ポジティブで親友なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのポジティブで親友な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月27日の時点で一番のポジティブで親友なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.5 1 ポジティブで親友なアニメランキング1位
BNA ビー・エヌ・エー(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (291)
999人が棚に入れました
21世紀、それまで歴史の闇に隠れていた獣人達がその存在を明らかにし始めていた。普通の人間だった影森みちるは、ある日突然タヌキ獣人になってしまう。人間たちから逃れるために向かった獣人特区『アニマシティ』は、十年前に獣人が獣人らしく生きるために作られた獣人のための街。そこで人間嫌いのオオカミ獣人・大神士郎と出会ったみちるは、彼と行動を共にするなかで、人間の世界にいた頃には知らなかった『獣人たち』の悩みや生活、喜びを学んでいく。なぜ、みちるは獣人になってしまったのか。その謎を追ううちに、予想もしていなかった大きな出来事に巻き込まれていくのだった。

声優・キャラクター
諸星すみれ、細谷佳正、長縄まりあ、石川界人、高島雅羅、村瀬迪与

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

看板としてのヒューマニズム、ヒーローの覚醒

この作品を観て最初に思い起こした言葉がある。
それは、手塚治虫が一番嫌った言葉である。
商売として、食べてゆくために、自己嫌悪に苛まれながら標榜してきた看板であるヒューマニズム。
人間愛とか博愛主義と言い換えても良いだろう。
テレビアニメの世界で、いや、当時の社会的要求の中で、砂糖菓子の如くはかない使命を背負わされたアトムやレオたちに対する作者の贖罪の念を、今更ながら思い起こしてしまった。
まあ、それはそれとして。
ミクロイドSやワンダースリーを思い出す、ちょっとレトロな味付けなキャラ達だ。
BNA、獣人の社会に飛び込んだ狸人間の少女には、種の要求に従って、徹底的に暴れまわって欲しい。
そこに人間的なエゴを伴ったとしてもだ。

(3話まで視聴して)
一つ思い出したSF映画がある。
“第9地区”、アパルトヘイトを上手くストーリーに取り込んで、ブラックに笑い飛ばした作品であるが、この映画の主人公とタヌキ娘の設定が非常によく似ているのだ。
もしかすると、このアニメも相当ぶっ飛んだ展開になるかも、楽しみである。

(視聴を終わって)
今を生きる生命の根本、DNAには地球生命の歴史が畳み込まれている。
その内で遺伝子として働いていると考えられていたのは僅か2%。
近年の研究の中で、残りの98%に潜む驚きの秘密。

ヒーロー遺伝子、キタ――(゚∀゚)――!!

NHKのお先棒を担ぐ訳ではないが、“シリーズ人体”は面白かった。
奇しくも、エピジェネティックの考え方が再び脚光を浴びることとなり、我らケモナーも理論武装する日が来た~、という訳だ。

AhWoooooo‼️

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

東○喰種いちご味

+ultra枠


兎と狼 → 鯨に見立てた龍 → タヌキと狼(今回)

伝統の鳥獣戯画の精神で世界に打って出るつもりなんでしょうか。
+ultra枠はアニマルものが続いてます。TRIGGERのオリジナルアニメ。
中島かずき氏の系譜『グレンラガン』『キルラキル』でいかんなく発揮されたケレン味はそのままに1クールですっきりまとめた感のある作品。尺の関係でお得意の宇宙まで風呂敷を拡げることはままならずでしたが賢明な判断と言えましょう。

人間と獣人(半獣半人)が共存する世界を舞台に両種族の反目を描く意欲作です。マジョリティが人間なので必然的に獣人が被差別対象となるわけですが、じゃあ獣人が虐げられる理由ってなに?と問われるとぼやっとしていて即答しづらい。このへんの理由を知りたいのは日本人だからかも。欧米だとナチュラルに差別があるので気にしないのかもしれません。逆に自分は理由が気になるのでこのへんおざなりだと没入感が削がれます。
差別の質の議論は長くなるためさらっと私見だけ述べると、日本の場合“異なる者への警戒”がメインでコミュニティに溶けこんでしまえばOKなところがあります。転じて欧米ですと階級や人種で明確に上下があることになってます。有色人種の使用人は“モノ”であるとの意識が刷り込まれて何代も続いてきたわけで、教育でどうこうしようにも時おり差別意識の根深さが顔を出します。今(2020年6月)アメリカで起きていることはまさにそんな感じですね。

どうしても差別/被差別というやや重めのテーマが作品を通じて流れているように私は感じていた分、TRIGGERらしいいつもながらの勢いとテンポでアゲていく手法とは相性が悪いように感じました。
よって評価は中の中。作品に通底するテーマを重要視すると物足りなさが残る。しかしながら、伝統芸ともいえるキャラや演出で魅せるやり方はは健在でかつ1クールで綺麗に収まってる点は評価したいかしら。そんな感じです。
どんなお話か他の作品で例えてみると

例① 悲壮感の欠片もない『東京喰種』

喰いはしませんが設定は似とるのであります。

{netabare}・獣人は圧倒的少数で個体としては人間より強い
・主人公が医療の力で人間から獣人へ
・獣人コミュニティはいわば修羅の国
・両者の反目と融合を模索する物語設定
・人間側のラスボスが実は…{netabare}(和修一族かいっ!){/netabare}という展開{/netabare}

例② 製薬会社性悪説

ゾンビ化はしませんよ。言葉遊びです。 

{netabare}主人公がタヌキかアライグマかいまいちよくわかってないのですが、英訳するとracoon dogもしくはraccoonとラクーンです。で製薬会社がいっちょ物語に深くかんでます。この際みちるを全面に出して“アニマシティ”をタヌ…“ラクーンシティ”とスタイリッシュに。“獣人化ウィルス”を“T(タヌキ) - ウィルス”と語感を整えても良かったかもしれません(適当)。
念のため注釈加えとくと出典はバイオハザードです。{/netabare}



前述の“作風”と“テーマ”との相性の悪さに拍車をかけたのが主人公の「頭お花畑」っぷりかしら。
{netabare}第一話からして祭をぶっ壊されて自分も殺されかけてんのに、敵方を助けようみたいな展開がどうも性に合いません。{/netabare}
ある意味、定石なんですけどね。そこからの成長が楽しみだったり見どころだったりするので気にしなきゃ無視しちゃってかまいません。それはつまり、そこクリアされてれば楽しめるってことでしょう。


■声優さん

主役の諸星すみれさんと細谷佳正さんはこの際スルー。
バルバレイ・ロゼ市長役で高島雅羅さんがフル回転で登場されてます。スポット出演の多い印象だったので貴重な気がします。貴重といえばみちるの親友なずなでの長縄まりあさんですかね。てっきりロリ声専任声優(失礼っ!)かと思ってたのですがJK年代らしい発声もできるんですね。当たり前のことなんでしょうが勝手に驚いてました。



視聴時期:2020年4月~6月 

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2020.07.02 初稿
2021.03.07 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 55
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

4話までの感想{netabare}
どうにも私はトリガーと相性が悪いみたい。
厄介なのが序盤「お、これ面白いじゃん」と思っても、中盤から「なんでそんな展開に…」となることが多い。
特に2クール作品の2クール目からそうなることが多いかな?
起承転結の転のつもりなんだと思うけど、それまでの展開とガラっと変え過ぎてついていけなくなる。
ってことでこの作品は全何話なのかが非常に気になるトコロ。
1クールなのかな?だったら「あれ?」となる前に突っ走ってくれるかも。

と、そんな感じで序盤の3話まではいつもの様に好印象。
みちるはタヌキの方が可愛くないか?ひょっとして人間姿はワザと不細工にデザインした?
…なんてこと思ってたら、あれ?4話ちょっと雑すぎじゃない?
言いたいことは分かる、教祖の立場無視して他者を攻撃しまくる信者はアニメ界でもよく見るw
信者ってより教祖を殴り棒にして正義ごっこしてるだけというか…まぁ、うん。
だけどそれを押し出すことに意識を奪われ過ぎたのか、他の部分がおざなりで、これ本当にトリガー?とさえ思えたり。

顕著なのは内地へ向かって海を渡ったシーンの省略。
例えばこれが“リトルウィッチアカデミア”だったら、ホウキで飛べる魔女に乗せてもらったら凄いスピードで「ぎょえー」と言いながら必死にしがみつくアッコ、なんての描いたんじゃない?
そういうコミカル表現でなくても…丁度いいのがあった、
https://www.youtube.com/watch?v=zKQsL_ilDYU&feature=
これの3:47からのシーンみたいなの、何故省いた?
ズブ濡れのみちるが見たかったワケじゃないよ、いや見たかった。
あとニナが水槽に入れられるまでの経緯も飛ばしすぎ。
喋ることはできるんだし昏睡でもしてなければあんなことにはならないと思うのだが…。
って、あ!これって海外ドラマでたまに見る、ドラッグが横行しててニナはそんなの初めてで効きすぎちゃった(昏睡した)ってことか?
少しずつ吸引しないといけない「小麦粉」を、差し出された分一気に吸い込んじゃったとか?

あはは、そりゃカットされても仕方ないw

…。
そうなのか?
我ながらかなり強引な好意的解釈だと思うのだが…。
でもって最後は、正義ごっこするだけで殴り棒のことを理解する気のない連中を見て、憤慨しようにも自分もそうだったと気づいたみちるは獣人のことを理解すべく島へ戻るのでした、と。
筋書きは悪くないんだよなぁ、演出がヘンだったてことか?
今後巻き返すのに期待したいトコロ。

ところで4話までで半田修平の名前出てないと思うのだけど、見逃してるだけ?そのうち担当回来るのかな?
“まぎレコ”の方で「沼田誠也担当回あったら見るわ」と思ってたらずっと後半で、ちょっとそこまで耐えられないってことがあったり無かったり。{/netabare}

5話感想{netabare}
おっ、野球回じゃーん!
ってことでお約束の巨人の星…ではなく、ドカベン(野球狂も入ってる?)とあしたのジョーをミックスさせてそこにアストロ…よりも個人的にはコブラのラグボールを添加した感じ。
うん昭和だね。
そして実況役が水島裕で、演技的に広川太一郎だったらなぁと思ったら「外野ーっ!」って叫んで(水島裕が主役を務める“六神合体ゴッドマーズ”の決め台詞が「ガイヤー」)…このためのキャスティングかwww
めっちゃ昭和じゃーん!!
と思ったら、いや待った。
丹下段平ポジションのキャラがヤクザとつるんで八百長って…あれ?それって“メガロボクス”?
市民カード持ってるかどうかで酷い格差があるというのも、こっちの獣人と人間との格差と被る。
しかも大神(字面が六神に見えてきた)の声はメガロボクスのジョーの人なんだけど?
ってことでこの件が一番笑ったw、細谷佳正はどんな気持ちだったんだ?って感じで。
ひょっとしてスタッフはスタッフなりに気を利かせて、昭和アニメ知らない人にも分かるパロを入れたってことは…無いかな?

こんな感じで全話突っ走ってくれたら最高なんだけどなー、どうなるんかなー。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
11話が謎い。
まずナズナが、アランに「ストレスを和らげるために必要だ」と言われた(そのシーンは無い)だけでコンサート最後で自分が獣人だと明かそうとして「?」。
当然それは罠で、ミチルに言われて考えを変えたこと自体はいいとしても、そこまでの心の流れが雑かな?
もうちっと「アランの言うことだったら本当なんだろうハハン」と、例え深く考えてない・軽い気持ちであっても視聴者に「ナズナはそう信じてしまった」と見せるシーンは必要だったような?
そして観客がボリスの暴露を鵜呑み、これもどうなんだろう?
その直後シルバスタ製薬のメカが現れて、それに襲われて凶暴化…は分かるんだけど、その前の演説段階で既に涙してるんだよね、なんか変。
そして大神は暴走化した獣人達を目の前に、1000年前の皆殺しの時のことを思い出して暴走化。

何が起きてるのかは分かるけど、こっちの感情がキャラの感情に追い付かない。
この感覚は…ああ、4話の時と同じだ。
設定上の理屈どうこうではなく、視聴者の感情をもっと上手く誘導する描写はできなかったのか。
と、そんな感じで「なんかついていけない」、画面で起きてることをボーっと眺めるだけになってしまった。

最終回、ラスボスのアランが純血を維持してたというのも、あっそうって感じで全く重みが無い。
それこそ純潔維持のために先祖は好きでもない相手と子作りして来たとか、シブやバッククロスが当たり前に行われてたとか、なんか歴史的な重みを背負ってる造詣にはできなかったのか。
人種問題を扱った作品だと思ったら結局個人が相手だったっていう…「純血種」の一族郎党出すべきじゃなかったのかなぁ?
この作品は狼男だったので流されそうになるけど、もし吸血鬼だったらシモベが居て然るべきだと気付くハズ。
大神の中の人は十二の眷獣を従える第四真祖の役やってたり(“ストライクザブラッド”)、ボリスは…子安でバンパイヤ役というと“マスターモスキートン”まで遡っちゃって私自身がよく分からないや。
石川界人は…どうなんだろう?バンパイヤ役やったことない?
とにかく中の人はこれやってる間どんな気持ちだったのだろう。

そして市長の最後の言葉「根気強くやる(中略)幸い私には時間がある」、その後大神「お互いにな」って、これハダカデバネズミが長寿であること知らんと分からなくね?
って、アニヲタだったら知ってて当然なのかな。
タヌキとキツネは変身して人を化かす(変身能力がある)というのも日本独自の価値観な気が…これってネトフリ配信だそうで、敢えて日本の文化推しをした気がするのだけど、ターゲットがよく分からん。
5話のネタなんて外人分かるのかね?重度のアニヲタなら分かるのか?{/netabare}

総評{netabare}
淡々と物語のあらすじを見せられてる様で、何が起きてるのかは分かっても感情が乗れなかった。
画面では派手なアクションしてるハズなのに印象としては地味。
キャラ達がわちゃわちゃしてるのを「へーそう、大変だね」と他人事のように冷めた目で見てるだけだった、特に後半。
誰にも必死さを感じられなかった…せいかなぁ?
特にラスボスの目的が不明瞭、雑種を消し去りたかったのか?
人類に貸しを作ろうとした?セコくね?
セリフで「ボクたち純血種こそが~」と言うが、出てくるのが一人だけなので印象として受ける規模は小ぢんまり。
だったら「雑種のクセに自分と同じ能力を持ってる大神が憎い」や「我の能力を存分に振るえる相手を探していた」とか、もっと個人的な動機で良かったんじゃないかな。
ヘタに人種問題っぽいことに手を出したせいで扱い切れなかった予感。
また、人間を裏で支配し~とも言うが、これも「だからなに?」って感じ。
同じように人種問題を扱い、人ならざるラスボスが人間社会を裏で支配してたものとして“BEM”があるが、あっちは人間にウンザリしてた描写もあってこっちより踏み込んでた…気がする。
(最近“新サクラ大戦”の方の感想でもBEMを挙げて、まるで支持してるように思われるかもだけど、たまたまです。あれもそんなに面白くは…)

話が安っぽく、複雑にしようとしてキャラの思考回路だか行動原理が不明瞭になり、仕方ないから「なんか偉い人」を出してやっつけて閉めた、そんな印象。
絵も一見派手に見えるかもしれないけど地味、手を抜いてた気がする。
なにかの実験作なのか、“プロメア”をやって次のなにかをするまでの間の場繋ぎとしてテキトーに作ったのかな?{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 19

72.4 2 ポジティブで親友なアニメランキング2位
モーレツ宇宙海賊[パイレーツ](TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (952)
4589人が棚に入れました
どこかの宇宙・海明星(うみのあけほし)に住む高校一年生の加藤茉莉香。茉莉香はある日、故人である父親が実はつい最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸の船長であったことを知る。
弁天丸が海賊として活動を続けるのに必要な、私掠船免状の継承のためには直系の跡継である茉莉香が船長になるのが条件と告げられ、元・父親の船である弁天丸、そしてそのクルーとともに、女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送ることになる。痛快スペースオペラ、華麗に登場!

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

白凰海賊団に入団希望しますd(❀╹◡╹)っ

■モーレツ♡宇宙海賊ってタイトルで甘く見てたら大火傷よ♥
原作は『ミニスカ宇宙海賊』っていうライトノベルで、その著者の笹本祐一さんは自身で「現役最古のラノベ作家」と言ってるようですねw
アニメ化発表から2年の月日を経て『モーレツ♡宇宙海賊』と改名して放送開始にこぎつけたみたいです o(^ー^)o☆パチパチパチ

ストーリーはと言うと、主人公の加藤茉莉香[marika]はごくごく普通の女子高生で喫茶店でバイトしながら楽しい学園ライフをすごしていたのですけど、突然なにやら怪しげな人たちがバイト先にご登場w
なんと宇宙海賊船・弁天丸の乗組員でしかも茉莉花のママである梨理香[ririka]の知り合いっていうじゃないですか(;・∀・)ハッ?
先代船長のゴンザエモンって誰?Σ(- -ノ)ノ エェ!?パパなの…食中毒で死亡ってw
ママは何者Σ(- -ノ)ノ エェ!? 伝説の女海賊!?∑(゚◇゚;) ゲッ
突然カミングアウトされた茉莉花に驚くべき提案が…
海賊船・弁天丸に乗りなさい! 工エエェェ(´д`)ェェエエ工
茉莉花の青春の学園生活はどうなっちゃうのでしょうねw


■モーレツ♡宇宙海賊に出逢った日の日記 φ( ̄∇ ̄o)
1話観た瞬間、こっこれは…面白いって思っちゃいました♪
宇宙海賊と高生生活の両立という奇抜な設定とか、制服にいかにもっていう海賊服のコラボレーションといったギャップが新鮮で面白かったです♪
設定は斬新なのですけど、その中身はどうやら「まともな宇宙モノ」って事なのでシリアスなアクションシーンなんかも期待できそうです♪
作画の方もクオリティが高くって、艦隊戦なんかかなりの迫力があるんじゃないかなぁって楽しみにしてます!

キャストの方もかなり豪華なんですけど、ヒロインで主人公役の茉莉花役に大抜擢されたのが小松未可子さんでしたね!
引っ張りだこの人気声優さんたちを押しのけてのキャスティングだけに、彼女の演技力にも注目したいところです♪

茉莉花を中心に、学園生活と海賊の2つの視点からキャラの友情や成長をみれそうなので、今後の展開を((o(´∀`)o))ワクワクしながら楽しみたいと思っています♪


■総評
「決断は自分で選んだベスト!!」って茉莉花も言ってましたけど、「モーレツ♡宇宙海賊」ってタイトルで判断しないで本当に良かったなって思いました♪
作品のタイトルを初めて見た時は、品の無さそうなタイトルだなって思っちゃったんですよねwヾ(´ε`*;)ゝ
それが1話観た時に、あっ!面白そう♪って思って第一印象は良かったんです!
ただ2クール作品なので、最後までこの期待に応えてくれるのかな?ってちょっと不安も抱きつつ視聴だったんですけどね(^ー^* )フフ♪
そんな不安もどこ吹く風って感じで、観るたびにo(^O^*=*^O^)o ワクワクさせてくれてグイグイ作品の魅力に惹きこまれていくのでした( ̄▽ ̄)=3 プハァー

まずσ( ̄∇ ̄*)アタシの目を釘付けにしたのは、優雅で秀麗な「オデットⅡ世」でした♪
宇宙空間でありながら「帆船」という設定がとっても新鮮で、マストを広げソーラーセイルに太陽光を受けて静かに航行する船体はとっても美しく、白凰女学院ヨット部らしい船体だったと思います(゚∇^d) グッ!!
また映像としての見せ方もとっても良かったですね♪
宇宙空間に限らず、遠近を意識した見せ方が秀逸で、地上と宇宙空間など適材適所でCGの使い方にも工夫が観られました!
オデットⅡ世は磨き上げられた汚れ一つない美しい船体なんですけど、弁天丸やバルバロッサ等の現役の海賊船は使い古された感じに仕上げていて、そういった細かい所にまで配慮されているところも好印象でした(*^^*)

女子高生と海賊というアンバランスな設定を見事に融合してしまったこの作品の世界観をつくり上げるために、キメ細かい設定がなされているのですけど、それが観ている視聴者にわかり辛くならないように心配りされているシナリオ構成は、2クールを無駄なく安定した面白さを見せてくれていた印象です(⌒^⌒*)b
各話の冒頭のナレーションは「ガンダム」とかでもお馴染みですけど、細かい設定や世界観を少しでも理解しやすくするためには有効ですし、作中での説明臭くなる部分をここで解消する役目もあるんでしょうね♪
また、この時代では砲撃戦や白兵戦の前に「電子線」がとっても重要であることも、白凰女学院ヨット部の演習のシーンで取り入れることでさり気なく指南してくれてましたね♪
ただヨット部のメンバーと弁天丸を関連付けるのにちょっと強引だったかなって思いましたけど(感染症で隔離ってねw)、それ以外は茉莉花を中心に個々の個性を生かしつつバランスよくキャラを動かしていた印象です(*^^*)

声優さんでは茉莉花役の小松未可子さんは自信の一生懸命な感じが相まってなのか「海賊船見習い」と言う微妙な立場を上手く演じていてとっても良かったと思います♪
また、茉莉花の親友で役を演じた小見川千明さんも演技にも関心しました☆彡
「花咲くいろは」でミンチ役を演じていた小見川さんだったんですか∑('◇'*)エェッ!?って驚いちゃいました!声優さんって♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!

そういえば、1話でミーサさんがこんな事言ってましたけどρ( ̄∇ ̄o)
「ホントだったら加藤船長もこんなことはしたくはなかったんだろうけど・・・」
この本当の意味はなんだったのでしょうね♪
原作を読んだことないのでわからないですけど、故・・・ゴンザエモン船長wと、「ブラスターリリカ」こと梨理香さんの思惑が不透明なままなので続きがあるのかな?
茉莉香が正式に船長になった姿も観てみたいですし、まだまだ弁天丸の活躍を観たいので続編を強く希望します八(^□^*) オネガイ!!


■MUSIC♫
OP曲『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』
 【作詞・作曲・編曲】前山田健一 【歌】ももいろクローバーZ
 ヒャダインこと前山田健一さんとももクロとのコラボはドラゴンクライシスのED曲「ミライボウル」以来かな?
 ももクロの元気な部分を前面に押し出したモーレツなナンバーですw
 
ED曲『LOST CHILD』
 【作曲・編曲】NARASAKI【歌】ももいろクローバーZ
 こちらも「ミライボール」の編曲を担当したNARASAKIさんの楽曲です♪
 荒削りさが癖になるももクロの魅力を惹き立てる軽快なエレクトロニカなナンバーですd(-_^)good!!

ED曲『Black Holy』(第9話、第12話、第16話)
ED曲『透明な夜空 〜瞬く星に包まれて〜』
ED曲『未來航路』
 【歌】小松未可子
 ももクロのあとに聴くとなんだかC=(^◇^ ; ホッ!としちゃう憂いがある小松さんの歌声♪
 楽曲はオーソドックスでキャッチーな構成となってるのでとっても聴きやすいです。☆⌒d(*^ー゚)b グッ!!
 個人的には『Black Holy』のようなBメロからサビにかけて盛り上がるアップテンポな曲がお気に入りです♪


2012.01.21・第一の手記
2012.10.07・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 69
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

さぁ!オッサンホイホイの時間だ!!

個人的に1話でドツボにキた。
ハーロックネタw爆笑。まさか21世紀に聞けるとは。
中身は70、80年代から散々読んで、観てきたもの。
始祖たるヤマト、銀英のパロ、ナデシコ、タイラーで大輪となった,おちゃらけたスペースオペラの風格。
肌が合う合わないでいったら15年ぶりに幼馴染にであったような・・・。いちいち涙が出てくる演出。
エヴァとかの大月Pまでいるwナデシコメンバーなんですね。納得です。
オカエリナサト

キャラ原案が変態絵師、あきまん
お布施はよくしてる。
∀ガンダム以前、カプコンの頃から愛してる。ストゼロくらいが好きだったな。
ユーストでエロいマミさんだか描いてBANくらったとか。
昔たまに書いてたデリヘルの感想がおもしろかった。


今年はコイツだけやっぱりひとつ抜けてるかな・・
売れはしないだろうけど・・
オンナのコが主人公ってだけで恋愛、ハーレム的なものを感じない。おっさんだって登場するし。きょうびのテンプレアニメと違うけど、90sはこれがテンプレw
まさに黄金期のアニメ、世代にはたまらないよね・・。

ZEROのあとにあのアバン、ナレーション、シュールだなぁ・・・。

ゼーガの音響さんらしく花澤チアキちゃんががなぜかかわいいのも見所。
ざーさんがこんなにかわいいわけがない。


くだらない感想{netabare}
途中からちょっと雰囲気が変わってくるのですが、
あえて原作を追い抜いたとか。
やるからには作者と協議の上だろうけど。

それ以降、海賊→オタクっていう暗喩な気がしてきたよ。
ネット社会でなまじ光の速さを超えてしまった(超えてないけど)我々への提言なのか。オトナになって離散してしまったオタクたちのことなのか・・。
それについてのメッセージだとするのであれば・・。

どこぞで読んだらストロングスタイル?プロレスだぁ?ww
オタクにはかわらないな。あたらずしも遠からず・・・
茉莉香がレスラーの娘で、後ついで、親父がガチもやってみないかと?wくだらねえww
UFCバリならいいけどガチでも空気読む試合はイヤよ・・。
てことは映画は関係なくて、2期はガチとエンタメどっちがいいか、ファンが決めてくれってことだね?
ガチにしたら個性がかけるな。
見世物だけど、たまに頭に血がのぼっちゃってガチっぽくなるのががプロレスの真髄。あと技の美しさ。
どこぞのアメプロくさく、親父とのくだらない抗争劇とかでもいいよ。


作品概要
最初は部活の話、で海賊になって仕事をする話、部活と海賊を合わせた話、ガチンコの宇宙海賊としてマジでやりあうラスト。

実際には3種の構成なのか。
原作未読ですが、海賊なるまでにものすごーーくかかると聞いております。
さすがにそれはイカンので、2クールとはいえなかなかのハイペースで進みます。正確には一気に時間が飛ぶんです。

必然的に主人公の成長物語はほぼシカト。第一話から海賊になって仕事して、そこまでは比較的丁寧には描いてありますが、理解できません。
形式的にやってみました感が・・。

結局茉莉香が海賊になる資格を持っていて、英才教育、エリート娘。天性の宇宙海賊なだけじゃんかと。それに納得するかどうかってだけ。まぁそれでいいんですこんな話。

むしろ隙間がたくさんあるのでOVAででも補完話がたくさんでたらたのしいな。


この作品のすげえなってとこ

キャラクター
とにかくこれ。あきまんがたぶんヤバイんだと思う。もっといえばキャスティング。
大量に登場するヨット部員だが、クラスの(この場合部活だが)書き分けできてるのは名作とはよくいったもの。
ビジュアル、ちょっとしたしぐさで誰がどんなやつか分かる。逆にメインを食わないように添え物程度にしてあるのでほっといても問題ない。
その程度の扱いなのだが無駄に豪華なキャスト。
声優さんや外見の特徴のみでできるだけ表現。
そのサジ加減が秀逸。

SF考証も同じく、セリフを少なく、作画からどれだけの情報を視聴者にわからせるかといことに徹底してる。



オッサンじゃないとわからない舞台演出
みんないってることですが、古今SFのパロオマージュなどなどで構成。
本家作品でツッコミ入れられてたようなことに対してさりげなく修正、フォローをするというか・・
これならあの演出が成立するよねという。
電子戦は独特ですが、宇宙船モノではってめずらしいだけ。
レーダーのエフェクト、対艦戦のインターフェイスとか心当たりはいっぱいあるでしょう。ナデシコパロもあるのがニヤリ・・。そこいらがわからないと説明がほとんどないので会話の意味が不明になるかと。
物語はあまり関係ないのですが・・。この作品独自の楽しさがわかりません。

そんなこんなでここまでオタク、オヤジ知識を必要とする作品・・・よく出せたなと。。
{/netabare}













以下リアルタイムな覚書
{netabare}

3話まで、
ひたすら舞台説明、こちらも宇宙旅行を強制させるチュートリアル。海賊になる前にしっかり勉強しろてね。
どうやら日本語が常用なのか?習字してるし、船のあのシステム・・。
練習艦のデザインもOPにでるお約束の弁天丸ブリッジとは違い、トップなどのSFオタで言われてきた円卓、証券取引所タイプ。
お約束程度にお色気をいれてるが健康的なだけでエロも萌えもない。女子高生をガキあつかい。オトナとしてまったくもって正論。
船外でロープつけないのも絡まってあぶないからだろうな・・。ガスガン的なものがあるんでしょう。
セイリングじゃない、一般の通常エンジンなら半日で太陽回って往復できるってのもさりげない。あの世界は巡航でもすさまじい速度ってことですね。
プラネテス以来の本格宇宙SFだった。
リアリティと世界観にこだわってそのままおちゃらけだけどハードスペースオペラなのか・・基礎は知ってるんだぞと示しといて独自設定とかでぶっ壊すのか・・・楽しみ。

4話
もうこれこのまま部活作品でいいんじゃねえの。十分作品が成立してる。本格的に弁天丸に乗っちゃったら、おしまいな気がしてきた・・。みんなで乗り込むのか?二束のわらじか。
そんなことより小見川千明さんが恋しいのだが、またでるよね?・・・。電子戦とか地味だなぁwwこれは売れねえww楽しすぎるんだけどw

5話
エピソード1的な一区切り。
丁寧に説明を重ねてきた世界設定がついに明らかになる。
これ、かなり見せ方もお話もすごくうまいと思う。
あそこまで電子戦を見せといて、視聴者も登場人物もそんな航行システムっておかしくね?って思ったらコンピューターが無くても手動で操艦できるにきまってるじゃんって。ですよね。そもそもオデット2世は元々スタンドアローンのシステムだったわけだし。ちゃんと前フリしてる。
そして部長の通信が伝説の台詞『バカめ』wwwおまえがなw
あの攻撃方法とかあの作品のあれやしな。SF愛してるんですね。
視聴者の疑問に一気に回答をだし作品のノリも示してくれた。風呂敷たたむのがすごく綺麗。
ついでに宇宙空間で制服なのにパンツは絶対に見せないという製作の勇気!!。
普通なら着座の際に慣性の法則に逆らえないでスカートがめくれるはずなんだが・・・。仕掛けがあるんでしょう・・。

6話
やはり学園モノのほうがいいなぁ・・。まだまだ部活アニメのがよかった。海賊になったらエンディグでwざーさんが転校してしまったのが残念。たまに海賊って感じを期待。
そんなことより当OPを披露したはじめてみたももクロが斜め上のユニットすぎて衝撃的だった。。。

~10話
完全に銀英バリのスペースオペラになってきたYO。
作戦も銀英じゃねーかYO。
ポーズのかっこよさとか余分な台詞のなさとかすげえぞこの作品。
たまらんわぁ・・俺らはオタクであってヲタクではないというのを再認識させてくれる。
セレニティってアレか、セラムンからか。
戸松っちゃんヘタクソだなぁww。
ざーさんも好きじゃないけど、チアキちゃんいいな・・なんか似合ってるしかわいいわ。
マミとの絡みもなかなかでしたが、ノリノリで営業やってるのがなんともかわいらしい。

14話
こんなこともあろうかと・・なチアキチャン。
某作品でいう声優さんのギャラとか下世話なこと考えるとこ絶対やると思ったがなんか出すのが早いw〆にするべきネタじゃない?
日笠部長、レズらしいのにマジかっけえよ。
じつはこれがラストエピソードってことはないよね?かなりの長編にすんのかな・・。もうすこしタメがほしかった激アツいネタっすね・・。

~16
弁天丸にヨット部を乗せることでついでにSF考証というか説明もしてくれちゃう、普段のクルーがどれくらいすごい奴らなのか・・ってな。
うまいな・・
~17話
ブッ!!っていう衝撃のガチレズ展開。ドン引きするレベルのキスがすげごいっす。完全に入ってる音にわざとしているのは、ノリノリのアドリブか、いやがらせかw
ピンチになったらとにかくワープってもういつからだ・・古典的なお約束で燃えますね。

19
開幕から座右の銘が全否定されました。
なんか台詞の雰囲気もかわったな・・。


24
ド王道なクライマックス、ハーロックにツッコミをいれるセリフ。ガンダムだと演出見て察しろというだなw。かっこいいからは真理。
途中から感じていたがやはり海賊=おたく、オタクのような気がする。


海賊会議・・・あれですねヨーホーヨーホーのパクリっすね。
ハーロックの船外操縦→ホログラム、サイボーグ化で実現。
意味はない、かっこいいからだって・・wわかってるね。


クオリティは一定しないが絵の動かし方は要所要所でうまい。作画→本来アニメでは絵をうごかすこと。
セリフの使い方、テンポはすばらしい。説明的になりがちだが最小限。画面よく観とけってことかな。
アニメというよりは完全にガチなSF、


売り上げがまぁまぁすごいとの結果が・・世の中捨てたモンじゃねえな。


OPについて
モヒカンになったドラえもんが弾いているようなイントロからはじまり、どう考えてもロマサガイトケン節、ドラクエ風(というかクラシック)のごとく拍子が代わり、しょっちゅう変調、サビは90s王道のアニソンメロディー。泣き?っていうの?変にオサレぶらずにそのまま上がり続けて限界まで突破するという・・。で〆はFFのクリスタルのテーマってか。

ジャンル的にはシンフォニックメタルっていうの?。よく知らないけど。
マーティがあらぶってるのはわかった。
久しぶりに聞いたアニソンの珍曲なのは間違いない。
おもしろいけど、とにかく詰め込みすぎで疲れる。しかし中毒性が・・。
『ポゥ』じゃねーよ。マイケルネタかよ。

ももクロがヘタクソとかいわれるが、こんなすごいメロデイー誰もこのままは歌えないよ・・。きれいに歌うとたぶんダサいぞ。
あくまでタイアップじゃなくてアニソンだし、イメージってもんもある。
あえてアイドルのヘタクソボーカルなのがいいんだと思うよ。
ヒャダインさんもプロなんだから考慮してるんじゃないかな。
こういうヘンテコな曲を弾くとピアノを習っていたときのドラクエ4の気球のトラウマスイッチガ・・・・

{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 50

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

激烈!炸裂!強烈!破裂!カツレツ!モーレツ!!

ア太郎?

小説のミニスカ宇宙海賊ってスゴイ名前ですね。

モーレツってどこからとったのかなと思ったら原作11巻のタイトル「モーレツ時間海賊」からなんですね。
実にサトタツSFで面白いアニメでした。

小松未可子さんや甲斐田裕子さんなど、
イケメン声の女海賊らしい声優さんたちの起用でテンションが上りました。
小見川千明さんの声も良かったなあ・・・

そもそもよく解ってないんですが、このアニメ評判だったのでしょうか?

個人的に凄く楽しんでたんですけど、
派手さのないキャラと結構淡々と進むストーリーが
今っぽくないな・・とは思ってました。
劇場版も制作されましたし成功はしてるんですよね?多分。

学生と海賊船船長の兼任というのが、2面性のある魔法少女感あって好きですw
魔法の天使クリィミーマミや魔法のステージ ファンシーララ観たくなったw


・追記

ちょっとヤッツケ過ぎなので追記w

このアニメ、海賊ものといいながら、人は死なないし、クリーンな強奪だしで
全く燃えないななんて思ってしまいます。
クルーの大人達も海賊のくせにまともで、いい意味でも悪い意味でも
灰汁を持ってるキャラクターがおらず、山なし谷なしの平々凡々な展開に
多少飽きが来てしまうところが難点ですね。

・・・と、ここまで悪口を言ったものの、本題はここからです。

この、人が死なない、クリーン、大人がまとも、によって
タイトルとは裏腹の、女子のスポ根アニメが爆誕したのですw

恋愛や生き死にが無くても、爽やかなまでの若さの猛進が、
主人公の加藤 茉莉香はじめ、白凰女学院生の、まるでスポーツのような熱さへと昇華してゆきます。
海賊になるために学業も頑張り部活も頑張り、仕事(略奪w)も頑張る茉莉香の目は、
常に前を向き、全く揺らぐことを知りません。

そんな彼女に対し、徐々に信頼を寄せていくクルーの大人たちや、学院の生徒たちと同じように、
観ているこちらも茉莉香船長を認めていきます。

頑張る女の子が好きな方は、是非とも観てくださいな(*^_^*)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

85.8 3 ポジティブで親友なアニメランキング3位
リズと青い鳥(アニメ映画)

2018年4月21日
★★★★★ 4.1 (548)
2286人が棚に入れました
北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当している鎧塚みぞれと、フルートを担当している傘木希美。

高校三年生、二人の最後のコンクール。
その自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。

「なんだかこの曲、わたしたちみたい」

屈託もなくそう言ってソロを嬉しそうに吹く希美と、希美と過ごす日々に幸せを感じつつも終わりが近づくことを恐れるみぞれ。

親友のはずの二人。
しかしオーボエとフルートのソロは上手くかみ合わず、距離を感じさせるものだった。

声優・キャラクター
種﨑敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、杉浦しおり、黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、桑島法子、中村悠一、櫻井孝宏
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

山田尚子監督が目指していたものをやり切った、実写的表現の到達点

アニメーション制作:京都アニメーション、
監督:山田尚子、脚本:吉田玲子、
作画監督・キャラクターデザイン:西屋太志、
音楽:牛尾憲輔、美術監督:篠原睦雄、
色彩設計:石田奈央美、原作:武田綾乃。

揺れるポニーテール、廊下を歩く足、瞬く瞳。
静かな劇伴が流れるなかのふたりの情景。
絵柄は滲んだブルーを基調とし、透明感のある色彩。
響く足音、キャップを開ける音、楽器を組み立てる音。
様々な生活音を拾い上げていく。
細部まで徹底的なこだわりを感じさせる。
思わず息を詰めて観てしまうような静謐感が作品全体に流れている。

私は冒頭のシーンを観たときに、この感覚はどこかで味わったような気がすると、
鑑賞中にずっと考えていたのだが、
それは岩井俊二監督の『花とアリス』だった。
岩井俊二監督のなかでいちばん好きな作品だが、
それを初めて観たときのような鮮烈な印象を受けた。
眩いばかりの透明感を重視した絵作りだ。

『リズと青い鳥』は『響け!ユーフォニアム』シリーズの続編に位置づけられる。
田中あすかや小笠原晴香たち3年生が引退した後の
春から夏にかけての一部分を切り取った物語。
しかし、シリーズ名がタイトルに入っておらず、
単体で観られることも意識して制作されている。
私は原作を全巻既読で、TVアニメも映画も過去作品は
全て鑑賞済みなので断言はできないが、
初見の人でも十分に楽しめるのではないかと感じた。
人間関係は観ていれば、ほとんど理解できると思うし、
基本的には鎧塚みぞれと傘木希美の関係性についてのストーリーのため、
それほど分かりにくくはないと思う。
ただ、もしかするとみぞれと希美の依存といえる関係性が理解できず、
物語に入り込めない人がいるかもしれないが、
そんな友人同士の繋がりもあると考えてもらうしかない。
これは、いびつな形ですれ違い続ける愛と嫉妬の物語だ。

アニメ的な手法よりも実写的なカメラワークを
意識しているシーンが多く見られる。
足の動きや手の動き、会話の「間」などで、心情を表現している。
また、感情を表すような目元のアップシーンが多い。
アニメではなく、実写ではよく使われる手法だが、
この作品では重視されている。
そして、被写界深度を意識した絵作り、
つまりカメラの焦点とボケを意識している点はシリーズと同様だ。
物語にはそれほど大きな起伏がないため、
好き嫌いが分かれるタイプの作風だが、
映画としての完成度はかなり高い。

{netabare} 特に素晴らしいと感じたのは冒頭のシーン。
何かの始まりを予感させる童話の世界から現代の世界へ。
まだ人があまりいない早い時間の学校に鎧塚みぞれが到着して、
階段に座り、誰かを待っている。自分の足を見る。不安げな瞳。
誰かがやってくる。
視線を向けるが、期待した人ではない。
そして、待ち人がやってくる。いかにも楽しそうで快活な表情、
軽快なテンポの歩様、揺れるポニーテール。
それに合わせて流れる明るいメロディ。
フルートのパートリーダーである傘木希美だ。
鎧塚みぞれは、それとは逆に表情が乏しく、口数も少ない。
彼女なりに喜びを表現して希美と一緒に音楽室へと向かう。
途中で綺麗な青い羽根を拾った希美は、それをみぞれへと渡す。
戸惑いながらも希美からもらったものを嬉しく感じるみぞれ。
この青い羽が、閉じられた世界の始まりを予感させる。

校舎に入り、靴箱から上履きを取り出すときのふたりの対比。
廊下に彼女たちの足音が響くが、その音のテンポは全く合わない。
完全な不協和音。ふたりの関係性が垣間見える。
みぞれは少し距離を置いて、希美の後に付いていく。
階段の途中の死角から希美が顔を覗かせてみぞれを見る。
希美は少し驚いたように、目を何度か少しだけ動かす。
教室に着いて鍵を開け、椅子と譜面台の並んだ誰もいない室内に
2人だけが入っていく。
吹奏楽コンクールの自由曲は、「リズと青い鳥」。
この曲を希美は好きだという。
そして、ふたりで曲を合わせてみるところで、
タイトルが映し出される。

この一連のシーンだけで気持ちを持っていかれるだけのインパクトがある。
とても丁寧で実写的で挑戦的な作風だと感じ、
私は思わず映画館でニヤついてしまった。

物語はみぞれと希美のすれ違いを中心にしながら、
それに劇中曲である「リズと青い鳥」の物語がリンクしていく。
童話のほうの声優にちょっと違和感がある。
ジブリ作品を見ているような感覚だ。
みぞれがリズ、希美が青い鳥の関係性として観客は見ているが、
最後にふたりの立場が逆になる。
みぞれの才能が周りをなぎ倒すようにして解放され、
美しいメロディを奏でる。
同じように音楽に真摯に取り組んでいたみぞれと希美の差が
明らかになる瞬間だ。

二羽の鳥がつかず離れずに飛んでいくシーンが映る。
左右対称となるデカルコマニーの表現。
そして、ふたりの色は青と赤。
心があまり動かずしんとした雰囲気のみぞれが青、
情熱的で人の中心になれる希美が赤だろうか。
このふたつの色が分離せずに混ざり合っていく。

みぞれが水槽に入ったふぐを見つめるシーンが度々出てくる。
おそらくみぞれは、水槽のなかのふぐを羨ましいと思っている。
仲間だけでいられる閉じられた世界。
そこが幸せで、ほかは必要ないと考えている。

この作品は意図してラストシーン以外での
学校外のシーンを排除している。
鳥籠=学校という閉じられた空間を強調しているのだ。
閉じられた学校という世界のなかにあって、
さらに閉じられた水槽内にいるふぐ。
それをみぞれが気に入っているというのは、
みぞれの心情を示している表現だろう。

たくさんある印象的な場面でいちばん好きなのは、
向かいの校舎にいる希美がみぞれに気づいて手を振り、
みぞれも小さく手を振って応えるシーン。
そのとき、希美のフルートが太陽に反射して、
みぞれのセーラー服に光を映す。
それを見てふたりがお互いに笑う。
言葉はないが、優しく穏やかな音楽が流れるなかで、
(サントラに入っている「reflexion, allegretto, you」
という曲で、1分20秒と短いがとても美しい)
何気ない日常の幸せをいとおしく感じさせる。

ラストシーン。歩く足のアップ。
一方は左へ、一方は右へと進んでいく。
希美は一般の大学受験の準備ために図書室で勉強を、
みぞれはいつものように音楽室へと向かう。
帰りに待ち合わせたふたりが歩く。
足音が響く。
ふたりの足音のリズムは、時おり合っているように聞こえる。
お互いに別の道を歩くことを決め、そこでようやく何かが重なり始めたのだ。
ふたりの関係がこれからどうなるかは分からない。
しかし、最後に「dis」の文字を消したところに、
いつまでも関係がつながっていて欲しいという作り手の願いがこめられている。{/netabare}
(2018年4月初投稿・2020年5月5日修正)

大好きのハグから続くラストシーンについて
(2018年5月11日追記・2019年3月15日修正)

{netabare}みぞれは希美の笑い方やリーダーシップなど、
希美自身のことを好きだと告白するが、
それに対して希美は「みぞれのオーボエが好き」だと言い放つ。
このやり取りは一見、ふたりの想いのすれ違いだけを
表現しているように感じるが、実はそれだけではない。

友人として以上に希美のことが大好きなみぞれにとって、
とても厳しく感じる言葉だが、これは希美自身にとってもキツイ言葉。
みぞれの才能を見せつけられて、ショックを受けているときだから尚更だ。
それなのに、敢えて言ったのはなぜか。
この言葉には、自分は音大には行けないが、
みぞれには、音大に行ってオーボエを続けて欲しいという
願いがこめられているのだ。
「みぞれのオーボエが好き」という希美の言葉がみぞれに対して
どれだけ大きな影響を及ぼすのかを希美自身は自覚している。
単に希美が自分の想いを吐露しただけではない。
「みぞれのオーボエが好き」は童話における、
一方的とも思えるリズから青い鳥への
「広い空へと飛び立って欲しい」と言った想いと同じ意味を持っている。

それは、帰り道に希美が「コンクールでみぞれのオーボエを支える」と
言ったことからも分かるし、それに対して、
みぞれが「私もオーボエを続ける」と宣言をしていることからも明らかだ。
しかし、このやりとりはどう考えても違和感がある。
つまり、希美はコンクールの話をしているのに、
みぞれは、コンクール後のことについて語っているからだ。
会話がすれ違っているように聞こえる。
ところが、そうではない。
つまり、ここでは希美が音大に行かず、
フルートを続けなかったとしても、
みぞれは音大に行く決意をしていることを示している。
これは希美の「みぞれのオーボエが好き」に対して
みぞれの出した答えなのだ。

実は原作では、音大を受験するかどうかの話を
みぞれが希美に問い詰めるシーンがあるのだが、
映画では、完全にカットしている。
その代わりに、左右に分かれていく足の方向と
図書館での本の借り出し、楽譜への書き込み、
最後の会話によって表現している。
「みぞれのオーボエが好き」という言葉が
みぞれの背中を押したという、別の意味を持たせているのだ。
そのあとの「ハッピーアイスクリーム」で
ふたりの感覚が足音のリズムとともに、ようやく一致したことを描いている。
また、みぞれが校門を出るときに希美の前を歩いたり、横に並んだりする。
切なさはあるが、やはりこれはハッピーエンドといえるのではないだろうか。

音楽については、フルートが反射する「reflexion, allegretto, you」と
ラストシーンで流れる静かだが心地良いリズム感の「wind,glass,girl」、
そして、字幕の時の「girls.dance,staircase」、
「リズと青い鳥」、Homecomingの「Songbirds」が印象的だ。{/netabare}

コメンタリーを視聴して(2019年2月14日追記)

{netabare}昨年発売された脚本付きBDを購入して、
本編とインタビューは手に入れてすぐに観たのだが、
脚本やコメンタリーは後回しになってしまっていた。
脚本を読んでみると、「リアルな速度の目パチ」など、
とても細かい指示がなされていて驚いた。
目を閉じ切らないまばたきも指示されている。
また、作画については「ガラスの底を覗いたような世界観」という
指南書が配られていたという。
映像では山田尚子監督の意図を確実に実現している。

そしてこの作品には3つの世界観が表現されている。
学校、絵本、そしてみぞれ(希美)の心象風景だ。
絵本は古き良きアニメを再現させるよう
線がとぎれる処理を行っている。
心象風景は、よりイメージ感の強い絵作りを意識したという。
希美が走る水彩画のようなタッチ。
左右対称の滲んだ色の青い鳥など。
これら3つの世界観が上手く活かされていて、
物語に彩りを与えている。

それに加えて、BDで解説を聞かないと気付けないのが、
生物学室のみぞれと希美のシーン。
最初から何段階かに分けて色合いを変化させている。
夕方の時間の経過とともに初めは緑っぽかった室内から
オレンジ系に少しずつ色を変えるのと、
カットごとに順光、逆光でも変化させている。
確かに言われてみて確認すると、
生物学室での色合いはとても繊細だ。

髪を触る仕種については山田尚子監督自らの発案。
曰く、みぞれがそうやりたいと言っていたから。
キャラが監督に下りてきていたそうだ。
また、「ダブル・ルー・リード」も監督のアイデア。
これは映画館で観ていたときから、
洋楽好きな監督が考えたことだろうと予想していたので、
インタビューを観たときは、あまりにもそのままで可笑しかった。
印象に残ったのが、スタッフのいわば暴露話で、
内面を描くよりも映像(ビジュアル)で見せたいと
昔に語っていたことがあったそうだ。
監督は昔の話だと恥ずかしがっていたが、
まさにこの作品はその方向性を貫いたといえるだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 122
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あの子は青い鳥

山田尚子監督作品、脚本吉田玲子。

群像劇としてのユーフォニアムから、
思春期の少女2人の機微な心情に焦点を当て、
より先鋭化した形で描写され提示される、
あまりにも美しく儚い旅立ちの物語。

足音の効果音が印象的に導入され、
2人の未来を象徴するかのように、
違う歩幅で、リズムで共に歩いて行く。
{netabare}ここでは大きな物語は、徹底的に排除され、
日々の練習風景と少女の心情のみが反復される。{/netabare}
少女たちの所作の1つ1つがあまりにも美しく、
その機敏な運動の中に、身体の美を見ました。

内向的なみぞれと明るく社交的な希美。
{netabare}童話「リズと青い鳥」が詩的に象徴するように、
それぞれの現状と未来に不安を覚え始める。
微妙な距離を生む対比された2人の感情、
上手くかみ合わないオーボエとフルート。{/netabare}
小さな青い鳥の幸せとは何でしょう。
ここにあるのは少なからず誰もが通過する、
イニシエーションではないでしょうか。

少女の美しさと儚さの一瞬を切り取り、
残酷さまでもドキュメントした記念碑的作品。
それでも前途ある未来を輝き解き放って欲しい。

私の大切な宝物となりました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 125
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Agree to disagree

2018.11.11記


本作鑑賞にあたりTV版1.2期を視聴済


あにこれでも評価の高い、吹奏楽部員らの青春を描いた【響け!ユーフォニアム】のスピンオフ劇場版。TV版にも登場した傘木希美(フルート)と鎧塚みぞれ(オーボエ)の二人の関係に焦点を絞った物語です。
実はユーフォシリーズの出会いは本作がきっかけ。リアルでの飲み友達(非ヲタ)の職場同僚が劇中歌「girls,dance,staircase」{netabare}(Homecomings手前に流れるボーイソプラノのやつ){/netabare}を歌っている方のご家族だったから。…遠い(笑)

事前準備のつもりで観たTV版にドはまりし、本作に関しては、訳知り顔で「キャラのデザイン変わってんじゃん。なんだよー」と知ったかモードで公開から少し日の経った時期に劇場で鑑賞しました。結局・・・


 『間髪入れずに2回め行きました』 余韻忘れられず 『3週間後に3回目行きました』


2回目はひっかかりの解消を目的に、3回目は「みぞれのオーボエが好き」でもう一度劇場で音色を堪能したかったからが理由。当たり前ですが駄作と感じてればリピートはしません。
90分とやや短めの上映時間ながら濃ゆい時間が流れる至福のひと時。「ながら見、ダメ、ゼッタイ」良い意味で観客に緊張を強いる作品です。

TV版の視聴が必須か?は微妙なところです。理解に幅を持たせるためにTV版を観るに越したことないですが、本作は2人の少女の物語としてTV版と独立した作りになってますので単独での視聴も可能です。事前準備するなら、松:TV版コンプしてどうぞ、竹:2期1~5話を押さえてどうぞ、梅:YOUTUBEでそれっぽいの探してどうぞ、といったところでしょうか。
元からのファンはもちろんのこと、TV版がイマイチだった人、TV版観てない人もと間口広めです。タイトルに〝ユーフォ”を持ってこなかったことから意図は明白だと思います。


ざっとあらすじは、
少女(リズ)と青い鳥との出会いと別れを描いた童話「リズと青い鳥」を題材とした同名の楽曲をコンクールの自由曲に選んだ北宇治高校吹奏楽部。その曲中、オーボエとフルートの掛け合いパート、なかなか二人の息が合わなくて、、、
奇しくも掛け合いパートは少女と青い鳥の心情を表現しているとされる箇所。「出会い」「別れ」「リズの気持ち」「青い鳥の気持ち」曲の解釈に懊悩しながら、折しもリアルでは三年生が直面する「進路の選択」なども重なって、希美とみぞれの関係にも変化が生じていく。。。


山田監督の作風まさに真骨頂だと思うのですが、セリフ外の情報が極めて多いです。
背景絵、音、光の表現、表情だけではないキャラの仕草(足や手の動き、目線)、目にうつる全てのことは メッセージになってます。あ!耳もね。観客に緊張を強いる作品たる所以です。
わかりやすくてわかりづらい、解釈を観客に委ねてる分捉え方に幅があり、皆さんの感想読むのが楽しみでもあったりします。
少なくても進級、進学と環境が変わることを控えた局面、今までの関係がそのまま続くことはないことが見えてきたところでの各々の選択と決定に至るまでの葛藤など、時間が有限だからこそ輝きを増す青春というものに抵抗がなければ視聴をお勧めいたします。



以下、鑑賞済みの方向けのネタバレ感想です。

■合意できないことに合意する

{netabare}「disjoint」から「joint」までを見てね、冒頭と終幕の1カットに挟んだ監督からのメッセージはわかりやすいです。
「disjoint」数学用語で〝互いに素”互いに共通の公約数を持たない数の関係性を言うようです。一方「joint」は繋ぎ目や接合部とイメージしやすい単語ですね。
二人で一組、優子先輩もその境地には達することができなかった希美とみぞれの間に横たわる強い関係(とTV視聴組の私は思ってた)が実は混じることない別物で、って展開でした。

これ希美ファンにはしんどいかもしれない。2期1話宇治川のほとりで花火を見ながら高坂麗奈から弱さを理由にいったん逃げたと評された希美の弱い部分、みぞれの才能への嫉妬がはっきりと出てるから。ブランクはやはり大きかったのか?元々の才能の限界なのか?再入部前、〝韃靼人の踊り”の音色に誘われてやって来た黄前久美子に「フルートが好き」と笑顔を見せた希美を私たちは知っています。

一方みぞれファンにもしんどいかもしれない。せっかく2期4話で取り戻したみぞれの情緒がまた不安定になるから。みぞれの病的なまでの希美への依存は強いままだった。希美に拒否されることが何より怖い。希美がいれば羽ばたける。希美のために吹いた関西大会みぞれの〝三日月の舞”エモいオーボエソロ、舞台袖で見守る希美の1カットとともにホッと胸を撫で下ろしたことが昨日のことのようです。

自分にとって大事なものが、希美は『フルートが大好きな自分』、みぞれは『希美と一緒にいられる自分』。演奏にベクトルが向いてる希美と、その人そのものに向いてるみぞれで齟齬が生じてくるのは避けられませんでした。お互い求めるものが微妙にズレていて、その行き違いが切ないったらありゃしないのです。

それが顕著に表れたのがハグしてお互い好きなものを言い合うシーン。観た人には説明不要かもですが、、、
あそこでみぞれが「希美のフルートが好き!」って言えてれば万事解決、オールオッケーだったんでしょうがそうならない。お互いを大切に想っていてもどうしても相手が求めてるものを供給できないもどかしさ。全編通してそんな感じです。{/netabare}

{netabare}じゃあ「joint」とは何ぞや?
融合して一つになった、、、ってことではないですね。またそれがいいんだと思います。
あくまで繋ぎ目や接合部。お互い交わらないことを自覚して、それでもお互いを大切に想う気持ちを大事にしようという一点で繋がった二人。関係性の変化をこれまた冒頭とラストの二人の描写で表現しています。詳しくは言わんよ。

お互いが大事に思ってたはずの『フルートが大好きな自分』『希美と一緒にいられる自分』を相手に求めることを諦め、それでも

『自分を大事に思ってくれているみぞれ』(希美視点)
『自分のオーボエを好きと言ってくれている希美』(みぞれ視点)

を大事にしようと相手を思っての気持ちへと深化した(そう思いたい)、まさに希美とみぞれのためにある物語でした。諦めをともなって痛みに向き合って二人とも大人の階段を一段登りましたね。{/netabare}

{netabare}当初二人に対して感じた“しんどい”思いは、エンドロールが流れる頃には観る側にほろ苦さを残しながらも、今まで以上に希美とみぞれへの愛着を持たせる前奏となったのです。{/netabare}


主役を演じた種﨑敦美さん東山奈央さん。間や空気感を大事にする作品で、行間や吐息ひとつに想いを込める演技は素晴らしかった。特に希美役東山さんは本作のMVP、明るさとカラ元気、嫉妬と焦り、強がりと繊細さをないまぜたとても人間くさい希美を好演されてたと思います。
本職ではない本田望結ちゃんも及第点です。童話パートでの二役、本職でない女優を配置することで本編ストーリーと別物感が出てました。ジ○リっぽかったですね。あえて別物感を出しているけれど“少女と青い鳥”“希美とみぞれ”の心情はリンクはしていてっていう仕掛けは良かったです。{netabare}監督は望結ちゃんに演じ分けをしないよう指導してたとのこと、物語の筋を考えれば納得です。{/netabare}



「切ない真実に、あなたは涙する——」

本作のキャッチコピーです。ネタバレ畳んだとこの骨子に沿うと、{netabare}童話パートと現実パートの意味合い、麗奈と久美子の煽り、楽器に太陽光を反射させ合うシーン、進路で悩む二人、新山先生とみぞれ、みぞれのオーボエソロ、その他諸々、{/netabare}劇中一つ一つのシーンが二人の心情をよく表す計算しつくされた丁寧な仕事のように私には映りました。
劇場版にありがちな尺不足、説明不足を感じなかった、という点をもって高く評価するものであります。



■蛇足

女子ウケ良さそう

萌え萌えしてないし、思春期女子の考えそうなことと大きく脱線してない気もするので、敷居は低いです。女性監督というのも大きいかもしれません。

話のとっかかりとして、お薦め作品聞かれた時の回答として、使えるシーンはありそうです(無責任)。
相手が視聴済の場合には、男性諸氏は希美とみぞれの行動や言動についての共感、非共感を聞いてみると面白いと思いますよ。リアル寄りのキャラ設定ということで、一歩引いての客観的な感想というよりも自身の経験や考えを反映したものを披露してくれそうです。

意中の子だったらなおさら。
相手の考え方が良く分かる試金石になるやもです。その結果、「あ、これ脈ないや」との切ない真実に、あなたは涙するかもしれませんが、それもまた一興です。



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2019.02.22追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/04/20
♥ : 93

75.6 4 ポジティブで親友なアニメランキング4位
君の膵臓をたべたい(アニメ映画)

2018年9月1日
★★★★☆ 3.8 (301)
1447人が棚に入れました
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。

「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。

「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。

声優・キャラクター
高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見

fu+i さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

真実か挑戦

タイトルが気になって、実写は、見る気がしなかったがアニメなら、と思い観てきたんだが、よかった。

遺書のところ、少しもやっとしたが、人生哲学を知る良作だと思う 作中で桜良が言ってた通り、どこかしっくりこなかったところには、きっと、意味なんてないんだろう
あるいは、お互いの人生観の齟齬か、

「僕」に近い人生観だが、
なんか共感できないな… 入ってくる情報過多で、しばらく小説断ちしてたからかな?
いや、周囲に心配させないために空元気に振る舞い死への恐怖を皆無にしようとしてた時期があったので桜良に近い人生観かもしれない しかしまだ、それだけの処世術が身についていないのだが…
いやはや、それにしても、桜良のセリフは軽快だね!
えっと、死ぬときは、自然災害であっけなく死にたいものだね それが一番まわりを悲しませなくて、まわりも納得いくんじゃないかって(汗)

しかして、キミスイの鑑賞者は、「僕」と桜良、どっちにもなれたわけだ

友達でも恋人でもない、というのは、いわゆるソウルメイト的な何かだろう
ここのアニメ成分に「恋愛」入ってるけど、これは恋愛なのか、私には、人生の通過儀礼のようなものに感じたが…

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

青春感動をアウトレットで

原作未読 実写版未視聴


これ小説けっこう有名ですよね。
それに実写もアニメも劇場版が作られるなど肝いりじゃないですか。その割にはイマイチでした。

身体の悪い部位があったらそこと同じ場所食っときゃ直るというお祖母ちゃんの知恵袋ネタはご存知の方多いのではないでしょうか。曰く「肝臓の調子悪いからレバー食っとこ」。
それを地でいく話となるのかどうか、余命短い相方との切ないラブストーリーを想像していた事前の私です。ベタ大好きなのでばっちこーい!と受け入れ態勢完璧でしたがこれまで視聴の優先順位は上がってきませんでした。地上波でやるってのを見つけたのがきっかけとなります。


 ベタだけどベタになりきれてない


長年培われてきた感動のお作法は世の中に存在します。そこをずらしての意外性を演出するにあたり事前の種まきがなされてないので感情を揺さぶるには至りません。そこ説明してくれりゃ感情移入できるのに!ってやつです。
悪目立ちしたのがキャラクターの行動/言動の根っこにある動機。これが良くわからない。取り急ぎダメ出しするよりも先に良きメッセージについて触れます。


■良きメッセージ

・{netabare}近づいたのは対極にいるからだと桜良(CV:Lynn)は言った。桜良逝去後に春樹(CV:高杉真宙)がとった行動は意趣返し。自分とは真逆の桜良に近づくための真逆の行動をする勇気。こうして故人の遺志は受け継がれていく。{/netabare}

・{netabare}心が通じ合えた、必要とされたことを実感してから旅立てたこと。死因よりも死んだ時期がこの物語には重要だったのだと思う。{/netabare}

生きる意味や執着。繋がりで得られるもの。ベタだったり変化球だったりそんなに外してるとは思いませんでした。ただしいかんせん説明不足です。雰囲気で乗りきれればOK!そんな作風でした。



■悪しきエトセトラ

くどいようですが種まきがありません。らしきものは見つかっても「それ理由になるかなぁ?」と首をひねるものが散見されます。ヒロインが主人公に惹かれる理由。主人公の突き放したヒロインへの態度の理由。恭子(CV:藤井ゆきよ)が頑なに春樹を拒む理由などけっこうコアなとこがダメ。
特に桜良と春樹。この主軸が惹かれあう妥当性を見い出せなかったのは致命的かも。「なんで二人一緒にいるの?」。しっくりくるこないで作品評価の別れるポイントになると思います。

{netabare}※春樹がモテ要素皆無なキャラに見えたので、なおさら桜良が彼に近づく理由に強いものが欲しかったのもあります。逆もしかりで、非モテコミュ障がかわいい子に言い寄られて舞い上がりましたとしか見えないのが極めて残念でした。{/netabare}

それと声優にも一言もの申したい。根本的に内罰的な主人公は抑揚のない中で感情を表わす難しい演技を求められます。この難役を演じるには声のお芝居経験に乏しい俳優では荷が重かったでしょう。俳優と声優の組み合わせでしたらむしろ男女を逆にしたほうが実力差が隠れてよかったと思われます。




画は綺麗で劇伴/主題歌は普通。
難病ヒロインと内向男子の別離の話ってそれこそ野球で打線を組めるくらい巷に溢れてるベタな題材で、こちらもいつもどうりに踊りたかったのですがそれができなくて残念です。
なお、著名原作がそれなりに骨子まとまってそうなので大崩れしてるようには感じません。推奨はしない佳作。そんなところです。



※余談

■お里が知れる

膵臓である意味/必要性はそれほどなかったと思います。音感とイメージの薄さで白羽の矢があたった臓器。それ以上でも以下でもない。
どういうことかというと、まずは“(仮題)君の○○をたべたい”というフレーズを思い浮かべてみてください。この○○に入るのが肝臓や心臓だと生々しいというかスプラッター要素マシマシですよね。大腸に至ってはウ○コをイメージしてしまうかも。なんの機能かわからなければわからない方がいい。
それで膵臓(スイゾウ)。脾臓(ヒゾウ)なんかも候補に挙がりますがそれだと音のリズムが悪くなっちゃう。というわけで膵臓。
これでも充分センセーショナルです。カニバリズムかなんかだと勘違いするしそれを狙っているのです。出自を見れば無理はありません。

{netabare}小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿{/netabare}

タイトルで目を引かないと埋もれますからね。「タイトルはアレだけど感動作だよん」話題になってた時耳にしたのはこんな声でした。
そして私あまり好きじゃないんですよねこの商法。作品の中身と乖離するから。WEBニュースの見出し勝負みたいになっちゃいます。今しがた漱石が『こころ』なんてタイトルにしてなろうに投稿したら埋没しちゃうのでしょう。弊害はしっかり出てました。

{netabare}膵臓の病気持ちでアルコール摂取はねーだろ{/netabare}

チュートリアル福田が発症した病気は「急性膵炎」。原因は酒です。入院したらしたで膵液が分泌されるとまずいので食事を経口摂取せず点滴のみ。後がないからってのも理解できなくもないですけど、実際に病名は明かされてなかったけど激痛必至だったんと違いますかね。

少なくともアニメ映画だけでみれば、タイトルのインパクト重視で中身を練られてないように見えました。本末転倒とはこのことです。




■声優Lynnのお仕事

これこそ余談です。私の深夜アニメの入口は『風夏』。ヒロインはLynnさんが演じられてました。今日びの声優さんは綺麗だな~と時の流れを感じた次第です。
そんで風夏のネタバレ込みでふわっと思ったのが以下、

{netabare}自分死んだ時の通夜に彼氏が来てくれないの一緒じゃん、と。{/netabare}

{netabare}アニメ『風夏』はアニオリで別の世界線。原作漫画との対比でした。では♪{/netabare}



視聴時期:2020年5月 地上波

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2020.05.09 初稿
2020.12.10 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 51
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

桜の木になろう

住野よる原作、ベストセラー青春小説。

共感は出来るがあまり評価は出来ない。
理性と感性の評価で大きく揺れています。

優れた表現力、ポップなキャラクター、
美しい風景と少しづつ積み上げていく物語に、
中盤までは省略があるにしろ感じることも多い。

偶然にもイエール大学講師シェリーケーガン著、
「DEATH 死とは何か」を読了し、
そのせいでひどく考えさせられることになった。
{netabare}死とは、そもそも悪いものなのか、
死とは、どうしてどんなふうに悪いのか、
死とは、いつの時点で私にとって悪いのか。{/netabare}

我々の寿命が60歳と仮定した時に、
10年長く生きたかったと泣くことは、
誰しも容易に、想像出来ますが、
10年早く生まれたかったとは泣かない。
その違いは何か?同じ10年であるのに。
{netabare}答えは至ってシンプルなものでしょう、
積み重ねた記憶や経験があってこそ尊いのだ。
それこそが主題であったのでしょうか。{/netabare}

{netabare}名前のない僕と未来のない少女の、{/netabare}
大人になろうとしているあなたへ贈る、
桜咲き誇る、美しい春の日の物語。

記録よりも記憶に残るアニメとなりました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53
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