格が、急変したりもしたし、元に戻ったり。{/netabare}

 ジンユ、ラハルがハル子同様、ギターを武器に戦っていたのは印象的だったです。

 最後はめでたしという感じはしたです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9

72.7 10 2018年度のファンタジーアニメランキング10位
映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(アニメ映画)

2018年10月27日
★★★★☆ 4.0 (21)
84人が棚に入れました
な・な・なんと! プリキュアオールスターズがちっちゃくなっちゃった!それは【プリキュアの想い出】をねらうミデンのしわざ!想い出をうばわれると、これまでのことをぜ~んぶわすれちゃうみたい! ?しかも残ったプリキュアは『HUGっと! プリキュア』と『ふたりはプリキュア』だけで……大ピンチ! !こうしちゃいられない! みんなで力を合わせて、キラキラ大切な想い出を取り返しにいこう! !

声優・キャラクター
引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、本名陽子、ゆかな、宮野真守、山本美月

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オールスターエンタメと革新的CGと悪人正機説の三位一体。「痛みを知らぬ者に真の祈りは生まれません」。

 私が何故プリキュアおじさんになったか?。結論から申し上げるなら、人生最高のアニメ映画が本作だからなのです。人生最高の作品、となると単に優れた作品というわけじゃなく個人的に重要なサムシングがあるもの。本作が私にとって特別なのは、その予期せぬ出会いの驚きという面が大きいのです。油断していたボンクラな私にキュアエールことハナの愛は深く深く私の心を洗い清め、見事にプリキュアおじさんに入信することとなったのです。


 本作の飛び抜けている点を列挙すると沢山あります。


 75分しかないのに3つくらいクライマックスがある上に、応援演出を単なるお約束じゃない使い方で見せてくれる脚本の妙とか。オールスターのバトルをゴチャゴチャさせずに美しくかつ格好良く表現し、後半のほぼを全編手描きの最高峰にも匹敵しているクオリティーで表現しているCGの驚異的なレベルとか。林さんが担当された音楽が最高すぎる(特にオールスターメドレーの部分)等々。



 そんな中でも私が一番痺れたのは、そのテーマ性でした。エンタメとして面白いだけでは良い歳こいた男を号泣はさせられないもの。この物語は、前半まではキュアエールことハナの成長が主眼ですが、後半は本作の敵キャラである宮野さん演じるミデンの救済が主眼になります。


 敵キャラが単なる悪いやつではなく、現実の苦しみを象徴しているキャラではないと深味は出ない。本作のミデンほどにその痛みが痛切に私に刺さり、同時に現代に普遍性を感じさせられるキャラはそういない!。ミデン。それは誰からも省みられない孤独で、幸福な記憶なんて一つもない存在。だから、他人の幸せな記憶を収集して現実逃避しているが決して満たされない空虚…。


 これはオタクの、いや現代に生きる疎外と孤独に震える人々そのものではないか!、っとその正体がわかった瞬間に目を開かれ、もはや本作は私にとって単なる「お話」ではなくなったのです。これは私に、いや私達に向けられている物語だ!。ミデンの姿がてるてる坊主を思わせるのも、大きく見えるが中身は空っぽというメタファーになっているし、クライマックスの世界と対比になっているのも凄い。


 そして、最初から割りと恵まれていて痛切な痛みを知らないプリキュア達には彼を倒そうとするが、ハナだけは彼の孤独と痛みに共感して救おうとする。


 何故なら彼女は、小学校時代に無茶苦茶いじめられて不登校になった過去がある、中学生デビュープリキュアだからなのだ。言うなれば「おジャ魔女どれみ」の長門さんがプリキュアに変身した姿なのである(長門さんを知らない方はドおジャ魔女の3期と4期をご覧ください)。


 彼女だけがミデンの痛みと孤独に共感できる。何故なら彼女もそれを心から共感できるから。彼女のエールは傷ついた事のない人間の呑気な応援ではない。傷ついても前に進んだ者の真の応援なのだ。「悲観主義は気分の問題、楽観主義は意志の問題」という言葉があるが、彼女は困難な現実を知っていても、それでも信じる、それでも願い続ける。それ故に彼女の勇姿は私の胸を打つものだあったのです。


「なんでもできる、なんでもなれる」


 エールのいつも決め台詞が、ここでは全く違った響きに感じられる。声のトーンもいつもと違い、ここでは単なるお約束の決め台詞ではなく、絞り出すような祈りと願いの言葉になっている。


 プリキュアにおじさんになるということは、単に彼女らの物語を観客として眺めてるだけではない。彼女らの体現している理想や生き様を心に固く懐いて共に生きていくこと、正にプリキュアという神と共にあるように生きていくこと!と本作で私は開眼したのです。



 更に後半はほぼCG、決めカットだけ手描きという表現になるのですが、これが日本CG界では「宝石の国」以外では達成できていない高みに至っているのも凄い!。元々プリキュアは回を重ねる毎に宝石のような綺羅綺羅な色彩を多用するようになっていたし、edでCGダンスシーンをやるのが恒例になっていたから題材として非常に向いていたというのもあるででしょう。


 しかし、本作のCGは柔らかい表情の表現まで驚異的なレベルに至っている。なんでこんな凄い技術があるんだ?と不思議なレベルで、このCG表現の革新だけでも見る価値充分です。あと、「ハイキュー」などで最高の仕事をされている林さんの音楽が至高なのも素晴らしい。


 総合すると、本作はビジュアル◎、音楽◎、脚本◎、テーマ性◎、と私には完璧という域を超えた究極的な一本と言えます。しかも、これだけのことを75分くらしかないプログラムピクチャーの中でやっているという奇跡!。今後優れた作品は出るでしょうが、この完成度に思わぬ出会いをするのをリアルタイムで体験できることはそうないように思える。プリキュアシリーズ全体は今後どうなるかわかりませんが、本作を見ちゃうとまだまだ期待せざるをえません!(幾原監督に一層やらせてくれないかなぁ)。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンになって日は浅いですが

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

完走:Yes!プリキュア5
半分:フレッシュプリキュア!
完走:スイートプリキュア♪
完走:スマイルプリキュア!
8割:ドキドキ!プリキュア
序盤:ハピネスチャージプリキュア!
序盤:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!

他は未視聴





ついに劇場にプリキュアを見に行ってしまいました。
でも「土日に行って、席が子供たちでいっぱいだったら肩身が狭いだろう」と思ってわざわざ平日に行きました。

幸いにも(?)客席は数家族でした。
しかし、誰もミラクルライトを振らない(^▽^;)
これが結構さみしくて、次回プリキュアの映画を見に行くときは、
恥を忍んででも子供たちがたくさんいる日に行こうかなという気持ちになりました(笑)



作品のクオリティですが、素晴らしかったです。セルルックCGが。
物語の後半から多分フルCGになるのですが、なぜ"多分"と書いたかというと、たまに手書きのカットがあったような気がしたのです。でも、それくらいセルルックCGのクオリティが向上していることは間違いありません!
「HUGっと!プリキュア」のエンディングを見ていても度肝を抜かれましたが、近い将来テレビシリーズのプリキュアが全編(あるいは変身後のみ)フルCGになっても違和感ないかもしれません(異論は認めます)。

中盤やけに重苦しい展開だったり、観客に歴代の好きなプリキュアの名前を言わせようとしたりと「完全におっさん向けやんけ(笑)!」な展開は少し複雑な気持ちでしたが、まあ泣きましたよね。

ほんの少しだとしても、全てのプリキュアにセリフがある!
プリキュアたちが、シリーズごとに必殺技を繰り出すシーンのカタルシスは半端なかったです。
今作のテーマは、プリキュア15周年ということもあって『思い出』なのですが、クライマックスにプリキュアたちが思い出について各々述べるシーンは、卒業式の訓示っぽくて涙ちょちょぎれました。

上映時間の関係上、難しかったのでしょうが、ベビープリキュアの可愛さはもっと押し出してもよかった気がします。
何とももったいない。アムールだけ異常におとなしいのは最高でしたが(笑)。

宮野真守さんの演技も安定の素晴らしさでしたし、エンディングのダンスは永久保存ものだったりと、
劇場に足を運んだかいのある作品でした。他の劇場作品も、随時見ていきたいです。




P.S.あとモフルンが最高でした(^_^)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

プリキュア・メモリ

貴方の好きなプリキュアは誰ですか?
2タイトル以上好きなプリキュアがある人におすすめしたい映画でした。
総勢55人のプリキュアすべてにセリフがあり、活躍してくれます。

もっとも、尺の都合上キャラによってはセリフがわずかしかないということもあるのですが、「あなたの好きなプリキュアは?」と問われ、「キュアハニー!!あっでも、トゥインクルも好きだし、ムーンライトも…選べないよお!」と思い巡らす記憶、このキャラはこんな可愛さがある、そしてこのキャラは・・・と考えるうちに、画面で活躍している以上の頭に蓄積された活躍が重なって、シリーズ終了から5年以上経っているのに、しゃべって、活躍していることがとても貴重なことに思えてきて、胸が熱くなりました。

大きなお友達は心の中で絶叫できる、静かな体験型の映画が私の中で構築されました。

ああ、ミラクルライトを振り回して好きなプリキュアの名前を大きな声で叫べたら、さぞかし気持ちが良いだろうな・・・
いっそ20歳くらい若返りたい。

まあ、今までの思い出を奪われるミデンの能力はご遠慮願いたいですけどね。

この映画の為に全キャラ起こしたと言われるちびキャラたち。折角なのでもうちょっと見ていたかったかも。

ドラマパートでは幼児化したルールーちゃんが一番かわいかったです。
幼児化したさあやとほまれ、えみるに翻弄されるはなのドタバタはちょっと面白かったけど、コメディだけでは終わらないのがはぐプリでしたね。
途中で心が折れて泣き出しちゃうはなをなぎさは擁護して「だってまだ中学生なんだよ。」と発言しましたね。でも大人でも泣きたいときはいくらでもありますよ。辛いとき助けてくれる人はいない様に思えるかもしれないけど、役場や病院の先生に相談してみましょう。すぐ解決にはならないかもしれませんが、出来るだけいろんな人に相談を聞いてもらうと、解決の糸口が見つかりやすくなりますよ。
なぎさは初代の重圧から、達観した思考をもってしまったのかもしれないけれど、もっと子供っぽさを持っていてもいいのかなと思います。
なぎさが子供らしさを得られる社会に、これからのプリキュアはなっていってほしいですね。

見せ方において、やや不満が残ったのは、説明過剰でテンポが崩れてしまっていたことです。
本作は、かなり映像の情報量が多かったので、省略してもいけた気がします。その分見せ場に多く時間をとってもらえると私は嬉しかったです。

そんな本作の映像ですが、前半ドラマ多めパートは手書き作画で、後半オールスターズはCGでという住み分けになっています。
お互いの質感を合わせるために、なんと手書き作画の処理をCGに似せるという試みを行っていました。

すごいよ!流石スーパーモデラー出身の宮本さんだ!

そして、大量のキャラを生成し、動かす、先鋭の東映デジタル部の技術力の高さ。いつも驚かされます。
いや、ほんと、日本で一番すごいCGアニメを見たかったら、プリキュアを見ろっていつも思います。

さて、そんな本作ですが、ターゲット層である幼児に受けるかは疑問です。
年齢的に過去のプリキュアはそんなに知らないでしょうし、ママ目線でのプリキュアって需要あるのでしょうか。フィルムカメラとかってちっちゃい子分かります?
敵が怖くないのは一応意識してるのかなと思いますが、ちびキャラで結構楽しめたりするのかな。高校生くらいまではちっちゃい子の気持ちがまだわかってたような気もしますが、いつの間にか忘れちゃうものですね。
大好きだったアニメとか、大切なことを忘れていることがあり、時々情けなくなるのですが、そんな状況の中で、過去を思い出させるきっかけになった本作はとても有り難い存在でした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

62.2 11 2018年度のファンタジーアニメランキング11位
Midnight Crazy Trail(アニメ映画)

2018年3月10日
★★★★☆ 3.2 (10)
41人が棚に入れました
真夜中の“ゴミ捨て屋” 稼業に励むシャウト&クランチのコンビ。そんなある日、魔女として立派な花嫁になるために、人間界で1年間修業すべくロンドンの街に降り立った16 歳の少女マキナがふたりを探しあて、“魔法の書”を捨てさせようと懇願。実は彼女、魔女をやめて普通の女の子になりたがっているのだが、そのためには魔法の媒介となる魔法の書が邪魔なのだ。しかし実際のところ、この本、簡単に捨てられるシロモノではなく……。

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スラップスティック・アニメ

初公開は「あにめたまご2018」となりましょうか、
https://animetamago.jp/2018/index.php

あにめたまご2018 公式PV
https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=kOfmMkxStz0


2018年8.9月頃より幾つかの配信サイトにて配信されてます。

美術的にはちょっとだけ「プリンセス・プリンシパル」を彷彿する、かもしれない(^-^;)
キャラはまた違うポップな感じなのでキャラ絵が気に入ればお勧め。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

ヘーゼル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

上坂すみれファンなら。

声優演技が引き立つ作風で、声優ファンなら楽しめます。主演は上坂すみれさんです。

大人向けなのか子供向けなのか中途半端なストーリー。CG作画だけど低レベル。

調べると2018年のアニメ制作若手育成の一貫とのことで、完成度には納得。
今後、海外展開したいとありましたが、このレベルでは不安です。

全12話作成予定との記事も拝見。2020年で続編の話題が無いということはあきらめたのでしょうか。

今回、ユーネクストで視聴。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1

計測不能 12 2018年度のファンタジーアニメランキング12位
グリンチ(アニメ映画)

2018年12月14日
★★★★☆ 3.8 (8)
25人が棚に入れました
 この子の名前はグリンチ。友達も家族もいないからいつもひとりぼっち。グリンチは、ずっとさびしい毎日をすごしていた。
 オトナになったグリンチは、他人の幸せがだいきらい。村はずれの洞窟で誰とも会わずに暮らしハートの大きさは普通の人よりずっとずっと小さくなった。
 そんなグリンチが、なかでも一番きらいなもの。それは・・・村中が幸せな気分に包まれるクリスマス!!しかも今年のクリスマスはとっても豪華になるらしい・・・
 もう我慢できないグリンチは、あるとんでもない作戦を思いつく。そうだ。村からクリスマスを・・・盗んじゃえ!!
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

フーの村の素敵なクリスマス +++

 吹替版、字幕版、見たです。クリスマスまでに見ると良いかもしれないです。

 ひねくれ自己中、クリスマス嫌いのグリンチが、フーの村の人達を困らせようと行動をしたです。けれど、心に変化が起き自分が、何を求めていたのかに気づいた展開だったです。

 雪景色、村の風景、展開なかなかだったです。自分的には、字幕版の方が、言葉はわかんなかったけど、良い感じに思えたです。音楽、歌がやはり違うです。吹替版とで、グリンチ周辺の文字の違いにも、注目です。

 性格の悪い平和なものが嫌い、ひねくれグリンチな展開に見えたです。愛犬マックスに対する態度、出会ったトナカイ、本人は覚えてないようだったけど再び出会ったシンディー・ルーと話したとき、絶望するはずだった村人の行動を見たときのグリンチは、根っからの悪人にはとても見えなかったです。

 働いているわけでもないのに、大量の食糧を買うことができ、いろいろな発明品を作ったり、衣装を作りいろいろな作業具を持つグリンチは不思議だったです。
 ソリのように盗みを繰り返していたのでしょうか?です。

 いろいろな発明品は、非常に面白かったし、魅力的だったです。人間でないのは明らかだけど、何の生き物なのでしょうか?です。

 トナカイのフレッドや特に愛犬マックスとの友情を描いた場面は、良かったです。

 グリンチが、クリスマスを盗むということはどういうことなのか?です。それをした時グリンチは、幸せになったのか?、そこが最大の注目点だったです。
 グリンチがシンディー・ルーや村人のやさしさに触れた時、自分の求めていることに気付いたシーン、行動が良かったです。
{netabare} そんなグリンチを受け入れ、向かい入れたシンディー・ルーたちの大団円は、HAPPY ENDだったです。{/netabare}これでいいのだです。
 

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1
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