マッチョで笑いなアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のマッチョで笑いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月01日の時点で一番のマッチョで笑いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.8 1 マッチョで笑いなアニメランキング1位
クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.8 (167)
964人が棚に入れました
悪の組織"ブタのヒヅメ"が、新たなコンピューター・ウィルスを作り出した。それを知った正義の組織"SML"の女スパイは"ブタのヒズメ"からパスワードが入ったトランクを盗み出し、お台場へと逃げる。ちょうどその頃、屋形船では、ふたば幼稚園の先生と園児たちが、宴会を繰り広げていた。そこに女スパイが逃げ込んできて…。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第6作。
1998年公開。


【前置き】

原恵一さん、脚本&監督作品の第2弾。

本作のタイトルでピンとくる方も多いかもしれませんが、この第6作目は、しんちゃんが描いた空想上のキャラクター

『ぶりぶりざえもん』

が主軸となった映画です。
そのシナリオもさることながら、シリアスな銃撃戦や迫真のアクションシーンも展開し、本作を劇場版一と押す方も多いとか、そうでないとか。

私は当時、友人と映画館へ見に行きましたが、そのまま3回も続けて見てしまった程でした。
(昔の映画館は、席指定もないし一度入れば何度でも見れたんですよね………。
 じゃなかったっけ……(・_・;))

久しぶりに見返すと、少~~し涙がちょちょ切れちゃいました。



【あらすじ】

『ブタのヒヅメ』と呼ばれる悪の秘密結社と、正義の組織『SML』との戦いがメインとして描かれます。

ブタのヒヅメが開発する電子生命体の奪取に成功した、SMLのメンバーの「お色気」(←コードネーム)が、

しんちゃん達ふたば幼稚園の皆が乗っていた屋形船に偶然に乗り込んだことから、しんちゃん達『かすかべ防衛隊』は、その戦いに巻き込まれていくのです。



【論じてみる】
{netabare}
まず、「かすかべ防衛隊」(風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボーちゃん)が、メインストーリーに終始関わる作品は、本作が初めてですね。
この頃にもなると、本編で「人形を殴るネネちゃん」「実は知的なボーちゃん」等の個々キャラが完全に確立されていたので、映画でも見ていて楽しかったです。

それに途中、5人が荒野で野宿するシーンがあるのですが、しんちゃんの存在が図らずも皆に勇気を与える演出も生まれました。

「いやぁ~、それほどでも~。」

という、しんちゃんのいつもの台詞。
いつもは、「褒めてない!!」と返されるお約束のパターンですが、その時だけは風間君が静かに

「褒めてやるよ…。」

と言うシーンが、とても印象的でした。

最後の状況でも、皆がしんちゃんを必死に敵から守ろうとしたり、今作は家族愛に加えて「友情」も色濃く描かれていましたね。
これは、後の名作「カスカベボーイズ」の片鱗を見たような気がしました。



しかし、おなじみの魅力溢れるオリジナルキャラは、今作でも負けてはいません。

SML(←正義の、味方、ラブ、の略称www)のメンバー、コードネーム「筋肉」と、コードネーム「お色気」のバツイチお姉さん。

特に「お色気」お姉さんの、細身ながらの豪快なアクションシーンはメチャクチャに格好良かったですね。
夫婦喧嘩で鍛えたと自称するその強さもさることながら、しんちゃん達と同じぐらいの年の息子がいることもあり、子供達への優しさも人一倍なのも魅力です。

だからこそ余計に、彼女が暴力をふるわれ鼻血を垂らす中盤のシーンは、見るに耐えなかったですね。
作中最強の敵「ママ」に関しては、悪者ながらどこか憎めない敵キャラという、シリーズの定番を少々覆しかねない程でした。
その分、最後の勝利が気持ち良いのですけど。


「筋肉」さんも、声が玄田哲章さん(アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替え役でも有名ですね)なので、このテロ組織に立ち向かうゴリマッチョなキャラクターが非常に合っています。
渋いだけでなくどこか抜けていて、ボケ担当もしっかりこなしてくれますしね。

特に笑ったのは、「お色気」お姉さんと巻き込まれたしんちゃん達を助ける為、みさえとひろしに身なりが分かる写真提供を求めて現れる冒頭のシーン。
頑なに同行を断る「筋肉」さんは、みさえの策にハマり、
『一週間のお便秘もたちまち治る便秘薬を10倍』
飲まされ、同行を賭けた壮絶なトイレ争奪戦へと誘われるのです。

ここのシーンは、第5作でも好評だった濃い絵のタッチが再度採用され、これまた見応えが抜群です。

「馬鹿めっ! 正義の味方がクソなぞ漏らすか~~~っ!!!!」

アーノルド・シュワルツェネッガーが言っているように想像してしまうと、余計に面白かったですね。
{/netabare}



【救いのヒーロー、ぶりぶりざえもん】
{netabare}
ただ、そんな魅力的なオリジナルキャラクターも、後半から登場する『ぶりぶりざえもん』に、全て食われてしまった感はありますね。
こればかりは、ハッキリ言って相手が悪いです。

元々はしんちゃんが創りあげた空想上のキャラクターですが、その絵を偶然見て閃いた博士が電子生命体として作り上げたのが、本作に登場するぶりぶりざえもんです。

故にこのぶりぶりざえもんは、しんちゃんのことなぞ知らずブタのヒヅメの教育により、世界に恐怖を振りまく存在と自分を認識しているのです。

ただ、あの性格はそのままなので、その下品さはしんちゃんと同率1位。


『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』


などは、しんちゃんすら超えた下品極まりない発言だとさえ感じましたね。

「死ぬまでに、一度で良いから言ってみたい台詞」リストに、私はコレを入れています。



終盤、ぶりぶりざえもんを宇宙衛生に侵入させ、核ミサイルを発射させようと企むブタのヒヅメのリーダーの策略に、しんちゃんはこう言います。

「違うよ ぶりぶりざえもん。

 オマエはオラの友達で、救いのヒーローなんだよ。」

その言葉に、ぶりぶりざえもんは初めて他者に心を動かされ、しんちゃんが作った「ぶりぶりざえもんの冒険」という本の内容に、耳を貸すのでした。

その内容は、「人に感謝されることの大切さと喜び」を学び、彼が救いのヒーローへと変貌していく様が描かれたもので、彼にとって…今の自分とは真逆の人物像でした。


最後に、博士がワクチンソフトを使ったことで消え去るぶりぶりざえもんが、こう言います。

「しんのすけ、ホントは私のチ○チ○の方が大きかったよな!」

必至に否定するしんちゃんに対し、

「バカっ!! こういう時は嘘でも「うん」と言うものだ。

 …………じゃあな。」

キラキラと輝きながら身体が徐々に消えていく、ぶりぶりざえもん。
消え去る間際まで繰り広げられた、しんちゃんとの下品ながらも「彼ららしい」やりとり…。

BGMと演出も感動的で、ここは劇場版シリーズ内でも個人的にベスト5に入る涙腺崩壊シーンでした。
一瞬だけ、しんちゃんの頬を伝う雫の演出もたまりません。


そんなぶりぶりざえもんはクライマックスにもう一度、今度は救いのヒーローとして参上し皆を救い、爆炎の中に姿を消すのでした。
それを認知出来たのは、しんちゃんただ一人……。

カッコ良過ぎるでしょ、コレは……。。。。
{/netabare}



【総評】

シナリオにも大きな破綻は無く、スケールの大きなアクションと感動が込められた快作となっております。
主題歌を担当したSHAZNAの曲も格好良くて印象強いですしね。(これまた、実際に出演もされてます。)

ただ冒頭で、スパイとして敵陣に入り抜け出す「お色気」お姉さんのシーンや、
攫われたしんちゃんの安否を心配するみさえが、自暴自棄に泣きじゃくるシーンなど、
およそクレヨンしんちゃんらしくない演出も多々。

目を覆いたくなる暴力シーンがあったり、作中で登場する銃器も全て実在のもので出方や装弾数まで細かく考証されている点などを考えても、「100%子供向けを意識して作った」とは、とても言えない内容でしょうね。(苦笑)


それでも本作が、世代関係無く楽しめる作品になったことは間違い無いと思っています。
何より、本編の中でも圧倒的人気を誇る『ぶりぶりざえもん』をメインとした劇場版が、本作なのですから。

休日の夜長に、お気が向きましたら是非。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


次回作は、第7作「爆発!温泉わくわく大決戦」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ぶりぶりざえもん』声 - 塩沢兼人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『お色気』声 - 三石琴乃さん



ここから、「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、『故 塩沢兼人さん』について語ります。
本筋とは少しズレますので、興味の無い方はスルーして下さい。
{netabare}

さて、この「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、塩沢兼人さん。
「ガンダムシリーズ」を始めとして、以降も多数の個性派キャラクターを演じ、洋画の吹き替えでも活躍。

当時から実力も知名度も抜群の方でしたが、46歳という若さで転落事故により他界されました。


私は、この「ぶりぶりざえもん」というキャラクターは、この方が演じたからこそ、これほど人気のあるキャラクターになったと断言出来ます。

二枚目で気品溢れる声から、殴られて情けない声の高低差。
その声の臨場感は、他の声優さんの中でも群を抜いていました。

当時の私は、そのキャラクターにばかり目が行き声優さんの存在なぞ考えもしませんでしたが、一緒に本作を見ていた父親がこの声を絶賛していたのは、今も鮮明に憶えています。


業界内部でもこの方の存在感は圧倒的だったようで、事実この方が演じられたキャラクターは、原作者や制作スタッフの意向により以降そのキャラクターを再登場させなかったり、登場しても喋らせない作品も出た程です。

実際に、この「ぶりぶりざえもん」も以降、登場しても喋らないキャラクターとなりました。

「このキャラクターの声は、塩沢兼人さんでしか絶対に成立しない!」

というのが、原作者やスタッフの総意だったからだそうですね。

作中でも群を抜いた人気キャラクターが声を発しないというのは、作品に多大なダメージを与えることは必至。
当時スペシャル版では、きまって「ぶりぶりざえもん」が登場して、その渋さと寝返りと情けなさで、一番の笑いを掻っ攫っていましたから。

それでも、彼の後でこの「ぶりぶりざえもん」を演じられる方なんて、誰も存在しないのですから仕方ないのでしょう…。

今も公式のファンクラブが存在して、実際に今でも掲示板でやりとりがされています。
第2作の紗ゆりさんの時にも述べましたが、声優さんが亡くなられても、演じられたキャラクターはファンの中で一生生き続けるということが、見ていて伝わりました。


ただの1ファンの私ですが、それでも…なんか文章を作っていて少し涙が出てきました……。

塩沢さんが演じられたキャラクター「ぶりぶりざえもん」が、今でも私はクレヨンしんちゃんの中で一番好きです。

感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

笑いあり感動あり、バランスが取れていてよかった!

しんのすけが生死不明の報を受けたひろしとみさえ。

二人の悲しむ様子から

普段はしんのすけの奇行に手を焼いていても、

二人がしんのすけをいかに大事に思っているかが

よく分かり開始すぐに涙腺が緩くなりました。

「オトナ帝国」ではひろしが主人公かと思わすような

活躍ぶりでしたが、

今作ではひろしではなくみさえの格好良さが

際立っていました。

普段はしんのすけと一緒におバカをしているみさえが

しんのすけを追って海外まで追いかける行動力や発言は

惚れ惚れとします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クレしん映画の中で1番観たかも

シークレットシューズのくだりや、銃撃をコサックダンスで避けるしんちゃん。笑いどころいっぱいです。
その中でも下剤を盛られ→トイレまでの攻防戦はめっちゃ笑いました。なんだよ、その劇画タッチ!迫力がwww

観たのは遥か前だけど、ラストシーンは今でも覚えています。
まさかあんなふざけたヤツにほろりとさせられるとは。
それにしても、ぶりぶりざえもんの声優さんがデビモンと一緒なのは後で知って衝撃でした。声優って凄い…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

69.9 2 マッチョで笑いなアニメランキング2位
クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(アニメ映画)

1997年4月19日
★★★★☆ 3.8 (179)
956人が棚に入れました
愛犬シロを連れて散歩していたしんのすけは、オカマのローズが落とした光るタマをこっそりと持ち帰った。それは、伝説の魔人ジャークを封じ込めた埴輪の鍵となる一対のタマのひとつで、ローズをはじめとするオカマ3兄弟は慌ててしんのすけの行方を探し始める。一方、もうひとつのタマを持っているホステス軍団も、オカマ3兄弟を追ってしんのすけをマークし始めていた。ローズはしんのすけに接触し、タマを取り返そうとするが、しんのすけが持ち帰ったタマをひまわりが飲み込んでしまっていたことから、やむなく野原一家全員を新宿2丁目のオカマバーに連れ去る。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『頼んだぜ…、お兄ちゃん』

劇場版クレヨンしんちゃんの第5作。
1997年公開。


劇場版シリーズ第5作は、しんちゃんの妹ひまわりが遂に登場。
シリーズ中でも群を抜いた徒手空拳の格闘が盛り込まれながらも、しんちゃんのお兄ちゃんとしての行動が光る快作で、こちらもまた大のお気に入り作品です。


本作から、これまで脚本を担当されていた原恵一さんが監督も兼任。
ここから、シリーズ引退作となる第10作「アッパレ!戦国大合戦」まで続投されています。

くわえて本作は、原作者の臼井儀人さんが制作に参加(タイトルを付けた)最後の作品となっております。
そう思うとちょっと寂しい気持ちになりますが、以降もシリーズの色を変えず名作を生み出し続けた原恵一監督に、精一杯の感謝を送りたいですね。



【あらすじ】

魔神ジャークの復活を目論む「珠黄泉族(たまよみぞく)」と、それを阻止する「珠由良族(たまゆらぞく)」の抗争をメインに、

その復活の鍵となる「珠(タマ)」をひまわりが飲み込んでしまったことにより、野原一家がその激しい戦いに巻き込まれていく、というストーリー。



【論じてみる】
{netabare}
本作の特色としてまず上げたいのが、そのオリジナルキャラの多さですね。
ただ多いだけでなく、これまた印象値が強い面々が揃っているのが高ポイント。

野原一家と行動を共にする、珠由良ブラザーズの(オカマの)3人。
加えて、千葉県警の「凶悪犯罪特別分室」(←本当はただの資料室)に属する、東松山よね(グロリア←自称)。

敵キャラである珠黄泉族の面々も、中村玉緒さん風の頭領や、パワーファイターながら子供好きなサタケなど、コミカルさは抜群。

そして何より!!!
珠黄泉族と行動を共にする、金髪碧眼の外国人。
恐らく『劇場版シリーズ最強』の格闘術を持ち、更に特異な能力も持ち合わせている【Mr.ヘクソン】。
彼の強さは、もう圧倒的でした。

このヘクソンが、(七人の侍の如き)珠由良七人衆と呼ばれる銃刀法違反集団を一人で武器も無しになぎ倒し、野原一家に迫って来るシーンは、

「私は一体、なんの映画を見ていたのだっけ?」

という錯覚にすら陥る程、緊張感のある戦いを魅せてくれました。
コミカルな一面もあるのですが、ひまわりを投げ殺そうとしたりと基本的に冷徹な悪人なので、作中でも異彩を放っていましたね。



あと、原作者の『臼井儀人さん』が、そのまま出演されているのも印象強いですね。
今では決して叶わない貴重な声ですし。
ちなみに、劇中によると
『好みの女性=松たか子』『趣味=便座観賞』
だそうです。

ただ、この臼井儀人さん。
以降の作品でも度々登場されるのですが、そのどれもが(褒め言葉として引用します)どーでもいい&しょーもないシーンなんですよね。

特に本作終盤、ひまわりを攫われた野原一家達が、怒りの余り劇画タッチとなり、敵陣へ立ち向かうシーン。
ここが非常に面白くて好きなのですが、その途中、この怒りの集団をタイミング悪く引き止めた臼井儀人さんが、


「ちょっと~、すみません。

 全日本 心の演歌カラオケ大会の予選会場は、どちらでしょうか。」


と本編と全く関係無いことを聞き、ひろしに


「知るか~~~~~~~~!!!!!!!」


と、思いっきり右ストレートを頬に入れられちゃうのです。
ここはシナリオ上では全く必要の無いシーンなのですが、私は劇中でも一番笑ったかもしれません。

テレビ放送時、もしこのシーンがカットされて放送されていたら、私はグレて非行に走っていたのは、まず間違い無いでしょう。
ちゃんと放送されていて良かったです、臼井儀人さんお疲れ様でした。


ぞんざいな扱いと言えば、「東松山よね」のイジられっぷりも面白かったですね。
警察という肩書を持ちながら、全く当たらない射撃の腕前を披露してからは、その信頼は一瞬にして地に落ち、以降全てのキャラクターからイジり倒されます。

こういう扱いは、基本的に本編のメインキャラが張ることが多いのですが、「東松山よね」にはそれを覆すキャラクター性がありましたね。
美人なんですけどね…、ホント残念な人でした。
{/netabare}



【ひろしが伝えた、しんちゃんへの言葉】
{netabare}
今作は面白さだけでなく、ひまわりという存在が周囲に「守る」という共通の意志を付与してくれるので、シナリオも分かりやすく非常に盛り上がります。

それに、ひまわりの登場で初めて「お兄ちゃん」という肩書きを得たしんちゃんが、(ヤキモチをやきながらも)ひまわりを必死に守ろうとするシーンは、後の感動路線を彷彿させる雰囲気があります。

このしんちゃんの成長は、中盤の ひろしとしんちゃんの、このやりとりから培われたものでした。


「しんのすけ…。父ちゃんに何かあったら、ひまわりのこと守ってやってくれよ。」


「う~ん……、考えとく。」


「頼んだぜ…、お兄ちゃん。」


私は、このひろしの最後の台詞の「お兄ちゃん」という言い方が、優しさに溢れていて大好きなのです。
藤原啓治さんの声は、どうしてこうも格好良いのでしょうね。

ひろし自身、劇中で弱音を吐いたり人間らしい脆さも見せているのですが、こういうところはキッチリと決めてくれるのが良いですね。

……その後、ヘクソンに(あっさりと)やられて屁をこく始末でしたけど(笑)

ただ、そこからヘクソンに対し、しんちゃんが


「母ちゃんとひまわりに近付いちゃダメ~~~~!!!!!」


と言うシーンは、ちょ~っと目頭が熱くなりました。

ただその直後しんちゃんも、守る相手である筈のひまわりにチ○チ○を引っ張られたりして、汗だくで消え入りそうな声を出す目にあうんですけどね。
アレは痛いでしょうねぇ…。。。。
うん…、よく頑張ったよ…しんちゃん、存分にフーフーしていいよ。
{/netabare}



【総評】

ファンタジー路線は非常に抑えめとなりましたが…。
個性溢れるオリジナルキャラ、徒手空拳の格闘技、そして…しんちゃんの初めてのお兄ちゃんっぷりが本作の魅力。

シナリオ的に見ても伏線の回収もキッチリされており、大勢のキャラの後日談もエンディングで挟まれるので説明不足も特にありません。
特に、ひまわりの泣き顔を見て敵から寝返ってくれたサタケが、珠由良ブラザーズの店で笑顔で一緒に働いている絵は、嬉しくなりましたね。

総じて、後味も非常に良い作品です。
あっ、モチのロンで、笑いのクオリティも「東松山よね」がいるのでシリーズ内でも高水準。

90数分程、お時間に余裕がありましたら是非!!

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


次回作は、第6作「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『東松山よね(グロリア)』声 - 山本百合子さん


◇一番可哀想なキャラクター◇
『臼井儀人』声 - 臼井儀人さん




以降、『オカマ』について、どーでもいい見解をワリと真面目に語ります。
興味の無い方はスルー推奨。
{netabare}

本作は、劇場版シリーズ中一番「オカマ」が全面に登場するのも魅力の一つでした。

ただ、本作がテレビ放送された際は、言葉として不自然になるほど完全に「オカマ」というワードを排した構成になり、以降のシリーズでもオカマキャラが消されていった傾向になりました。


この「オカマ」というワードが、人によっては傷付いたり不快な思いをしたり、偏見を与えてしまうことにもなりかねない、というのは十分に分かります。

ただ、本シリーズを文字通り擦り切れるほど見た私としては、決して一部の人を小馬鹿にして中傷するような内容では無いと思うのですけどね。

むしろ、作中で登場するオカマ達は総じて、好感の持てる良いキャラですし。
(まぁ…、4作の「マカオ」と「ジョマ」は強烈過ぎるかもしれませんが…。)
それも、人それぞれなのですけどね。


こういった傾向として、やはり致し方ないとは思うのですが、

『面白いと思ったものを思う存分、描けない、言えない』

そんな世の中にドンドンなっていくのは、とても嫌ですね。
えぇ…はい、ポイズンです。

……と、言うわけで、


「たまゆら♪ たまゆら♪ たまゆら♪ ゆ~~ら♪

 振れば力が、わ・い・て・く・る♪」


これは劇中の歌ですが、素晴らしい程ストレートな歌詞で良いですね。

えぇ、湧いてきますよ勿論。

これは、「ぷるんぷるん」というより、濁点の方の「ぶるんぶるん」って感じですが。

はっはっはwww



………反省してます、本当にすみませんでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

ジャイアンツ愛 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

”タマタマ”争奪戦!

いわゆるクレしんの世間のお下劣なイメージに近い作品の中で面白い劇場版がコレ!

2つの”タマタマ”と、それをはめ込むハニワが全て揃った時に世界が終わるという伝説。
そのうちの1つのタマを拾ったしんのすけだが、タマをひまわりが呑み込んでしまったことで事件に巻き込まれていく。
野原家は3人のオカマたちと奮闘するのだが、世界の終焉を狙う珠黄泉族の元に3つの全てが揃ってしまい…

クレしんらしい面白さが味わえる作品だと思う。
にしても、この頃のクレしん映画はフリーダムすぎる!
ちなみに、この作品がひまわりの最初の劇場版出演となる。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1
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